JP3605460B2 - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、押圧入力部材への入力に応じたブレーキ液圧を出力するマスタシリンダと;該マスタシリンダに接続される車輪ブレーキと;ブレーキ操作力を前記押圧入力部材に及ぼすブレーキ操作部材と;該ブレーキ操作部材の操作力を検出するブレーキ操作力検出センサと;ブレーキ操作力検出センサの検出値に応じたアシスト力を前記ブレーキ操作部材の操作力に加えて前記押圧入力部材に作用させ得るアシスト力付与手段と;を備える車両用ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかる車両用ブレーキ装置は、たとえば特公平6−104448号公報等により既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のものでは、アシスト力付与手段を作動せしめることにより、ブレーキ操作部材の操作力に加えてアシスト力付与手段からのアシスト力をマスタシリンダの押圧入力部材に作用せしめ、それによりマスタシリンダを倍力作動せしめるようにしており、ブレーキ操作部材の操作力に対応する液圧よりも高いブレーキ液圧が車輪ブレーキに作用するように構成されている。
【0004】
ところで、制動操作時に車輪ブレーキがロック状態に陥ることを防止するために、マスタシリンダおよび車輪ブレーキ間にブレーキ液圧制御手段が設けられたものが、たとえば特開平7−47938号公報等で既に知られており、アシスト力付与手段により倍力作動せしめられるマスタシリンダと車輪ブレーキとの間にブレーキ液圧制御手段を介設すると、ブレーキ力の増大を図ることが可能となるとともに制動操作時に車輪がロック状態に陥ることも防止することができる。しかるに、ブレーキ液圧制御手段は、一般的には電磁弁により構成されるものであり、アンチロックブレーキ制御時に該電磁弁を必ず作動せしめるようにして作動頻度を高めることになる。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ブレーキ力の増大を図るとともに制動操作時に車輪がロック状態に陥ることを防止した上で、ブレーキ液圧制御手段の作動頻度を低減して耐久性を向上し得るようにした車両用ブレーキ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、押圧入力部材への入力に応じたブレーキ液圧を出力するマスタシリンダと、該マスタシリンダに接続される車輪ブレーキと、ブレーキ操作力を前記押圧入力部材に及ぼすブレーキ操作部材と、該ブレーキ操作部材の操作力を検出するブレーキ操作力検出センサと、ブレーキ操作力検出センサの検出値に応じたアシスト力を前記ブレーキ操作部材の操作力に加えて前記押圧入力部材に作用させ得るアシスト力付与手段と、車輪ブレーキのブレーキ液圧を調整可能としてマスタシリンダおよび車輪ブレーキ間に設けられるブレーキ液圧制御手段とを備え、該ブレーキ液圧制御手段は、マスタシリンダに接続される液圧路及び車輪ブレーキ間に設けられる常開型電磁弁と、車輪ブレーキ及びリザーバ間に設けられる常閉型電磁弁と、リザーバに吸入弁を介して吸入口が接続されると共に液圧路に吐出弁を介して吐出口が接続される戻しポンプとを備えてなる車両用ブレーキ装置において、各車輪速度を検出する車輪速度センサと、ブレーキ操作力検出センサの検出値に応じたアシスト力を発揮する側にアシスト力付与手段を作動せしめるブレーキ倍力制御モードと、ブレーキ操作部材の操作時に前記車輪速度センサの検出値に基づき車輪にロック傾向が生じたと判断したときに、先ずアシスト力付与手段をアシスト力低減側へ作動せしめてブレーキ液圧を減圧させ、この減圧によっても車輪のロック傾向が解消されないときにブレーキ液圧制御手段をブレーキ液圧低減側へ作動せしめるようにしたアンチロックブレーキ制御モードとを有して、アシスト力付与手段およびブレーキ液圧制御手段の作動を制御する電子制御ユニットとを含むことを特徴とする。
【0007】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記電子制御ユニットは、ブレーキ操作部材の非操作時に前記車輪速度センサの検出値に基づき駆動輪にスリップ傾向が生じたと判断したときに各ブレーキ液圧制御手段を作動せしめて各車輪ブレーキのうちスリップ傾向に在る駆動輪に対応するものに調整されたブレーキ液圧を作用せしめるが他のものへのブレーキ液圧の作用を阻止する状態とするとともに、アシスト力を発揮する側にアシスト力付与手段を作動せしめてマスタシリンダからブレーキ液圧を出力させるトラクション制御モードをさらに有することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0009】
図1ないし図7は本発明の一実施例を示すものであり、図1はマスタシリンダおよびアシスト力付与手段の縦断面図、図2は図1の2−2線断面図、図3は図2の3矢視平面図、図4はマスタシリンダの拡大縦断面図、図5はアシスト力付与手段の拡大縦断面図、図6は図5の6−6線断面図、図7は車両用ブレーキ装置の液圧回路図である。
【0010】
先ず図1ないし図3において、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダルPの操作力は、リザーバRを備えるタンデム型のマスタシリンダMに付設されたアシスト力付与手段10によって倍力されてマスタシリンダMに入力され、該マスタシリンダMからブレーキペダルPの操作力に応じた液圧よりも増圧されたブレーキ液圧が出力される。
【0011】
図4を併せて参照して、マスタシリンダMにおけるシリンダ体11には前端を閉じたシリンダ孔12が形成されており、該シリンダ孔12に前部ピストン13および後部ピストン14が摺動自在に嵌合される。シリンダ孔12の前端壁および前部ピストン13間には前部液圧室15が形成され、前部および後部ピストン13,14間には後部液圧室16が形成される。而してシリンダ体11には、前部液圧室15に通じる前部出力ポート8(後述の図7参照)と、後部液圧室16に通じる後部出力ポート9(図7参照)とが設けられる。また前部液圧室15には前部ピストン13を後方側に付勢する前部戻しばね17が収納され、後部液圧室16で前部ピストン13および後部ピストン14間には後部ピストン14をその後方側に向けて付勢する後部戻しばね18が縮設される。
【0012】
前部ピストン13は、前後一対のピストン部13a,13bがロッド部13cを介して一体に連設されて成るものであり、前方側のピストン部13aには、該ピストン部13aを前後に貫通する複数の補給孔19…が穿設され、それらの補給孔19…側から前部液圧室13側への作動液の流入を許容してシリンダ孔12の内面に摺接するカップシール20がピストン部13aの前面側に装着される。また後方側のピストン部13bにはシリンダ孔12の内面に摺接するカップシール21が装着される。
【0013】
前部ピストン13およびシリンダ体11間で前後一対のピストン部13a,13b間には環状の補給液室22が形成されており、この補給液室22に常時通じる連通孔23がシリンダ体11に穿設される。一方、シリンダ体11の上部には前記連通孔23の上端を内端に開口させる円筒状の油溜部24が一体に設けられており、この油溜部24の上端に合成樹脂製のリザーバRが嵌着される。したがってリザーバR内の作動液が連通孔23を経て補給液室22に供給されることになる。
【0014】
前部ピストン13には、該前部ピストン13が後退限位置に戻ったときに前部液圧室15および補給液室22間を連通させる中心型のリリーフ弁25が設けられる。このリリーフ弁25は、前部ピストン13の前端部に同軸に装着される弁函26と、補給液室22に通じて前部ピストン13のピストン部13aに同軸に穿設されるとともに弁函26内で前記ピストン部13aの前端部に開口する弁孔27と、弁孔27の前端開口部を閉鎖可能として弁函26内に前後動可能に収納される弁体28と、弁体28を後方すなわち弁孔27の閉鎖方向に付勢するばね力を発揮して弁函26内に収納される弁ばね29と、前部ピストン13が後退限にあるときには弁体28を弁ばね29のばね付勢力に抗して前進位置に保持するが前部ピストン13の前進時には弁ばね29による弁体28の後退動作すなわち閉弁動作を許容する開弁棒30とを備える。
【0015】
前部ピストン13のロッド部13cには、該ロッド部13cの軸方向に長い長孔31が設けられ、該長孔31の両端は補給液室22に連通される。開弁棒30は、その両端をシリンダ体11で支持されて長孔31に挿通されており、弁体28に連設されて弁孔27に挿通されるロッド32の後端が開弁棒30に当接される。
【0016】
このようなリリーフ弁25によれば、前部ピストン13が後退限に在るときには開弁棒30でロッド32が押圧されることにより弁体28が弁孔27を開放する位置となって開弁し、補給液室22からの補給液を前部液圧室15に補給可能となる。また前部ピストン13が後退限から前進すると、開弁棒30が長孔31内の後方に位置するように前部ピストン13に対して相対移動することにより、弁体28が弁ばね29のばね力により弁孔27を閉鎖する位置まで移動し、補給液室22および前部液圧室15間が遮断される。
【0017】
ところで、開弁棒30は、前部ピストン13の後退限を規制する部材としての機能をも果すものであり、シリンダ体11に着脱可能に固定される。
【0018】
後部ピストン14には、シリンダ体11の後端部に嵌着された軸受部材34で液密にかつ摺動自在に支承される押圧入力部材としてのピストンロッド35が同軸にかつ一体に連設される。而して後部ピストン14と、軸受部材34で後方側への移動を規制されてシリンダ孔12に嵌合される円筒状の受け部材36との間には環状の補給液室37が画成される。一方、補給液室37よりも前方位置で後部ピストン14の外周には補給液室37から後部液圧室16への作動液の流通を許容するカップシール38が装着されており、後部ピストン14には、補給液室37をカップシール38の背面に連通させる複数の補給孔46…が穿設される。またシリンダ体11には、補給液室37を油溜部24すなわちリザーバR内に常時連通させる連通路39が設けられており、リザーバRから補給される作動液が連通路39を経て補給液室37に供給されることになる。
【0019】
後部ピストン14には、補給液室37および後部液圧室16間に介在される中心型のリリーフ弁40が設けられており、このリリーフ弁40は、前部ピストン13に設けられたリリーフ弁25と基本的に同一の構成を有するので詳細な説明を省略するが、リリーフ弁40の構成要素である開弁棒41は、後部ピストン14に設けられた長孔42に挿通され、ピストンロッド35を囲繞する支持リング43で開弁棒41の両端が支持される。しかも後部ピストン14および支持リング43間にはばね44が縮設されており、そのばね44のばね力により支持リング43は受け部材36で受けられる方向に付勢されている。すなわち支持リング43は、受け部材36に当接した位置に固定的に配置されるものであり、実質的には固定位置に在る。
【0020】
さらに前部および後部ピストン13,14間にはそれらのピストン13,14間の最大間隔を規制する最大間隔規制手段45が設けられる。
【0021】
このようなマスタシリンダMにおいては、ピストンロッド35に押圧入力を加えて後部ピストン14を前進作動させると、リリーフ弁40が閉弁するとともに後部戻しばね18を介して前部ピストン13に前進方向の押圧力が作用し、前部ピストン13の前進作動に伴ってリリーフ弁25が閉弁して前部液圧室15に液圧が発生する。次いで後部ピストン14の更なる前進作動に応じて後部液圧室16に液圧が発生することになる。
【0022】
ピストンロッド35への押圧入力作用を解除すると、両戻しばね17,18のばね力により前部および後部ピストン13,14は後退作動せしめられる。而して前部ピストン13の後退限は開弁棒30によって定まり、また後部ピストン14の後退限は受け部材36によって定まる。
【0023】
図5を併せて参照して、マスタシリンダMにおけるシリンダ体11の後部には下方に延びる取付け部11aが一体に設けられており、アシスト力付与手段10が、マスタシリンダMと並列にして該取付け部11aに取付けられる。
【0024】
このアシスト力付与手段10は、マスタシリンダMの軸線と平行な回転軸線を有する電動モータ48と、該電動モータ48の軸線と平行な軸線を有するボールねじ機構50とを備え、ボールねじ機構50は、軸方向位置を拘束されて前記電動モータ48の出力軸49(図2参照)に連結されるナット51の内周に軸線まわりの回転を拘束されたボルト52が複数のボール53を介して螺合されて成る。
【0025】
取付け部11aには、マスタシリンダMの軸線と平行な軸線を有する取付け孔54が設けられており、該取付け孔54内にナット51が同軸に配置される。而してナット51の外周には一対のボールベアリング55,56がそれらの内輪のナット51に対する軸方向位置を規制されるようにして装着されており、両ボールベアリング55,56の外輪は、取付け孔54の中間部に設けられた規制段部54aと取付け部11aに締着される押えフランジ57との間に挟持されるようにして取付け孔54内に挿入される。すなわちナット51は、両ボールベアリング55,56により、軸方向位置を拘束された状態で取付け部11aに回転自在に支承されることになる。
【0026】
ナット51の内周およびボルト52の外周には相互に対応するねじ溝58,59が設けられており、それらのねじ溝58,59間で転動するボール53…を介してボルト52がナット51に螺合され、ナット51には各ボール53…を循環せしめる循環路60が設けられる。
【0027】
ところで、前記押えフランジ57はナット51の一端側を覆うようにしてシリンダ体11の下方に配置されるカバー61とともに取付け部11aに締着されるものであり、ボールねじ機構50の軸線とはずれた位置に軸線を有する電動モータ48がカバー61に取付けられる。しかも電動モータ48の出力軸49はカバー61内に突入されており、カバー61内で出力軸49に固着された駆動ギヤ62(図2参照)がナット51に固着された被動ギヤ63に噛合される。したがって電動モータ48の作動に応じてナット51が回転せしめられることになる。
【0028】
図6を併せて参照して、カバー61には、外端を閉じた有底筒状の規制筒64がその内端をカバー61内に突入するようにして固着されており、ボルト52の一端に固着されて規制筒64の外端およびナット51に当接することによりボルト52のナット51に対する軸方向移動端を規制するストッパ65が、規制筒64に嵌合される。しかもストッパ65の外面には、軸方向に延びる一対の平坦面65a,65aが設けられており、規制筒64の内面がストッパ65の外面に対応して形成されることにより、ストッパ65すなわちボルト52の軸線まわりの回転が阻止されることになる。すなわち電動モータ48の作動に応じたナット51の回転により、ボルト52が軸方向に移動せしめられることになる。
【0029】
ボルト52の他端には、マスタシリンダMに押圧入力を及ぼすための押動部材66の基端が固着されており、該押動部材66はボルト52の半径方向に沿ってマスタシリンダM側に延設され、押動部材66およびナット51間には、ナット51に対するボルト52の軸方向がたつきを回避するためのばね67が縮設される。
【0030】
図1に特に注目して、マスタシリンダMと同軸に配置される入力杆68がブレーキペダルPに連結されており、この入力杆68の先端がマスタシリンダMにおけるピストンロッド35の後端部に首振り可能に連接され、ボールねじ機構50のボルト52に連なる押動部材66は、後方側からピストンロッド35に係合される。
【0031】
ピストンロッド35の後端部には、半円状の閉塞端70aを前端に有した有底孔70が後方側に開放するようにして同軸に設けられており、該有底孔70無いに挿入される入力杆68の先端部68aは半円状に形成されて該有底孔70の閉塞端70aに当接される。また押動部材66の先端部すなわち上端部には、ピストンロッド35を嵌合させる略U字状の切欠き部71が設けられており、ピストンロッド35には、押動部材66の先端部に前方側から係合可能な係合段部35aが形成される。
【0032】
このような入力杆68および押動部材66のピストンロッド35への連結構造によれば、ブレーキペダルPの操作状況にかかわらず、電動モータ48の作動に伴なうボルト52からの前進方向への押圧力をマスタシリンダMのピストンロッド35に及ぼすことが可能である。すなわちブレーキペダルPの踏込み操作に応じて入力杆68が前進作動することにより、ピストンロッド35を入力杆68で直接押圧することができるが、その際、電動モータ48を作動せしめ、押動部材66をマスタシリンダMの前進方向に作動せしめると、押動部材66の先端がピストンロッド35の係合段部35aに係合し、押動部材66からの押圧入力がピストンロッド35に作用することになる。したがってブレーキペダルPの踏込み操作入力に加えて、電動モータ48からのアシスト力がピストンロッド35に作用し、マスタシリンダMが倍力作動せしめられることになる。またブレーキペダルPの非操作時に電動モータ48を作動せしめると、押動部材66は入力杆68を置き去りにしたままピストンロッド35を押圧して前進せしめることが可能であり、非ブレーキ操作時にマスタシリンダMからブレーキ液圧を出力することが可能である。
【0033】
図7において、たとえば前輪駆動車両における左、右の駆動輪すなわち左、右前輪には左前輪用車輪ブレーキBFLおよび右前輪用車輪ブレーキBFRが装着され、左、右の従動輪すなわち左、右後輪には左後輪用車輪ブレーキBRLおよび右後輪用車輪ブレーキBRRが装着される。またマスタシリンダMの前部出力ポート8には第1液圧路751 が接続され、マスタシリンダMの後部出力ポート9には第2液圧路752 が接続される。而して第1液圧路751 と左前輪用車輪ブレーキBFLとの間にはブレーキ液圧制御手段76FLが、第1液圧路751 と右後輪用車輪ブレーキBRRに接続される比例減圧弁77R との間にはブレーキ液圧制御手段76RRがそれぞれ介設され、第2液圧路752 と右前輪用車輪ブレーキBFRとの間にはブレーキ液圧制御手段76FRが、第2液圧路752 と左後輪用車輪ブレーキBRLに接続される比例減圧弁77L との間にはブレーキ液圧制御手段76RLがそれぞれ介設される。
【0034】
第1液圧路751 および左前輪用車輪ブレーキBFL間のブレーキ液圧制御手段76FLは、常開型電磁弁78FL、常閉型電磁弁79FLおよびチェック弁80FLを備える。常開型電磁弁78FLは第1液圧路751 および左前輪用車輪ブレーキBFL間に設けられ、チェック弁80FLは、左前輪用車輪ブレーキBFLから第1液圧路751 側へのブレーキ液の流通を許容して常開型電磁弁78FLに並列に接続される。また常閉型電磁弁79FLは、左前輪用車輪ブレーキBFLとリザーバ811 との間に設けられる。
【0035】
他のブレーキ液圧制御手段76RR,76FR,76RLも、上記ブレーキ液圧制御手段76FLと同様に、常開型電磁弁78RR,78FR,78RL、常閉型電磁弁79RR,79FR,79RLおよびチェック弁80RR,80FR,80RLをそれぞれ備えるものであり、左前輪および右後輪用車輪ブレーキBFL,BRRに対応した常閉型電磁弁79FL,79RRはリザーバ811 に接続され、右前輪および左後輪用車輪ブレーキBFR,BRLに対応した常閉型電磁弁79FR,79RLはリザーバ812 に接続される。
【0036】
左前輪用車輪ブレーキBFLおよび右後輪用車輪ブレーキBRRに対応したリザーバ811 は、吸入弁821 を介して第1戻しポンプ831 の吸入口に共通に接続され、また右前輪用車輪ブレーキBFRおよび左後輪用車輪ブレーキBRLに対応したリザーバ812 は、吸入弁821 を介して第2戻しポンプ832 の吸入口に接続される。しかも両戻しポンプ831 ,832 は共通のモータ84により駆動されるものであり,それらの戻しポンプ831 ,832 の吐出口は吐出弁851 ,852 およびオリフィス861 ,862 を介して第1および第2液圧路751 ,752 にそれぞれ接続され、吐出弁851 ,852 およびオリフィス861 ,862 間にはダンパ871 ,872 が接続される。
【0037】
このようなブレーキ液圧制御手段76FL〜76RLにおいて、各常開型電磁弁78FL〜78RLが消磁状態にあって開弁しており、しかも各常閉型電磁弁79FL〜79RLが消磁状態にあって閉弁している状態では、マスタシリンダMの前部出力ポート8から出力される制動液圧は、常開型電磁弁78FLを介して左前輪用車輪ブレーキBFLに作用するとともに常開型電磁弁78RRおよび比例減圧弁77R を介して右後輪用車輪ブレーキBRRに作用し、またマスタシリンダMの後部出力ポート9から出力される制動液圧は、常開型電磁弁78FRを介して右前輪用車輪ブレーキBFRに作用するとともに常開型電磁弁78RLおよび比例減圧弁77L を介して左後輪用車輪ブレーキBRLに作用する。
【0038】
また常開型電磁弁78FL〜78RLが励磁状態となって閉弁するととともに常閉型電磁弁79FL〜79RLが励磁状態となって開弁すると、各車輪ブレーキBFL〜BRLにおける制動液圧の一部がリザーバ811 ,812 に逃がされて減圧されることになる。また制動液圧を保持する際には、常開型電磁弁78FL〜78RLを励磁して閉弁するとともに常閉型電磁弁79FL〜79RLを消磁して閉弁状態に保持すればよく、制動液圧を増圧する際には、常開型電磁弁78FL〜78RLを消磁して開弁するとともに常閉型電磁弁79FL〜79RLを消磁して閉弁状態に保持すればよい。
【0039】
各ブレーキ液圧制御手段76FL,76RR,76FR,76RLにおける常開型電磁弁78FL〜78RLおよび常閉型電磁弁79FL〜79RLの消磁・励磁は電子制御ユニット88により切換制御されるものであり、また第1および第2戻しポンプ831 ,832 を共通に駆動するモータ84は、各液圧制御手段76FL〜76RLによる液圧制御時に作動するように電子制御ユニット88により制御される。而してリザーバ811 ,812 に逃がされたブレーキ液が第1および第2戻しポンプ831 ,832 からダンパ871 ,872 およびオリフィス861 ,862 を経て各常開型電磁弁78FL〜78RLの上流側すなわち第1および第2液圧路751 ,752 に戻される。したがってリザーバ811 〜812 に逃がした分だけマスタシリンダMにおけるピストンロッド35の前進ストロークが増加することはなく、しかも両戻しポンプ831 ,832 から送出される作動液の脈動はダンパ871 ,872 およびオリフィス861 ,862 の働きにより減衰され、ピストンロッド35の脈動が減衰される。
【0040】
さらにアシスト力付与手段10における電動モータ48の作動も電子制御ユニット88により制御されるものであり、該電子制御ユニット88には、制動時に車輪がロック状態に入りそうになったかどうかを判断するとともに非制動時に駆動輪にスリップ傾向が生じたかどうかを判断するために各車輪の車輪速度を個別に検出する車輪速度センサSFL,SRR,SFR,SRLの検出信号が入力されるとともに、ハンドブレーキレバー89が操作されたかどうかを検出するハンドブレーキ検出センサ90の検出信号、ならびにブレーキペダルPの踏込み操作力を検出するブレーキ操作力検出センサSP の検出値が入力される。このブレーキ操作力検出センサSP は、ブレーキペダルPの踏力を検出するもの以外に、ブレーキペダルPKの操作角度を検出するものであってもよく、またマスタシリンダMの出力液圧を検出するものであってもよい。
【0041】
また電子制御ユニット88には、アンチロックブレーキ制御状態およびトラクション制御状態に在るときに電子制御ユニット88によって活性化されるランプ等の報知器91が接続される。
【0042】
アシスト力付与手段10における電動モータ48、ならびに各ブレーキ液圧制御手段76FL〜76RLにおける常開型電磁弁78FL〜78RLおよび常閉型電磁弁79FL〜79RLの制御にあたって、電子制御ユニット88では、ブレーキ倍力制御モード、アンチロックブレーキ制御モードおよびトラクション制御モードの各制御モードが設定されている。
【0043】
ブレーキ倍力制御モードは、通常のブレーキ時の制御モードであり、ブレーキ操作力検出センサSP の検出値に応じたアシスト力を発揮するようにアシスト力付与手段10が作動せしめられ、それによりマスタシリンダMからブレーキペダルPの操作力に応じた液圧よりも増圧されたブレーキ液圧が出力される。
【0044】
アンチロックブレーキ制御モードは、ブレーキ倍力制御モードによる制御が実行されているときに、車輪速度センサSFL,SFR,SRL,SRRの検出値に基づいて車輪にロック傾向が生じたと判断したときに実行されるものである。このアンチロックブレーキ制御モードでは、全車輪がロック傾向に在ると判断されたときには、先ずアシスト力付与手段10によりマスタシリンダMに付与されるアシスト力が小さくなるように(倍力比が小さくなるように)アシスト力付与手段10が作動せしめられ、マスタシリンダMの出力液圧低下により各車輪ブレーキBFL〜BRLのブレーキ液圧が減圧される。このブレーキ液圧の減圧によっても車輪のロック傾向が解消されないときには、各ブレーキ液圧制御手段76FL〜76RLによるブレーキ液圧調整により各車輪ブレーキBFL〜BRLのブレーキ液圧が減圧調整される。但し全車輪がロック傾向に在ると判断されるときでも、各車輪の接地路面の摩擦係数が異なる等により各車輪のロック傾向の程度が異なる場合には、アシスト力付与手段10による倍力比低減およびブレーキ液圧制御手段76FL〜76RLによるブレーキ液圧の減圧調整を並行して行なうようにしてもよい。さらに全車輪がロック傾向に在るとき以外の状態では、各ブレーキ液圧制御手段76FL〜76RLのうちロック傾向に在る車輪に対応するものを作動せしめてブレーキ液圧の減圧調整を行えばよい。
【0045】
トラクション制御モードは、ブレーキペダルPの非操作時、すなわち非ブレーキ操作時に車輪速度センサSFL,SFR,SRL,SRRの検出値に基づいて駆動輪スリップ傾向が生じたと判断したときに実行されるものである。このトラクション制御モードでは、先ず各ブレーキ液圧制御手段76FL,76FR,76RL,76RRを作動せしめて各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRのうちスリップ傾向に在る駆動輪に対応するものに調整されたブレーキ液圧を作用せしめるが他のものへのブレーキ液圧の作用を阻止する状態とする。すなわち従動輪である左、右の後輪に対応したブレーキ液圧制御手段76RL,76RRでは常開型電磁弁78RL,78RRが励磁・閉弁され、駆動輪である左、右の前輪に対応したブレーキ液圧制御手段76FL,76FRでは、常開型電磁弁78FL,78FRのうちスリップ傾向が生じていない側のものが励磁・閉弁され、両ブレーキ液圧制御手段76FL,76FRのうちスリップ傾向に在る側のものがマスタシリンダMからのブレーキ液圧を調整可能な状態とされる。その後、アシスト力付与手段10をアシスト力を発揮する側に作動せしめることによってマスタシリンダMからブレーキ液圧が出力され、そのブレーキ液圧をブレーキ液圧制御手段76FL,76FRの少なくとも一方で調整することによりスリップ傾向に在る駆動輪の駆動力が減少せしめられる。
【0046】
次にこの実施例の作用について説明すると、マスタシリンダMを倍力作動せしめるアシスト力付与手段10を構成する電動モータ48およびボールねじ機構50が、それらの軸線をマスタシリンダMと平行にして配設されるものであることから、マスタシリンダMの軸線に沿う方向、すなわち車体のエンジンルーム内への搭載時における車体の前後方向に沿う方向でのマスタシリンダMおよびアシスト力付与手段10の長さを比較的短くすることが可能であり、車体の前後方向に沿う占有スペースを比較的小さくすることが可能である。しかも電動モータ48およびボールねじ機構50の軸線が相互に平行とされていることから、マスタシリンダMの軸線に沿うアシスト力付与手段10の占有スペースをさらに小さくすることが可能となる。
【0047】
また電動モータ48およびボールねじ機構50の配設位置は、マスタシリンダMの周方向に沿ういずれの位置にあってもよいものであり、前記エンジンルーム内でのマスタシリンダMおよびアシスト力付与手段10の設置自由度を比較的大きくすることができる。
【0048】
さらに、アシスト力付与手段10における電動モータ48および各ブレーキ液圧制御手段76FL〜76RLの作動を制御する電子制御ユニット88は、アシスト力付与手段10を作動せしめてマスタシリンダMを倍力作動せしめるブレーキ倍力制御モードと、ブレーキ操作状態で車輪にロック傾向が生じたときにブレーキ液圧制御手段76FL〜76RLおよびアシスト力付与手段10の少なくとも一方を作動せしめてブレーキ液圧を低減するアンチロックブレーキ制御モードとを有するものであり、アシスト力低減側へのアシスト力付与手段10の作動に伴なう倍力比の低減によるブレーキ液圧の減圧が可能であるので、アンチロックブレーキ制御時における各ブレーキ液圧制御手段76FL〜76RLの作動頻度を低減し、ブレーキ液圧制御手段76FL〜76RLの耐久性向上に寄与することができる。
【0049】
この際、各ブレーキ液圧制御手段76FL〜76RLが本実施例のように還流式のものである場合には、倍力比の低減によるマスタシリンダMの出力液圧減圧を可能としたことにより、リザーバ811 ,812 および両戻しポンプ831 ,832 の容量を比較的小さくし、ブレーキ液圧制御手段76FL〜76RLのコンパクト化を図ることが可能となる。
【0050】
また電子制御ユニット88は、上記ブレーキ倍力制御モードおよびアンチロックブレーキ制御モードに加えて、非ブレーキ操作時にアシスト力を発揮する側にアシスト力付与手段10を作動せしめるとともに各ブレーキ液圧制御手段76FL〜76RLを作動せしめるトラクション制御モードをも有するものであり、トラクション制御の専用装置を設けることなく、アシスト力付与手段10および各ブレーキ液圧制御手段76FL〜76RLの制御態様をアンチロックブレーキ制御時とは異ならせるだけでアンチロックブレーキ制御に加えてトラクション制御を実行することができる。
【0051】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0052】
たとえばアシスト力付与手段が、マスタシリンダMのピストンロッド35および入力杆68間に同軸に配設されるものであってもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明は、車輪ブレーキのブレーキ液圧を調整可能としてマスタシリンダおよび車輪ブレーキ間に設けられる還流式のブレーキ液圧制御手段と、各車輪速度を検出する車輪速度センサと、ブレーキ操作力検出センサの検出値に応じたアシスト力を発揮する側にアシスト力付与手段を作動せしめるブレーキ倍力制御モードと、ブレーキ操作部材の操作時に前記車輪速度センサの検出値に基づき車輪にロック傾向が生じたと判断したときに、先ずアシスト力付与手段をアシスト力低減側へ作動せしめてブレーキ液圧を減圧させ、この減圧によっても車輪のロック傾向が解消されないときにブレーキ液圧制御手段をブレーキ液圧低減側へ作動せしめるようにしたアンチロックブレーキ制御モードとを有して、アシスト力付与手段およびブレーキ液圧制御手段の作動を制御する電子制御ユニットとを含むので、車輪にロック傾向が生じたと判断したときに、先ずアシスト力付与手段をアシスト力低減側へ作動せしめてブレーキ液圧を減圧させ、この減圧によっても車輪のロック傾向が解消されないときにブレーキ液圧制御手段をブレーキ液圧低減側へ作動せしめることができ、これにより、アンチロックブレーキ制御時におけるブレーキ液圧制御手段の作動頻度を低減して、常閉型及び常開型電磁弁を含むブレーキ液圧制御手段の耐久性の向上に寄与することができる。しかもブレーキ液圧制御手段が還流式であるから、倍力比の低減(アシスト力付与手段のアシスト力低減側への作動)によるマスタシリンダの出力液圧減圧を可能としたことにより、ブレーキ液圧制御手段のリザーバ及び戻しポンプの各容量を比較的小さくし、ブレーキ液圧制御手段のコンパクト化を図ることが可能となる。
【0054】
また請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の構成に加えて、電子制御ユニットは、ブレーキ操作部材の非操作時に前記車輪速度センサの検出値に基づき駆動輪にスリップ傾向が生じたと判断したときに各ブレーキ液圧制御手段を作動せしめて各車輪ブレーキのうちスリップ傾向に在る駆動輪に対応するものに調整されたブレーキ液圧を作用せしめるが他のものへのブレーキ液圧の作用を阻止する状態とするとともに、アシスト力を発揮する側にアシスト力付与手段を作動せしめてマスタシリンダからブレーキ液圧を出力させるトラクション制御モードをさらに有するので、トラクション制御専用装置を設けることなくアシスト力付与手段およびブレーキ液圧制御手段の制御態様をアンチロックブレーキ制御のときとは異ならせるだけで、トラクション制御を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マスタシリンダおよびアシスト力付与手段の縦断面図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】図2の3矢視平面図である。
【図4】マスタシリンダの拡大縦断面図である。
【図5】アシスト力付与手段の拡大縦断面図である。
【図6】図5の6−6線断面図である。
【図7】車両用ブレーキ装置の液圧回路図である。
【符号の説明】
10・・・アシスト力付与手段
35・・・押圧入力部材としてのピストンロッド
76FL,76FR,76RL,76RR・・・ブレーキ液圧制御手段
88・・・電子制御ユニット
BFL,BFR,BRL,BRR・・・車輪ブレーキ
M・・・マスタシリンダ
P・・・ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル
SFL,SFR,SRL,SRR・・・車輪速度センサ
SP ・・・ブレーキ操作力検出センサ
Claims (2)
- 押圧入力部材(35)への入力に応じたブレーキ液圧を出力するマスタシリンダ(M)と、
該マスタシリンダ(M)に接続される車輪ブレーキ(BFL,BFR,BRL,BRR)と;ブレーキ操作力を前記押圧入力部材(35)に及ぼすブレーキ操作部材(P)と、
該ブレーキ操作部材(P)の操作力を検出するブレーキ操作力検出センサ(SP )と、
ブレーキ操作力検出センサ(SP )の検出値に応じたアシスト力を前記ブレーキ操作部材(P)の操作力に加えて前記押圧入力部材(35)に作用させ得るアシスト力付与手段(10)と、
車輪ブレーキ(B FL ,B FR ,B RL ,B RR )のブレーキ液圧を調整可能としてマスタシリンダ(M)および車輪ブレーキ(B FL ,B FR ,B RL ,B RR )間に設けられるブレーキ液圧制御手段(76 FL ,76 FR ,76 RL ,76 RR )とを備え、
該ブレーキ液圧制御手段(76 FL ,76 FR ,76 RL ,76 RR )は、マスタシリンダ(M)に接続される液圧路(75 1 ,75 2 )及び車輪ブレーキ(B FL ,B FR ,B RL ,B RR )間に設けられる常開型電磁弁(78 FL ,78 FR ,78 RL ,78 RR )と、車輪ブレーキ(B FL ,B FR ,B RL ,B RR )及びリザーバ(81 1 ,81 2 )間に設けられる常閉型電磁弁(79 FL ,79 FR ,79 RL ,79 RR )と、リザーバ(81 1 ,81 2 )に吸入弁(82 1 ,82 2 )を介して吸入口が接続されると共に液圧路(75 1 ,75 2 )に吐出弁(85 1 ,85 2 )を介して吐出口が接続される戻しポンプ(83 1 ,83 2 )とを備えてなる車両用ブレーキ装置において、
各車輪速度を検出する車輪速度センサ(SFL,SFR,SRL,SRR)と、
ブレーキ操作力検出センサ(SP )の検出値に応じたアシスト力を発揮する側にアシスト力付与手段(10)を作動せしめるブレーキ倍力制御モードと、ブレーキ操作部材(P)の操作時に前記車輪速度センサ(SFL,SFR,SRL,SRR)の検出値に基づき車輪にロック傾向が生じたと判断したときに、先ずアシスト力付与手段(10)をアシスト力低減側へ作動せしめてブレーキ液圧を減圧させ、この減圧によっても車輪のロック傾向が解消されないときにブレーキ液圧制御手段(76FL,76FR,76RL,76RR)をブレーキ液圧低減側へ作動せしめるようにしたアンチロックブレーキ制御モードとを有して、アシスト力付与手段(10)およびブレーキ液圧制御手段(76FL,76FR,76RL,76RR)の作動を制御する電子制御ユニット(88)とを含むことを特徴とする、車両用ブレーキ装置。 - 前記電子制御ユニット(88)は、ブレーキ操作部材(P)の非操作時に前記車輪速度センサ(SFL,SFR,SRL,SRR)の検出値に基づき駆動輪にスリップ傾向が生じたと判断したときに各ブレーキ液圧制御手段(76FL,76FR,76RL,76RR)を作動せしめて各車輪ブレーキ(BFL,BFR,BRL,BRR)のうちスリップ傾向に在る駆動輪に対応するものに調整されたブレーキ液圧を作用せしめるが他のものへのブレーキ液圧の作用を阻止する状態とするとともに、アシスト力を発揮する側にアシスト力付与手段(10)を作動せしめてマスタシリンダ(M)からブレーキ液圧を出力させるトラクション制御モードをさらに有することを特徴とする請求項1記載の車両用ブレーキ装置。
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