JP3604716B2 - 無溶剤型シリコーン感圧接着剤組成物およびその製品の製法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
1991年3月26日に出願された同時係属中の米国特許出願第07/675,380号、及び、本願と同時に出願された同時係属中の米国特許出願第 RD−22,105号、第 RD−22,393号を参照されたい。
本発明は、感圧接着剤(PSA)に転化し得る、無溶剤型の、白金で触媒されたシリコーン組成物およびその製法に関する。更に詳細には、本発明は、トリオルガノシロキシ単位(M)とテトラシロキシ単位(Q)とを有する噴霧乾燥されたシリコーン樹脂粉末、及び、実質的に直鎖状のアルケニルシロキサンと実質的に直鎖状の水素化ケイ素シロキサンとヒドロシリル化触媒とのPSA網形成混合物(network mixture) の用法に関する。
【0002】
【従来の技術】
Hahnらにより米国特許第 3,983,398号に示された如く、トリオルガノシロキシ単位とテトラシロキシ単位とのベンゼン可溶の樹脂共重合体を含んで成り、PSAに転化し得る、白金で触媒されたオルガノポリシロキサン組成物は、有機溶剤溶液の形態で、網形成混合物と併せて使用されてきた。網形成混合物は、実質的に直鎖状のアルケニルシロキサン或いはビニルシロキサンと、実質的に直鎖状の水素化ケイ素シロキサンと、白金触媒の如きヒドロシリル化触媒と、から成る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
PSAは上記のベンゼン可溶成分を併用して製造され得るが、本発明以前は、斯かるPSAは、液体ビニルシロキサンの如き液体シリコーンの存在下での、樹脂共重合体からの有機溶剤の除去を必要とした。最も多くの場合、溶剤除去段階の間には、液体ビニルシロキサンと同時に白金触媒も存在する。充分な溶剤捕捉設備を持たない熱硬化性シリコーン製造業者による有機溶剤の除去は、大気中への揮発物を発生していた。ベンゼン可溶の樹脂共重合体は有機溶剤分散液として製造業者に入手されるのが通例であった。というのはこの樹脂共重合体はバルク形態では網形成混合物になかなか配合され得なかったからである。以後、「網形成混合物」なる用語は、アルケニルシロキサンと水素化ケイ素シロキサンと白金触媒との混合物を含んで成る、1種以上のシリコーン成分を意味する。
【0004】
本発明以前の簡便な手法は、アルケニルシロキサンの如き1種以上の網形成成分を、白金触媒と共に、ベンゼン可溶共重合体の有機溶剤分散液に配合するものであった。有機溶剤が除去されると、更なる熱硬化性シリコーン混合物成分と配合され得る扱いやすいシリコーン配合物が形成し得た。しかし、製造業者による有機溶剤の除去は、特に、不充分な溶剤捕捉設備が使用される場合、環境の点で好ましくない。
【0005】
これに加えて、ベンゼン可溶共重合体の有機溶剤分散液を他の網形成成分と併用すると、PSA製造業者が顧客の要求に応じたPSAの特注品を製造する能力がしばしば妨げられ得る。したがって、ベンゼン可溶共重合体および網形成成分を含んで成る、白金で触媒されたPSA、注封材料、制振組成物、軟質の注型用樹脂を製造する為の配合しやすい成分を提供すると同時に、環境に適合させることが望ましい。
【0006】
【課題を解決するための手段】
同時係属中の米国特許出願第 RD−22,105号で教示された如く、化学結合したトリオルガノシロキシ単位とテトラシロキシ単位とを含んで成るオルガノシロキサン加水分解生成物は、噴霧乾燥されて、液体シリコーンに分散可能な自由流動性のシリコーン樹脂粉末を形成し得る。
【0007】
本発明は、テトラシロキシ単位すなわち次式の「Q単位」
【0008】
【化1】
SiO2
と化学結合した、トリオルガノシロキシ単位すなわち次式の「M単位」
【0009】
【化2】
(R)3 SiO0.5
を含んで成るオルガノシロキサン加水分解生成物であって、オルガノ基対ケイ素の比が凡そ 0.5乃至 1.5に亙り、以後「オルガノシロキサン加水分解生成物」、「MQ樹脂」或いは「M′Q樹脂」と表わされ、噴霧乾燥されて、一次粒子の径が約 0.1乃至約 200ナノメータに亙ると共に集塊粒子としての径は10nm乃至 200ミクロンに亙る、残留揮発物含有量の低い微粉状の樹脂粉末を生成するオルガノシロキサン加水分解生成物、の有機溶剤分散液が、PSA網形成混合物の中に直ちに分散され得るという発見に基づく。以後使用される「分散可能」なる用語は、噴霧乾燥されたシリコーン樹脂粉末が、無期限の貯蔵安定性を有する液体シリコーンと共に透明な混合物を形成し得ることを意味する。シリコーン網形成混合物と混合されると、受注生産される、白金で触媒された熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物が、環境に対して適合した形で得られる。
【0010】
本発明により、実質的に無溶剤型の熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製法であって、化学結合したトリオルガノシロキサン単位とテトラシロキシ単位とを含んで成りオルガノ基対ケイ素の比は約 0.5乃至約 1.5に亙る、噴霧乾燥されたオルガノシロキサン加水分解生成物 100重量部、及び、実質的に直鎖状のアルケニルシロキサンと、実質的に直鎖状の水素化ケイ素シロキサンと、網形成硬化触媒として有効な量のヒドロシリル化触媒と、を含んで成る網形成混合物であって、当該網形成混合物に於て水素に結合したケイ素原子すなわち「SiH」対アルケニル基に結合したケイ素原子すなわち「Siアルケニル」の比は約 0.8乃至約2に亙る値を有する、網形成混合物50乃至 500重量部を配合する段階を含んで成る方法が提供される。
【0011】
【実施例】
選択により、実質的に無溶剤型のこの熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、アルケニルシロキサン、水素化ケイ素シロキサン、或いは、アルケニル水素化ケイ素シロキサンの形態の、架橋剤をも含み得る。
化2のRに包含される基は、例えば、一価のC(1−6) 炭化水素基、及び、縮合反応あるいは付加反応に対し不活性な一価の基で置換された一価のC(1−6) 炭化水素基である。Rには、C(1−6) アルキル基類、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル;フェニル、及び、ハロゲン化フェニル例えばクロロフェニルの如きアリール基類、の如き一価の有機基が包含される。
【0012】
前記の如く、本発明のPSAを製造する為には、M′Q樹脂も使用され得る。M′Q樹脂は、化1で定義されたQ単位、及び、化2のM単位と下式の単位
【0013】
【化3】
(R)2 R1 SiO0.5
【0014】
【化4】
(R)2 HSiO0.5
から選択された単位との混合物から選択されるM′単位から成る。またM′単位は、M′Q樹脂中のシロキシ単位の総モル数を基準として、平均0乃至25モル%に亙る下式のジオルガノジシロキシ単位
【0015】
【化5】
R2 RSiO、
及び、0乃至25モル%に亙る下式のモノオルガノトリシロキシ単位
【0016】
【化6】
RSiO1.5
をも含有し得る。式中、Rは前記の定義と同じく、R1 はC(2−4) アルケニル基、好適にはビニル基であり、R2 はR、R1 、Hから選択される。
本発明に包含されるMQ或いはM′Q樹脂は、トルエンに分散し得るオルガノシロキサン加水分解生成物である。これらのオルガノシロキサン加水分解生成物は、その総重量を基準として約 0.2重量%乃至約5重量%、好適には約1重量%乃至約3重量%に亙るヒドロキシ基を含有し得る。このオルガノシロキサン加水分解生成物は、本発明の熱硬化性組成物中に、その 100重量部を基準として、約20乃至約65重量部、好適には約50乃至約60重量部に亙る量で存在し得る。
【0017】
オルガノシロキサン加水分解生成物の好適な製法は、酸性条件下で、ケイ酸ナトリウム溶液の如きシリカヒドロゾルを、化2に示された如きトリオルガノシロキシ単位源、例えばヘキサオルガノジシロキサン、好適にはヘキサメチルジシロキサン、或いは、加水分解し得るトリオルガノシラン、例えば、トリメチルクロロシラン、或いは、これらの混合物、と反応させ、引き続いてベンゼンに分散可能な樹脂共重合体を回収するものである。
【0018】
オルガノシロキサン加水分解生成物は、固形分40乃至60重量%に亙る有機溶剤分散液として通常は入手される。使用され得る適切な有機溶剤は約 250℃以下の沸点を有し、ミネラルスピリット、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンの如き脂肪族炭化水素と同様に芳香族炭化水素をも包含する。取り扱いやすさの点から、同時係属中の米国特許出願第 RD−22,105号に教示された如く、オルガノシロキサン加水分解生成物の有機溶剤分散液は、噴霧乾燥されて、一次粒子の径が凡そ 0.1〜 200ナノメータに亙ると共に集塊粒子としての径は10nm乃至 200ミクロンに亙る微粉状の粉末を生成し得る。このオルガノシロキサン加水分解生成物の有機溶剤分散液の噴霧乾燥は、乾燥気流中に回転噴霧器付きの渦噴霧ノズルを少なくとも1個備えるか二流体ノズルを備えた噴霧乾燥機により行なわれ得る。Wolfgruberらの米国特許第 4,935,484号の方法とは異なり、本発明で使用されるオルガノシロキサン加水分解生成物は水性コロイド懸濁液ではなく有機溶剤分散液として噴霧乾燥される。窒素の如き乾燥気流に於て使用され得る温度は、90℃乃至 300℃、好適には 100℃乃至 250℃に亙り得る。乾燥時に形成された気流の出口側温度は50℃乃至 200℃に亙る。
【0019】
本発明の熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物を生成する為の網形成混合物を製造する上で使用されるアルケニルシロキサンは、好適には、下式のアルケニル末端ポリジオルガノシロキサンである。
【0020】
【化7】
R4 R3 2 SiO(R3 2 SiO)m (R4 R3 SiO)n SiR3 2 R4
式中、R3 は各々独立に、炭素数1乃至約10に亙るアルキル基、或いは、アリール基であり、R4 は炭素数1乃至約10に亙るアルケニル基であり、mは1以上 300以下の整数であり、nは0以上10以下の整数であり、m+nは1以上 300以下である。
【0021】
化7に於て、R3 は、メチル、エチル、プロピルから選択されるアルキル基、或いは、フェニルの如きアリール基である。好適にはR3 はメチルである。R4 は、ビニル、アリル、プロペニルの如きアルケニル基である。好適には、R4 はビニルである。
上記の化7に於て、m+nは、好適には約10乃至約 100、最適には約15乃至約25に亙る数である。
【0022】
アルケニルシロキサンは、トリオルガノシロキサン末端ポリジオルガノシロキサンを調製する為のあらゆる習用方法により調製され得る。例えば、適量の適当な加水分解し得るシラン類、例えば、ビニルジメチルクロロシラン及びジメチルジクロロシランが、共加水分解および縮合され得る。或いはその代わりに、ポリジオルガノシロキサンの末端基を提供する適当な1,3−ジビニルテトラオルガノジシロキサン、例えば左右対称のジビニルジメチルジフェニルジシロキサン或いはジビニルテトラメチルジシロキサンが、適当なジオルガノポリシロキサン、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサンと共に、酸性触媒あるいは塩基性触媒の存在下で平衡化され得る。ビニルシロキサンの調製法の如何に関わらず、通常は、オクタメチルシクロテトラシロキサンの如き揮発性の環状ポリジオルガノシロキサン類が同時生成し、これらはストリッピングにより除去される。
【0023】
水素化ケイ素シロキサンは、下記の一般式を有するオルガノ水素ポリシロキサンである。
【0024】
【化8】
R5 2 HSiO(R5 HSiO)a (R5 2 SiO)b SiHR5 2
式中、R5 は各々独立に炭素数1乃至約10に亙るアルキル基、或いは、アリール基であり、a+bの合計は1乃至約 300に亙り、1分子当たり、ケイ素に結合した水素が2原子以上存在し、水素を2原子以上結合させたケイ素原子は存在しない。
【0025】
この熱硬化性組成物を調製する上で、水素化ケイ素シロキサン中でケイ素に結合した水素基の、アルケニルシロキサン中でケイ素に結合したアルケニル基に対するモル比は、約 0.8:1乃至約 2.0:1に亙り得る。但しこの時の条件として、アルケニルシロキサンと水素化ケイ素シロキサンとの全架橋密度は約 0.2乃至約 5.0%であり、更なる条件として、アルケニルシロキサンと水素化ケイ素シロキサンとの合計粘度は、25℃に於て約10乃至約 300センチポアズに亙る。
【0026】
上記の化8中のR5 のアルキル基の実例は、メチル、エチル、プロピル等である。R5 のアリール基の実例は、フェニルである。好適には、全R5 のうち少なくとも99.5%、最適には 100%の基がアルキル基であり、最適にはメチル基である。
全架橋密度すなわち
約 0.2乃至約 5.0%、好適には約 0.2乃至約 2.0%である。
【0027】
水素化ケイ素シロキサン及びその調製法は有機ケイ素ポリマー業界では公知であり、その幾つかは市販されている。簡単に述べると、オルガノ水素シロキサンの調製は、クロロシランの如きシランを加水分解し、得られた加水分解生成物を酸性触媒作用の下で平衡化する如きあらゆる適切な方法で行なわれ得る。或いはその代わりに、環状シロキサン及び直鎖状シロキサンの如き、適切なシロキサンの混合物が、酸性触媒作用の下で共重合および平衡化され得る。例えば、本発明での使用に適する水素基末端液体シリコーンは、テトラメチルジシロキサンを、予め決められた割合の環状メチル四量体と、触媒であるFiltrol−20の存在下で、80〜 100℃にて4〜6時間、反応させることにより調製され得る。次にFiltrol−20触媒は濾過により除去され、残存する反応原料は真空ストリッピングにより除去される。
【0028】
本発明の組成物の白金触媒は、ヒドロシリル化反応を促進する触媒である。ヒドロシリル化硬化反応を促進する為の有用な触媒は、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、及び、これらの金属の錯体を使用した触媒の如き、貴金属触媒を包含する。本発明での使用に適したヒドロシリル化触媒の実例は、例えば、米国特許第 3,159,601号および第 3,159,662号(Ashby) 、第 3,220,970号(Lamoreaux) 、第 3,814,730号(Karstedt)、第 3,516,946号(Modic) 、第 4,029,629号(Jeram) に開示されている。上記の特許は全て本願中に取り入れられる。
【0029】
本発明に使用されるヒドロシリル化触媒は、好適には白金を含有する触媒である。適切な白金含有ヒドロシリル化触媒は、微粉状金属白金、アルミナの如き微粉状担体上の白金、塩化白金酸の如き白金化合物、及び、白金化合物の錯体の如き、ケイ素結合の水素原子とケイ素結合のビニル基との反応を触媒する上で効果的なあらゆる公知の形態の白金を包含する。
【0030】
本発明に使用する為のその他の適切な白金含有ヒドロシリル化触媒は、Ashby の米国特許第 3,159,601号および第 3,159,662号に記載された白金炭化水素錯体、Lamoreaux の米国特許第 3,220,970号に記載された白金アルカノラート触媒、及び、Karstedtの米国特許第 3,814,730号の白金触媒を包含する。更に、Modic の米国特許第 3,516,946号に記載された塩化白金−オレフィン錯体も本願で有用である。上記の触媒は全て熱的に活性化される。Drahnak の米国特許第 4,510,094号の触媒の如き、光活性の白金触媒も有用である。本節に引用された米国特許は全て本願中に取り入れられる。
【0031】
白金触媒の効果量は、当該熱硬化性組成物の重量を基準として5ppm 乃至 200ppm に亙る白金を提供するに充分な量である。
本発明の熱硬化性組成物は、噴霧乾燥されたオルガノシロキサン加水分解生成物、アルケニルシロキサン、水素化ケイ素シロキサン、選択により架橋剤、及び、ヒドロシリル化触媒を、一定の割合で単に混合するだけで調製され得る。諸成分の混合順序は重要ではない。但し、水素化シロキサン及び/或いは水素化物架橋剤、及び、ヒドロシリル化触媒は、好適には最後に加えられる。水素化ケイ素シロキサン及び水素化物架橋剤は、調製工程の加熱操作が全て終了してから添加する方が好適である。好適には、噴霧乾燥されたオルガノシロキサン加水分解生成物とアルケニルシロキサンと触媒との混合物が配合されて、引き続いて水素化ケイ素シロキサン及び選択により架橋剤が添加される。
【0032】
本発明の熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、感圧接着剤(PSA)、注封材料、制振組成物、及び、軟質の注型用樹脂として利用され得る。
所望されれば本発明の組成物に少量の添加物成分が添加されても良い。例えば、酸化防止剤、顔料、安定剤、充填剤等が、当該組成物の感圧接着性を著しく損なわない限り、添加され得る。揮発性の添加物は溶剤除去操作が終了してから添加されると好適である。
【0033】
白金触媒の抑制剤を、二成分系の何れかの成分、或いは、一成分系の場合はその硬化性混合物の中に混合することにより、「貯蔵寿命」が長期化し得る。本発明の組成物に有用で、その硬化抑制期間を様々に延長する白金触媒抑制剤は、米国特許第 3,188,299号、第 3,188,300号、第 3,192,181号、第 3,344,111号、第 3,383,356号、第 3,445,420号、第 3,453,233号、第 3,453,234号、第 3,532,649号に記載された抑制剤、及び、当業界で公知のその他の抑制剤である。本節に引用された特許は全て本願中に取り入れられる。本発明の組成物に使用され得る抑制剤の具体例は、3−メチル−3−ペンテン−1−イン及び3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−インの如きイン(yne) 類、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、フェニルブチノールの如きアルケニルアルコール類、マレイン酸のアルキルエステル及び置換アルキルエステルの如き不飽和エステル類、及び、ポリメチルビニルシクロシロキサン等である。
【0034】
白金触媒抑制剤の有効性は、その化学組成、物理特性、濃度等の如き多くの因子により異なる。本発明の目的の為には、特定の如何なる白金触媒抑制剤についてもその効果量は習用的実験により決定され得る。多くの白金触媒抑制剤は相対的に揮発性なので、これらは、本発明の組成物に対し、調製工程の加熱操作および/或いは真空操作が全て終了した後で添加されると好適である。
【0035】
本発明の熱硬化性組成物がPSAとして使用される場合には、PSAは、ロール法、塗布法、吹付け法等の如き適切な被覆手段を与えることにより、基材の表面に塗工され得る。基材は軟質でも硬質でも良い。
支持材の表面、及び、この支持材が接着する基材の表面は、金属、例えば、アルミニウム、銀、銅、鉄、これらの合金;紙、木、皮革、織布の如き多孔質材料;ポリオレフィン類、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル;シリコーンエラストマー、シリコーン樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、アクリルポリマー、の如きポリマー材料;塗料付き表面;コンクリート、煉瓦、シンダーブロック、ガラス例えばガラス布、の如きケイ質材料等、の如きあらゆる公知の固体材料であり得る。ガラス布の如き多孔質の材料は、PSAが支持材の表面から裏面へと移行するのを防ぐ物質を以てしばしば含浸せられる。また、フルオロカーボンポリマー支持材の表面を化学処理してその表面へのPSAの接着力を増強する方法も知られている。PSAの接着力を増強するには、基材表面を処理するためプライマー(下塗り剤)も使用され得る。
【0036】
本発明の硬化組成物を支持した固体支持材は、当該組成物が高い粘着力および良好な接着強度という望ましい性質を兼ね備えるため、あらゆる固体基材に対し確実に接着する。
本発明のPSAを備えて製造され得る有用な製品は、感圧接着テープ、ラベル、エンブレム、及び、その他の装飾用や案内用の標識等である。特に有用な製品は、軟質・硬質を問わず、極高温および/或いは極低温に耐えることができ、少なくともその片面に本発明のポリオルガノシロキサンPSAを支持した支持材を備えて成る製品である。斯かる製品は、本発明のPSAが備える高温での安定性および低温での可撓性を十分に生かす。
【0037】
好適な製品は、少なくともその片面に本発明の硬化組成物を支持した、含浸ガラス布、ポリエステルポリマー、ポリイミドポリマー、或いは、化学処理されたフルオロカーボンポリマー、の支持材を含んで成る感圧接着テープである。
当業者が本発明をより良く理解できるよう、以下の実施例が説明の為に掲げられるが、冒頭の請求項で充分に記述された本発明を限定する為ではない。
【0038】
実施例1:
M/Q比が 0.6の噴霧乾燥されたオルガノシロキサン加水分解生成物が、以下の手順で調製された。
ケイ酸ナトリウム溶液 91 部(225g、SiO2 27%)が水 130部(321g)と完全に混合された。この混合物は、7分間かけて、冷水中16.5%のHCl 81 部にかき混ぜながら添加された。添加終了後、直ちに(45秒以内)イソプロパノール 87 部(214.8g)が5分間かけて添加された。1分間待機した後、Me3 SiClの 31.0 部(76.45g)とトルエン 3.4部(8.49g) との混合物が20分間かけて添加された。反応混合物は室温まで温められた後、 1.5時間還流加熱された。トルエン 40.5 部(100g)がかき混ぜながら添加された。次に、この反応混合物は分液漏斗に移され、そこで有機相と水相とが分離した。水相は除去され、有機相は水 300g で洗浄された。この溶液から水/イソプロパノール/トルエンの共沸混合物が蒸留されて、M/Q比が約 0.6のMQ樹脂のトルエン溶液(35重量%)が得られた。
【0039】
次に、MQ樹脂分散液は、ヤマト(Yamato)の有機溶剤噴霧乾燥装置、GS31型を使用して噴霧乾燥された。噴霧乾燥は、 100℃に加熱された窒素流の中で、MQ樹脂/トルエン分散液を噴霧することにより行なわれた。出口温度は71℃であった。MQ樹脂粉末は2%以下の揮発物を含有して得られた。次に、この残留溶剤は真空炉を使用して除去された。TEM(透過型電子鏡検法)を使用した粒径分析は、一次粒子の平均粒径が約20ナノメータであることを示した。
【0040】
上記のMQ樹脂粉末を硬化性網形成液体シリコーン混合物と配合することにより、一連のシリコーンPSAが調製された。硬化性網形成液体シリコーン混合物は、平均24.4単位の縮合したジメチルシロキシ単位を有しジメチルビニルシロキシ単位で末端停止したビニルシロキサンと、平均24.2単位のジメチルシロキシ単位および3.44単位のメチル水素シロキシ単位を有しトリメチルシロキシ単位で末端停止した水素化ケイ素シロキサンと、平均20.8単位のジメチルシロキシ単位およびジメチル水素シロキシ末端単位を有する架橋剤と、Karstedtにより米国特許第 3,814,730号に提示された白金触媒 25ppmと、抑制剤である0.75重量%のマレイン酸ジメチルと、から成る。この一連のPSA組成物に於て、MQ樹脂粉末はPSA組成物の総重量を基準として凡そ54重量%乃至62重量%の範囲にて使用された。水素化ケイ素シロキサンは、約1乃至約 1.2に亙るモル比にて、ビニルシロキサンと併用された。これらのPSAは、厚みが凡そ 1.5乃至2ミルに亙るMylar (登録商標) ポリエステル薄膜に、約1ミルの厚みにて塗工された。次に、PSAは 130℃にて8分間硬化され、インストロン(Instron) 試験機を使用して、引き剥がし接着力(オンス/インチ)を試験された。またプローブタック試験機を使用して粘着力についても測定された。以下の接着力試験結果が得られた。表中、SiH/SiViの値は、水素化ケイ素シロキサン及び水素化ケイ素含有架橋剤の中の水素化ケイ素シロキシ単位の、ビニルシロキサン中のビニルシロキシ単位に対するモル比である。
【0041】
粘着力の値は、PSA組成物中のMQ粉末量が56重量%より多いPSAの全てについて 700g/cm2 より大きいことが判明した。
【0042】
実施例2:
PSA組成物の全体に於けるMQ樹脂粉末の総量が60重量%に保たれた点を除き、実施例1の手順が繰り返された。ここでも液体水素化ケイ素シロキサン及び液体ビニルシロキサンとから成る硬化性網形成混合物の均衡はSiH/SiViのモル比にして1、 1.1、 1.2として用いられた。更に、平均24.2単位の縮合したジメチルシロキシ単位および3.44単位のメチル水素シロキシ単位を有しトリメチルシロキシ単位で末端停止した水素化ケイ素架橋剤が使用された。この架橋剤は、両端および内部の水素化ケイ素シロキシ単位が60/40乃至 100/0モル%の範囲の網形成混合物を提供するよう、水素化ケイ素シロキサンと併せて使用された。引き剥がし接着力(オンス/インチ)及び粘着力の値が実施例1と同様に測定されて、以下の結果が得られた。
【0043】
粘着力の値は全てのPSAについて 700g/cm2 より大きかった。
【0044】
上記の実施例は、本発明の方法の実施に使用され得る極めて多数の変化形態の二三のみを指向するが、本発明の方法はこれらの実施例に先立つ記載に掲げられた如き、オルガノシロキサン加水分解生成物、ビニルシロキサン類、水素化ケイ素シロキサン類、架橋剤、及び、白金触媒、の遥かに広範囲の変種の使用を指向する。
【0045】
本発明を要約すれば、噴霧乾燥された粒子形態の、ベンゼン可溶の樹脂共重合体を配合することによる、トリメチルシロキシ単位の如きトリオルガノシロキシ単位、SiO2 単位、及び、アルケニルシロキサンと水素化ケイ素シロキサンとヒドロシリル化触媒との液体網形成混合物を含んで成る、感圧接着剤組成物の如き熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製法が提供される。
【産業上の利用分野】
1991年3月26日に出願された同時係属中の米国特許出願第07/675,380号、及び、本願と同時に出願された同時係属中の米国特許出願第 RD−22,105号、第 RD−22,393号を参照されたい。
本発明は、感圧接着剤(PSA)に転化し得る、無溶剤型の、白金で触媒されたシリコーン組成物およびその製法に関する。更に詳細には、本発明は、トリオルガノシロキシ単位(M)とテトラシロキシ単位(Q)とを有する噴霧乾燥されたシリコーン樹脂粉末、及び、実質的に直鎖状のアルケニルシロキサンと実質的に直鎖状の水素化ケイ素シロキサンとヒドロシリル化触媒とのPSA網形成混合物(network mixture) の用法に関する。
【0002】
【従来の技術】
Hahnらにより米国特許第 3,983,398号に示された如く、トリオルガノシロキシ単位とテトラシロキシ単位とのベンゼン可溶の樹脂共重合体を含んで成り、PSAに転化し得る、白金で触媒されたオルガノポリシロキサン組成物は、有機溶剤溶液の形態で、網形成混合物と併せて使用されてきた。網形成混合物は、実質的に直鎖状のアルケニルシロキサン或いはビニルシロキサンと、実質的に直鎖状の水素化ケイ素シロキサンと、白金触媒の如きヒドロシリル化触媒と、から成る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
PSAは上記のベンゼン可溶成分を併用して製造され得るが、本発明以前は、斯かるPSAは、液体ビニルシロキサンの如き液体シリコーンの存在下での、樹脂共重合体からの有機溶剤の除去を必要とした。最も多くの場合、溶剤除去段階の間には、液体ビニルシロキサンと同時に白金触媒も存在する。充分な溶剤捕捉設備を持たない熱硬化性シリコーン製造業者による有機溶剤の除去は、大気中への揮発物を発生していた。ベンゼン可溶の樹脂共重合体は有機溶剤分散液として製造業者に入手されるのが通例であった。というのはこの樹脂共重合体はバルク形態では網形成混合物になかなか配合され得なかったからである。以後、「網形成混合物」なる用語は、アルケニルシロキサンと水素化ケイ素シロキサンと白金触媒との混合物を含んで成る、1種以上のシリコーン成分を意味する。
【0004】
本発明以前の簡便な手法は、アルケニルシロキサンの如き1種以上の網形成成分を、白金触媒と共に、ベンゼン可溶共重合体の有機溶剤分散液に配合するものであった。有機溶剤が除去されると、更なる熱硬化性シリコーン混合物成分と配合され得る扱いやすいシリコーン配合物が形成し得た。しかし、製造業者による有機溶剤の除去は、特に、不充分な溶剤捕捉設備が使用される場合、環境の点で好ましくない。
【0005】
これに加えて、ベンゼン可溶共重合体の有機溶剤分散液を他の網形成成分と併用すると、PSA製造業者が顧客の要求に応じたPSAの特注品を製造する能力がしばしば妨げられ得る。したがって、ベンゼン可溶共重合体および網形成成分を含んで成る、白金で触媒されたPSA、注封材料、制振組成物、軟質の注型用樹脂を製造する為の配合しやすい成分を提供すると同時に、環境に適合させることが望ましい。
【0006】
【課題を解決するための手段】
同時係属中の米国特許出願第 RD−22,105号で教示された如く、化学結合したトリオルガノシロキシ単位とテトラシロキシ単位とを含んで成るオルガノシロキサン加水分解生成物は、噴霧乾燥されて、液体シリコーンに分散可能な自由流動性のシリコーン樹脂粉末を形成し得る。
【0007】
本発明は、テトラシロキシ単位すなわち次式の「Q単位」
【0008】
【化1】
SiO2
と化学結合した、トリオルガノシロキシ単位すなわち次式の「M単位」
【0009】
【化2】
(R)3 SiO0.5
を含んで成るオルガノシロキサン加水分解生成物であって、オルガノ基対ケイ素の比が凡そ 0.5乃至 1.5に亙り、以後「オルガノシロキサン加水分解生成物」、「MQ樹脂」或いは「M′Q樹脂」と表わされ、噴霧乾燥されて、一次粒子の径が約 0.1乃至約 200ナノメータに亙ると共に集塊粒子としての径は10nm乃至 200ミクロンに亙る、残留揮発物含有量の低い微粉状の樹脂粉末を生成するオルガノシロキサン加水分解生成物、の有機溶剤分散液が、PSA網形成混合物の中に直ちに分散され得るという発見に基づく。以後使用される「分散可能」なる用語は、噴霧乾燥されたシリコーン樹脂粉末が、無期限の貯蔵安定性を有する液体シリコーンと共に透明な混合物を形成し得ることを意味する。シリコーン網形成混合物と混合されると、受注生産される、白金で触媒された熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物が、環境に対して適合した形で得られる。
【0010】
本発明により、実質的に無溶剤型の熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製法であって、化学結合したトリオルガノシロキサン単位とテトラシロキシ単位とを含んで成りオルガノ基対ケイ素の比は約 0.5乃至約 1.5に亙る、噴霧乾燥されたオルガノシロキサン加水分解生成物 100重量部、及び、実質的に直鎖状のアルケニルシロキサンと、実質的に直鎖状の水素化ケイ素シロキサンと、網形成硬化触媒として有効な量のヒドロシリル化触媒と、を含んで成る網形成混合物であって、当該網形成混合物に於て水素に結合したケイ素原子すなわち「SiH」対アルケニル基に結合したケイ素原子すなわち「Siアルケニル」の比は約 0.8乃至約2に亙る値を有する、網形成混合物50乃至 500重量部を配合する段階を含んで成る方法が提供される。
【0011】
【実施例】
選択により、実質的に無溶剤型のこの熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、アルケニルシロキサン、水素化ケイ素シロキサン、或いは、アルケニル水素化ケイ素シロキサンの形態の、架橋剤をも含み得る。
化2のRに包含される基は、例えば、一価のC(1−6) 炭化水素基、及び、縮合反応あるいは付加反応に対し不活性な一価の基で置換された一価のC(1−6) 炭化水素基である。Rには、C(1−6) アルキル基類、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル;フェニル、及び、ハロゲン化フェニル例えばクロロフェニルの如きアリール基類、の如き一価の有機基が包含される。
【0012】
前記の如く、本発明のPSAを製造する為には、M′Q樹脂も使用され得る。M′Q樹脂は、化1で定義されたQ単位、及び、化2のM単位と下式の単位
【0013】
【化3】
(R)2 R1 SiO0.5
【0014】
【化4】
(R)2 HSiO0.5
から選択された単位との混合物から選択されるM′単位から成る。またM′単位は、M′Q樹脂中のシロキシ単位の総モル数を基準として、平均0乃至25モル%に亙る下式のジオルガノジシロキシ単位
【0015】
【化5】
R2 RSiO、
及び、0乃至25モル%に亙る下式のモノオルガノトリシロキシ単位
【0016】
【化6】
RSiO1.5
をも含有し得る。式中、Rは前記の定義と同じく、R1 はC(2−4) アルケニル基、好適にはビニル基であり、R2 はR、R1 、Hから選択される。
本発明に包含されるMQ或いはM′Q樹脂は、トルエンに分散し得るオルガノシロキサン加水分解生成物である。これらのオルガノシロキサン加水分解生成物は、その総重量を基準として約 0.2重量%乃至約5重量%、好適には約1重量%乃至約3重量%に亙るヒドロキシ基を含有し得る。このオルガノシロキサン加水分解生成物は、本発明の熱硬化性組成物中に、その 100重量部を基準として、約20乃至約65重量部、好適には約50乃至約60重量部に亙る量で存在し得る。
【0017】
オルガノシロキサン加水分解生成物の好適な製法は、酸性条件下で、ケイ酸ナトリウム溶液の如きシリカヒドロゾルを、化2に示された如きトリオルガノシロキシ単位源、例えばヘキサオルガノジシロキサン、好適にはヘキサメチルジシロキサン、或いは、加水分解し得るトリオルガノシラン、例えば、トリメチルクロロシラン、或いは、これらの混合物、と反応させ、引き続いてベンゼンに分散可能な樹脂共重合体を回収するものである。
【0018】
オルガノシロキサン加水分解生成物は、固形分40乃至60重量%に亙る有機溶剤分散液として通常は入手される。使用され得る適切な有機溶剤は約 250℃以下の沸点を有し、ミネラルスピリット、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンの如き脂肪族炭化水素と同様に芳香族炭化水素をも包含する。取り扱いやすさの点から、同時係属中の米国特許出願第 RD−22,105号に教示された如く、オルガノシロキサン加水分解生成物の有機溶剤分散液は、噴霧乾燥されて、一次粒子の径が凡そ 0.1〜 200ナノメータに亙ると共に集塊粒子としての径は10nm乃至 200ミクロンに亙る微粉状の粉末を生成し得る。このオルガノシロキサン加水分解生成物の有機溶剤分散液の噴霧乾燥は、乾燥気流中に回転噴霧器付きの渦噴霧ノズルを少なくとも1個備えるか二流体ノズルを備えた噴霧乾燥機により行なわれ得る。Wolfgruberらの米国特許第 4,935,484号の方法とは異なり、本発明で使用されるオルガノシロキサン加水分解生成物は水性コロイド懸濁液ではなく有機溶剤分散液として噴霧乾燥される。窒素の如き乾燥気流に於て使用され得る温度は、90℃乃至 300℃、好適には 100℃乃至 250℃に亙り得る。乾燥時に形成された気流の出口側温度は50℃乃至 200℃に亙る。
【0019】
本発明の熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物を生成する為の網形成混合物を製造する上で使用されるアルケニルシロキサンは、好適には、下式のアルケニル末端ポリジオルガノシロキサンである。
【0020】
【化7】
R4 R3 2 SiO(R3 2 SiO)m (R4 R3 SiO)n SiR3 2 R4
式中、R3 は各々独立に、炭素数1乃至約10に亙るアルキル基、或いは、アリール基であり、R4 は炭素数1乃至約10に亙るアルケニル基であり、mは1以上 300以下の整数であり、nは0以上10以下の整数であり、m+nは1以上 300以下である。
【0021】
化7に於て、R3 は、メチル、エチル、プロピルから選択されるアルキル基、或いは、フェニルの如きアリール基である。好適にはR3 はメチルである。R4 は、ビニル、アリル、プロペニルの如きアルケニル基である。好適には、R4 はビニルである。
上記の化7に於て、m+nは、好適には約10乃至約 100、最適には約15乃至約25に亙る数である。
【0022】
アルケニルシロキサンは、トリオルガノシロキサン末端ポリジオルガノシロキサンを調製する為のあらゆる習用方法により調製され得る。例えば、適量の適当な加水分解し得るシラン類、例えば、ビニルジメチルクロロシラン及びジメチルジクロロシランが、共加水分解および縮合され得る。或いはその代わりに、ポリジオルガノシロキサンの末端基を提供する適当な1,3−ジビニルテトラオルガノジシロキサン、例えば左右対称のジビニルジメチルジフェニルジシロキサン或いはジビニルテトラメチルジシロキサンが、適当なジオルガノポリシロキサン、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサンと共に、酸性触媒あるいは塩基性触媒の存在下で平衡化され得る。ビニルシロキサンの調製法の如何に関わらず、通常は、オクタメチルシクロテトラシロキサンの如き揮発性の環状ポリジオルガノシロキサン類が同時生成し、これらはストリッピングにより除去される。
【0023】
水素化ケイ素シロキサンは、下記の一般式を有するオルガノ水素ポリシロキサンである。
【0024】
【化8】
R5 2 HSiO(R5 HSiO)a (R5 2 SiO)b SiHR5 2
式中、R5 は各々独立に炭素数1乃至約10に亙るアルキル基、或いは、アリール基であり、a+bの合計は1乃至約 300に亙り、1分子当たり、ケイ素に結合した水素が2原子以上存在し、水素を2原子以上結合させたケイ素原子は存在しない。
【0025】
この熱硬化性組成物を調製する上で、水素化ケイ素シロキサン中でケイ素に結合した水素基の、アルケニルシロキサン中でケイ素に結合したアルケニル基に対するモル比は、約 0.8:1乃至約 2.0:1に亙り得る。但しこの時の条件として、アルケニルシロキサンと水素化ケイ素シロキサンとの全架橋密度は約 0.2乃至約 5.0%であり、更なる条件として、アルケニルシロキサンと水素化ケイ素シロキサンとの合計粘度は、25℃に於て約10乃至約 300センチポアズに亙る。
【0026】
上記の化8中のR5 のアルキル基の実例は、メチル、エチル、プロピル等である。R5 のアリール基の実例は、フェニルである。好適には、全R5 のうち少なくとも99.5%、最適には 100%の基がアルキル基であり、最適にはメチル基である。
全架橋密度すなわち
約 0.2乃至約 5.0%、好適には約 0.2乃至約 2.0%である。
【0027】
水素化ケイ素シロキサン及びその調製法は有機ケイ素ポリマー業界では公知であり、その幾つかは市販されている。簡単に述べると、オルガノ水素シロキサンの調製は、クロロシランの如きシランを加水分解し、得られた加水分解生成物を酸性触媒作用の下で平衡化する如きあらゆる適切な方法で行なわれ得る。或いはその代わりに、環状シロキサン及び直鎖状シロキサンの如き、適切なシロキサンの混合物が、酸性触媒作用の下で共重合および平衡化され得る。例えば、本発明での使用に適する水素基末端液体シリコーンは、テトラメチルジシロキサンを、予め決められた割合の環状メチル四量体と、触媒であるFiltrol−20の存在下で、80〜 100℃にて4〜6時間、反応させることにより調製され得る。次にFiltrol−20触媒は濾過により除去され、残存する反応原料は真空ストリッピングにより除去される。
【0028】
本発明の組成物の白金触媒は、ヒドロシリル化反応を促進する触媒である。ヒドロシリル化硬化反応を促進する為の有用な触媒は、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、及び、これらの金属の錯体を使用した触媒の如き、貴金属触媒を包含する。本発明での使用に適したヒドロシリル化触媒の実例は、例えば、米国特許第 3,159,601号および第 3,159,662号(Ashby) 、第 3,220,970号(Lamoreaux) 、第 3,814,730号(Karstedt)、第 3,516,946号(Modic) 、第 4,029,629号(Jeram) に開示されている。上記の特許は全て本願中に取り入れられる。
【0029】
本発明に使用されるヒドロシリル化触媒は、好適には白金を含有する触媒である。適切な白金含有ヒドロシリル化触媒は、微粉状金属白金、アルミナの如き微粉状担体上の白金、塩化白金酸の如き白金化合物、及び、白金化合物の錯体の如き、ケイ素結合の水素原子とケイ素結合のビニル基との反応を触媒する上で効果的なあらゆる公知の形態の白金を包含する。
【0030】
本発明に使用する為のその他の適切な白金含有ヒドロシリル化触媒は、Ashby の米国特許第 3,159,601号および第 3,159,662号に記載された白金炭化水素錯体、Lamoreaux の米国特許第 3,220,970号に記載された白金アルカノラート触媒、及び、Karstedtの米国特許第 3,814,730号の白金触媒を包含する。更に、Modic の米国特許第 3,516,946号に記載された塩化白金−オレフィン錯体も本願で有用である。上記の触媒は全て熱的に活性化される。Drahnak の米国特許第 4,510,094号の触媒の如き、光活性の白金触媒も有用である。本節に引用された米国特許は全て本願中に取り入れられる。
【0031】
白金触媒の効果量は、当該熱硬化性組成物の重量を基準として5ppm 乃至 200ppm に亙る白金を提供するに充分な量である。
本発明の熱硬化性組成物は、噴霧乾燥されたオルガノシロキサン加水分解生成物、アルケニルシロキサン、水素化ケイ素シロキサン、選択により架橋剤、及び、ヒドロシリル化触媒を、一定の割合で単に混合するだけで調製され得る。諸成分の混合順序は重要ではない。但し、水素化シロキサン及び/或いは水素化物架橋剤、及び、ヒドロシリル化触媒は、好適には最後に加えられる。水素化ケイ素シロキサン及び水素化物架橋剤は、調製工程の加熱操作が全て終了してから添加する方が好適である。好適には、噴霧乾燥されたオルガノシロキサン加水分解生成物とアルケニルシロキサンと触媒との混合物が配合されて、引き続いて水素化ケイ素シロキサン及び選択により架橋剤が添加される。
【0032】
本発明の熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、感圧接着剤(PSA)、注封材料、制振組成物、及び、軟質の注型用樹脂として利用され得る。
所望されれば本発明の組成物に少量の添加物成分が添加されても良い。例えば、酸化防止剤、顔料、安定剤、充填剤等が、当該組成物の感圧接着性を著しく損なわない限り、添加され得る。揮発性の添加物は溶剤除去操作が終了してから添加されると好適である。
【0033】
白金触媒の抑制剤を、二成分系の何れかの成分、或いは、一成分系の場合はその硬化性混合物の中に混合することにより、「貯蔵寿命」が長期化し得る。本発明の組成物に有用で、その硬化抑制期間を様々に延長する白金触媒抑制剤は、米国特許第 3,188,299号、第 3,188,300号、第 3,192,181号、第 3,344,111号、第 3,383,356号、第 3,445,420号、第 3,453,233号、第 3,453,234号、第 3,532,649号に記載された抑制剤、及び、当業界で公知のその他の抑制剤である。本節に引用された特許は全て本願中に取り入れられる。本発明の組成物に使用され得る抑制剤の具体例は、3−メチル−3−ペンテン−1−イン及び3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−インの如きイン(yne) 類、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、フェニルブチノールの如きアルケニルアルコール類、マレイン酸のアルキルエステル及び置換アルキルエステルの如き不飽和エステル類、及び、ポリメチルビニルシクロシロキサン等である。
【0034】
白金触媒抑制剤の有効性は、その化学組成、物理特性、濃度等の如き多くの因子により異なる。本発明の目的の為には、特定の如何なる白金触媒抑制剤についてもその効果量は習用的実験により決定され得る。多くの白金触媒抑制剤は相対的に揮発性なので、これらは、本発明の組成物に対し、調製工程の加熱操作および/或いは真空操作が全て終了した後で添加されると好適である。
【0035】
本発明の熱硬化性組成物がPSAとして使用される場合には、PSAは、ロール法、塗布法、吹付け法等の如き適切な被覆手段を与えることにより、基材の表面に塗工され得る。基材は軟質でも硬質でも良い。
支持材の表面、及び、この支持材が接着する基材の表面は、金属、例えば、アルミニウム、銀、銅、鉄、これらの合金;紙、木、皮革、織布の如き多孔質材料;ポリオレフィン類、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル;シリコーンエラストマー、シリコーン樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、アクリルポリマー、の如きポリマー材料;塗料付き表面;コンクリート、煉瓦、シンダーブロック、ガラス例えばガラス布、の如きケイ質材料等、の如きあらゆる公知の固体材料であり得る。ガラス布の如き多孔質の材料は、PSAが支持材の表面から裏面へと移行するのを防ぐ物質を以てしばしば含浸せられる。また、フルオロカーボンポリマー支持材の表面を化学処理してその表面へのPSAの接着力を増強する方法も知られている。PSAの接着力を増強するには、基材表面を処理するためプライマー(下塗り剤)も使用され得る。
【0036】
本発明の硬化組成物を支持した固体支持材は、当該組成物が高い粘着力および良好な接着強度という望ましい性質を兼ね備えるため、あらゆる固体基材に対し確実に接着する。
本発明のPSAを備えて製造され得る有用な製品は、感圧接着テープ、ラベル、エンブレム、及び、その他の装飾用や案内用の標識等である。特に有用な製品は、軟質・硬質を問わず、極高温および/或いは極低温に耐えることができ、少なくともその片面に本発明のポリオルガノシロキサンPSAを支持した支持材を備えて成る製品である。斯かる製品は、本発明のPSAが備える高温での安定性および低温での可撓性を十分に生かす。
【0037】
好適な製品は、少なくともその片面に本発明の硬化組成物を支持した、含浸ガラス布、ポリエステルポリマー、ポリイミドポリマー、或いは、化学処理されたフルオロカーボンポリマー、の支持材を含んで成る感圧接着テープである。
当業者が本発明をより良く理解できるよう、以下の実施例が説明の為に掲げられるが、冒頭の請求項で充分に記述された本発明を限定する為ではない。
【0038】
実施例1:
M/Q比が 0.6の噴霧乾燥されたオルガノシロキサン加水分解生成物が、以下の手順で調製された。
ケイ酸ナトリウム溶液 91 部(225g、SiO2 27%)が水 130部(321g)と完全に混合された。この混合物は、7分間かけて、冷水中16.5%のHCl 81 部にかき混ぜながら添加された。添加終了後、直ちに(45秒以内)イソプロパノール 87 部(214.8g)が5分間かけて添加された。1分間待機した後、Me3 SiClの 31.0 部(76.45g)とトルエン 3.4部(8.49g) との混合物が20分間かけて添加された。反応混合物は室温まで温められた後、 1.5時間還流加熱された。トルエン 40.5 部(100g)がかき混ぜながら添加された。次に、この反応混合物は分液漏斗に移され、そこで有機相と水相とが分離した。水相は除去され、有機相は水 300g で洗浄された。この溶液から水/イソプロパノール/トルエンの共沸混合物が蒸留されて、M/Q比が約 0.6のMQ樹脂のトルエン溶液(35重量%)が得られた。
【0039】
次に、MQ樹脂分散液は、ヤマト(Yamato)の有機溶剤噴霧乾燥装置、GS31型を使用して噴霧乾燥された。噴霧乾燥は、 100℃に加熱された窒素流の中で、MQ樹脂/トルエン分散液を噴霧することにより行なわれた。出口温度は71℃であった。MQ樹脂粉末は2%以下の揮発物を含有して得られた。次に、この残留溶剤は真空炉を使用して除去された。TEM(透過型電子鏡検法)を使用した粒径分析は、一次粒子の平均粒径が約20ナノメータであることを示した。
【0040】
上記のMQ樹脂粉末を硬化性網形成液体シリコーン混合物と配合することにより、一連のシリコーンPSAが調製された。硬化性網形成液体シリコーン混合物は、平均24.4単位の縮合したジメチルシロキシ単位を有しジメチルビニルシロキシ単位で末端停止したビニルシロキサンと、平均24.2単位のジメチルシロキシ単位および3.44単位のメチル水素シロキシ単位を有しトリメチルシロキシ単位で末端停止した水素化ケイ素シロキサンと、平均20.8単位のジメチルシロキシ単位およびジメチル水素シロキシ末端単位を有する架橋剤と、Karstedtにより米国特許第 3,814,730号に提示された白金触媒 25ppmと、抑制剤である0.75重量%のマレイン酸ジメチルと、から成る。この一連のPSA組成物に於て、MQ樹脂粉末はPSA組成物の総重量を基準として凡そ54重量%乃至62重量%の範囲にて使用された。水素化ケイ素シロキサンは、約1乃至約 1.2に亙るモル比にて、ビニルシロキサンと併用された。これらのPSAは、厚みが凡そ 1.5乃至2ミルに亙るMylar (登録商標) ポリエステル薄膜に、約1ミルの厚みにて塗工された。次に、PSAは 130℃にて8分間硬化され、インストロン(Instron) 試験機を使用して、引き剥がし接着力(オンス/インチ)を試験された。またプローブタック試験機を使用して粘着力についても測定された。以下の接着力試験結果が得られた。表中、SiH/SiViの値は、水素化ケイ素シロキサン及び水素化ケイ素含有架橋剤の中の水素化ケイ素シロキシ単位の、ビニルシロキサン中のビニルシロキシ単位に対するモル比である。
【0041】
粘着力の値は、PSA組成物中のMQ粉末量が56重量%より多いPSAの全てについて 700g/cm2 より大きいことが判明した。
【0042】
実施例2:
PSA組成物の全体に於けるMQ樹脂粉末の総量が60重量%に保たれた点を除き、実施例1の手順が繰り返された。ここでも液体水素化ケイ素シロキサン及び液体ビニルシロキサンとから成る硬化性網形成混合物の均衡はSiH/SiViのモル比にして1、 1.1、 1.2として用いられた。更に、平均24.2単位の縮合したジメチルシロキシ単位および3.44単位のメチル水素シロキシ単位を有しトリメチルシロキシ単位で末端停止した水素化ケイ素架橋剤が使用された。この架橋剤は、両端および内部の水素化ケイ素シロキシ単位が60/40乃至 100/0モル%の範囲の網形成混合物を提供するよう、水素化ケイ素シロキサンと併せて使用された。引き剥がし接着力(オンス/インチ)及び粘着力の値が実施例1と同様に測定されて、以下の結果が得られた。
【0043】
粘着力の値は全てのPSAについて 700g/cm2 より大きかった。
【0044】
上記の実施例は、本発明の方法の実施に使用され得る極めて多数の変化形態の二三のみを指向するが、本発明の方法はこれらの実施例に先立つ記載に掲げられた如き、オルガノシロキサン加水分解生成物、ビニルシロキサン類、水素化ケイ素シロキサン類、架橋剤、及び、白金触媒、の遥かに広範囲の変種の使用を指向する。
【0045】
本発明を要約すれば、噴霧乾燥された粒子形態の、ベンゼン可溶の樹脂共重合体を配合することによる、トリメチルシロキシ単位の如きトリオルガノシロキシ単位、SiO2 単位、及び、アルケニルシロキサンと水素化ケイ素シロキサンとヒドロシリル化触媒との液体網形成混合物を含んで成る、感圧接着剤組成物の如き熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製法が提供される。
Claims (6)
- 実質的に無溶剤型の熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法であって、
化学結合したトリオルガノシロキサン単位とテトラシロキシ単位とを含んで成りかつオルガノ基対ケイ素比が0.5〜1.5のオルガノシロキサン加水分解生成物の有機溶剤分散液を90℃〜300℃の乾燥気流中で噴霧乾燥して得られる一次粒子径0.1〜200ナノメータのオルガノシロキサン加水分解生成物粉末100重量部と、
実質的に直鎖状のアルケニルシロキサンと実質的に直鎖状の水素化ケイ素シロキサンと網形成硬化触媒として有効な量のヒドロシリル化触媒とを含んで成る網形成混合物であって、当該網形成混合物における水素結合ケイ素原子(即ちSiH)対アルケニル基結合ケイ素原子(即ちSiアルケニル)の比が0.8〜2の値を有する網形成混合物50〜500重量部と
を配合する段階を含んで成る方法。 - 前記アルケニルシロキサンが、ジメチルシロキシ単位とジメチルビニルシロキシ末端単位から実質的に成る液体ビニルシロキサンである、請求項1記載の方法。
- 前記水素化ケイ素シロキサンが、縮合したジメチルシロキシ単位から実質的に成りかつジメチル水素シロキシ末端単位を有する液体ポリジメチルシロキサンである、請求項1記載の方法。
- 前記ヒドロシリル化触媒が白金触媒である、請求項1記載の方法。
- 前記白金触媒が抑制剤と併用される、請求項4記載の方法。
- 前記網形成混合物が、反応性SiH基又は反応性Siアルケニル基を2個より多く有するシリコーン架橋剤を含有する、請求項1記載の方法。
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