JP3606118B2 - 現像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ等をはじめそれらの複写機能やプリント機能等を兼ね備えた複合機等の画像形成装置に適用される磁性一成分現像装置に係り、特に、磁性一成分現像剤としてシリコーンオイルにより疎水化処理された粉体状の流動化剤が外添されたものを使用するタイプの現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、一成分現像装置は、電子写真方式により感光体等の像担持体に形成される画像情報に応じた静電潜像を一成分現像剤により現像して可視像とするものであり、詳しくは、一成分現像剤が、前記像担持体に近接した状態で回転するように配設された現像スリーブ等からなる現像剤担持体の表面に薄層状に担持させられて像担持体と対向する現像領域まで搬送され、その現像剤担持体に印加される現像バイアスにより現像領域内に形成される現像電界によって像担持体の潜像部分にのみ静電的に付着させられるようになっている。また、このとき一成分現像剤の現像剤担持体表面への薄層状の担持は、現像剤担持体とその担持体表面に圧接するように配設される層形成ブレードとの間に一成分現像剤を通過させて帯電させると同時に通過規制することにより行われる。
【0003】
ところで、このような一成分現像装置のなかには、例えば非接触型の磁性一成分現像を行うタイプのものがあるが、このタイプの現像装置にあっては、磁性粉が含有された磁性一成分現像剤が現像時に鎖状となって現像に供されるため、現像される画像の後端側等に現像剤粒子が飛び散ることにより現れる尾引き現象が発生しやすく、また画像表面が全体的にがさついた感じの画像になりやすいという課題がある。
【0004】
この尾引き現象やがさつきに対しては、その一成分現像剤中に含有される磁性粉の量(磁性粉量)を減少させることにより、現像剤担持体上における現像剤の穂立ちの高さを低くする対策手段が有効であることが知られている。
【0005】
しかし、上記対策手段において磁性粉量を減少させすぎた場合には、一成分現像剤の帯電量(現像剤どうしの摩擦や層形成ブレード通過時の摩擦により帯電される量)が過剰になってしまう傾向にあり、この結果、静電潜像にはない先の現像像の痕跡(現像履歴)が現像画像中に現れる、いわゆる現像ゴーストと呼ばれる現象が発生しやすくなるという問題がある。
【0006】
そこで、このような現像ゴーストを発生させないようにするためには、例えば、本出願人が先に提案した現像剤担持体の表面にMo系の皮膜を形成する解決手段(特開平7−281517号公報)や、現像剤担持体の表面に導電性樹脂層を形成する解決手段を採用することが可能である。この解決手段によれば、現像剤の過剰な帯電を抑制することができ、もって現像ゴーストの発生を抑えることができるようになる。
【0007】
一方、近年においては、一成分現像により像担持体に形成されるトナー像をハガキ等の厚紙やOHP等の特殊な記録紙へ良好に転写すること(文字の中抜け等がない転写)を実現するため、一成分現像剤として、その現像剤(トナー)粒子に、シリコーンオイル等により疎水化処理したシリカ等の無機粉からなる流動化剤を外添したものを使用することが有効であることが知られている。
【0008】
そこで、このような流動化剤が外添された一成分現像剤を用い、例えば、その磁性粉量を低減するとともに現像剤担持体の表面に前記したMo系皮膜や導電性樹脂層を形成するという条件下で現像を試みたところ、図3aに示すように、画像部100ではない非画像部(特に画像部の直前である非画像部)101にトナーの凝集体102が付着するかぶり(以下「粗大状かぶり」と称す)という新たな問題が発生した。図中の符号105は記録紙である、
【0009】
そして、このトナー凝集体102について本発明者らが分析した結果、かかるトナー凝集体102の正体は、図3bに示すように、一成分現像剤に外添される疎水化処理された流動化剤(例えばシリコーンオイル処理されたシリカ)が凝集した流動化剤の凝集体103を核とし、その凝集体103の表面に多数の現像剤(トナー)粒子104が付着したものであることが確認された。また、この核となる流動化剤の凝集体103は、その粒径が20μm以上の大きさからなるものであって、一成分現像剤の粒子に外添された後においてもその現像剤中にそのまま残っているものであることも確認された。そして、前記トナー凝集体102は、マイナス帯電を帯びやすいシリコーンオイルリッチな流動化剤の凝集体103に、現像剤中における逆帯電(プラス帯電)状態の現像剤粒子104が静電的に引き寄せられて凝集体となり、トナー凝集体102全体としては逆帯電(プラス帯電)の挙動を示すものとなり、この結果、例えば、画像部(潜像)に比べてよりマイナス側の電位状態にある像担持体上の非画像部(背景部)に転移付着して粗大状かぶりを発生させているものと推測される。
【0010】
ちなみに、特開平8−292598号公報には、「トナーの流動化剤(例えばシリカ等の微粒子)としてシリコーンオイルによる疎水化処理を行った場合、その疎水処理時にシリカ微粒子が凝集しやすく、中にはトナー中に分散後も数10μmの凝集体となって残り、画像部に現像され白斑となって画質を悪化させる欠点があること」や、「そのシリコーンオイル使用時の懸念を無機微粒子の粒径を一般に使用される範囲(数nm〜20nm)より大きくし、電子写真トナー用流動化剤として使用可能な範囲である100nmの範囲にすることで凝集体の量を少なくすること」などが記載されている。
【0011】
しかし、上記公報には、前述したような流動化剤の凝集体にトナー粒子が付着したものが原因となって起こる非画像部における粗大状かぶりについて何も記載されておらず、かかる粗大状かぶりを防止するための解決手段を教えるような記載もない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、まず、上述した非画像部における粗大状かぶりの発生を防止することができる一成分現像装置を提供することにある。また、その他の目的とするところは、非画像部における粗大状かぶりの発生を防止できることはもとより、上述した尾引き現象やがさつきの発生、現像ゴーストの発生、特殊な記録紙等に対する転写中抜けの発生を防止することも可能な一成分現像装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、磁性一成分現像剤を薄層状に担持して現像領域に搬送する現像剤担持体を備え、その磁性一成分現像剤としてシリコーンオイルにより疎水化処理された粉末状の流動化剤が外添された一成分現像剤を使用して非接触式現像を行う現像装置において、前記一成分現像剤における流動化剤の粗粉(粒径が20μm以上のもの)の割合を0.03重量%以下に設定した現像装置である。
【0014】
ここで、上記流動化剤の粗粉は、疎水化処理した後のシリカ、チタニア、アルミナ等からなる無機微粉末(一次粒子径が数nm〜30nm程度のもの)をシリコーンオイルによって疎水化処理する際に凝集して発生するものであり、その凝集した状態における粒径が20μm以上のものをいう。そして、この流動化剤の粗粉割合は、0.03重量%以下であるが、好ましくは0.02重量%以下、より好ましくは限りなく0重量%に近い値である。また、この粗粉割合は以下の測定方法により求められるものである。
【0015】
すなわち、シリコーンオイルにより疎水化処理された粉末状の流動化剤が外添された磁性一成分現像剤50gをエタノール500mlに投入し、目視により現像剤が沈殿していない程度(エタノール中に分散している状態)になるまでかき混ぜた(例えばスパチュラで50回程度)後、その分散液をメッシュが20μmの篩網(全体が75mmφの円板状のもの)上から少しずつ通過させる。次いで、篩網上に視認できる程度の現像剤が残っている場合にはその現像剤をエタノールによりほぐすようにして洗い流した後、篩網を50℃で1時間真空乾燥させてエタノールを揮発させる。そして、この段階で篩網上になおも粗粉現像剤が残っている場合には、その篩網上を接近した状態で磁石(磁性現像剤を吸い付ける程度の磁力を有するもの)を移動させることによりその磁石に粗粉現像剤を吸い付けて取り除き、しかる後、篩網の重さを計量する。これにより、その計量した篩網の重さと測定前における篩網の重さとの差分を粒径が20μm以上である流動化剤の凝集体の重さとみなし、現像剤に対する粒径20μmオーバーサイズの粗粉割合(%)を算出する。
【0016】
このような流動化剤の粗粉割合とする手段としては、かかる流動化剤が外添された磁性一成分現像剤を現像装置に使用する段階においてその粗粉割合が実現されているものであれば如何なる手法でも可能であり、例えば、流動化剤をシリコーンオイルにより疎水化処理する際の処理条件を調整する手法や、その流動化剤が外添された一成分現像剤を適宜篩分する手法が挙げられる。
【0017】
また、本発明は、上記した目的を達成するため、上述の技術的手段からなる現像装置において、前記現像剤担持体が内部空間に固定磁石を内包した非磁性の中空円筒体からなる現像スリーブである場合、前記現像スリーブの表面における前記磁性一成分現像剤の帯電量が4〜8μC/gの範囲、好ましくは4〜6μC/gの範囲となるように設定してなる現像装置である。この帯電量が4μC/g未満であると、適正な現像が行われずに所望の濃度が出にくくなったり、背景部のかぶりが発生して悪化する等の問題がある。反対に8μC/gを超えると、現像剤の過剰帯電(チャージアップ)に起因する現像ゴーストが発生しやすくなるという問題がある。
【0018】
上記帯電量を実現するためには、例えば、前記現像スリーブの表面にMo系皮膜を形成したり、或いは、現像スリーブの表面に導電性樹脂層を形成することが望ましい。Mo系皮膜は、Mo(モリブデン)を主成分とする膜であり、例えば、モリブデン酸塩を含む溶液を用いた化成処理により形成することができる。また、導電性樹脂層は、カーボン等の導電性微粒子を含有させた合成樹脂からなる層であって、その樹脂層の表面凹凸と導電性により現像スリーブ上における現像剤の層厚及び帯電性を適切に制御するためのものであり、例えば、導電性微粒を所定の割合で含有させた合成樹脂をスプレーコート法、浸漬法等によって現像スリーブの表面に塗布形成することができる。
【0019】
さらに、本発明は、上記した磁性一成分現像剤を使用する場合、その磁性一成分現像剤における磁性粉の粉量を35〜45重量%の範囲に設定した現像装置である。この磁性粉量が35重量%未満であると、現像スリーブ内部の固定磁石による磁気拘束力を受けにくくなり、背景部の地かぶりが顕著に発生してしまうという問題がある。反対に45重量%を超えると、尾引きやがさつきが発生しやすくなるという問題がある。この尾引きやがさつきの発生は、磁性粉量の増加により現像剤どうしの磁気凝集の傾向が高まることから現像時における静電潜像の忠実な再現性が損なわれることに起因しているものと考えられる。
【0020】
なお、以上のような現像装置においては、通常、現像剤担持体の表面に圧接する層形成ブレードを配設したり、現像剤担持体と現像すべき静電潜像が形成される感光体等の像担持体との間に現像(交番)電界を形成するため現像バイアスを印加する。現像バイアスとしては、直流電圧に交流電圧を重畳したものが印加される。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用した現像装置の一実施形態を示す概要図である。この現像装置は、一成分現像剤として磁性一成分現像剤を使用し、非接触型の磁性一成分現像を行う現像装置である。
【0022】
図1において、符号1はトナー収容部や開口部を備えたハウジング、2はハウジング1の開口部に一部露出して回転するように配設された現像剤担持体としての現像ロール、3はハウジング1のトナー収容部に収容される一成分トナーTを攪拌しつつ現像ロール2側にむけて送るように矢印方向に回転する攪拌供給部材、4は現像ロール2に供給される一成分トナーTを帯電させつつ所定の層厚にして薄層状に担持させるようにその現像ロール2表面に圧接される層形成ブレード、5は現像ロール2に所定の現像バイアスを印加するためのバイアス用電源装置である。また、図中の符号10は現像すべき静電潜像が形成される像担持体としての感光体ドラム、12は感光体ドラム10の表面を一様に帯電させるロール状の帯電器、13は帯電後の感光体ドラム10の表面に画像情報に応じた静電潜像を書き込むための図示しない露光装置(レーザ走査装置)から照射される光像光、14は現像により感光体ドラム10の表面に形成されるトナー像を記録紙Pに転写させるロール状の転写器である。
【0023】
現像ロール2は、中空円筒形状からなり矢印方向に回転する現像スリーブ20と、この現像スリーブ20の中空内部に固定して配置され、所定の磁極(S極、N極)が適宜配設されたマグネットロール21とで構成されたものであり、その現像ロール2が感光体ドラム10と対向する現像領域GEにおいて所定の距離Lをあけた近接状態で配設されている。また、この現像ロール2の現像スリーブ20には、バイアス用電源装置5から直流成分に交流成分が重畳された現像バイアスが印加されている。層形成ブレード4は、ハウジング1側に一端部が固定されて弾性変形し得る板バネ部材40の先端部にゴム部材41が装着された構造のものであり、そのゴム部材41の側面が所定の圧力でもって現像ロール2(現像スリーブ20)表面に当接するように配設されている。
【0024】
そして、この現像装置においては、図2に示すように、一成分トナーTとして、磁性粉体が含有された小粒径のトナー粒子Taに、公知の手法に準じてシリコーンオイルにより疎水化処理された粉末状の流動化剤6を外添してなる磁性一成分現像剤が使用され、しかも、その流動化剤6のうちで粒径が20μm以上である粗粉の割合を0.03重量%(wt%)以下に設定している。また、一成分トナーTについては、そのトナー粒子Taに含有させる磁性粉体の磁性粉量を35〜45重量%の範囲内に設定している。さらに、現像ロール2については、その現像スリーブ20の表面における一成分現像剤の帯電量が4〜8μC/gの範囲内となるように設定している。
【0025】
このような現像装置による現像は以下のようにして行われる。すなわち、攪拌供給部材3が回転することにより、ハウジング1内の磁性一成分トナーTが攪拌されながら現像ロール2側にむけて送られる。現像ロール2付近に送られた一成分トナーTはマグネットロール21の磁力により現像スリーブ20表面にトナーどうしの磁気拘束力もともなって吸着し、現像スリーブ20の回転に伴って層形成ブレード4を通過する。この際、一成分トナーTは層形成ブレード4との摩擦により帯電されるとともに所定の層厚(高さ)となるように規制された後、現像スリーブ20表面に穂立ち状(鎖状)に担持された状態で現像スリーブ20の回転に伴い現像領域GEにむけて搬送される。
【0026】
そして、現像スリーブ20により薄層状になって搬送された一成分トナーTは、現像領域GEにおいて基本的には非接触状態にあるが、その現像領域GEにおいて現像バイアスによって形成される現像交番電界によって現像ロール2と感光体ドラム10の間を往復移動する。このとき、一成分トナーTは、感光体ドラム10の静電潜像部分のみに静電的に引き寄せられて吸着し、もって静電潜像がトナー像として可視像化される。
【0027】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明について更に詳細に説明する。
【0028】
<実施例1〜6及び比較例1〜10>
実施形態1に係る現像装置及び一成分トナーについて下記のように構成したものを用い、粗大状かぶり、転写中抜け、尾引き/がさつき、及び現像ゴーストの発生に関する試験を行った。
【0029】
[現像装置、他]
現像ロール2として、表1に示す表面(材質)からなる外側直径が16mmの円筒状の現像スリーブ20と、現像領域GEにおける現像スリーブ20表面における磁力が900ガウスとなる現像極を配したマグネットロール21とからなるものを使用し、現像領域GEにおける感光体ドラム10との離間距離Lが200μmとなるように設置した。現像バイアスとして、電圧が−290Vの直流成分に周波数が2.4kH、ピーク間電圧Vppが1.8kVppの矩形波パルスからなる交流成分を重畳したものを印加した。また、層形成ブレード4として、ステンレスの板バネ部材40にシリコンゴム板41を接着したものを使用した。
【0030】
表1における現像スリーブ20として、その表面が「Al」のものは、アルミニウム製のスリーブ体表面をガラスビーズにより表面粗さ:Raが2.0μmとなるように粗面処理したものである、また、その表面が「Mo系皮膜」のものは、上記粗面処理を施したアルミニウム製スリーブ体の表面にモリブデン酸塩を含む溶液を用いた化成処理によりMo系皮膜を形成したものである。さらに、その表面が「コート層」のものは、上記粗面処理を施したアルミニウム製スリーブ体の表面にフェノール樹脂にカーボンブラック微粒子及びグラファイト微粒子を分散させたものをスプレーコーティング法により塗工形成したものである。コート層(1)とコート層(2)は、カーボンブラック微粒子及びグラファイト微粒子の配合割合を変更して樹脂層の体積抵抗を変化させたものであり、そのトナーに対する帯電付与性がコート層(1)よりもコート層(2)の方が高い関係にある。また、コート層(2)はトナーのチャージアップによる現像ゴーストが発生しやすい領域にある特性になっている。
【0031】
一方、感光体ドラム10として、直径が30mmの有機感材からなるものを使用した。そして、この感光体ドラム10は、帯電器12により帯電電位(非画像部電位)が−400Vとなるように帯電させた後、潜像電位が−80Vである静電潜像(各種のテスト画像)を書きこんだ。そして、この試験では、現像装置及び感光体ドラム等を、そのプロセススピードが68mm/secとなるように動作させて現像及び画像形成を行った。
【0032】
[一成分トナー]
まず、結着樹脂としてのスチレンアクリル系樹脂、表1に示す割合(トナー粒子全体に対する割合)の磁性粒子、ポリプロピレンワックス及び帯電制御剤からなる混合物を押出機により加熱溶融しながら混練した後、粉砕、分級して体積平均粒径7μmのトナー粒子を得た。続いて、このトナー粒子と表1に示す種類や粗粉割合からなる流動化剤(乾式シリカ、添加量1重量%、一次平均粒子径16nm)とをヘンシェルミキサーを用いて混合することにより、各実施例及び比較例に使用する磁性一成分トナーを得た。シリコーンオイルにより疎水化処理したシリカA〜Dは、そのシリコーンオイルの処理条件を変更してなるものである。また、この一成分トナーは、その磁性粉体を含有させたトナー粒子と流動化剤とを混合した後、トナー中の粗粉(特にシリカ粗粉)を排除するため篩分した。この篩分に使用した篩分網のメッシュの大きさを表1に「トナー篩分」として示す。更に、トナーの粗粉割合については前述した測定方法に基づいて求めた。
【0033】
[試験項目内容]
以上のごとき構成からなる現像装置及び一成分トナーを使用し、いずれも10℃、15%RHの試験環境下(粗大状かぶり等が発生しやすい環境に相当する)で、下記の粗大状かぶり、転写中抜け、尾引き/がさつき、及び現像ゴーストの項目についてそれぞれ試験を実施した。その評価結果を表1に示す。
【0034】
粗大状かぶりについては、記録紙(普通紙)に形成したテスト画像に粗大状かぶりが発生しいるか否かを調べ、以下の基準で評価した。
◎:未発生、○:かすかに発生(実用可)、△:わずかに発生(実用可)、×:明らかに発生(実用不可)、××:多量に発生(実用不可)。
【0035】
転写中抜けについては、テスト画像をハガキに文字画像を形成したときにその画像に中抜けが発生しているか否かを調べ、以下の基準で評価した。
○:軽微に発生(実用可)、×:明瞭に発生(実用不可)。
尾引き/がさつきについては、記録紙(普通紙)に形成したテスト画像に尾引きやがさつきが発生しいるか否かを調べ、以下の基準で評価した。
○:未発生、△:少々発生、×:明瞭に発生。
現像ゴーストについては、記録紙(普通紙)に太字の文字画像の直後(現像スリーブの1回転ピッチ以内)にハーフトーン画像が形成されるパターンの画像を形成したとき、現像ゴーストが発生しているか否かを調べ、以下の基準で評価した。
○:未発生又はかすかに発生、×:明瞭に発生。
【0036】
【表1】
【0037】
表1に示す結果から、実施例1〜6のように流動化剤の粗粉割合、トナーの帯電量及び磁性粉量について本発明における条件を満たす場合には、すべての試験項目について良好な結果が得られることが確認できる。特に粗大状かぶりについては、流動化剤の粗粉割合が0.03重量%以下の範囲においてもより少ないほど(特に実施例1〜4、さらには実施例1、2、4になるほど)良好な結果が得られることも確認できる。
【0038】
一方、比較例1〜3に示すように(他の条件を満たしているものの)流動化剤の粗粉割合が0.03重量%を超えると、転写中抜け、尾引き/がさつき、及び現像ゴーストの発生はない一方で粗大状かぶりが発生するようになり、しかも、その粗粉割合が増加するにつれて粗大状かぶりの発生状況も悪化する傾向にあることがわかる。また、比較例4、5、7に示すようにトナー帯電量が8μC/gを超えると、現像ゴーストが発生しやすくなることがわかる。さらに、比較例8、9に示すように磁性粉量が45重量%を超えて多くなるにつれて、尾引きやがさつきが発生しやすくなることがわかる(ただし、磁性粉量が多くなるにつれて粗大状かぶりについては抑制される傾向がみられる)。ちなみに、比較例10に示すように流動化剤としてシリコーンオイルによる疎水化処理を施さないシリカを使用した場合には、転写性の低下に伴い、転写中抜けが発生してしまうことがわかる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の現像装置によれば、磁性一成分現像剤における流動化剤の粗粉の割合を極力小さい値に設定したことにより、非画像部における粗大状かぶりの発生を確実に防止することができる。また、その粗大状かぶりの発生を防止することができるほか、尾引き現象/がさつきの発生や現像ゴーストの発生や特殊な記録紙等に対する転写中抜けの発生を防止することもできる。
【0040】
従って、この現像装置を複写機、プリンタ等の画像形成装置に適用して画像形成を行った場合には、粗大状かぶりをはじめ、尾引き現象/がさつき、現像ゴースト、転写中抜け等の画質欠陥のない良質な画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態例に係る現像装置を示す概要図である。
【図2】一成分トナー(粒子)を拡大して示す概略図である。
【図3】粗大状かぶりの現象を示すもので、(a)はその発生状態を示す平面図、(b)は(a)の一点鎖線で囲んで示すトナー凝集体を拡大して示す概略図である。
【符号の説明】
1…現像ロール(現像剤担持体)、6…流動化剤、20…現像スリーブ、21…マグネットロール(固定磁石)、T…磁性一成分トナー(磁性一成分現像剤)、DE…現像領域。
Claims (1)
- 磁性一成分現像剤を薄層状に担持して現像領域に搬送する現像剤担持体を備え、その磁性一成分現像剤としてシリコーンオイルにより疎水化処理された粉末状の流動化剤が外添された一成分現像剤を使用して非接触式現像を行う現像装置において、
前記一成分現像剤における流動化剤の粗粉(粒径が20μm以上のもの)の割合を0.03重量%以下に設定していることを特徴とする現像装置。
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