JP3606302B2 - 人造発光石及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な人造発光石及びその製造方法に関し、更に詳しくは強度に優れ、装飾品等に使用される高輝度かつ長残光性を有する人造発光石及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
天然宝石は、古来から貴重品かつ装飾品として愛用されているが、近年、天然宝石を人工的に製造する技術が開発され、サファイヤーを始め、トパーズ、ジルコン、ダイヤモンド等数多くの人造宝石が合成されるようになった。このような中で中国特許公告公報CN1010971には、高屈折率を有する人造宝石が開示され、天然宝石のように高硬度を有し表面加工すると綺麗な光沢が得られるものであるが、自然発光性を有する天然宝石は、螢石に見られる如く光を吸収すると発光するものはあるものの、長時間残光性を有するものはなく、未だ開発されてはいない。
【0003】
一方、燐光材料(ZnS:Cu)で代表される発光材料は知られおり、更に長時間残光性を有する発光材料も開発されている。このような発光材料として、アルカリ土類金属のアルミネートに稀土類元素のユウロピウムを添加した蛍光材料、米国特許第3,294,699号明細書に開示されている二価ユウロピウムを賦活剤とするストロンチウムアルミネート(SrAl2 O4 :Eu)、中国特許出願公開番号CN1053807Aに開示されている一般式 m(Sr1−x Eux )O・nAl2 O3 ・yB2 O3 〔但し、1≦m≦5、1≦n≦8、0.001≦y≦0.35〕で表される長残光性発光材料、米国特許第5,376,303号明細書、特開平8−170076号公報、特開平8−127772号公報等に開示されている高輝度及び長残光性を有する蛍光体として知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの長残光性発光材料が、焼成によって得られた塊凝体は、粉砕して粉末状にされて使用されるものであった。そこで本発明者等は、粉末ではなく大きな塊として製造し、人造宝石を作りだすべく種々研究を続けた結果、特定の製造方法により硬度が大きくかつ比重の大きい人造発光石を製造することに成功し人類の夢といわれる人造発光石を得るに至った。したがって、本発明が解決しようとする課題は、粉砕されている長残光性発光材料から高輝度及び長残光性を維持しつつ高硬度かつ高比重の大塊焼結体の人造発光石及びその製造方法を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の前記の課題を解決するための手段は、以下の各発明によってそれぞれ達成される。
【0006】
(1)(a)粉砕されている高輝度長残光性発光材料を容器に充填した後、圧力の調整ができる焼成炉に載置し、5〜8時間かけて炉内温度を室温から1550℃〜1770℃に昇温し、かつ圧力1.020〜8.160kgf/cm2まで昇圧し、(b)この条件で2時間〜5時間焼成して焼結体を形成する工程、(c)ついで、得られた焼結体を8時間〜10時間かけて室温まで冷却する工程により製造された残光性発光材料からなる焼結体であって、該焼結体の特性がモース硬度6〜8、比重6〜8、発光波長440nm〜700nmを有することを特徴とする人造発光石。
(2)残光性発光材料が、
一般式 (MEu)Al2O4・(MEu)O・n(Al1−a―b BbQa)2O4
〔式中、aは0.0005〜0.002であり、bは0.001〜0.35であり、nは1〜7である。MはSr、Ca及びMgから選ばれた少なくとも一種類であり、更にQは、Dy、Y、Nd、Ce、Gd、Tb、Ho、Er、Mn、Bi、Pt、Tm、Yb、La及びSmから選択される少なくとも1つである。〕で表される高輝度長残光性発光材料であることを特徴とする前記第1項に記載の人造発光石。
(3)(a)粉砕されている高輝度長残光性発光材料を容器に充填した後、圧力の調整ができる焼成炉に載置し、5〜8時間かけて炉内温度を室温から1550℃〜1770℃に昇温し、かつ圧力1.020〜8.160kgf/cm2まで昇圧し、(b)この条件で2時間〜5時間焼成して焼結体を形成する工程、(c)ついで、得られた焼結体を8時間〜10時間かけて室温まで冷却する工程からなることを特徴とする人造発光石の製造方法。
(4)冷却工程後、得られた焼結体を加工研磨することを特徴とする前記第3項に記載の人造発光石の製造方法。
(5)焼成炉内の雰囲気は還元雰囲気であることを特徴とする前記第3項又は第4項に記載の人造発光石の製造方法。
(6)還元雰囲気が炭素で造った雰囲気であることを特徴とする前記5項に記載の人造発光石の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明すると、人造発光石は、太陽光や蛍光灯、熱、衝撃等、特に紫外線で励起して結晶体そのものが有するエネルギーを可視光として徐々に放出しながら、長時間発光し続ける焼結体であり、本発明は、このような人造発光石に関するものである。
【0008】
本発明の人造発光石は、残光性発光材料からなる焼結体であって、該焼結体の特性がモース硬度6〜8、比重6〜8、発光波長440nm〜700nmを有するもので、更にこの焼結体は大きな塊で得られるものであり、この大塊焼結体を加工研摩することにより光沢のある装飾品等が得られる。
【0009】
本発明の原料として用いられる残光性発光材料は、
一般式 (MEu)Al2O4・(SrEu)O ・n(Al1−a−b Bb Q)2O3
〔式中、aは0.0005〜0.002であり、bは0.001〜0.35であり、nは1〜7である。MはSr,Ca及びMgから選ばれた少なくとも一種類であり、更にQは、Dy,Y,Nd,Ce,Gd,Tb,Ho,Er,Mn,Bi,Pt,Tm,Yb、La及びSmから選択される少なくとも1つである。〕で表されることを特徴とし、これから得られた人造発光石は高輝度かつ長残光性を有し、高硬度、高比重で、各種の発光色に発光する優れた人造宝石が得られる。特に焼結体の発光色が、400nm〜700nmのスペクトル色であり、残光時間も20時間を有するものである。
【0010】
本発明の人造発光石の製造方法は、(a)粉砕されている残光性発光材料を容器に充填した後、圧力の調整ができる焼成炉に載置し、5〜8時間かけて炉内温度を室温から1550℃〜1700℃に昇温する工程、(b)この温度で2時間〜5時間焼成して焼結体を形成する工程、(c)ついで、得られた焼結体を8時間〜10時間かけて室温まで冷却する工程からなることを特徴とするもので、この製造方法により高硬度で、高比重であり、更に高輝度かつ長残光性が保持された大塊焼結体が得られる。本発明では、室温から1550℃〜1700℃に昇温する工程において、1500℃未満では焼成が不十分で気泡等が混入し良好な品質の焼結体が得られない。また温度が1700℃を越えると、脆くなり好ましくない。
【0011】
本発明の人造発光石の製造方法において、冷却工程の後、得られた焼結体を加工研摩することにより各種の工芸品乃至装飾品が得られる。また本発明において、焼成炉内の雰囲気を、還元雰囲気にすること、更にこの還元雰囲気を炭素を使用して造ることにより高輝度、長残光性の優れた大塊焼結体が得られる。更に本発明の人造発光石の製造方法では、圧力が1.020kgf/cm2 (1気圧)〜8.160kgf/cm2 (8気圧)下で、好ましくは2.040kgf/cm2 (2気圧)〜4.080kgf/cm2 (4気圧)下で焼結することにより高硬度、高比重の大塊焼結体が効率的に得られる。このような加圧焼結法のうち、熱間静水加圧法〔HIP〕を用いてもよい。また前記圧力が高い方が組織が緻密のものが得られる点で好ましいが、圧力が8.160kgf/cm2 を越えると経済的にコストがかかる。経済性を考慮すると4.080kgf/cm2 までがよい。更に圧力が1.020kgf/cm2 未満では、気泡の混入等が起こり品質的に好ましくない。更にまた温度の上昇及び降下が速過ぎると製品に亀裂が入る等により大きな塊が得られない。
【0012】
この他、本発明の人造発光石の製造原料となる粉砕された残光性発光材料には、各種の発光材料が用いられ、特にその種類等により限定されるものではない。その一例を挙げると、中国特許公開公報であるCN1053807Aに記載されている長残光性発光材料であり、この材料は、
m(Sr1−x Eux )O・nAl2 O3 ・yB2 O3
〔式中、1≦m≦5、1≦n≦8、0.001≦x≦0.8、0.005≦y≦0.35〕で表される一般式を有している。紫外線で励起し、500〜520nmの波長で発光する。発光時間は10時間〜50時間である。
【0013】
特開平7-16834号公報に記載されている長残光性蛍光体であり、
MO・a(Al1 −bBb)2O3:cR
〔式中、0.5≦a≦10.0、0.0001≦b≦0.5、0.0001≦c≦0.3、MOは、MgO、CaO、SrO及びZnOであり、RはEuと、Pt、Nd、Dy及びTmの希土類元素である。〕
【0014】
特開平8−73845号公報の特許請求の範囲に記載された残光性蛍光体であり、
(M1−p−q Eup Qq )O・n(Al1−m Bm )2 O3
〔式中、0.0001≦p≦0.5、0.0001≦q≦0.5、0.5≦n≦3.0、0.0001≦m≦0.5、0.0001≦p+q≦0.5、ただし、MはCa,Sr,Ba及びZnであり、Qは共付活剤であり、Mn,Nb,Pr,Nd,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb及びLuである。〕で表される焼成体である。
【0015】
特願平7−169369号の出願明細書に開示されている
一般式 M・N・Al2−x Bx O4 〔式中、Mはアルカリ土類金属を表し、Nは稀土類元素を表し、1≧x≧0.1である。〕で表される焼成体からなる高輝度長残光蓄光材料であり、Mがストロンチウムであり、Nがユウロピウムであるもの、またMで表されるストロンチウムの一部分がMg,CaあるいはBaの群から選ばれる少なくとも1種類のアルカリ土類金属で置換し得るものであり、更にNで表されるユウロピウムの一部分がLa,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,MnあるいはBiの群から選ばれる少なくとも1種類の金属で置換し得るものである。
【0016】
特願平7−267184号の出願明細書に開示されている高輝度長残光性蓄光材料であり、一般式 MO・(n−x)〔aAl2 O3 (α)+(1−a)Al2 O3 (γ)〕・xB2 O3 :R〔式中、Mはアルカリ土類金属を表し、Rは稀土類元素を表し、aは0.5≦a≦0.99であり、xは0.001≦x≦0.35、nは1≦n≦8である。〕で表される焼成体からなる。Mはストロンチウムであり、Rはユウロピウムであり、またRで表されるユウロピウムの一部分がLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、MnあるいはBiの群から選ばれる少なくとも1種類の金属で置換し得るものである。
【0017】
特願平8−353559号の出願明細書に開示されている長残光性発光材料であり、一般式
(Sr0.9995〜0.998 Eu0.0005〜0.002 )Al2O4 ・
(Sr0.9995〜0.998 Eu0.0005〜0.002 )O ・n(Al1−a−b B b Dya )2 O3
〔式中、a=0.0005〜0.002、b=0.001〜0.35、n=1〜8〕で表される焼成体である。この焼成体は、一般式のnが1である場合、緑色に発光し、30秒の輝度が4000mcd/m2 以上、残光時間は40時間である。また焼成体が、一般式のnが2である場合、青色に発光し、30秒の輝度が2000mcd/m2 以上、残光時間は60時間である。
【0018】
特願平9−227061号の出願明細書に開示されている高速励起・高輝度低減衰性発光材料であり、一般式
(SrEu)Al2O4 ・〔(SrEu)O ・n(Al1−a−b B b Q a )2O 3 (OH)〕〔式中、Qは、Bi、Ca、Mg、Mnから選択される少なくとも1種であり、aは、0.0005≦a≦0.002であり、bは、0.001≦b≦0.35であり、nは、1≦n≦7である〕である焼成体からなる。
【0019】
本発明の製造方法では、冷却工程の後、得られた焼結体を加工研摩するが、この加工研摩としては、ダイヤモンド、コランダム、アルミナ、炭化硅素、窒化硼素等の研削工具を用いて研削、切削等により加工される。特に好ましくはダイヤモンドである。また研摩剤としては、特に限定されるものではなく、金属酸化物、コランダム、エメリー、ガーネット、軽石、トリポリ、炭化硅素、アルミナ、ダイヤモンド等の粉末がある。また本発明の製造方法において、焼成炉内の雰囲気は、還元雰囲気で行い、この還元雰囲気としては、窒素と水素の混合ガス、COガスが用いられ、また還元雰囲気が炭素で造った雰囲気が好ましく用いられる。この炭素で造った雰囲気とは、容器の周辺に木炭又は炭素粉末を適用することにより還元雰囲気が形成される。
【0020】
本発明の人造発光石は、太陽光、蛍光灯、その他の光で励起されて440nm〜700nmの波長域で発光し、高輝度・長残光性に優れており、特に残光時間は、40〜60時間以上である。したがって、人造発光石を研削・研摩して所望のスライド板としたり、ペンダント加工、イヤリング加工したりして工芸品、装飾品、宝飾品等の製造に用いられる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて更に説明するが、この例は本発明を説明するためのものであり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】
実施例1 原料(1)として、特願平8−353559号の明細書の実施例1に記載の発光材料(n=1)200gを炭素で囲まれたルツボに入れ、これを圧力容器を有する電気炉に収納する。ついで、6時間かけて1550℃まで昇温し、かつ2.040kgf/cm2 まで昇圧し、その後この条件で3時間焼成した後、8時間かけて室温まで冷却し、かつ1.020kgf/cm2 まで降圧する。焼結体は塊となって得られた。更に100mm×100mm×100mmの立方体に加工した後、その表面を研摩して試料1とする。得られた結果を表1に示す。
【0023】
実施例2 原料(2)として、特願平8−353559号の明細書の実施例3に記載の発光材料(n=2)200gを炭素で囲まれたルツボに入れ、これを圧力容器を有する電気炉に収納する。ついで、8時間かけて1700℃まで昇温し、かつ4.080kgf/cm2 まで昇圧し、その後この条件で4時間焼成した後、10時間かけて室温まで冷却し、かつ1.020kgf/cm2 まで降圧する。焼結体は塊となって得られた。更に100mm×100mm×100mmの立方体に加工した後、その表面を研摩して試料2とする。得られた結果を表1に示す。
【0024】
実施例3 原料(3)として、
一般式 (MEu)Al2O4・(MEu)O・n(Al1−a−b Bb Qa )2O4の焼成体の発光
材料(n=1、MがSr0.7モル、Ca0.3モルの割合で、Q=Dy、a=0.0005、b=0.01)200gを炭素で囲まれたルツボに入れ、これを圧力容器を有する電気炉に収納する。ついで、8時間かけて1650℃まで昇温し、かつ4080kgf/cm2 まで昇圧し、その後この条件で3時間焼成した後、10時間かけて室温まで冷却し、かつ1020kgf/cm2 まで降圧する。焼結体は塊となって得られた。更に100mm×100mm×100mmの立方体に加工した後、その表面を研摩して試料3とする。得られた結果を表1に示す。
【0025】
実施例4 原料(4)として、この実施例3に記載の一般式の焼成体の発光材料(n=1、M=Ca、Q=Nd)200gを炭素で囲まれたルツボに入れ、これを圧力容器を有する電気炉に収納する。ついで、6時間かけて1650℃まで昇温し、かつ3060kgf/cm2 まで昇圧し、その後この条件で3時間焼成した後、8時間かけて室温まで冷却し、かつ1020kgf/cm2 まで降圧する。焼結体は塊となって得られた。更に100mm×100mm×100mmの立方体に加工した後、その表面を研摩して試料4とする。得られた結果を表1に示す。
【0026】
実施例5 原料(5)として、この実施例3に記載の一般式の焼成体の発光材料(n=1、MがSr0.7モル、Ca0.1モル、Mg0.2モル、Q=Y、Nd、a=0.0005、b=0.01)200gを炭素で囲まれたルツボに入れ、これを圧力容器を有する電気炉に収納する。ついで、7時間かけて1650℃まで昇温し、かつ3060kgf/cm2 まで昇圧し、その後この条件で5時間焼成した後、9時間かけて室温まで冷却し、かつ1020kgf/cm2 まで降圧する。焼結体は塊となって得られた。更に100mm×100mm×100mmの立方体に加工した後、その表面を研摩して試料5とする。得られた結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
実施例6 原料として、特開平7−11250号公報に記載の実施例1に記載のSrAl2 O4 :Eu蛍光体粉末を使用し、実施例1と同様の方法で焼結体の試料6を製造した。同様に研摩・加工して花瓶を形成した。紫外線を当てた後、暗所においたところ、花瓶は緑色に発光していた。またこの公報に記載されている共賦活剤であるDy,Y,Nd,Ce,Tb,Ho,Er,Tm,Yb、及びSmから選択された少なくとも1つ以上の元素を添加した蓄光性蛍光体を原料として用いた場合も同様に優れた効果を奏するものであった。
【0029】
実施例7 原料として、特開平7−11250号公報に記載の実施例5に記載のCaAl2 O4 :Eu系蓄光性蛍光体粉末を使用し、実施例1と同様の方法で焼結体の試料7を製造した。同様に研摩・加工して花瓶を形成した。紫外線を当てた後、暗所においたところ、花瓶は青色に発光していた。
【0030】
実施例8 原料として、特開平8−73845号公報に記載の実施例1に記載の(Sr0.952 Eu0.03Dy0.015 Tm0.003 )O・(Al0.988 B0.012 )2 O3 蛍光体粉末を使用し、実施例1と同様の方法で焼結体の試料8を製造した。同様に研摩・加工して花瓶を形成した。紫外線を当てた後、暗所においたところ、花瓶は緑色に発光していた。
【0031】
実施例9 実施例1において、焼成圧力を8160kgf/cm2 にする以外は、実施例1と同様にして焼成体を製造した。得られた焼成体の表面を研摩・加工して表面を観察したところ、緻密な組織が観察された。これで花瓶を形成し、紫外線を当てた後、暗所においたところ、花瓶は緑色に発光していた。
【0032】
【発明の効果】
本発明の人造発光石は、高輝度長残光性発光材料からなる焼結体であって、該焼結体の特性がモース硬度6〜8、比重6〜8を有することにより、スライド加工した薄板、ペンダント加工、イヤリング加工した工芸品、装飾品、宝飾品等に加工することができる。このような工芸品、装飾品、宝飾品等は、従来の発光材料粉末を樹脂に混ぜて成型した加工品に比べて工芸品、装飾品、宝飾品等の光沢感、重量感、自然石用高級感を呈した優れた効果を奏するものである。
【0033】
また本発明の人造発光石の製造方法は、(a)粉砕されている高輝度長残光性発光材料を容器に充填した後、圧力の調整ができる焼成炉に載置し、5〜8時間かけて炉内温度を室温から1550℃〜1700℃に昇温する工程、(b)この温度で2時間〜5時間焼成して焼結体を形成する工程、(c)ついで、得られた焼結体を8時間〜10時間かけて室温まで冷却する工程からなることにより、亀裂が入ったり、破れたりしないで、モース硬度6〜8、比重6〜8を有する大きな塊が得られ、工芸品、装飾品、宝飾品等の光沢感、重量感、自然石用高級感を呈した優れた効果を奏するものである。
Claims (6)
- (a)粉砕されている高輝度長残光性発光材料を容器に充填した後、圧力の調整ができる焼成炉に載置し、5〜8時間かけて炉内温度を室温から1550℃〜1770℃に昇温し、かつ圧力1.020〜8.160kgf/cm2まで昇圧し、(b)この条件で2時間〜5時間焼成して焼結体を形成する工程、(c)ついで、得られた焼結体を8時間〜10時間かけて室温まで冷却する工程により製造された残光性発光材料からなる焼結体であって、該焼結体の特性がモース硬度6〜8、比重6〜8、発光波長440nm〜700nmを有することを特徴とする人造発光石。
- 残光性発光材料が、
一般式 (MEu)Al2O4・(MEu)O・n(Al1−a―b BbQa)2O4
〔式中、aは0.0005〜0.002であり、bは0.001〜0.35であり、nは1〜7である。MはSr、Ca及びMgから選ばれた少なくとも一種類であり、更にQは、Dy、Y、Nd、Ce、Gd、Tb、Ho、Er、Mn、Bi、Pt、Tm、Yb、La及びSmから選択される少なくとも1つである。〕で表される高輝度長残光性発光材料であることを特徴とする請求項1に記載の人造発光石。 - (a)粉砕されている高輝度長残光性発光材料を容器に充填した後、圧力の調整ができる焼成炉に載置し、5〜8時間かけて炉内温度を室温から1550℃〜1770℃に昇温し、かつ圧力1.020〜8.160kgf/cm2まで昇圧し、(b)この条件で2時間〜5時間焼成して焼結体を形成する工程、(c)ついで、得られた焼結体を8時間〜10時間かけて室温まで冷却する工程からなることを特徴とする人造発光石の製造方法。
- 冷却工程後、得られた焼結体を加工研磨することを特徴とする請求項3に記載の人造発光石の製造方法。
- 焼成炉内の雰囲気は還元雰囲気であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の人造発光石の製造方法。
- 還元雰囲気が炭素で造った雰囲気であることを特徴とする請求項5に記載の人造発光石の製造方法。
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