JP3604793B2 - 帯電部材、該帯電部材を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成のための帯電部材に関するものであり、特に被帯電体に接触配置され、電圧を印加されることによって被帯電体を一様に帯電する帯電部材に関する。また、本発明は、該帯電部材を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置等の画像形成装置においては、電子写真感光体等の被帯電体を帯電させる手段として、従来よりコロナ帯電に代表される非接触帯電方式を用いるものが一般的に採用されてきた。
【0003】
ところがコロナ帯電は、帯電均一性に優れる反面、高い印加電圧の必要性やオゾンの発生等の点が指摘されている。
【0004】
そこで近年、被帯電体に接触配置された帯電部材に直流電圧、または直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧を印加することによって被帯電体を帯電する所謂接触帯電方式を採用することによりオゾンレス、低電圧帯電及び低コスト化等が実現された。
【0005】
図2に、接触帯電用の帯電部材として帯電ローラー断面該略図の例を示す。図2において、帯電ローラー6は、支持部材(芯金)としての導電性支持体7と、被帯電体面と均一なニップを形成するために必要な弾性を有する導電性弾性層8と、帯電ローラー6の抵抗を制御する中抵抗の被覆層9とで構成されている。
【0006】
導電性弾性層8は、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム、アクリルゴム及びウレタンゴム等のソリッドゴムに、金属化合物やカーボンブラック等の導電性物質を分散させることによって形成されており、振動電圧の印加に伴い、帯電電流が流れるようになっている。帯電音防止や軽量化の目的でソリッドゴムの代りに発泡弾性体が用いられることもある。
【0007】
被覆層9は、ナイロン、ポリエステル及びウレタン等のゴムや樹脂に上述のような導電性物質を分散させることによって形成される中抵抗層であり、不図示の被帯電体にピンホール等の欠陥が発生しても画像領域に帯電不良が生じないよう構成されている。また、被覆層9は、導電性物質の分散量により目的の抵抗値に調整されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように接触帯電部材の弾性層は、ソリッドゴムまたは発泡弾性体が用いられている。そして弾性層は、帯電部材が被帯電体と均等に接触できるように適当なニップを与える役割をしている。
【0009】
また、被覆層は、その抵抗分布をより均一にすることにより、より均一な帯電をめざしてきた。例えば、樹脂中の導電性物質の分散性を向上させたり、樹脂自身が導電性を有する導電性高分子(例えばメトキシメチル化ナイロン等)を用いたり、更には、物理的に被覆層の膜厚を均一に調製して抵抗ムラを制御する等である。また、レベリング剤を用いたり、研磨により被覆層の表面粗さを小さくし、感光体との接触性を向上させる手法も取られてきた。
【0010】
しかしながら、このような被覆層を用いても抵抗の不均一に起因すると思われる画像欠陥が生じ易かった。この現象は、感光体との間で一定なニップを保った状態で数十時間から数日間以上放置した後に画像形成すると顕著になり、不良画像(カブリ)がニップ状で現われてしまうことがあった。
【0011】
この対策として、被覆層の導電性を高くする方法が取られているが、高湿度条件下で耐リーク性が低下するという欠点がある。また、帯電部材と感光体との圧接力を低下させ、ニップ圧を軽減させることも行われている。しかしながらこれは、帯電部材と感光体との間でスリップが起こり易くなる方向であるために、トナーの融着や不均一帯電等の弊害を引き起こすことがあり、対策としては不十分であった。
【0012】
本発明の目的は、ニップ部近傍における抵抗変化を防止し、長期的に均一な帯電を行うことができ、結果として優れた画像を得ることのできる接触帯電部材を提供することにある。
【0013】
また、本発明の目的は、上記帯電部材を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、被帯電体と均等に接触するように配置され、電圧を印加されることにより該被帯電体を帯電する帯電部材において、該帯電部材が導電性支持体、該導電性支持体上の弾性層及び該弾性層上の被覆層を有する帯電ローラーであり、 該被覆層は、アクリル変性ウレタン樹脂、及び導電性酸化錫を該アクリル変性ウレタン樹脂100重量部に対して1〜100重量部を含み、更にメラミン架橋剤、アクリル増粘剤、及びシランカップリング剤が添加された溶液を塗布し、乾燥することによって形成された表面層であって、かつ該被覆層の引張弾性率が18400kgf/cm2 以上30000kgf/cm2 以下であり、該被覆層の厚さが30〜300μmであり、該被覆層の体積抵抗率が1×105 〜1×1013Ωcmであることを特徴とする帯電部材である。
【0015】
また、本発明は、上記帯電部材を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】
この構成により、本発明の効果が得られる理由は定かではないが、被覆層の引張弾性率が、2000kgf/cm2 より大きく30000kgf/cm2 以下であると、感光体との圧接で生じる被覆層のニップ部付近の不可逆的な変形を防止することができる。つまり、帯電部材が弾性層を有すると、感光体との圧接でニップ部付近の被覆層は不可逆な変形を受けることがあるが、上記引張弾性率を有する被覆層は適度な弾性があるために不可逆な変形が生じにくくその部分の抵抗が大きく変化するようなことはない。
【0017】
引張弾性率が2000kgf/cm2 以下では、高分子物質中に分散された導電性フィラーが、圧接に伴いその分布状態に変化が生じ被覆層の抵抗値が変化してしまうために画像ムラが発生する。また、引張弾性率が30000kgf/cm2 をこえると、繰り返し使用すると被覆層にひび割れが発生し、耐リーク性が著しく低下するため優れた画像が得られないことがある。
【0018】
本発明における引張弾性率は帯電部材の被覆層を切り取ることにより得られるサンプル片に加重をかけたときの単位面積あたりの応力の変化量と歪みの変化量の関係から求められる。
【0019】
図5に、応力と歪みの測定装置26の概略構成の例を示す。サンプル片23は、その両端をつかみ具22及び24に固定される。一方のつかみ具22は固定点21で固定され、他方のつかみ具24を介して荷重装置25により、図中矢印の方向に引張られ、荷重指示計と伸び計を内蔵した記録計27により応力−歪み曲線を記録する。引張弾性率は、得られた応力−歪み曲線の変曲点付近の線形弾性領域における応力と歪みの関係から次式に基づいて算出される。
【0020】
引張弾性率(kgf/cm2 )=Δf(kgf/cm2 )/Δh
式中、Δfは、2点間の単位断面積あたりの応力の変化量であり、Δhは、同じ2点間の歪みの変化量である。この歪みは元の長さL0 と伸長後の長さLから得られる(L−L0 )/L0 で示される。なお、サンプル片23は、正確な断面積が測定できるように切り取るように注意する。
【0021】
このような引張弾性率を有する被覆層は、種々の方法で製造することができるが、本発明においては、具体的には、高分子物質に導電性フィラー量を配合し、更に架橋剤、増粘剤及びカップリング剤の少なくともひとつを配合する方法である。
【0023】
被覆層が本発明で規定された引張弾性率を有するためには、前記高分子物質の引張弾性率は、60kgf/cm2 以上10000kgf/cm2 以下であることが好ましい。
【0024】
本発明においては、該高分子物質として、アクリル変性ウレタン樹脂が用いられる。これにより機械的強度及び耐久性に優れ、感光体との接触による感光体表面の摩耗を抑える効果も得られる。
【0025】
本発明におけるアクリル変性ウレタン樹脂とはポリオールとポリアクリレートをウレタン結合により結合した重合体のことである。ポリオールはポリエステルポリオールであることが好ましく、ポリアクリレートはアクリル酸エステル−スチレン共重合体であることが好ましい。
【0026】
本発明に用いられる導電性フィラーとしては、酸化錫があり、配合量は、高分子物質固形分100重量部に対し1〜100重量部である。
【0027】
架橋度を調整する架橋剤としてはメラミン、あるいはメラミンのアミノ基を水素原子、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、及びこれらの誘導体等で置換した化合物等が挙げられる。中でもメチロール化されたメラミン類であることが好ましい。
【0028】
また、増粘剤としてはポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸及びポリメタクリル酸アンモニウム等が挙げられ、カップリング剤としてはγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられ、顔料としてはカーボンブラック、ベンガラ、ニグロシン、トフェニルメタン類、イミダゾール金属塩、金属酸化物及びサリチル酸誘導体のクロム化合物等が挙げられる。
【0029】
本発明における被覆層は、例えば下記の方法により形成することができる。
【0030】
アクリル変性ウレタン溶液に導電性物質、更には架橋剤、増粘剤及びカップリング剤を添加した溶液をディッピング、スプレー及び転写法等により弾性層表面にコートする。次に室温で風乾を行った後、30℃から90℃程度で溶媒の予備乾燥を行い、最終的に約90℃から約140℃に昇温加熱することによって被覆層を形成する。
【0031】
本発明に用いられる被覆層の体積抵抗率は1×105 〜1×1013Ω・cmであり、特には1×106 〜1×1011Ω・cmであることが好ましい。抵抗率が1×105 Ω・cmに満たないと、高湿度条件下で被帯電体の絶縁破壊が発生し易くなり、1×1013Ω・cmをこえると低湿度条件下で画像カブリが発生し易くなる。
【0032】
また、本発明に用いられる被覆層の厚さは30〜300μmである。厚さが10μmに満たないと被帯電体の絶縁破壊が生じ易くなり、1000μmをこえると被帯電体を十分に帯電することができないことがある。
【0033】
本発明においては、被覆層が帯電部材の表面層である。
【0034】
本発明における弾性層は、弾性を有していればいずれのものでもよいが、アスカーC硬度で20〜60°、特に30〜45°の硬度を有していることが好ましい。硬度が20°に満たないと均一な層を形成することが難しくなり、60°をこえると被帯電体との間に十分なニップを形成しにくくなる。なお、上記アスカーC硬度はJISK6050で規定されるスプリング式硬度計アスカーC型(高分子計器製)を用いて測定される硬度である。本発明においては、荷重を500gとし、厚さ5mmに切り出された弾性層あるいは切り出された弾性層を複数枚重ねて合計の厚さを5mmとしたものを上記硬度計により測定する。
【0035】
具体的な材料としては、EPDM、NBR、ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、ポリブタジエン、ブタジエンスチレンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、クロルスルホン化ポリエチレン、ポリイソブチレン、イソブチレンイソプレンゴム、フッ素ゴム及びシリコーンゴム等の合成ゴムや天然ゴム等が挙げられる。本発明においては適当な弾性を得易いという点でこれらの材料を発泡体にすることが好ましい。
【0036】
本発明においては弾性層に適当な導電性を付与するために導電性フィラーを含有させてもよい。かかる導電性フィラーとしては上記被覆層に用いられるものと同様のものが挙げられる。
【0037】
本発明に用いられる弾性層の抵抗は1×102 〜1×109 Ωであることが好ましく、特には1×103 〜1×108 Ωであることが好ましい。抵抗率が1×103 Ωに満たないと被帯電体の絶縁破壊が発生し易くなり、1×109 Ωをこえると被帯電体を十分に帯電しにくくなることがある。
【0038】
また、本発明に用いられる弾性層の厚さは0.5〜30mmであることが好ましく、特には1〜15mmであることが好ましい。厚さが0.5mmに満たないと被帯電体との間で十分なニップをとりにくくなることがあり、30mmをこえると永久歪み量が多きくなり易く、帯電が不均一になり易い。
【0039】
上記弾性層の形成方法としては、金型に原料を注入し成型する金型成型法や押出し機で原料を押し出し成型する押出し成型法等が挙げられる。
【0040】
本発明においては、接着性や導電性の付与等を目的として被覆層と弾性層の間に中間層を設けることができる。
【0041】
本発明に用いられる導電性支持体2は、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム及びニッケル等の金属を用いることができる。更に、これらの金属表面に防錆や耐傷性付与を目的としてメッキ処理を施しても構わないが、導電性を損なわないことが必要である。
【0042】
本発明の帯電部材の形状は、均一帯電性の得易さの点でローラー状である。
【0043】
本発明に用いられる電子写真感光体等の被帯電体、露光手段、現像手段、クリーニング手段及び転写手段等は特に制限されるものではない。
【0044】
図1にローラ状の本発明の帯電部材を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
【0045】
図において、10はドラム状の電子写真感光体であり、軸11を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体10は、回転過程において、本発明の帯電部材1によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段(不図示)からの画像露光光12を受ける。こうして感光体10の周面に静電潜像が順次形成されていく。
【0046】
形成された静電潜像は、次いで現像手段13によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不図示の給紙部から感光体10と転写手段14との間に感光体10の回転と同期取り出されて給紙された転写材15に、転写手段14により順次転写されていく。
【0047】
像転写を受けた転写材15は、感光体面から分離されて像定着手段16へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0048】
像転写後の感光体10の表面は、クリーニング手段17によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光18により除電処理された後、繰り返し像形成に使用される。なお、本発明においては帯電部材が接触帯電用であるので、前露光は必ずしも必要ではない。
【0049】
本発明においては、上述の電子写真感光体10、本発明の帯電部材1、現像手段13及びクリーニング手段17等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。例えば、現像手段5及びクリーニング手段9の少なくとも一方を本発明の帯電部材1及び感光体10と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール20等の案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ19とすることができる。
【0050】
また、画像露光光12は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等により照射される光である。
【0051】
【実施例】
(参考例1)
導電性支持体としてのステンレス製の直径6mm、長さ251mmの金属芯(図1中2)に、押出し成型によって導電性アセチレンブラックを分散したウレタン発泡体(平均発泡セル径100〜150μm)の層を形成した。次いで、その表面を研磨することによって、厚さ3.5mmの弾性層(図1中3)を有する直径13mmの円柱状のローラーを得た。
【0052】
得られた弾性層のアスカーC硬度は36°であり、抵抗は2×105 Ωであった。
【0053】
次に、アミノプロピルトリメトキシシラン2部(重量部以下同様)とポリアクリル酸エステル8部をアセトン−プロピルアルコール混合液に溶解した。この溶液をディッピング法により上記弾性層上に塗布した後、100℃で加熱乾燥することによって接着層を形成した(図1中4)。
【0054】
次に、アンチモンをドープした導電性酸化錫スラリー(固形分51%)29部と2重量%のγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン水溶液10部をアクリル変性ウレタン溶液(固形分40%)58部に分散し、アクリル増粘剤として12重量%のポリメタクリル酸アンモニウム水溶液2部を添加しながら分散液の粘度を240cp±5%(23℃)に調製した。この分散液をディッピング法により上記接着層上に塗布し、23℃/50RH%の条件下で風乾した。更に、50℃で予備乾燥した後、上記分散液を再度塗布し、風乾、予備乾燥し、最後に120℃で45分間乾燥することによって被覆層(図1中5)を形成した。
【0055】
この被覆層の引張弾性率は、4200kgf/cm2 、体積抵抗率は8×108 Ω・cm、厚さは120μmであった。応力と歪みの測定はテンシロンRTM−250(ORIENTEC CORPORATION)を用い、断面積を正確に測定したサンプル(厚み0.5mm×幅5.0mmのシート状)について引張速度5mm/min、温湿度23℃/50RH%の条件で行った。
【0056】
得られた帯電ローラーをレーザープリンター(Laser Jet−IV、ヒューレットパッカード社製)に装着し、感光体と圧接(総加重1kg)させた状態で一定時間放置した後、画像出し耐久試験を行った。放置時間及び耐久条件は下記の通りである。
放置時間;10時間、50時間、250時間
放置及び耐久試験の環境;常温常湿(23℃、60RH%)
画像枚数;8000枚
画像;3ドット間隔の幅2ドット横線
評価項目;放置後初期及び耐久後に得られた画像におけるニップ部付近の帯電ムラに起因する画像欠陥(画像評価1)、耐久後に得られた画像における感光体の削れに起因する画像欠陥(画像評価2、10時間放置のみ)
【0057】
画像の評価は目視で行い、非常に優れた画像を◎、軽微な画像欠陥は認められたものの良好な画像を○、画像欠陥が認められたものを×、画像欠陥が著しかったものを××とした。
【0058】
結果を表4に示す。
【0059】
(参考例2〜4)
被覆層を表1のものにした以外は参考例1と同様にして帯電部材を作成し、評価した。なお、参考例3においては、アミノシラン水溶液の代りに3重量%のビニルトリアセトキシシラン水溶液を用いた。また、参考例4においては、導電性酸化錫の代りに導電性酸化チタンを用い、更にアミノシラン水溶液を15部を用いた。
【0060】
【表1】
【0061】
結果を表4に示す。
【0062】
(参考例5、実施例1、2及び比較例1)
メラミン架橋剤を添加しその配合量を変えることにより表2に示すような種々の引張弾性率を有する被覆層を形成する以外は参考例1と同様にして帯電部材を作成し、評価した。なお、参考例5においては導電性酸化錫の代りにケッチェンブラックを使用した。また、実施例2においては、アミノシラン水溶液の代りに2重量%のγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン水溶液を用いた。
【0063】
【表2】
【0064】
結果を表4に示す。
【0065】
(参考例6及び比較例2)
アクリル増粘剤を増量し、被覆層用分散液を670cp±5%及び920cp±5%の増粘液に調製し、引張弾性率がそれぞれ18500kgf/cm2 (参考例6)及び37000kgf/cm2 (比較例2)である被覆層を形成する以外は参考例1と同様にして帯電部材を作成し、評価した。なお、参考例6の被覆層の体積抵抗率は2×109 Ω・cm、厚さは150μmであり、比較例2の被覆層の体積抵抗率は6×109 Ω・cm、厚さは280μmであった。
【0066】
結果を表4に示す。
【0067】
(比較例3及び4、及び参考例7)
導電性酸化錫を導電性カーボン(15部)にし、アミノシラン水溶液を用いなかった以外は参考例1と同様にして帯電部材を作成し、評価した。被覆層の引張弾性率は800kgf/cm2 、体積抵抗率は6×108 Ωcm、厚さは180μmである。また、導電性カーボンの配合量を変えて種々の引張弾性率を有する帯電部材を作成し、評価した。これらを表3に整理した。なお、参考例7においては参考例1と同様にアミノシラン水溶液を用いた。
【0068】
【表3】
【0069】
結果を表4に示す。
【0070】
(参考例8及び比較例5)
弾性層を下記のように作成した以外は参考例1及び比較例3と同様にして帯電部材を作成し、評価した。
【0071】
即ち、導電性ケッチェンブラックと発泡剤(アゾジカルボジアミド)を分散したシリコーンゴムを円柱状(直径13mm)の型の中で発泡させることにより、厚さ3.5mmの発泡弾性層を形成した。
【0072】
得られた弾性層のアスカーC硬度は42°であり、抵抗は1×06 Ωであった。
【0073】
被覆層の引張弾性率は参考例8が4150kgf/cm2 で、比較例5が810kgf/cm2 であった。
【0074】
結果を表4に示す。
【0075】
【外1】
【0076】
【発明の効果】
以上の結果から明らかなように、被覆層の引張弾性率を、2000kgf/cm2 より大きく30000kgf/cm2 以下にすることにより長期放置後も帯電ムラは発生せず、良好な画像が得られた。また、耐久後、感光体削れに起因した画像欠陥(カブリ)も未発生であった。中でも、アクリル変性ウレタンを用いた被覆層を有する帯電部材は、感光体の削れ防止に顕著な効果が現われ、耐久後も耐久初期と同等な高画像が得られた。
【0077】
これに対し、引張弾性率が2000kgf/cm2 以下の被覆層を有する帯電部材は、感光体との圧接放置によりニップ部が変形し、その部分に対応した帯電ムラが発生した。ただし、感光体削れに起因した画像欠陥は未発生であった。
【0078】
引張弾性率が30000kgf/cm2 をこえる被覆層を有する帯電部材は、ニップ部付近の被覆層にひび割れが発生し、著しく画質が低下した。この状態で耐久を続けると、ひび割れが促進され、更に感光体の削れも助長されるためにリークが発生した。
【図面の簡単な説明】
【図1】ローラー状の本発明の帯電部材の断面概略図の例を示す。
【図2】ローラー状の帯電部材の断面概略図の例を示す。
【図3】本発明の帯電部材を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の例を示す。
【図4】応力−歪み測定装置の概略構成の例を示す。
Claims (7)
- 被帯電体と均等に接触するように配置され、電圧を印加されることにより該被帯電体を帯電する帯電部材において、該帯電部材が導電性支持体、該導電性支持体上の弾性層及び該弾性層上の被覆層を有する帯電ローラーであり、
該被覆層は、アクリル変性ウレタン樹脂、及び導電性酸化錫を該アクリル変性ウレタン樹脂100重量部に対して1〜100重量部を含み、更にメラミン架橋剤、アクリル増粘剤、及びシランカップリング剤が添加された溶液を塗布し、乾燥することによって形成された表面層であって、かつ該被覆層の引張弾性率が18400kgf/cm2 以上30000kgf/cm2 以下であり、該被覆層の厚さが30〜300μmであり、該被覆層の体積抵抗率が1×105 〜1×1013Ωcmであることを特徴とする帯電部材。 - 弾性層がアスカーC硬度で20〜60°の硬度を有する請求項1記載の帯電部材。
- 弾性層がアスカーC硬度で30〜45°の硬度を有する請求項2記載の帯電部材。
- 弾性層が発泡体を含有する請求項1〜3のいずれか記載の帯電部材。
- 被帯電体が電子写真感光体である請求項1〜4のいずれか記載の帯電部材。
- 電子写真感光体、該電子写真感光体に接触配置され、電圧を印加されることにより該電子写真感光体を帯電する請求項1乃至5の何れかに記載の帯電部材、及び現像手段及びクリーニング手段の少なくとも一方の手段が一体に支持され、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 電子写真感光体、該電子写真感光体に接触配置され、電圧を印加されることにより該電子写真感光体を帯電する請求項1乃至5の何れかに記載の帯電部材、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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Applications Claiming Priority (3)
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JP6-320690 | 1994-12-22 | ||
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Publications (2)
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