JP3601613B2 - 電子写真用転写用紙及びその製造方法 - Google Patents
電子写真用転写用紙及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3601613B2 JP3601613B2 JP26541794A JP26541794A JP3601613B2 JP 3601613 B2 JP3601613 B2 JP 3601613B2 JP 26541794 A JP26541794 A JP 26541794A JP 26541794 A JP26541794 A JP 26541794A JP 3601613 B2 JP3601613 B2 JP 3601613B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- transfer paper
- paper
- voids
- coating
- coating layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、間接乾式電子写真方式のフルカラー又はモノクローム複写機、並びにプリンターに用いる時に、特に、中間調部で粒状性に優れ、中間調部からベタ画像で微細なグロスむらや濃度むらのなく、中間調部からベタ画像でモトルのない高画質な画像が得られる転写用紙及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式の複写機やプリンターのカラー化、デジタル化に伴い電子写真方式の高画質化が検討されてきた。特に、電子写真方式のフルカラー複写機及びプリンターにおいては、高画質画像を得るために、画像の入出力のデジタル化が進み、画像入力方法、入力した画像の処理方法、現像法、転写法、定着法等が大きく改善された。また、現像剤や感光体の画像形成材料もデジタル高精細、高発色カラー記録に対応して改善されてきた。
【0003】
しかし、電子写真方式のモノクローム複写機、プリンターに使用されてきた従来の電子写真用転写用紙は、上記の改善された電子写真方式のフルカラー複写機、プリンターに使用すると、写真画像等に多く存在する中間調部で粒状性(画像のざらつき感)が悪く、中間調部からベタ画像部で微細なグロスむらや濃度のむらが目立ち、中間調部からベタ画像部でモトル(粒状の濃度むら)が発生するという欠点があった。
【0004】
従来、塗工紙タイプの転写用紙において、間接乾式電子写真方式記録の画質及び画像欠陥を改善するために、平滑な塗工紙で透気度を一定値以下に抑えたり、非造膜性樹脂を加えることにより、ブリスター等の画像欠陥の発生を抑制する方法が提案された(特開昭62─198876号公報、特開平3─294600号公報参照)。また、高湿時の表面電気抵抗値を一定値以上とすることにより、高湿時の転写不良を改善したり(特開昭62─198877号公報参照)、特殊エマルジョン系接着剤を用いることにより、高湿時の転写不良を改善すること(特開平3─242654号公報参照)が提案された。さらに、特定の炭酸カルシウムを顔料として用い、3.5g/m2 以下という微量塗工により、一定以上の平滑化することにより、高画質と光沢性を持たせること(特開平4─291351号公報参照)が提案された。
【0005】
しかしながら、上記公報には、いずれも中間調部の粒状性を改善することについて何も触れられておらず、これらの塗工紙では、転写されたトナー像が熱定着ロールで押し広げられたり、極微量塗工の場合にも、同様にトナー像が熱定着ロールで押し広げられて、露出した繊維により画像を乱し、粒状性を悪化させていた。
【0006】
また、非塗工紙タイプにおいても、高画質化を達成するために、転写用紙の平滑性を向上させたり(特開平3─161760号公報参照)、画質、寸法安定性等を向上させるために、表層のパルプのCSF(カナダ標準濾水度)を低くしたり(特開平3─180599号公報参照)、高湿転写性を向上させるために、ある種のポリエステル粒子を含有させること(特開平3─186855号公報参照)が提案された。
しかし、いずれも紙表面の繊維による影響を受け、中間調部の粒状性や、中間調部からベタ画像部での、微細なグロスむらや濃度むらに対して十分な効果がなかった。
【0007】
中間調部からベタ画像部のモトル(粒状の濃度むら)の画像欠陥は、中間調部からベタ画像部を多く含む写真画像等を、前記の改善された電子写真方式のフルカラー複写機やプリンターを用いて、従来の電子写真用転写用紙に転写する機会が多くなるなかで、本発明者等が新たに見出した問題点である。この問題点は、従来指摘された、高湿時の転写抜け(特開昭62─198877号公報参照)、高湿時の転写抜け、低湿時の濃度低下、及び、トナーの飛び散りによる画像欠陥(特開平5─53363号公報参照)、粗転写層による転写不良(特開平4─291351号公報参照)のいずれとも異なる。このモトルの問題点を指摘した例は、今までになく、その改善手段が提案された例もない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の電子写真用転写用紙の欠点を解消し、間接乾式電子写真方式のデジタルフルカラー複写機やプリンターで記録する場合においても、中間調部の粒状性に優れ、中間調部からベタ画像部で微細なグロスむらや濃度むらがなく、中間調部からベタ画像部でモトルのない高画質な画像を得ることができる電子写真用転写用紙、及び、その製造方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の構成を採用することにより、上記の課題の解決に成功したものであり、具体的な構成は以下のとおりである。
(1) 地合指標が20以上の基紙の少なくとも片面に、顔料と接着剤を主成分とする固形分量2〜10g/m2 の塗工層を設け、この塗工層が空隙部及び非空隙部を有し、塗工層表面から観察される空隙部及び非空隙部の円相当平均直径が1.5〜10μmで、かつ、円相当直径が20μmを越える空隙部の割合が2%以下であることを特徴とする電子写真用転写用紙。
【0010】
(2) 前記基紙のJISP8118による見かけ密度が0.8g/m3 以上であることを特徴とする上記(1) 記載の電子写真用転写用紙。
【0011】
(3) JISP8127による転写用紙の製品水分が、3.5〜6%であることを特徴とする上記(1) 又は(2) 記載の電子写真用転写用紙。
【0012】
(4) JISK6911による転写用紙の表面電気抵抗率が、1×109 〜5×1011Ωであることを特徴とする上記(1) 〜(3) のいずれか1つに記載の電子写真用転写用紙。
【0013】
(5) 地合指標が20以上の基紙に、顔料と接着剤を主成分とする塗被液を、固形分量で片面当たり2〜10g/m2 の範囲で塗被、乾燥して塗工層を設け、塗工層表面から観察される空隙部及び非空隙部の円相当平均直径が1.5〜10μmで、かつ、円相当直径が20μmを越える空隙部の割合が2%以下になるように平滑化処理を行うことを特徴とする電子写真用転写用紙の製造方法。
【0014】
(6) 地合指標が20以上の基紙に、顔料と接着剤を主成分とする塗被液を、固形分量で片面当たり2〜10g/m2 の範囲で塗被、乾燥して塗工層を設け、塗工層表面から観察される空隙部及び非空隙部の円相当平均直径が1.5〜10μmで、かつ、円相当直径が20μmを越える空隙部の割合が2%以下で、JISP8142による塗工層の75度鏡面光沢度が1〜15%となるように平滑化処理することを特徴とする電子写真用転写用紙の製造方法。
【0015】
【作用】
本発明者等は、前記の課題を解決するために、デジタル方式フルカラー及び/又はモノクローム間接乾式電子写真用記録方式における中間調部の粒状性、中間調部からベタ画像部の微細なグロスむらや濃度むら、さらには、中間調部からベタ画像部のモトルの発生原因について鋭意検討した結果、非塗工紙では、用紙表面層の繊維により不規則で粗大な空隙が形成されたり、露出した繊維により転写時や定着時に基本画像構造である万線像や網点像が途切れたり、繊維に沿って流れが発生したりして、万線像や網点像を不規則にし、特に中間調部の粒状性(画像のざらつき感)を悪化させていることを見出した。
【0016】
また、上記の用紙表面層に不規則に存在する露出した繊維上に転写されたトナーと、繊維間の凹部に転写されたトナーとでは、定着時の加熱の効果が違ってくる。即ち、繊維上のトナーは、十分に加熱されて溶融されるので、グロスが高くなるが、凹部のトナーは、定着時の定着ロールが十分に接触できず、加熱が不十分になり、グロスが低くなる。また、定着時に溶融したトナーが繊維間の凹部に流れ込むため、紙表面層でのトナーの不均一な分布が発生する。このため、定着後に、特に中間調部からベタ画像部において、微細なグロスのむらや濃度むらが生ずることを見出した。
【0017】
さらに、市販の印刷用塗工紙や電子写真用塗工紙では、転写時に形成された万線トナー像や網点トナー像が、溶融定着時に塗工層中にほとんど浸透せず、塗工表面上を水平方向に拡がり、隣接する万線や網点と部分的に接合して、中間調部でノイズとなり、粒状性を悪化させていることを突き止めた。
【0018】
従来の印刷用塗工紙や電子写真用塗工紙は、表面及び断面を顕微鏡で観察すると、塗工層表面及び内部の平均空隙部直径が0.1μmのオーダーか、或いはそれ以下であった。即ち、塗工層表面及び内部の平均空隙部直径が微細であるため、定着時の溶融トナーが塗工層内に浸透できず、塗工表面上を水平方向に拡がり、粒状性を悪化させていた。
【0019】
また、JISK6911による電気抵抗率が5×1011Ωを上回る転写用紙は、トナーの転写時に低湿環境下において、感光体から紙が剥離される際にトナーが飛び散り、万線や網点の乱れが発生し、粒状性が悪化することが確認された。他方、1×109 Ωを下回る転写用紙は、高湿環境下においてトナーの転写が十分でなく、やはり万線や網点の乱れ、粒状性や濃度むらの悪化につながることが確認された。
【0020】
さらに、非塗工紙、塗工紙に因らず、非塗工紙の地合指標、又は、塗工紙の基紙の地合指標が20を下回ると、地合が悪くなり、即ち、紙の局部的な坪量変動が大きくなるために、坪量の高い部分にフロック(繊維の綿状の塊)ができて、フロックのある部分とない部分では比誘電率に差が生ずる。フロック部は、繊維等実質部分が多いために比誘電率が高く、非フロック部は、空気層が多いために比誘電率が低くなり、この比誘電率の違いからフロック部と非フロック部での部分的な転写電界強度に差が生じ、トナーの転写率が変わるため、中間調部からベタ画像部において、モトル(粒状の濃度むら)が生ずることを見出した。
【0021】
そしてまた、基紙のみかけ密度が、0.8g/cm3 を下回ると、フロック部と非フロック部の分布差(地合)が大きくなりやすく、また、大きなフロック部が少なくても、繊維間空隙が大きく、基紙内部に空気層が多くなるため、比誘電率が不均一となり、部分的な転写界面強度に差が生じ、トナーの転写率が変化するため、中間調部からベタ画像部において、モトルが生ずることを確認した。
【0022】
転写用紙の製品水分は、6%を越えると、塗工層又は基紙に部分的な水分むらが生じやすくなり、水分の高い部分は比誘電率が高く、水分の低い部分は比誘電率が低いため、地合が変動する場合と同様に比誘電率の変動や表面抵抗率又は体積抵抗率の変化の影響により部分的な転写電界の差を生じ、トナーの転写率が変化するため、中間調部からベタ画像部においてモトルが生ずることを確認した。
【0023】
そこで、本発明者等は、上記の画像不良を改善するために鋭意検討した結果、本発明では、万線や網点の途切れに関しては、紙表面にある繊維同士で形成される粗大な空隙を防ぎ、さらに、定着像の拡がりを抑えるために、定着時の溶融トナーが塗工層内に適度に浸透しうる大きさの空隙を塗工層表面に極力均一に存在させ、さらに、紙の不均一な比誘電率分布に関しては、基紙の地合を良くし、見かけ密度を高くし、製品水分を低く抑えることにより、極力均一になるようにした。その結果、上記の方法により従来知られている転写用紙で発生していた中間調部の粒状性の悪化や、中間調部からベタ画像部の微細なグロスむらや濃度むら、さらには、中間調部からベタ画像部のモトルが、本発明では、驚くべきことに、格段に改善された。
【0024】
塗工層に設ける空隙は、溶融したトナーが適度に浸透することが必要であり、浸透しすぎも良くない。このため、塗工層表面から見た空隙部(円相当直径が1μm以下の空隙は非空隙部とみなす)及び非空隙部の円相当平均直径が、1.5〜10μm、好ましくは2〜8μmの範囲において、優れた画質を提供できること見出した。また、円相当直径が20μmを越える空隙部の割合が2%以下にすることにより、より均一な空隙構造を形成することができ、粒状性の悪化、微細なグロスむらや濃度むらの発生を防止できることを見出した。このように、塗工層を繊維同士の凹凸を塞ぐように形成するには、片面当たり固形分量2〜10g/cm2 の塗工層を形成する必要がある。
【0025】
また、本発明の転写用紙の地合指標は、20以上、好ましくは25以上とすることにより、中間調部からベタ画像部のモトルの発生を防止できることを見出した。
さらに、本発明の転写用紙の表面電気抵抗率を1×109 〜5×1011Ωの範囲に調整することにより、より優れた画質が得られることを見出した。
さらにまた、基紙のみかけ密度を0.8g/cm3 以上で、好ましくは1.1g/cm3 以下とすることにより、また、製品水分を6%以下、好ましくは3.5〜5.5%の範囲にすることにより、中間調部からベタ画像部のモトルの発生を防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0026】
本発明における塗工層の空隙部及び非空隙部の測定には、表面構造を忠実に観察できるように、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いた。また、表面構造をより立体的に観察できるように、試料に450 の角度で電子線を照射できるように固定し、1000倍に拡大して電子顕微鏡像を観察し、撮影した。そして、塗工層の空隙部及び非空隙部をデジタイザーによりトレースし、イメージアナライザーで画像処理を行い、塗工層の空隙部及び非空隙部の円相当直径として求めた。さらに、この測定の偏りを防止するために、任意の塗工層表面について50回繰り返し、合計0.5mm2 当たりの塗工層の空隙部及び非空隙部の円相当直径の平均値を求めた。
【0027】
本発明における「地合指標」は、M/K Systems,Inc.(MKS社)製の3Dシートアナライザー(M/K950)を用い、そのアナライザーの絞りを直径1.5mmとして測定した。測定手順は、3Dアナライザーの回転ドラム上にサンプルを取り付け、ドラム軸上に取り付けられた光源と、ドラムの外側に光源と対応して取り付けたフォトディテクターによって、サンプルにおける局部的な坪量差を光量差として測定した。このときの測定対象範囲は、フォトディテクターの入光部に取り付けた絞りの径で設定した。次いで、その光量差(偏差)を増幅し、A/D変換して64の坪量階級に分級し、1回のスキャンで10万個のデータを取り、そのデータ分のヒストグラム度数を得た。そして、そのヒストグラムの最高度数(ピーク値)を100以上の度数を持つ階級の数で割り、それを1/100にした値が地合指標として算出した。この地合指標は、その値が大きいほど、地合が良いことを示す。
【0028】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の電子写真用転写用紙の基紙に使用するパルプは、特に限定されるものではないが、例えば、LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)、LBSP(広葉樹晒亜硫酸パルプ)、NBSP(針葉樹晒亜硫酸パルプ)等のケミカルパルプを使用することができる。ただし、NBKP,NBSP等の針葉樹パルプを使用するときには、繊維が長いため、フロックを生じやすく、地合を悪化させやすいため、LBKPを全パルプ中、80%以上配合することが好ましい。また、複写後にカール制御のために、用紙のこわさは大きいことが望ましい。
【0029】
また、綿パルプ等の非木材パルプ、古紙パルプ、GP(グランドパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)等の高収率パルプも地合の悪化程度を考慮し、かつ、塗工後の白色度が低くなりすぎない程度に、色再現性を考慮して混合あるいは、単独で使用することができる。
塗工後の白色度を高くするために、基紙に前記のパルプを選択して使用するか、パルプの漂白工程を強化したパルプを利用したり、パルプスラリー中に蛍光染料を混合して使用してもよい。
【0030】
本発明に係る基紙には、密度を上げて表面平滑性を制御し、塗工適正を良くするため、並びに、塗工後の不透明度、白さの調整等のため、填料を使用することが好ましい。ここで使用できる填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョーク等の炭酸カルシウムや、カオリン、焼成クレー、パイオロフェライト、セリサイト、タルク等のケイ酸類や、二酸化チタン等の無機填料、及び、尿素樹脂、スチレン等の有機顔料を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
填料の配合量は、特に限定されるものではないが、5〜30重量%、好ましくは7〜25重量%の範囲が適している。5重量%を下回ると、カレンダー等による高密度化処理がかかりにくくなったり、填料による光の屈折が低下して不透明度が低下したり、さらには、紙のこしが強くなりすぎて走行性を低下させるという弊害がある。また、30重量%を越えると、紙のこしが弱くなりすぎて走行性を低下させる。
【0032】
本発明の基紙に使用する内添サイズ剤は、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤等のサイズ剤を挙げることができ、硫酸バンド、カチオン化澱粉等、適当なサイズ剤と繊維との定着剤を組み合わせても使用できる。電子写真方式の複写機やプリンター等の複写後の用紙保存性の観点から、中性サイズ剤、特に、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤が好ましい。
【0033】
また、表面電気抵抗率を調整するために、基材に塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機物や、アルキルリン酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、スルホン酸ナトリウム塩、第4級アンモニウム塩などの有機系材料又は高分子化した材料を単独又は混合して使用することができる。
【0034】
空隙部を有する塗工層を形成する方法は、例えば、有機、無機の一次粒子又はその凝集体や乾燥時に発泡する顔料をバインダーで塗工する方法や、塗工の乾燥中や乾燥後に塗工表面に鋭利な突起物などで微小な凹部を造る方法などがあるが、これらに限定されない。
この他に、紙力増強剤、染料、pH調整剤等を添加しても構わない。
【0035】
基紙の抄紙法は、特に限定されるものではないが、地合を良くするために、例えば、スクリーンや過流式スクリーン等を抄紙機のヘッドボックスの直前に設置して、基紙原料の流動方向が整流されるようにしたり、分散剤、地合制御添加剤、リテンション及び濾水助剤等を用いて原質のフロック化を管理する方法を採用することができる。
【0036】
本発明の電子写真用転写用紙の塗工層に用いる顔料としては、通常の一般塗工紙に用いる各種の顔料、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカーボン、カオリン、焼成カオリン、デラミネートカオリン、アルミノ珪酸塩、セリサイト、ベントナイト、スメクタイト等の鉱物質顔料やポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒子、微小中空粒子やその他の有機系顔料等を単独又は複数組み合わせて使用することができる。平板状の結晶形状又は平板状の結晶が積層された形状を有する顔料は、全塗料顔料中、70重量%以下、好ましくは60重量%以下にするのがよい。
【0037】
本発明の塗工層に使用する接着剤は、基材や顔料等の添加物との接着力が強く、ブロッキング性が少ない水溶性接着剤、エマルジョン、ラテックス等を単独、又は、混合して使用することができる。例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、澱粉類、ゼラチン、カゼイン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸−メタクリル酸3元共重合体、スチレン−アクリル樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸樹脂、カルボキシメチルセルロース等の水溶性樹脂や、アクリル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、塩化ビニリデンエマルジョン、ポリエステル系エマルジョン、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリルニトリル−ブタジエンラテックス等が使用されるが、これらに限定されるものでなはい。
【0038】
塗料中の顔料100重量部に対して、接着剤の配合割合は、5〜230重量部、好ましくは7〜200重量部の範囲が適している。接着剤の配合割合が5重量部を下回ると、塗膜強度が弱くなるため好ましくない。また、230重量部を越えると、塗工層の空隙が接着剤で埋まり、中間調部の粒状性を悪化するので好ましくない。
【0039】
なお、この他、塗料には、色調を調整するための染料や有色顔料を添加したり、視感的白さを向上させるため、蛍光染料を添加することもできる。また、表面電気抵抗値の調整剤として、基材に使用する公知の材料を使用することができる。さらに、塗料の調整を容易にするために、分散剤、消泡剤、可塑剤、pH調整剤、流動変性剤、固化促進剤、耐水化剤、サイズ剤等の各種助剤を添加することもできる。
【0040】
本発明の塗工量は、片面当たりの固形分量で2g/m2 以上、好ましくは3.5g/m2 以上、10g/m2 以下の範囲で塗工する必要がある。塗工量が2g/m2 を下回ると、塗工量が少なすぎて用紙表面全域の繊維を塗工することができず、転写用紙の表面に繊維同士の凹凸が残り、中間調部の粒状性や中間調部からベタ画像部のグロスむらや濃度むらの改善効果を得ることができない。
【0041】
塗工方法としては、例えば、ブレード塗工、エアナイフ塗工、ロール塗工、バー塗工、リバースロール塗工、グラビア塗工、カーテン塗工等のオフマシンコーターや、ゲートロール塗工、サイズプレス塗工等の塗被装置を設けたオンマシンコーターのいずれも使用することができる。
【0042】
塗工後の平滑化処理は、塗被、乾燥後の転写層が王研式平滑度(以下、単に平滑度という)で20〜300秒となるように、マシンカレンダー、スーパーカレンダー等により行うことができる。好ましくは、30〜200秒に仕上げることが望ましい。平滑度が20秒に満たない低平滑のものは、良好な転写を行うことができず、300秒を越える高平滑表面にすると、塗工表面上に形成された空隙を潰しすぎて、画質改善の効果が発揮できなくなり、かつ、高湿時にブロッキングを発生しやすくなる。
【0043】
本発明の転写用紙の坪量は、特に限定されるものではないが、64〜110g/m2 の範囲が好ましい。坪量が110g/m2 を上回ると、定着時に熱伝導性が悪化するため、トナーを均一に十分に溶融することができず、溶融むらが発生して高画像密度領域のグロスむらや濃度むら、定着不良を引き起こしたり、紙のこしが強くなりすぎて、走行不良を来す原因となる。また、64g/m2 未満では、定着時にトナーが溶融しすぎるため、塗工層構造を工夫してもトナーの浸透むらを完全に回避することはできず、粒状性を悪化させることがあり、画像グロスむらが相当に高くなる。
【0044】
また、転写用紙の梱包を開封した直後の製品水分は、中間調部からベタ画像部のモトルの発生を抑えるだけでなく、波打ちやコピー後のカールの発生を抑えるために、適正水分を6%以下、好ましくは3.5〜5.5%になるように、抄紙機及び/又はコーターのドライヤー、カレンダー工程等で調整する。また、保管時に吸脱湿が発生しないように、ポリエチレンラミネート紙等の防湿包装紙やポリプロピレン等で包装することが望ましい。
【0045】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
〔実施例1〕
酸素晒等で多段漂白して高白色化したLBKPを濾水度470mlCSFまで叩解したパルプを原料とし、軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業社製TP121)を10重量%となるように添加し、内添サイズ剤としてアルケニル無水コハク酸(王子ナショナル社製ファイプラン81)を対パルプ当たり、0.08重量%配合し、カチオン化澱粉(王子ナショナル社製Catol5)を対パルプ当たり、0.5重量%配合した。この紙料に少量の蛍光塗料を配合して、坪量70g/m2 で、かつ、地合指標が25になるように、長網多筒式抄紙機で抄紙し、抄紙後水分を5重量%となるように乾燥条件を調整した。また、サイズプレス工程で酸化澱粉を0.9g/m2 、NaClを0.1g/m2 塗工した。さらに、プレス及びマシンカレンダーを強化して、平滑性及び密度を高くして見かけ密度を0.80g/cm3 の基紙を得た。
【0046】
次いで、水100重量部にピロリン酸ナトリウム0.5重量部を加え、平均粒径2μmの軽質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製)80重量部(固形分:以下同様)とカオリンクレー(E.M.C.社製ウルトラグロス90)20重量部を混合し、コーレス分散機を用いて水分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーにスチレンブタジエンラテックス(SBR)(日本合成ゴム社製JSR0662)10.5重量部と、ポリビニアルコール(PVA)(クラレ社製ポバール117)4.5重量部、第4級アンモニウム塩2重量部加え、水を配合し、攪拌し、混合して20%濃度の塗料を調製した。この塗料を、乾燥後の塗工料が固形分として基紙のF(フェルト)面に3.6g/m2 、W(ワイヤー)面に3.6g/m2 となるように、メイヤーバーコーターで塗工した後、スーパーカレンダー処理を行い、F面の塗工面の王研式平滑度を100秒とし、開封後の製品水分が4%となるように調節して、第1表の特性を有する実施例1の電子写真用転写用紙を得た。
【0047】
画質試験には、富士ゼロックス社製の乾式間接電子写真方式のデジタルカラー複写機Aカラー635を用い、イエロ、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、ブルー、及び、イエロ、マゼンタ、シアンの混色ブラックについて、各画像面積率10、20、30、40、50、60、70、80、90、100%の2cm×2cmのバッチを、上記の転写用紙に転写、定着し、中間調部の粒状性としては、各色の画像面積率20、30、40%のバッチを目視で評価した。また、中間調部からベタ画像部の微細なグロスむら、濃度むら及びモトルは、各色の画像面積率50、60、70、80、90、100%のバッチを目視で評価した。
【0048】
デジタルカラー複写機における画質評価及び総合評価の尺度は次のとおりである。
中間調部の粒状性
◎:問題とならない
○:僅かにざらつき感があるが許容できる
△:ざらつき感が少しある
×:ざらつき感が目立つ
中間調部からベタ画像部の微細なグロスむらや濃度むら
◎:問題とならない
○:僅かに微細なむらがあるが許容できる
△:微細なむらが少しある
×:微細なむらが目立つ
中間調部からベタ画像部のモトル
◎:問題とならない
○:僅かにモトルがあるが許容できる
△:モトルが少しある
×:モトルが目立つ
【0049】
実施例1の転写用紙は、第1表から明らかなように、特に、粒状性、微細なグロス/濃度むら、モトルに優れた電子写真用転写用紙を得ることができた。
【0050】
〔実施例2〕
実施例1の塗工量のみを変化させてF(フェルト)面にのみ3.0g/m2 で塗工し、第1表に示す特性を有する実施例2の電子写真用転写用紙を得た。
そして、実施例1と同様の方法で画質を評価し、その結果も第1表に示した。実施例2は、実施例1よりも粒状性、微細なグロス/濃度むらの点で若干劣るが、実用上満足できる電子写真用転写用紙を得ることができた。
【0051】
〔実施例3〕
実施例1の塗工量のみを変化させてF(フェルト)面にのみを2.0g/m2 で塗工し、第1表に示す特性を有する実施例3の電子写真用転写用紙を得た。
そして、実施例1と同様の方法で画質を評価し、その結果も第1表に示した。実施例3は、実施例1よりも粒状性、微細なグロス/濃度むらの点で若干劣るが、実用上満足できる電子写真用転写用紙を得ることができた。
【0052】
〔実施例4〕
実施例1の塗工量のみを変化させてF(フェルト)面にのみ4.0g/m2 で塗工し、さらに、転写用紙の梱包を開封した後の製品水分が6%になるように、赤外線乾燥機で調節して、第1表に示す特性を有する実施例4の電子写真用転写用紙を得た。
そして、実施例1と同様の方法で画質を評価し、その結果も第1表に示した。実施例4は、実施例1よりもモトルの点で若干劣るが、実用上満足できる電子写真用転写用紙を得ることができた。
【0053】
〔実施例5〕
実施例1と同じ紙料を用い、坪量を80g/m2 、地合指標を20になるように調製し、さらに、サイズプレス工程におけるNaCl量を0.02g/m2 に減少させ、マシンカレンダーを実施例1より若干強くかけて、みかけ密度を0.83g/m3 とし、その他の抄紙条件は実施例1と同様にして基紙を得た。
塗料は、実施例1の塗料中、顔料を炭酸マグネシウム(平均粒径6μm)100重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料を調整した。この塗料を乾燥後の塗工量が固形分として基紙のF(フェルト)面に5g/m2 となるようにメイヤーバーコーターで塗工した後、スーパーカレンダー処理を行わず、開封後の製品水分が4%になるように赤外線乾燥機で調節し、第1表に示す特性を有する実施例5の電子写真用転写用紙を得た。
そして、実施例1と同様の方法で画質を評価し、その結果も第1表に示した。実施例5は、実施例1よりもモトルの点で若干劣るが、実用上満足できる電子写真用転写用紙を得ることができた。
【0054】
〔実施例6〕
実施例1と同じ紙料を用い、坪量を80g/m2 、地合指標を30になるように調製し、さらに、サイズプレス工程におけるNaCl量を0.02g/m2 に減少させ、マシンカレンダーを実施例5と同じ強さにかけて、みかけ密度を0.83g/m3 とし、その他の抄紙条件は実施例1と同様にして基紙を得た。
塗料は、実施例5の塗料を用いて、塗工量だけを基紙のF(フェルト)面に3.6g/m2 に変え、その他の塗工、仕上げ条件を実施例5と同様にして、第1表に示す特性を有する実施例6の電子写真用転写用紙を得た。
そして、実施例1と同様の方法で画質を評価し、その結果も第1表に示した。実施例6は、実施例5よりモトルの点で優れ、粒状性/グロス/濃度むらの点で若干劣るが、実用上満足できる電子写真用転写用紙を得ることができた。
【0055】
〔実施例7〕
実施例1と同じ紙料を用い、坪量を85g/m2 、地合指標を28になるように調製し、マシンカレンダーを強くかけて、みかけ密度を0.95g/m3 とし、その他の抄紙条件は実施例1と同様にして基紙を得た。
塗料は、実施例1の塗料中、顔料を軟質炭酸カルウシム(白石工業社製PC)90重量部とカオリンクレー10重量部に変更し、さらに、バインダーとしてSBRとPVAの変わりに酸化でんぷん(王子コーンスターチ製、エースA)を150重量部使用し、かつ、NaClの添加量を0.08g/m2 に変えた以外は、実施例1と同様にして塗料を調整した。この塗料を乾燥後の塗工量が固形分として基紙のF(フェルト)面に3.6g/m2 となるようにメイヤーバーコーターで塗工した後、スーパーカレンダー処理を行い、F(フェルト)面の塗工面の王研式平滑度を150秒とし、開封後の製品水分が5.5%になるように赤外線乾燥機で調節し、第1表に示す特性を有する実施例7の電子写真用転写用紙を得た。
そして、実施例1と同様の方法で画質を評価し、その結果も第1表に示した。実施例7は、特に、粒状性、微細なグロス/濃度むら、モトルに優れた電子写真用転写用紙を得ることができた。
【0056】
〔実施例8〕
実施例1と同じ基紙を用い、実施例1と同じ塗料を同量塗工した後、スーパーカレンダー処理を行い、F(フェルト)面の塗工面の王研式平滑度を300秒とし、開封後の製品水分が6%になるように赤外線乾燥機で調節し、第1表に示す特性を有する実施例8の電子写真用転写用紙を得た。
そして、実施例1と同様の方法で画質を評価し、その結果も第1表に示した。実施例8は、実施例7より粒状性、モトルの点で若干劣るが、実用上満足できる電子写真用転写用紙を得ることができた。
【0057】
〔実施例9〕
実施例1と同じ紙料を用い、坪量を90g/m2 、地合指標を20になるように調製し、マシンカレンダーを実施例1と同じ強さでかけて、みかけ密度を0.80g/m3 とし、その他の抄紙条件は実施例1と同様にして基紙を得た。
塗料は、実施例1の塗料中、顔料を炭酸カルウシム(平均粒径8μm)100重量部に変更し、その他の条件は実施例1と同様にして塗料を調整した。この塗料を乾燥後の塗工量が固形分として基紙のF(フェルト)面に10g/m2 となるようにゲートロールコーターで塗工した後、スーパーカレンダー処理をごくゆるくかけ、F面の塗工面の王研式平滑度を40秒とし、開封後の製品水分が5%になるように赤外線乾燥機で調節し、第1表に示す特性を有する実施例9の電子写真用転写用紙を得た。
そして、実施例1と同様の方法で画質を評価し、その結果も第1表に示した。実施例9は、実施例1よりも粒状性、微細なグロス/濃度むら、モトルのいずれも若干劣るが、実用上満足できる電子写真用転写用紙を得ることができた。
【0058】
〔実施例10〕
実施例1と同じ紙料を用い、NaClの塗工量を0.15g/m2 とした基紙に、実施例1と同様に塗工調整して第1表に示す特性を有する実施例10の電子写真用転写用紙を得た。
そして、実施例1と同様の方法で画質を評価し、その結果も第1表に示した。実施例10は、実施例1よりも粒状性、微細なグロス/濃度むら、モトルのいずれも若干劣るが、実用上満足できる電子写真用転写用紙を得ることができた。
【0059】
〔実施例11〕
実施例1と同じ紙料を用い、NaClの塗工量を0.01g/m2 とした基紙に、実施例1と同様に塗工調整して第1表に示す特性を有する実施例11の電子写真用転写用紙を得た。
そして、実施例1と同様の方法で画質を評価し、その結果も第1表に示した。実施例11は、実施例1よりも粒状性、微細なグロス/濃度むら、モトルのいずれも若干劣るが、実用上満足できる電子写真用転写用紙を得ることができた。
【0060】
〔比較例1〕
実施例1の塗工量だけをF(フェルト)面に1.5g/m2 、W(ワイヤー)面に1.5g/m2 に変えて、その他の条件は実施例1と同様にして第2表に示す特性を有する比較例1の電子写真用転写用紙を得た。
そして、実施例1と同様の方法で画質を評価し、その結果も第1表に示した。比較例1の転写用紙は、実施例1よりも粒状性、微細なグロス/濃度むらの点で極めて劣り、実用に供することができないものであった。
【0061】
〔比較例2〕
開封後の製品水分を6.5%にした以外は、実施例4と同様にして、第2表に示す特性を有する比較例2の電子写真用転写用紙を得た。
そして、実施例1と同様の方法で画質を評価し、その結果も第2表に示した。比較例2の転写用紙は、粒状性、微細なグロス/濃度むらの点で若干劣り、特にモトルの点で極めて劣り、実用に供することができないものであった。
【0062】
〔比較例3〕
実施例1と同様の紙料を用いて、地合指標が19となるように調整した基紙を用いた以外は、実施例1と同様の塗工を行い、第2表に示す特性を有する比較例3の電子写真用転写用紙を得た。
そして、実施例1と同様の方法で画質を評価し、その結果も第2表に示した。比較例3の転写用紙は、粒状性、微細なグロス/濃度むらの点で若干劣るだけだが、モトルが極めて劣り、実用に供することができないものであった。
【0063】
〔比較例4〕
実施例1と同様の紙料を用いて、地合指標が15となるように調整し、さらに、みかけ密度を若干低下させた以外は、実施例1と同様の塗工を行い、第2表に示す特性を有する比較例4の電子写真用転写用紙を得た。
そして、実施例1と同様の方法で画質を評価し、その結果も第2表に示した。比較例4の転写用紙は、粒状性、モトルが劣り、実用に供することができないものであった。
【0064】
〔比較例5〕
実施例7に対し、乾燥後の塗工量が固形分として基紙のF(フェルト)面のみに4g/m2 となるように塗工した後、スーパーカレンダー処理を強く行い、開封後の製品水分を5%になるように赤外線乾燥機で調節した以外は、実施例7と同様にして第2表に示す特性を有する比較例6の電子写真用転写用紙を得た。
そして、実施例1と同様の方法で画質を評価し、その結果も第2表に示した。比較例5の転写用紙は、粒状性の悪さが目立ち、実用に供することができないものであった。
【0065】
〔比較例6〕
実施例7の塗料中、顔料を炭酸マグネシウム(平均直径9μm)100重量部に変えて、乾燥後の塗工量が固形分として基紙のF面のみに15g/m2 となるように塗工した後、スーパーカレンダー処理を行わず、F(フェルト)面の塗工面の王研式平滑度を30秒とし、開封後の製品水分を5%になるように赤外線乾燥機で調節した以外は、実施例7と同様にして第2表に示す特性を有する比較例6の電子写真用転写用紙を得た。
そして、実施例1と同様の方法で画質を評価し、その結果も第2表に示した。比較例6の転写用紙は、粒状性の悪さが目立ち、微細なグロス/濃度むらも劣るため、実用に供することができないものであった。
【0066】
〔比較例7〕
実施例1に対し、NaClの塗工量を0.20g/m2 に変更した以外は、実施例1と同様にして第2表に示す特性を有する比較例7の電子写真用転写用紙を得た。
そして、実施例1と同様の方法で画質を評価し、その結果も第2表に示した。比較例7の転写用紙は、粒状性、微細なグロス/濃度むら、モトルのいずれも劣り、実用に供することができないものであった。
【0067】
〔比較例8〕
実施例1に対し、NaClの塗工を省略した以外は、実施例1と同様にして第2表に示す特性を有する比較例8の電子写真用転写用紙を得た。
そして、実施例1と同様の方法で画質を評価し、その結果も第2表に示した。比較例8の転写用紙は、粒状性、微細なグロス/濃度むら、モトルのいずれも劣り、実用に供することができないものであった。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【発明の効果】
本発明は、上記の構成を採用することにより、間接電子写真方式のフルカラー及びモノクローム記録における中間調部の粒状性に優れ、中間調部からベタ画像部の微細なグロスむらや濃度むらがなく、かつ、中間調部からベタ画像部のモトルのない電子写真用転写用紙を提供できるようになった。
Claims (6)
- 地合指標が20以上の基紙の少なくとも片面に、顔料と接着剤を主成分とする固形分量2〜10g/m2 の塗工層を設け、この塗工層が空隙部及び非空隙部を有し、塗工層表面から観察される空隙部及び非空隙部の円相当平均直径が1.5〜10μmで、かつ、円相当直径が20μmを越える空隙部の割合が2%以下であることを特徴とする電子写真用転写用紙。
- 前記基紙のJISP8118による見かけ密度が0.8g/m3 以上であることを特徴とする請求項1記載の電子写真用転写用紙。
- JISP8127による転写用紙の製品水分が、3.5〜6%であることを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真用転写用紙。
- JISK6911による転写用紙の表面電気抵抗率が、1×109 〜5×1011Ωであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真用転写用紙。
- 地合指標が20以上の基紙に、顔料と接着剤を主成分とする塗被液を、固形分量で片面当たり2〜10g/m2 の範囲で塗被、乾燥して塗工層を設け、塗工層表面から観察される空隙部及び非空隙部の円相当平均直径が1.5〜10μmで、かつ、円相当直径が20μmを越える空隙部の割合が2%以下になるように平滑化処理を行うことを特徴とする電子写真用転写用紙の製造方法。
- 地合指標が20以上の基紙に、顔料と接着剤を主成分とする塗被液を、固形分量で片面当たり2〜10g/m2 の範囲で塗被、乾燥して塗工層を設け、塗工層表面から観察される空隙部及び非空隙部の円相当平均直径が1.5〜10μmで、かつ、円相当直径が20μmを越える空隙部の割合が2%以下で、JISP8142による塗工層の75度鏡面光沢度が1〜15%となるように平滑化処理することを特徴とする電子写真用転写用紙の製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26541794A JP3601613B2 (ja) | 1994-10-28 | 1994-10-28 | 電子写真用転写用紙及びその製造方法 |
US08/497,739 US5662995A (en) | 1994-07-04 | 1995-07-03 | Transfer paper for electrophotography and process for producing the same |
GB9513605A GB2291603B (en) | 1994-07-04 | 1995-07-04 | Transfer paper for electrophotography and process for producing the same |
CA 2153205 CA2153205C (en) | 1994-07-04 | 1995-07-04 | Transfer paper for electrophotography and process for producing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26541794A JP3601613B2 (ja) | 1994-10-28 | 1994-10-28 | 電子写真用転写用紙及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08123066A JPH08123066A (ja) | 1996-05-17 |
JP3601613B2 true JP3601613B2 (ja) | 2004-12-15 |
Family
ID=17416878
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26541794A Expired - Fee Related JP3601613B2 (ja) | 1994-07-04 | 1994-10-28 | 電子写真用転写用紙及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3601613B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7413796B2 (en) | 2004-02-17 | 2008-08-19 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Printing media for color electrophotographic applications |
-
1994
- 1994-10-28 JP JP26541794A patent/JP3601613B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08123066A (ja) | 1996-05-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1371778B1 (en) | Coated paper sheet | |
US5925446A (en) | Electrophotographic transfer paper and color image forming method | |
JP2676291B2 (ja) | 電子写真用転写紙 | |
US5662995A (en) | Transfer paper for electrophotography and process for producing the same | |
JP3816120B2 (ja) | 電子写真用転写紙 | |
US20130288040A1 (en) | Recording Material for Electrophotographic Printing Methods | |
JPH0970570A (ja) | 記録材料用支持体の製造方法 | |
JP3799150B2 (ja) | 電子写真方式用情報記録用紙 | |
JP3601613B2 (ja) | 電子写真用転写用紙及びその製造方法 | |
JP3833272B2 (ja) | 電子写真用転写紙 | |
JP2739160B2 (ja) | 電子写真用転写紙 | |
JP2736943B2 (ja) | 電子写真用転写紙 | |
JPWO2006035878A1 (ja) | 電子写真用転写紙 | |
JP3586482B2 (ja) | 電子写真用転写用紙及びその製造方法 | |
JP2003202695A (ja) | トナー受容性連続紙 | |
JP2001075303A (ja) | 湿式電子写真印刷用紙 | |
US6500562B1 (en) | Electrophotographic transfer sheet and color image forming process | |
JP2745431B2 (ja) | 電子写真用転写紙 | |
JPH09119091A (ja) | 記録用紙 | |
JP3563945B2 (ja) | 電子写真用転写紙 | |
JP4390954B2 (ja) | 電子写真用転写紙 | |
JPH10221876A (ja) | 情報記録用紙 | |
JP2004078022A (ja) | 電子写真方式対応デジタル印刷用紙 | |
JPH03162993A (ja) | 熱転写受像シート | |
JP2001255688A (ja) | 電子写真用転写シート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040511 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20040708 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040907 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040915 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071001 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081001 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091001 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101001 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111001 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111001 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121001 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131001 Year of fee payment: 9 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |