JP3605013B2 - 農作業機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圃場を平らに整地する農作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の農作業機として、例えば、特許第3028931号公報に記載の農作業機が知られている。
【0003】
この特許第3028931号公報に記載の農作業機は、機体の前側下部に圃場を耕耘する耕耘体を備え、この耕耘体の上方位置には土の飛散を防止するカバー体が設けられ、この耕耘体の後方位置には圃場を平らに整地する整地体が設けられている。
【0004】
そして、この農作業機は、機体の回動フレームから上方に突出した操作レバーを操作し、スプリングロッドに巻装した圧縮コイルバネの付勢力を調節して、整地体の接地圧を切り換えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の特許第3028931号公報に記載の農作業機では、互いに別体の操作レバー、圧縮コイルバネ、スプリングロッド、回動フレーム等を備えた構成であるので、構成が複雑で、製造、メンテナンスが煩雑である問題を有している。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、構成が簡単で、製造、メンテナンスを容易にできる農作業機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の農作業機は、圃場を平らに整地する整地体と、この整地体を付勢するねじりバネと、このねじりバネの一端側に連続して一体に設けられ、前記ねじりバネの付勢力を調節するための操作レバーと、この操作レバーを支持するレバー支持体と、このレバー支持体に一端側が左右方向の連結ピンを介して回動可能に連結され、前記連結ピンを中心として他端側が昇降するように回動する支持アーム体と、この支持アーム体の他端側に上端側が回動可能に連結され、下端側が前記整地体に回動可能に連結された連結アーム体とを備え、前記ねじりバネは、前記連結ピンにて支持されているものである。
【0008】
そして、この構成では、操作レバーをねじりバネの一端側に連続して一体に設けたので、従来の構成に比べて、構成が簡単となり、製造、メンテナンスが容易となり、また、レバー支持体に支持アーム体を左右方向の連結ピンを介して回動可能に連結し、この連結ピンにてねじりバネを支持した構成であるので、バネ支持部材を別途設けた構成に比べて、部品点数を少なくなり、構成が確実に簡単になる。
【0009】
請求項2記載の農作業機は、請求項1記載の農作業機において、ねじりバネは、操作レバーにて付勢力が調節されて、整地体をこの整地体の接地圧が増大する方向に付勢する状態と、前記整地体をこの整地体の接地圧が減少する方向に付勢する状態と、前記整地体を付勢しない状態とに切り換えられるものである。
【0010】
そして、この構成では、操作レバーを操作することにより、ねじりバネの状態を圃場の状態等に応じて切り換えることができ、圃場の状態等に応じた適切な整地作業が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の農作業機の一実施の形態の構成を図面を参照して説明する。
【0012】
図1および図2において、1は代掻装置等の農作業機で、この農作業機1は、図示しないトラクタの牽引により水田圃場上を移動しつつ、水田圃場を耕耘砕土して水田圃場の表面部を水平面状に平らに整地するものである。
【0013】
この農作業機1は、図示しないトラクタに着脱可能に装着される機体2を備え、この機体2は、農作業機1の左右水平方向に長手方向を有する細長筒形状の主フレーム3を有している。
【0014】
この主フレーム3の長手方向の中央部側には、入力軸5を有するミッション6が設けられているともにトラクタ連結部としての三点連結部7が設けられている。この三点連結部7は、トップピン8を有するトップマスト9、ロワピン10を有する左右一対のロワアーム11,11等にて構成されている。
【0015】
また、主フレーム3の長手方向の両端部には、上下方向に長手方向を有する側面視細長略矩形状に形成され互いに離間対向した左右一対の側板フレームとしてのチェーンケース14およびブラケット15の各々の上端部が固着されている。
【0016】
これらチェーンケース14およびブラケット15の下端部間には、水田圃場を耕耘砕土する耕耘体としての耕耘ロータリー作業体16が回転可能に設けられており、この耕耘ロータリー作業体16は機体2の前側下部位置に左右水平方向に沿って配置されている。この耕耘ロータリー作業体16は、チェーンケース14およびブラケット15の下端部間に軸架された水平状の回転軸17を有し、この回転軸17には複数の耕耘爪18が軸方向に互いに間隔を介して並設され、各耕耘爪18が回転軸17から放射状に突出している。
【0017】
また、チェーンケース14およびブラケット15の各々の下部後端部には、互いに離間対向した左右一対の板状の突出部としてのサイドカバー体21,21が後方に向って突設されており、これら両サイドカバー体21は、耕耘ロータリー作業体16の側方に位置し、チェーンケース14およびブラケット15とともに耕耘ロータリー作業体16から放出される土の側方への飛散を防止する。さらに、サイドカバー体21の外側面には、図1に示されるように、両端面を開口した略円筒形状の支持部材23が取り付けられており、この支持部材23は、上端開口部が前斜め上方に開口しかつ下端開口部が後斜め下方に開口した所定の傾斜状態とされている。また、この支持部材23にて設定体としての回動操作設定体24が回動可能に支持されている。この回動操作設定体24は、細長棒状部材が三箇所で折り曲げられて側面視略二等辺三角形状に形成されたもので、図示しない自由端部側が支持部材23内に差し込まれており、等しい二辺の連結部側には係合部25が形成されている。なお、支持部材23および回動操作設定体24にて軸部保持手段26が構成されている。
【0018】
また一方、チェーンケース14およびブラケット15の上下方向の略中央部間には、左右方向に長手方向を有する細長略矩形板状で幅方向中央側が上方に膨出したやや湾曲状のカバー体としての上部カバー体31が略水平面状に設けられている。この上部カバー体31は、耕耘ロータリー作業体16の上方位置でこの耕耘ロータリー作業体16に沿って配置され、耕耘ロータリー作業体16から放出される土の上方への飛散を防止する。
【0019】
また、この上部カバー体31の後端部には、左右方向に長手方向を有する細長略矩形板状のゴム板等の弾性変形可能な連結体としての弾性連結板である弾性連結体32の前端部が連結固定されている。この弾性連結体32は、図1に示されるように、前端側から後端側に向って徐々に下方に傾斜した傾斜状に配置され、左右一対のサイドカバー体21,21間に略位置している。
【0020】
さらに、この弾性連結体32の後端部には、幅方向の中間二箇所で屈曲した左右方向に長手方向を有する細長略矩形板状の整地基板34の前端部が連結固定されている。この整地基板34は、図1に示されるように、前端側から後端側に向って徐々に下方に傾斜した傾斜状に配置され、左右一対のサイドカバー体21より後方位置に位置している。
【0021】
また、整地基板34の長手方向の両端部には、機体2の左右両側に位置するように互いに離間対向した左右一対の整地側板35,35が固着され、この整地側板35の前側部はサイドカバー体21と弾性連結体32との間に入り込んでいる。さらに、整地側板35の上部外側面には、軸方向が左右水平方向に一致した断面円形の固定用ピン等の係合軸部36,36が一体に突出形成されている。左右一対の係合軸部36の整地側板35からの突出寸法は、それぞれ、図2に示されるように、係合軸部36の先端がサイドカバー体21の外側面より側方に突出する寸法に設定されている。また、係合軸部36は、弾性連結体32の前後方向中央部よりやや後端側寄りの部分或いは前後方向中央部の略側方位置に配置されている。なお、整地基板34、整地側板35、係合軸部36等にて均平板等の整地体としての第1の整地体38が構成され、この第1の整地体38は、機体2の後側下部位置に左右水平方向に沿って配置されて、耕耘ロータリー作業体16の後方位置に位置し、耕耘ロータリー作業体16から放出される土を下方に誘導して略水平面状に平らに整地する。
【0022】
そして、第1の整地体38の整地側板35の係合軸部36は、回動操作設定体24の係合部25と係脱自在の構成とされており、この回動操作設定体24は、例えば作業者の手で支持部材23の軸方向に一致した回動中心軸線を中心として一方向へ回動操作すると、自由端部側のばね作用でサイドカバー体21側に付勢されてこのサイドカバー体21に圧接した状態となって、係合部25が整地側板35の係合軸部36と係脱自在に係合し、これにより、この回動操作設定体24は、第1の整地体38の左右水平方向の回動中心軸線(係合軸部36の中心軸線)Xの位置変更、つまり、回動中心軸線Xに沿った係合軸部36の位置変更を規制する規制姿勢に設定された状態となる。
【0023】
なお、この回動操作設定体24が規制姿勢に設定された状態時には、係合軸部36は、規制姿勢にある回動操作設定体24の係合部25と係合し、この係合部25とサイドカバー体21の後端縁部とで挟持された状態にあり、上方や後方等への移動が規制された位置変更規制状態にあるが、その定位置での回動は可能となっている。すなわち、この回動操作設定体24が規制姿勢に設定された状態時には、第1の整地体38は、係合軸部36を中心として後端側が昇降するように回動可能な状態にある。なお、第1の整地体38の回動時には、この第1の整地体38の回動に応じて弾性連結体32が長手方向に沿って折れ曲がるようにして弾性変形する。
【0024】
また、回動操作設定体24は、例えば作業者の手で支持部材23の軸方向に一致した回動中心軸線を中心として一方向とは反対の他方向へ回動操作すると、自由端部側のばね作用でサイドカバー体21側に付勢されてこのサイドカバー体21に圧接した状態となって、整地側板35の係合軸部36との係合が解かれ、これにより、第1の整地体38の左右水平方向の回動中心軸線(係合軸部36の中心軸線)Xの位置変更、つまり、回動中心軸線Xに沿った係合軸部36の位置変更を許容する許容姿勢に設定された状態となる。なお、この状態時においては、第1の整地体38は、弾性連結体32にて吊下げ保持された状態にある。
【0025】
さらに、第1の整地体38の後端部には、左右方向に長手方向を有する細長略矩形板状のレーキ板等の第2の整地体40が、左右一対の回動アーム41,41等からなる連結手段42を介して回動可能に連結されている。なお、回動アーム41は、整地側板35に取り付けられた回動規制手段43で解除可能に回動規制されている。そして、この第2の整地体40は、第1の整地体38の後方位置に水平整地姿勢で位置し、第1の整地体38にて整地された水田圃場の表面部を水平面状に平らに整地する。
【0026】
また一方、機体2の上部カバー体31の上面部には、図3および図4に示すように、左右方向に長手方向を有する細長形状の補強枠体51が固着されており、この補強枠体51の上面部には、前後面および下面が開口した箱形状のレバー支持体52,52が、機体2の左右両側の二箇所に位置するように左右に互いに離間対向した状態で固着されている。
【0027】
これら左右一対のレバー支持体52,52の各々は、左右に離間対向した左右一対の側板53,53およびこれらの側板53の上端部間を一体に連結した上板54を有しており、側板53の後端部にはピン用孔部55が開口形成されている。上板54は、図5に示されるように、前後方向に長手方向を有する略細長矩形板状に形成され、上下に貫通したガイド孔部57が開口形成されており、このガイド孔部57は、上板54の幅方向中央位置において上板54の長手方向に沿って位置する長孔58と、この長孔58に連通した4つの第1孔61、第2孔62、第3孔63および第4孔64とで構成されている。なお、4つの第1孔61、第2孔62、第3孔63および第4孔64は、それぞれの間に突片65,65,65を位置させた状態で、上板54の後端側から前端側に順にこの上板54の長手方向に沿って並んで位置している。
【0028】
一方、機体2の左右両側に互いに離間対向して位置する左右一対の支持アーム体としての第1の支持アーム67,67の各々は、図1および図4に示すように、前後方向に長手方向を有する細長形状に形成され、上端部が上板68で連結された側板69,69の前端部にはピン用孔部70が開口形成されている。
【0029】
そして、第1の支持アーム67の前端部は、対応するレバー支持体52の後端部内に挿入され、左右に一直線上に位置したピン用孔部55,70には軸方向が左右水平方向に一致した回動軸ピン等の連結ピン71が挿通され、この連結ピン71は環状の抜け止め部材72で抜け止めされている。そして、第1の支持アーム67は、連結ピン71を中心として後端側が昇降するように回動可能とされている。また、連結ピン71の第1の支持アーム67内に位置する部分の外周面側に、円筒形状のカラー74が嵌着され、このカラー74の外周面側にねじり変形可能な円筒コイル状のねじりバネとしてのねじりコイルバネ75が連結ピン71の軸方向に沿って巻装されている。
【0030】
このねじりコイルバネ75の一端側は、上方側に延長され、この延長部分で操作レバー76が形成されている。すなわち、ねじりコイルバネ75の付勢力を調節するための操作レバー76は、ねじりコイルバネ75の一端側に連続して一体に設けられ、これらねじりコイルバネ75と操作レバー76とは共通の一本の線状のバネ形成部材で一体に形成されている。この操作レバー76は、第1の支持アーム67の前面開口部からレバー支持体52内を通り、ガイド孔部57を介してレバー支持体52の上板54より上方に突出し、この上板54に当接した状態となってレバー支持体52にて支持されている。この操作レバー76の上端部にはキャップ77が嵌着されている。
【0031】
ねじりコイルバネ75の他端側は、第1の支持アーム67内で後方側に向って直線状に延長され、先端側の直角に屈曲した部分である係合部75aが第1の支持アーム67の側板69に開口した孔部69aに差し込まれて孔部69aと係合している。こうして、ねじりコイルバネ75は、連結ピン71にてカラー74を介して支持された状態で、一端側がレバー支持体52に連結され、他端側が第1の支持アーム67に連結されている。
【0032】
また一方、第1の支持アーム67の後端部には、図1および図2に示されるように、上下方向に長手方向を有する細長形状の左右一対の吊持杆等の連結アーム体としての第1の連結アーム78,78の上端部が左右方向のピン79を介して回動可能に連結されており、第1の連結アーム78,78の下端部が第1の整地体38の上面部の二箇所に左右方向のピン80を介して回動可能に連結されている。なお、レバー支持体52、第1の支持アーム67、ねじりコイルバネ75、操作レバー76、第1の連結アーム78等にて第1の整地体接地圧調節手段81が構成されている。
【0033】
そして、操作レバー76をキャップ77を把持して操作することにより、この操作レバー76をレバー支持体52の上板54の第1孔61または第2孔62内に位置させると、ねじりコイルバネ75は、第1の支持アーム67および第1の連結アーム78を介して第1の整地体38をこの第1の整地体38の圃場の表面部との接地圧が増大する方向に付勢する状態になる。すなわち、この状態では、ねじりコイルバネ75は、巻き込む方向に負荷のかかった状態にあり、第1の支持アーム67をこの第1の支持アーム67の後端側が下降する方向に付勢している。なお、ねじりコイルバネ75の巻き込み量は、第2孔62の位置に比べて第1孔61の位置の方が大きいため、操作レバー76を第1孔61内に位置させた方が、第2孔62の位置に位置させた場合に比べて第1の整地体38の接地圧も大きくなり、整地作業時に土塊の悪影響をより受けにくくなる。
【0034】
また、操作レバー76をキャップ77を把持して操作することにより、この操作レバー76をレバー支持体52の上板54の第3孔63内に位置させると、ねじりコイルバネ75は、第1の整地体38を付勢しない状態になる。すなわち、この状態では、ねじりコイルバネ75は、巻き込みおよび巻き戻しされておらず、フリー状態にある。
【0035】
さらに、操作レバー76をキャップ77を把持して操作することにより、この操作レバー76をレバー支持体52の上板54の第4孔64内に位置させると、ねじりコイルバネ75は、第1の支持アーム67および第1の連結アーム78を介して第1の整地体38をこの第1の整地体38の圃場の表面部との接地圧が減少する方向に付勢、つまり、第1の整地体38を浮き上がらせるように付勢する状態になる。すなわち、この状態では、ねじりコイルバネ75は、巻き戻し方向に負荷のかかった状態にあり、第1の支持アーム67をこの第1の支持アーム67の後端側が上昇する方向に付勢している。
【0036】
一方、機体2の上部カバー体31の上面部における長手方向中央のアーム取付け部85には第2の支持アーム86の前端部が回動可能に取り付けられ、第2の支持アーム86の後端部に吊持杆等の第2の連結アーム87の上端部が左右方向のピン88を介して回動可能に連結され、第2の連結アーム87の下端部が第2の整地体40の上面部に左右方向のピン89を介して回動可能に連結されている。そして、第2の支持アーム86、第2の連結アーム87、図示しないガススプリング等にて第2の整地体接地圧調節手段90が構成されており、この第2の整地体接地圧調節手段90にて第2の整地体40の圃場の表面部との接地圧が調節可能となっている。また、第2の整地体40は、図示しない操作ハンドルの操作により、整地作業をする水平整地姿勢と土寄せ作業をする略鉛直状の土寄せ姿勢とに切り換えることができる。
【0037】
次に、上記一実施の形態の動作を説明する。
【0038】
図示しないトラクタの三点リンク機構(作業機昇降用油圧装置)に機体2の三点連結部7を連結するとともに、図示しないトラクタのPTO軸に入力軸5を図示しない動力伝達軸等を介して連結することにより、トラクタからの駆動力で耕耘ロータリー作業体16を作動させる。
【0039】
砕土を中心として複数回行う荒代作業時には、回動操作設定体24を規制姿勢に設定し、第1の整地体38の係合軸部36の位置変更を規制した状態とする。また、操作レバー76は、圃場の土の状態等に応じて、レバー支持体52の上板54の第1孔61、第2孔62および第3孔63のいずれかの位置に設定し、ねじりコイルバネ75の付勢力を調節する。
【0040】
そして、トラクタの走行によりこのトラクタとともに農作業機1全体を水田圃場に沿って前方に移動させると、耕耘ロータリー作業体16にて耕耘砕土作業が行われ、第1の整地体38および第2の整地体40にて整地作業が行われ、水田圃場の表面部が水平面状に平らに整地される。
【0041】
この荒代作業時において、第1の整地体38が、整地基板34への土塊の衝突等に基づいて所定の大きさ以上の土圧である接地圧を受けた場合、第1の整地体38は左右水平方向の回動中心軸線Xを中心として後端側が上昇する方向に回動し、この回動に応じて弾性連結体32が係合軸部36と対向する位置、例えば後端近傍位置でこの弾性連結体32の長手方向に沿ってやや折れ曲がる。しかし、弾性連結体32の所定部分、つまり係合軸部36より前方に位置する部分は変形せず、この弾性連結体32の所定部分と耕耘ロータリー作業体16との間の空間Aは大きくならないため、この空間Aは所定の大きさに維持される。その結果、耕耘ロータリー作業体16の土塊の持ち回り性が悪くなるのを防止でき、砕土性が良好である。
【0042】
なお、操作レバー76をレバー支持体52の第1孔61或いは第2孔62の位置に設定し、ねじりコイルバネ75で第1の整地体38の接地圧を増大させた場合には、比較的大きく固い土塊の悪影響を受けて第1の整地体38および第2の整地体40が不用意に傾いてしまうことがなく、土塊が圃場の表面部から突出した状態まま機体2後方へと逃げるのを防止でき、均平性が良好である。
【0043】
また、均平を中心とする仕上げ代作業時には、回動操作設定体24を許容姿勢に設定し、第1の整地体38の係合軸部36の位置変更を許容した状態とする。操作レバー76は、レバー支持体52の上板54の第4孔64の位置に設定し、ねじりコイルバネ75の付勢力を調節する。
【0044】
そして、トラクタの走行によりこのトラクタとともに農作業機1全体を水田圃場に沿って前方に移動させると、耕耘ロータリー作業体16にて耕耘砕土作業が行われ、第1の整地体38および第2の整地体40にて整地作業が行われ、水田圃場の表面部が水平面状に平らに整地される。
【0045】
この仕上げ代作業時には、第1の整地体38は、弾性連結体32にて吊下げ保持され、ねじりコイルバネ75で接地圧が減少させられた状態にあり、弾性連結体32の弾性変形に基づいて、後端側が昇降するように左右水平方向の回動中心軸線を中心として回動したり、左右両端側が昇降するように前後水平方向の回動中心軸線を中心として回動したりする。その結果、弾性連結体32の弾性変形により圃場の凸凹を吸収でき、圃場の凸凹でトラクタが傾いても、第1の整地体38および第2の整地体40を所定の水平状態に維持でき、均平性が良好である。
【0046】
また、係合軸部36の位置変更規制が解除され、ねじりコイルバネ75の付勢力で第1の整地体38の接地圧が減少した状態では、圃場の軟らかくなった表面部に、第1の整地体38の重量が無理に作用せず、良好な仕上げ面が得られる。さらに、このフリー状態では、第1の整地体38の左右水平方向の回動中心軸線が弾性連結体32の前端部である上端部に位置するので、第1の整地体38の整地基板34および弾性連結体32からなる前後方向に比較的長い距離の整地部で、耕耘ロータリー作業体16からの土を下方に柔軟に誘導でき、均平性を向上できる。
【0047】
このように、上記一実施の形態によれば、第1の整地体38および第2の整地体40の接地圧を調節できるばかりでなく、機体2の耕耘ロータリー作業体16の側方の左右一対のサイドカバー体21に設けた左右一対の回動操作設定体24を荒代作業時に一方向に回動操作することにより規制姿勢に設定して第1の整地体38の左右水平方向の回動中心軸線Xの位置変更を規制したり、仕上げ代作業時に他方向に回動操作することにより許容姿勢に設定して第1の整地体38の左右水平方向の回動中心軸線Xの位置変更を許容したりできるので、作業状況等に応じた圃場の状態に適切に対応でき、圃場の状態に応じた適切な整地作業ができる。
【0048】
また一方、互いに一体の構成とされた操作レバー76およびねじりコイルバネ75等を有する第1の整地体接地圧調節手段81の構成が、従来の構成に比べてきわめて簡単であり、この分農作業機1の構成も簡単となり、製造、メンテナンスを容易にできる。
【0049】
また、操作レバー76をレバー支持体52の第1孔61、第2孔62、第3孔63および第4孔64のいずれかの位置に設定する操作のみで、第1の整地体38の接地圧を調節できるので、操作性がきわめて良好である。
【0050】
さらに、レバー支持体52の上板54に形成する孔の数を増すことにより、第1の整地体38の接地圧をよりきめ細やかに設定可能な構成にできる。
【0051】
なお、上記実施の形態では、ねじりコイルバネ75は、操作レバー76の操作により第1の整地体38を接地圧増大方向側に付勢する状態と、第1の整地体38を接地圧減少方向側に付勢する状態と、第1の整地体38を付勢しない状態とに切換え可能な構成として説明したが、例えば、図示しないが、第1の整地体38を接地圧増大方向側に付勢する状態および第1の整地体38を接地圧減少方向側に付勢する状態のみに切換え可能な構成でもよい。
【0052】
また、ねじりコイルバネ75は、第1の支持アーム67および第1の連結アーム78を介して第1の整地体38を所定方向に付勢する構成として説明したが、例えば、図示しないが、第1の整地体38を直接付勢する構成でもよい。さらに、ねじりバネは、線状のバネ形成部材を所定の巻き数をもって円筒状に巻いて形成したねじりコイルバネ75には限定されず、例えば、図示しないが、線状のバネ形成部材を1回や2、3回だけ巻いて形成したものでもよい。
【0053】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、操作レバーをねじりバネの一端側に連続して一体に設けたので、従来の構成に比べて、構成が簡単で、製造、メンテナンスを容易にでき、また、レバー支持体に支持アーム体を左右方向の連結ピンを介して回動可能に連結し、この連結ピンにてねじりバネを支持した構成であるので、バネ支持部材を別途設けた構成に比べて、部品点数を少なくでき、構成を確実に簡単にできる。
【0054】
請求項2記載の発明によれば、操作レバーを操作することにより、ねじりバネの状態を圃場の状態等に応じて切り換えることができるので、圃場の状態等に応じた適切な整地作業ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の農作業機の一実施の形態の側面図である。
【図2】同上農作業機の後面図である。
【図3】同上農作業機の整地体接地圧調節手段の正面図である。
【図4】同上整地体接地圧調節手段の側面視断面図である。
【図5】同上整地体接地圧調節手段の上板の平面図である。
【符号の説明】
1 農作業機
38 整地体としての第1の整地体
52 レバー支持体
67 支持アーム体としての第1の支持アーム
71 連結ピン
75 ねじりバネとしてのねじりコイルバネ
76 操作レバー
78 連結アーム体としての第1の連結アーム
Claims (2)
- 圃場を平らに整地する整地体と、
この整地体を付勢するねじりバネと、
このねじりバネの一端側に連続して一体に設けられ、前記ねじりバネの付勢力を調節するための操作レバーと、
この操作レバーを支持するレバー支持体と、
このレバー支持体に一端側が左右方向の連結ピンを介して回動可能に連結され、前記連結ピンを中心として他端側が昇降するように回動する支持アーム体と、
この支持アーム体の他端側に上端側が回動可能に連結され、下端側が前記整地体に回動可能に連結された連結アーム体とを備え、
前記ねじりバネは、前記連結ピンにて支持されている
ことを特徴とする農作業機。 - ねじりバネは、操作レバーにて付勢力が調節されて、整地体をこの整地体の接地圧が増大する方向に付勢する状態と、前記整地体をこの整地体の接地圧が減少する方向に付勢する状態と、前記整地体を付勢しない状態とに切り換えられる
ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
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JP2000250306A JP3605013B2 (ja) | 2000-08-21 | 2000-08-21 | 農作業機 |
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-
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