JP3604062B2 - 高弾性率ベルト及び中間転写ベルト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原則的に芯体を有さなくても高ヤング率を有する高弾性ベルトに関し、特に、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられて二次転写を行うための中間転写ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を用いた複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置には、感光体の表面に形成したトナー像を一時的に中間転写ベルトに転写し、中間転写ベルト上のトナー像をさらに被記録シートに転写する方式がある。
【0003】
図2に中間転写方式の一例を示す。図2に示すように、感光体1の一部に摺接するように中間転写ベルト2が設けられている。中間転写ベルト2は、例えば、三つのロール3a,3b,3cに巻き掛けられ、その一つは感光体1と相対向する第1の転写ロール3aであり、もう一つは導電ロール4と相対向する第2の転写ロール3bであり、もう一つは中間転写ベルト2に張力を与えるテンションロール3cである。現像器5により感光体1上に形成されたトナー像は、第1の転写ロール3aを介して中間転写ベルト2に転写され、転写されたトナー像は第2の転写ロール3b及び導電ロール4を介して被記録シートSに二次転写される。
【0004】
このように使用される中間転写ベルトは、一定のテンションを与えておく必要があるが、長期間の使用による伸びにより画像形成の精度が低下し、色ずれ等の問題も生じるため、従来は、ポリイミドかPET等の樹脂製フィルムベルト又は繊維等の芯体を有するゴム製ベルトなどの高ヤング率ベルトが使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、樹脂製フィルムベルトでは硬度が高く、弾性がないためシャープな画像が得られない。また、芯体入りゴム製の中間転写ベルトは高精度の画像転写を実現して必要な体積抵抗率等の特性を保持するために例えば、1mm前後の厚さとする必要があるので、芯体の繊維の凹凸が表面の平滑性に影響し、画像に芯体跡が形成され、画像精度を低下させるという問題がある。
【0006】
また、このような芯体の有するベルトの製造工程は複雑であり、コスト高であるという問題もある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑み、芯体を用いないで高ヤング率を有する高弾性率ベルト及び中間転写ベルトを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の第1の態様は、ゴム状組成物100重量部に対してジアリルフタレートプレポリマーを5〜30重量部添加してなる熱硬化性樹脂組成物を過酸化物で架橋してなる高弾性率エラストマーからなることを特徴とする高弾性率ベルトにある。
【0009】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記ゴム状組成物が、エステル結合を、10重量%以上含有することを特徴とする高弾性率ベルトにある。
【0010】
本発明の第3の態様は、第1または2の態様において、前記ゴム状組成物のガラス転移点が、−20℃以下であることを特徴とする高弾性率ベルトにある。
【0011】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記ゴム状組成物がポリウレタンであることを特徴とする高弾性率ベルトにある。
【0012】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記ジアリルフタレートプレポリマーのヨウ素価が、50以上100未満であるジアリルフタレート重合体であることを特徴とする高弾性率ベルトにある。
【0013】
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様において、芯体を有さず、ヤング率が850〜10000g/mm2であることを特徴とする高弾性率ベルトにある。
【0014】
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様の高弾性率ベルトの表面にフッ素系樹脂、ナイロン及びポリウレタンから選択されるコーティング層を設けたことを特徴とする中間転写ベルトにある。
【0015】
本発明の第8の態様は、第7の態様において、前記高弾性率ベルトの厚さが0.5〜1.2mmであり、前記コーティング層の厚さが3〜30μmであることを特徴とする中間転写ベルトにある。
【0016】
本発明の第9の態様は、第7または8の態様において、体積抵抗率が106〜1013Ω・cmであることを特徴とする中間転写ベルトにある。
【0017】
本発明の第10の態様は、第7〜9の何れかの態様において、表面粗さRzが8μm以下であることを特徴とする中間転写ベルトにある。
【0018】
本発明は、ゴム状組成物にジアリルフタレートプレポリマーを添加してゴムマトリクスによるゴム状弾性を保持しながら高硬度とした熱硬化性組成物を架橋した高弾性率エラストマーにより高弾性率ベルトを得るものである。
【0019】
ここで、本発明で用いることができるゴム状組成物は、例えば、過酸化物を含有して過酸化物架橋可能なゴム生地である。また、ゴム状組成物は、ジアリルフタレートプレポリマーとある程度の相溶性を有するものであればよく、完全な相溶性は要求されない。すなわち、ゴムの混練り条件下では実質的に相溶しているが、成形時にはある程度互いに分離されている状態となるのが好ましい。本発明の熱硬化性樹脂組成物は、ゴム状組成物中に、ジアリルフタレートプレポリマーがある程度相分離した状態で部分的に凝集することにより、ゴム状組成物単独に近いゴム状弾性を示しつつ高硬度であるという特性を示す。換言すると、本発明で用いる熱硬化性樹脂組成物は、ゴム状組成物中にジアリルフタレートプレポリマーが完全に相溶してはおらず、ガラス転移点も、両者の数学的な平均より低い状態に保持されているものである。
【0020】
なお、ジアリルフタレートモノマーは、従来より、ゴム状組成物の共架橋剤として使用されているが、このように使用した場合には、ジアリルフタレートモノマーはゴム状組成物に完全に相溶し、本発明のような効果は得られない。
【0021】
本発明で用いるゴム状組成物は、上述したように特に限定されないが、例えば、エステル結合を、10重量%以上含有するものが好ましい。これはジアリルフタレートプレポリマーとの相溶性を考慮したものである。具体的には、ポリウレタン、NBR、塩素化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴムのような極性基を有するゴム状組成物が好ましいが、特に、中間転写ベルトとして用いる場合にはポリウレタンが好ましい。
【0022】
また、前記ゴム状組成物のガラス転移点は、例えば、−20℃以下である。これは、−20℃以上だと室温付近でゴム弾性が劣り、好ましくないからである。但し、通常行われるように、可塑剤を添加し、ガラス転移点を下げても差し支えない。
【0023】
一方、本発明に用いることができるジアリルフタレートプレポリマーは、従来から共架橋剤として使用されているモノマーではなく、例えば、ヨウ素価が、50以上100未満であるジアリルフタレート重合体である。
【0024】
本発明では、熱硬化性樹脂組成物を通常の混練り後、熱硬化することにより、高弾性率エラストマーを得ることができ、例えば、ゴム弾性を維持しながら高弾性化させたりすることができ、芯体を有することなく高ヤング率のベルトを容易に得ることができる。また、芯体を有さないので、表面平滑性の高いベルトとすることができる。
【0025】
中間転写ベルトとして用いる場合には、表面にフッ素系樹脂、ナイロン及びポリウレタンから選択されるコーティング層を設けるのが好ましい。この場合、ベルト本体の厚さは、0.5〜1.2mmであり、コーティング層の厚さは3〜30μmである。このように、感光体の汚染性及びトナーの離型性のよいコーティング層を設けるが、特に、フッ素系樹脂からなるコーティング層が好ましい。また、このような中間転写ベルトは、芯体を有さないので、例えば、表面粗さRzが8μm以下のものを容易に実現できる。
【0026】
さらに、中間転写ベルトとしては、ヤング率が850〜10000g/mm2であるのが好ましく、体積抵抗率は106〜1013Ω・cmであるのが好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0028】
(実施例1)
ゴム材料として、ミラブル型ポリウレタン(ウレパン640G:バイエル社製:商品名)を用い、下記に示す配合でニーダーを用いて混練りしたものを生地とした。この生地を押し出し成形し、押し出したチューブを加硫芯金に挿入した後、蒸気釜で150℃×40分加硫した。この加硫チューブを厚さ0.6mmに研磨加工してベルトを作製した。このベルトの表面に5μmの厚さのフッ素コートを施すことにより中間転写ベルトとした。
【0029】
なお、ジアリルフタレート(DAP)プレポリマーとしては、A:イソダップIK(平均分子量2〜3万:ダイソー社製:ヨウ素価82)を用いた。
【0030】
(実施例2)
本実施例は、DAPを20重量部、カーボンFEFを30重量部と増量した以外は、実施例1と同様に操作した。
【0031】
かかる中間転写ベルトの断面を図1に示す。中間転写ベルト10は、ベルト本体11の表面にフッ素コーティング層12を有するものであり、芯体を有さない無端のベルトである。
【0032】
(比較例1,2)
下記配合で実施例と同様に試験片を作製した。なお、比較例1は、DAPプレポリマーを配合していない以外は実施例に対応するものであり、比較例2は、比較例1と同じ配合でナイロン製芯体を用いたもである。
【0033】
(試験例)
各ベルトについて、ヤング率(5%伸張)、表面粗さRz及び体積抵抗率を測定した。また、これらを中間転写ベルトとして用いて画像評価を行った。この結果も併せて表1に示す。
【0034】
表1に示す結果より、各実施例1,2に示すように、DAPプレポリマーを配合することにより、芯体を入れることなしに高ヤング率を有するベルトを得ることができる。また、実施例2に示すように、無機フィラーと併用しても、加工性を損なわずに、高ヤング率品を得ることができることが判った。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、ジアリルフタレートプレポリマーを用いることにより、ゴム材料の本来のゴム弾性を損なうことなく、ヤング率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の中間転写ベルトの断面図である。
【図2】現像部の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
10 中間転写ベルト
11 ベルト本体
12 コーティング層
Claims (10)
- ゴム状組成物100重量部に対してジアリルフタレートプレポリマーを5〜30重量部添加してなる熱硬化性樹脂組成物を過酸化物で架橋してなる高弾性率エラストマーからなることを特徴とする高弾性率ベルト。
- 請求項1において、前記ゴム状組成物が、エステル結合を、10重量%以上含有することを特徴とする高弾性率ベルト。
- 請求項1または2において、前記ゴム状組成物のガラス転移点が、−20℃以下であることを特徴とする高弾性率ベルト。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記ゴム状組成物がポリウレタンであることを特徴とする高弾性率ベルト。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記ジアリルフタレートプレポリマーのヨウ素価が、50以上100未満であるジアリルフタレート重合体であることを特徴とする高弾性率ベルト。
- 請求項1〜5の何れかにおいて、芯体を有さず、ヤング率が850〜10000g/mm2であることを特徴とする高弾性率ベルト。
- 請求項1〜6の何れかの高弾性率ベルトの表面にフッ素系樹脂、ナイロン、及びポリウレタンから選択されるコーティング層を設けたことを特徴とする中間転写ベルト。
- 請求項7において、前記高弾性率ベルトの厚さが0.5〜1.2mmであり、前記コーティング層の厚さが3〜30μmであることを特徴とする中間転写ベルト。
- 請求項7または8において、体積抵抗率が106〜1013Ω・cmであることを特徴とする中間転写ベルト。
- 請求項7〜9の何れかにおいて、表面粗さRzが8μm以下であることを特徴とする中間転写ベルト。
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1998
- 1998-10-21 JP JP29999698A patent/JP3604062B2/ja not_active Expired - Fee Related
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