JP3605235B2 - 配線基板の製造方法 - Google Patents
配線基板の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3605235B2 JP3605235B2 JP25297296A JP25297296A JP3605235B2 JP 3605235 B2 JP3605235 B2 JP 3605235B2 JP 25297296 A JP25297296 A JP 25297296A JP 25297296 A JP25297296 A JP 25297296A JP 3605235 B2 JP3605235 B2 JP 3605235B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- metal
- sheet
- insulating
- semi
- powder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子を収容するための半導体素子収納用パッケージや混成集積回路基板等に用いられる配線基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、配線基板、例えば半導体素子を収容する半導体素子収納用パッケージに使用される配線基板は、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックスより成り、その上面中央部に半導体素子を収容する凹部を有する絶縁基体と、前記絶縁基体の凹部周辺から上面外周部にかけて導出されたタングステン、モリブデン等の高融点金属粉末から成る配線導体とから構成されており、前記絶縁基体の凹部底面に半導体素子をガラス、樹脂、ロウ材等の接着剤を介して接着固定するとともに該半導体素子の各電極を例えばボンディングワイヤ等の電気的接続手段を介して配線導体に電気的に接続し、しかる後、前記絶縁基体の上面に、金属やセラミックス等から成る蓋体を絶縁基体の凹部を塞ぐようにしてガラス、樹脂、ロウ材等の封止材を介して接合させ、絶縁基体の凹部内に半導体素子を気密に収容することによって製品としての半導体装置となり、配線導体の絶縁基体凹部底面に導出した部位を外部電気回路基板の配線導体に接続することによって半導体素子の各電極が外部電気回路基板に電気的に接続されることとなる。
【0003】
この従来の配線基板は、セラミックグリーンシート積層法によって製作され、具体的には、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バインダー、溶剤等を添加混合して泥漿状となすとともにこれを従来周知のドクターブレード法を採用してシート状とすることによって複数のセラミックグリーンシートを得、しかる後、前記セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに配線導体となる金属ペーストを所定パターンに印刷塗布し、最後に前記セラミックグリーンシートを所定の順に上下に積層して生セラミック成形体となすとともに該生セラミック成形体を還元雰囲気中約1600℃の高温で焼成することによって製作される。
【0004】
しかしながら、この従来の配線基板は、絶縁基体を構成する酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックスが硬くて脆い性質を有するため、搬送工程や半導体装置製作の自動ライン等において配線基板同士が、あるいは配線基板と半導体装置製作自動ラインの一部とが激しく衝突すると絶縁基体に欠けや割れ、クラック等が発生し、その結果、半導体素子を気密に収容することができず、半導体素子を長期間にわたり正常、且つ安定に作動させることができなくなるという欠点を有していた。
【0005】
また、前記配線基板の製造方法によれば、生セラミック成形体を焼成する際、生セラミック成形体に不均一な焼成収縮が発生し、得られる配線基板に反り等の変形や寸法のばらつきが発生し、その結果、半導体素子の各電極と配線導体とを、あるいは配線導体と外部電気回路基板の配線導体とを正確、且つ確実に電気的に接続することが困難であるという欠点を有していた。
【0006】
そこで、配線基板の絶縁基体を従来のセラミックスに代えて無機絶縁物粉末を熱硬化性樹脂で結合した材料で形成するとともに配線導体を従来の高融点金属粉末に代えて金属粉末を熱硬化性樹脂で結合した材料で形成した配線基板が提案されている。
【0007】
この無機絶縁物粉末を熱硬化性樹脂で結合して成る絶縁基体と金属粉末を熱硬化性樹脂で結合して成る配線導体とから成る配線基板は、熱硬化性樹脂と無機絶縁物粉末とを混合して成る半硬化状態の絶縁シートを準備するとともに該半硬化絶縁シートに適当な打ち抜き加工を施し、次にこれに熱硬化性樹脂と金属粉末とを混合して成る金属ペーストを所定パターンに印刷塗布し、最後に前記金属ペーストが印刷塗布された半硬化絶縁体シートを必要に応じて積層するとともにこれを約100〜300℃の温度で熱硬化させることによって製作され、絶縁基体が無機絶縁物粉末を靱性に優れる熱硬化性樹脂で結合することにより形成されていることから、配線基板同士が衝突した際等に絶縁基体に欠けや割れ、クラック等が発生することはなく、また熱硬化性樹脂と無機絶縁物粉末とを混合して成る半硬化状態の絶縁シート及び熱硬化性樹脂と金属粉末とを混合して成る金属ペーストを熱硬化させることにより製作され、焼成工程がないことから、焼成に伴う不均一な焼成収縮が発生することはなく反り等の変形や寸法のばらつきが発生することもない。
【0008】
また、この無機絶縁物粉末を熱硬化性樹脂で結合して成る絶縁基体と金属粉末を熱硬化性樹脂で結合して成る配線導体とから成る配線基板において、例えば該配線基板に搭載される半導体素子が作動時に発生する熱を外部に良好に放散する等のために絶縁基体の表面に導電性で熱伝導率の高い例えば銅等の金属シートを接着剤を介して貼着する場合がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この無機絶縁物粉末を熱硬化性樹脂で結合して成る絶縁基体と金属粉末を熱硬化性樹脂で結合して成る配線導体とから成る配線基板の表面に銅等の金属シートを接着剤を介して接着した場合、金属シートと配線基板とを接着剤を介して接着する際、金属シートと配線基板の絶縁基体との間に空気を巻き込み易く、金属シートと絶縁基板との間に空気を巻き込むと、絶縁基体から金属シートへの熱の伝達が該巻き込まれた空気により阻害され、半導体素子が作動時に発生する熱を金属シートを介して外部に良好に放散することができなくなるという欠点を有していた。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板の製造方法は、熱硬化性樹脂と無機絶縁物粉末とを含む絶縁スラリーを金属キャリアシート上にドクターブレード法によって塗布するとともに該塗布された絶縁スラリーを半硬化させる工程と、前記半硬化させた絶縁スラリーを金属キャリアシートとともに切断して下面に金属シートを有する半硬化絶縁シートを得る工程と、前記金属シートを有する半硬化絶縁シートに、熱硬化性樹脂と銅粉末,金粉末および半田粉末から成る金属粉末とを混合して成る金属ペーストを所定の配線パターンに印刷する工程と、前記金属シートを有する半硬化絶縁シート及び金属ペーストを熱硬化させ、金属シート及び配線導体が被着された絶縁基体を得る工程と、前記配線導体の露出する表面にニッケル,金をメッキ法により層着する工程とから成るものであり、金属キャリアシート上に絶縁スラリーを塗布するとともに該塗布された絶縁スラリーを硬化させ、これを金属キャリアシートとともに切断して下面に金属シートを有する半硬化絶縁シートを得、該金属シートを有する半硬化シートを硬化させることによって配線基板を得ることから、金属シートと絶縁基体との間に空気が巻き込まれて隙間を形成することはない。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を添付の図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の製造方法により製作される配線基板を半導体素子を収容する半導体素子収納用パッケージに適用した場合の一例を示し、1は絶縁基体、2は配線導体、3は金属シートである。
【0012】
前記絶縁基体1は、二枚の絶縁基板1a、1bを積層することによって形成されており、その上面中央部に半導体素子を収容するための凹部Aを有し、該凹部A底面には半導体素子4が樹脂等の接着剤を介して接着固定される。
【0013】
前記絶縁基体1を構成する絶縁基板1a、1bは、例えば酸化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化珪素、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、酸化チタン、ゼオライト等の無機絶縁物粉末をエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂とにより結合することによって形成されており、絶縁基体1を構成する二枚の絶縁基板1a、1bはその各々が無機絶縁物粉末を靭性に優れるエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で結合することによって形成されていることから絶縁基体1に外力が印加されても該外力によって絶縁基体1に欠けや割れ、クラック等が発生することはない。
【0014】
また、前記無機絶縁物粉末を熱硬化性樹脂で結合して成る絶縁基体1を構成する二枚の絶縁基板1a、1bは、これに含有される無機絶縁物粉末の含有量が60重量%未満であると絶縁基体1の熱膨張係数が半導体素子4の熱膨張係数に対して大きく相違し、半導体素子4が作動時に熱を発し、該熱が半導体素子4と絶縁基体1の両者に印可されると、両者間に両者の熱膨張係数の相違に起因する大きな熱応力が発生し、この大きな熱応力によって半導体素子4が絶縁基体1から剥離したり、半導体素子4に割れや欠けが発生してしまう。従って、前記絶縁基体1を構成する絶縁基板1a、1bは、その各々の内部に含有される無機絶縁物粉末の量が60乃至95重量%の範囲が好ましい。
【0015】
更に前記絶縁基体1は、その凹部A周辺から上面にかけて銅、金の金属粉末をエポキシ樹脂等の熱硬化樹脂により結合した配線導体2が被着形成されている。
【0016】
前記配線導体2は、半導体素子4の各電極を外部電気回路に電気的に接続する作用を為し、絶縁基体1の凹部A周辺に位置する部位には半導体素子4の各電極がボンディングワイヤ5を介して電気的に接続され、また絶縁基体1の上面に導出された部位は外部電気回路に電気的に接続される。
【0017】
前記金属粉末を熱硬化性樹脂で結合して成る配線導体2は、これに含有される金属粉末の含有量が70重量%未満では配線導体2の電気抵抗が高いものとなり、また95重量%を越えると金属粉末を熱硬化性樹脂で強固に結合して所定の配線導体2を形成することが困難となる傾向にある。従って、前記配線導体2は、その内部に含有される金属粉末の量を70乃至95重量%の範囲としておくことが好ましい。
【0018】
前記配線導体2は、またその露出する表面にニッケル、金等の耐食性に優れ、且つ良導電性の金属をメッキ法により1.0乃至20.0μmの厚みに層着させているため配線導体2の酸化腐食を有効に防止することができるとともに配線導体2とボンディングワイヤ5とを強固に電気的に接続させることができる。従って前記配線導体2は、その露出する表面にニッケルや金等の耐食性に優れ、且つ良導電性の金属をメッキ法により1.0乃至20.0μmの厚みに層着させている。
【0019】
更に、前記絶縁基体1の下面には、銅やアルミニウム等の熱伝導性に優れる金属から成る金属シート3が被着されている。
【0020】
前記金属シート3は半導体素子4が作動時に発生する熱を外部に良好に放散する作用を為し、半導体素子4が作動時に発生する熱を該金属シート3を介して外部に良好に放散することにより半導体素子4が該半導体素子4自身の発生する熱で高温となることを有効に防止し、これにより半導体素子4に熱破壊や熱による誤動作を発生させないようにしている。
【0021】
かくしてかかる半導体素子収納用パッケージは、絶縁基体1の凹部A底面に半導体素子4を樹脂等の接着剤を介して接着固定するとともに半導体素子4の各電極をボンディングワイヤ5を介して配線導体2に電気的に接続し、最後に前記絶縁基体1の凹部Aを図示しない蓋体やポッティング樹脂等により封止し、半導体素子4を気密に収容すれば最終製品としての半導体装置となる。
【0022】
次に前記半導体素子収納用パッケージに使用される配線基板の製造方法を図2により説明する。
先ず、図2(a)に示すように銅やアルミニウム等の熱伝導性に優れる金属から成るキャリアシシートCの上面に絶縁スラリーS’を従来周知のドクターブレード法を採用して所定厚みに塗布するとともに該金属キャリアシートC上面に塗布された絶縁スラリーS’を25〜150℃の温度で1〜60分間加熱し半硬化させ金属キャリアシートC上に半硬化絶縁シートSを形成する。
【0023】
前記絶縁性スラリーS’は、例えば粒径が0.1〜100μm程度の酸化珪素粉末にビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂及びアミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、酸無水物系硬化剤等の硬化剤及び適当な溶剤等を添加混合することにより得られる。
【0024】
次に図2(b)に示すように、前記半硬化絶縁シートSを金属キャリアシートCとともに適当な大きさに切断するとともに必要に応じて該半硬化絶縁シートSから金属キャリアシートCを剥離することによって金属キャリアシートCを有していない半硬化絶縁シート11aと、下面に金属キャリアシートCを切断して得られた金属シート13を有する半硬化絶縁シート11bとを準備する。この場合、前記下面に金属シート13を有する半硬化絶縁シート11bは、金属シート13となるキャリアシートC上に絶縁スラリーSを塗布することにより製作されており、半硬化シート11bと金属シート13とは、これらの間に空気を巻き込むことはなく密着しており、後述する下面に金属シート13を有する半硬化絶縁シート11bを熱硬化させて金属シート3が被着された絶縁基体1となした場合に絶縁基体1と金属シート3との間に間隙が形成されることはなく、従って、絶縁基体1に半導体素子3を搭載してして半導体装置となした後、半導体素子3が発生する熱を金属シート3を介して外部に良好に放散させることができ、半導体素子3に熱破壊や熱による誤動作を発生させることのない配線基板を提供することができる。
【0025】
尚、前記半硬化絶縁シート11a、11bは、その硬度がJIS7215,6301のタイプA測定に規定の硬度で40乃至90となるように半硬化させておくと、後述するように二枚の半硬化絶縁シート11a、11bに、打ち抜き加工を施したり配線導体2となる金属ペーストを印刷塗布する際等に半硬化絶縁シート11a、11bに変形やクラックをさせることなく正確、且つ確実に打ち抜き加工や金属ペーストの印刷を行うことができ、その結果、所望の配線基板を正確、且つ確実に製作することができる。従って、前記半硬化絶縁シート11a、11bはその硬度をJIS7215,6301のタイプA測定に規定の硬度で40乃至90の範囲としておくことが好ましい。
【0026】
次に図2(c)に示すように前記半硬化された二枚の半硬化絶縁シート11a、11bのうち半硬化絶縁シート11aに凹部Aとなる開口21を、半硬化シート11a及び11bに配線導体2を引き回すための貫通孔22a、22bを各々形成する。
【0027】
前記開口21及び貫通孔22a、22bは、半硬化絶縁シート11a、11bに従来周知のパンチング加工法を施し、半硬化絶縁シート11a、11bの各々に所定形状の孔を穿孔することによって形成される。
【0028】
次に図2(d)に示すように、前記半硬化絶縁シート11a、11bの上下面及び貫通孔22a、22b内に配線導体2となる金属ペースト12a、12bを従来周知のスクリーン印刷法及び充填法を採用して所定パターンに印刷塗布するとともにこれを約25〜100℃の温度で1〜60分間加熱し半硬化させる。
【0029】
前記配線導体2となる金属ペースト12a、12bとしては、例えば粒径が0.1〜20μm程度の銅等粉末にビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂及びアミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、酸無水物系硬化剤等の硬化剤等を添加混合しペースト状となしたものが使用される。
【0030】
そして最後に前記半硬化絶縁シート11a、11bを上下に積層するとともにこれを約80〜300℃の温度で約10秒〜24時間加熱し前記半硬化絶縁シート11a、11b及び金属ペースト12a、12bを完全に熱硬化させることによって図1に示すような絶縁基体1に配線導体2及び金属シート3を被着させた配線基板が完成する。この場合、前記前駆体シート11a、11b及び金属ペースト12a、12bは、熱硬化時に収縮することは殆どなく、従って、得られる配線基板に変形や寸法のばらつきが発生することは皆無であり、半導体素子と配線導体とを正確に接続することが可能となる。
【0031】
尚、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変更は可能であり、例えば上述の実施例では、本発明の配線基板を半導体素子を収容する半導体素子収納用パッケージに適用した場合を例に採って説明したが、例えば混成集積回路等他の用途に使用される配線基板に適用してもよい。
【0032】
また、上述の実施の形態では、二枚の半硬化絶縁シートを積層することによって配線基板を製作したが、一枚、あるいは三枚以上の半硬化シートを使用して配線基板を製作してもよい。
【0033】
更に、上述の実施例では、絶縁基体は、無機絶縁物粉末と熱硬化性樹脂とから成っていたが、これらに更にガラス繊維やカーボン繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー等の短繊維を配合させてもよい。
【0034】
また更に、配線導体は、更に低融点金属を配合させるとともに該低融点金属により金属粉末同士を結合することにより形成されており、配線導体となる金属ペースト中に低融点金属として例えば錫−鉛半田等から成る低融点金属粉末を配合させるとともにれを絶縁基体となる半硬化絶縁シートに印刷塗布した後、これに熱を印加し低融点金属粉末を溶融させ該溶融した低融点金属により金属粉末を結合する方法が採用される。
【0035】
【発明の効果】
本発明の配線基板の製造方法によれば、熱硬化性樹脂と無機絶縁物粉末とを含む絶縁スラリーを金属キャリアシート上にドクターブレード法によって塗布するとともに該塗布された絶縁スラリーを半硬化させる工程と、前記半硬化させた絶縁スラリーを金属キャリアシートとともに切断して下面に金属シートを有する半硬化絶縁シートを得る工程と、前記金属シートを有する半硬化絶縁シートに、熱硬化性樹脂と銅粉末,金粉末および半田粉末から成る金属粉末とを混合して成る金属ペーストを所定の配線パターンに印刷する工程と、前記金属シートを有する半硬化絶縁シート及び金属ペーストを熱硬化させ、金属シート及び配線導体が被着された絶縁基体を得る工程と、前記配線導体の露出する表面にニッケル,金をメッキ法により層着する工程とから成るものであり、金属キャリアシート上に絶縁スラリーを塗布するとともに該塗布された絶縁スラリーを硬化させ、これを金属キャリアシートとともに切断して下面に金属シートを有する半硬化絶縁シートを得、該金属シートを有する半硬化シートを硬化させることによって配線基板を得ることから、金属シートと絶縁基体との間に空気が巻き込まれて隙間を形成することはなく、従って、半導体素子が作動時に発生する熱を金属シートを介して外部に良好に放散除去し、半導体素子に熱破壊や熱による誤動作を発生させることのない配線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により製作される配線基板を半導体素子収納用パッケージに適用した場合の一実施例を示す断面図である。
【図2】(a)乃至(d)は本発明の配線基板の製造方法を説明するための工程毎の断面図である。
【符号の説明】
1・・・絶縁基体
2・・・配線導体
3・・・金属シート
11・・・半硬化絶縁シート
12・・・金属ペースト
13・・・金属シート
S’・・絶縁スラリー
C・・・金属キャリアシート
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子を収容するための半導体素子収納用パッケージや混成集積回路基板等に用いられる配線基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、配線基板、例えば半導体素子を収容する半導体素子収納用パッケージに使用される配線基板は、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックスより成り、その上面中央部に半導体素子を収容する凹部を有する絶縁基体と、前記絶縁基体の凹部周辺から上面外周部にかけて導出されたタングステン、モリブデン等の高融点金属粉末から成る配線導体とから構成されており、前記絶縁基体の凹部底面に半導体素子をガラス、樹脂、ロウ材等の接着剤を介して接着固定するとともに該半導体素子の各電極を例えばボンディングワイヤ等の電気的接続手段を介して配線導体に電気的に接続し、しかる後、前記絶縁基体の上面に、金属やセラミックス等から成る蓋体を絶縁基体の凹部を塞ぐようにしてガラス、樹脂、ロウ材等の封止材を介して接合させ、絶縁基体の凹部内に半導体素子を気密に収容することによって製品としての半導体装置となり、配線導体の絶縁基体凹部底面に導出した部位を外部電気回路基板の配線導体に接続することによって半導体素子の各電極が外部電気回路基板に電気的に接続されることとなる。
【0003】
この従来の配線基板は、セラミックグリーンシート積層法によって製作され、具体的には、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バインダー、溶剤等を添加混合して泥漿状となすとともにこれを従来周知のドクターブレード法を採用してシート状とすることによって複数のセラミックグリーンシートを得、しかる後、前記セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに配線導体となる金属ペーストを所定パターンに印刷塗布し、最後に前記セラミックグリーンシートを所定の順に上下に積層して生セラミック成形体となすとともに該生セラミック成形体を還元雰囲気中約1600℃の高温で焼成することによって製作される。
【0004】
しかしながら、この従来の配線基板は、絶縁基体を構成する酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックスが硬くて脆い性質を有するため、搬送工程や半導体装置製作の自動ライン等において配線基板同士が、あるいは配線基板と半導体装置製作自動ラインの一部とが激しく衝突すると絶縁基体に欠けや割れ、クラック等が発生し、その結果、半導体素子を気密に収容することができず、半導体素子を長期間にわたり正常、且つ安定に作動させることができなくなるという欠点を有していた。
【0005】
また、前記配線基板の製造方法によれば、生セラミック成形体を焼成する際、生セラミック成形体に不均一な焼成収縮が発生し、得られる配線基板に反り等の変形や寸法のばらつきが発生し、その結果、半導体素子の各電極と配線導体とを、あるいは配線導体と外部電気回路基板の配線導体とを正確、且つ確実に電気的に接続することが困難であるという欠点を有していた。
【0006】
そこで、配線基板の絶縁基体を従来のセラミックスに代えて無機絶縁物粉末を熱硬化性樹脂で結合した材料で形成するとともに配線導体を従来の高融点金属粉末に代えて金属粉末を熱硬化性樹脂で結合した材料で形成した配線基板が提案されている。
【0007】
この無機絶縁物粉末を熱硬化性樹脂で結合して成る絶縁基体と金属粉末を熱硬化性樹脂で結合して成る配線導体とから成る配線基板は、熱硬化性樹脂と無機絶縁物粉末とを混合して成る半硬化状態の絶縁シートを準備するとともに該半硬化絶縁シートに適当な打ち抜き加工を施し、次にこれに熱硬化性樹脂と金属粉末とを混合して成る金属ペーストを所定パターンに印刷塗布し、最後に前記金属ペーストが印刷塗布された半硬化絶縁体シートを必要に応じて積層するとともにこれを約100〜300℃の温度で熱硬化させることによって製作され、絶縁基体が無機絶縁物粉末を靱性に優れる熱硬化性樹脂で結合することにより形成されていることから、配線基板同士が衝突した際等に絶縁基体に欠けや割れ、クラック等が発生することはなく、また熱硬化性樹脂と無機絶縁物粉末とを混合して成る半硬化状態の絶縁シート及び熱硬化性樹脂と金属粉末とを混合して成る金属ペーストを熱硬化させることにより製作され、焼成工程がないことから、焼成に伴う不均一な焼成収縮が発生することはなく反り等の変形や寸法のばらつきが発生することもない。
【0008】
また、この無機絶縁物粉末を熱硬化性樹脂で結合して成る絶縁基体と金属粉末を熱硬化性樹脂で結合して成る配線導体とから成る配線基板において、例えば該配線基板に搭載される半導体素子が作動時に発生する熱を外部に良好に放散する等のために絶縁基体の表面に導電性で熱伝導率の高い例えば銅等の金属シートを接着剤を介して貼着する場合がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この無機絶縁物粉末を熱硬化性樹脂で結合して成る絶縁基体と金属粉末を熱硬化性樹脂で結合して成る配線導体とから成る配線基板の表面に銅等の金属シートを接着剤を介して接着した場合、金属シートと配線基板とを接着剤を介して接着する際、金属シートと配線基板の絶縁基体との間に空気を巻き込み易く、金属シートと絶縁基板との間に空気を巻き込むと、絶縁基体から金属シートへの熱の伝達が該巻き込まれた空気により阻害され、半導体素子が作動時に発生する熱を金属シートを介して外部に良好に放散することができなくなるという欠点を有していた。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板の製造方法は、熱硬化性樹脂と無機絶縁物粉末とを含む絶縁スラリーを金属キャリアシート上にドクターブレード法によって塗布するとともに該塗布された絶縁スラリーを半硬化させる工程と、前記半硬化させた絶縁スラリーを金属キャリアシートとともに切断して下面に金属シートを有する半硬化絶縁シートを得る工程と、前記金属シートを有する半硬化絶縁シートに、熱硬化性樹脂と銅粉末,金粉末および半田粉末から成る金属粉末とを混合して成る金属ペーストを所定の配線パターンに印刷する工程と、前記金属シートを有する半硬化絶縁シート及び金属ペーストを熱硬化させ、金属シート及び配線導体が被着された絶縁基体を得る工程と、前記配線導体の露出する表面にニッケル,金をメッキ法により層着する工程とから成るものであり、金属キャリアシート上に絶縁スラリーを塗布するとともに該塗布された絶縁スラリーを硬化させ、これを金属キャリアシートとともに切断して下面に金属シートを有する半硬化絶縁シートを得、該金属シートを有する半硬化シートを硬化させることによって配線基板を得ることから、金属シートと絶縁基体との間に空気が巻き込まれて隙間を形成することはない。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を添付の図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の製造方法により製作される配線基板を半導体素子を収容する半導体素子収納用パッケージに適用した場合の一例を示し、1は絶縁基体、2は配線導体、3は金属シートである。
【0012】
前記絶縁基体1は、二枚の絶縁基板1a、1bを積層することによって形成されており、その上面中央部に半導体素子を収容するための凹部Aを有し、該凹部A底面には半導体素子4が樹脂等の接着剤を介して接着固定される。
【0013】
前記絶縁基体1を構成する絶縁基板1a、1bは、例えば酸化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化珪素、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、酸化チタン、ゼオライト等の無機絶縁物粉末をエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂とにより結合することによって形成されており、絶縁基体1を構成する二枚の絶縁基板1a、1bはその各々が無機絶縁物粉末を靭性に優れるエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で結合することによって形成されていることから絶縁基体1に外力が印加されても該外力によって絶縁基体1に欠けや割れ、クラック等が発生することはない。
【0014】
また、前記無機絶縁物粉末を熱硬化性樹脂で結合して成る絶縁基体1を構成する二枚の絶縁基板1a、1bは、これに含有される無機絶縁物粉末の含有量が60重量%未満であると絶縁基体1の熱膨張係数が半導体素子4の熱膨張係数に対して大きく相違し、半導体素子4が作動時に熱を発し、該熱が半導体素子4と絶縁基体1の両者に印可されると、両者間に両者の熱膨張係数の相違に起因する大きな熱応力が発生し、この大きな熱応力によって半導体素子4が絶縁基体1から剥離したり、半導体素子4に割れや欠けが発生してしまう。従って、前記絶縁基体1を構成する絶縁基板1a、1bは、その各々の内部に含有される無機絶縁物粉末の量が60乃至95重量%の範囲が好ましい。
【0015】
更に前記絶縁基体1は、その凹部A周辺から上面にかけて銅、金の金属粉末をエポキシ樹脂等の熱硬化樹脂により結合した配線導体2が被着形成されている。
【0016】
前記配線導体2は、半導体素子4の各電極を外部電気回路に電気的に接続する作用を為し、絶縁基体1の凹部A周辺に位置する部位には半導体素子4の各電極がボンディングワイヤ5を介して電気的に接続され、また絶縁基体1の上面に導出された部位は外部電気回路に電気的に接続される。
【0017】
前記金属粉末を熱硬化性樹脂で結合して成る配線導体2は、これに含有される金属粉末の含有量が70重量%未満では配線導体2の電気抵抗が高いものとなり、また95重量%を越えると金属粉末を熱硬化性樹脂で強固に結合して所定の配線導体2を形成することが困難となる傾向にある。従って、前記配線導体2は、その内部に含有される金属粉末の量を70乃至95重量%の範囲としておくことが好ましい。
【0018】
前記配線導体2は、またその露出する表面にニッケル、金等の耐食性に優れ、且つ良導電性の金属をメッキ法により1.0乃至20.0μmの厚みに層着させているため配線導体2の酸化腐食を有効に防止することができるとともに配線導体2とボンディングワイヤ5とを強固に電気的に接続させることができる。従って前記配線導体2は、その露出する表面にニッケルや金等の耐食性に優れ、且つ良導電性の金属をメッキ法により1.0乃至20.0μmの厚みに層着させている。
【0019】
更に、前記絶縁基体1の下面には、銅やアルミニウム等の熱伝導性に優れる金属から成る金属シート3が被着されている。
【0020】
前記金属シート3は半導体素子4が作動時に発生する熱を外部に良好に放散する作用を為し、半導体素子4が作動時に発生する熱を該金属シート3を介して外部に良好に放散することにより半導体素子4が該半導体素子4自身の発生する熱で高温となることを有効に防止し、これにより半導体素子4に熱破壊や熱による誤動作を発生させないようにしている。
【0021】
かくしてかかる半導体素子収納用パッケージは、絶縁基体1の凹部A底面に半導体素子4を樹脂等の接着剤を介して接着固定するとともに半導体素子4の各電極をボンディングワイヤ5を介して配線導体2に電気的に接続し、最後に前記絶縁基体1の凹部Aを図示しない蓋体やポッティング樹脂等により封止し、半導体素子4を気密に収容すれば最終製品としての半導体装置となる。
【0022】
次に前記半導体素子収納用パッケージに使用される配線基板の製造方法を図2により説明する。
先ず、図2(a)に示すように銅やアルミニウム等の熱伝導性に優れる金属から成るキャリアシシートCの上面に絶縁スラリーS’を従来周知のドクターブレード法を採用して所定厚みに塗布するとともに該金属キャリアシートC上面に塗布された絶縁スラリーS’を25〜150℃の温度で1〜60分間加熱し半硬化させ金属キャリアシートC上に半硬化絶縁シートSを形成する。
【0023】
前記絶縁性スラリーS’は、例えば粒径が0.1〜100μm程度の酸化珪素粉末にビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂及びアミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、酸無水物系硬化剤等の硬化剤及び適当な溶剤等を添加混合することにより得られる。
【0024】
次に図2(b)に示すように、前記半硬化絶縁シートSを金属キャリアシートCとともに適当な大きさに切断するとともに必要に応じて該半硬化絶縁シートSから金属キャリアシートCを剥離することによって金属キャリアシートCを有していない半硬化絶縁シート11aと、下面に金属キャリアシートCを切断して得られた金属シート13を有する半硬化絶縁シート11bとを準備する。この場合、前記下面に金属シート13を有する半硬化絶縁シート11bは、金属シート13となるキャリアシートC上に絶縁スラリーSを塗布することにより製作されており、半硬化シート11bと金属シート13とは、これらの間に空気を巻き込むことはなく密着しており、後述する下面に金属シート13を有する半硬化絶縁シート11bを熱硬化させて金属シート3が被着された絶縁基体1となした場合に絶縁基体1と金属シート3との間に間隙が形成されることはなく、従って、絶縁基体1に半導体素子3を搭載してして半導体装置となした後、半導体素子3が発生する熱を金属シート3を介して外部に良好に放散させることができ、半導体素子3に熱破壊や熱による誤動作を発生させることのない配線基板を提供することができる。
【0025】
尚、前記半硬化絶縁シート11a、11bは、その硬度がJIS7215,6301のタイプA測定に規定の硬度で40乃至90となるように半硬化させておくと、後述するように二枚の半硬化絶縁シート11a、11bに、打ち抜き加工を施したり配線導体2となる金属ペーストを印刷塗布する際等に半硬化絶縁シート11a、11bに変形やクラックをさせることなく正確、且つ確実に打ち抜き加工や金属ペーストの印刷を行うことができ、その結果、所望の配線基板を正確、且つ確実に製作することができる。従って、前記半硬化絶縁シート11a、11bはその硬度をJIS7215,6301のタイプA測定に規定の硬度で40乃至90の範囲としておくことが好ましい。
【0026】
次に図2(c)に示すように前記半硬化された二枚の半硬化絶縁シート11a、11bのうち半硬化絶縁シート11aに凹部Aとなる開口21を、半硬化シート11a及び11bに配線導体2を引き回すための貫通孔22a、22bを各々形成する。
【0027】
前記開口21及び貫通孔22a、22bは、半硬化絶縁シート11a、11bに従来周知のパンチング加工法を施し、半硬化絶縁シート11a、11bの各々に所定形状の孔を穿孔することによって形成される。
【0028】
次に図2(d)に示すように、前記半硬化絶縁シート11a、11bの上下面及び貫通孔22a、22b内に配線導体2となる金属ペースト12a、12bを従来周知のスクリーン印刷法及び充填法を採用して所定パターンに印刷塗布するとともにこれを約25〜100℃の温度で1〜60分間加熱し半硬化させる。
【0029】
前記配線導体2となる金属ペースト12a、12bとしては、例えば粒径が0.1〜20μm程度の銅等粉末にビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂及びアミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、酸無水物系硬化剤等の硬化剤等を添加混合しペースト状となしたものが使用される。
【0030】
そして最後に前記半硬化絶縁シート11a、11bを上下に積層するとともにこれを約80〜300℃の温度で約10秒〜24時間加熱し前記半硬化絶縁シート11a、11b及び金属ペースト12a、12bを完全に熱硬化させることによって図1に示すような絶縁基体1に配線導体2及び金属シート3を被着させた配線基板が完成する。この場合、前記前駆体シート11a、11b及び金属ペースト12a、12bは、熱硬化時に収縮することは殆どなく、従って、得られる配線基板に変形や寸法のばらつきが発生することは皆無であり、半導体素子と配線導体とを正確に接続することが可能となる。
【0031】
尚、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変更は可能であり、例えば上述の実施例では、本発明の配線基板を半導体素子を収容する半導体素子収納用パッケージに適用した場合を例に採って説明したが、例えば混成集積回路等他の用途に使用される配線基板に適用してもよい。
【0032】
また、上述の実施の形態では、二枚の半硬化絶縁シートを積層することによって配線基板を製作したが、一枚、あるいは三枚以上の半硬化シートを使用して配線基板を製作してもよい。
【0033】
更に、上述の実施例では、絶縁基体は、無機絶縁物粉末と熱硬化性樹脂とから成っていたが、これらに更にガラス繊維やカーボン繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー等の短繊維を配合させてもよい。
【0034】
また更に、配線導体は、更に低融点金属を配合させるとともに該低融点金属により金属粉末同士を結合することにより形成されており、配線導体となる金属ペースト中に低融点金属として例えば錫−鉛半田等から成る低融点金属粉末を配合させるとともにれを絶縁基体となる半硬化絶縁シートに印刷塗布した後、これに熱を印加し低融点金属粉末を溶融させ該溶融した低融点金属により金属粉末を結合する方法が採用される。
【0035】
【発明の効果】
本発明の配線基板の製造方法によれば、熱硬化性樹脂と無機絶縁物粉末とを含む絶縁スラリーを金属キャリアシート上にドクターブレード法によって塗布するとともに該塗布された絶縁スラリーを半硬化させる工程と、前記半硬化させた絶縁スラリーを金属キャリアシートとともに切断して下面に金属シートを有する半硬化絶縁シートを得る工程と、前記金属シートを有する半硬化絶縁シートに、熱硬化性樹脂と銅粉末,金粉末および半田粉末から成る金属粉末とを混合して成る金属ペーストを所定の配線パターンに印刷する工程と、前記金属シートを有する半硬化絶縁シート及び金属ペーストを熱硬化させ、金属シート及び配線導体が被着された絶縁基体を得る工程と、前記配線導体の露出する表面にニッケル,金をメッキ法により層着する工程とから成るものであり、金属キャリアシート上に絶縁スラリーを塗布するとともに該塗布された絶縁スラリーを硬化させ、これを金属キャリアシートとともに切断して下面に金属シートを有する半硬化絶縁シートを得、該金属シートを有する半硬化シートを硬化させることによって配線基板を得ることから、金属シートと絶縁基体との間に空気が巻き込まれて隙間を形成することはなく、従って、半導体素子が作動時に発生する熱を金属シートを介して外部に良好に放散除去し、半導体素子に熱破壊や熱による誤動作を発生させることのない配線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により製作される配線基板を半導体素子収納用パッケージに適用した場合の一実施例を示す断面図である。
【図2】(a)乃至(d)は本発明の配線基板の製造方法を説明するための工程毎の断面図である。
【符号の説明】
1・・・絶縁基体
2・・・配線導体
3・・・金属シート
11・・・半硬化絶縁シート
12・・・金属ペースト
13・・・金属シート
S’・・絶縁スラリー
C・・・金属キャリアシート
Claims (1)
- 熱硬化性樹脂と無機絶縁物粉末とを含む絶縁スラリーを金属キャリアシート上にドクターブレード法によって塗布するとともに該塗布された絶縁スラリーを半硬化させる工程と、前記半硬化させた絶縁スラリーを金属キャリアシートとともに切断して下面に金属シートを有する半硬化絶縁シートを得る工程と、前記金属シートを有する半硬化絶縁シートに、熱硬化性樹脂と銅粉末,金粉末および半田粉末から成る金属粉末とを混合して成る金属ペーストを所定の配線パターンに印刷する工程と、前記金属シートを有する半硬化絶縁シート及び金属ペーストを熱硬化させ、金属シート及び配線導体が被着された絶縁基体を得る工程と、前記配線導体の露出する表面にニッケル,金をメッキ法により層着する工程とから成ることを特徴とする配線基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25297296A JP3605235B2 (ja) | 1996-09-25 | 1996-09-25 | 配線基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25297296A JP3605235B2 (ja) | 1996-09-25 | 1996-09-25 | 配線基板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1098248A JPH1098248A (ja) | 1998-04-14 |
JP3605235B2 true JP3605235B2 (ja) | 2004-12-22 |
Family
ID=17244723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25297296A Expired - Fee Related JP3605235B2 (ja) | 1996-09-25 | 1996-09-25 | 配線基板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3605235B2 (ja) |
-
1996
- 1996-09-25 JP JP25297296A patent/JP3605235B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1098248A (ja) | 1998-04-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH1074858A (ja) | 配線基板及びその製造方法 | |
JP3605235B2 (ja) | 配線基板の製造方法 | |
JP3292644B2 (ja) | 配線基板及びその製造方法 | |
JP3145621B2 (ja) | 配線基板及びその製造方法 | |
JPH08125291A (ja) | 配線基板及びその製造方法 | |
JP3292623B2 (ja) | 配線基板及びその製造方法 | |
JP3393760B2 (ja) | 配線基板及びその製造方法 | |
JP3305574B2 (ja) | 配線基板 | |
JP3398290B2 (ja) | 配線基板の製造方法 | |
JP3292646B2 (ja) | 配線基板及びその製造方法 | |
JP3398316B2 (ja) | 配線基板およびその製造方法 | |
JP3297576B2 (ja) | 配線基板及びその製造方法 | |
JP3297572B2 (ja) | 配線基板の製造方法 | |
JP3297574B2 (ja) | 配線基板及びその製造方法 | |
JP3292645B2 (ja) | 配線基板及びその製造方法 | |
JP3297573B2 (ja) | 配線基板及びその製造方法 | |
JP3266508B2 (ja) | 配線基板及びその製造方法 | |
JP3297575B2 (ja) | 配線基板及びその製造方法 | |
JP3292624B2 (ja) | 配線基板及びその製造方法 | |
JPH08288596A (ja) | 配線基板及びその製造方法 | |
JPH10209324A (ja) | 配線基板 | |
JPH10150123A (ja) | 配線基板及びその製造方法 | |
JPH1050889A (ja) | 配線基板及びその製造方法 | |
JPH10335764A (ja) | 配線基板 | |
JPH1075061A (ja) | 配線基板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040217 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040408 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040928 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041001 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |