JP3601011B2 - 電解水生成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、水または食塩水等の処理水を電気分解して酸性イオン水とアルカリ性イオン水を生成する電解水生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の装置の一つとして、特開平6−304561号公報にて、第1及び第2の電極を内部に対向配設するとともにこれら両電極間に隔膜を配設して各電極を収容する第1及び第2の電極室を形成しこれら両電極室に処理水が流入・流出するようにした電解槽と、処理水を前記電解槽の両電極室に給水管を通して給水する給水手段と、前記第1の電極室に接続され同電極室にて生成された電解イオン水を排出する第1の排出管と、前記第2の電極室に接続され同電極室にて生成された電解イオン水を排出する第2の排出管と、前記第1及び第2の排出管に流路切換弁を介して選択的に接続される一対の導出管とを備えるとともに、前記電解槽と前記給水手段と前記流路切換弁の各作動を制御する制御装置を備えてなる電解水生成装置が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した公報の装置において得られる各電解イオン水(アルカリ性イオン水または酸性イオン水)を大気開放のタンクに貯えて使用する場合、同タンク内に貯溜されている電解イオン水は大気中の炭酸ガスや酸素などの気体、また光などによって経時変化して劣化し所期の性能を長時間維持できず、PH値および酸化還元電位値が徐々に中性の値に近づいてくる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するため、給水手段によって供給される処理水をその内部に隔膜を介して設けた一対の電極に直流電圧を印加されたとき電気分解して電解イオン水を生成する電解槽と、該電解槽の前記電極をそれぞれ配設した第1電極室と第2電極室から導出された電解イオン水を貯留する貯水タンクと、前記電解イオン水を前記貯水タンクに導出する導出管路に介在して前記電解イオン水の流路を切換える流路切換弁と、前記電解槽の各電極室内に残存する電解イオン水を排出する排出管路に介在してその作動時に前記両導出管路と両電極室から電解水を排出する排出弁と、電解イオン水の生成開始信号に応答して前記給水手段を給水作動させるとともに前記電解槽内の電極への直流電圧印加を前記流路切換弁の切換状態に応じた正逆極性にて開始させ、第1設定時間が経過したとき前記電解槽内の電極への電圧印加を停止させるとともに前記給水手段を止水作動させる運転制御手段を有する制御装置を備えた電解水生成装置において、前記第1設定時間の経過時に前記給水手段を止水作動させた後に前記流路切換弁を作動させて前記電解イオン水の導出流路を切換えた状態にて前記排水弁を開放作動させて同排水弁を所定時間の経過後に閉作動させ、その後に第2設定時間が経過したとき前記給水手段を給水作動させるとともに前記電解槽内の電極に前回運転時の極性とは逆性の直流電圧を印加して再び電解イオン水の生成を開始させる制御手段を前記制御装置に設けたことを特徴とする電解水生成装置を提供するものである。
【0005】
【発明の作用効果】
本発明による電解水生成装置においては、制御装置の運転制御手段が生成開始信号に基づいて給水手段を給水動作させるとともに、電解槽への電圧印加を流路切換弁の切換状態に応じた正逆極性で開始させると、給水手段により電解槽の両電極室に給水管を通して処理水が給水され、また電解槽内の両電極に流路切換弁の切換状態に応じた正逆極性で直流電圧が印加されて、電解槽内で処理水は電気分解されてプラス側電極の電極室からは水素イオンが増加した酸性イオン水が導出され、一方マイナス側電極の電極室からは水酸イオンが増加したアルカリ性イオン水が導出され、各電解イオン水は流路切換弁と各導出管路を通して各貯水タンクに導出される
【0006】
また、上記した電解イオン水の生成開始から第1設定時間が経過したとき前記運転制御手段の制御下にて電解槽への電圧印加停止されるとともに給水手段が止水作動されると、電解イオン水の生成運転が一時中断される。この状態にて、流路切換弁の切換作動によって電解イオン水の導出流路が切換えられた後に排水弁が開放作動され所定時間の経過後に閉作動されることにより電解イオン水の両導出管路と電解槽の両電極室に残存した電解水が排出管路を通して排出され、その後に第2設定時間が経過したとき電解イオン水の生成運転が再開される。(但し、流路切換弁の状態と両電極の正逆極性は共に前回の電解水生成運転時とは逆になっている。)これにより、電解槽の各電極室から同じ特性の電解イオン水が再び各貯水タンクに導出される。
【0007】
このように本発明による電解水生成装置においては、上述した制御装置の制御下にて電解イオン水の生成と停止が繰り返し行われて当該装置が設定時間毎に間欠運転されるため、各電解イオン水(アルカリ性イオン水または酸性イオン水)を大気開放の貯水タンクに貯えて使用する場合にも、間欠的に生成されて導かれる電解イオン水により貯水タンク内に貯溜されている電解イオン水は設定時間毎に所期の性能を回復し、同電解イオン水を長時間にわたって効果的に使用することができる。
【0008】
また、本発明による電解水生成装置においては、上述したように当該装置が間欠運転されるとき同じ条件で電解水の生成が再開されるため、例えば各電極に付着するスケールの量と、これを除去するに要する時間が両電極にて略等しくなり、各電解水生成(第1設定時間の生成運転)によって質及び量の均一な電解イオン水を得ることができる。また、上記した第1設定時間及び前記第2設定時間の少なくとも一方を可変とした場合には、当該装置を使用目的に応じて最適に間欠運転させることができて経済的に運転させることができる。
【0009】
【実施例】
以下に、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明による電解水生成装置を示していて、この電解水生成装置は電解槽20の両電極室に処理水(水道水)を給水管11を通して給水する給水弁V1を備えていて、この給水弁V1は常閉型の電磁開閉弁であり制御装置100によって作動を制御されるようになっている。給水管11は、上記した給水弁V1とフローセンサSを介装した接続部11aと、この接続部11aの先端から上方に延びる立上部11bと、この立上部11bの先端から分岐して上方に延び電解槽20の両流入口21a,21bにそれぞれ接続される分岐部11cによって構成されていて、接続部11aには周知の浄水器Fを介して給水ホース12が接続され、また立上部11bの下端には排水弁V2を介装した排水管13が接続されている。給水ホース12は、機外に延びていて、水道管(図示省略)に接続されるようになっている。
【0010】
フローセンサSは、給水管11における接続部11a内の水の流れを検出するものであり、その検出信号は制御装置100に入力されるようになっている。排水管13は、機底部に沿って配置されていて機外に延びており、排水溝(図示省略)に排水可能となっている。排水弁V2は、常閉型の電磁開閉弁であり制御装置100によって作動を制御されるようになっている。
【0011】
電解槽20は、一対の流入口21a,21bと一対の流出口21c,21dを有する槽本体21と、この槽本体21内に対向配設した第1及び第2の電極22,23と、これら両電極22,23間に配設されて各電極22,23を収容する第1及び第2の電極室24,25を形成する隔膜26によって構成されていて、第1電極室24には流入口21aと流出口21cが連通し、第2電極室25には流入口21bと流出口21dが連通している。各電極22,23は、チタン基材の表面に白金メッキ或いは白金イリジウムを焼成してなるもので、両電極22,23への直流電圧の印加・停止及び正負電極切換は制御装置100によって制御されるようになっている。また、各流出口21c,21dには第1及び第2の排出管31,32が接続されていて、両排出管31,32は流路切換弁V3を介して第1及び第2の導出管33,34に接続されている。
【0012】
各導出管33,34は、電解槽20より上方に立ち上がる立上部33a,34aを有していて、図2にて示したように延出配管されて大気に開口しており、各立上部33a,34aの下端にて流路切換弁V3に接続されている。一方の導出管33はアルカリ性イオン水を図2に示した大豆処理タンク40に導くものであり、他方の導出管34は酸性イオン水を図2に示した排水導管50(図示しない排水溝に連通している)に導くものである。大豆処理タンク40は、大豆Aをアルカリ性イオン水Bに浸漬処理するためのものであり、底部に多数の連通孔41aを有して所定量の大豆Aと所定量のアルカリ性イオン水Bを収容する大気開放の収容部41と、この収容部41から連通孔41aを通して流れるアルカリ性イオン水Bをオーバーフローさせるオーバーフロー通路42と、このオーバーフロー通路42を通して溢れるアルカリ性イオン水Bを図示しない排水溝に導く排出通路43を備えている。
【0013】
流路切換弁V3は、酸・アルカリに耐える4ポート2位置切換バルブであって、電動モータ(図示省略)によって切換駆動されるものであり、図1の仮想線で示した逆状態(排出管31が導出管34に接続され排出管32が導出管33に接続されている状態)にて制御装置100から正信号を受けたとき図1の実線で示した正状態(排出管31が導出管33に接続され排出管32が導出管34に接続されている状態)に切り替わり、また図1の実線で示した正状態にて制御装置100から逆信号を受けたとき図1の仮想線で示した逆状態に切り替わるようになっており、図1の仮想線で示した逆状態にあるか実線で示した正状態にあるかはセンサ(図示省略)によって検出されるようになっている。
【0014】
制御装置100は、電源スイッチ101と生成スイッチ102(共にON−OFF切換スイッチである)を備えるとともに、第1設定時間taを可変設定するための第1設定装置103と第2設定時間tbを可変設定するための第2設定装置104とタイマ(図示省略)を備え、また図3及び図4に示したフローチャートに対応したプログラムを実行するマイクロコンピュータ(図示省略)を備えていて、各スイッチ101,102の操作とフローセンサSからの信号と流路切換弁V3の状態を検出するセンサからの信号と内蔵するタイマ(図示省略)の計時値に基づいて、給水弁V1及び排水弁V2の開閉作動と流路切換弁V3の切換作動と電解槽20における両電極22,23への直流電圧の印加・停止及び正負電極切換(極性変更)とを制御するようになっており、以下に説明する各作動が得られるようになっている。
【0015】
上記のように構成した本実施例においては、当該電解水生成装置が使用可能な状態で電源スイッチ101がオン操作されると、制御装置100のマイクロコンピュータが図3のステップ201にてプログラムの実行を開始し、ステップ202にて生成スイッチ102がオン操作されているか否かが判定される。このとき、生成スイッチ102がオン操作されていなければ、ステップ202にて「NO」と判定されてステップ202の処理が繰り返し実行され、また生成スイッチ102がオン操作されていれば、ステップ202にて「YES」と判定されてステップ203,204の処理が実行される。
【0016】
ステップ203では給水弁V1に開信号が出力され、ステップ204ではフローセンサSがONか否かが判定される。給水弁V1は、正常であれば開信号にて開作動するため、水道が断水状態でなければ、給水管11を水道水が流れてフローセンサSがONとなり、ステップ204にて「YES」と判定されてステップ205,206または207の処理が実行される。なお、給水弁V1が開信号にて開作動しないか、水道が断水状態であるときには、ステップ204にて「NO」と判定されて208の断水警報ルーチンが実行されて警報が発せられる。水道が断水状態から通水状態となったときには、水道の通水によりフローセンサSがONとなり、ステップ204にて「YES」と判定されてステップ205,206または207の処理が実行される。
【0017】
ステップ205では流路切換弁V3が図1の実線に示した正状態に保持されているか否かが判定され、「YES」と判定されたときにはステップ206が処理された後にステップ209,210が実行され、また「NO」と判定されたときにはステップ207が処理された後にステップ209,210が実行される。ステップ206では電解槽20の両電極22,23に所定値の直流電圧が正電圧印加されて、電極22がマイナス極となり電極23がプラス極となる。一方、ステップ207では電解槽20の両電極22,23に所定値の直流電圧が逆電圧印加されて、電極22がプラス極となり電極23がマイナス極となる。
【0018】
ステップ209ではタイマがリセットされて計時値tがゼロとされ、ステップ210ではステップ209にてリセットされたタイマの計時値tが第1設定値ta以上か否かが判定される。ステップ209にてリセットされたタイマの計時値tが第1設定値taに満たないときにはステップ210にて「NO」と判定されてステップ211の処理が実行され、また上記した計時値tが第1設定値taに達するとステップ210にて「YES」と判定されて図4のステップ215以降の処理が実行される。上記した第1設定値taは、図1に示した第1設定装置103によって例えば10分〜90分の範囲で適宜に変更可能である。
【0019】
ステップ211では生成スイッチ102がオフ操作されているか否かが判定される。このとき、生成スイッチ102がオフ操作されていなければ、ステップ211にて「NO」と判定されてステップ210に戻り、また生成スイッチ102がオフ操作されていれば、ステップ211にて「YES」と判定されてステップ212,213,214の処理が実行される。ステップ212では電解槽20の両電極22,23への電圧印加が停止され、ステップ213では給水弁V1に閉信号が出力され、ステップ214ではプログラムの実行が終了する。
【0020】
このため、流路切換弁V3が図1の実線にて示した正状態で、電源スイッチ101と生成スイッチ102のオン操作により当該装置が正常に起動するときには、上記したステップ201,202,203,204,205,206,209,210,211の処理が実行されて、給水ホース12から浄水器Fを通過した水道水が給水弁V1とフローセンサSと給水管11を通って電解槽20の各電極室24,25に供給されるとともに、電解槽20内で電解されて各イオン水が生成され、マイナス側電極22の電極室24からは水酸イオンが増加したアルカリ性イオン水が排出管31と正状態の流路切換弁V3と導出管33を通して大豆処理タンク40に送られ、またプラス側電極23の電極室25からは水素イオンが増加した酸性イオン水が排出管32と正状態の流路切換弁V3と導出管34を通して排水導管50に送られる。なお、流路切換弁V3が図1の仮想線にて示した逆状態で、電源スイッチ101と生成スイッチ102のオン操作により当該装置が正常に起動するときには、上記したステップ206に代えてステップ207の処理が実行されて、プラス側電極22の電極室24からは水素イオンが増加した酸性イオン水が排出管31と逆状態の流路切換弁V3と導出管34を通して排水導管50に送られ、またマイナス側電極23の電極室25からは水酸イオンが増加したアルカリ性イオン水が排出管32と逆状態の流路切換弁V3と導出管33を通して大豆処理タンク40に送られる。
【0021】
上記した当該装置の起動に伴うイオン水の生成運転は、生成スイッチ102がオフ操作されるかステップ209にてリセットされたタイマの計時値tが第1設定値taに達するまでステップ210,211の処理が繰り返し実行されて維持され、生成スイッチ102がオフ操作されると、ステップ212,213,214の処理が実行されて、電解槽20の両電極22,23への電圧印加が停止され、給水弁V1が閉作動して、電解槽20への給水及び給電が停止して生成運転が停止する。一方、上記した計時値tが第1設定値taに達すると、図4のステップ215以降の処理が実行されて以下に説明する再運転が開始される。
【0022】
ステップ215では電解槽20の両電極22,23への電圧印加が停止され、ステップ216では給水弁V1に閉信号が出力され、ステップ217ではフローセンサSがOFFか否かが判定される。給水弁V1は、正常であれば閉信号にて閉作動するため、給水弁V1の閉作動により給水管11を水が流れなくなるとフローセンサSがOFFとなり、ステップ217にて「YES」と判定されてステップ219,220,221,222の処理が順次実行される。なお、給水弁V1が閉作動しないときにはフローセンサSがOFFとならずステップ217にて「NO」と判定されて218の故障警報ルーチンが実行されて警報が発せられる。
【0023】
ステップ219では、流路切換弁V3の切換ルーチンが実行されて、流路切換弁V3が正状態である場合には逆状態に、また逆状態である場合には正状態に切り換えられる。ステップ220では、排水弁V2に開信号が出力されて排水弁V2が開作動し、ステップ221ではタイマがリセットされて計時値tがゼロとされる。また、ステップ222ではステップ221にてリセットされたタイマの計時値tが排水設定値ts以上か否かが判定され、「NO」と判定されたときにはステップ222の処理が繰り返し実行され、「YES」と判定されたときにはステップ223,224の処理が実行される。なお、上記した排水設定値tsは、当該装置において生成運転が中断して各導出管33,34内のイオン水が流路切換弁V3と各排出管31,32を通して電解槽20の各電極室24,25に逆流し各電極室24,25の水が中和または逆イオン化されるまでの時間を実験により測定した実測値を基にして決定されていて、通常は20秒程度(排水弁V2のサイズによって変わる)に設定されている。
【0024】
ステップ223では排水弁V2に閉信号が出力されて排水弁V2が閉作動し、ステップ224ではステップ221にてリセットされたタイマの計時値tが第2設定値tb以上か否かが判定される。ステップ221にてリセットされたタイマの計時値tが第2設定値tbに満たないときにはステップ224にて「NO」と判定されてステップ225の処理が実行され、また上記した計時値tが第2設定値tbに達するとステップ224にて「YES」と判定されて図3のステップ203以降の処理が実行される。上記した第2設定値tbは、図1に示した第2設定装置104によって例えば10分〜90分の範囲で適宜に変更可能である。
【0025】
ステップ225では生成スイッチ102がオフ操作されているか否かが判定される。このとき、生成スイッチ102がオフ操作されていなければ、ステップ225にて「NO」と判定されてステップ224に戻り、また生成スイッチ102がオフ操作されていれば、ステップ225にて「YES」と判定されてステップ226の処理が実行され、ステップ226にてプログラムの実行が終了する。
【0026】
したがって、上記したステップ215,216,217,219,220,221,222,223,224,225の処理が実行された後にステップ203以降の処理が実行されると、イオン水生成運転の一時的な中断(ステップ215が実行されてステップ223が実行されるまでの時間は第2設定装置104によって設定される第2設定値tbに比して極めて短いため、主として第2設定値tbによって決定される)と、流路切換弁V3の切換作動と、所定量の排水による各電極室内イオン水の中和または逆イオン化がなされた後に、当該装置が最初にステップ203以降の処理が実行され場合と同じ条件(但し、流路切換弁V3の正逆状態と両電極の正逆極性は共に前回とは逆となっている)で再起動されてイオン水の生成運転が再開される。
【0027】
ところで、上記した所定量の排水による各電極室内イオン水の中和または逆イオン化時には、給水管11における立上部11bと分岐部11c及び電解槽20の両電極室24,25内の水が開状態の排水弁V2と排水管12を通して落差により外部に素早く排出される作用が得られると同時に、一方の導出管33内に残存するアルカリ性イオン水が酸性イオン水の残存する排出管及び電極室に向けて落差により自動的に供給されるとともに、他方の導出管34内に残存する酸性イオン水がアルカリ性イオン水の残存する排出管及び電極室に向けて落差により自動的に供給される作用が得られて、各電極室24,25を含む各流通路内の水が素早く中和または逆イオン化される。
【0028】
したがって、当該装置の再起動初期において、マイナスとされている電極を収容する電極室内の電極が水素イオンにより侵されるのを抑制することができて電極の寿命を長くすることができるとともに、各導出管33,34を通して相反するイオン水が導出される(導出管34を通してアルカリ性イオン水が導出され導出管33を通して酸性イオン水が導出される)のを防止することができることは勿論のこと、上述したように各導出管33,34から電解槽20の各電極室24,25に逆イオン水が逆流供給されるときに、給水弁V1より電解槽20側の給水管11と電解槽20の両電極室24,25内の水を上記した逆流を殆ど阻害しない開状態の排水弁V2と排水管13を通して外部に排出することができて、逆イオン水の逆流供給時間を短時間に行わせることができ、これによって電圧印加停止時間を短く設定することができ、当該装置のイオン水生成運転の中断時間を短くすることができてイオン水生成能力を向上させることができる。また、この再起動初期には電極に付着しているスケール(処理水中のカルシウムやマグネシウム等が固化したもの)が電解剥離されて電極が洗浄される。
【0029】
また、本実施例においては、図3のステップ203〜210及び211の実行と図4のステップ215〜ステップ224及び225の実行により電解水の生成と停止が繰り返し行われて当該装置が設定時間毎に間欠運転されるため、大豆処理タンク40内のアルカリ性イオン水Bは、間欠的に生成されて導出管33を通して導かれるアルカリ性イオン水により設定時間毎に所期の性能を回復し、同アルカリ性イオン水Bを長時間にわたって効果的に使用することができる。
【0030】
また、本実施例においては、上述したように当該装置が間欠運転されるとき同じ条件で電解水の生成が再開されるため、例えば各電極22,23に付着するスケールの量と、これを除去するに要する時間が両電極22,23にて略等しくなり、各電解水生成(第1設定時間taの生成運転)によって質及び量の均一な電解イオン水を得ることができる。また、上記した第1設定時間ta及び第2設定時間tbを第1設定装置103と第2設定装置104によってそれぞれ適宜変更可能としたため、当該装置を他の使用目的に使用する場合にもその使用目的に応じて最適に間欠運転させることができて経済的に運転させることができる。なお、上記した第1設定時間ta及び第2設定時間tbの一方を不変として実施することも可能である。
【0031】
上記実施例においては、図1に示した構成の電解水生成装置に本発明を実施したが、本発明は、第1及び第2の電極を内部に対向配設するとともにこれら両電極間に隔膜を配設して各電極を収容する第1及び第2の電極室を形成しこれら両電極室に処理水が流入・流出するようにした電解槽と、処理水を前記電解槽の両電極室に給水管を通して給水する給水手段(給水ポンプでも実施可能)と、前記第1の電極室に接続され同電極室にて生成された電解イオン水を排出する第1の排出管と、前記第2の電極室に接続され同電極室にて生成された電解イオン水を排出する第2の排出管と、前記第1及び第2の排出管に流路切換弁を介して選択的に接続される一対の導出管とを備えるとともに、前記電解槽と前記給水手段と前記流路切換弁の各作動を制御する制御装置を備えてなる電解水生成装置には同様に実施できるものであり、例えば、特開平6−304561号公報に示されている電解水生成装置にも実施できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電解水生成装置の一実施例を示す全体構成図である。
【図2】図1に示した電解水生成装置の一使用態様を概略的に示す図である。
【図3】図1に示した電解水生成装置の制御装置が備えるマイクロコンピュータにて実行されるプログラムの一部を示すフローチャートである。
【図4】図1に示した電解水生成装置の制御装置が備えるマイクロコンピュータにて実行されるプログラムの残部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11…給水管、11a…接続部、11b…立上部、11c…分岐部、20…電解槽、22…第1の電極、23…第2の電極、24…第1の電極室、25…第2の電極室、26…隔膜、31…第1の排出管、32…第2の排出管、33,34…導出管、100…制御装置、V1…給水弁、V2…排水弁、V3…流路切換弁。

Claims (3)

  1. 給水手段によって供給される処理水をその内部に隔膜を介して設けた一対の電極に直流電圧を印加されたとき電気分解して電解イオン水を生成する電解槽と、該電解槽の前記電極をそれぞれ配設した第1電極室と第2電極室から導出された電解イオン水を貯留する貯水タンクと、前記電解イオン水を前記貯水タンクに導出する導出管路に介在して前記電解イオン水の流路を切換える流路切換弁と、前記電解槽の各電極室内に残存する電解イオン水を排出する排出管路に介在してその作動時に前記両導出管路と両電極室から電解イオン水を排出する排出弁と、電解イオン水の生成開始信号に応答して前記給水手段を給水作動させるとともに前記電解槽内の電極への直流電圧印加を前記流路切換弁の切換状態に応じた正逆極性にて開始させ、第1設定時間が経過したとき前記電解槽内の電極への電圧印加を停止させるとともに前記給水手段を止水作動させる運転制御手段を有する制御装置を備えた電解水生成装置において、
    前記第1設定時間の経過時に前記給水手段を止水作動させた後に前記流路切換弁を作動させて前記電解水の導出流路を切換えた状態にて前記排水弁を開放作動させて同排水弁を所定時間の経過後に閉作動させ、その後に第2設定時間が経過したとき前記給水手段を給水作動させるとともに前記電解槽内の電極に前回運転時の極性とは逆性の直流電圧を印加して再び電解イオン水の生成を開始させる制御手段を前記制御装置に設けたことを特徴とする電解水生成装置。
  2. 前記第1設定時間又は第2設定時間の少なくとも一方を適宜に調節する手段を設けたこと特徴とする請求項1に記載の電解水生成装置。
  3. 前記第1設定時間の経過時に前記給水手段が止水作動した状態にて前記電解槽に接続した給水管路に介装したフローセンサによって処理水の流れが検出されたときその検出信号に応答して警報を発する警報手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の電解水生成装置。
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