JP3605889B2 - コンピュータシステム - Google Patents

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JP3605889B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、動画の映像信号を映像メモリに転送して動画を表示するコンピュータシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は、外部から与えられた映像データをパーソナルコンピュータの映像メモリに転送する方法として、いわゆるDMA(Direct Memory Access)転送が利用されている。
【0003】
図19は、映像データをビデオRAMに転送するためのDMAコントローラを備えた従来のコンピュータシステムを示すブロック図である。3つの映像メモリ51R,51G,51Bには、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に色相分解された色データDr ,Dg ,Db がそれぞれ記憶されている。これらの色データDr ,Dg ,Db は、例えばディザ法で予め2値化されている。DMAコントローラ55は、アドレスバス53と、データバス52と、制御バス54の使用権をCPU59から取得し、3つの映像メモリ51R,51G,51Bに記憶された2値色データDr ,Dg ,Db をリアルタイムに表示用のビデオRAM56R,56G,56Bにそれぞれ転送する。転送された2値色データDr ,Dg ,Db は、VRAM56R、56G、56Bを通じてモニタ制御部57に送られ、モニタ58に映像を表示させる。
【0004】
DMA転送の際には、まず、CPU59が、R成分用のVRAM56Rにおける表示開始アドレスをDMAコントローラ55に送ってDMAコントローラ55を起動する。DMAコントローラ55は、バスの使用権をCPU59から獲得して1ライン目のR成分の2値色データDr をR成分用のVRAM56Rに転送し、その後、CPU59にバスの使用権を戻す。次に、CPU59がG成分用のVRAM56Gの表示開始アドレスをDMAコントローラ55に送ってDMAコントローラ55を起動すると、R成分と同様に2値色データDg の転送が行なわれる。さらに、B成分も同様に転送される。2ライン目の映像データを転送する際には、CPU59はVRAM56R,56G,56Bそれぞれの2ライン目の表示開始アドレスを算出してこれをDMAコントローラ55に送り、RGB各色の2値色データDr ,Dg ,Db を順次転送する。
【0005】
このように、CPU59は各ライン毎にVRAM56R,56G,56Bの表示開始アドレスを算出してDMAコントローラ55に教示し、DMAコントローラ55がこれに応じて各ラインの色データDr ,Dg ,Db を順次DMA転送していくことにより、1フィ−ルド分の色データがVRAM56に転送される。なお、「1フィールド」とは、画面の左上隅から右下隅までの1回の走査でカバーされる画像を言う。多くの場合には、2:1のインターレス(飛び越し走査)が行なわれており、2フィールドで1フレーム(1画面)の画像を構成している。こうして、1秒間に約60フィ−ルド分の2値色データを順次DMA転送していくことによって、動画がモニタ−58に表示される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
NTSC(National Television System Commmittee )方式による映像信号を利用した場合、水平1ラインの走査期間は63μsである。一方、図19のシステムにおいて、CPU59が表示開始アドレスを計算してDMAコントローラ55に転送する時間と、DMAコントローラ55がCPU59から各バスの使用権を取得する時間と、各2値色データDr ,Dg ,Db の1ライン分をDMA転送する時間とを合計すると、1秒間に数フィ−ルド分のデータしか転送できない。これはCPU59が表示開始アドレスを計算したり、DMAコントローラ55に表示開始アドレスを設定したりするための時間が必要以上にかかるためと考えられる。このように、従来の装置では、1秒間に数フィールド分のデータしか転送できないため、スム−ズな動画を表示することは不可能であった。
【0007】
本発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、動画を表わす映像信号を映像メモリに高速に転送することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】
この発明の請求項1に記載されたコンピュータシステムは、
ソフトウェアプログラムに従って各種の演算と制御を実行するマイクロプロセッサと、
前記マイクロプロセッサに接続された第1のバスと、
アドレスとデータが共通の信号線によって時分割で転送される第2のバスと、
前記第1と第2のバスを接続するブリッジと、
映像を表示する表示デバイスと、
前記表示デバイスに表示される映像の映像信号を記憶する映像メモリと、
前記第2のバスに接続され、前記映像メモリへの映像信号の書込みと読み出しを制御するビデオコントローラと、
外部から与えられた動画のコンポジット映像信号をデコードして、コンポーネント映像信号と同期信号とを生成するビデオデコーダと、
前記コンポジット映像信号で表わされる映像の各走査線毎に、各走査線の先頭アドレスを生成して前記第2のバス上に出力するとともに、前記先頭アドレスの後に前記走査線上の各画素のコンポーネント映像信号を前記第2のバス上に連続して出力する映像転送手段と、を備え、
前記ビデオコントローラは、
前記先頭アドレスから、各走査線上の各画素に対する画素アドレスを生成するアドレス生成手段と、
前記画素アドレスに従って、各走査線の各画素のコンポーネント画像信号を前記映像メモリに書き込む書込手段と、
を備える。
【0009】
映像転送手段が先頭アドレスを第2のバス上に出力すると、ビデオコントローラのアドレス生成手段がその先頭アドレスから各画素の画素アドレスを生成するので、映像転送手段は各走査線の先頭アドレスのみを出力すればよい。映像転送手段は、各走査線に関して先頭アドレスと映像信号とを出力すればよいので、映像信号を高速に転送することができる。
【0010】
【実施例】
A.システム構成:
図1は、本発明の第1の実施例としてのコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。このコンピュータシステムでは、CPU200とメインメモリ202とがホストバス204に接続されている。ホストバス204は、ブリッジ206を介して高速バス208に接続されている。この高速バス208は、アドレスとデータが共通の信号線によって時分割で転送されるバスである。また、高速バス208はクロック信号に同期して動作する同期式のバスであるが、クロック信号の周波数は33MHz以下であればよく、動作の途中でクロック周波数を変更することも可能である。
【0011】
高速バス208には、動画転送コントローラ210と、ビデオコントローラ212と、拡張バスブリッジ214とが接続されている。動画転送コントローラ210には、A−D変換器218とビデオデコーダ220が直列に接続されている。ビデオデコーダ220は、外部から与えられたコンポジット映像信号VSをデコードして、コンポーネント映像信号(YUV信号またはRGB信号)と同期信号VSYNC,HSYNCとフィールド指示信号FISとを生成する。フィールド指示信号FISは、インターレース走査の場合に奇数フィールドか偶数フィールドかを示す信号である。ビデオデコーダ220内には、YUV信号からRGB信号に変換する色信号変換回路が設けられている。A−D変換器218は、アナログコンポーネント映像信号をデジタルコンポーネント映像信号DSに変換する。
【0012】
ビデオコントローラ212には、フレームメモリとしてのビデオRAM(VRAM)222と、表示デバイスとしてのカラーCRT224またはカラー液晶ディスプレイ(LCD)226とが接続されている。ビデオコントローラ212は、高速バス208を介して与えられたデジタル映像信号(映像データ)をVRAM222に書き込む書込機能と、VRAM222から映像信号を読み出してカラーCRT224や液晶ディスプレイ226に与えることによって映像を表示させる表示機能とを有している。
【0013】
拡張バスブリッジ214は、高速バス208に低速バス230を接続するためのブリッジである。低速バス230には各種のI/Oコントローラ232やコネクタ(図示せず)などが接続される。低速バス230は、高速バス208に比べてデータ転送速度が低く、フロッピディスク装置やキーボードなどの比較的低速の入出力装置が接続される。
【0014】
図2は、動画転送コントローラ210の内部構成を示すブロック図である。動画転送コントローラ210は、高速バス208とのインタフェイス300と、高速バス208の制御信号を生成するバス制御信号生成部302と、アドレスとデータを切換えて高速バス208内のアドレス/データバスADB上に出力するための切換回路304と、バス制御信号生成部302と切換回路304の動作を制御する切換制御部306と、アドレスを演算するアドレス演算部312と、データ出力部314と、FIFOメモリユニット318と、色調整部320とを備えている。
【0015】
色調整部320に与えられるデジタル映像信号DSは、24ビット(RGB各8ビット)のフルカラー映像データである。色調整部320は、この24ビットのデジタル映像信号DSを、必要に応じて16ビット(R:G:B=5:6:5ビットで6万色を再現可能)、8ビット(R:G:B=3:3:2ビットで256色を再現可能)、4ビット(カラーパレットにより16色を再現可能)、3ビット(カラーパレットにより8色を再現可能)の映像データに変換する回路である。8ビット、4ビットや3ビットの映像データに変換する場合には、ディザ法による2値化が実行される。なお、どのタイプの映像データに変換するかは、オペレータの指定に応じてCPU200によって設定される。但し、以下では24ビットのフルカラー映像データ(「コンポーネント映像データ」と呼ぶ)を色調整部320がそのまま出力する場合について説明する。
【0016】
色調整部320から出力されたコンポーネント映像データVDは、FIFOメモリユニット318に順次記憶される。図3は、FIFOメモリユニット318の内部構成を示すブロック図である。図3(A)に示すように、FIFOメモリユニット318は、FIFO制御部321と、2つのFIFOメモリ322,324を備えている。また、図3(B)に示すように、FIFO制御部321は5つのPLL回路325〜328,510と波形成形部511とを有している。第1ないし第3のPLL回路325〜327は、水平同期信号HSYNCの周波数をNH0倍、(NH0*HX)倍、および、NH 倍した信号CLKI,CLKO,DCLKをそれぞれ生成する。また、第4のPLL回路328は、垂直同期信号VSYNCの周波数をNV 倍した信号HINCを生成する。第5のPLL回路510は、図3(C)に示すように、水平同期信号HSYNCの周波数をHX倍した信号HSYNC*HXを生成し、波形成形部511はその立ち上がりエッジを検出して第2の水平同期信号XHSYNCを生成する。この第2の水平同期信号XHSYNCは、第1の水平同期信号HSYNCのHX倍の周波数を有する同期信号である。なお、各PLL回路内の設定値NH0,(NH0*HX),NH ,NV ,HXは、CPU200によって設定される。これらのPLL回路325〜328は、映像の拡大・縮小を行なうための回路であり、その機能については後述する。
【0017】
なお、2つのFIFOメモリ322,324は、所定量の映像データを一時的に記憶する映像データバッファとしての機能を有しており、FIFO制御部321は映像データバッファ制御部としての機能を有している。また、第1のPLL回路325は入力クロック生成手段として、第2のPLL回路326は出力クロック生成手段として、第3のPLL回路327はドットクロック生成手段として、第4のPLL回路328はラインインクリメント信号生成手段としての機能をそれぞれ有している。なお、第2と第4のPLL回路326,328およびFIFOメモリユニット318が協同して、映像を垂直方向に変倍可能な変倍手段としての機能を発揮する。また、第2と第3のPLL回路326,327が協同して、映像データで表わされる映像を水平方向に変倍可能な変倍手段としての機能を発揮する。
【0018】
図2に示すように、FIFOメモリユニット318から出力された映像データは、データ出力部314と切換回路304とを介してアドレス/データバスADB上に出力される。切換回路304は、切換制御部306から与えられる切換信号SWに従って、データ出力部314から出力される映像データMDATAとアドレス演算部312から出力されるアドレスMADDとを切換えて、アドレスMADDとデータMDATAとを時分割で出力する。また、切換回路304内の3ステートバッファ305は、切換制御部306から与えられる第1の出力制御信号C1に応じて出力状態とハイインピーダンス状態に切換えられる。また、高速バス208用の各種の制御信号(C/BEやFRAME#等)のためのバス制御信号生成部302も、その出力部に3ステートバッファ303を有している。この3ステートバッファ303は、切換制御部306から与えられる第2の出力制御信号C2に応じて出力状態とハイインピーダンス状態に切換えられる。
【0019】
図4は、動画転送コントローラ210内のアドレス演算部312の内部構成を示すブロック図である。アドレス演算部312は、オフセットアドレス記憶部330と、加算アドレス値記憶部332と、垂直カウンタ部334と、加算器340とを有している。乗算器338は、加算アドレス値記憶部332に記憶された加算アドレス値ADADと、垂直カウンタ部334から出力される垂直方向のカウント値VCNTとを乗算する。加算器340は、オフセットアドレス記憶部330に予め記憶されたオフセットアドレスOFADと乗算器338の乗算結果MULとを加算することによって、映像データのアドレスMADDを生成する。後述するように、このアドレスMADDは、各走査線の先頭アドレスである。
【0020】
図5は、ビデオコントローラ212の内部構成を示すブロック図である。ビデオコントローラ212は、デコーダ350と、アドレスカウンタ352と、アドレスラッチ354と、データ変換回路356と、VGAコントローラ358とを備えている。デコーダ350とアドレスカウンタ352とアドレスラッチ354は、高速バス208のアドレス/データバスADBを介して与えられた各走査線の先頭アドレスMADDから、各走査線上の各画素のアドレス(画素アドレス)PADDを生成するアドレス生成手段としての機能を有する。また、VGAコントローラ358は、画素アドレスPADDに従って各走査線の各画素の映像データPDATAをVRAM222に書き込む書込手段としての機能を有する。
【0021】
デコーダ350は、高速バス208の各種の制御信号から、アドレスカウンタ352とアドレスラッチ354とデータ変換回路356とを制御するための信号を生成する。データ変換回路356は、高速バス208を介してYUV信号が与えられた時に、これをRGB信号に変換する回路である。RGB信号が供給されている場合には、RGB信号はデータ変換回路356をそのまま通過する。なお、データ変換回路356がデータ変換を行なうか否かは、デコーダ350から与えられるモード信号に応じて決定される。
【0022】
B.VRAMへの映像データの転送方法:
図6は、VRAM222のメモリマップである。このVRAM222の1ワードは24ビットであり、1ワードに映像データのR成分とG成分とB成分とが含まれている。また、画面上の1画素(ドット)が1ワードに対応している。
【0023】
図7は、VRAM222のメモリ空間と画面との対応関係を示す説明図である。この図では、VRAM222の水平レンジ80の画素数は640(50hワード)、垂直レンジ81の走査線本数は480本である。図7の例では、簡単のために、動画の映像データが書き込まれる動画領域MPAが、垂直方向に2ライン目で水平方向に2画素目の開始位置から始まって水平方向に8画素の幅を有し、垂直方向に2ラインの幅を有する合計16画素の領域であるものと仮定している。なお、動画領域MPAの位置とサイズは、オペレータがカラーCRT224またはカラー液晶ディスプレイ226の画面上で指定する。
【0024】
図8は、カラーCRT224の画面上において指定された動画領域MPAを示す平面図である。図6に示すメモリ空間は、図8に示すカラーCRT224の表示画面と1:1で対応している。以下ではインターレース走査の行なわない場合のデータ転送について最初に説明し、インターレース走査を行なう場合のデータ転送については後述する。
【0025】
図4に示すオフセットアドレス記憶部330に記憶されるオフセットアドレスOFADは、図7において、VRAM222の先頭アドレス0000hから動画領域MPAの書込み開始位置のアドレス(0051h)までのオフセットの値(51h)である。
【0026】
動画領域MPAの最初の走査線の先頭アドレス(=0051h)は、画面上においてオペレータが指定した動画領域MPAの左上点P1の位置に応じて決定される。すなわち、オペレータが動画領域MPAを指定すると、CPU200が左上点P1に相当するアドレス(=0051h)を算出し、このアドレス(=0051h)をオフセットアドレスOFADとしてオフセットアドレス記憶部330に設定する。オペレータはカラーCRT224またはカラー液晶ディスプレイ226の画面上で任意の位置に任意の大きさの動画領域MPAを設定することができ、これに応じてオフセットアドレスOFADが設定される。
【0027】
インタレース走査を行なわない場合には、加算アドレス値記憶部332に記憶される加算アドレスADADは、VRAM222のメモリ空間における1走査線分の画素数に等しく、この実施例では50hに設定されている。
【0028】
乗算器338の出力MULと、加算器340の出力MADDは、それぞれ次の算術式で与えられる。
MUL=ADAD×VCNT …(1)
MADD=OFAD+MUL …(2)
【0029】
上記(1),(2)式をまとめると、各走査線に対する加算器340の出力MADDは次の算術式で与えられる。
MADD=(ADAD×VCNT)+OFAD …(3)
【0030】
垂直カウントVCNTは動画領域MPA内の走査線番号を示している。また、乗算器338の出力MULは、動画領域MPAの書込開始位置P1から各走査線の先頭画素までのアドレスの差(オフセット)を示している。従って、加算器340の出力MADDは、各走査線の先頭画素のアドレス(各走査線の先頭アドレス)である。
【0031】
図9は、動画転送コントローラ210からビデオコントローラ212へのデータ転送の動作を示すタイミングチャートである。なお、図9(a)〜(g)は、高速バス208を介して2つのコントローラ210,212の間で交換される信号であり、図9(h)〜(j)はビデオコントローラ212からVRAM222への信号である。映像データの転送は、FIFOメモリユニット318(図3)で生成されるドットクロック信号DCLK(図9(a))に同期して実行される。
【0032】
動画転送コントローラ210は、各走査線の先頭アドレスMADD(図9(b))をアドレス演算部312(図2,図4)で生成して、高速バス208のアドレス/データバスADB上に出力する。すると、切換制御部306から与えられる切換信号SWによって切換回路304内のスイッチ(マルチプレクサ)が、データ出力部314側に切換えられる。この結果、先頭アドレスMADDの走査線上の8つの画素(図7の0051h〜0058hの画素)に関する映像データD1〜D8がドットクロック信号DCLKに同期してアドレス/データバスADB上に連続して出力される。
【0033】
図9(c)〜(g)は、高速バス208としてPCI(Peripheral Component Interconnect )バスを使用した場合の制御信号を示している。図9(c)の信号C/BEは、アドレス/データバスADB(図9(b))にアドレスMADDが出力されている期間には、高速バス208のバスサイクルの種類(メモリアクセス,I/Oアクセス等)を指定するバスコマンドを伝送し、また、アドレス/データバスADB上にデータD1〜D8が出力されている期間には、アドレス/データバスADBのバイトイネーブル信号を伝送する。アドレス/データバスADBは32ビット(4バイト)のバス幅を有しており、4ビットのバイトイネーブル信号C/BEの各ビットは、4バイトのいずれのバイトレーンが有効であるかを示す。例えば、24ビットの映像データを下位の3バイトで転送する場合には、信号C/BEの値は1000hとなる。なお、バイトイネーブルは負論理である。信号C/BEは転送元である動画転送コントローラ210によって出力される。
【0034】
図9(e)の信号IRDY#は転送元(イニシエータ・デバイス)である動画転送コントローラ210がデータ転送可能であることを示す信号であり、動画転送コントローラ210によって出力される。なお、この明細書において、信号名の後ろに「#」が付されているものは負論理の信号である。図9(f)の信号TRDY#は、転送先(ターゲット・デバイス)であるビデオコントローラ212がデータ転送可能である示す信号であり、ビデオコントローラ212によって出力される。また、図9(c)の信号FRAME#は、イニシエータである動画転送コントローラ210によって出力される信号であり、信号FRAME#がアサートされると(Lレベルになると)バスサイクルが開始される。また、信号FRAME#がデアサートされると(Hレベルになると)、次のクロックでそのバスサイクルが終了する。図9(g)の信号DEVSEL#は、ターゲットであるビデオコントローラ212がデータ転送を受け入れることを示す信号であり、ビデオコントローラ212によって出力される。なお、高速バス208の制御信号はこの他にも存在するが図示の便宜上省略されている。
【0035】
図9の例では、信号FRAME#(図9(d))がアサートされてバスサイクルが開始されると、アドレス/データバスADBに各走査線の先頭アドレスMADDが出力され、その後、1つの走査線上の8つの画素の映像信号D1〜D8が連続的に出力される。この際、7つ目の画素に対する映像データD7の転送時に信号FRAME#がデアサートされ、次の8つ目の画素に対する映像データD8が最後の転送データとなってそのバスサイクルが終了する。このような1走査線分のデータ転送を複数回繰返すことによって、1フィールド分の映像データが動画転送コントローラ210からビデオコントローラ212に転送される。
【0036】
図5に示すデコーダ350は、イニシエータである動画転送コントローラ210から出力されたアドレスをチェックして、ビデオコントローラ212がターゲット・デバイスであるか否かを判断する。ビデオコントローラ212がターゲット・デバイスである場合には、デコーダ350は制御信号TRDY#(図9(f)),DEVSEL#(図9(g))を高速バス208上に出力するとともに、アドレスカウンタ352とアドレスラッチ354とデータ変換回路356とに制御信号を供給してそれらの動作を制御する。すなわち、アドレス/データバスADB上にアドレスMADDが出力されている場合には、アドレスカウンタ352のロード端子をアクティブにすることによって、アドレスMADDをアドレスカウンタ352の初期値として設定する。アドレスカウンタ352のクロック端子には、デコーダ350から画素書込信号PWR#が入力されている。この画素書込信号PWR#は、高速バス208のクロック信号DCLKと同一周波数で同期しており、VGAコントローラ358がVRAM222に各画素の映像データを書き込むタイミングを示す信号である。従って、アドレスカウンタ352は、クロック信号DCLK(図9(a))の1パルス毎にアドレスを1つインクリメントして、各画素に対する画素アドレスPADDを出力する。アドレスラッチ354は、アドレスカウンタ352から出力された画素アドレスPADDをラッチしてVGAコントローラ358に出力している。
【0037】
VGAコントローラ358は、画素書込信号PWR#と画素アドレスPADDと映像データPDATAとを受け取り、VRAM222に画素書込信号EPWR#と画素アドレスEPADDと映像データEPDATAとを供給して、映像データEPDATAをVRAM222に書き込む。すなわち、図9(h)〜(j)に示すように、1走査線上の8つの画素に対する映像データD1〜D8が、画素書込信号EPWR#に同期してVRAM222内に書き込まれる。なお、VGAコントローラ358からVRAM222に与えられる画素アドレスEPADDは、VGAコントローラ358における局所的なアドレス空間で定義されているので、高速バス208における画素アドレスPADDの値とは異なるが、その意味は同一である。すなわち、画素アドレスEPADDの値は、各走査線の先頭アドレスSPから1クロック毎に1ずつ増加した値である。
【0038】
なお、図9の例では、動画転送コントローラ210が各走査線の先頭アドレスMADDを出力した後に、その走査線上の全画素に対する映像データを連続して転送するものとしていた。しかし、必ずしも各走査線上の全画素に対する映像データを連続して転送する必要はない。すなわち、動画転送コントローラ210は1つのアドレスに続いて、所望の画素数の映像データを連続して転送することができる。また、各画素のアドレスとデータとを交互に出力することも可能である。但し、図9に示すように、各走査線の先頭アドレスMADDを出力した後に、その走査線上の全画素に対する映像データを連続して転送するようにすれば、より高速にデータ転送を行なうことができ、スムーズな動画表示を行なえるという利点がある。
【0039】
C.インターレース走査を行なう場合のアドレス演算:
図10は、インターレース走査を行なう場合の奇数ラインフィールドと偶数ラインフィールドのメモリ空間を示す説明図であり、図7に対応する図である。奇数ラインフィールドは、動画領域MPA内の16個の画素アドレスのうちで1走査線分の8つの画素アドレス00A1h〜00A8hを含んでおり、偶数ラインフィールドは他の8つの画素アドレス0051h〜0058hを含んでいる。
【0040】
インターレースを行なう場合には、オフセットアドレス記憶部330(図4)に奇数ラインフィールド用のオフセットアドレスOFAD1=A1hと偶数ラインフィールド用のオフセットアドレスOFAD2=51hとを登録する。オフセットアドレス記憶部330は、これらの2つのオフセットアドレスOFAD1,OFAD2の一方をフィールド指示信号FISに応じて選択的に出力する。なお、2:1のインターレースの場合には、加算アドレスADADはインターレースが無い場合の値(=50h)の2倍(=A0h)となる。このように、インターレース走査の場合には、オフセットアドレスOFADと加算アドレスADADとを調整することによって、インターレースが無い場合と同様に、上記(3)式に従って各走査線の映像データの先頭アドレスMADDを算出できる。
【0041】
なお、インターレースを行なうための映像データを転送する場合にも、意図的にインターレースを行なわずに同一のアドレスに奇数ラインフィールドと偶数ラインフィールドの映像データを書き込むことも可能である。この場合には、インターレースが無い場合のオフセットアドレスOFADと加算アドレスADADとを、両方のフィールドに共通して使用すればよい。
【0042】
D.映像の拡大・縮小処理:
動画転送コントローラ210は、映像の拡大・縮小を行なう機能を有している。映像の拡大・縮小処理は、主に、図2に示すアドレス演算部312とFIFOメモリユニット318とによって実行される。図11は、アドレス演算部312内の垂直カウンタ部334の内部構成と、FIFO制御部321内の関連部分を示すブロック図である。FIFO制御部321のPLL回路327は、ビデオデコーダ220から与えられた水平同期信号HSYNCの周波数をNH 倍したドットクロック信号DCLKを生成する。また、PLL回路328は、垂直同期信号VSYNCの周波数をNV 倍したラインインクリメント信号HINCを生成する。ラインインクリメント信号HINCは、後述するように、映像を垂直方向に縮小する際に用いられる。ラインインクリメント信号HINCの周波数が第2の水平同期信号XHSYNCと同じである場合には、映像の縮小が行なわれない。
【0043】
垂直カウンタ部334は、バックポーチ記憶部402と、比較器404と、バックポーチカウンタ406と、垂直カウンタ408と、ラッチ410とを有している。バックポーチ記憶部402は、高速バス208を介してCPU200から与えられたバックポーチ数BPを記憶する。ここで、バックポーチ数BPはバックポーチ期間における水平同期信号HSYNCのパルス数である。バックポーチカウンタ406には第1の水平同期信号HSYNCが与えられ、ラッチ410のクロック入力端子には第2の水平同期信号XHSYNCが与えられている。また、垂直カウンタ408のクロック入力端子にはラインインクリメント信号HINCが与えられている。また、バックポーチカウンタ406と垂直カウンタ408のリセット入力端子には垂直同期信号VSYNCが与えられている。比較器404は、バックポーチ記憶部402に記憶されたバックポーチ数BPと、バックポーチカウンタ406のカウント値BPCとを比較する。
【0044】
比較器404の出力CMPはBP=BPCの時にHレベルとなり、BP≠BPCの時にはLレベルとなる。また、バックポーチカウンタ406は比較器404の出力CMPがLレベルの時にイネーブルとなり、垂直カウンタ408はCMPがHレベルの時にイネーブルとなる。
【0045】
垂直同期信号VSYNCが垂直カウンタ部334に与えられるとバックポーチカウンタ406と垂直カウンタ408とがリセットされる。このとき、比較器404の出力CMPはLレベルなので、バックポーチカウンタ406がイネーブルとなり、水平同期信号HSYNCのパルス数をカウントする。一方、垂直カウンタ408は停止したままである。水平同期信号HSYNCのパルスがバックポーチ数BPと等しい数だけバックポーチカウンタ406に入力されると、BP=BPCとなる。この結果、比較器404の出力CMPがHレベルとなり、バックポーチカウンタ406が停止するとともに、垂直カウンタ408がカウントアップを開始する。垂直カウンタ408のカウント値CNTは、第2の水平同期信号XHSYNCの立上がりエッジでラッチ410に保持されて、垂直カウントVCNTとして出力される。この垂直カウントVCNTが画面上の走査線番号を示している。なお、垂直方向に縮小を行なわない場合には、第2の水平同期信号XHSYNCとラインインクリメント信号HINCの周波数が等しく、従って、垂直カウントVCNTは第2の水平同期信号XHSYNCのパルス数に等しい。
【0046】
このように、垂直カウンタ408とラッチ410は、走査線番号を加算する手段としての機能を有している。
【0047】
図12は、垂直カウンタ部334の動作を示すタイミングチャートである。バックポーチ期間が過ぎ、有効映像期間において第2の水平同期信号XHSYNCがLレベルになると、垂直カウンタ部334のカウントアップが開始される。すなわち、有効映像期間において、第2の水平同期信号XHSYNCが1パルス発生する度に垂直カウンタ部334から出力される垂直カウントVCNTの値が1つずつ増加する。
【0048】
このように、映像を垂直方向に縮小しない場合には、垂直同期信号VSYNCが1パルス発生するたびに垂直カウントVCNTが0にリセットされ、その後、第2の水平同期信号XHSYNCが1パルス発生するたびに垂直カウントVCNTが1つずつ増加する。一方、映像を垂直方向に縮小する場合には、第2の水平同期信号XHSYNCとラインインクリメント信号HINCとに応じて垂直カウントVCNTが増加するが、その動作については後述する。
【0049】
図13は、FIFOメモリユニット318(図3)による垂直方向の拡大処理機能を説明する説明図であり、(a)は入力映像データVDI 、(b)は出力映像データVDO 、(c)は2つのFIFOメモリの動作をそれぞれ示している。但し、図13(a),(b)では、図示の便宜上、映像データを元のアナログ映像信号VSの形で描いている。
【0050】
図13(c)に示すように、2つのFIFOメモリ322,324の入力端子と出力端子は、仮想的なトグルスイッチ323a,323bによって相補的に交互に切換えられている。これらの仮想的なトグルスイッチ323a,323bは、FIFO制御部321から与えられる入力イネーブル信号REと出力イネーブル信号OEによって、2つのFIFOメモリ322,324の入出力が相補的に交互に切換えられることを等価的に示したものである。2つのFIFOメモリ322,324には、入力クロック信号CLKIと出力クロック信号CLKOとが共通に与えられている。入力クロック信号CLKIの周波数fCLKIは、図3(B)からも解るように、水平同期信号HSYNCの周波数をNH0倍したものであり、映像入力端子221に与えられた映像信号VSがNTSC信号の場合には約6MHzの一定の周波数である。一方、出力クロック信号CLKOの周波数fCLKOは、入力クロック信号CLKIの周波数fCLKIのHX倍(HXは整数)の値である(図3(B)参照)。すなわち、出力クロック信号CLKOを生成するPLL回路326の設定値(NH0*HX)は、入力クロック信号CLKIを生成するPLL回路325の設定値NH0のHX倍に設定される。この実施例では、HX=3と仮定する。
【0051】
図13(a),(b)の第1の期間TT11と第3の期間TT13では、第1のFIFOメモリ322に入力映像データVDI が書き込まれ、第2のFIFOメモリ324から出力映像データVDO が読み出される。第2の期間TT12では、第2のFIFOメモリ324に入力映像データVDI が書き込まれ、第1のFIFOメモリ322から出力映像データVDO が読み出される。この結果、第1の期間TT11では第1の走査線L1に関する映像データが第1のFIFOメモリ322に書き込まれる。また、第2の期間TT12では、第2の走査線L2に関する映像データが第2のFIFOメモリ324に書き込まれる。図13の例は出力クロック信号CLKOの周波数fCLKOが入力クロック信号CLKIの周波数fCLKIの3倍に設定されているので、第2の期間TT12において、第1の走査線L1に関する映像データが第1のFIFOメモリ322から3回読み出される。
【0052】
図14は、映像の垂直方向の拡大と縮小の様子を示す説明図である。図14(A)は入力映像データVDI を示し、図14(B)は出力映像データVDO を示している。出力映像データVDO では、入力映像データVDI の各走査線がそれぞれHX(=3)回ずつ繰り返されており、これによって映像が垂直方向にHX(=3)倍に拡大されている。図14(B)において、例えば「L1a」,「L1b」,「L1c」は、元の走査線L1の映像データが3回繰り返して出力されていることを示している。このように、2つのFIFOメモリ322,324を用いて出力クロック信号CLKOの周波数fCLKOを入力クロック信号CLKIの周波数fCLKIの整数倍に設定することによって、映像を垂直方向に整数倍で拡大することが可能である。
【0053】
垂直方向の縮小は、図11に示すFIFO制御部321内のPLL回路328と、垂直カウンタ部334内の垂直カウンタ408およびラッチ410とによって実現される。図15は、垂直方向の縮小動作を示すタイミングチャートである。PLL回路328で生成されるラインインクリメント信号HINC(図15(a))は、垂直同期信号VSYNCの周波数fVSYNC のNV 倍の周波数fHINCを有している。第2の水平同期信号XHSYNC(図15(c))は、垂直同期信号VSYNCの周波数fVSYNC の(NV0*HX)倍の周波数fXHSYNCを有しており、NV0の値は元のアナログ映像信号VSにおける1フィールドの走査線数(以下、「全画ライン数」と呼ぶ)を示す一定値(NTSC信号の場合にはNV0=262.5)である。なお、図16(A),(B)に示すように、アナログ映像信号VSで表わされる映像の全画ライン数をNV0、有効画ライン数をNVLとし、その映像をディスプレイデバイスに表示する際の表示ライン数をNVMとすると、PLL回路328の設定値NV は次式で与えられる。
Figure 0003605889
ただし、NVM≦HX*NVLである。
【0054】
上式において、例えば、NV0=262.5,NVL=240,NVM=480を代入すれ、NV =525となる。
【0055】
垂直カウンタ408(図11)は、ラインインクリメント信号HINCの立上りエッジに応じてカウント値CNT(図15(b))をカウントアップし、また、ラッチ410は第2の水平同期信号XHSYNCの立上りエッジに応じて垂直カウンタ408のカウント値CNTをラッチして垂直カウントVCNT(図15(d))として出力する。
【0056】
図15の例では、ラインインクリメント信号HINCの周波数fHINCと第2の水平同期信号XHSYNCの周波数fXHSYNCの比(NV /NV0*HX)は2/3であり、これに応じて、垂直カウントVCNT(図15(d))は0,1,2,2,3,4,4,5…のように、2つ目毎に同じ値が1回繰り返される。垂直カウントVCNTはVRAM222における垂直アドレスを示しているので、3番目の垂直アドレスVCNT=2には、3本目の走査線L1cの映像データと4本目の走査線L2aの映像データが書き込まれることになる。この結果、3番目の垂直アドレスVCNT=2に最初に書き込まれた走査線L1cの映像データは、次の走査線L2aの映像データに置き換えられる。これが繰り返されると、3の倍数の位置にある走査線の映像データが間引かれて、垂直方向に縮小される結果となる。
【0057】
図14(B),(C)には、図15の動作によって映像が垂直方向に縮小される様子が示されている。2つのFIFOメモリ322,324の切換によってHX倍に拡大された映像データVDO は9つの走査線L1a〜L3cに亘っているが、この中で、3番目の走査線L1cの映像データはその次の走査線L2aの映像データで置き換えられ、また、6番目の走査線L2cの映像データもその次の走査線L3aの映像データで置き換えられる。この結果、映像が垂直方向にNV /(NV0*HX)倍される。なお、2つのFIFOメモリ322,324によって映像データが予め垂直方向にHX倍に拡大されているので、総合的な垂直方向の倍率MV は次式で与えられる。
MV =NV /NV0 …(4)
【0058】
映像の水平方向の拡大・縮小の倍率MH は、映像データをVRAM222に書き込む際のドットクロック信号DCLK(図11)の周波数fDCLKと、FIFOメモリ322,324から映像データを読み出す際の出力クロック信号CLKO(図13(c))の周波数fCLKOとの比fDCLK/fCLKOに等しい。図13において述べたように、出力クロックCLKOの周波数fCLKOは、入力クロック信号CLKIの周波数fCLKIのHX倍であり、入力クロック信号CLKIはコンポジット映像信号VSの周波数特性に応じた一定値である。従って、水平方向の倍率MH は、次の(5)式で与えられる。
MH =fDCLK/fCLKO=fDCLK/(HX*fCLKI) …(5)
【0059】
さらに、図3(B)からも解るように、入力クロック信号CLKIの周波数fCLKIは、水平同期信号HSYNCの周波数fHSYNC のNH0倍であり、fHSYNC ,NH0は定数である。また、ドットクロック信号DCLKは、水平同期信号HSYNCの周波数fHSYNC のNH 倍の周波数を有する。従って、上記(5)式は、次のように書き換えられる。
Figure 0003605889
【0060】
垂直倍率MV を示す(4)式と水平倍率MH を示す(6)式において、CPU200から設定できる値は、HX,NV ,NH の3つであり、これらはいずれもFIFO制御部321内の設定値である。これらの3つの値HX,NV ,NH は、例えば次の式で決定される。
【0061】
HX=RND(MV ) …(7a)
NV =NV0*MV …(7b)
NH =NH0*MH *HX …(7c)
ここで、演算子RNDは、括弧内の数値の小数点以下を切り上げた整数を示している。
【0062】
なお、(7b),(7c)式は、整数HXとしてどのような値を用いても成立するので、整数HXの値を(7a)式以外の式で決定することも可能である。
【0063】
図16(A)は元のコンポジット映像信号VSで表わされる映像ORを示しており、図16(B)は拡大・縮小後の映像MRを記憶するVRAM空間を示している。ここでは、水平方向の最大画素数780,有効画素数640,垂直方向の最大ライン数525,有効ライン数480としている。VRAM空間における映像MRは、カラーCRT224やカラー液晶ディスプレイ226にそのまま表示される。従って、垂直方向の倍率MV と水平方向の倍率MH は、ディスプレイデバイス上で設定された映像表示用ウィンドウのサイズと元の映像ORのサイズとの比に等しい。CPU200は、ディスプレイデバイス上に設定された映像表示用ウィンドウのサイズから倍率MV ,MH を算出し、さらに、上記(7a)〜(7c)に従って3つの値HX,NV ,NH を算出して、FIFO制御部321内に設定する。
【0064】
このように、上記実施例では、VRAM222に映像データを転送する際に、映像を任意の倍率で拡大・縮小することができる。また、映像の表示位置もアドレス演算部312によって任意に設定できるので、ディスプレイデバイスの任意の位置に任意の倍率で動画を表示することが可能である。
【0065】
E.変形例:
本発明は実施例に限らず、以下のような種々の変形が可能である。
【0066】
(1)この発明は、圧縮されたデジタル映像データを伸長してVRAM222内へ書き込む場合にも適用することができる。この場合には、動画転送コントローラ210の入力ポートに、画像伸長部からのデジタル映像データを入力すればよい。
【0067】
(2)上述した(3)式で与えられる先頭アドレスMADDを算出する回路としては、図4に示す構成以外の種々の構成が考えられる。例えば、アドレス演算部312内の加算器を減算器に置き換えたり、加算順序を変更させたりしても同様の結果が得られる。
【0068】
また、図4に示す乗算器338を、加算器とカウントアップ用カウンタとで置き換えて、加算アドレス値記憶部332に記憶された加算アドレスADADを垂直カウンタ部334の垂直カウントVCNTの回数だけ加算するようにしてもよい。
【0069】
(3)図17に示すように、図11におけるPLL回路328を1/N分周器329で置き換えることも可能である。この1/N分周器329は、垂直同期信号VSYNCによってリセットされ、リセットされた後にドットクロック信号DCLKを1/Nに分周してラインインクリメント信号HINCを生成する。このように1/N分周器329を用いると、PLL回路を用いた場合よりもラインインクリメント信号HINCのジッタを少なくすることができるという利点がある。
【0070】
(4)図18は、3つのFIFOメモリを用いて垂直方向の拡大とともに走査線間の補間を行なう回路の構成と動作を示す説明図であり、図13に対応する図である。図18(c)に示すように、この回路は、3つのFIFOメモリ421,422,423と、3つの等価的なスイッチ431,432,433と、2つの乗算器441,442と、加算器450とを含んでいる。図18(a),(b)に示すように、各期間TT21,TT22,TT23では、1つのFIFOメモリに1走査線分の映像データが書き込まれ、他の2つのFIFOメモリから映像データが読み出される。映像データが書き込まれるFIFOメモリと映像データが読み出されるFIFOメモリは、所定の順番で選択される。図18(c)は、第3の期間TT23の前半におけるスイッチの接続状態を示している。この時、第1のFIFOメモリ421から読み出された第1の走査線L1の映像データは第1の乗算器441でk1倍され、第2のFIFOメモリ422から読み出された第2の走査線L2の映像データは第2の乗算器442でk2倍される。2つの乗算器441,442の出力は加算器450で加算されるので、期間TT23の前半において加算器450から出力される出力映像データVDO は、(L1*k1+L2*k2)となる(図18(b))。ここで、係数k1,k2をともに0.5とおけば、期間TT23の前半における出力映像データVDO は、2本の走査線L1,L2の映像データを単純平均したデータとなる。k1,k2を0でない適当な値に設定すれば、重み付き平均を得ることができる。なお、期間TT23の後半では、第2の走査線L2の映像データがそのまま出力映像データVDO として出力される。
【0071】
(5)垂直方向を拡大させるためのFIFOメモリユニット318と同様に機能するFIFOメモリユニットをビデオデコーダ220と色調整部320の間に設けることによっても、図18の構成と同様に垂直方向の拡大と補間を行なうことができる。この場合には、図3(A)のFIFOメモリユニット318は映像データVDの垂直方向の拡大を行なわず、データ転送のタイミングを調整する回路として使用される。
【0072】
なお、本発明において、「映像を垂直方向に拡大する」という用語は、図13のように単純に拡大する場合に限らず、図18のように垂直方向に補間しつつ拡大する場合も意味している。
【0073】
(7)複数のFIFOメモリの代わりにRAMなどの他のタイプの映像データバッファを用いることによってFIFOメモリユニットと等価な機能を有する回路を構成することも可能である。一般には、複数の映像データバッファとバッファ制御回路を設け、バッファ制御回路によって複数の映像データバッファを所定の順番で切換えることによって、上述したFIFOメモリユニットの機能を実現することが可能である。
【0074】
(8)図3(B)のPLL回路325と等価な機能は、PLL回路326で得られた信号CLKOを入力として(1/NH0)で分周出力し、水平同期信号HSYNCでリセットする回路を用いても実現できる。このように、図3(B)ではPLL回路を複数用いているが、分周回路等の組み合わせによって等価な回路を実現することも可能である。
【0075】
(9)図2の色調整部320は、デジタル映像信号DSをYUV信号で受けて色相変換を行なった後、コンポーネント映像データVDをRGB信号として出力する回路として構成してもよい。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、映像信号の転送に際して、映像転送手段が各走査線に関する先頭アドレスと映像信号とを出力すればよいので、動画を表わす映像信号を高速に転送することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例としてのコンピュータシステムを示すブロック図。
【図2】動画転送コントローラ210の内部構成を示すブロック図。
【図3】FIFOメモリユニット318の内部構成を示すブロック図
【図4】アドレス演算部312の内部構成を示すブロック図。
【図5】ビデオコントローラ212の内部構成を示すブロック図。
【図6】VRAM222のアドレスマップ。
【図7】VRAM222と画面との対応関係を示す説明図。
【図8】カラーモニタの画面内の動画領域MPAを示す平面図。
【図9】データ転送の動作を示すタイミングチャート。
【図10】インターレース走査を行なう場合の奇数ラインフィールドと偶数ラインフィールドのメモリ空間を示す説明図。
【図11】垂直カウンタ部334およびFIFO制御部321の内部構成を示すブロック図。
【図12】垂直カウンタ部334の動作を示すタイミングチャート。
【図13】映像の垂直方向の拡大動作を示す説明図。
【図14】映像の垂直方向の拡大と縮小の様子を示す説明図。
【図15】映像の垂直方向の縮小動作を示すタイミングチャート。
【図16】映像の垂直方向と水平方向の拡大・縮小の様子を示す説明図。
【図17】第2のPLL回路328を1/N分周器で置き換えた場合の回路構成を示すブロック図。
【図18】3つのFIFOメモリを用いて垂直方向の拡大とともに走査線間の補間を行なう構成と動作を示す説明図。
【図19】従来のDMAコントローラを用いたコンピュータシステムのブロック図。
【符号の説明】
51R,51G,51B…映像メモリ
52…データバス
53…アドレスバス
54…制御バス
55…DMAコントローラ
56…VRAM
56R,56G,56B…VRAM
57…モニタ制御部
58…モニタ
59…CPU
200…CPU
202…メインメモリ
204…ホストバス
206…ブリッジ
208…高速バス
210…動画転送コントローラ
212…ビデオコントローラ
214…拡張バスブリッジ
218…A−D変換器
220…ビデオデコーダ
221…映像入力端子
222…VRAM
224…カラーCRT
226…カラー液晶ディスプレイ
230…低速バス
232…I/Oコントローラ
300…インタフェイス
302…バス制御信号生成部
304…切換回路
306…切換制御部
312…アドレス演算部
314…データ出力部
318…FIFOメモリユニット
320…色調整部
321…FIFO制御部
322,324…FIFOメモリ
323a,323b…トグルスイッチ
325〜328,510…PLL回路
330…オフセットアドレス記憶部
332…加算アドレス値記憶部
334…垂直カウンタ部
338…乗算器
340…加算器
350…デコーダ
352…アドレスカウンタ
354…アドレスラッチ
356…データ変換回路
358…VGAコントローラ
402…バックポーチ記憶部
404…比較器
406…バックポーチカウンタ
408…垂直カウンタ
410…ラッチ
421,422,423…FIFOメモリ
431,432,433…スイッチ
441,442…乗算器
450…加算器
510…PLL回路
511…波形成形部

Claims (1)

  1. 動画を表示可能なコンピュータシステムであって、
    ソフトウェアプログラムに従って各種の演算と制御を実行するマイクロプロセッサと、
    前記マイクロプロセッサに接続された第1のバスと、
    アドレスとデータが共通の信号線によって時分割で転送される第2のバスと、
    前記第1と第2のバスを接続するブリッジと、
    映像を表示する表示デバイスと、
    前記表示デバイスに表示される映像の映像信号を記憶する映像メモリと、
    前記第2のバスに接続され、前記映像メモリへの映像信号の書込みと読み出しを制御するビデオコントローラと、
    外部から与えられた動画のコンポジット映像信号をデコードして、コンポーネント映像信号と同期信号とを生成するビデオデコーダと、
    前記コンポジット映像信号で表わされる映像の各走査線毎に、各走査線の先頭アドレスを生成して前記第2のバス上に出力するとともに、前記先頭アドレスの後に前記走査線上の各画素のコンポーネント映像信号を前記第2のバス上に連続して出力する映像転送手段と、を備え、
    前記ビデオコントローラは、
    前記先頭アドレスから、各走査線上の各画素に対する画素アドレスを生成するアドレス生成手段と、
    前記画素アドレスに従って、各走査線の各画素のコンポーネント画像信号を前記映像メモリに書き込む書込手段と、
    を備えるコンピュータシステム。
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