JP3398290B2 - 配線基板の製造方法 - Google Patents

配線基板の製造方法

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JP3398290B2 JP31647196A JP31647196A JP3398290B2 JP 3398290 B2 JP3398290 B2 JP 3398290B2 JP 31647196 A JP31647196 A JP 31647196A JP 31647196 A JP31647196 A JP 31647196A JP 3398290 B2 JP3398290 B2 JP 3398290B2
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Landscapes

  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、半導体素子を収容
するための半導体素子収納用パッケージや混成集積回路
基板等に用いられる配線基板の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、配線基板、例えば半導体素子を収
容する半導体素子収納用パッケージに使用される配線基
板は、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックスより
成り、その上面中央部に半導体素子を収容するための凹
部を有する絶縁基体と、絶縁基体の凹部周辺から下面に
かけて導出されたタングステンやモリブデン等の高融点
金属メタライズから成る配線導体とから構成されてお
り、絶縁基体の凹部底面に半導体素子をガラスや樹脂・
ロウ材等の接着剤により接着固定するとともにこの半導
体素子の各電極を例えばボンディングワイヤ等の電気的
接続手段を介して配線導体に電気的に接続し、しかる
後、金属やセラミックス等から成る蓋体を絶縁基体上面
の凹部を塞ぐようにしてガラスや樹脂・ロウ材等の封止
材により接合し、絶縁基体の凹部内に半導体素子を気密
に収容することによって製品としての半導体装置とな
り、配線導体の絶縁基体下面に導出した部位を外部電気
回路基板の配線導体に半田等の電気的接続手段を介して
接続することによって、収容する半導体素子の各電極が
外部電気回路基板に電気的に接続されることとなる。
【0003】この従来の配線基板は、例えばセラミック
グリーンシート積層法によって製作される。具体的に
は、酸化アルミニウムや酸化珪素・酸化マグネシウム・
酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バ
インダや溶剤等を添加混合して泥漿状となすとともにこ
れを従来周知のドクターブレード法を採用してシート状
とすることによって複数のセラミックグリーンシートを
得、しかる後、所定のセラミックグリーンシートに適当
な打ち抜き加工を施すとともに配線導体となる金属ペー
ストを所定パターンに印刷塗布し、最後にそれらセラミ
ックグリーンシートを所定の順に積層して生セラミック
成形体となすとともにこの生セラミック成形体を還元雰
囲気中約1600℃の高温で焼成することによって製作され
る。
【0004】しかしながら、この従来の配線基板は、絶
縁基体を構成する酸化アルミニウム質焼結体等のセラミ
ックスが硬くて脆い性質を有するため、搬送工程や半導
体装置製作の自動ライン等において配線基板同士あるい
は配線基板と半導体装置製作自動ラインの一部とが激し
く衝突すると、絶縁基体に欠けや割れ・クラック等が発
生し、その結果、半導体素子を気密に収容することがで
きず、半導体素子を長期間にわたり正常且つ安定に作動
させることができなくなるという欠点を有していた。
【0005】また、前述の配線基板の製造方法によれ
ば、生セラミック成形体を焼成する際に生セラミック成
形体に不均一な焼成収縮が発生し、得られる配線基板に
反り等の変形や寸法のばらつきが発生し、その結果、半
導体素子の各電極と配線導体とを、あるいは配線導体と
外部電気回路基板の配線導体とを正確且つ確実に電気的
に接続することが困難であるという欠点を有していた。
【0006】これに対し、配線基板の絶縁基体を従来の
セラミックスに代えて無機絶縁物粉末を熱硬化性樹脂で
結合した材料で形成するとともに配線導体を従来の高融
点金属メタライズに代えて金属粉末を熱硬化性樹脂で結
合した材料で形成した配線基板が提案されている。
【0007】この無機絶縁物粉末を熱硬化性樹脂で結合
して成る絶縁基体と金属粉末を熱硬化性樹脂で結合して
成る配線導体とから成る配線基板は、熱硬化性樹脂前駆
体と無機絶縁物粉末とを混合して成る半硬化状態の前駆
体シートを準備するとともに所定の前駆体シートに適当
な打ち抜き加工を施し、次にこれに熱硬化性樹脂前駆体
と金属粉末とを混合して成る金属ペーストを所定パター
ンで印刷塗布し、最後にこの金属ペーストが印刷塗布さ
れた前駆体シートを必要に応じて積層するとともに約10
0 〜300 ℃の温度で加熱して前駆体シートの熱硬化性樹
脂前駆体と金属ペーストの熱硬化性樹脂前駆体とを熱硬
化させることによって製作される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この無
機絶縁物粉末を熱硬化性樹脂で結合して成る絶縁基体と
金属粉末を熱硬化性樹脂で結合して成る配線導体とから
成る配線基板は、前駆体シートに熱硬化性樹脂前駆体と
金属粉末とを混合して成る金属ペーストを所定パターン
に印刷塗布してこれを約100 〜300 ℃の温度で加熱して
前駆体シートの熱硬化性樹脂前駆体と金属ペーストの熱
硬化性樹脂前駆体とを熱硬化させる際に、配線導体中の
熱硬化性樹脂が金属粉末同士の接触界面に介在してしま
うために配線導体の電気抵抗率がやや大きくなりやす
く、配線導体を微細で高密度なものとした場合には配線
導体の電気抵抗が大きなものとなって、収容する半導体
素子を正確に且つ効率良く作動させることが困難である
という問題点があった。
【0009】これに対しては、配線導体となる金属ペー
スト中に半田等の低融点金属粉末を配合し、この金属ペ
ーストを絶縁基体となる前駆体シートに印刷塗布した
後、これに熱を印加することによって金属ペースト中の
低融点金属粉末を溶融させ、この溶融した低融点金属粉
末で金属粉末同士を結合することにより配線導体の電気
抵抗を小さなものとする試みもなされている。
【0010】しかしながら、この試みによっては、溶融
した低融点金属粉末が金属ペースト中で金属粉末の表面
及び隣接する金属粉末間に濡れ広がって元の位置から移
動するために配線導体中で低融点金属粉末が存在した部
位がその溶融後に空隙となり、その結果、配線導体中で
の金属粉末の充填密度が低いものとなってしまい、配線
導体の電気抵抗を大幅に小さいものとすることはできな
かった。
【0011】本発明は上記事情に鑑みて案出されたもの
であり、その目的は、無機絶縁物粉末を熱硬化性樹脂に
より結合して成る絶縁基板に金属粉末を熱硬化性樹脂に
より結合して成る配線導体を被着形成して成る配線基板
について、配線導体の電気抵抗を極めて小さくすること
ができ、搭載する半導体素子を正確に且つ効率良く作動
させることができる、半導体装置に好適な配線基板が得
られる配線基板の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の配線基板の製造
方法は、絶縁基体に所定パターンの配線導体を被着形成
して成る配線基板の製造方法であって、熱硬化性樹脂前
駆体と無機絶縁物粉末とを混合した、硬化後に絶縁基体
となる前駆体シートを準備する工程と、該前駆体シート
を半硬化させる工程と、熱硬化性樹脂前駆体と金属粉末
とを混合した、硬化後に配線導体となる金属ペーストを
前記前駆体シートに所定パターンで印刷する工程と、金
属ペーストが印刷された前駆体シートを加熱しながら加
圧して、金属ペースト中の金属粉末同士の接触界面から
前記熱硬化性樹脂前駆体を排除して前記金属粉末同士が
接触するように圧接するとともに金属ペースト中の熱硬
化性樹脂前駆体を半硬化させて、金属粉末同士を保持結
合する工程と、前駆体シート及び金属ペーストを更に加
熱して前駆体シート及び金属ペーストの熱硬化性樹脂前
駆体を硬化させる工程とから成るものである。
【0013】また本発明の配線基板の製造方法は、絶縁
基体に所定パターンの配線導体を被着形成して成る配線
基板の製造方法であって、熱硬化性樹脂前駆体と無機絶
縁物粉末とを混合した、硬化後に絶縁基体となる前駆体
シートを準備する工程と、該前駆体シートを半硬化させ
る工程と、熱硬化性樹脂前駆体と融点が300℃以下の低
融点金属粉末を含む金属粉末とを混合した、硬化後に配
線導体となる金属ペーストを前記前駆体シートに所定パ
ターンで印刷する工程と、金属ペーストが印刷された前
駆体シートを加熱しながら加圧して、金属ペースト中の
低融点金属粉末を溶融させるとともに低融点金属粉末が
存在した部位の空隙を潰して排除しながら低融点金属を
金属粉末間に濡れ広がらせて金属粉末同士を結合する工
程と、前駆体シート及び金属ペーストを更に加熱して前
駆体シート及び金属ペーストの熱硬化性樹脂前駆体を硬
化させる工程とから成るものである。
【0014】本発明の配線基板の製造方法によれば、熱
硬化性樹脂前駆体と無機絶縁物粉末とを混合した硬化後
に絶縁基体となる前駆体シートに、熱硬化性樹脂前駆体
と金属粉末とを混合した硬化後に配線導体となる金属ペ
ーストを所定パターンで印刷した後、この金属ペースト
が印刷された前駆体シートをホットプレス等により加熱
しながら加圧して、金属ペースト中の金属粉末同士の接
触界面から前記熱硬化性樹脂前駆体を排除して前記金属
粉末同士が接触するように圧接するとともに金属ペース
ト中の熱硬化性樹脂前駆体を半硬化させて、金属粉末同
士を保持結合し、その後、更に加熱して前駆体シートの
熱硬化性樹脂前駆体と金属ペーストの熱硬化性樹脂前駆
体とを熱硬化させることから、加熱しながら加圧する時
の圧力によって金属粉末同士が圧接されてその接触界面
に介在する熱硬化性樹脂前駆体が排除されるため、金属
粉末同士が良好に接触し、その結果、配線導体の電気抵
抗を極めて低いものとなすことができる。
【0015】また本発明の配線基板の製造方法によれ
ば、熱硬化性樹脂前駆体と無機絶縁物粉末とを混合した
硬化後に絶縁基体となる前駆体シートに、熱硬化性樹脂
前駆体と融点が300℃以下の低融点金属粉末を含む金属
粉末とを混合した硬化後に配線導体となる金属ペースト
を所定パターンで印刷した後、この金属ペーストが印刷
された前駆体シートをホットプレス等により加熱しなが
ら加圧して、金属ペースト中の低融点金属粉末を溶融さ
るとともに低融点金属粉末が存在した部位の空隙を潰
して排除しながら低融点金属を金属粉末間に濡れ広がら
て低融点金属で金属粉末同士を結合することから、低
融点金属により金属粉末同士を電気的に良好に接続する
ことができる。更に、低融点金属粉末が溶融した際にこ
れが金属粉末の表面及び隣接する金属粉末間に濡れ広が
って元の位置から移動するために金属ペースト中で低融
点金属粉末が存在した部位に形成される空隙は、加熱し
ながら加圧する時の圧力によって潰されて排除される。
その結果、配線導体における金属粉末の充填密度が非常
に高いものとなり、配線導体の電気抵抗を極めて低いも
のとなすことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明を添付の図面に基づ
き、詳細に説明する。図1は、本発明の配線基板を半導
体素子を収容する半導体素子収納用パッケージに適用し
た場合の実施の形態の例を示す断面図であり、同図にお
いて1は絶縁基体、2は配線導体、3は半導体素子であ
る。
【0017】絶縁基体1は、例えば3枚の絶縁基板1a
・1b・1cを積層して構成されており、その上面中央
部に半導体素子を収容するための凹部1dを有し、この
凹部1d底面には半導体素子3が樹脂等の接着剤により
接着固定される。
【0018】絶縁基体1を構成する絶縁基板1a・1b
・1cは、例えば酸化珪素や酸化アルミニウム・窒化ア
ルミニウム・炭化珪素・チタン酸バリウム・チタン酸ス
トロンチウム・チタン酸カルシウム・酸化チタン・ゼオ
ライト等の無機絶縁物粉末をエポキシ樹脂やポリイミド
樹脂・フェノール樹脂・熱硬化性ポリフェニレンエーテ
ル樹脂・ポリイミドアミド樹脂・ビスマレイミドトリア
ジン樹脂等の熱硬化性樹脂により結合することによって
形成されており、絶縁基板1a・1b・1cの各々が無
機絶縁物粉末を靭性に優れるエポキシ樹脂等の熱硬化性
樹脂で結合することによって形成されていることから絶
縁基体1に外力が印加されてもその外力によって絶縁基
体1に欠けや割れ・クラック等が発生することはない。
【0019】なお、前記無機絶縁物粉末を熱硬化性樹脂
で結合して成る絶縁基体1を構成する3枚の絶縁基板1
a・1b・1cは、これに含有される無機絶縁物粉末の
含有量が60重量%未満であると絶縁基体1の熱膨張係数
が半導体素子3の熱膨張係数に対して大きく相違するも
のとなるため、半導体素子3が作動時に熱を発し、その
熱が半導体素子3と絶縁基体1の両者に印加されると、
両者間に両者の熱膨張係数の相違に起因する大きな熱応
力が発生し、この大きな熱応力によって半導体素子3が
絶縁基体1から剥離したり、半導体素子3に割れや欠け
が発生しやすくなる傾向がある。一方、無機絶縁物粉末
の含有量が95重量%を超えると無機絶縁物粉末を熱硬化
性樹脂で強固に結合することが困難となる傾向にある。
従って、絶縁基体1を構成する絶縁基板1a・1b・1
cの各々の内部に含有される無機絶縁物粉末の量は60乃
至95重量%の範囲が好適である。
【0020】また絶縁基体1には、その凹部1d周辺か
ら下面にかけて、例えば銅や銀・表面が銀で被覆された
銅・銀−銅合金・金等の金属粉末をエポキシ樹脂等の熱
硬化樹脂により結合した配線導体2が形成されてい
る。
【0021】この配線導体2は半導体素子3の各電極を
外部電気回路に電気的に接続する作用を為し、絶縁基体
1の凹部1d周辺に位置する部位には半導体素子3の各
電極がボンディングワイヤ4を介して電気的に接続さ
れ、また絶縁基体1の下面に導出する部位は外部電気回
路に半田バンプ6等を介して電気的に接続される。
【0022】配線導体2に含有される金属粉末は配線導
体2に導電性を付与する作用を為し、配線導体2におけ
る含有量が70重量%未満では配線導体2の電気抵抗が高
いものとなる傾向があり、また95重量%を超えると金属
粉末を熱硬化性樹脂脂で強固に結合して所定の配線導体
2を形成することが困難となる傾向にある。従って、配
線導体2の内部に含有される金属粉末の量は70乃至95重
量%の範囲としておくことが好ましい。
【0023】また、配線導体2に含有される融点が300
℃以下の低融点金属粉末を含む金属粉末は配線導体2に
導電性を付与する作用を為し、配線導体2における含有
量が70重量%未満では配線導体2の電気抵抗が高いもの
となり、また95重量%を超えると金属粉末を熱硬化性樹
脂で強固に結合して所定の配線導体2を形成することが
困難となる傾向にある。従って、配線導体2の内部に含
有される低融点金属粉末を含む金属粉末の量は70乃至95
重量%の範囲としておくことが好ましい。
【0024】更に、金属粉末に含まれる融点が300℃以
下の低融点金属粉末の量が金属粉末との合計量に対して
80重量を超えると、金属粉末に対して低融点金属粉末
の量が多くなり過ぎるために低融点金属同士が溶融しあ
って金属粉末を取り込んだ一体化が困難となって配線導
体2の電気抵抗が高くなる傾向にあり、一方、20重量%
未満であると金属粉末を接合させる低融点金属の量が相
対的に少なくなり、金属粉末を十分に結合させることが
できずに配線導体2の電気抵抗が高くなってしまう傾向
にある。従って、前記配線導体2に含有させる金属粉末
に含まれる融点が300℃以下の低融点金属粉末の量は、
金属粉末との合計量に対して20乃至80重量%の範囲とし
ておくことが好ましい。なお、配線導体2の露出する表
面には、ニッケルや金等の耐食性に優れ且つ良導電性の
金属をメッキ法により1乃至20μmの厚みに層着させて
おくと、配線導体2の酸化腐食を有効に防止することが
できるとともに配線導体2とボンディングワイヤ4とを
強固に電気的に接続させることができる。従って、配線
導体2の露出する表面には、必要に応じてニッケルや金
等の耐食性に優れ且つ良導電性の金属をメッキ法により
1乃至20μmの厚みに層着させておくことが好ましい。
【0025】かくして本発明の配線基板によれば、絶縁
基体1の凹部1d底面に半導体素子3を樹脂等の接着剤
により接着固定するとともに半導体素子3の各電極をボ
ンディングワイヤ4を介して配線導体2に電気的に接続
し、その後、絶縁基体1の上面の凹部1dを覆うように
蓋体5を樹脂等から成る封止材により接合して絶縁基体
1と蓋体5とから成る容器内部に半導体素子3を気密に
収容することにより、製品としての半導体装置が完成す
る。
【0026】次に、半導体素子収納用パッケージに使用
される場合の本発明の配線基板の製造方法の例について
図2に基づき説明する。図2(a)乃至(c)は本発明
の配線基板の製造方法を説明するための工程毎の分解断
面図である。
【0027】先ず、図2(a)に示すように無機絶縁物
粉末を熱硬化樹脂前駆体で結合して成る、絶縁基板と
なる3枚の前駆体シート11a・11b・11cを準備する。
【0028】これら3枚の前駆体シート11a・11b・11
cは、例えば酸化珪素や酸化アルミニウム・窒化アルミ
ニウム・炭化珪素・チタン酸バリウム・チタン酸ストロ
ンチウム・酸化チタン等の無機絶縁物粉末をエポキシ樹
脂やポリイミド樹脂・熱硬化性ポリフェニレンエーテル
樹脂・ビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂
の前駆体で結合することによって形成されており、例え
ば粒径が0.1 〜100 μm程度の酸化珪素粉末にビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ
樹脂・ノボラック型エポキシ樹脂・グリシジルエステル
型エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂及びアミン系硬化剤や
イミダゾール系硬化剤・酸無水物系硬化剤等の硬化剤を
添加混合して得たペーストをドクターブレード法等のシ
ート成形法を採用してシート状となすとともに、約25〜
100 ℃の温度で半硬化させることによって製作される。
【0029】次に、図2(b)に示すように、3枚の前
駆体シート11a・11b・11cのうち2枚の前駆体シート
11a・11bに積層後に凹部1dとなる開口A・A’を、
2枚の前駆体シート11b・11cに配線導体2を引き回す
ための貫通孔B・B’を各々形成する。
【0030】これら開口A・A’及び貫通孔B・B’
は、前駆体シート11a・11b・11cに従来周知のパンチ
ング加工法を施して各々に所定形状の孔を穿孔すること
により形成される。
【0031】次に、図2(c)に示すように、半硬化さ
れた前駆体シート11b・11cの上下面及び貫通孔B・
B’内に硬化後に配線導体2となる金属ペースト12を従
来周知のスクリーン印刷法及び充填法を採用して所定パ
ターンに印刷塗布する。
【0032】この硬化後に配線導体2となる金属ペース
ト12としては、例えば粒径が0.1〜20μm程度の銅等の
金属粉末にビスフェノールA型エポキシ樹脂やノボラッ
ク型エポキシ樹脂・グリシジルエステル型エポキシ樹脂
等のエポキシ樹脂及びアミン系硬化剤やイミダゾール系
硬化剤・酸無水物系硬化剤等の硬化剤を添加混合してペ
ースト状となしたもの等が使用される。
【0033】また、硬化後に配線導体2となる金属ペー
スト12としては、融点が300℃以下の低融点金属粉末を
含む金属粉末を含有する場合、例えば粒径が0.1〜20μ
m程度の銅等の金属粉末に融点が300℃以下の半田等か
ら成る低融点金属粉末と、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂・ノボラック型
エポキシ樹脂・グリシジルエステル型エポキシ樹脂等の
エポキシ樹脂及びアミン系硬化剤やイミダゾール系硬化
剤・酸無水物系硬化剤等の硬化剤を添加混合してペース
ト状となしたものが使用される。
【0034】次に、金属ペースト12が印刷塗布された前
駆体シート11a・11b・11cを上下に積層するとともに
この積層された前駆体シート11a・11b・11cをホット
プレス等を用いて約150 〜300 ℃の温度及び約4〜100
kgf/cm2 の圧力で約10秒〜30分間加熱しながら加
圧して、金属ペースト12に含まれる金属粉末同士を圧接
するとともに金属ペースト12の熱硬化性樹脂前駆体を半
硬化させる。
【0035】このとき、通常の金属粉末を含有する金属
ペースト12においては、加熱しながら加圧する時の圧力
により熱硬化性樹脂前駆体が金属粉末同士の接触界面か
ら排除されて金属粉末同士が直接良好に接触するととも
に、加熱により半硬化した熱硬化性樹脂前駆体がそれら
互いに良好に接触した金属粉末同士を保持結合する。
【0036】また、融点が300 ℃以下の低融点金属粉末
を含む金属粉末を含有する金属ペースト12を用いた場合
は、加熱しながら加圧して金属ペースト12に含まれる低
融点金属粉末を溶融させるとともにこの溶融した低融点
金属で金属粉末同士を結合させることとなる。このと
き、金属ペースト12においては、溶融した低融点金属粉
末が金属粉末の表面及び隣接する金属粉末間に濡れ広が
って元の位置から移動し、金属ペースト中で低融点金属
粉末が存在した部位に形成される空隙は加熱しながら加
圧する時の圧力によって潰れて排除され、その結果、配
線導体における金属粉末の充填密度が非常に高いものと
なり、配線導体の電気抵抗を極めて低いものとなすこと
ができる。
【0037】そして、最後にこの積層された前駆体シー
ト11a・11b・11cを約80〜300 ℃の温度で約10秒〜24
時間更に加熱し、前駆体シート11a・11b・11cの熱硬
化性樹脂及び前駆体シート11b・11cに所定パターンに
印刷塗布された金属ペースト12の熱硬化性樹脂を完全に
熱硬化させることによって、図1に示すような絶縁基体
1に配線導体2を被着形成して成る配線基板が完成す
る。この場合、前駆体シート11a・11b・11c及び金属
ペースト12は熱硬化時に収縮することは殆どなく、従っ
て、得られる配線基板に変形や寸法のばらつきが発生す
ることはほぼ皆無となって、半導体素子3と配線導体2
とを正確に接続することが可能となる。
【0038】なお、本発明は上述の実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であ
れば、種々の変更は可能である。例えば、上述の実施例
では本発明の配線基板を半導体素子を収容する半導体素
子収納用パッケージに適用した場合を例に採って説明し
たが、例えば混成集積回路等、他の用途に使用される配
線基板に適用してもよい。
【0039】また、上述の実施の形態では3枚の前駆体
シートを積層することによって配線基板を製作する例を
示したしたが、1枚や2枚あるいは4枚以上の前駆体シ
ートを使用して配線基板を製作してもよい。
【0040】更に、上述の実施例では絶縁基体は無機絶
縁物粉末と熱硬化性樹脂とから成っていたが、これに更
にガラス繊維やカーボン繊維・アラミド繊維・アルミナ
繊維・チタン酸カリウムウィスカー・ホウ酸アルミニウ
ムウィスカー等の短繊維を配合させてもよい。
【0041】
【発明の効果】本発明の配線基板の製造方法によれば、
熱硬化性樹脂前駆体と無機絶縁物粉末とを混合した、硬
化後に絶縁基体となる前駆体シートに、熱硬化性樹脂前
駆体と金属粉末とを混合した、硬化後に配線導体となる
金属ペーストを所定パターンで印刷した後、金属ペース
トが印刷された前駆体シートを加熱しながら加圧して、
金属ペースト中の金属粉末同士の接触界面から前記熱硬
化性樹脂前駆体を排除して前記金属粉末同士が接触する
ように圧接するとともに金属ペースト中の熱硬化性樹脂
前駆体を半硬化させて、金属粉末同士を保持結合し、そ
の後、前駆体シート及び金属ペーストを更に加熱して前
駆体シート及び金属ペーストの熱硬化性樹脂前駆体を硬
化させることから、加熱しながら加圧する時の圧力によ
って金属粉末同士の接触界面に介在する熱硬化性樹脂前
駆体が排除されて金属粉末同士が良好に接触し、その結
果、配線導体の電気抵抗を極めて低いものとなすことが
でき、半導体素子を正確且つ効率良く作動させることが
できる配線基板が得られる。
【0042】また、本発明の配線基板の製造方法によれ
ば、熱硬化性樹脂前駆体と無機絶縁物粉末とを混合し
た、硬化後に絶縁基体となる前駆体シートに、熱硬化性
樹脂前駆体と融点が300℃以下の低融点金属粉末を含む
金属粉末とを混合した、硬化後に配線導体となる金属ペ
ーストを所定パターンで印刷した後、金属ペーストが印
刷された前駆体シートを加熱しながら加圧して、金属ペ
ースト中の低融点金属粉末を溶融させるとともに低融点
金属粉末が存在した部位の空隙を潰して排除しながら低
融点金属を金属粉末間に濡れ広がらせてその溶融した低
融点金属で金属粉末同士を結合させ、その後、前駆体シ
ート及び金属ペーストを更に加熱して前駆体シート及び
金属ペーストの熱硬化性樹脂前駆体を硬化させることか
ら、低融点金属により金属粉末同士を電気的に良好に接
続することができ、更に低融点金属粉末が溶融した際に
これが金属粉末の表面及び隣接する金属粉末間に濡れ広
がって元の位置から移動して金属ペースト中で低融点金
属粉末が存在した部位に形成される空隙が加熱しながら
加圧する時の圧力によって潰れて排除される。その結
果、配線導体における金属粉末の充填密度が非常に高い
ものとなり、配線導体の電気抵抗を極めて低いものとな
すことができ、半導体素子を正確且つ効率良く作動させ
ることができる配線基板が得られる。
【0043】従って、本発明によれば、無機絶縁物粉末
を熱硬化性樹脂により結合して成る絶縁基板に金属粉末
を熱硬化性樹脂により結合して成る配線導体を被着形成
して成る配線基板について、配線導体の電気抵抗を極め
て小さくすることができ、搭載する半導体素子を正確に
且つ効率良く作動させることができる、半導体装置に好
適な配線基板が得られる配線基板の製造方法を提供する
ことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により製作される配線基板を
半導体素子収納用パッケージに適用した場合の実施の形
態の例を示す断面図である。
【図2】(a)〜(c)は、それぞれ本発明の配線基板
の製造方法を説明するための工程毎の分解断面図であ
る。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・絶縁基体 2・・・・・・・・・・配線導体 11a、11b、11c・・・前駆体シート 12・・・・・金属ペースト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05K 3/46 H05K 1/03 610R 1/09 A // H05K 1/03 610 H01L 23/12 N 1/09 23/14 R (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 1/02 H05K 1/03 H05K 1/09 H05K 3/12 H05K 3/46 H01L 23/12 - 23/15 H01B 1/00 - 1/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂前駆体と無機絶縁物粉末と
    を混合した、硬化後に絶縁基体となる前駆体シートを準
    備する工程と、該前駆体シートを半硬化させる工程と、
    熱硬化性樹脂前駆体と金属粉末とを混合した、硬化後に
    配線導体となる金属ペーストを前記半硬化した前駆体シ
    ートに所定パターンで印刷する工程と、前記金属ペース
    トが印刷された前記半硬化した前駆体シートを加熱しな
    がら加圧して、前記金属ペースト中の金属粉末同士の接
    触界面から前記熱硬化性樹脂前駆体を排除して前記金属
    粉末同士が接触するように圧接するとともに前記金属ペ
    ースト中の熱硬化性樹脂前駆体を半硬化させて前記金属
    粉末同士を保持結合する工程と、前記半硬化した前駆体
    シート及び前記金属ペーストを更に加熱して前記前駆体
    シート及び前記金属ペーストの熱硬化性樹脂前駆体を硬
    化させる工程とから成る、絶縁基体に所定パターンの配
    線導体を被着形成して成る配線基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂前駆体と無機絶縁物粉末と
    を混合した、硬化後に絶縁基体となる前駆体シートを準
    備する工程と、該前駆体シートを半硬化させる工程と、
    熱硬化性樹脂前駆体と融点が300℃以下の低融点金属
    粉末を含む金属粉末とを混合した、硬化後に配線導体と
    なる金属ペーストを前記半硬化した前駆体シートに所定
    パターンで印刷する工程と、前記金属ペーストが印刷さ
    れた前記半硬化した前駆体シートを加熱しながら加圧し
    て、前記金属ペースト中の低融点金属粉末を溶融させ
    とともに該低融点金属粉末が存在した部位の空隙を潰し
    て排除しながら前記低融点金属を前記金属粉末間に濡れ
    広がらせ金属粉末同士を結合する工程と、前記前駆
    体シート及び前記金属ペーストを更に加熱して前記前駆
    体シート及び前記金属ペーストの熱硬化性樹脂前駆体を
    硬化させる工程とから成る、絶縁基体に所定パターンの
    配線導体を被着形成して成る配線基板の製造方法。
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