JP2002069240A - クロロプレンゴム組成物及びこれを用いた伝動ベルト - Google Patents

クロロプレンゴム組成物及びこれを用いた伝動ベルト

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JP2002069240A
JP2002069240A JP2000256950A JP2000256950A JP2002069240A JP 2002069240 A JP2002069240 A JP 2002069240A JP 2000256950 A JP2000256950 A JP 2000256950A JP 2000256950 A JP2000256950 A JP 2000256950A JP 2002069240 A JP2002069240 A JP 2002069240A
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carbon black
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Mamoru Sawada
守 澤田
Yosuke Suefuji
陽介 末藤
Toru Noguchi
徹 野口
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シランカップリング剤処理したシリカとカー
ボンブラックを特定な範囲量で添加することにより、補
強効果を失うことなく粘着摩耗を抑制したクロロプレン
ゴム組成物及びこれを用いたVリブドベルト、Vベルト
などの摩擦伝動用ベルトを提供する。 【解決手段】 クロロプレンゴムに少なくとも表面処理
シリカ、カーボンブラック、短繊維、加硫促進剤、加硫
剤を配合したクロロプレンゴム組成物を使用し、上記ク
ロロプレンゴム100重量部に対して表面処理シリカを
5〜15重量部、カーボンブラックを20〜40重量部
添加し、表面処理シリカとカーボンブラックの合計量を
25〜55重量部にし、更に加硫後のクロロプレンゴム
組成物の150°Cにおける動的粘弾性測定による貯蔵
弾性率E’が15〜30MPa、損失係数tanδが
0.01〜0.06である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクロロプレンゴム組
成物及びこれを用いた伝動ベルトに係り、詳しくは補強
効果を失うことなく粘着摩耗を抑制したクロロプレンゴ
ム組成物及びこれを用いたVリブドベルト、Vベルトな
どの摩擦伝動用ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】今日、Vベルト、Vリブドベルト等の伝
動ベルトの代表的なゴム素材としてはクロロプレンゴム
が知られている。クロロプレンゴムは耐熱性、耐オゾン
性、耐候性、耐油性、耐薬品性などの面で一様に優れた
性質を有しており、幅広い用途に使用されている。
【0003】クロロプレンゴムのうち硫黄変性タイプの
ものは、加硫剤として酸化亜鉛や酸化マグネシウムなど
の金属酸化物に、またはこれと加硫促進剤が使用されて
いる。また、非硫黄変性タイプの場合には、金属酸化物
と加硫促進剤が併用されている。クロロプレンゴム組成
物を伝動ベルトに使用すると、プーリ面に接するゴム層
の粘着性を改善するために、硫黄を添加して架橋密度を
上げたり、またカーボンブラックを高充填してゴム硬度
を高くしていた。
【0004】しかし、繰り返し圧縮力を受ける伝動ベル
トにカーボンブラックを高充填したたゴム組成物を使用
した場合には、カーボンブラックの大きな凝集塊が発生
して補強性、耐摩耗性、引張り強さ、ヒステリシスが発
揮されず早期ベルト寿命の原因になっていた。
【0005】カーボンブラックの表面改質手段では、高
表面積のカーボンブラックを対象にした場合には、分散
効果に顕著な向上が見られなかった。また、分散剤を使
用した場合には、投入時間や最適配合量の調整に困難が
伴い、モジュラスなどのゴム物性に悪影響を与える恐れ
があった。
【0006】そこで、最近では、クロロプレンゴムに金
属酸化物とビスマレイミドを配合することで、架橋密度
を高め、かつ加工安全性を確保したゴム組成物を用いた
伝動ベルトが提案され、特公昭61−46698号公報
に開示されている。更に、クロロプレンゴムにアラミド
短繊維を含有するとともに、金属酸化物とビスマレイミ
ドを配合したゴム組成物を用いた伝動ベルトも提案さ
れ、特公平5−63656号公報に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のクロロ
プレンゴム組成物の場合、金属酸化物とビスマレイミド
の併用だけでは架橋密度が十分に上がらず、Vベルト、
Vリブドベルト等の摩擦伝動ベルトでは、充分な品質を
確保することができなかった。例えば、Vベルト、Vリ
ブドベルトでは、カーボンブラックや短繊維を高充填し
ても、ベルトのへたりや粘着は大きく改善することがで
きなかった。
【0008】本発明はこのような問題点を改善するもの
であり、シランカップリング剤処理したシリカとカーボ
ンブラックを特定な範囲量で添加することにより、補強
効果を失うことなく粘着摩耗を抑制したクロロプレンゴ
ム組成物及びこれを用いたVリブドベルト、Vベルトな
どの摩擦伝動用ベルトを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本願請求項1記載
の発明は、クロロプレンゴムに少なくともシリカ、カー
ボンブラック、加硫促進剤、加硫剤を配合したクロロプ
レンゴム組成物において、上記クロロプレンゴム100
重量部に対してシランカップリング剤処理したシリカを
5〜15重量部、カーボンブラックを20〜40重量部
添加し、シランカップリング剤処理したシリカ(以下、
表面処理シリカと記す)とカーボンブラックの合計量を
25〜55重量部にし、更に加硫後のクロロプレンゴム
組成物の150°Cにおける動的粘弾性測定による貯蔵
弾性率E’が15〜30MPa、損失係数tanδが
0.01〜0.06になるクロロプレンゴム組成物にあ
り、表面処理シリカとカーボンブラックを特定量添加す
ることにより補強効果を失うことなく粘着摩耗を抑制し
たクロロプレンゴム組成物を得ることできる。
【0010】本願請求項2記載の発明は、ベルト長さ方
向に沿って心線を埋設した接着ゴム層と、ベルト長さ方
向に延びる少なくとも圧縮ゴム層とからなる伝動ベルト
において、該圧縮ゴム層にクロロプレンゴムに少なくと
も表面処理シリカ、カーボンブラック、短繊維、加硫促
進剤、加硫剤を配合したクロロプレンゴム組成物を使用
し、上記クロロプレンゴムに少なくとも表面処理シリ
カ、カーボンブラック、短繊維、加硫促進剤、加硫剤を
配合したクロロプレンゴム組成物を使用し、上記クロロ
プレンゴム100重量部に対して表面処理シリカを5〜
15重量部、カーボンブラックを20〜40重量部添加
し、表面処理シリカとカーボンブラックの合計量を25
〜55重量部にし、更に加硫後のクロロプレンゴム組成
物の150°Cにおける動的粘弾性測定による貯蔵弾性
率E’が15〜30MPa、損失係数tanδが0.0
1〜0.06である伝動ベルトにあり、補強効果を失う
ことなく粘着摩耗を抑制し、走行時の騒音を減少させた
摩擦伝動ベルトを得ることができる。
【0011】本願請求項3記載の発明は、伝動ベルトが
ベルト長さ方向に沿って心線を埋設した接着ゴム層と、
ベルト長さ方向に延びる少なくとも2つのリブ部を有す
る圧縮ゴム層とからなるVリブドベルトである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のクロロプレンゴム組成物
は、クロロプレンゴムに少なくとも表面処理シリカ、カ
ーボンブラック、加硫促進剤、加硫剤を配合したもので
あり、具体的にはクロロプレンゴム100重量部に対し
て表面処理シリカを5〜15重量部、カーボンブラック
を20〜40重量部添加し、表面処理シリカとカーボン
ブラックの合計量を25〜55重量部にし、更に加硫後
のクロロプレンゴム組成物の150°Cにおける動的粘
弾性測定による貯蔵弾性率E’が15〜30MPa、損
失係数tanδが0.01〜0.06になるクロロプレ
ンゴム組成物にある。
【0013】損失係数tanδは損失弾性率E”を貯蔵
弾性率E’で除したものであり、振動1サイクルの間に
熱として散逸されるエネルギーと貯蔵される最大ネネル
ギーとの比の尺度となっている。即ち、損失係数tan
δはゴム組成物に加えられる振動エネルギーが熱として
散逸され易さを表わすものであり、tanδの値が大き
くなるほど、外部から加えられる機械的エネルギーが熱
に変わりやすくなって内部の応力集中が減少して耐クラ
ック性が向上し、一方tanδの値が小さくなるほど、
機械的エネルギーが熱に変わりにくくなって、内部発熱
に伴う粘着摩耗を抑制することができ、更には寸法安定
性を向上させることができる。
【0014】本発明のクロロプレンゴム組成物は、15
0°Cにおける動的粘弾性による貯蔵弾性率E’が15
〜30MPaと高い範囲にあり、また損失係数tanδ
が0.01〜0.06と比較的小さい範囲になっている
ため、内部発熱に伴う粘着摩耗を抑制することができ、
更には寸法安定性を向上し、伝動ベルトの圧縮ゴム層に
適切なものになる。
【0015】動的粘弾性試験の測定温度が150°Cで
は、貯蔵弾性率E’と損失係数tanδがいずれも安定
して平衡になり、これ以上の温度で測定する必要がな
い。これ以上の高い温度になると、ゴムの分解などが起
る可能性があるため、適していない。一方、150°C
未満では、貯蔵弾性率E’と損失係数tanδがいずれ
も不安定になる。
【0016】上記クロロプレンゴムは、硫黄変性タイプ
のものでも非硫黄変性タイプのものでもいずれのタイプ
であっても構わないが、非硫黄変性タイプのクロロプレ
ンゴムの方がチアゾール系加硫促進剤またはスルフェン
アミド系加硫促進剤を配合することによる接着力を向上
させる効果がより顕著である。
【0017】表面処理シリカは、乾式シリカや湿式シリ
カをシランカップリング剤で表面処理して分散性を向上
させたものである。湿式シリカ(含水ケイ酸)は、一般
にはケイ酸ナトリウムと鉱酸および塩類を水溶液中で反
応させる方法で得ることができ、乾式シリカに比べ表面
に多数のシラノール基を有するために高い極性をもつ。
また湿式シリカは、乾式シリカに比べコストが低く、加
工性が良好であるといった長所を有している。
【0018】シランカップリング剤としては、3−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエト
キシシラン、3−シアノプロピルジメチルクロロシラ
ン、3−[N−アリル−N−(2−アミノエチル)]アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、P−[N−(2−アミ
ノエチル)アミノメチル]フェネチルトリメトキシシラ
ン、N−(2−アミノメチル)−3−アミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、1−(3−アミノプロピル)−
1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン、3−アミ
ノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、α,
ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサ
ン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチル
シロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,
1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス
(メルカプトメチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω
−ビス(メルカプトメチル)ポリジメチルシロキサン、
1,3−ビス(メルカプトメチル)−1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−メルカプト
プロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3
−メルカプトプロピル)ポリジメチルシロキサン、1,
3−ビス(3−メルカプトメチル)−1,1,3,3−テ
トラメチルジシロキサン、N,N−ビス[(メチルジメト
キシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス[3−(メ
チルジメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンN,
N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミ
ン、N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピ
ル]エチレンジアミン、3−メルカプトプロピルトリス
(トリメチルシロキシ)シラン、1−トリメトキシシル
−4,7,10−トリアザデカン、N−[(3−トリメト
キシシリル)プロピル]トリエチレンテトラミン、N−
3−トリメトキシシリルプロピル−m−フェニレンジア
ミン等から選ばれものである。
【0019】上記シリカの添加量は、クロロプレンゴム
100重量部に対して5〜15重量部であり、5重量部
未満の場合には補強性の向上が見られず、一方15重量
部を超えるとゴム組成物のムーニー粘度が高くなり加工
及び成形が困難となる。
【0020】カーボンブラックは、例えばHAF、MA
F、EPC、SAF、ISAFなどがある。尚、カーボ
ンブラックはこの種に特定されるものではない。カーボ
ンブラックの添加量はクロロプレンゴム100重量部に
対して20〜40重量部であり、20重量部未満の場合
には補強性の向上が見られず、一方40重量部を超える
とゴム組成物のムーニー粘度が高くなり加工及び成形が
困難となる。
【0021】また、上記表面処理シリカとカーボンブラ
ックの合計量はクロロプレンゴム100重量部に対して
25〜55重量部である。この範囲であると、カーボン
ブラックの補強性を失うことなくシリカの特性も付与で
き、切断伸度を低下させることなく、150°Cにおけ
る貯蔵弾性率E’を増大させ、かつ損失係数tanδを
低下させることで粘着摩耗を抑制することができる。し
かし、該シリカの添加量を上記の範囲より増大し、カー
ボンブラックを減量すると、カーボンブラックの補強効
果を失い、150°Cにおける貯蔵弾性率E’は低下
し、かつ損失係数Tanδが増大するために、粘着摩耗
を抑制する効果がなくなる。
【0022】加硫促進剤としては、チアゾール系加硫促
進剤には、具体的に2−メルカプトベンゾチアゾール、
2−メルカプトチアゾリン、ジベンドチアジル・ジスル
フィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩等が
あり、チウラム系加硫促進剤には、具体的にテトラメチ
ルチウラム・モノスルフィド、テトラメチルチウラム・
ジスルフィド、テトラエチルチウラム・ジスルフィド、
N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラム・
ジスルフィド等があり、またスルフェンアミド系加硫促
進剤には、具体的にN−シクロヘキシル−2−ベンゾチ
アジルスルフェンアミド、、N,N’−シクロヘキシル
−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等がある。
【0023】また、他の加硫促進剤としては、ビスマレ
イミド、エチレンチオウレアなども使用できる。
【0024】加硫剤としては、酸化亜鉛、酸化マグネシ
ウムから選ばれる少なくとも一種の金属酸化物が使用さ
れ、クロロプレンゴム100重量部に対して1〜20重
量部である。
【0025】これ以外に、通常、クロロプレンゴムに配
合される老化防止剤、補強剤、充填剤、可塑剤,軟化剤
などの配合剤を添加することは何ら本発明から外れるも
のではない。
【0026】老化防止剤としてはアミン系、フェノール
系、ベンゾイミダゾール系などの老化防止剤が挙げられ
る。
【0027】充填剤、補強剤としては、短繊維、クレ
ー,炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタンなどが
挙げられる。可塑剤としては、ナフテン系オイル、アロ
マチック系オイルなどを用いることができる。
【0028】上記短繊維としては、ポリエステル、ポリ
アミド、アラミド、ビニロン、綿等の有機繊維が使用さ
れる。好ましくは、その長さは2〜10mmであり、ま
た添加量はゴム100重量部に対して2〜30重量部で
ある。
【0029】軟化剤としては、一般的なゴム用の可塑
剤、例えばジブチルフタレート(DBP)、ジオクチル
フタレート(DOP)等のフタレート系、ジオクチルア
ジペート(DOA)等のアジペート系、ジオクチルセバ
ケート(DOS)等のセバケート系、トリクレジルホス
フェート等のホスフェートなど、あるいは一般的な石油
系の軟化剤が含まれる。上記軟化剤の添加量は、クロロ
プレンゴム100重量部に対して0〜20重量部、好ま
しくは5〜16重量部である。
【0030】前記各成分を混合する方法としては、例え
ばバンバリーミキサー、ロール、ニーダー、そして押出
機等限定するものでなく、適宜公知の手段、方法によっ
て混練することができる。また加硫方法も限定されるも
のでなく、モールド加熱、熱空気加熱、回転ドラム式加
硫機、射出成形機等の加硫装置を用いた公知の手段で加
硫される。
【0031】しかして、上記クロロプレンゴム組成物は
VリブドベルトやVベルトのような摩擦伝動ベルトを構
成しているゴム層のうち少なくともプーリに接する圧縮
ゴム層に使用される。図1は上記クロロプレンゴム組成
物を使用したVリブドベルトの断面図を示す。このVリ
ブドベルト1は、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガ
ラス繊維を素材とする高強度で低伸度のコードよりなる
心線2を接着ゴム層3中にベルト長さ方向に沿って埋設
し、その下側に弾性体層である圧縮ゴム層4を具備して
いる。この圧縮ゴム層4には、ベルト長手方向に延びる
断面略逆台形状の複数のリブ7が設けられ、またベルト
背面にはゴム付帆布5が設けられている。
【0032】前記圧縮ゴム層4には、クロロプレンゴム
に少なくとも表面処理シリカ、カーボンブラック、短繊
維、加硫促進剤、加硫剤を配合したもので、クロロプレ
ンゴムに少なくとも表面処理シリカ、カーボンブラッ
ク、短繊維、加硫促進剤、加硫剤を配合したクロロプレ
ンゴム組成物を使用し、上記クロロプレンゴム100重
量部に対して表面処理シリカを5〜15重量部、カーボ
ンブラックを20〜40重量部添加し、表面処理シリカ
とカーボンブラックの合計量を25〜55重量部にし、
更に加硫後のクロロプレンゴム組成物の150°Cにお
ける動的粘弾性測定による貯蔵弾性率E’が15〜30
MPa、損失係数tanδが0.03〜0.06である
伝動ベルトにあり、補強効果を失うことなく粘着摩耗を
抑制し、走行時の騒音を減少させた摩擦伝動ベルトを得
ることができる。
【0033】Vリブドベルト1の製造方法の一例は以下
の通りである。まず、円筒状の成形ドラムの周面に1〜
複数枚のゴム付帆布と接着ゴム層とを巻き付けた後、こ
の上にコードからなる心線を螺旋状にスピニングし、更
に圧縮ゴム層を順次巻き付けて積層体を得た後、これを
加硫して加硫スリーブにする。次に、加硫スリーブを駆
動ロールと従動ロールに掛架され所定の張力下で走行さ
せ、更に回転させた研削ホイールを走行中の加硫スリー
ブに当接するように移動して加硫スリーブの圧縮ゴム層
表面に3〜100個の複数の溝状部を一度に研削する。
このようにして得られた加硫スリーブを駆動ロールと従
動ロールから取り外し、該加硫スリーブを他の駆動ロー
ルと従動ロールに掛架して走行させ、カッターによって
所定の幅に切断して個々のVリブドベルトに仕上げる。
【0034】むろん、本発明においては、上記のVリブ
ドベルト以外にも、図2に示すようにベルトの上下表面
のみにゴム付帆布22を付着したVベルト21も含む。
このVベルト21は、心線23を接着ゴム層24中に埋
設し、その下側に弾性体層である圧縮ゴム層26を有し
ている。この圧縮ゴム層26には、コグを長手方向に沿
って所定間隔で設けてもよい。
【実施例】以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。 実施例1〜3、比較例1〜3 (加硫ゴムシートの評価)表1に示す配合をバンバリー
ミキサーで混練後、オープンロールで3回薄通しを行
い、所定厚みに圧延した後、153°Cで30分加硫し
て得られた加硫ゴムシートを得た。得られたシートの機
械的特性、動的粘弾性測定を下記の方法により行った。
その結果を表1に示す。また、図3は表1のおける貯蔵
弾性率E’(150°C)と損失係数tanδ(150
°C)の結果をプロットしたものを、図4は貯蔵弾性率
E’(150°C)と切断伸度の結果をプロットしたも
のを、そして図5は貯蔵弾性率E’(150°C)と圧
縮歪率をプロットしたものを示す。
【0035】1.引張試験 加硫ゴムシートを打ち抜いて、3号ダンベルを試験片と
して用い、JIS K6251に準じて行った。
【0036】2.引裂強度 上記加硫ゴムシートのクレセント型を試験片として用
い、JIS K6252に準じて行った。
【0037】3.圧縮永久歪試験 円柱状加硫ゴム試験片として用い、JIS K6262
に準じて行った。
【0038】4.動的粘弾性測定試験 長さ40mm、幅5mm、厚さ2mmの加硫ゴムシート
を試験片とし、これをDMS測定モジュール210型粘
弾性試験機(セイコーインスツルメント社製)に装着
し、温度150°C、振幅10μm、周波数10Hzの
測定条件で、貯蔵弾性率E’(150°C)と損失係数
Tanδ(150°C)を測定した。
【0039】
【表1】
【0040】この結果、図1から、粘着摩耗の指標であ
る貯蔵弾性率E’(150°C)が20MPa以上、損
失係数tanδ(150°C)が0.06以下となる表
面処理シリカ量は5〜15重量部の範囲であることが判
る。また、図2と図3より、この範囲の表面処理シリカ
量では、切断伸度がほとんど変化せず、圧縮歪率の低下
が認められた。従って、表面処理シリカ量が5〜15重
量部の範囲であれば、動的疲労性を低下させることな
く、粘着摩耗を抑制することができ、更には寸法安定性
を向上させることができることが判る。
【0041】(Vリブドベルトの作製と走行試験評価)
本実施例で製造したVリブドベルトでは、ポリエステル
繊維のロープからなる心線を接着ゴム層内に埋設し、そ
の上側にゴム付綿帆布を2プライ積層し、他方接着ゴム
層の下側に設けた圧縮ゴム層に3個のリブをベルト長手
方向に配したものである。得られたVリブドベルトはR
MA規格による長さ975mmのK型3リブドベルトで
あり、リブピッチ3.56mm、リブ高さ2.9mm、
ベルト厚さ5.3mm、リブ角度40°である。
【0042】ここで使用した圧縮ゴム層のゴム組成物は
表1の実施例2と比較例2に示すゴム組成物から調製
し、バンバリーミキサーで混練後、カレンダーロールで
圧延したものを用いた。圧縮ゴム層には短繊維が含まれ
ベルト幅方向に配向しているが、接着ゴム層は表1に示
すゴム組成物から短繊維を除去したゴム配合になる。
【0043】ベルトの製造方法は従来の方法であり、ま
ずフラットな円筒モールドに2プライのゴム付綿帆布を
巻いた後、接着ゴム層を巻き付けて、心線をスピニング
し、圧縮ゴム層を設置した後、圧縮ゴム層の上に加硫用
ジャケットを挿入する。次いで、成形モールドを加硫缶
内に入れ、加硫した後、筒状の加硫スリーブをモールド
から取り出し、該スリーブの圧縮ゴム層をグラインダー
によってリブに成形し、成形体から個々のベルトに切断
する工程からなっている。このようにして得られたVリ
ブドベルトの粘着摩耗試験を下記の方法で行った。
【0044】粘着摩耗試験では、3リブのVリブドベル
トを室温下で駆動プーリ(直径120mm)、従動プー
リ(直径120mm)、これにアイドラープーリ(直径
45mm)に設置し、従動プーリに負荷12馬力、アイ
ドラープーリけの取付荷重85kgf、回転数4900
で48時間走行させた。その後のベルト表面の粘着摩耗
の有無を調べた。
【0045】この結果、実施例2のゴム組成物を使用し
たVリブドベルトでは、リブ部の表面に粘着摩耗が起っ
ていなかったが、比較例2のゴム組成物を使用したVリ
ブドベルトでは、粘着摩耗が生じてプーリにゴム粕が付
着していた。
【0046】
【発明の効果】以上のように本願請求項記載の発明で
は、クロロプレンゴム100重量部に対して表面処理シ
リカを5〜15重量部、カーボンブラックを20〜40
重量部添加し、表面処理シリカとカーボンブラックの合
計量を25〜55重量部にし、更に加硫後のクロロプレ
ンゴム組成物の150°Cにおける動的粘弾性測定によ
る貯蔵弾性率E’が15〜30MPa、損失係数tan
δが0.03〜0.06になるクロロプレンゴム組成物
にあり、表面処理シリカとカーボンブラックを特定量添
加することにより補強効果を失うことなく粘着摩耗を抑
制できる効果がある。
【0047】また、ベルト長さ方向に沿って心線を埋設
した接着ゴム層と、ベルト長さ方向に延びる少なくとも
圧縮ゴム層とからなる伝動ベルトにおいて、該圧縮ゴム
層に上記クロロプレンゴム組成物を使用することによ
り、補強効果を失うことなく粘着摩耗を抑制し、走行時
の騒音を減少させた摩擦伝動ベルトを得ることができる
効果があり、このベルトの中でもVリブドベルトでは特
に優れた効果が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るVリブドベルトの縦断面図であ
る。
【図2】本発明に係るVカットエッジタイプのVベルト
の縦断面図である。
【図3】表1のおける表面処理シリカの添加量と貯蔵弾
性率E’(150°C)と損失係数tanδ(150°
C)の結果をプロットしたものである。
【図4】表1のおける表面処理シリカの添加量と貯蔵弾
性率E’(150°C)と切断伸度の結果をプロットし
たものでる。
【図5】表1のおける表面処理シリカの添加量と貯蔵弾
性率E’(150°C)と圧縮歪率をプロットしたもの
である。
【符号の説明】
1 Vリブドベルト 2、23 心線 3、24 接着ゴム層 4 、26 圧縮ゴム層 5、22 ゴム付帆布 7 リブ部 21 Vベルト
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16G 5/20 F16G 5/20 A Fターム(参考) 4F072 AA02 AA05 AB03 AB04 AB05 AB06 AD02 AE00 AE01 AE02 AF01 AF06 AL16 4J002 AB012 AC091 BE022 CF002 CL002 CL062 DA037 DE079 DE109 DJ016 EU028 EV128 EV168 EV278 EV308 EV348 FA042 FB146 FB156 FD010 FD012 FD016 FD017 FD020 FD149 FD158 GF00 GM01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロロプレンゴムに少なくともシリカ、
    カーボンブラック、加硫促進剤、加硫剤を配合したクロ
    ロプレンゴム組成物において、上記クロロプレンゴム1
    00重量部に対してシランカップリング剤処理したシリ
    カを5〜15重量部、カーボンブラックを20〜40重
    量部添加し、シランカップリング剤処理したシリカとカ
    ーボンブラックの合計量を25〜55重量部にし、更に
    加硫後のクロロプレンゴム組成物の150°Cにおける
    動的粘弾性測定による貯蔵弾性率E’が15〜30MP
    a、損失係数tanδが0.01〜0.06になること
    を特徴とするクロロプレンゴム組成物。
  2. 【請求項2】 ベルト長さ方向に沿って心線を埋設した
    接着ゴム層と、ベルト長さ方向に延びる少なくとも圧縮
    ゴム層とからなる伝動ベルトにおいて、該圧縮ゴム層に
    クロロプレンゴムに少なくともシリカ、カーボンブラッ
    ク、短繊維、加硫促進剤、加硫剤を配合したクロロプレ
    ンゴム組成物を使用し、上記クロロプレンゴム100重
    量部に対してシランカップリング剤処理したシリカを5
    〜15重量部、カーボンブラックを20〜40重量部添
    加し、シランカップリング剤処理したシリカとカーボン
    ブラックの合計量を25〜55重量部にし、更に加硫後
    のクロロプレンゴム組成物の150°Cにおける動的粘
    弾性測定による貯蔵弾性率E’が15〜30MPa、損
    失係数tanδが0.01〜0.06であることを特徴
    とする伝動ベルト。
  3. 【請求項3】 伝動ベルトが、ベルト長さ方向に沿って
    心線を埋設した接着ゴム層と、ベルト長さ方向に延びる
    少なくとも2つのリブ部を有する圧縮ゴム層とからなる
    Vリブドベルトである請求項2記載の伝動ベルト。
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