JP2002322358A - ベルトおよびベルト用ゴム組成物 - Google Patents

ベルトおよびベルト用ゴム組成物

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JP2002322358A
JP2002322358A JP2001127547A JP2001127547A JP2002322358A JP 2002322358 A JP2002322358 A JP 2002322358A JP 2001127547 A JP2001127547 A JP 2001127547A JP 2001127547 A JP2001127547 A JP 2001127547A JP 2002322358 A JP2002322358 A JP 2002322358A
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belt
mass
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rubber
carbon black
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JP2001127547A
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Takeshi Takehara
剛 竹原
Toshiaki Koga
稔章 古賀
Toshimichi Takada
俊通 高田
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘着摩耗を発生させることなく耐引裂き性や
モジュラス、通電性といった物性を向上させることがで
きる。 【解決手段】 ウレタン結合を有するゴム100質量部
に対して、有機過酸化物を0.2〜6質量部、共架橋剤
を0.5〜5質量部、ヨウ素吸着量が20〜50g/k
g(FEF相当)のカーボンブラックを10〜40質量
部配合したゴム組成物からなるベルトである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車用、一般産業
用、農業機械用などに適用される動力伝動および搬送用
のベルトに係り、詳しくはミラブルウレタンなどウレタ
ン結合を有するゴムからなるベルトの耐摩耗性の向上、
モジュラスのアップを目的としたものである。
【0002】
【従来の技術】従来からミラブルウレタンをはじめとす
るウレタン結合を有するゴムがベルトの素材として用い
られている。ミラブルウレタンは素材自身が耐摩耗性に
優れた材料であり、ATM、自動改集札機、両替機、自
動販売機などで紙幣や切符、カードなどの紙葉類を搬送
するベルトとして広く用いられている。このような搬送
用途で用いられる平ベルトは多軸レイアウトにてON、
OFF走行パターンにてベルト同士の摩擦、剥離が常時
繰り返される。このために搬送面における耐久性が要求
されるものである。
【0003】ウレタンにカーボンブラックを配合するこ
とは従来から行われていることであって、例えば特開平
5−95924号公報、特開2000−338789号
公報などには導電性を付与するためにウレタンにカーボ
ンブラックを配合することが開示されている。
【0004】また、ミラブルウレタンは耐摩耗性には優
れた材料であるものの、耐引裂き性、モジュラス、通電
性などの性質を高めるためにカーボンブラックを配合し
て用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】通常のゴムの場合、カ
ーボンブラックを配合することによって耐引裂き性やモ
ジュラス、通電性といった物性が向上するとともに、ゴ
ムの耐摩耗性についても向上が見られる。しかし、ウレ
タンについてはカーボンブラックを配合することによっ
て、かえって粘着摩耗が発生する。
【0006】それは配合したカーボンブラックがミラブ
ルウレタンにとって異物となって働き、元々ミラブルウ
レタンは耐摩耗性に優れた材料であることから、ミラブ
ルウレタンが持っている本来の物性を損なう結果になっ
ているものと思われる。
【0007】そこで本発明は、ミラブルウレタンにカー
ボンブラックを配合しても粘着摩耗を発生させることな
く、耐引裂き性やモジュラス、通電性などの物性を改善
することのできるベルト用ミラブルウレタン組成物及び
それを用いたベルトを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために本発明の請求項1では、ウレタン結合を有す
るゴム100質量部に対して、有機過酸化物を0.2〜
6質量部、共架橋剤を0.5〜5質量部、ヨウ素吸着量
が20〜50g/kg(FEF相当)のカーボンブラッ
クを10〜40質量部配合したゴム組成物をベルトの少
なくとも一部に用いたことを特徴とするベルトである。
【0009】カーボンブラックの中でも、このような粒
径の範囲のカーボンブラックを配合することによって、
粘着摩耗を発生させることなく耐引裂き性やモジュラ
ス、通電性といった物性を向上させることができる。
【0010】請求項2では、ベルトが搬送面を有する搬
送ベルトであり、搬送面をポリエステルからなる編布で
補強したベルトとしており、ベルトの伸びを失うことな
く補強することができるものである。
【0011】請求項3では、編布の表面には、裏面から
ゴムを滲み出させることによりゴム皮膜が設けられてい
るベルトとしている。
【0012】このようにしてゴムの皮膜を設けることに
よって、粘着が発生しにくく粘着磨耗の少ない搬送面と
することができる。
【0013】請求項4では、ウレタン結合を有するゴム
100質量部に対して、有機過酸化物を0.2〜6質量
部、共架橋剤を0.5〜5質量部、ヨウ素吸着量が20
〜50g/kg(FEF相当)のカーボンブラックを1
0〜40質量部配合したゴム組成物としている。
【0014】カーボンブラックの中でも、このような粒
径の範囲のカーボンブラックを配合することによって、
粘着摩耗を発生させることなく耐引裂き性やモジュラ
ス、通電性といった物性を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、ウレタン結合を有する
ゴムにおいて、カーボンブラックを配合して耐引裂き性
やモジュラス、通電性といった物性を向上させるにもか
かわらず、ベルト同士との摩擦、プーリや搬送物などと
の摩擦によってベルト表面に粘着摩耗が発生するのを防
止しようとしたものである。
【0016】そのために、本発明はウレタン結合を有す
るゴム100質量部に対して有機過酸化物を0.2〜6
質量部、共架橋剤を0.5〜5質量部より好ましくは2
〜5質量部、ヨウ素吸着量が20〜50g/kg(FE
F相当)のカーボンブラックを10〜40質量部配合し
たゴム組成物、あるいはこのようなゴム組成物を少なく
とも一部に用いたベルトである。特にこのようなヨウ素
吸着量のカーボンブラックを配合することによってウレ
タン結合を有するの摩耗性の低下を少なくすることがで
きる。
【0017】通常ゴムの場合、配合するカーボンブラッ
クの粒径が小さすぎると粘着摩耗の問題がより顕著に表
れるようになる。通常、ゴムなどにカーボンブラックを
配合すると補強効果があり、耐引裂き性やモジュラス、
通電性といった物性が向上するのと同時に耐摩耗性も向
上する。しかし、ウレタン結合を有するゴムの場合は、
耐摩耗性が他の物性とは違って低下する。それはミラブ
ルウレタンなどのウレタン結合を有するゴムが元々耐摩
耗性に優れた材料であるが、カーボンブラックを配合す
ることによってカーボンブラックが異物となって働き、
元々優れている耐摩耗性を損なう結果になると考えられ
る。しかし、本発明者らは大きな粒径のカーボンブラッ
クを配合することによってその粘着摩耗の問題が解消さ
れることを見出し、本発明に至ったものである。
【0018】本発明で言うウレタン結合を有するゴムと
は、具体的にはミラブルウレタン、注型ウレタンなどを
あげることができ、このなかでもミラブルウレタンを用
いることが、物性及び練りや圧延時の加工性に優れてい
るという理由から好ましい。
【0019】粒径が小さなカーボンブラックを配合した
場合には、ウレタン結合を有するゴム中にカーボンブラ
ックが十分に分散することができず、カーボンブラック
がより異物として働くことになって耐摩耗性を損なうこ
とになる。しかし、大きい粒径のカーボンブラックを用
いることによって小さな粒径のカーボンブラックを配合
した場合よりも分散が改善されて、元々優れたミラブル
ウレタンなどの耐摩耗性を損なう度合いが少なくなるも
のと考えられる。
【0020】そしてベルトとして用いる場合に粘着磨耗
の問題を解消するためのカーボンブラックの最大ヨウ素
吸着量が50g/kgである。また、逆に粒径が大きく
なりすぎると粘着摩耗は改善されるものの、耐引裂き性
などの物性の低下をみることとなり、ベルトとして実使
用上十分な物性を得られる限界のヨウ素吸着量が20g
/kgとなる。
【0021】ヨウ素吸着量はカーボンブラックが単位量
あたりでどれだけのヨウ素を吸着するかを測定したもの
であり、吸着量が多いほどヨウ素を吸着できる面積が広
いということであり、粒径が小さいということになる。
【0022】以上のように、ウレタン結合を有するゴム
に配合するカーボンブラックのヨウ素吸着量が50g/
kgを超えると粘着摩耗の問題が発生し、20g/kg
未満であると耐引裂き性、モジュラスなどの物性が低下
してベルトとして使用するのに十分な物性が得られない
ことから好ましくない。
【0023】また、ウレタン結合を有するゴムに対する
カーボンブラックの配合量は、ゴム100質量部に対し
て10〜40質量部の範囲であり、10質量部未満であ
ると十分に物性の補強をすることができず、40質量部
を超えると未加硫時の粘度が上がりすぎて加工性が悪く
なるので好ましくない。
【0024】本発明で用いることができるカーボンブラ
ックはヨウ素吸着量が20〜50g/kgの範囲のもの
であるが、そのようなカーボンブラックの例としては、
SRF(Semi−Reinforcing Furn
ace Black ヨウ素吸着量25〜35g/k
g)やGPF(General Purpose Fu
rnace Black ヨウ素吸着量30〜40n
m)を挙げることができる。
【0025】また、ISAF(Intermediat
e Super AbrationFurnace B
lack ヨウ素吸着量115〜125nm)、HA
F(High Abrasion Furnace B
lack ヨウ素吸着量75〜90nm)は粒径が小
さすぎて粘着摩耗を発生してしまうので用いることがで
きない。
【0026】また、本発明のベルトは有機過酸化物によ
り架橋して用いるものであり、ゴムには前記のようなカ
ーボンブラック以外に有機過酸化物と共架橋剤を配合し
ている。
【0027】架橋剤である有機過酸化物ははウレタン結
合を有するゴム100重量部に対して、0.2〜6重量
部、好ましくは0.3〜4重量部を配合する。0.2重
量部未満であると架橋が不十分となり、引張強さなどの
物性が劣ることになり、逆に6重量部を超えると過架橋
となり、伸びの劣るゴムとなるので好ましくない。
【0028】具体的には2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプ
ロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブ
チルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、2,4−ジクロロベンゾイル
パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロ
ロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオ
キサイド、ジクミルパーオキサイド、ジアルキルパーオ
キサイド、ケタールパーオキサイドを挙げることができ
る。
【0029】共架橋剤としては、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート、トリメチルプロパ
ン、N,N’−m−フェニルジマレイミドなどを挙げる
ことができる。共架橋剤の配合量はゴム100質量部に
対して0.5〜5質量部よりこのましくは2〜5重量部
を配合する。配合量が0.5質量部未満であると未架橋
の場合の粘度が低くなりにじみだし不良の原因となり、
5質量部を超えると架橋度が上がりすぎ、引裂き力が著
しく低下するので好ましくない。
【0030】上記カーボンブラック、有機過酸化物、共
架橋剤以外にも通常ゴムなどに用いられる配合剤を必要
に応じて配合することができる。例えば、可塑剤、短繊
維、粘着付与剤、スコーチ防止剤、着色剤、紫外線吸収
剤、難燃剤、耐油性向上剤、その他充填剤等が挙げられ
る。
【0031】可塑剤としては、例えばポリジメチルシロ
キサンオイル、ジフェニルシランジオール、トリメチル
シラノール、その他DOPなどのフタレート系、DO
A、DIDAなどのアジペート系、DOS、DBSなど
のセバケート系、TOP、TBPなどのフォスフェート
系、ポリエーテル系の可塑剤を挙げることができる。そ
して可塑剤の配合量は10〜50重量部程度である。
【0032】短繊維は、綿、ポリエステル、ポリアミ
ド、アラミドなどの繊維からなる長さが1〜10mm程
度の通常よく用いられる短繊維を用いることができる。
【0033】短繊維のミラブルウレタンへの混入量は、
ミラブルウレタン100重量部に対して1〜30重量部
の範囲で混入するのが好ましい。1重量部未満であると
短繊維でのモジュラスを向上させる効果が十分に得られ
ず、20重量部を越えると硬度が高くなりすぎるために
好ましくない。
【0034】充填剤としては、珪藻土、亜鉛華、塩基性
炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪酸マグネシウ
ム、珪酸アルミニウム、二酸化チタン、タルク、雲母、
硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ア
スベスト、ガラス繊維、カーボンブラック、炭酸カルシ
ウム、二酸化チタン、クレー、タルク、アルミナ、シリ
カなどの無機充填剤が挙げられる。
【0035】本発明を適用できるベルトは、動力伝動の
用途に用いるもの、また搬送の用途に用いるものなど、
用途または形状・仕様に限定されるものではなく、図1
に示すような編布3を搬送面2に積層し、搬送面にはゴ
ムの皮膜を有する平ベルト1、その他図示はしないが歯
付ベルトやVベルト、Vリブドベルト、ラップドベル
ト、コンベヤベルトなど様々なベルトに適用できるもの
である。また、ベルト全体が本発明のミラブルウレタン
の組成物でできているというものではなく、圧縮ゴム部
分のみであったり背面ゴムのみであったりベルトの一部
がこの組成物でなっているものも本発明の範囲に含まれ
るものである。
【0036】また、搬送ベルトとして用いる場合に、前
記のように搬送面2に編布3を積層配置してベルトのモ
ジュラスを向上させるとともに搬送面の編布3の表面に
ベルト本体を構成するウレタン結合を有するゴムの皮膜
を形成することによって、搬送面の摩擦係数を高く保つ
ことができる。また、編布3表面の皮膜はベルトの製造
時に編布を未架橋の搬送面に積層しておいて、加熱・加
圧することによって搬送面のウレタン結合を有するゴム
を編布3の表面に滲み出させることによって設けること
ができる。
【0037】そのような方法で皮膜を設けることによっ
て、搬送物とベルトとの間に適切なグリップ力を有する
こととなるので好ましくない。次に、本発明の実施例と
比較例を挙げて本発明の効果を確かめた。
【0038】
【実施例】(実施例1)実施例1に用いたゴム配合は、
ミラブルウレタン100質量部に対してカーボンブラッ
ク(FEF、ヨウ素吸着量43g/kg)を40質量
部、ステアリン酸1質量部、TAIC(共架橋剤)を2
質量部、DCP(40%)を5質量部配合したゴム組成
物を用いている。この組成物を用いてゴムシートを作成
し、未架橋状態での物性と架橋後の物性を測定した。ゴ
ム配合を表1に、物性の測定結果を表2に示す。
【0039】また、図1に示すような構造の搬送用平ベ
ルトを作成した。架橋条件は170℃×20min、圧
力は1.0MPaである。ベルトのサイズは研磨するこ
とによって1mm厚み×10mm幅×300mm周長と
した。また、搬送面となる部分にはポリエステル製の編
布を積層配置しており、ゴムを架橋する際に表面に滲み
出させることによって0.5mm厚みの皮膜を形成して
いる。このベルトを図2に示すレイアウトで搬送面同士
が触れ合うように2本のベルトを配置し200rpm、
24h、70℃、90%湿度下にて走行させた。また、
プーリをロックした状態で2本のベルトに挟まれた紙を
引き抜き、グリップ力を測定した。その結果を表3に示
す。
【0040】(実施例2)実施例2はベルトを構成する
ゴム組成物としてミラブルウレタン100質量部に対し
てTAICを5質量部配合した以外は実施例1とまった
く同様にしてゴムシートおよび搬送用平ベルトを作成し
た。
【0041】物性の測定結果を表2に、走行試験の結果
およびグリップ力測定の結果を表3に示す。
【0042】(実施例3)実施例3はベルトを構成する
ゴム組成物としてミラブルウレタン100質量部に対し
てカーボンブラック(FEF ヨウ素吸着量43g/k
g)を10質量部配合した以外は実施例1とまったく同
様にしてゴムシートおよび搬送用平ベルトを作成した。
【0043】物性の測定結果を表2に、走行試験の結果
およびグリップ力測定の結果を表3に示す。
【0044】(比較例1)比較例1ではベルトを構成す
るゴム組成物としてミラブルウレタン100質量部に対
して、TAIC(共架橋剤)を0.5質量部配合した以
外は実施例とまったく同様にしてゴムシートおよび搬送
用平ベルトを作成した。
【0045】物性の測定結果を表2に、走行試験の結果
およびグリップ力測定の結果を表3に示す。
【0046】(比較例2)比較例2ではベルトを構成す
るゴム組成物としてミラブルウレタン100質量部に対
して、TAIC(共架橋剤)を10質量部配合した以外
は実施例とまったく同様にしてゴムシートおよび搬送用
平ベルトを作成した。
【0047】物性の測定結果を表2に、走行試験の結果
およびグリップ力測定の結果を表3に示す。
【0048】(比較例3)比較例3ではベルトを構成す
るゴム組成物としてカーボンブラックを配合しなかった
以外は実施例とまったく同様にしてゴムシートおよび搬
送用平ベルトを作成した。
【0049】物性の測定結果を表2に、走行試験の結果
およびグリップ力測定の結果を表3に示す。
【0050】(比較例4)比較例4ではベルトを構成す
るゴム組成物としてカーボンブラックとしてヨウ素吸着
量43g/kgのFEFに代えてヨウ素吸着量82g/
kgのHAFカーボンブラックを用いた以外は実施例と
まったく同様にしてゴムシートおよび搬送用平ベルトを
作成した。
【0051】物性の測定結果を表2に、走行試験の結果
およびグリップ力測定の結果を表3に示す。
【0052】(比較例5)比較例5ではベルトを構成す
るゴム組成物としてカーボンブラックとしてヨウ素吸着
量43g/kgのFEFに代えてヨウ素吸着量82g/
kgのHAFカーボンブラックを用い、編布の表面に設
ける皮膜を滲み出しによるものではなく貼り付けにて設
けた以外は実施例とまったく同様にしてゴムシートおよ
び搬送用平ベルトを作成した。
【0053】物性の測定結果を表2に、走行試験の結果
およびグリップ力測定の結果を表3に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】表2の結果からわかるように、本発明の実
施例1、2、3はいずれもM100の値が大きく高モジ
ュラスである。更に引き裂き力においてもTR−Aでも
っとも低い実施例3でも18.9kN/mとなっている
ので実使用に際しては十分なレベルであるといえる。こ
れにたいして比較例2、3は引き裂き力がTR−Aで1
0kN/mを下回っており、ベルトとしては縦裂きの可
能性があるので実使用には不十分である。
【0058】以上のことからカーボンブラックとTAI
C(共架橋剤)の配合量を所定の範囲とすることによ
り、高モジュラスで引裂き力の強いゴムを得ることがで
きることがわかる。
【0059】比較例1は粘着が見られており、TAIC
の配合量が少ないと架橋度が不足して物性的に好ましく
ないことがわかる。
【0060】表3の結果より、比較例1はプーリに粘着
磨耗粒が付着しているが、これは表2の結果よりわかっ
たことと同様にTAICの配合量が少なく架橋度が不足
しているためであると考えられる。
【0061】比較例2では20hrにてベルトの縦裂き
による故障が発生している。この結果よりTAICの配
合量が多すぎても架橋度が上がりすぎて引裂き力が低下
してしまうことがわかる。更に、比較例3でも15hr
にて引裂きが発生しているが、カーボンブラックを配合
しなかったためにその補強効果が得られなかったことが
原因として考えられる。
【0062】比較例4はヨウ素吸着量が82g/kgの
HAFカーボンブラックを用いているが、そのために未
加硫ゴムの粘度が高く、編布を通してゴムが滲み出しに
くくなる。よって搬送面のグリップ力が極端に小さいと
いう結果になってしまっている。
【0063】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1では、ウ
レタン結合を有するゴム100質量部に対して、有機過
酸化物を0.2〜6質量部、共架橋剤を0.5〜5質量
部、ヨウ素吸着量が20〜50g/kg(FEF相当)
のカーボンブラックを10〜40質量部配合したゴム組
成物をベルトの少なくとも一部に用いたことを特徴とす
るベルトである。
【0064】カーボンブラックの中でも、このような粒
径の範囲のカーボンブラックを配合することによって、
粘着摩耗を発生させることなく耐引き裂き性やモジュラ
ス、通電性といった物性を向上させることができる。
【0065】請求項2では、ベルトが搬送面を有する搬
送ベルトであり、搬送面をポリエステルからなる編布で
補強したベルトとしており、ベルトの伸びを失うことな
く補強することができるものである。
【0066】請求項3では、編布の表面には、裏面から
ゴムを滲み出させることによりゴム皮膜が設けられてい
るベルトとしている。
【0067】このようにしてゴムの皮膜を設けることに
よって、粘着が発生しにくく粘着磨耗の少ない搬送面と
することができる。
【0068】請求項4では、ウレタン結合を有するゴム
100質量部に対して、有機過酸化物を0.2〜6質量
部、共架橋剤を0.5〜5質量部、ヨウ素吸着量が20
〜50g/kg(FEF相当)のカーボンブラックを1
0〜40質量部配合したゴム組成物としている。
【0069】カーボンブラックの中でも、このような粒
径の範囲のカーボンブラックを配合することによって、
粘着摩耗を発生させることなく耐引裂き性やモジュラ
ス、通電性といった物性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する平ベルトの要部断面斜視図で
ある。
【図2】走行試験のプーリレイアウトを示す概要図であ
る。
【符号の説明】
1 ベルト 2 編布 3 ウレタン結合を有するゴム
フロントページの続き Fターム(参考) 3F024 AA03 BA04 CA04 CB04 CB08 4J002 AC111 CK021 DA037 EK036 EK046 EK056 EK066 EU196

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウレタン結合を有するゴム100質量部
    に対して、有機過酸化物を0.2〜6質量部、共架橋剤
    を0.5〜5質量部、ヨウ素吸着量が20〜50g/k
    g(FEF相当)のカーボンブラックを10〜40質量
    部配合したゴム組成物をベルトの少なくとも一部に用い
    たことを特徴とするベルト。
  2. 【請求項2】 ベルトが搬送面を有する搬送ベルトであ
    り、搬送面をポリエステルからなる編布で補強した請求
    項1記載のベルト。
  3. 【請求項3】 編布の表面には、裏面からゴムを滲み出
    させることによりゴム皮膜が設けられている請求項2記
    載のベルト。
  4. 【請求項4】 ウレタン結合を有するゴム100質量部
    に対して、有機過酸化物を0.2〜6質量部、共架橋剤
    を0.5〜5質量部、ヨウ素吸着量が20〜50g/k
    g(FEF相当)のカーボンブラックを10〜40質量
    部配合したことを特徴とするベルト用ゴム組成物。
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Cited By (4)

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