JP2003107932A - 転写ベルトおよび転写ベルト用ゴム組成物 - Google Patents

転写ベルトおよび転写ベルト用ゴム組成物

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JP2003107932A
JP2003107932A JP2002208954A JP2002208954A JP2003107932A JP 2003107932 A JP2003107932 A JP 2003107932A JP 2002208954 A JP2002208954 A JP 2002208954A JP 2002208954 A JP2002208954 A JP 2002208954A JP 2003107932 A JP2003107932 A JP 2003107932A
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mass
rubber
transfer belt
belt
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JP2002208954A
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Takeo Kamata
岳央 鎌田
Takeshi Takehara
剛 竹原
Hiroyuki Nishio
裕之 西尾
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴムのモジュラスを大幅に上げることによっ
て、軸荷重がかかってもベルトの伸びが非常に少なく、
カラーレジストレーションエラーの問題を防止すること
ができる転写ベルトを提供する。 【解決手段】 複数の軸2、3の間に掛架され、背面に
付着させたトナーを被転写体に転写する用途で用いられ
る転写ベルト1であり、ゴム100質量部に対して、有
機過酸化物を0.2〜6質量部、共架橋剤を5〜20質
量部、カーボンブラックを5〜25質量部配合したゴム
組成物をベルトに用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機などに用いる
転写ベルトまたは転写ベルト用ゴム組成物にかかわり、
詳しくは一対のローラなど複数の軸間に懸架して用いる
ことのできる伸びの少ない転写ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の画像形成装置の中間転写
体として導電性を持たせたベルトや、そのようなベルト
を円筒形のドラムに被せた転写ロールが用いられてい
る。これらのベルトとしては、ゴムなどのエラストマー
材料に導電性を持たせたものを用いている。これらの転
写体は、感光体表面に形成されたトナー像を電気的吸引
力により中間転写体上へ引きつける必要があるため、中
〜高抵抗、具体的には、6〜12LogΩ・cmといっ
た体積抵抗率に調整した導電性ゴムからなっている。
【0003】このような転写ベルトでは、カラーレジス
トレーションエラー(各色トナーの重なりのズレ)が発
生すると転写ベルトとしての機能に劣ることになる。カ
ラーレジストレーションエラーを発生させないために
は、転写ベルトが軸荷重に対して伸びが小さいことが要
求される。
【0004】円筒形のドラムに被せて用いる場合は、ベ
ルト部分に伸縮方向の荷重がかからないので伸びの問題
が発生することはあまりない。しかし、複数のローラに
懸架して用いるような場合は、ベルトに軸荷重がかかる
ことになるのでベルトに伸びが発生しやすくなる。
【0005】そこで、このような複数のローラに懸架し
て用いるような転写ベルトの場合は、通常樹脂フィル
ム、帆布やロープなどの繊維材料からなる補強材をゴム
中に埋設したベルトが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような仕
様のベルトにすることで、ベルトの製造工程が複雑にな
ったり、材料が高価になったりして転写ベルトのコスト
を上げることになる。また、前記のような繊維材料を用
いることによって繊維の乱れや撚りによってベルトが蛇
行してしまうといった問題もある。ベルトが蛇行すると
それはまた被転写物に形成される画像の乱れにつながる
ことになるので、当然ながら好ましくない。さらに補強
材のジョイント部分ができてしまうことからシームレス
でないベルトになってしまう。ジョイント部分はどうし
ても体積抵抗率が他の部分と比べてばらつくことになり
やすく転写ベルトの性能に係る問題ともいえる。
【0007】ベルトが帆布やロープなどの補強材を埋設
することなく、すべてがゴム組成物からなる総ゴム製の
ベルトであればベルトの蛇行などをはじめとする走行の
乱れをなくすことができるので、ベルトの走行の乱れが
原因となる画像の乱れを防止することができるが、ベル
トの伸びによるカラーレジストレーションエラーの問題
がある。
【0008】そこで、本発明は帆布やロープなどの補強
材を埋設してない総ゴム製のベルトでベルトの走行の乱
れを防止し、且つ軸荷重による伸びが極めて少ない複数
の軸に懸架して用いてもカラーレジストレーションエラ
ーの問題を防止することができる転写ベルトおよび転写
ベルト用ゴム組成物の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために本発明の請求項1では、複数の軸間に掛架さ
れた状態で、背面に付着させたトナーを被転写体に転写
する用途で用いられる転写ベルトにおいて、ゴム100
質量部に対して、有機過酸化物を0.2〜6質量部、共
架橋剤を5〜20質量部、カーボンブラックを5〜25
質量部配合したゴム組成物をベルトに用いたことを特徴
とする転写ベルト。
【0010】共架橋剤を上記所定の範囲で配合すること
によってゴムのモジュラスを大幅に上げることができ、
軸荷重がかかってもベルトの伸びが非常に少なく、カラ
ーレジストレーションエラーの問題を防止することがで
きる。
【0011】請求項2はゴム100質量部に対してシリ
カを20〜40質量部配合した請求項1記載の転写ベル
トである。
【0012】シリカを配合することによって体積抵抗率
を下げすぎることなく適当な値にすることができ、体積
抵抗率の調整を行うことができる。
【0013】請求項3では転写ベルトが繊維材料などの
防伸部材を埋設していない転写ベルトとしており、請求
項4では転写ベルトがゴムを主成分とするゴム組成物の
みからなる総ゴムのベルトである転写ベルトである。
【0014】請求項1の構成の転写ベルトでは心体を埋
設していない状態で、またすべてがゴム組成物からなっ
ているベルトとすることによって、複数の軸間に掛架し
て走行させてもベルトの蛇行などの問題を弾き起きしに
くく、軸荷重がかかってもベルトの伸びが極めて少な
く、カラーレジストレーションエラーの問題を起こすこ
とがない。
【0015】請求項5では、ゴム100質量部に対して
第四級アンモニウム塩およびリチウム化合物から選ばれ
た少なくとも一方からなる導電性付与剤を0.2〜5質
量部配合した転写ベルトとしている。
【0016】以上のような導電性付与材を配合すること
によってさらに体積抵抗率のばらつきの少ない転写ベル
トを得ることができる。
【0017】請求項6では、複数の軸間に掛架された状
態で、背面に付着させたトナーを被転写体に転写する用
途で用いられる転写ベルト用ゴム組成物において、ゴム
100質量部に対して、有機過酸化物を0.2〜6質量
部、共架橋剤を5〜20質量部、カーボンブラックを5
〜25質量部配合したゴム組成物をベルトに用いたこと
を特徴とする転写ベルト用ゴム組成物。
【0018】請求項1同様に共架橋剤を上記所定の範囲
で配合することによってゴムのモジュラスを大幅に上げ
ることができ、軸荷重がかかってもベルトの伸びが非常
に少なく、カラーレジストレーションエラーの問題を防
止することができる。
【0019】請求項7では、ゴム100質量部に対して
シリカを20〜40質量部配合したの転写ベルト用ゴム
組成物としている。
【0020】シリカを配合することによって体積抵抗率
を下げすぎることなく適当な値にすることができ、体積
抵抗率の調整を行うことができる。
【0021】請求項8では、ゴム100質量部に対して
第四級アンモニウム塩およびリチウム化合物から選ばれ
た少なくとも一方からなる導電性付与剤を0.2〜5質
量部配合した転写ベルト用ゴム組成物としている。
【0022】以上のような導電性付与剤を配合すること
によって、さらに体積抵抗率のばらつきの少ない転写ベ
ルトを得ることができるゴム組成物となる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明は、複数の軸間に掛架した
状態で、背面に付着させたトナーを被転写体に転写する
用途で用いられる転写ベルトにおいて、ゴム100質量
部に対して、有機過酸化物を0.2〜6質量部、共架橋
剤を5〜20質量部、カーボンブラックを5〜25質量
部配合したゴム組成物をベルトに用いた転写ベルトであ
る。
【0024】本発明で用いられる複数の軸間に掛架する
ベルトとは、図1に示すような比較的幅の広い円筒状の
ベルトで、複数の、例えば2本の軸2、3間に掛架され
た状態で用いられ、転写ベルト1の背面にトナーにて画
像を形成し、その後被転写体である紙などに画像を転写
するというものである。
【0025】複数の軸間に掛架して用いるような場合、
軸荷重によってベルトに伸縮方向の力がかかることにな
り、ベルトに伸びが発生しやすい。転写ベルトの場合は
ベルトに伸びが発生すると、カラーレジストレーション
エラーと呼ばれる各色トナーの重なりのズレが発生す
る。そこで、このような複数の軸間に掛架するような使
い方をする際にはベルトの伸びを防止するために、樹脂
フィルムや帆布やロープなどの繊維材料からなる心体を
ベルト中に埋設して用いるのが通常である。しかし、ベ
ルトの製造工程が複雑になったり材料が高価なためにベ
ルトの高コスト化になったりすることと、繊維材料の場
合は特に繊維の乱れによってベルトの蛇行など、走行の
乱れにつながってしまうといった欠点があった。
【0026】しかし、コストを抑えることやベルトの走
行の乱れを防止するために心線を埋設していないゴムの
みからなる転写ベルトとすると、逆にベルトの伸びによ
る画像の乱れが問題となってくる。このような軸間に掛
架して用いるような転写ベルトの場合は、10%伸び時
のモジュラスが2〜6MPa程度必要である。
【0027】そこで本発明では、共架橋剤の配合量をゴ
ム100質量部に対して5〜20質量部と、通常よりも
かなり多い配合量とすることによってベルトのモジュラ
スを大幅に向上させ、複数の軸間に掛架して用いて転写
ベルトに軸荷重がかかったとしてもベルトの伸びが発生
するのを防止することができるのでカラーレジストレー
ションエラーが起こるのを防止できる。
【0028】本発明で使用することができるゴムとして
は、ミラブルウレタンゴム、クロロプレンゴム、水素添
加NBRゴム、NBRゴム、EPDMゴムを挙げること
ができ、この中でも水素添加NBRゴム又はミラブルウ
レタンゴムを用いることが温度に寄らず永久変形が小さ
いので好ましい。
【0029】共架橋剤としては、Sulfur、dip
entamethylenethiurampenta
sulfide、mercaptobenzothia
zole、GM、DGM、N−Methyl−N’−4
−dinitrosoaniline、dinitro
sobenzene、Ethylene glycol
dimethacrylate、Allylmeth
acrylate、Triallylcyanulat
e、Diallylphthalate、Polyet
hylenegrycol dimethacryla
te、Divinyladipate、Maleica
nhydride、N、N’−M−Phenylene
bismaleimide、Trimethylolp
ropane trimethacrylate、Di
vinylbenzene、Diallylmelam
ine、Diphenylguanidine、But
one150(liq.Polybutadien
e)、Buton100(liq.SBR)、Anti
oxidant2246から選ばれてなる少なくとも1
種の共架橋剤を用いることが好ましい。
【0030】また、その配合量はゴム100質量部に対
して通常よりも多い5〜20質量部とする。5質量部未
満であると架橋密度が低くなり、所望のモジュラスを得
ることができない。また25重量部を超えると架橋度が
上がりすぎ、引裂き力が著しく低下するので好ましくな
い。
【0031】カーボンブラックとしては、ヨウ素吸着量
が20〜150g/kg(FEF相当)のカーボンブラ
ックを用いることが好ましく、具体的にはISAF(I
ntermediate Super Abratio
n Furnace Black ヨウ素吸着量11
5〜125nm)、HAF(High Abrasio
n Furnace Black ヨウ素吸着量75
〜90nm)などがある。元々、このような転写ベルト
としては体積抵抗率が10〜12LogΩ・cm程度の
ものが必要とされるが、カーボンブラックを大量に配合
すると体積抵抗率がその範囲よりも小さくなってしまう
恐れがあり、そのために少量の配合で大きな補強効果が
得られるヨウ素吸着量が20〜150g/kg(FEF
相当)のカーボンブラックを用いることが好ましいとい
える。
【0032】またその配合量はゴム100質量部に対し
て5〜25質量部である。5質量部未満であると補強効
果が十分でなく、必要な物性が得られない。また25質
量部を超えると転写ベルトの体積抵抗率が低くなりすぎ
てしまうので好ましくない。
【0033】架橋剤である有機過酸化物ははウレタン結
合を有するゴム100重量部に対して、0.2〜6重量
部、好ましくは0.3〜4重量部を配合する。0.2重
量部未満であると架橋が不十分となり、引張強さなどの
物性が劣ることになり、逆に6重量部を超えると過架橋
となり、伸びの劣るゴムとなるので好ましくない。
【0034】具体的には2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプ
ロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブ
チルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、2,4−ジクロロベンゾイル
パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロ
ロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオ
キサイド、ジクミルパーオキサイド、ジアルキルパーオ
キサイド、ケタールパーオキサイドを挙げることができ
る。
【0035】また、転写ベルトの体積抵抗率を調整する
ためにシリカを配合することも可能である。シリカはカ
ーボンブラックと同様に補強効果が得られるが、配合す
ることによって体積抵抗率を上げることができる。配合
量としてはゴム100質量部に対して20〜40質量部
の範囲で配合する。20質量部未満であると補強効果が
不足し、40質量部を超えると作業性が悪化するので好
ましくない。シリカを配合することによってゴムの圧延
性が悪くなるので、必要に応じてステアリン酸などの加
工助剤を配合してもよい。
【0036】また、本発明では転写ベルトの体積抵抗率
のバラツキを更に少なくして安定したベルトを得るため
に、第四級アンモニウム塩およびリチウム化合物のいず
れか一方もしくは両方を併用したイオン系の導電性付与
剤を、ゴム100質量部に対して0.2〜5質量部の範
囲で配合する。0.2質量部未満であると導電性付与剤
を配合した効果が薄く、5質量部を超えて配合すると導
電性付与剤がブリードするので好ましくない。
【0037】第四級アンモニウム塩として使用できるの
は、水酸化テトラメチルアンモニウム、オクチルトリメ
チルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム、
オクタデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメ
チルアンモニウム、ジオクチルジメチルアンモニウム、
ジラウリルジメチルアンモニウム、3−ラウルアミドプ
ロピル)トリメチルアンモニウム硫化メチル等が挙げら
れ、リチウム化合物として用いることができるのは、フ
ッ化リチウム、塩化リチウム、塩素酸リチウム、過塩素
酸リチウム、炭酸リチウム等を挙げることができる。
【0038】上記カーボンブラック、有機過酸化物、共
架橋剤など以外にも通常ゴムなどに用いられる配合剤を
必要に応じて配合することができる。例えば、加工助
剤、可塑剤、短繊維、粘着付与剤、スコーチ防止剤、着
色剤、紫外線吸収剤、難燃剤、耐油性向上剤、その他充
填剤等が挙げられる。
【0039】可塑剤としては、例えばポリジメチルシロ
キサンオイル、ジフェニルシランジオール、トリメチル
シラノール、その他DOPなどのフタレート系、DO
A、DIDAなどのアジペート系、DOS、DBSなど
のセバケート系、TOP、TBPなどのフォスフェート
系、ポリエーテル系の可塑剤を挙げることができる。そ
して可塑剤の配合量は10〜50重量部程度である。
【0040】短繊維は、綿、ポリエステル、ポリアミ
ド、アラミドなどの繊維からなる長さが1〜10mm程
度の通常よく用いられる短繊維を用いることができる。
【0041】充填剤としては、珪藻土、亜鉛華、塩基性
炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪酸マグネシウ
ム、珪酸アルミニウム、二酸化チタン、タルク、雲母、
硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ア
スベスト、ガラス繊維、カーボンブラック、炭酸カルシ
ウム、二酸化チタン、クレー、タルク、アルミナ、シリ
カなどの無機充填剤が挙げられる。
【0042】以下、本発明の実施例と比較例を挙げて試
験を行った。尚、本発明は次に説明する実施例の態様に
限定されるものではないことは言うまでもない。
【0043】
【実施例】(実施例1)実施例1に用いたゴム配合は、
ミラブルウレタン100質量部に対してカーボンブラッ
ク(FEF、ヨウ素吸着量82g/kg)を20質量
部、ステアリン酸を5質量部、加水分解防止剤を1質量
部、シリカを40質量部、共架橋剤を10質量部、架橋
剤を2質量部配合したゴム組成物を用いている。この組
成物を用いてゴムシートを作製し、架橋後の10%モジ
ュラス(M10)と体積抵抗率を測定した。ゴム配合お
よびモジュラスと体積抵抗率の測定結果を表1に示す。
体積低効率はゴムシートの18箇所で測定してその平均
値とし、さらに18箇所で測定した体積抵抗率の最大値
と最小値を比較してその差を桁数であらわしたものを体
積抵抗率のばらつきとして表1に示す。
【0044】(実施例2)実施例2はベルトを構成する
ゴム組成物としてミラブルウレタン100質量部に対し
て共架橋剤を20質量部配合した以外は実施例1とまっ
たく同様にしてゴムシートを作製した。同様に架橋後の
10%モジュラス(M10)と体積抵抗率を測定した。
ゴム配合およびモジュラスと体積抵抗率の測定結果およ
び体積抵抗率のばらつきを表1に示す。
【0045】(実施例3)実施例3はベルトを構成する
ゴム組成物としてミラブルウレタン100質量部に対し
て共架橋剤を20重量部とシリカを30質量部配合した
以外は実施例1とまったく同様にしてゴムシートを作製
した。同様に架橋後の10%モジュラス(M10)と体
積抵抗率を測定した。ゴム配合およびモジュラスと体積
抵抗率の測定結果および体積抵抗率のばらつきを表1に
示す。
【0046】(実施例4)イオン系の導電性付与剤をミ
ラブルウレタン100質量部に対して0.5質量部配合
した以外は実施例3と全く同様にしてゴムシートを作製
した。同様に架橋後の10%モジュラス(M10)と体
積抵抗率を測定した。ゴム配合およびモジュラスと体積
抵抗率の測定結果および体積抵抗率のばらつきを表1に
示す。
【0047】(実施例5)イオン系の導電性付与剤をミ
ラブルウレタン100質量部に対して5質量部配合した
以外は実施例3と全く同様にしてゴムシートを作製し
た。同様に架橋後の10%モジュラス(M10)と体積
抵抗率を測定した。ゴム配合およびモジュラスと体積抵
抗率の測定結果および体積抵抗率のばらつきを表1に示
す。
【0048】(比較例)比較例ではベルトを構成するゴ
ム組成物としてミラブルウレタン100質量部に対し
て、カーボンブラック(FEF、ヨウ素吸着量82g/
kg)を40質量部、ステアリン酸を1質量部、加水分
解防止剤を1質量部、共架橋剤を1質量部、架橋剤を2
質量部配合したゴム組成物を用いている。この組成物を
用いてゴムシートを作製し、架橋後の10%モジュラス
(M10)と体積抵抗率を測定した。ゴム配合およびモ
ジュラスと体積抵抗率の測定結果および体積抵抗率のば
らつきを表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1の結果からわかるように、本発明の実
施例1、2、3では十分な10%モジュラスの数値が得
られているのに対して共架橋剤の配合量の少ない比較例
は10%モジュラスの値が小さなものになっており、複
数の軸間に掛架する転写ベルトとして用いたとしても、
軸荷重によってベルトに大きな伸びが発生しカラーレジ
ストレーションエラーを起こしてしまうことがわかる。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1では、複
数の軸間に掛架された状態で、背面に付着させたトナー
を被転写体に転写する用途で用いられる転写ベルトにお
いて、ゴム100質量部に対して、有機過酸化物を0.
2〜6質量部、共架橋剤を5〜20質量部、カーボンブ
ラックを5〜25質量部配合したゴム組成物をベルトに
用いたことを特徴とする転写ベルト。
【0052】共架橋剤を上記所定の範囲で配合すること
によってゴムのモジュラスを大幅に上げることができ、
軸荷重がかかってもベルトの伸びが非常に少なく、カラ
ーレジストレーションエラーの問題を防止することがで
きる。
【0053】請求項2はゴム100質量部に対してシリ
カを20〜40質量部配合した請求項1記載の転写ベル
トである。
【0054】シリカを配合することによって体積抵抗率
を下げすぎることなく適当な値にすることができ、体積
抵抗率の調整を行うことができる。
【0055】請求項3では転写ベルトが繊維材料などの
防伸部材を埋設していない転写ベルトとしており、請求
項4では転写ベルトがゴムを主成分とするゴム組成物の
みからなる総ゴムのベルトである転写ベルトである。
【0056】請求項1の構成の転写ベルトでは心体を埋
設していない状態で、またすべてがゴム組成物からなっ
ているベルトとすることによって、複数の軸間に掛架し
て走行させてもベルトの蛇行などの問題を弾き起きしに
くく、軸荷重がかかってもベルトの伸びが極めて少な
く、カラーレジストレーションエラーの問題を起こすこ
とがない。
【0057】請求項5では、ゴム100質量部に対して
第四級アンモニウム塩およびリチウム化合物から選ばれ
た少なくとも一方からなる導電性付与剤を0.2〜5質
量部配合した転写ベルトとしている。
【0058】以上のような導電性付与材を配合すること
によってさらに体積抵抗率のばらつきの少ない転写ベル
トを得ることができる。
【0059】請求項6では、複数の軸間に掛架された状
態で、背面に付着させたトナーを被転写体に転写する用
途で用いられる転写ベルト用ゴム組成物において、ゴム
100質量部に対して、有機過酸化物を0.2〜6質量
部、共架橋剤を5〜20質量部、カーボンブラックを5
〜25質量部配合したゴム組成物をベルトに用いたこと
を特徴とする転写ベルト用ゴム組成物。
【0060】請求項1同様に共架橋剤を上記所定の範囲
で配合することによってゴムのモジュラスを大幅に上げ
ることができ、軸荷重がかかってもベルトの伸びが非常
に少なく、カラーレジストレーションエラーの問題を防
止することができる。
【0061】請求項7では、ゴム100質量部に対して
シリカを20〜40質量部配合したの転写ベルト用ゴム
組成物としている。
【0062】シリカを配合することによって体積抵抗率
を下げすぎることなく適当な値にすることができ、体積
抵抗率の調整を行うことができる。
【0063】請求項8では、ゴム100質量部に対して
第四級アンモニウム塩およびリチウム化合物から選ばれ
た少なくとも一方からなる導電性付与剤を0.2〜5質
量部配合した転写ベルト用ゴム組成物としている。
【0064】以上のような導電性付与剤を配合すること
によって、さらに体積抵抗率のばらつきの少ない転写ベ
ルトを得ることができるゴム組成物となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】転写ベルトの使用例を示す概要図である。
【符号の説明】
1 転写ベルト 2 軸 3 軸
フロントページの続き Fターム(参考) 2H200 HB13 JA01 JA25 JA26 JB06 JB45 JB46 JC03 JC15 JC16 MA03 MA06 MA17 MA20 MB01 5G301 DA18 DA42 DD10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の軸間に掛架された状態で、背面に
    付着させたトナーを被転写体に転写する用途で用いられ
    る転写ベルトにおいて、ゴム100質量部に対して、有
    機過酸化物を0.2〜6質量部、共架橋剤を5〜20質
    量部、カーボンブラックを5〜25質量部配合したゴム
    組成物をベルトに用いたことを特徴とする転写ベルト。
  2. 【請求項2】 ゴム100質量部に対してシリカを20
    〜40質量部配合した請求項1記載の転写ベルト。
  3. 【請求項3】 転写ベルトが繊維材料などの防伸部材を
    埋設していない請求項1から2記載の転写ベルト。
  4. 【請求項4】 転写ベルトがゴムを主成分とするゴム組
    成物のみからなる総ゴムのベルトである請求項1から3
    記載の転写ベルト
  5. 【請求項5】 ゴム100質量部に対して第四級アンモ
    ニウム塩およびリチウム化合物から選ばれた少なくとも
    一方からなる導電性付与剤を0.2〜5質量部配合した
    請求項1から4記載の転写ベルト。
  6. 【請求項6】 複数の軸間に掛架された状態で、背面に
    付着させたトナーを被転写体に転写する用途で用いられ
    る転写ベルト用ゴム組成物において、ゴム100質量部
    に対して、有機過酸化物を0.2〜6質量部、共架橋剤
    を5〜20質量部、カーボンブラックを5〜25質量部
    配合したゴム組成物をベルトに用いたことを特徴とする
    転写ベルト用ゴム組成物。
  7. 【請求項7】 ゴム100質量部に対してシリカを20
    〜40質量部配合した請求項6記載の転写ベルト用ゴム
    組成物。
  8. 【請求項8】 ゴム100質量部に対して第四級アンモ
    ニウム塩およびリチウム化合物から選ばれた少なくとも
    一方からなる導電性付与剤を0.2〜5質量部配合した
    請求項6から7記載の転写ベルト用ゴム組成物。
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