JP3603786B2 - ホイール式作業機械のステアリング制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、前輪のみが操舵されるノーマルモードと、少なくとも後輪が操舵される後輪操舵モードとに切換可能なホイールクレーン等のホイール式作業機械のステアリング制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のホイール式作業機械には、通常の自動車のように前輪のみが操舵されるノーマルモードだけでなく、作業現場で小回りをきかせて狭所走行性を良くするために、少なくとも後輪が操舵可能な後輪操舵モードが設けられたものがある。この後輪操舵モードとしては、前後輪が同じ方向に操舵されるいわゆるクラブモードや、前輪と後輪が互いに逆方向に操舵されるいわゆるクランプモード、あるいは後輪のみが操舵されるリヤステモード等が知られている。そして、作業機械が公道を走行する際には安全上ノーマルモードを用い、作業時には後輪操舵モードを用いるといったモードの使い分けがなされるとともに、前記ノーマルモードにおいては、後輪が遊動して蛇行することのないように、後輪が中立位置にある状態でこの後輪をロックピンによって作動不能にロックするといった操作が行われている。
【0003】
従来、このようなステアリングモードの切換制御を行う装置としては、実公昭62−5975号公報に示されるものが知られている。この装置は、ステアリングモードを選択するためのモード選択スイッチを備え、このスイッチの操作に連動してロックピンを作動させるようにしたものであり、具体的には、モード選択スイッチによってノーマルモードが選択された場合には自動的に後輪をロックし、後輪操舵モードが選択されたときには前記ロックを自動的に解除するように構成されている。
【0004】
さらに、この装置は、後輪が中立位置にあるか否かも検出し、後輪が中立位置にないにもかかわらずノーマルモードが選択された場合には、後輪を中立位置に自動矯正した後にロックを行い、ノーマルモードにするように構成されている。
【0005】
しかし、このような中立位置への自動矯正を行う装置では、運転者によるステアリングホイールの操作に関係なく、換言すれば運転者の意志に関係なく、後輪が自動操作されるため、その後輪矯正時にステアリングホイールの操作内容と実際の後輪位置との関係が切離され、これにより運転者の感覚が狂い、その後の運転に支障をきたすおそれがある。
【0006】
そこで、実公平8−5902号公報には、後輪操舵モード選択時は自動的に後輪ロックを解除してステアリングモードを被選択モードに切換える一方、ノーマルモード選択時には後輪が中立位置になるまで当該ノーマルモードへの切換を禁止し、後輪の中立位置が検出された時点ではじめてノーマルモードに切換えるようにしたものが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記実公平8−5902号公報に示される装置では、後輪が中立位置にあるときにのみノーマルモードへの切換が許容されるため、運転者が後輪を中立位置に戻すのをうっかり忘れたままノーマルモードに切換えられてしまう事態を防止できる(すなわち通常走行時での高い安全性を確保できる)反面、ノーマルモードでの前輪操舵は後輪が中立位置にある状態に限られるため、前輪操舵角と後輪操舵角とを独立して設定することができないという事情がある。従って、車両の回転中心を任意の位置に設定した運転をすることができず、十分なステアリング性能を発揮しきれないという一面をもっている。
【0008】
なお、実用新案登録公報第2580272号には、前後輪を同時に独立して操舵できるようにした油圧システムが示されているが、かかるシステムは従前のシステム(例えば前記実公平8−5902号公報に示される油圧システム)に比べて構成が著しく複雑になり、大幅なコストアップは免れ得ない。また、ステアリングモードによる制限がなく、運転者の感覚に頼るものであるため、上述の安全性を確保することは困難である。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑み、簡単な構成で、通常走行時の安全性を保ちながら運転の自由度を広げてより高いステアリング性能を発揮させることができるステアリング制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ステアリングモードを、後輪操舵角が一定に保持されたままステアリング操作部材の操作に連動して前輪のみが操舵されるノーマルモードと、前記ステアリング操作部材の操作に連動して少なくとも後輪が操舵されるモードであって前記後輪のみが操舵されるモードまたは前後輪の関係を一定に保ちながらこれら前後輪が操舵されるモードの少なくとも一方を含む後輪操舵モードとに切換えるモード切換手段を備えたホイール式作業機械のステアリング制御装置において、前記ステアリングモードを選択するためのモード選択手段と、前記後輪が中立位置にあるか否かを検出する後輪中立位置検出手段と、前記モード選択手段とは別に設けられた切換スイッチと、前記モード選択手段により後輪操舵モードが選択された場合には前記切換スイッチのオンオフにかかわらずステアリングモードを選択されたモードに切換えさせ、前記モード選択手段によりノーマルモードが選択された場合には前記切換スイッチのオンオフを判別し、このノーマルモードが選択されたときに前記切換スイッチがオフであれば前記後輪中立位置検出手段により後輪が中立位置にあることが検出されるまでステアリングモードを現在のモードに維持させ、後輪が中立位置にあることが検出された時点でステアリングモードをノーマルモードに切換えさせ、このノーマルモードが選択されたときに前記切換スイッチがオンであれば後輪が中立位置にあるか否かにかかわらずステアリングモードを直ちにノーマルモードに切換えさせるモード切換制御手段とを備えたものである。
【0011】
前記構成によれば、後輪操舵モード選択時には、切換スイッチのオンオフにかかわらずそのままステアリングモードが被選択モードに切換えられる。
【0012】
一方、ノーマルモードが選択された場合には、切換スイッチのオンオフが判別される。そして、切換スイッチがオフのときは、後輪が中立位置にくるまでモード切換はなされず、実際にステアリング操作部材で後輪を中立位置に戻した後、モード選択手段でノーマルモードを選択することによりはじめて、ステアリングモードがノーマルモードに切換えられる。従って、例えば通常走行時には前記切換スイッチをオフにしておくことにより、運転者がうっかり後輪を中立位置に戻すのを忘れたままノーマルモードに切換えられるのを防ぐことができ、高い安全性を確保することができる。
【0013】
これに対し、ノーマルモードが選択された場合において切換スイッチがオンのときは、実際の後輪操舵角にかかわらず直ちにステアリングモードがノーマルモードに切換えられ、その時の後輪操舵角が保持されたまま前輪が操舵される運転が実行される。従って、運転者は、前記切換スイッチをオンにした状態で適宜ステアリングモードを切換えることにより、前輪操舵角と後輪操舵角との相対関係を自由に設定して幅の広い運転を行うことができ、例えば狭所作業においてもより容易に対応することが可能になる。
【0014】
前記ノーマルモードにおける後輪操舵角の保持は、例えば操舵用油圧回路をブロックするのみで行うようにしてもよいが、後輪を中立位置に係止する後輪ロック手段と、ステアリングモードが前記ノーマルモードに切換えられ、かつ、前記後輪中立位置検出手段により後輪が中立位置にあることが検出されたときに前記後輪ロック手段を係止動作させるロック切換制御手段とを備え、後輪を中立位置で機械的にもロックするようにすれば、より安全性の高い通常走行を実現できる。
【0015】
本発明において、前記切換スイッチの配設場所は特に問わないが、当該スイッチを前記ステアリング操作部材に設けるようにすれば、運転者は当該ステアリング操作部材を操作したまま前記切換スイッチのオンオフ切換をすることができ、操作性がより高まる。
【0016】
また、作業機械の車速を検出する車速検出手段を備え、この車速検出手段により検出された車速が一定以上の場合には、切換スイッチのオンオフにかかわらず、後輪が中立位置にない状態でのノーマルモードへの切換を禁止するように前記モード切換制御手段を構成すれば、運転者が切換スイッチをオフにしていなくても、後輪が中立位置にない状態でのノーマルモードによる高速運転が自動的に阻止され、より高い安全性が確保される。
【0017】
さらに、前記車速検出手段により検出された車速が一定以上の場合には、モード選択手段によるモード選択にかかわらず現在のステアリングモードを維持するように前記モード切換制御手段を構成してもよい。
【0018】
本発明では、後輪が中立位置にない状態でのノーマルモードへの切換が可能となっているため、前記後輪操舵モードとして前輪と後輪の双方が一定の関係を保ちながら同時操舵されるモードが含まれている場合、このモードにおいて前輪が中立位置に戻るタイミングと後輪が中立位置に戻るタイミングとがずれる場合が想定される。そこで、前記前輪が中立位置にあるか否かを検出する前輪中立位置検出手段と、前後輪が一定の関係を保ちながら同時に操舵されるモードにおいて前輪が中立位置に戻るタイミングと後輪が中立位置に戻るタイミングとがいずれている場合に警告を行う警告手段とを備え、前記タイミングのずれの発生を運転者に告知することにより、現在の操舵状態を誤認識したまま運転が続けられるのを防止でき、さらに高い安全性を確保することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態にかかるステアリング制御装置の全体構成を示したものである。
【0020】
同図において、1は左右の前輪を操舵する一対の前輪ステアリングシリンダ、2は左右の後輪を操舵する後輪ステアリングシリンダであり、これらステアリングシリンダ1,2に、モード切換弁3(モード切換手段)と、ステアリングホイール(ステアリング操作部材)4をもつ操向ユニットとを介して油圧ポンプ5及びタンク6が接続されている。
【0021】
モード切換弁3は、両ステアリングシリンダ1,2に対する圧油の給排を制御する複数の油圧電磁切換弁を備え、このモード切換弁3の切換により、実際のステアリングモードがノーマルモード、クラブモード、クランプモード、リヤステモードのいずれかに切換えられるようになっている。各モードの内容は次のとおりである。
【0022】
1)ノーマルモード…ステアリングホイール4の操作に連動して前輪のみが操舵される。後輪操舵力は後述の油圧ブロックにより一定に保持される。
【0023】
2)クラブモード(後輪操舵モード)…ステアリングホイール4の操作に連動して前後輪が操舵されるモードであり、前輪位相と後輪位相とを同一位相に保つように前後輪が操舵される。
【0024】
3)クランプモード(後輪操舵モード)…ステアリングホイール4の操作に連動して前後輪が操舵されるモードであり、前輪位相と後輪位相とを逆位相に保つように前後輪が操舵される。
【0025】
4)リヤステモード(後輪操舵モード)…ステアリングホイール4の操作に連動して後輪のみが操舵される。前輪操舵力は後述の油圧ブロックにより一定に保持される。
【0026】
なお、本発明において前記モード切換弁3やそれに付随する油圧回路の具体的な構成及び作用は特に問わない。その一例を図4に示す。
【0027】
図4に示す回路は、前記モード切換弁3とパイロットチェック弁60とを備えている。モード切換弁3は、前輪制御用切換弁31及び後輪制御用切換弁32を備え、両弁31,32は、この実施の形態では3位置電磁パイロット切換弁で構成されている。
【0028】
前輪制御用切換弁31は、ライン41を介して左側前輪ステアリングシリンダ1のロッド側及び右側前輪ステアリングシリンダ1のヘッド側に接続されるとともに、ライン42を介して左側前輪ステアリングシリンダ1のヘッド側及び右側前輪ステアリングシリンダ1のロッド側に接続されている。後輪制御用切換弁32は、ライン51及び前記ダブルパイロットチェック弁60を介して左側後輪ステアリングシリンダ2のヘッド側及び右側後輪ステアリングシリンダ2のロッド側に接続されるとともに、ライン52及び前記ダブルパイロットチェック弁60を介して左側後輪ステアリングシリンダ2のロッド側及び右側後輪ステアリングシリンダ2のヘッド側に接続されている。そして、ステアリングホイール4の回転操作方向に応じて、モード切換弁3に対し、前輪制御用切換弁31側もしくは後輪制御用切換弁32側から適宜作動油が導入されるようになっている。
【0029】
両切換弁31,32の位置切換は、コントローラCからのモード切換信号(ソレノイド励磁信号)により行われ、これらの位置切換により、実際のステアリングモードの切換が行われるようになっている。具体的には、図示のように両切換弁31,32がそれぞれ中立位置31b,32bに切換えられた状態で、後輪ステアリングシリンダ2にかかる油圧回路がブロックされて前輪ステアリングシリンダ1にのみ作動油が導入されるノーマルモードに切換えられ、その他の適当な位置切換により、種々の後輪操舵モードに切換えられる。
【0030】
例えば、前輪制御用切換弁31が左位置31a、後輪制御用切換弁32が左位置32aに切換えられた場合には、前輪ステアリングシリンダ1にかかる油圧回路がブロックされて後輪ステアリングシリンダ2にのみ作動油が導入されるリヤステモードに切換えられ、前輪制御用切換弁31が中立位置31b、後輪制御用切換弁32が左位置32aに切換えられた場合には、前輪及び後輪が同じ位相で操舵されるクラブモードに切換えられ、前輪制御用切換弁31が左位置31a、後輪制御用切換弁32が右位置32cに切換えられた場合には、前輪及び後輪が互いに逆位相で操舵されるクランプモードに切換えられる。
【0031】
ダブルパイロットチェック弁60は、後輪をより確実に油圧的にロックさせるためのものであり、2つのチェック弁60a,60bを備え、チェック弁60aがライン51に、チェック弁60bがライン52に設けられており、チェック弁60aの一次側圧力が一定以上高くなった場合にチェック弁60bが開き、チェック弁60bの一次側圧力が一定以上高くなった場合にチェック弁60aが開くように構成されている。ここで、各チェック弁60a,60bが開くための境界となる設定圧は、後輪制御用切換弁32のスプールから油が漏れることに起因して発生する圧力よりも十分に高く設定されている。
【0032】
この構成により、モード切換弁3でノーマルモードに切換えられた場合には、ダブルパイロットチェック弁60による油圧的なロックが自動的に行われるため、ノーマルモード走行時の安全性をより高めることができる。
【0033】
一方、後輪を機械的にロックする手段として、後輪側にロック穴9が設けられ、その近傍にはロックピン(後輪ロック手段)8が設けられている。このロックピン8は、空気圧式のロックシリンダ7により伸縮駆動されるようになっており、後輪が中立位置にあり、かつロックシリンダ7が伸長した時に前記ロック穴9に挿入される位置に配設されている。そして、このロックピン8がロック穴9に挿入されることにより後輪が中立位置に係止すなわちロックされ、逆にロックピン8が抜かれることにより前記ロックが解除されるようになっている。
【0034】
前記ロックシリンダ7には、その伸縮作動を制御する電磁式ロック切換弁10が接続され、この電磁式ロック切換弁10にはロックシリンダ7に対する空気圧供給源としてのエアタンク11が接続されている。そして、これらロックピン8、ロック穴9、ロック切換弁10、及びエアタンク11により、前記後輪を中立位置でロックする状態と解放する状態とに切換えられる後輪ロック装置が構成されている。
【0035】
また、このステアリング制御装置には、前後輪がそれぞれクレーン直進方向と平行な状態にあるか否か、すなわち中立位置にあるか否かをそれぞれ検出する中立位置検出スイッチ(例えばリミットスイッチ)13,14と、作業機械の走行速度(車速)を検出する車速センサ16と、運転者がステアリングモードを前記4つのモードの中から選択するためのモード選択スイッチ(モード選択手段)17と、出力切換スイッチ19とが設けられており、これらの出力信号がコントローラCに入力されるようになっている。
【0036】
前記モード選択スイッチ17及び出力切換スイッチ19の配置例を図2に示す。図において、座席12の前方にステアリングホイール4が配され、このステアリングホイール4の適所に前記出力切換スイッチ19が設けられている。前記モード選択スイッチ17は座席12の前方のパネルに設けられ、その近傍に例えばCRTからなる表示部18が設けられている。
【0037】
次に、前記コントローラCの構成を説明する。このコントローラCは、図1に示すようなモード切換制御手段21、ロック作動制御手段22、及び警告手段23を備えている。
【0038】
モード切換制御手段21は、前記モード選択スイッチ17からの切換指令信号及び中立位置検出スイッチ14からの検出信号に基づき、モード切換弁3の切換制御を行う。ロック作動制御手段22は、前記モード選択スイッチ17からの切換指令信号及び中立位置検出スイッチ14からの検出信号に基づき、後輪ロック装置の作動切換制御、すなわちロック切換弁10の切換制御を行う。警告手段23は、中立位置検出スイッチ13,14の出力信号に基づき、前輪が中立位置に戻るタイミングと後輪が中立位置に戻るタイミングとの間にずれがある場合に表示部18に警告表示を行わせる。
【0039】
その他、コントローラCは、前記表示部18に現在のステアリングモードや中立位置検出スイッチ14による検出結果を表示させるように構成されている。
【0040】
次に、このコントローラCが行う具体的な制御動作を図3のフローチャートを参照しながら説明する。
【0041】
まず、モード選択スイッチ17によって後輪操舵モード、すなわちクラブモード、クランプモード、リヤステモードのいずれかが選択された場合には(ステップS1でNO)、ロック作動制御手段22からロック切換弁10に制御信号が出力されることにより、自動的にロック装置がオフに切換えられ(ステップS2)、後輪のロックが解除される。これとともに、モード切換制御手段21からモード切換弁3に制御信号が出力されることにより、実際のステアリングモードが前記モード選択スイッチ17で選択された後輪操舵モードに切換えられ(ステップS3)、後輪操舵可能な状態となる。
【0042】
一方、前記モード選択スイッチ17でノーマルモードが選択された場合には(ステップS1でYES)、出力切換スイッチ19のオンオフの判別がなされる(ステップS4)。そして、出力切換スイッチ19がオフの場合(ステップS4でNO)には、直ちにノーマルモードに切換えるのではなく、次のようなオートセンタリング処理がなされる。
【0043】
まず、中立位置検出スイッチ14の出力信号に基づき、後輪が中立位置にあることが検出されているか否かを判定する(ステップS6)。中立位置にない場合(ステップS6でNO)には現在モード(後輪操舵モード)を維持する。そして当該中立位置が検出された時点(例えば運転者がステアリングホイール4を操作して後輪を中立位置に戻した時点;ステップS6でYES)ではじめて、ロック装置(ロックシリンダ7及びロックピン8)を作動させて後輪を中立位置にロックし(ステップS7)、かつ、実際のステアリングモードをノーマルモードに切換える。これにより、後輪がロックされた安全な状態でノーマル走行(前輪のみが操舵される走行)を行うことができる。
【0044】
従って、運転者は、予め出力切換スイッチ19をオフにしておくことにより、後輪を中立位置に戻すのをうっかり忘れたままいきなりノーマルモードに切換えられてしまう事態を未然に防ぐことができ、これによって高い安全性を得ることができる。
【0045】
また、出力切換スイッチ19がオンであっても、車速が一定以上の場合には(ステップS5でNO)、やはり前記と同様のオートセンタリング処理がなされ、高い安全性が保証される。
【0046】
一方、前記モード選択スイッチ17でノーマルモードが選択されたときに出力切換スイッチ19がオンであり(ステップS4でYES)、かつ車速が一定未満の場合(ステップS5でYES)には、後輪が中立位置にあるか否かにかかわらず、直ちにノーマルモードに切換えられる(ステップS8)。従って、運転者は、出力切換スイッチ19をオンにすることにより、後輪を任意の後輪操舵角に保持したまま前輪のみをステアリングホイール4によって操舵する運転をすることができる。換言すれば、運転者の意思で出力切換スイッチ19をオンにした状態で適宜ノーマルモードと後輪操舵モードとに切換えることにより、前輪操舵角と後輪操舵角とをそれぞれ独立操作しながら運転することが可能となるのであり、これにより運転モードの幅が広がり、例えば狭所への進入にもより容易に対応することが可能になる。
【0047】
なお、このように前後輪操舵角を各々独立して設定することを可能にしたことに伴い、例えばクラブモードやクランプモードのように前後輪が一定の関係を保ちつつ同時操舵されるモードでは、前輪が中立位置に戻るタイミングと後輪が中立位置に戻るタイミングとがずれる状態が当然発生し得ることになるが、その場合には警告手段23の制御信号によって表示部18にその旨の警告表示がなされるので、運転者が前記中立タイミングのずれを忘れて運転してしまう事態を防ぐことができる。
【0048】
なお、この中立タイミングのずれの警告は、表示部18への警告表示に限らず、例えばブザーを鳴らすようにしてもよい。
【0049】
また、車速によってノーマルモードへの切換を制限するか否かは仕様に応じて適宜設定すればよい。すなわち図3のステップS5は適宜省略が可能である。
【0050】
あるいは、図5に示すように、ノーマルモードであるか否かにかかわらず、車速が一定以上の場合には(同図のステップS0)、モード切換そのものを禁止して現在モードを維持するようにしてもよい。
【0051】
後輪操舵モードについても、本発明は、少なくとも一つのモードを含んでいればよく(例えばリヤステモードのみ)、当該モードとノーマルモードとの切換によって幅の広い運転を実現することが可能になる。
【0052】
【発明の効果】
以上のように本発明は、モード選択手段の他に切換スイッチを具備してノーマルモードが選択された場合には前記切換スイッチのオンオフを判別するようにし、前記ノーマルモードが選択されたときに前記切換スイッチがオフであれば後輪が中立位置にあるときにのみノーマルモードへの切換を許容し、前記ノーマルモードが選択されたときに切換スイッチがオンであれば後輪位置に関係なく任意の後輪操舵角でのノーマルモードへの切換を許容するようにしたものであるので、簡単な構成で、通常走行時の安全性を保ちながら運転の自由度を広げてより高いステアリング性能を発揮させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるステアリング制御装置の全体構成図である。
【図2】前記ステアリング制御装置が搭載された作業機械の運転室を示す平面図である。
【図3】前記コントローラの行う制御動作を示すフローチャートである。
【図4】前記ステアリング制御装置におけるモード切換弁の構成を示す油圧回路図である。
【図5】前記コントローラの行う制御動作の別例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3 モード切換弁(モード切換手段)
4 ステアリングホイール(ステアリング操作部材)
7 ロックシリンダ(後輪ロック手段を構成)
8 ロックピン(後輪ロック手段を構成)
13 中立位置検出スイッチ(前輪中立位置検出手段)
14 中立位置検出スイッチ(後輪中立位置検出手段)
16 車速センサ
17 モード選択スイッチ(モード選択手段)
18 表示部
19 出力切換スイッチ
21 モード切換制御手段
22 ロック作動制御手段
23 警告手段
C コントローラ

Claims (6)

  1. ステアリングモードを、後輪操舵角が一定に保持されたままステアリング操作部材の操作に連動して前輪のみが操舵されるノーマルモードと、前記ステアリング操作部材の操作に連動して少なくとも後輪が操舵されるモードであって前記後輪のみが操舵されるモードまたは前後輪の関係を一定に保ちながらこれら前後輪が操舵されるモードの少なくとも一方を含む後輪操舵モードとに切換えるモード切換手段を備えたホイール式作業機械のステアリング制御装置において、前記ステアリングモードを選択するためのモード選択手段と、前記後輪が中立位置にあるか否かを検出する後輪中立位置検出手段と、前記モード選択手段とは別に設けられた切換スイッチと、前記モード選択手段により後輪操舵モードが選択された場合には前記切換スイッチのオンオフにかかわらずステアリングモードを選択されたモードに切換えさせ、前記モード選択手段によりノーマルモードが選択された場合には前記切換スイッチのオンオフを判別し、このノーマルモードが選択されたときに前記切換スイッチがオフであれば前記後輪中立位置検出手段により後輪が中立位置にあることが検出されるまでステアリングモードを現在のモードに維持させ、後輪が中立位置にあることが検出された時点でステアリングモードをノーマルモードに切換えさせ、このノーマルモードが選択されたときに前記切換スイッチがオンであれば後輪が中立位置にあるか否かにかかわらずステアリングモードを直ちにノーマルモードに切換えさせるモード切換制御手段とを備えたことを特徴とするホイール式作業機械のステアリング制御装置。
  2. 請求項1記載のホイール式作業機械のステアリング制御装置において、後輪を中立位置に係止する後輪ロック手段と、ステアリングモードが前記ノーマルモードに切換えられ、かつ、前記後輪中立位置検出手段により後輪が中立位置にあることが検出されたときに前記後輪ロック手段を係止動作させるロック切換制御手段とを備えたことを特徴とするホイール式作業機械のステアリング制御装置。
  3. 請求項1または2記載のホイール式作業機械のステアリング制御装置において、前記切換スイッチが前記ステアリング操作部材に設けられていることを特徴とするホイール式作業機械のステアリング制御装置。
  4. 請求項1〜3のいすれかに記載のホイール式作業機械のステアリング制御装置において、当該作業機械の車速を検出する車速検出手段を備え、この車速検出手段により検出された車速が一定以上の場合には、切換スイッチのオンオフにかかわらず、後輪が中立位置にない状態でのノーマルモードへの切換を禁止するように前記モード切換制御手段が構成されていることを特徴とするホイール式作業機械のステアリング制御装置。
  5. 請求項4記載のホイール式作業機械のステアリング制御装置において、前記車速検出手段により検出された車速が一定以上の場合には、モード選択手段によるモード選択にかかわらず現在のステアリングモードを維持するように前記モード切換制御手段が構成されていることを特徴とするホイール式作業機械のステアリング制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のホイール式作業機械のステアリング制御装置において、前記前輪が中立位置にあるか否かを検出する前輪中立位置検出手段を備えるとともに、前記後輪操舵モードとして前後輪が一定の関係を保ちながら同時に操舵されるモードが含まれ、かつ、このモードにおいて前輪が中立位置に戻るタイミングと後輪が中立位置に戻るタイミングとがずれている場合に警告を行う警告手段を備えていることを特徴とするホイール式作業機械のステアリング制御装置。
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