JP3601746B2 - 半導体集積デバイスの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体集積デバイスの製造方法に関し、特に電子素子と光素子等、2種類以上の半導体素子を有する半導体集積デバイスの製造に用いて有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
2種類以上の半導体素子からなる半導体集積デバイス(例えば、電子素子と光素子から構成される光電子集積デバイス)を作製する際の一方法として、各々の半導体素子を形成するための半導体層を半導体基板上に連続して堆積し、不要な部分を素子作製工程におけるエッチングにより除去していく方法がある。作製する半導体素子に依ってはこのエッチングをドライエッチングで行なう場合、スパッタ、プラズマCVDによる絶縁膜を用いる場合があり、またその絶縁膜の加工にドライエッチングを用いる場合がある。
【0003】
従来技術に係る半導体集積デバイスの製造方法として光電子集積デバイスの作製方法を例に採り図3及び図4に基づきその工程を順を追って説明する。
(1) 図3(a)に示すように、半導体基板である半絶縁性InP基板201上に第1の半導体層である電子素子層202と第2の半導体層であるフォトダイオード層203とを成長させる。
(2) 図3(b)に示すように、ドライエッチングによりフォトダイオード層203のメサ構造211を形成する。
(3) 図3(c)に示すように、ウエットエッチング或いはドライエッチングにより電子素子層202のメサ構造212を形成する。同時に素子間を電気的に絶縁するため素子作製領域以外は半絶縁性InP基板201までエッチングする。
(4) 図3(d)に示すように、フォトダイオード層203の電極204を形成する。
(5) 図3(e)に示すように、プラズマCVD、スパッタ等の方法で絶縁膜205を堆積する。
(6) 図4(a)に示すように、電子素子層202の部分及びコンタクトホール206の部分の絶縁膜205をエッチングにより除去する。
(7) 図4(b)に示すように、電極207,208及び配線層を形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如き従来技術に係る工程(2) (5)或いは(6)においては、電子素子作製領域の電子素子層202がドライエッチング或いはスパッタ等に直接さらされることになる。この影響により、電子素子層202の表面に損傷が生じたり、キャリア供給層に欠陥が生じたりし、その結果コンタクト抵抗の上昇、遮断周波数の低下等の素子特性の劣化を生起する。
【0005】
例えば、電子素子としてHEMTを、光素子としてフォトダイオードを集積する場合、HEMT作製領域の電子素子層202が、該HEMT層上に堆積されたフォトダイオード層203をエッチングする際に用いるドライエッチング、絶縁膜205を堆積する際のスパッタ及び絶縁膜205を加工する際のドライエッチングの影響を受けた結果、ゲート長1μm、ゲート幅50μmのHEMTにおいて、同一サイズのHEMTを単体で作製した場合と比較して、ソース抵抗は2倍の8Ωになり、遮断周波数は3/5の15GHzとなった。
【0006】
すなわち従来技術においては、半導体基板上に堆積された第1の半導体層群から形成される第1の半導体素子と該半導体層群の上に積層された第2の半導体層群から形成される第2の半導体素子からなる半導体集積デバイスの作製において、ドライエッチング及びスパッタ等を用いる際に、第1の半導体層群がこれらのプロセスによる影響を受け、その結果第1の半導体素子の特性が劣化するという問題を有する。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、優れた特性の半導体集積デバイスを製造することができる半導体集積デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明は半導体集積デバイスの製造において、第1の半導体素子を形成する工程よりも以前の工程でドライエッチング、スパッタ等を用いる際に、第1の半導体層群の上に第2の半導体層群を堆積した状態を維持しておくことにより、該プロセス工程の影響で第1の半導体層群の特性が劣化することを防止するようにしたもので、その構成は次の点を特徴とする。
【0009】
1) 半導体基板上に堆積された第1の半導体層群から形成される第1の半導体素子と該半導体層群の上に積層された第2の半導体層群から形成される第2の半導体素子とを少なくとも有する半導体集積デバイスを、第2の半導体素子を形成し、しかる後に第1の半導体素子を形成することにより作製する半導体集積デバイスの製造方法において、
第1の半導体素子を作製する領域においては第1の半導体層群の上に第2の半導体層群のすべての層或いは第2の半導体層群の一部の層を残した状態で、第2の半導体素子の作製領域に、少なくともプラズマCVD、スパッタ、ドライエッチングのいずれかの方法を用いて、該第2の半導体素子を作製し保護する工程と、
第1の半導体素子を作製する領域における第1の半導体層群の上に形成された第2の半導体のすべての層或いは第2の半導体層群の一部の層をウエットエッチングにより除去する工程と、
第1の半導体素子を作製する工程と
を含むこと。
2) 半導体集積デバイスは電子素子と光素子とで構成したものであること。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0011】
図1に本発明の実施の形態として電子素子であるHEMTと受光素子であるフォトダイオードにより構成される光電子モノリシック集積デバイスの作製方法を示す。
【0012】
(1) 図1(a)に示すように、半導体基板である半絶縁性InP基板101上に第1の半導体層であるHEMT層102と第2の半導体層であるフォトダイオード層103とを成長する。
(2) 図1(b)に示すように、ドライエッチングによりフォトダイオード層103のメサ構造111を形成する。この際にHEMT形成領域112についてもフォトダイオード層103を残す。
(3) 図1(c)に示すように、ウエットエッチング或いはドライエッチングによりHEMTのメサ構造を形成する。同時に素子間を電気的に絶縁するため素子作製領域以外は半絶縁性InP基板101までエッチングする。
(4) 図1(d)に示すように、フォトダイオードの電極104を形成する。
(5) 図1(e)に示すように、プラズマCVD、スパッタ等の方法で絶縁膜105を堆積する。
(6) 図2(a)に示すように、HEMT作製領域112及びコンタクトホール106部分の絶縁膜105をエッチングにより除去する。
(7) 図2(b)に示すように、HEMT作製領域112においてHEMT層102上に残っているフォトダイオード層103をウエットエッチングにより除去する。
(8) 図2(c)に示すように、HEMTのソース、ドレイン電極及び素子間
の配線107とゲート電極108を形成する。
【0013】
実際に上記工程で作製したフォトダイオード−HEMT集積デバイスにおいては、ゲート長1μm、ゲート幅50μmのHEMTのソース抵抗は4Ω、遮断周波数は25GHzとなり、同一サイズのHEMTを単体で作製した場合と同等の特性を実現することが出来た。
【0014】
上記実施の形態の(2)の工程において、図2(d)に示すように、HEMT作製領域112に対応するフォトダイオード層103は途中までエッチングする方法でも良い。また、3種類以上の半導体素子を同一基板上に作製するために、3種類以上の半導体層群を有する半導体基板を用いて半導体集積デバイスを作製する場合も本発明の技術思想に含まれる。すなわちこの場合も同様の効果が得られる。
【0015】
【発明の効果】
以上実施の形態とともに詳細に説明したように、本発明によれば半導体集積デバイスの製造工程においてドライエッチング、スパッタ等を用いる際に、第1の半導体層群の上に第2の半導体層群を堆積した状態を維持しておくので、該プロセス工程の影響で第1の半導体層群の特性が劣化することを防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る光電子集積デバイスの作製方法を示す説明図で、(a)〜(e)は各工程を示す。
【図2】上記実施の形態に係る光電子集積デバイスの作製方法を示す説明図で、(a)〜(c)は図1(a)に続く各工程、また(d)は図1(b)に対応する他の工程を示す。
【図3】従来の光電子集積デバイスの作製方法を説明する図で、(a)〜(e)は各工程を示す。
【図4】上記従来の光電子集積デバイスの作製方法を説明する図で、(a)〜(b)は図3(e)に続く各工程を示す。
【符号の説明】
101 半絶縁性InP基板
102 HEMT
103 フォトダイオード
104 フォトダイオードの電極
105 絶縁
106 コンタクトホール
107 配線
108 ゲート電極
111 フォトダイオード作製領域
112 HEMT作製領域

Claims (2)

  1. 半導体基板上に堆積された第1の半導体層群から形成される第1の半導体素子と該半導体層群の上に積層された第2の半導体層群から形成される第2の半導体素子とを少なくとも有する半導体集積デバイスを、第2の半導体素子を形成し、しかる後に第1の半導体素子を形成することにより作製する半導体集積デバイスの製造方法において、
    第1の半導体素子を作製する領域においては第1の半導体層群の上に第2の半導体層群のすべての層或いは第2の半導体層群の一部の層を残した状態で、第2の半導体素子の作製領域に、少なくともプラズマCVD、スパッタ、ドライエッチングのいずれかの方法を用いて、該第2の半導体素子を作製し保護する工程と、
    第1の半導体素子を作製する領域における第1の半導体層群の上に形成された第2の半導体のすべての層或いは第2の半導体層群の一部の層をウエットエッチングにより除去する工程と、
    第1の半導体素子を作製する工程と
    を含むことを特徴とする半導体集積デバイスの製造方法。
  2. 半導体集積デバイスは電子素子と光素子とで構成したものであることを特徴とする請求項1に記載する半導体集積デバイスの製造方法。
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