JP3602126B2 - 吸脱着式ガス浄化装置 - Google Patents
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Description
つまり、ハニカムロータ式の吸脱着式ガス浄化装置による場合には、ガス通路周囲壁に沿って処理対象ガスを流動させて吸着材に接触させることで吸着させるため、吸着体の大きさの割りには吸着材と処理対象ガスとの接触面積が小さくて、吸着材と処理対象ガスとの接触効率が悪く、吸着体の大きさの割りには処理能力が小さくてコストの高いものになる。しかも、吸着体を加熱して脱着する際、吸着体が大きく、加えて、支持用の枠に熱を取られることにより、多量の熱量が必要であり、かつ、脱着後に吸着可能状態に更新させる上で冷却を必要とすることもあり、ランニングコストが高くつく。これに対し、本発明が対象とする上述の吸脱着式ガス浄化装置による場合には、吸着ベルトを、繊維状活性炭のフェルトから構成したり、或いは、活性炭を内部に分散させたフェルトから構成したりすることなどにより、吸着ベルトと処理対象ガスとの接触面積を大きくして接触効率を優れたものにできる割りには吸着ベルトの厚さを薄くでき、その結果、吸着ベルトを加熱・冷却し易いものにできて、脱着のための加熱に要するランニングコストが安くて済み、また、特別な装置類を要することなく脱着後の吸着のための冷却を行える。
そのような利点を有する吸脱着式ガス浄化装置として従来では、図28に示すように、吸着ベルト3を第1のロールR1から繰り出すとともに、第2のロールR2で巻き取り、その第1のロールR1から第2のロールR2への移動途中で、処理対象ガスG1を供給して溶剤などの除去対象物を吸着ベルト3に吸着させ、第2のロールR2を収納する加熱室Hに脱着用ガスG2としての加熱空気を供給して吸着ベルト3からそれの吸着されている除去対象物を脱着する技術が知られている。
本発明の目的は、上記欠点を解消する点、つまり、たとえ前記従来例の主使用領域濃度に比べて高濃度の処理対象ガスであっても、装置の大型化、コストアップを招来することなく長時間連続処理できるようにする点にある。
前記吸着手段として、前記処理室内に処理対象ガスを供給する吸着用供給ダクトと、吸着ベルトに近接位置する処理ガス吸い込み口を介して吸着ベルト内から透過した処理ガスを吸引して処理室外に排出する処理ガス排出ダクトとを設け、
前記脱着手段として、前記処理室内で吸着ベルトに近接位置する脱着用ガス供給口を介して吸着ベルトに脱着用ガスを供給する脱着用供給ダクトと、前記脱着用ガス供給口に吸着ベルトを挟んで対向する箇所で吸着ベルトに近接位置する濃縮ガス吸い込み口を介して吸着ベルトを透過した濃縮ガスを処理室外に排出する濃縮ガス排出ダクトとを設け、
前記脱着用供給ダクト内の圧力を前記吸着用ダクト内の圧力よりも高くしてある点にある。
前記脱着用ガス供給口をその外郭が前記濃縮ガス吸い込み口の内側に位置する大きさに構成してある点にある。
前記脱着用供給ダクトから隙間を介して脱着用ガスが処理室内に排出される構成にしてある点にある。
溶剤処理設備は、図1に示すように、除去対象物の一例である溶剤を含有する処理対象ガスG1を濃縮する前処理用の吸脱着式ガス浄化装置1と、そこからの濃縮ガスg2中の溶剤を除去する最終処理装置2とからなる。
前記吸脱着式ガス浄化装置1は、図2、図3に示すように、輪状(無端帯状)に形成された通気性の吸着ベルト3と、その吸着ベルト3を循環経路に沿うように巻きかけて回転移動させる移動手段とを処理室4内に設け、吸着手段と、脱着手段と、分離手段と、位置規制手段とを設けて構成されている。
前記循環経路は、上昇経路部と、それの上端に連なる水平の上側経路部と、その終端に連なる下降経路部と、その下降経路部から上昇経路部への水平な下側経路部とからなる。前記吸着ベルト3は、活性炭を吸着材として、常温で処理対象ガスG1中の溶剤を吸着し、加熱(100〜130度)により脱着するものである。
具体的には、図4に示すように、繊維状活性炭をフェルト状に加工した通気性のマット3Aを設け、そのマット3Aの内周面に、耐熱性(130℃程度に耐えられる性能)及び通気性の不織布等からなる無端帯状の補強用の基材3Bを重ねて固定し、マット3Aの外周面に耐熱性(130℃程度に耐えられる性能)及び通気性の不織布等からなる保護層3Cを重ねて固定し、ベルト幅規制体3Dと第1及び第2の通気制限帯状体3E,3Fとを設けて構成されている。
前記マット3Aの実数値例を挙げると、活性炭繊維の径は10〜20μm、厚さは10〜20mm、目付け量は600g/m 2 程度である。なお、図では判りやすくする上で基材3B及び保護層3Cを厚く示してあるが、基材3B及び保護層3Cの実際の厚さは非常に薄いものである。
そして、吸着ベルト3の外周面には、ベルト幅方向に沿った姿勢で、ベルト幅の全幅にわたる幅及び基材3Bの外周面に達する深さを有する複数の切り込み5が回転移動方向に間隔を隔てて形成されている。つまり、マット3Aは、回転移動方向で複数個に単位体3aに分割構成されており、保護層3Cは、単位体3aの回転移動方向の端面を覆うように折り曲げ形成されている。
もって、吸着ベルト3は、その各部位がコーナー部を通過する際、回転移動方向で隣合うマット3Aの外周面側同士が切り込み5を開くように回転移動方向で相互に離間することにより外周面の引張力を吸収するように構成されている。
前記ベルト幅規制体3Dは、吸着ベルト3の幅方向両端同士の相対接近を阻止するものであって、金属材料や合成樹脂(耐熱性を有し、熱変形や熱膨張を起こしにくいものが好ましい。)などからなり、丸棒状や角棒状、板状に形成されている。なお、図では丸棒状のものを示してあるが、大きさや形状は、可及的にガスの通過を阻害しないように設定する。そして、吸着ベルト3の切り込み形成箇所のそれぞれに配置されている。
前記第1の通気制限帯状体3Eは、非通気性のもので、前記吸着ベルト3の切り込み形成箇所の内周面それぞれにその吸着ベルト3の全幅にわたる状態に装着されて切り込み形成箇所での通気を防止するものであり、耐熱性の合成樹脂シートから構成されている。
前記第2の通気制限帯状体3Fは、非通気性で、前記吸着ベルト3のうちベルト幅規制体設置箇所の内周面それぞれにその吸着ベルト3の全幅にわたる状態に装着されて内周面側からそれら各ベルト幅規制体3Dに向かう通気を阻止するものであり、前記第1の通気制限帯状体3Eと兼用構成されている。
前記移動手段は、同図4に示す如く、前記吸着ベルト3をコンベアネット6Aの外周面に重ねた状態で前記の循環経路に沿ってコンベアネット6Aを回転移動することにより吸着ベルト3を循環経路に沿って移送するネットコンベア6であり、コンベアネット6Aと、それを移動案内するガイド機構と、駆動ローラ6Bと、テンション機構とからなる。
前記コンベアネット6Aは、図5〜図7に示すように、回転移動方向に沿う姿勢の平帯状の縦ネット材6aと幅方向に沿う姿勢の横ネット材6bとを編織したネットを設け、このネットの幅方向の両端に補強材6cを取り付けて構成されている。前記縦ネット材6aは、抗張力が大きいアラミド樹脂製であり、横ネット材6bは、テフロン(登録商標)樹脂製である。そして、コンベアネット6Aの厚さtは、良好な可撓性を得る上で0.5〜1mm程度としてあり、目の大きさは5mm×5mm程度、ネット材の幅は1mm程度である。
前記ガイド機構は、循環経路のコーナ部に配置したガイドローラ7と、上昇経路部、下降経路部、上側経路部のそれぞれに配置したガイドレール8とからなる。ガイドレール8は、図6、図7に示すように、コンベアネット6Aの補強ベルト6cに固定したピン9に係合することにより、コンベアネット6Aの幅方向の位置ずれを規制するガイド溝8aと、コンベアネット6Aの内周面に摺動してそのコンベアネット6Aの厚さ方向での振れを防止するガイド面8bとを備え、ガイド面8bのうち移動上手側の端部分8cは、ガイドレール8の端面にピン9が引っ掛からないようにするため傾斜姿勢に形成されている。
前記駆動ローラ6Bは、ガイドローラ7の一つをモータ10などのアクチュエータに連動させることで構成されており、その周面は、コンベアネット6Aの目に入り込んで係合するようにゴム等の軟質材11から構成されている。
前記テンション機構は、循環経路のうち下側経路部において、テンションローラ12でコンベアネット6Aを上方に持ち上げてそのコンベアネット6Aにテンションを付与するものであり、このテンション付与の作用でコンベアネット6Aが吸着ベルト3から上方に分離して吸着ベルト3が自由状態となる。つまり、テンション機構が、コンベアネット6Aを吸着ベルト3から上方に分離して吸着ベルト3を自由状態にする前記分離手段を構成している。
前記吸着手段は、前記処理対象ガスG1中の溶剤を吸着ベルト3により吸着除去する手段であって、前記循環経路のうち上昇経路部と下降経路部とで前記吸着ベルト3内を厚さ方向に透過するように処理対象ガスG1を外周面側から供給するとともに、その吸着ベルト3で溶剤を吸着除去されて内周面側に透過してきた処理ガスg1を排出するように構成されている。詳述すると、図8にも示すように、前記処理室4を形成する外装ケース13のうち上昇経路部と下降経路部とに対応する箇所に形成の処理対象ガス供給口14aを介して処理室4内のうち外装ケース13と吸着ベルト3の外周面との間に処理対象ガスG1を供給するための吸着用供給ダクト14と、吸着ベルト3で囲まれた箇所で吸着ベルト3の内周面に近接位置する処理ガス吸い込み口15aを介して吸着ベルト3内から透過した処理ガスg1を吸引して処理室4外に排出するための処理ガス排出ダクト15とを設け、処理対象ガスG1の供給ファンF1と処理ガスg1の排気ファンf1とを設けて構成されている。つまり、処理対象ガス供給口14a及び処理ガス吸い込み口15aとから、処理室4内に位置して吸着ベルト3に対して処理対象ガスG1を給排する吸着部が構成されている。
前記脱着手段は、前記吸着ベルト3に吸着された溶剤を高温の脱着用ガスG2により脱着する手段であって、前記循環経路のうち上側経路部で前記吸着ベルト3内を厚さ方向に透過するように脱着用ガスG2を内周面側から供給するとともに、吸着ベルト3から溶剤を脱着して外周面側に透過してきた濃縮ガスg2を排出するように構成されている。詳述すると、図8にも示すように、処理室4内のうち前記吸着ベルト3で囲まれた箇所でその吸着ベルト3の内周面に近接位置する脱着用ガス供給口16aを介して吸着ベルト3に内周面側から脱着用ガスG2を供給するための脱着用供給ダクト16と、処理室4内のうちその脱着用供給ダクト16の脱着用ガス供給口16aに吸着ベルト3を挟んで対向する箇所で吸着ベルト3の外周面に近接位置する濃縮ガス吸い込み口17aを介して吸着ベルト3を透過した濃縮ガスg2を処理室4外に排出するための濃縮ガス排出ダクト17とを設け、脱着用ガスG2の供給ファンF2と濃縮ガスg2の排気ファンf2とを設けて構成されている。つまり、脱着用ガス供給口16a及び濃縮ガス吸い込み口17aとから、処理室4内に位置して吸着ベルト3に対して脱着用ガスG2を給排する脱着部が構成されている。前記濃縮ガス排出ダクト17は濃縮ガスg2を前記最終処理装置2に供給する排出ダクトである。そして、脱着用ガス供給口16aをその外郭が濃縮ガス吸い込み口17aの内側に位置する大きさに構成し、供給口16aと吸着ベルト3とに隙間d(2mm〜3mm程度で、供給口を吸着ベルト3に接触させない寸法。)を形成し、かつ、脱着用供給ダクト16内の圧力P3を外装ケース13内の圧力、つまり、図8に示すように、吸着用供給ダクト14内の圧力P1よりも高くして、脱着用供給ダクト16から隙間dを介して若干の脱着用ガスG2が処理室4内に排出されるようにすることにより、吸着ベルト3に供給される脱着用ガスG2中に処理室4内の冷たいガスが混入しないように構成してある。前記のように、隙間dから脱着用ガスG2を排出するための制御は、脱着用供給ダクト16内の圧力P3と処理室4内の圧力P1とを検出し、その差圧が設定値となるように脱着用ガスG2の供給圧や濃縮ガスg2の吸引圧を制御しても良いが、上記のように吸着部と脱着部とを配置した場合の処理室4内には、脱着用ガスG2の排出量に応じて温度成層が形成される傾向にあるなど、処理室4内の温度状況と脱着用ガスG2の排出量とを関係付けることができる場合には、温度に基づいて制御しても良い。因みに、吸着用供給ダクト14の圧力P1と処理ガス排出ダクト15の圧力P2と脱着用供給ダクト16の圧力P3と濃縮ガス排出ダクト17の圧力P4とは、P2<P1<P3、P4<P3の関係にある。
また、吸着手段及び脱着手段には、ガス吸引に伴う吸着ベルト3の変形を防止する吸引変形防止手段が設けられている。
吸着用の吸引変形防止手段は、図9、図10に示すように、処理ガス吸い込み口15aの全周において吸引に抗してコンベアネット6A及び吸着ベルト3を支持するシール用の支持板18と、支持体19とからなる。
前記支持板18は、処理ガス吸い込み口15aの回転移動方向の前後両端に位置するとともに、回転移動方向に設定長さLを有する前後の支持部18Aと、処理ガス吸い込み口15aの左右方向(幅方向)の両端に位置するとともに、左右方向に設定長さLを有する左右の支持部18Bとからなる。
前記支持体19は、コンベアフレーム19Aの回転移動方向に間隔を隔てた複数箇所それぞれに、コンベアネット6Aを支持するローラ19Bを、吸着ベルト3の幅方向に沿った水平軸芯周りに自由回転自在に装着して構成されている。つまり、複数のローラ19Bがコンベアネット6Aの回転移動に伴い水平軸芯周りに回転することにより、摺動抵抗なくコンベアネット6Aを支持するように構成されている。
前記脱着用の吸引変形防止手段は、図11、図12に示すように、濃縮ガス吸い込み口17aの全周において吸引に抗して吸着ベルト3を支持するシール用の支持板20と、支持体21とからなる。
前記支持板20は、濃縮ガス吸い込み口17aの回転移動方向の前後両端に位置するとともに、回転移動方向に設定長さLを有する前後の支持部20Aと、濃縮ガス吸い込み口17aの左右方向の両端に位置するとともに、左右方向に設定長さLを有する左右の支持部20Bとからなる。
前記支持体21は、コンベアフレーム21Aの回転移動方向に間隔を隔てた複数箇所それぞれに、吸着ベルト3を支持するローラ21Bを、吸着ベルト3の幅方向に沿った水平軸芯周りに自由回転自在に装着して構成されている。つまり、複数のローラ21Bが吸着ベルト3の回転移動に伴い水平軸芯周りに回転することにより、摺動抵抗なく吸着ベルト3を支持するように構成されている。なお、この脱着用の吸引変形防止手段のローラ21Bは、吸着用の吸引変形防止手段のローラ19Bよりも大径に構成してある。
また、前記吸着用のローラ19B及び脱着用のローラ21Bの配置手段の例として、図9、図11に示すように、吸着ベルト3の幅に相当する長さの長尺物を一列の状態に配置したものを示したが、図13の(イ)(ロ)に示すように、短尺物を幅方向に複数列の状態に設けても良い。この場合、(イ)に示すように幅方向で隣合うものが回転移動方向の同一箇所に位置する状態に配置する形態及び(ロ)に示すように千鳥の状態に配置する形態のいずれを採用しても良い。
前記位置規制手段は、図14に示すように、下側経路部の左右両脇に、コンベアネット6Aから下方に離脱して自由状態にある吸着ベルト3の左右の端縁、詳しくは、ベルト幅規制体3Dのうち幅方向外方に突出する長手方向の端部に摺動する(逆言すれば、ベルト幅規制体3Dのベルト幅方向における両端部を吸着ベルト3の回転移動に伴い摺動させる)ことにより、吸着ベルト3の幅方向での位置を規制する規制板22を設けて構成されている。
上記実施例では、循環経路として、上昇経路部と下降経路部と上側経路部と下側経路部とを備えたものを示したが、循環経路の形状は適宜変更自在である。上記実施例では、吸着を循環経路の2箇所で、脱着を1箇所で行うものを示したが、それらの数は不問である。
上記実施例では、切り込み形成箇所にベルト幅規制体3Dを配置したが、図15に示すように、切り込み形成箇所とは異なる箇所にベルト幅規制体3Dを配置してもよい。この場合、第1の通気制限帯状体3Eと第2の通気制限帯状体3Fとを別個に設置することになる。
上記実施例では、マット3Aを、回転移動方向で隣合うもの同士が相互に分離する単位体3aから構成したが、図16に示すように、切り込み5をマット3Aの厚さ方向の中間までの深さのものにして、マット3Aがそれ自身で一連に一体化していても良い。
上記実施例では、切り込み5付きの吸着ベルト3を示したが、吸着ベルト3は、図17に示すように、マット3Aの幅方向両端に「コ」の字形の補強材3Gを取り付け、幅方向中間の内外周に、平板状の補強材3Hをマット3Aを挟む状態に取り付けて、対引張性能を向上し、かつ、マット3Aの幅方向の端部を保護するように構成したものや、図18に示すように、マット3Aの内周面に、補強用のガラス繊維製のネット3Jを取り付けたものであっても良い。
前記コンベアネット6Aを次のように構成しても良い。
図19、図20に示すように、循環径路に沿って回転移動自在なフレームに上記実施例で示したネットを取り付ける。前記フレームは、2本の補強兼用の駆動ベルト6dを幅方向に間隔を隔てて配置し、回転移動方向に間隔を隔てた箇所それぞれでそれら駆動ベルト6d同士を繋いでそれらの間隔を保持するとともに駆動ベルト6d同士の回転方向の位置づれを抑制する補強材6eを設けて構成されている。6fは、補強材6e及びネットを厚さ方向から挟む状態でネットに取り付けた内外一対の非通気性のシートであり、これは、補強材6eとネット特に縦ネット材6aとを固定連結して一体化するとともに、補強材6eにガスが接触しないようにその補強材6eへの通気を制限するものである。前記駆動ベルト6dは、Vベルトやタイミングベルトなどであり、従って、このコンベアネット6Aを駆動並びに移動案内するものは、V溝付きのプーリーや歯付きのプーリーなどである。また、補強材6eは、金属材料や合成樹脂材料などからなり、平板状や棒状(丸や角などの形状)のものであり、曲げ剛性に優れたものであることが好ましい。
上記コンベアネット6Aの場合、回転移動する際、補強材6eそれぞれによりネットがその全幅で引っ張られ、その結果、ネットを全幅で均等に回転移動させやすく、かつ、ネットには補強材6e間分のテンションのみが作用し、ネットの寿命が長くなる。
また、上記のコンベアネット6Aを次のようにしても良い。
すなわち、図21、図22に示すように、補強材6eの両端を外方に延長する。この場合、コンベアネット6Aの駆動構成として、コンベアネット6Aの両脇に駆動チェーンCHを設け、この駆動チェーンCHに、補強材6eの延長端部6gに連結、或いは、係合する連係部Lを装備させて、チェーン駆動によりコンベアネット6Aを駆動する形式を採用することができる。
上記実施例では、吸着用の吸引変形防止手段の支持体19として、コンベアフレーム19Aとローラ19Bとからなるいわゆるローラコンベアを示したが、この支持体19としては、図23に示すように、処理ガス吸い込み口15a内の幅方向に間隔を隔てた複数箇所それぞれにVベルトやタイミングベルト(滑り止め用の歯付きベルト)で代表されるベルトBをプーリP間に巻き掛けたベルトコンベアの複数を、吸着ベルト3の回転移動に伴い追従回動しながらそのベルトBで吸着ベルト3を支持するように配置して構成されたものであっても良い。
上記実施例では、脱着用の吸引変形防止手段の支持体21として、コンベアフレーム21Aとローラ21Bとからなるいわゆるローラコンベアを示したが、この支持体21としては、図24に示すように、ローラR間にコンベアネットNを巻き掛けたネットコンベアを、吸着ベルト3の回転移動に伴い追従回動しながらそのコンベアネットNで吸着ベルト3を支持するように配置して構成されたものであっても良い。
前記吸着用の吸引変形防止手段の支持体19を脱着用の吸引変形防止手段の支持体21として用いたり、反対に、脱着用の吸引変形防止手段の支持体21を吸着用の吸引変形防止手段の支持体19として用いたりする。
上記実施例では、吸着ベルト3として、繊維状活性炭をフェルト状に加工したものを示したが、吸着ベルト3としては、(イ)図25に示すように、通気性及び可撓性を有する不織布などの基材Bの表面に粒状活性炭cを接着により担持させたものや、(ロ)図26に示すように、通気性及び可撓性を有する不織布などの基材Bの複数を重ね、それら基材B間に粒状活性炭や繊維活性炭・粉状活性炭cを挟み込んだもの、(ハ)図27に示すように、通気性及び可撓性を有する不織布などの基材B中に粒状活性炭cを分散させて保持させたものであってもよい。これらの構造の吸着ベルト3では、基材B自体に吸着能が要求されず、ベルトとして使用できる機能が基材Bに備わっていればよいから、基材Bの材質選定の自由度が高く、その結果、耐久性に優れたものを得やすい。なお、図では、判りやすくするために、活性炭を大きく誇張して示してある。
上記実施例及び別の実施例では、吸着物質として活性炭を示したが、吸着物質は、天然や合成のゼオライトであってもよい。この場合、ゼオライトが不燃性であるため、脱着用ガスG2による加熱に起因した吸着物質の損傷を考える必要がなく、脱着用ガスG2の温度設定の自由度を上げることができる。
G1 処理対象ガス
G2 脱着用ガス
3D ベルト幅規制体
22 規制体
6A コンベアネット
Claims (3)
- 通気性を備えた吸着ベルト(3)を外装ケース(13)により形成される処理室(4)内で循環経路に沿うように巻きかけて回転移動させる移動手段と、前記循環経路の設定箇所でその吸着ベルト(3)内を厚さ方向に透過するように処理対象ガス(G1)を給排する吸着手段と、前記設定箇所とは異なる別の設定箇所で吸着ベルト(3)内を厚さ方向に透過するように脱着用ガス(G2)を給排する脱着手段とを設け、
前記吸着手段として、前記処理室(13)内に処理対象ガス(G1)を供給する吸着用供給ダクト(14)と、吸着ベルト(3)に近接位置する処理ガス吸い込み口(15a)を介して吸着ベルト(3)内から透過した処理ガス(g1)を吸引して処理室(4)外に排出する処理ガス排出ダクト(15)とを設け、
前記脱着手段として、前記処理室(4)内で吸着ベルト(3)に近接位置する脱着用ガス供給口(16a)を介して吸着ベルト(3)に脱着用ガス(G2)を供給する脱着用供給ダクト(16)と、前記脱着用ガス供給口(16a)に吸着ベルト(3)を挟んで対向する箇所で吸着ベルト(3)に近接位置する濃縮ガス吸い込み口(17a)を介して吸着ベルト(3)を透過した濃縮ガス(g2)を処理室(4)外に排出する濃縮ガス排出ダクト(17)とを設け、
前記脱着用供給ダクト(16)内の圧力(P3)を前記吸着用ダクト(14)内の圧力(P1)よりも高くしてある吸脱着式ガス浄化装置。 - 前記脱着用ガス供給口(16a)をその外郭が前記濃縮ガス吸い込み口(17a)の内側に位置する大きさに構成してある請求項1記載の吸脱着式ガス浄化装置。
- 前記脱着用供給ダクト(16)から隙間(d)を介して脱着用ガス(G2)が処理室(4)内に排出される構成にしてある請求項1又は2記載の吸脱着式ガス浄化装置。
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