JP2003165645A - 搬送ベルト及び搬送ベルト用ゴム組成物 - Google Patents

搬送ベルト及び搬送ベルト用ゴム組成物

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JP2003165645A
JP2003165645A JP2001367113A JP2001367113A JP2003165645A JP 2003165645 A JP2003165645 A JP 2003165645A JP 2001367113 A JP2001367113 A JP 2001367113A JP 2001367113 A JP2001367113 A JP 2001367113A JP 2003165645 A JP2003165645 A JP 2003165645A
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mass
rubber
hydrogenated nitrile
nitrile rubber
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JP2001367113A
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English (en)
Inventor
Takeshi Nishiyama
健 西山
Toshiaki Koga
稔章 古賀
Toshimichi Takada
俊通 高田
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴムの圧縮永久歪や引張請求伸びなどの物性
を改善することによってセット性を向上し、張力維持性
のよい、また通電性の良好な搬送ベルトを提供する。 【解決手段】 自動改集札機や両替機などにおいて紙
幣、カード、コインなどを搬送する用途で用いられる搬
送ベルト1において、ゴム層2にはヨウ素価が15〜3
2.5mg/100mgの水素化ニトリルゴム100質
量部に対して有機過酸化物を1〜4質量部、共架橋剤を
1〜10質量部、カーボンブラックを35〜50質量部
配合したゴム組成物を有機過酸化物架橋したゴムを用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカード、切符、紙幣
などの紙葉類、またコインなどを搬送するベルトであ
り、水素化ニトリルゴムを主成分としたゴム組成物から
なる搬送ベルトに係わり、詳しくはセット性に優れ張力
維持性が高く、通電性も良好な搬送ベルトに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ATM、自動改札機など紙幣や切符など
のカード、紙葉類を搬送にゴム製のベルトが多く用いら
れている。これらの装置では、紙幣や切符やプリペイド
カードなどを搬送すると同時にデータを読み取りするな
どの処理が行われる。
【0003】この際、ベルトは多軸レイアウトにて用い
られることが多く、ベルトの背面同士をあわせて、その
間に紙幣、切符などの紙葉類を挟持した状態で搬送する
といった使用法で使われている。このような形態の場
合、上下両方のベルトが常に接触し擦れ合っているので
静電気が発生しやすい形態であるといえる。そこでベル
トとしては静電気を帯びてもすぐに放電することができ
るように通電性に優れた素材を用いることが好ましい。
【0004】また上記のような用途に用いるベルトとし
ては、搬送面の摩耗によりベルトの摩擦係数が大きく変
化したり、ベルトに伸びが発生したりすることがないこ
とが求められる。従来はこのようなベルトの素材として
ミラブルウレタンや水素化ニトリルゴムからなる平ベル
トが用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ベルトには、張力をか
けても伸びてしまわないようにベルト長手方向に沿って
ロープや帆布などからなる心体(心線と呼ばれるものも
含む)が埋設されているものもあるが、例えば軸間距離
調整機構を持たないレイアウトにおいて使用される搬送
用ベルトは、ベルト取り付け時にベルトが容易に伸縮す
る必要があり、伸縮性を有するように、ロープや織布等
の抗張体となるものを埋設していない弾性体単体もしく
は編布などが埋設されたベルトが使用されていた。しか
しながらこのようなベルトはベルトのモジュラスが低
く、起動時などで急激なトルクがかかるショックロード
時にベルトがはずれてしまう問題がある。
【0006】またこのようなベルトの素材として水素化
ニトリルゴムを用いる場合、これまでは有機過酸化物架
橋を行った場合は電気抵抗地が高くなるといった理由か
ら硫黄にて架橋したゴムを用いていたが、ベルトにした
場合にセット性に劣り、ベルトに張力がかかった状態で
使用しているとベルトに伸びが発生してもとに戻らず張
力が低下してしまうといった問題があった。張力が低下
するとベルトがスリップして搬送能力が低下することに
なる。ベルトの伸びが発生することによりなおさらベル
トがはずれてしまうという問題は発生しやすくなる。
【0007】また、ベルトが伸びてしまうとベルトの走
行速度の変動、ひいては搬送速度の変動につながるので
例えば磁気カードに記録されたデータを読み取る際の読
み取りミス発生の原因となりえる。
【0008】そこで本発明はこのような問題を解決し、
ベルトが伸びて戻らないといった問題がなく張力維持性
に優れており、また通電性も良好で静電気を滞留させる
ことのない水素化ニトリルゴム加硫物およびそれを用い
た搬送用平ベルトの提供を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するために本発明の請求項1は、水素化ニトリルゴムを
主成分としたゴム組成物からなる搬送ベルトにおいて、
ヨウ素価が15〜32.5mg/100mgの水素化ニ
トリルゴム100質量部に対して有機過酸化物を1〜4
質量部、共架橋剤としてN,N’−m−フェニレンジマ
レイミドもしくはトリアリルイソシアヌレートを1〜1
0質量部、カーボンブラックを35〜50質量部配合し
たゴム組成物を有機過酸化物架橋したゴムを用いてなる
ことを特徴とする。
【0010】このようにヨウ素価が所定の範囲の水素化
ニトリルゴムを用いて有機過酸化物架橋したゴムを用い
ることによって、ゴムのセット性が改善されるのでベル
トが伸びてしまって戻らなくなるといったことがなくな
り張力維持性のよい、またカーボンブラックを所定の範
囲配合することによって通電性の良好な搬送ベルトを得
ることができる。
【0011】請求項2では、共架橋剤としてN,N’−
m−フェニレンジマレイミドに限定した搬送ベルトとし
ている。
【0012】2種類の共架橋剤の中でもN,N’−m−
フェニレンジマレイミドを用いることがベルトの伸びを
防止し張力維持性を高める上で好適である。
【0013】請求項3では、水素化ニトリルゴムのヨウ
素価が23.5〜32.5mg/100mgであるとと
もにN,N’−m−フェニレンジマレイミドの配合量が
水素化ニトリルゴム100質量部に対して1〜5質量部
である搬送ベルトとしている。
【0014】また、請求項4では、水素化ニトリルゴム
のヨウ素価が15〜20mg/100mgであるととも
にN,N’−m−フェニレンジマレイミドの配合量が水
素化ニトリルゴム100質量部に対して2〜10質量部
である搬送ベルトとしている。
【0015】請求項1に示した水素化ニトリルゴムのヨ
ウ素価の範囲内でも特に高い側の23.5〜32.5m
g/100mgの範囲内のものは共架橋剤の配合量を1
〜5質量部にすることによって、また、低い側の15〜
20mg/100mgの範囲内のものは共架橋剤の配合
量を2〜10質量部とすることによってより良好なセッ
ト性を得ることができる。
【0016】請求項5では、カーボンブラックがアセチ
レンブラックである搬送ベルトとしており、アセチレン
ブラックを用いることによって極めて良好な通電性を得
ることができるものである。
【0017】請求項6では、水素化ニトリルゴムを主成
分としたゴム組成物からなる搬送ベルト用ゴム組成物に
おいて、ヨウ素価が15〜32.5mg/100mgの
水素化ニトリルゴム100質量部に対して有機過酸化物
を1〜4質量部、共架橋剤としてN,N’−m−フェニ
レンジマレイミドもしくはトリアリルイソシアヌレート
を1〜10質量部、カーボンブラックを35〜50質量
部配合したことを特徴とする。
【0018】請求項1と同様にヨウ素価が所定の範囲の
水素化ニトリルゴムを用いて有機過酸化物架橋したゴム
を用いることによって、ゴムのセット性が改善されるの
でベルトが伸びてしまって戻らなくなるといったことが
なくなり張力維持性のよい、またカーボンブラックを所
定の範囲配合することによって通電性の良好な搬送ベル
トを得ることができる。
【0019】請求項7では、共架橋剤としてN,N’−
m−フェニレンジマレイミドを用いた搬送ベルト用ゴム
組成物としている。
【0020】共架橋剤の中でもN,N’−m−フェニレ
ンジマレイミドを用いることがベルトの伸びを防止し張
力維持性を高める上で好適である。
【0021】請求項8では、水素化ニトリルゴムのヨウ
素価が23.5〜32.5mg/100mgであるとと
もに共架橋剤の配合量が水素化ニトリルゴム100質量
部に対して1〜5質量部である搬送ベルト用ゴム組成物
としている。
【0022】また請求項9では、水素化ニトリルゴムの
ヨウ素価が15〜20mg/100mgであるとともに
共架橋剤の配合量が水素化ニトリルゴム100質量部に
対して2〜10質量部である搬送ベルト用ゴム組成物と
している。
【0023】請求項6に示した水素化ニトリルゴムのヨ
ウ素価の範囲内でも特に高い側の23.5〜32.5m
g/100mgの範囲内のものは共架橋剤の配合量を1
〜5質量部にすることによって、また、低い側の15〜
20mg/100mgの範囲内のものは共架橋剤の配合
量を2〜10質量部とすることによってより良好なセッ
ト性を得ることができる。
【0024】請求項10では、カーボンブラックがアセ
チレンブラックである搬送ベルト用ゴム組成物としてお
り、アセチレンブラックを用いることによって極めて良
好な通電性を得ることができるものである。
【0025】 [発明の詳細な説明]第1図は、本発明の搬送ベルトを
平ベルトに適用した場合の要部斜視断面図である。本発
明の搬送用ベルト1は1層のゴム層2からなっており、
該ゴム層は、ヨウ素価が15〜32.5mg/100m
gの水素化ニトリルゴム(H−NBR)100質量部に
対して有機過酸化物を1〜4質量部、共架橋剤として
N,N’−m−フェニレンジマレイミドもしくはトリア
リルイソシアヌレートを1〜10質量部、カーボンブラ
ックを35〜50質量部配合したゴム組成物を有機過酸
化物架橋したゴムからなっている。
【0026】水素化ニトリルゴムとしてヨウ素価が上記
のような範囲内のものを用い、有機過酸化物架橋するこ
とによってゴムのセット性が向上し、そのことによって
それを用いたベルトは伸びの発生が防止され、ベルトの
張力維持性を高めることができるものである。また、カ
ーボンブラックを上記範囲で配合することによって良好
な通電性が得られる。
【0027】有機過酸化物は水素化ニトリルゴム100
質量部に対して1〜4質量部を配合するものであるが、
1質量部未満であると架橋が不十分となり、引張強さな
どの物性が劣ることになり、逆に4質量部を超えると過
架橋となり、伸びの劣るゴムとなるので好ましくない。
【0028】具体的に用いることができる有機過酸化物
としては、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,2−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼ
ン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイル
パーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、ジ
クミルパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ケ
タールパーオキサイドを挙げることができる。
【0029】また、水素化ニトリルゴム100質量部に
対して共架橋剤は1〜10質量部の範囲で配合される。
1質量部未満であると架橋度が上がらないので圧縮永久
歪や永久伸びなどのセット性が悪くなり、10質量部を
超えるとセット性はよいが過架橋となり硬度上昇、引裂
き力の低下が大きくなるので好ましくない。
【0030】共架橋剤としては、トリアリルイソシアヌ
レート(TAIC)、N,N’−m−フェニルジマレイ
ミドを用いるのであるが、本発明では更にこの中でも
N,N’−m−フェニルジマレイミドを用いることがゴ
ムのセット性を向上させると共により高い強度をもたせ
ることができる点で好ましいといえる。
【0031】共架橋剤としてN,N’−m−フェニルジ
マレイミドを用いる場合、配合量について更に好ましく
は次のとおりである。水素化ニトリルゴムのヨウ素価が
15〜20mg/100mgである場合には、水素化ニ
トリルゴム100質量部に対して共架橋剤は2〜10質
量部の範囲で配合することが好ましい。また水素化ニト
リルゴムのヨウ素価が23.5〜32.5mg/100
mgである場合には、水素化ニトリルゴム100質量部
に対して共架橋剤は1〜5質量部の範囲で配合すること
が好ましい。
【0032】このようにきめ細かく配合量を設定するこ
とによって、より高いセット性を得ることができ、ベル
トの伸びを防止することができるので張力維持性も更に
向上することになる。
【0033】カーボンブラックは水素化ニトリルゴム1
00質量部に対して35〜50質量部を配合するが、3
5質量部未満であるとゴムの通電性が不足し、50質量
部を超えるとゴムが硬くなりすぎて引裂きなどの問題が
発生しやすくなるので好ましくない。
【0034】本発明にて用いることができるカーボンブ
ラックは通電性を付与することができるカーボンブラッ
クであり、アセチレンブラック、ファーネスブラック、
サーマルブラック、チャンネルブラックを挙げることが
できるが、その中でもアセチレンブラックを用いること
がより少ない配合量で充分な通電性を付与できるという
点で好ましいといえる。
【0035】上記カーボンブラック、有機過酸化物、共
架橋剤以外にも通常ゴムなどに用いられる配合剤を必要
に応じて配合することができる。例えば、可塑剤、短繊
維、粘着付与剤、スコーチ防止剤、着色剤、紫外線吸収
剤、難燃剤、耐油性向上剤、その他充填剤等が挙げられ
る。
【0036】可塑剤としては、例えばポリジメチルシロ
キサンオイル、ジフェニルシランジオール、トリメチル
シラノール、その他DOPなどのフタレート系、DO
A、DIDAなどのアジペート系、DOS、DBSなど
のセバケート系、TOP、TBPなどのフォスフェート
系、ポリエーテル系の可塑剤を挙げることができる。そ
して可塑剤の配合量は10〜50重量部程度である。
【0037】短繊維は、綿、ポリエステル、ポリアミ
ド、アラミドなどの繊維からなる長さが1〜10mm程
度の通常よく用いられる短繊維を用いることができる。
【0038】短繊維の配合量は、水素化ニトリルゴム1
00重量部に対して1〜30重量部の範囲で混入するの
が好ましい。1重量部未満であると短繊維でのモジュラ
スを向上させる効果が十分に得られず、30重量部を越
えると硬度が高くなりすぎるために好ましくない。
【0039】充填剤としては、珪藻土、亜鉛華、塩基性
炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪酸マグネシウ
ム、珪酸アルミニウム、二酸化チタン、タルク、雲母、
硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ア
スベスト、ガラス繊維、カーボンブラック、炭酸カルシ
ウム、二酸化チタン、クレー、タルク、アルミナ、シリ
カなどの無機充填剤が挙げられる。
【0040】図1では本発明を1層のゴム層のみからな
る平ベルトに適用した例を説明したが、ゴム層のみから
なる平ベルトに限られるものではない。図2に示すゴム
層12の搬送面13付近に編布14を埋設した平ベルト
11や図3に示すゴム層12の中ほどに編布14を埋設
した平ベルト11にあって、このような搬送ベルトに対
しても本発明の適用は可能である。また、平ベルトに限
られるものではなくいろいろな形態の搬送ベルトに適用
することが可能である。
【0041】
【実施例】次に、本発明の実施例と比較例を挙げて本発
明の効果を確かめた。
【0042】実施例1〜2、比較例1〜3 ヨウ素価が11、18.5及び28mg/100mgの
水素化ニトリルゴムを用いて表1に示すような配合で有
機過酸化物架橋および硫黄架橋にてゴムを架橋して、硬
度、M100、TB、EB、引裂き、圧縮永久歪、引張
永久伸びを測定した。その結果を表2に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】表2の結果から、実施例1、2はヨウ素価
が18.5mg/100mg、28mg/100mgと
本発明の範囲内の水素化ニトリルゴムを用いているが、
圧縮永久歪、引張永久伸びの値が低くセット性に優れて
いることがわかる。
【0046】それに対して比較例1は硫黄架橋であり、
圧縮永久歪、引張永久伸びの値が大きく実施例よりもセ
ット性に劣ることがわかる。
【0047】比較例2は水素化ニトリルゴムのヨウ素価
が本発明の範囲から下に外れる11mg/100mgの
ものであるが、圧縮永久歪、引張永久伸びの値が大きく
セット性の改善が不十分であるということがわかる。
【0048】比較例3は水素化ニトリルゴムのヨウ素価
が本発明の範囲から下に外れる11mg/100mgの
ものであり、比較例2よりも有機過酸化物および共架橋
剤の配合量をふやしている。圧縮永久歪、引張永久伸び
の数値は小さくなってセット性の面では改善が見られる
ものの、破断伸び、引裂き力の低下が大きい。
【0049】実施例3〜12、比較例4〜5 次にヨウ素価が18.5mg/100mgおよび28m
g/100mgの水素化ニトリルゴムを用いてN,N’
−m−フェニレンジマレイミドを0〜12質量部の間で
変量して物性の測定を行った。測定項目としては硬度、
M100、TB、EB、引裂き、圧縮永久歪、引張永久
伸びを測定した。配合を表3に、測定結果を表4に示
す。
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】実施例3〜12は圧縮永久歪および引張永
久伸びの値が低くセット性に優れており、引裂き力およ
び破断伸びの低下も少ない。但し、実施例の中でも共架
橋剤としてTAICを用いた実施例9〜12は、9〜1
0についていえばセット性は多少劣る結果となってお
り、11〜12についてはセット性はそこそこの値が得
られているものの、M100などの強度において劣る結
果となっている。
【0053】比較例4では圧縮永久歪については小さい
が、硬度が高く引裂き力の低下が激しい。硬度が大きい
と搬送面の摩擦係数が低下し、搬送能力が低下する。ま
た、引裂き力の低下は紙幣、カードなどにより損傷で亀
裂が発生しやすい。
【0054】比較例5では架橋度が上がらず圧縮永久歪
および引張永久伸びの値が非常に高くなっておりセット
性が劣ることがわかる。
【0055】実施例13〜14、比較例6〜7 次にヨウ素価18.5mg/100mgの水素化ニトリ
ルゴムを用いて表5に示すようにアセチレンブラックの
配合量を30〜60の間で変量して物性の測定を行っ
た。測定項目としては硬度、M100、TB、EB、引
裂き、圧縮永久歪、引張永久伸びを測定した。その結果
を表6に示す。
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】実施例13、14では電気抵抗値は低く、
その他の圧縮永久歪や引張永久伸びといったセット性に
かかわる物性も低く良好であるのに対して比較例6は電
気抵抗値が高くなっており、アセチレンブラックの配合
量が少ない影響が出ている。電気抵抗値が高いと帯電し
やすく静電気によって搬送する紙幣などがベルトから離
れにくくなるといった不具合を発生する問題がある。
【0059】比較例7はアセチレンブラックの配合量が
60質量部と多く、電気抵抗値に関しては低く良好な結
果が得られているが、圧縮永久歪、引張永久伸びといっ
たセット性にかかわる物性値が大きくなっている。
【0060】次に実施例1、2および比較例1の配合の
ゴムにて平ベルトを作成し。ベルトの走行張力保持率を
測定した。その結果を図3に示す。
【0061】図3の結果より、本発明の範囲内である実
施例1、2は本発明から外れる比較例1と比べて走行時
間に対する張力の保持率がよいということがわかる。
【0062】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1では、水
素化ニトリルゴムを主成分としたゴム組成物からなる搬
送ベルトにおいて、ヨウ素価が15〜32.5mg/1
00mgの水素化ニトリルゴム100質量部に対して有
機過酸化物を1〜質量部、共架橋剤としてN,N’−m
−フェニレンジマレイミドもしくはトリアリルイソシア
ヌレートを1〜10質量部、カーボンブラックを35〜
50質量部配合したゴム組成物を有機過酸化物架橋した
ゴムを用いてなることを特徴とする。
【0063】このようにヨウ素価が所定の範囲の水素化
ニトリルゴムを用いて有機過酸化物架橋したゴムを用い
ることによって、ゴムのセット性が改善されるのでベル
トが伸びてしまって戻らなくなるといったことがなくな
り張力維持性のよい、またカーボンブラックを所定の範
囲配合することによって通電性の良好な搬送ベルトを得
ることができる。
【0064】請求項2では、共架橋剤としてN,N’−
m−フェニレンジマレイミドを用いた搬送ベルトとして
いる。
【0065】共架橋剤の中でもN,N’−m−フェニレ
ンジマレイミドを用いることがベルトの伸びを防止し張
力維持性を高める上で好適である。
【0066】請求項3では、水素化ニトリルゴムのヨウ
素価が23.5〜32.5mg/100mgであるとと
もに共架橋剤の配合量が水素化ニトリルゴム100質量
部に対して1〜5質量部である搬送ベルトとしている。
【0067】また、請求項3では、水素化ニトリルゴム
のヨウ素価が15〜20mg/100mgであるととも
に共架橋剤の配合量が水素化ニトリルゴム100質量部
に対して2〜10質量部である搬送ベルトとしている。
【0068】請求項1に示した水素化ニトリルゴムのヨ
ウ素価の範囲内でも特に高い側の23.5〜32.5m
g/100mgの範囲内のものは共架橋剤の配合量を1
〜5質量部にすることによって、また、低い側の15〜
20mg/100mgの範囲内のものは共架橋剤の配合
量を2〜10質量部とすることによってより良好なセッ
ト性を得ることができる。
【0069】請求項5では、カーボンブラックがアセチ
レンブラックである搬送ベルトとしており、アセチレン
ブラックを用いることによって極めて良好な通電性を得
ることができるものである。
【0070】請求項6では、水素化ニトリルゴムを主成
分としたゴム組成物からなる搬送ベルト用ゴム組成物に
おいて、ヨウ素価が15〜32.5mg/100mgの
水素化ニトリルゴム100質量部に対して有機過酸化物
を1〜4質量部、共架橋剤としてN,N’−m−フェニ
レンジマレイミドもしくはトリアリルイソシアヌレート
を1〜10質量部、カーボンブラックを35〜50質量
部配合したことを特徴とする。
【0071】請求項1と同様にヨウ素価が所定の範囲の
水素化ニトリルゴムを用いて有機過酸化物架橋したゴム
を用いることによって、ゴムのセット性が改善されるの
でベルトが伸びてしまって戻らなくなるといったことが
なくなり張力維持性のよい、またカーボンブラックを所
定の範囲配合することによって通電性の良好な搬送ベル
トを得ることができる。
【0072】請求項7では、共架橋剤としてN,N’−
m−フェニレンジマレイミドを用いた搬送ベルト用ゴム
組成物としている。
【0073】共架橋剤の中でもN,N’−m−フェニレ
ンジマレイミドを用いることがベルトの伸びを防止し張
力維持性を高める上で好適である。
【0074】請求項8では、水素化ニトリルゴムのヨウ
素価が23.5〜32.5mg/100mgであるとと
もに共架橋剤の配合量が水素化ニトリルゴム100質量
部に対して1〜5質量部である搬送ベルト用ゴム組成物
としている。
【0075】また請求項9では、水素化ニトリルゴムの
ヨウ素価が15〜20mg/100mgであるとともに
共架橋剤の配合量が水素化ニトリルゴム100質量部に
対して2〜10質量部である搬送ベルト用ゴム組成物と
している。
【0076】請求項6に示した水素化ニトリルゴムのヨ
ウ素価の範囲内でも特に高い側の23.5〜32.5m
g/100mgの範囲内のものは共架橋剤の配合量を1
〜5質量部にすることによって、また、低い側の15〜
20mg/100mgの範囲内のものは共架橋剤の配合
量を2〜10質量部とすることによってより良好なセッ
ト性を得ることができる。
【0077】請求項10では、カーボンブラックがアセ
チレンブラックである搬送ベルト用ゴム組成物としてお
り、アセチレンブラックを用いることによって極めて良
好な通電性を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の搬送ベルトに係る要部断面斜視図であ
る。
【図2】搬送ベルトの別の形態を示す要部断面斜視図で
ある。
【図3】搬送ベルトの更に別の形態を示す要部断面斜視
図である。
【図4】搬送ベルトの走行時間に対する張力保持率を示
すグラフである。
【符号の説明】
1 搬送ベルト 2 ゴム層 11 搬送ベルト 12 ゴム層 13 搬送面 14 編布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/3477 C08K 5/3477 C08L 15/00 C08L 15/00 Fターム(参考) 3F049 BA12 BA13 BA14 BA15 LA08 LA09 LA10 LB04 LB09 4F071 AA10 AB03 AC08 AE02A AG05 AH17 BC01 4J002 AC111 DA038 EK036 EK046 EK056 EU027 EU197 FA030 FD010 FD020 FD146 FD147 GM01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素化ニトリルゴムを主成分としたゴム
    組成物からなる搬送ベルトにおいて、ヨウ素価が15〜
    32.5mg/100mgの水素化ニトリルゴム100
    質量部に対して有機過酸化物を1〜4質量部、共架橋剤
    としてN,N’−m−フェニレンジマレイミドもしくは
    トリアリルイソシアヌレートを1〜10質量部、カーボ
    ンブラックを35〜50質量部配合したゴム組成物を有
    機過酸化物架橋したゴムを用いてなることを特徴とする
    搬送ベルト。
  2. 【請求項2】 共架橋剤としてN,N’−m−フェニレ
    ンジマレイミドを用いた請求項1記載の搬送ベルト。
  3. 【請求項3】 水素化ニトリルゴムのヨウ素価が23.
    5〜32.5mg/100mgであるとともにN,N’
    −m−フェニレンジマレイミドの配合量が水素化ニトリ
    ルゴム100質量部に対して1〜5質量部である請求項
    2記載の搬送ベルト。
  4. 【請求項4】 水素化ニトリルゴムのヨウ素価が15〜
    20mg/100mgであるとともにN,N’−m−フ
    ェニレンジマレイミドの配合量が水素化ニトリルゴム1
    00質量部に対して 2〜10質量部である請求項2記
    載の搬送ベルト。
  5. 【請求項5】 カーボンブラックがアセチレンブラック
    である請求項1〜4記載の搬送ベルト。
  6. 【請求項6】 水素化ニトリルゴムを主成分としたゴム
    組成物からなる搬送ベルト用ゴム組成物において、ヨウ
    素価が15〜32.5mg/100mgの水素化ニトリ
    ルゴム100質量部に対して有機過酸化物を1〜4質量
    部、共架橋剤としてN,N’−m−フェニレンジマレイ
    ミドもしくはトリアリルイソシアヌレートを1〜10質
    量部、カーボンブラックを35〜50質量部配合したこ
    とを特徴とする搬送ベルト用ゴム組成物。
  7. 【請求項7】 共架橋剤としてN,N’−m−フェニレ
    ンジマレイミドを用いた請求項6記載の搬送ベルト用ゴ
    ム組成物。
  8. 【請求項8】 水素化ニトリルゴムのヨウ素価が23.
    5〜32.5mg/100mgであるとともにN,N’
    −m−フェニレンジマレイミドの配合量が水素化ニトリ
    ルゴム100質量部に対して1〜5質量部である請求項
    7記載の搬送ベルト用ゴム組成物。
  9. 【請求項9】 水素化ニトリルゴムのヨウ素価が15〜
    20mg/100mgであるとともにN,N’−m−フ
    ェニレンジマレイミドの配合量が水素化ニトリルゴム1
    00質量部に対して2〜10質量部である請求項7記載
    の搬送ベルト用ゴム組成物。
  10. 【請求項10】 カーボンブラックがアセチレンブラッ
    クである請求項5〜9記載の搬送ベルト用ゴム組成物。
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