JP3603740B2 - ファンモータ制御方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はファンモータ制御方法およびその装置に関し、さらに詳細にいえば、インバータ出力電圧をファンモータに印加することによりファンモータを駆動する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、空気調和機に使用されるファンモータにおいて、消費電力低減の観点からインバータで駆動されるブラシレスDCモータを採用することが多くなってきている。そして、ファンモータに使用されるブラシレスDCモータは、インバータで回転数制御を行うことができるので、外部負荷の大小に拘わらず回転数を指令通りに制御することができ、速度制御の観点における制御性能を向上させることができる。
【0003】
また、保護の観点からは、過電流時に停止するという動作によってファンモータあるいはそのドライバの保護がなされている。
【0004】
さらに説明する。
【0005】
図11は120度通電方式を適用した従来の空気調和機用ファンモータ制御装置を示す概略図である。
【0006】
このファンモータ制御装置は、ゲートドライブ回路からのゲートドライブ信号によってインバータ主回路の各相の上アームトランジスタ、下アームトランジスタをスイッチングするようにした電圧型PWM(パルス幅変調)インバータからの各相出力をブラシレスDCモータの対応する相の固定子巻線に供給し、ブラシレスDCモータの回転子によりファンを回転させるようにしている。前記インバータ主回路に印加される直流電圧は、整流回路を用いることにより、AC電源から作成することができる。
【0007】
そして、ブラシレスDCモータの内部には、逆起電圧と一定の位相関係にある120度毎に配置されたホールセンサHu、Hv、Hwが設けられており、これらのホールセンサHu、Hv、Hwからの出力信号から電気角60度毎の位置信号が得られる{図12中(B)参照}。なお、モータの各相誘起電圧と位置信号との関係は図12中(A)(B)に示すとおりである。
【0008】
これらの位置信号を回転数演算部に供給して、例えば、位置信号どうしの時間間隔から実回転数の演算を行い、外部から与えられる回転数指令v*と算出された実回転数とをデューティー演算部に供給することにより、両者の偏差を算出し、算出された偏差に対応するデューティー指令D*を出力して、駆動信号作成部に供給する。この駆動信号作成部には、前記位置信号も供給されているので、位置信号に対してパターン認識または論理演算を行うことによって、120度通電を行うためのドライブ信号Gu、Gv、Gw、Gx、Gy、Gzを作成することができる{図12中(C)参照}。
【0009】
したがって、これらのドライブ信号によりインバータ主回路の各相のトランジスタのオンオフを行い、ブラシレスDCモータの固定子巻線に電圧を供給する。
【0010】
上記のとおり回転子位置に同期した電圧を固定子巻線に印加することでブラシレスDCモータを駆動し、ファンを回転させることができる。
【0011】
また、インバータの直流電流を検出し、直流電流が過電流であった場合に、過電流保護回路によってゲート信号を停止させるべくゲートドライブ回路を制御し、ひいてはブラシレスDCモータを停止させてブラシレスDCモータ、インバータの保護を達成することができる。
【0012】
具体的には、デューティー演算部においては、図13のフローチャートに示すように、ステップSP1において、起動動作中か否かを判定し、起動動作中と判定された場合には、ステップSP2において、デューティーを起動時デューティー値に設定する。起動動作中か否かについては、例えば起動動作開始からの経過時間と現在の回転数から判定される。
【0013】
逆に、ステップSP1において起動動作中でないと判定された場合には、ステップSP3において、PI演算(比例・積分演算)開始時か否かを判定し、PI演算開始時であると判定された場合には、ステップSP4において、初期値を設定する。そして、ステップSP3においてPI演算開始時でないと判定された場合、またはステップSP4の処理が行われた場合には、ステップSP5において、指令回転数を考慮してPI演算によるデューティー演算を行う。
【0014】
そして、ステップSP2の処理が行われた場合、またはステップSP5の処理が行われた場合には、設定され、もしくは算出されたデューティーをデューティー指令として駆動信号作成部に供給する。
【0015】
また、駆動信号作成部においては、図14のフローチャートに示すように、ステップSP1において、デューティー指令が0であるか否かを判定し、デューティー指令が0でないと判定された場合には、ステップSP2において、駆動信号{図12中(C)参照}を作成し、逆にデューティー指令が0であると判定された場合には、ステップSP3において、停止信号{図15中(C)参照}を作成する。
【0016】
そして、ステップSP2の処理が行われた場合、またはステップSP3の処理が行われた場合には、作成した駆動信号または停止信号をゲートドライブ回路に供給する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の空気調和機用ファンモータ制御装置においては、過電流時に停止させるという動作を行ってファンモータ、インバータ回路素子の保護がなされているだけであり、逆風などの外部負荷に対する制御性、あるいはそれに対応した保護は、起動時、運転時共になされていない。
【0018】
【発明の目的】
この発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、逆風などの外部負荷に対する制御性、あるいはそれに対応した保護を達成することができるファンモータ制御方法およびその装置を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1のファンモータ制御装置は、インバータ出力電圧をファンモータに印加することによりファンモータを駆動するに当たって、起動開始時のファンモータの回転数を検出し、検出した回転数に基づいてモータ印加電圧を決定し、決定したモータ印加電圧を用いてファンモータを起動する方法である。
【0020】
請求項2のファンモータ制御方法は、インバータのデューティーを変化させることにより、決定したモータ印加電圧をファンモータに印加する方法である。
【0021】
請求項3のファンモータ制御方法は、インバータのデューティー値をインバータの直流電圧値に応じて補正する方法である。
【0022】
請求項4のファンモータ制御方法は、モータ印加電圧を、昇圧時の直流電圧がインバータ回路素子の安全動作領域内となる値に設定する方法である。
【0023】
請求項5のファンモータ制御方法は、モータ印加電圧を、昇圧動作が行われない値に設定する方法である。
【0024】
請求項6のファンモータ制御方法は、モータ印加電圧を、モータ誘起電圧よりも大きい値に設定する方法である。
【0025】
請求項7のファンモータ制御方法は、モータ印加電圧を、起動電流値が運転時最大電流値よりも小さくなる値に設定する方法である。
【0026】
請求項8のファンモータ制御方法は、モータ印加電圧を、無風運転時におけるモータ印加電圧よりも小さい値に設定する方法である。
【0027】
請求項9のファンモータ制御方法は、インバータの上アーム駆動用電源をブートストラップ動作により作成し、インバータのデューティー値を、上アーム電圧不足とならない値に設定する方法である。
【0028】
請求項10のファンモータ制御方法は、起動直後からPI制御を行ってインバータのデューティーを変化させる方法である。
【0029】
請求項11のファンモータ制御方法は、起動時と通常運転時とでインバータから出力される駆動波形を変更し、かつ駆動波形切替時にインバータのデューティー値を変更する方法である。
【0030】
請求項12のファンモータ制御方法は、駆動波形切替時のモータ電流ピーク値が最小となるようにインバータのデューティー値を変更する方法である。
【0031】
請求項13のファンモータ制御方法は、起動時の回転数に基づいてインバータから出力される駆動波形を決定する方法である。
【0032】
請求項14のファンモータ制御方法は、ファンモータとしてブラシレスDCモータを採用する方法である。
【0033】
請求項15のファンモータ制御方法は、ファンモータにより空気調和機に含まれるファンを駆動する方法である。
【0034】
請求項16のファンモータ制御装置は、インバータ出力電圧をファンモータに印加することによりファンモータを駆動するものであって、起動開始時のファンモータの回転数を検出する回転数検出手段と、検出した回転数に基づいてモータ印加電圧を決定する印加電圧決定手段と、決定したモータ印加電圧を用いてファンモータを起動する起動手段とを含むものである。
【0035】
請求項17のファンモータ制御装置は、前記印加電圧決定手段として、インバータのデューティーを変化させることにより、決定したモータ印加電圧をファンモータに印加するものを採用するものである。
【0036】
請求項18のファンモータ制御装置は、前記印加電圧決定手段として、インバータのデューティー値をインバータの直流電圧値に応じて補正する補正手段をさらに含むものを採用するものである。
【0037】
請求項19のファンモータ制御装置は、前記印加電圧決定手段として、モータ印加電圧を、昇圧時の直流電圧がインバータ回路素子の安全動作領域内となる値に設定するものを採用するものである。
【0038】
請求項20のファンモータ制御装置は、前記印加電圧決定手段として、モータ印加電圧を、昇圧動作が行われない値に設定するものを採用するものである。
【0039】
請求項21のファンモータ制御装置は、前記印加電圧決定手段として、モータ印加電圧を、モータ誘起電圧よりも大きい値に設定するものを採用するものである。
【0040】
請求項22のファンモータ制御装置は、前記印加電圧決定手段として、モータ印加電圧を、起動電流値が運転時最大電流値よりも小さくなる値に設定するものを採用するものである。
【0041】
請求項23のファンモータ制御装置は、前記印加電圧決定手段として、モータ印加電圧を、無風運転時におけるモータ印加電圧よりも小さい値に設定するものを採用するものである。
【0042】
請求項24のファンモータ制御装置は、インバータの上アーム駆動用電源をブートストラップ動作により作成する電源作成手段をさらに含み、前記印加電圧決定手段として、インバータのデューティー値を、上アーム電圧不足とならない値に設定するものを採用するものである。
【0043】
請求項25のファンモータ制御装置は、起動直後からPI制御を行ってインバータのデューティーを変化させるデューティー変更手段をさらに含むものである。
【0044】
請求項26のファンモータ制御装置は、起動時と通常運転時とでインバータから出力される駆動波形を変更する駆動波形変更手段をさらに含み、前記デューティー変更手段として、駆動波形切替時にインバータのデューティー値を変更するものを採用するものである。
【0045】
請求項27のファンモータ制御装置は、前記デューティー変更手段として、駆動波形切替時のモータ電流ピーク値が最小となるようにインバータのデューティー値を変更するものを採用するものである。
【0046】
請求項28のファンモータ制御装置は、起動時の回転数に基づいてインバータから出力される駆動波形を決定する駆動波形決定手段をさらに含むものである。
【0047】
請求項29のファンモータ制御装置は、ファンモータとしてブラシレスDCモータを採用するものである。
【0048】
請求項30のファンモータ制御装置は、ファンモータとして空気調和機に含まれるファンを駆動するものを採用するものである。
【0049】
【作用】
請求項1のファンモータ制御方法であれば、インバータ出力電圧をファンモータに印加することによりファンモータを駆動するに当たって、起動開始時のファンモータの回転数を検出し、検出した回転数に基づいてモータ印加電圧を決定し、決定したモータ印加電圧を用いてファンモータを起動するのであるから、ファンモータを確実に起動することができるとともに、必要以上に過電圧、過電流が発生することを防止し、外部負荷に対する十分な保護を達成することができる。
【0050】
請求項2のファンモータ制御方法であれば、インバータのデューティーを変化させることにより、決定したモータ印加電圧をファンモータに印加するのであるから、請求項1と同様の作用を達成することができる。
【0051】
請求項3のファンモータ制御方法であれば、インバータのデューティー値をインバータの直流電圧値に応じて補正するのであるから、請求項2の作用に加え、より確実に精度よく起動、保護を行うことができる。
【0052】
請求項4のファンモータ制御方法であれば、モータ印加電圧を、昇圧時の直流電圧がインバータ回路素子の安全動作領域内となる値に設定するのであるから、請求項1から請求項3の何れかの作用に加え、安全動作を確保することができる。
【0053】
請求項5のファンモータ制御方法であれば、モータ印加電圧を、昇圧動作が行われない値に設定するのであるから、請求項4の作用に加え、過電圧を防止することができる。
【0054】
請求項6のファンモータ制御方法であれば、モータ印加電圧を、モータ誘起電圧よりも大きい値に設定するのであるから、請求項4または請求項5の作用に加え、昇圧動作を防止し、ひいては過電圧を防止することができる。
【0055】
請求項7のファンモータ制御方法であれば、モータ印加電圧を、起動電流値が運転時最大電流値よりも小さくなる値に設定するのであるから、請求項1から請求項3の何れかの作用に加え、起動時に大電流が流れることを防止することができる。
【0056】
請求項8のファンモータ制御方法であれば、モータ印加電圧を、無風運転時におけるモータ印加電圧よりも小さい値に設定するのであるから、請求項7と同様の作用を達成することができる。
【0057】
請求項9のファンモータ制御方法であれば、インバータの上アーム駆動用電源をブートストラップ動作により作成し、インバータのデューティー値を、上アーム電圧不足とならない値に設定するのであるから、請求項1から請求項3の何れかの作用に加え、インバータの誤動作を防止することができる。
【0058】
請求項10のファンモータ制御方法であれば、起動直後からPI制御を行ってインバータのデューティーを変化させるのであるから、請求項1から請求項9の何れかの作用に加え、起動直後から徐々にデューティーを増加させることに伴って起動時の過電流を防止することができる。
【0059】
請求項11のファンモータ制御方法であれば、起動時と通常運転時とでインバータから出力される駆動波形を変更し、かつ駆動波形切替時にインバータのデューティー値を変更するのであるから、請求項10の作用に加え、波形切替時の過電流を防止することができる。
【0060】
請求項12のファンモータ制御方法であれば、駆動波形切替時のモータ電流ピーク値が最小となるようにインバータのデューティー値を変更するのであるから、請求項11と同様の作用を達成することができる。
【0061】
請求項13のファンモータ制御方法であれば、起動時の回転数に基づいてインバータから出力される駆動波形を決定するのであるから、請求項1から請求項12の何れかの作用に加え、安定な制御および振動、騒音の低減を達成することができる。
【0062】
請求項14のファンモータ制御方法であれば、ファンモータとしてブラシレスDCモータを採用するのであるから、請求項1から請求項13の何れかの作用に加え、省エネルギーを達成することができる。
【0063】
請求項15のファンモータ制御方法であれば、ファンモータにより空気調和機に含まれるファンを駆動するのであるから、空気調和機に適用することにより、請求項1から請求項14の何れかと同様の作用を達成することができる。
【0064】
請求項16のファンモータ制御装置であれば、インバータ出力電圧をファンモータに印加することによりファンモータを駆動するに当たって、回転数検出手段によって起動開始時のファンモータの回転数を検出し、印加電圧決定手段によって、検出した回転数に基づいてモータ印加電圧を決定し、起動手段によって、決定したモータ印加電圧を用いてファンモータを起動することができる。
【0065】
したがって、ファンモータを確実に起動することができるとともに、必要以上に過電圧、過電流が発生することを防止し、外部負荷に対する十分な保護を達成することができる。
【0066】
請求項17のファンモータ制御装置であれば、前記印加電圧決定手段として、インバータのデューティーを変化させることにより、決定したモータ印加電圧をファンモータに印加するものを採用するのであるから、請求項16と同様の作用を達成することができる。
【0067】
請求項18のファンモータ制御装置であれば、前記印加電圧決定手段として、インバータのデューティー値をインバータの直流電圧値に応じて補正する補正手段をさらに含むものを採用するのであるから、請求項17の作用に加え、より確実に精度よく起動、保護を行うことができる。
【0068】
請求項19のファンモータ制御装置であれば、前記印加電圧決定手段として、モータ印加電圧を、昇圧時の直流電圧がインバータ回路素子の安全動作領域内となる値に設定するものを採用するのであるから、請求項16から請求項18の何れかの作用に加え、安全動作を確保することができる。
【0069】
請求項20のファンモータ制御装置であれば、前記印加電圧決定手段として、モータ印加電圧を、昇圧動作が行われない値に設定するものを採用するのであるから、請求項19の作用に加え、過電圧を防止することができる。
【0070】
請求項21のファンモータ制御装置であれば、前記印加電圧決定手段として、モータ印加電圧を、モータ誘起電圧よりも大きい値に設定するものを採用するのであるから、請求項19または請求項20の作用に加え、昇圧動作を防止し、ひいては過電圧を防止することができる。
【0071】
請求項22のファンモータ制御装置であれば、前記印加電圧決定手段として、モータ印加電圧を、起動電流値が運転時最大電流値よりも小さくなる値に設定するものを採用するのであるから、請求項16から請求項18の何れかの作用に加え、起動時に大電流が流れることを防止することができる。
【0072】
請求項23のファンモータ制御装置であれば、前記印加電圧決定手段として、モータ印加電圧を、無風運転時におけるモータ印加電圧よりも小さい値に設定するものを採用するのであるから、請求項22と同様の作用を達成することができる。
【0073】
請求項24のファンモータ制御装置であれば、インバータの上アーム駆動用電源をブートストラップ動作により作成する電源作成手段をさらに含み、前記印加電圧決定手段として、インバータのデューティー値を、上アーム電圧不足とならない値に設定するものを採用するのであるから、請求項16から請求項18の何れかの作用に加え、インバータの誤動作を防止することができる。
【0074】
請求項25のファンモータ制御装置であれば、起動直後からPI制御を行ってインバータのデューティーを変化させるデューティー変更手段をさらに含むのであるから、請求項16から請求項24の何れかの作用に加え、起動直後から徐々にデューティーを増加させることに伴って起動時の過電流を防止することができる。
【0075】
請求項26のファンモータ制御装置であれば、起動時と通常運転時とでインバータから出力される駆動波形を変更する駆動波形変更手段をさらに含み、前記デューティー変更手段として、駆動波形切替時にインバータのデューティー値を変更するものを採用するのであるから、請求項25の作用に加え、波形切替時の過電流を防止することができる。
【0076】
請求項27のファンモータ制御装置であれば、前記デューティー変更手段として、駆動波形切替時のモータ電流ピーク値が最小となるようにインバータのデューティー値を変更するものを採用するのであるから、請求項26と同様の作用を達成することができる。
【0077】
請求項28のファンモータ制御装置であれば、起動時の回転数に基づいてインバータから出力される駆動波形を決定する駆動波形決定手段をさらに含むのであるから、請求項16から請求項27の何れかの作用に加え、安定な制御および振動、騒音の低減を達成することができる。
【0078】
請求項29のファンモータ制御装置であれば、ファンモータとしてブラシレスDCモータを採用するのであるから、請求項16から請求項28の何れかの作用に加え、省エネルギーを達成することができる。
【0079】
請求項30のファンモータ制御装置であれば、ファンモータとして空気調和機に含まれるファンを駆動するものを採用するのであるから、空気調和機に適用することにより、請求項16から請求項29の何れかと同様の作用を達成することができる。
【0080】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、この発明のファンモータ制御方法およびその装置の実施の態様を詳細に説明する。
【0081】
図1はこの発明のファンモータ制御装置の一実施態様を示すブロック図である。
【0082】
このファンモータ制御装置は、AC電源1を整流回路1aに供給して直流電圧を生成し、この直流電圧をインバータ主回路2aに印加し、インバータ主回路2aからの出力波形をブラシレスDCモータ3の固定子巻線3aに供給している。そして、ブラシレスDCモータ3の回転子3bによってファン3cを回転させるようにしている。
【0083】
また、ブラシレスDCモータ3に組み込まれた3つのホールセンサ4から出力される位置信号Hu、Hv、Hwを入力として、位置信号の周期に基づいて現在の回転数を算出する回転数演算部5と、インバータ主回路2aの直流部における電流を検出する電流検出回路6と、現在回転数、および外部から供給される回転数指令v*を入力として両者の偏差を算出し、偏差に応じたデューティー指令D*を出力するとともに、起動時には回転数に応じた起動時デューティー値を演算して出力するデューティー演算部7と、位置信号Hu、Hv、Hwおよびデューティー指令D*を入力としてゲート信号Gu、Gv、Gw、Gx、Gy、Gzを出力する駆動信号作成部8と、検出電流を入力として過電流保護を行い、過電流保護信号を出力する過電流保護回路9と、ゲート信号Gu、Gv、Gw、Gx、Gy、Gzを入力として、インバータ主回路2aの各スイッチング素子のオン、オフを制御するゲートドライブ信号を出力するとともに、過電流保護信号を入力としてゲートドライブ信号の出力を停止するゲートドライブ回路2bとを有している。
【0084】
図2は前記デューティー演算部7における処理の一例を説明するフローチャートである。
【0085】
ステップSP1において、起動動作中か否かを判定し、起動動作中と判定された場合には、ステップSP2において、起動動作開始時か否かを判定し、起動動作開始時であると判定された場合には、ステップSP3において、回転数に応じた起動時デューティー値を演算する。そして、ステップSP2において起動開始時でないと判定された場合、またはステップSP3の処理が行われた場合には、ステップSP4において、デューティーを起動時デューティー値に設定する。ここで、起動時デューティー値は、外部負荷状態においてもファンモータやインバータ回路素子などに不都合を生じさせることのないようなモータ印加電圧を与えることができるような値に設定される。そして、この起動時デューティー値の演算については、例えば、予めテーブルに回転数に応じたデューティー値を記憶させておき、実際の起動時回転数に基づいてテーブルから対応するデューティー値を読み出して出力させるようにすることが好ましく、所要時間を短縮することができる。
【0086】
逆に、ステップSP1において起動動作中でないと判定された場合には、ステップSP5において、PI演算(比例・積分演算)開始時か否かを判定し、PI演算開始時であると判定された場合には、ステップSP6において、初期値を設定する。そして、ステップSP5においてPI演算開始時でないと判定された場合、またはステップSP6の処理が行われた場合には、ステップSP7において、指令回転数を考慮してPI演算によるデューティー演算を行う。
【0087】
そして、ステップSP4の処理が行われた場合、またはステップSP7の処理が行われた場合には、設定され、もしくは算出されたデューティーをデューティー指令として駆動信号作成部8に供給する。
【0088】
上記の構成のファンモータ制御装置の作用は次の通りである。
【0089】
起動開始時の回転数を回転数演算部5により検出することにより、順風や逆風などの外部負荷が与えられている状態か否かを判定することができる。
【0090】
そして、外部負荷が与えられている状態であれば、デューティー演算部7において、起動時回転数に応じた起動時デューティーを算出し、デューティー指令D*として駆動信号作成部8に供給することにより、ファンモータであるブラシレスDCモータ3を確実に起動させることができる。
【0091】
その後、回転数が増加して起動終了判定回転数よりも大きくなれば、PI制御を行ってデューティーを算出し、デューティー指令D*として駆動信号作成部8に供給することにより、ファンモータであるブラシレスDCモータ3を指令回転数で駆動することができる。
【0092】
上記の実施態様において、所定のモータ印加電圧を与えるためのデューティー値はインバータ主回路2aの直流電圧値によって変化するのであるから、直流電圧値に基づいてデューティー値を補正することが好ましく、より確実に精度よく起動を行わせることができ、しかもブラシレスDCモータ3、インバータ回路素子の保護を行わせることができる。
【0093】
また、ブラシレスDCモータ3が順風によって回転している場合には、その回転数に応じた誘起電圧が発生しているので、起動時のインバータ出力電圧(モータ印加電圧)をこの誘起電圧よりも低い値とすると、回生動作が行われて直流電圧が昇圧され、場合によってはインバータ回路素子あるいはブラシレスDCモータの耐電圧を越えてインバータ回路素子破壊やモータ絶縁破壊を引き起こす。
【0094】
図3は、起動時の回転数が変化した場合に直流電圧昇圧値が0V、5V、10Vとなるデューティー値の一例を示す図である。
【0095】
図3から分かるように、起動時のデューティー値によっては昇圧動作を行う場合があり、また同じデューティー値であれば、回転数が高いほど昇圧値が大きくなる。換言すれば、回転数に応じて起動時のデューティー値、すなわちモータ印加電圧を適切に設定することによって、昇圧値を所定値以内に抑えることが可能になることが分かる。
【0096】
したがって、上記のような不都合の発生を防止するためには、インバータ出力電圧を昇圧動作を行わないような値、具体的にはモータ誘起電圧よりも大きい電圧に設定すればよい。
【0097】
しかし、実際の回路構成においては全く昇圧を許さない訳ではなく、使用している回路素子(平滑コンデンサ、スイッチング素子、ドライバハイブリッドICなど)の安全動作領域内に収まるような直流電圧になるようにモータ印加電圧を設定すればよい。ここで、安全動作領域は、図4に示すように、一般に最大定格よりも小さな値となっているので、通常使用時にこの領域内に収まっていれば安全動作を保証することができる。
【0098】
上述のように、起動時のモータ印加電圧は、インバータ主回路2aの直流電圧が所定電圧以上には昇圧されない電圧であればよいが、余り大きいモータ印加電圧であれば起動電流値が大きくなってしまうので、インバータ回路素子の過電流保護や過熱保護の観点からはモータ印加電圧を大きくすることは好ましくない。そこで、起動電流が運転時最大電流(最高使用回転数で駆動させた場合の電流値)となる印加電圧を想定し、モータ印加電圧の最大限度の電圧をこの想定印加電圧よりも小さい電圧とすることが好ましく、起動時に大電流が流れることを防止することができる。
【0099】
また、順風によってある程度の回転数で回っている場合には、外力が加わっていない場合(無風状態)に比べてモータ印加電圧は小さくてもよいはずであるから、モータ印加電圧を無風運転時におけるモータ印加電圧よりも小さくすることが一層好ましい。
【0100】
上記の実施態様において、インバータ主回路2aの上アーム駆動用電源(+側スイッチング素子駆動用電源)を作成する方法の1つとして、ブートストラップ方式を用いる方法が知られている。この方法を採用した場合には、インバータ主回路2aの下アームのスイッチング素子を所定時間オンすることで上アームのスイッチング素子駆動用の電源を作成するのであるから、下アームのスイッチング素子のオン時間が短いと上アームのスイッチング素子駆動用の電圧が不足し、上アームのスイッチング素子を駆動することができなくなってしまう。
【0101】
したがって、このような不都合を防止するためには、上アームのスイッチング素子駆動用の電圧が不足しないようにデューティー値を所定のデューティー値よりも大きく設定して、常に所定の時間以上のオン時間を確保すればよい。
【0102】
図5は起動時回転数による起動時のデューティー値の一例を説明する図である。
【0103】
図5から分かるように、逆転の場合、または正転で所定回転数以下の場合には、上アームのスイッチング素子駆動用の電圧が不足しないデューティー値、それよりも高い回転数の場合には、例えば、昇圧しないデューティー値、かつ無風時デューティー値よりも小さいデューティー値とすることによって、波形出力を安定して行うことができ、しかも昇圧動作を伴わず、かつ起動電流値も過大とならないような起動を行うことが可能となる。
【0104】
また、起動時の昇圧動作、電流増加を許容することができる場合であって、逆転の場合、または正転で所定回転数以下の場合には、上アームのスイッチング素子駆動用の電圧が不足しないデューティー値、それよりも高い回転数の場合には、上アームのスイッチング素子駆動用の電圧が不足しないデューティー値、かつ昇圧値が安全動作領域内となるデューティー値、かつ起動電流値が運転時最大電流値以下となるデューティー値となるようなデューティー値とすればよい。
【0105】
なお、逆転で所定回転数以上の場合には、デューティー値を上アームのスイッチング素子駆動用の電圧が不足しないように設定すると、起動時に運転時最大電流値以上の過大な電流が流れてしまう。したがって、このような領域では、インバータ回路素子やファンモータの電流保護、過熱保護の観点から、駆動を行わないようにすることが好ましい。
【0106】
さらに、順風によってファンモータが起動時に所定回転数で回転している場合には、安定した起動を行わせるために一定のモータ印加電圧、すなわち一定のデューティー値でブラシレスDCモータを起動する必要はなく、起動直後からPI制御を行ってデューティー値を決定してもよい。そして、この場合には、回転数に応じたPI制御の初期デューティー値を決定することになる。
【0107】
具体的には、図6に示すように、ステップSP1において、PI演算開始時か否かを判定し、PI演算開始時であると判定された場合には、ステップSP2において、回転数に応じた初期デューティー値を演算する。
【0108】
そして、ステップSP1においてPI演算開始時でないと判定された場合、またはステップSP2の処理が行われた場合には、ステップSP3において、指令回転数を考慮してPI制御によるデューティー値の演算を行ってデューティー指令を生成し、駆動信号作成部7に供給する。
【0109】
この一連の処理を行えば、起動直後から徐々にデューティーを増加させることができるので、起動時の過大な電流を防止することができる。
【0110】
また、ファンモータを駆動する場合、起動時は確実に起動を行うことができる120度通電を行い、所定回転数以上では低騒音、低振動を図るために150度通電波形や正弦波変調波形を採用することがある。このような場合には、起動時の一定デューティー期間と通常運転時のPI制御によるデューティー演算期間とでは、波形とデューティー演算方法とが明確に区別されていた。
【0111】
しかし、起動直後からPI制御を行う場合には、上述のようなデューティーの区別ができないのであるから、波形切替時に、例えば通電幅の違いによるモータ印加電圧変化が発生し、一時的な電流増加や急激な加速による騒音発生などの不都合が生じることがあり、極端な場合には、過電流保護がかかってファンモータが停止してしまうことになる。
【0112】
図7はこのような不都合を解消させるためのデューティー演算部の処理のさらに他の例を説明するフローチャートである。
【0113】
ステップSP1において、PI演算開始時か否かを判定し、PI演算開始時であると判定された場合には、ステップSP2において、回転数に応じた初期デューティー値を演算する。
【0114】
そして、ステップSP1においてPI演算開始時でないと判定された場合、またはステップSP2の処理が行われた場合には、ステップSP3において、指令回転数を考慮してPI制御によるデューティー値の演算を行ってデューティー指令を生成し、ステップSP4において、波形切替時か否かを判定し、波形切替時であると判定された場合には、ステップSP5において、デューティー値を変更する。
【0115】
ステップSP4において波形切替時でないと判定された場合、またはステップSP5の処理が行われた場合には、最終的に得られたデューティー値をデューティー指令として駆動信号作成部7に供給する。
【0116】
なお、一度デューティー値を変更した場合は、その変更を次回のPI演算に反映させる必要があるが、これは通常のPI制御原理に沿った手法であるから、図7には示していない。
【0117】
このフローチャートの処理を行えば、波形切替時にデューティー値を変更してモータ印加電圧が変化しないようにすることができ、一時的な電流増加、急激な加速による騒音発生を防止することができる。ただし、上記のデューティー値の変更としては、モータ電流のピーク値が最小となるように行うことが好ましい。
【0118】
図8は波形切替時にデューティー値を変更した場合{図8中(a)参照}と変更しなかった場合{図8中(b)参照}とにおけるモータ電流変化の例を示す図である。
【0119】
図8から分かるように、デューティー値を変更しない場合には、波形切替後にモータ電流が著しく増加しているのに対して、デューティー値を変更することによって、波形切替後におけるモータ電流の増加を大幅に抑制することができる。
【0120】
図9は駆動信号作成部における処理の他の例を説明するフローチャートである。
【0121】
ステップSP1において、デューティー指令が0か否かを判定し、デューティー指令が0であると判定された場合には、ステップSP2において、停止信号を作成する。
【0122】
逆に、ステップSP1においてデューティー指令が0でないと判定された場合には、ステップSP3において、現在の回転数が波形切替回転数よりも大きいか否かを判定し、現在の回転数が波形切替回転数よりも大きいと判定された場合には、ステップSP4において、通常運転時の駆動信号を作成する。逆に、ステップSP3において現在の回転数が波形切替回転数(例えば、通常時波形出力に必要な位置推定が可能となる回転数)よりも大きくないと判定された場合には、ステップSP5において、起動時の駆動信号を作成する。
【0123】
そして、ステップSP2の処理が行われた場合、ステップSP4の処理が行われた場合、またはステップSP5の処理が行われた場合には、作成された停止信号または駆動信号をゲートドライブ回路2bに供給する。
【0124】
このフローチャートの処理を行った場合において、起動時に波形切替回転数よりも大きい回転数で回転していれば、そのまま通常運転時の駆動信号を作成してブラシレスDCモータを駆動することにより、振動、騒音を低減することができる。
【0125】
逆に、起動時に波形切替回転数以下の回転数で回転している場合、または回転していない場合には、起動時の駆動信号を作成してブラシレスDCモータを起動し、その後、波形切替回転数よりも大きい回転数で回転する状態になれば、通常運転時の駆動信号を作成してブラシレスDCモータを駆動することができる。
【0126】
以上の各実施態様において、ファンモータとしてブラシレスDCモータのみならず誘導電動機等のACモータを採用することが可能である。しかし、誘導電動機とブラシレスDCモータとのモータ効率は図10に示すとおりであるから、ファンモータとしてブラシレスDCモータを採用することが好ましい。
【0127】
【発明の効果】
請求項1の発明は、ファンモータを確実に起動することができるとともに、必要以上に過電圧、過電流が発生することを防止し、外部負荷に対する十分な保護を達成することができるという特有の効果を奏する。
【0128】
請求項2の発明は、請求項1と同様の効果を奏する。
【0129】
請求項3の発明は、請求項2の効果に加え、より確実に精度よく起動、保護を行うことができるという特有の効果を奏する。
【0130】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3の何れかの効果に加え、安全動作を確保することができるという特有の効果を奏する。
【0131】
請求項5の発明は、請求項4の効果に加え、過電圧を防止することができるという特有の効果を奏する。
【0132】
請求項6の発明は、請求項4または請求項5の効果に加え、昇圧動作を防止し、ひいては過電圧を防止することができるという特有の効果を奏する。
【0133】
請求項7の発明は、請求項1から請求項3の何れかの効果に加え、起動時に大電流が流れることを防止することができるという特有の効果を奏する。
【0134】
請求項8の発明は、請求項7と同様の効果を奏する。
【0135】
請求項9の発明は、請求項1から請求項3の何れかの効果に加え、インバータの誤動作を防止することができるという特有の効果を奏する。
【0136】
請求項10の発明は、請求項1から請求項9の何れかの効果に加え、起動直後から徐々にデューティーを増加させることに伴って起動時の過電流を防止することができるという特有の効果を奏する。
【0137】
請求項11の発明は、請求項10の効果に加え、波形切替時の過電流を防止することができるという特有の効果を奏する。
【0138】
請求項12の発明は、請求項11と同様の効果を奏する。
【0139】
請求項13の発明は、請求項1から請求項12の何れかの効果に加え、安定な制御および振動、騒音の低減を達成することができるという特有の効果を奏する。
【0140】
請求項14の発明は、請求項1から請求項13の何れかの効果に加え、省エネルギーを達成することができるという特有の効果を奏する。
【0141】
請求項15の発明は、空気調和機に適用することにより、請求項1から請求項14の何れかと同様の効果を奏する。
【0142】
請求項16の発明は、ファンモータを確実に起動することができるとともに、必要以上に過電圧、過電流が発生することを防止し、外部負荷に対する十分な保護を達成することができるという特有の効果を奏する。
【0143】
請求項17の発明は、請求項16と同様の効果を奏する。
【0144】
請求項18の発明は、請求項17の効果に加え、より確実に精度よく起動、保護を行うことができるという特有の効果を奏する。
【0145】
請求項19の、請求項16から請求項18の何れかの効果に加え、安全動作を確保することができるという特有の効果を奏する。
【0146】
請求項20の発明は、請求項19の効果に加え、過電圧を防止することができるという特有の効果を奏する。
【0147】
請求項21の発明は、請求項19または請求項20の効果に加え、昇圧動作を防止し、ひいては過電圧を防止することができるという特有の効果を奏する。
【0148】
請求項22の発明は、請求項16から請求項18の何れかの効果に加え、起動時に大電流が流れることを防止することができるという特有の効果を奏する。
【0149】
請求項23の発明は、請求項22と同様の効果を奏する。
【0150】
請求項24の発明は、請求項16から請求項18の何れかの効果に加え、インバータの誤動作を防止することができるという特有の効果を奏する。
【0151】
請求項25の発明は、請求項16から請求項24の何れかの効果に加え、起動直後から徐々にデューティーを増加させることに伴って起動時の過電流を防止することができるという特有の効果を奏する。
【0152】
請求項26の発明は、請求項25の効果に加え、波形切替時の過電流を防止することができるという特有の効果を奏する。
【0153】
請求項27の発明は、請求項26と同様の効果を奏する。
【0154】
請求項28の発明は、請求項16から請求項27の何れかの効果に加え、安定な制御および振動、騒音の低減を達成することができるという特有の効果を奏する。
【0155】
請求項29の発明は、請求項16から請求項28の何れかの効果に加え、省エネルギーを達成することができるという特有の効果を奏する。
【0156】
請求項30の発明は、空気調和機に適用することにより、請求項16から請求項29の何れかと同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のファンモータ制御装置の一実施態様を示すブロック図である。
【図2】デューティー演算部における処理の一例を説明するフローチャートである。
【図3】起動時の回転数が変化した場合に直流電圧昇圧値が0V、5V、10Vとなるデューティー値の一例を示す図である。
【図4】安全動作領域を説明する図である。
【図5】起動時回転数による起動時のデューティー値の一例を説明する図である。
【図6】デューティー演算部における処理の他の例を説明するフローチャートである。
【図7】デューティー演算部における処理のさらに他の例を説明するフローチャートである。
【図8】波形切替時にデューティー値を変更した場合と変更しなかった場合とにおけるモータ電流変化の例を示す図である。
【図9】駆動信号作成部における処理の他の例を説明するフローチャートである。
【図10】誘導電動機とブラシレスDCモータとのモータ効率を示す図である。
【図11】従来のファンモータ制御装置を示すブロック図である。
【図12】120度通電駆動信号の作成を説明する図である。
【図13】デューティー演算部における処理を説明するフローチャートである。
【図14】駆動信号作成部における処理を説明するフローチャートである。
【図15】停止信号の作成を説明する図である。
【符号の説明】
2a インバータ主回路 2b ゲートドライブ回路
3 ブラシレスDCモータ 5 回転数演算部
7 デューティー演算部 8 駆動信号作成部
Claims (30)
- インバータ出力電圧をファンモータに印加することによりファンモータを駆動するに当たって、
起動開始時のファンモータの回転数を検出し、検出した回転数に基づいてモータ印加電圧を決定し、決定したモータ印加電圧を用いてファンモータを起動することを特徴とするファンモータ制御方法。 - インバータのデューティーを変化させることにより、決定したモータ印加電圧をファンモータに印加する請求項1に記載のファンモータ制御方法。
- インバータのデューティー値をインバータの直流電圧値に応じて補正する請求項2に記載のファンモータ制御方法。
- モータ印加電圧を、昇圧時の直流電圧がインバータ回路素子の安全動作領域内となる値に設定する請求項1から請求項3の何れかに記載のファンモータ制御方法。
- モータ印加電圧を、昇圧動作が行われない値に設定する請求項4に記載のファンモータ制御方法。
- モータ印加電圧を、モータ誘起電圧よりも大きい値に設定する請求項4または請求項5に記載のファンモータ制御方法。
- モータ印加電圧を、起動電流値が運転時最大電流値よりも小さくなる値に設定する請求項1から請求項3の何れかに記載のファンモータ制御方法。
- モータ印加電圧を、無風運転時におけるモータ印加電圧よりも小さい値に設定する請求項7に記載のファンモータ制御方法。
- インバータの上アーム駆動用電源をブートストラップ動作により作成し、インバータのデューティー値を、上アーム電圧不足とならない値に設定する請求項1から請求項3の何れかに記載のファンモータ制御方法。
- 起動直後からPI制御を行ってインバータのデューティーを変化させる請求項1から請求項9の何れかに記載のファンモータ制御方法。
- 起動時と通常運転時とでインバータから出力される駆動波形を変更し、かつ駆動波形切替時にインバータのデューティー値を変更する請求項10に記載のファンモータ制御方法。
- 駆動波形切替時のモータ電流ピーク値が最小となるようにインバータのデューティー値を変更する請求項11に記載のファンモータ制御方法。
- 起動時の回転数に基づいてインバータから出力される駆動波形を決定する請求項1から請求項12の何れかに記載のファンモータ制御方法。
- ファンモータはブラシレスDCモータである請求項1から請求項13の何れかに記載のファンモータ制御方法。
- ファンモータにより空気調和機に含まれるファンを駆動する請求項1から請求項14の何れかに記載のファンモータ制御方法。
- インバータ出力電圧をファンモータ(3)に印加することによりファンモータ(3)を駆動するものであって、
起動開始時のファンモータ(3)の回転数を検出する回転数検出手段(5)と、
検出した回転数に基づいてモータ印加電圧を決定する印加電圧決定手段(7)と、
決定したモータ印加電圧を用いてファンモータ(3)を起動する起動手段(8)(2b)(2a)と
を含むことを特徴とするファンモータ制御装置。 - 前記印加電圧決定手段(7)は、インバータ(2a)のデューティーを変化させることにより、決定したモータ印加電圧をファンモータ(3)に印加するものである請求項16に記載のファンモータ制御装置。
- 前記印加電圧決定手段(7)は、インバータ(2a)のデューティー値をインバータ(2a)の直流電圧値に応じて補正する補正手段(7)をさらに含むものである請求項17に記載のファンモータ制御装置。
- 前記印加電圧決定手段(7)は、モータ印加電圧を、昇圧時の直流電圧がインバータ回路素子の安全動作領域内となる値に設定するものである請求項16から請求項18の何れかに記載のファンモータ制御装置。
- 前記印加電圧決定手段(7)は、モータ印加電圧を、昇圧動作が行われない値に設定するものである請求項19に記載のファンモータ制御装置。
- 前記印加電圧決定手段(7)は、モータ印加電圧を、モータ誘起電圧よりも大きい値に設定するものである請求項19または請求項20に記載のファンモータ制御装置。
- 前記印加電圧決定手段(7)は、モータ印加電圧を、起動電流値が運転時最大電流値よりも小さくなる値に設定するものである請求項16から請求項18の何れかに記載のファンモータ制御装置。
- 前記印加電圧決定手段(7)は、モータ印加電圧を、無風運転時におけるモータ印加電圧よりも小さい値に設定するものである請求項22に記載のファンモータ制御装置。
- インバータ(2a)の上アーム駆動用電源をブートストラップ動作により作成する電源作成手段をさらに含み、前記印加電圧決定手段(7)は、インバータ(2a)のデューティー値を、上アーム電圧不足とならない値に設定するものである請求項16から請求項18の何れかに記載のファンモータ制御装置。
- 起動直後からPI制御を行ってインバータ(2a)のデューティーを変化させるデューティー変更手段(7)をさらに含む請求項16から請求項24の何れかに記載のファンモータ制御装置。
- 起動時と通常運転時とでインバータ(2a)から出力される駆動波形を変更する駆動波形変更手段(8)をさらに含み、前記デューティー変更手段(7)は、駆動波形切替時にインバータ(2a)のデューティー値を変更するものである請求項25に記載のファンモータ制御装置。
- 前記デューティー変更手段(7)は、駆動波形切替時のモータ電流ピーク値が最小となるようにインバータ(2a)のデューティー値を変更するものである請求項26に記載のファンモータ制御装置。
- 起動時の回転数に基づいてインバータ(2a)から出力される駆動波形を決定する駆動波形決定手段(8)をさらに含む請求項16から請求項27の何れかに記載のファンモータ制御装置。
- ファンモータ(3)はブラシレスDCモータ(3)である請求項16から請求項28の何れかに記載のファンモータ制御装置。
- ファンモータ(3)は空気調和機に含まれるファンを駆動するものである請求項16から請求項29の何れかに記載のファンモータ制御装置。
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