JP3600478B2 - プロセスならびにそれらのデータと資源を識別する方法および交換局 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロセス、好ましくは電気通信プロセス、ならびにそれらの資源(各々がこのプロセスを明確に識別する(第1)識別子を備える)を識別するプロセスに関し、さらに、このプロセスを実施するのに適したコンピュータモジュール、プログラムモジュール、またはソフトウェアモジュール、ならびにそのようなモジュールを備えた交換局に関する。
【0002】
そのようなプロセスは、例えば米国特許出願第5644719号に開示されている。
【0003】
【従来の技術】
1つのコンピュータを使用していくつかのプロセスを擬似的に同時処理する場合(マルチタスク)、1つのコンピュータでの複数のプロセスの処理は、その処理が擬似的に同時に実施されるように、オペレーティングシステムによって制御された適切なプロセスにより発生順にネストされるかまたはインタリーブされる。これを実施するために、各プロセスはいわゆるプロセス識別子(PID)を受け取る。このプロセス識別子は、そのシステム内でただ1度だけ割り当てられ、したがってそのプロセスを明確に識別する。たとえばスタックまたはメモリロケーションなど、オペレーティングシステムによってプロセスが利用できるようになる資源には、(あるいはデータにさえ、)それぞれのプロセスに対するそれらの割当てを識別するために、それぞれのプロセス識別子が与えられる。あるプロセスが終了すると、たとえば終了したプロセスのデータが記憶されているメモリロケーションは、前記識別子を使用することによって解放される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
たとえば誤りが発生したために、プロセスが未完了で終了した場合、すなわち正常に終了しなかった場合、この異常終了したプロセスに代わるための新しいプロセスが開始される。もちろん、中止されたプロセスのデータは、終了した前記プロセスのプロセス識別子によって識別されるので、新しいプロセス識別子を受け取る新しいプロセスは、それらの中止されたプロセスのデータにアクセスすることはできない。相互に結合されたいくつかのプロセスのうちの1つが未完了で終了した場合、このプロセスを継続する新しいプロセスは複雑な形で残されたプロセスと同期化しなければならない。さらに、あるプロセスが長期間実行しない場合、その後、そのデータにアクセスすることがもはや不可能になるため、そのプロセスは終了できない。これは、記憶空間、したがって備えるべき資源の要件を高めることになる。
【0005】
米国特許出願第5644719号に記載されているネストされたコンピュータの場合、オペレーティングシステムはまた、そのコンピュータによって扱われるアプリケーションプロセスにプロセス識別子(PID)を割り当てる。これらのプロセス識別子は、プロセス間でのメッセージ伝送中にオペレーティングシステムによって使用される。
【0006】
したがって、本発明の目的は、終了したプロセスを継続する新しいプロセスが終了した前記プロセスのデータおよび資源にアクセスし、適当なモジュールおよびこの目的のための交換局を作成することができるように上記のタイプの方法を開発することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的は、本発明によれば、プロセスとその資源がそのプロセスを明確に識別する別の(第2)識別子を備え、特にそのプロセスが未完了で終了した後で、前記終了したプロセスの機能を継続するプロセスが開始され、この前記終了したプロセスの前記第2識別子を第2識別子として保持することによって達成される。
【0008】
本発明によれば、資源、たとえばデータは、そのプロセスの寿命に依存する第1プロセス識別子に加えて、そのプロセスの寿命に依存しない(以下の本文で参照識別子(RID)と呼ぶ)第2識別子によっても識別される。したがって、継続する新しいプロセスは、終了したプロセスの資源にアクセスできる。参照識別子は、終了したプロセスのデータへの迅速かつ確実なアクセスを容易にする。発生順に結合されたいくつかのプロセスのうちの1つが未完了で終了した場合、継続するプロセスは、時間遅延なしに終了したプロセスに代わるので、残されたプロセスとの同期化は不要である。
【0009】
新しいプロセスは、終了したプロセスの新たに割り当てられた参照識別子を備えることにより、終了した前記プロセスの機能を引き継ぐ。したがって、参照識別子は、第1プロセス識別子のみが使用される場合と同様に、プロセスに基づくのではなく機能に基づいて通信を可能にする。システムはフレキシビリティを獲得する。
【0010】
本発明の好ましい発展形では、参照識別子(RID)は、制御エレメントのリスタートおよび/または再ロードから保護され、特に、それらの制御ユニットのリスタートおよび再ロードに依存するプロセス、データ、および資源はそれらの参照識別子によって識別される。他の場合には制御ユニットのリスタートまたは再ロードの後で必要とされるプロセスの同期化を省くことができる。
【0011】
この参照識別子を備えた第1プロセスの機能が実行された場合にのみ、参照識別子が使用可能になるので、前記機能もうまく実施されるようになる。
【0012】
参照識別子は、オペレーティングシステムによって管理されることが好ましく、さらに前記オペレーティングシステムによって割り当てられるかまたは要求されることが好ましい。終了したプロセスの機能を継続するプロセスもオペレーティングシステムによって要求される。
【0013】
本プロセスの別の有利な発展形では、参照識別子が(プロセス固有の)データワード内の他のデータと一緒に伝送されるようになされている。これは、メッセージが参照識別子と同時に伝送されることを可能にする。宛先コンピュータ内でプロセスを識別する、例えば32ビットからなる参照識別子が存在する場合には、そのようなプロセスにとっては一般的である48ビットデータ構造のうちの残りの16ビットをこの宛先コンピュータへの仮想経路を指定するために使用することができる。その場合、通信ソフトウェアはこの2部分データワードを適宜暗号化する。
【0014】
参照識別子は、テーブル、好ましくは共通テーブルに記憶され、それらの発生順位(優先順位)に従って割り当てられる。その場合、参照識別子は、その機能が必要な場合に後続のプロセスによって実行された場合にのみ、このテーブルから使用可能になる。
【0015】
本プロセスの特に好ましい発展形では、必要でないプロセスは、特にオペレーティングシステムによって終了(「就寝」)させられた場合、この就寝させられたプロセスは、基準プロセス識別子の助けを借りて継続する新しいプロセスにおける要求に応じて「生き返る」。その結果、資源が自由にされ、一定数のオペレーティングシステム資源(プロセス制御ブロック)を使用して、かなり多くのプロセス(たとえば15要素)が管理可能である。
【0016】
別の態様では、本発明は、上記の方法を実施するのに適したコンピュータモジュール、プログラムモジュール、またはソフトウェアモジュール、ならびに少なくとも1つのそのようなモジュールを有する交換局にも関する。そのような交換局は、たとえば電気通信網におけるノードである。
【0017】
本発明の別の利点を説明および図面に開示する。本発明によれば、上記の特徴および後で挙げる特徴は、個別にまたは任意に組み合わせて使用することができる。ここに図示および説明した実施形態は最終的なものではなく、本発明を説明するための例示的特性を有するもの考えるべきである。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1において、マルチタスクプロセスP1の処理を制御するオペレーティングシステムはBSによって示される。各プロセスP1はオペレーティングシステムBSから第1(プロセス)識別子PID1および第2(参照)識別子RID1を受け取り、プロセス識別子PID1と参照識別子RID1はどちらもただ1度だけ割り当てられ、プロセスP1がこれら2つの識別子の各々によって明確に識別される。プロセスP1がアクセスするまたはプロセスP1によって生成される、データDなどの資源は、同様に識別される。
【0019】
プロセス識別子PID1はそのプロセスP1の寿命に依存し、たとえばプロセス資源の管理およびデータバンクトランザクションの制御に使用される。リスタートおよび/または再ロードは、プロセスP1およびこの識別子の寿命を終了させる。
【0020】
参照識別子RID1はプロセスP1の寿命には依存せず、その機能が実行されるまで存在する。この識別子は、リスタートおよび/または再ロードに依存するプロセスデータを管理するために使用され、リスタートおよび/または再ロードには依存しないプロセス識別コードを使用した動作の可能性をユーザソフトウェアに提供する。
【0021】
たとえば誤りが発生したためにプロセスP1が未完了で終了した場合、終了したプロセスP1の機能を継続する新しいプロセスP2が開始され、この新しいプロセスP2は、終了したプロセスP1の参照識別子RID1を参照識別子として保持する。新しいプロセスP2は、終了したプロセスP1の資源およびデータDにもアクセスすることができ、したがってこの識別子RID1を介してその機能を継続することができる。参照識別子RIDは、プロセスが正常終了した場合にのみ割当て解除される。
【0022】
電気通信の分野において、プロセスP1が、たとえば電話呼を扱った場合、プロセスP1が未完了で終了しても、そのデータDは、その電話呼を終了させるために依然として使用可能である。新しいプロセスP2は、その呼を終了させるために、その電話呼に関連するデータDを読み取ることが可能であり、あるいは、新しいプロセスP2は、終了したプロセスP1に依然として送られるメッセージの受け手となる。参照識別子RIDは、電話呼の制御に関係する制御ユニットのリスタートまたは再ロードに続く関連する分散したプロセスの再同期化を簡素化し促進する。さらに、参照識別子RIDは、オペレーティングシステム機能として、制御ユニットのリスタートおよび/または再ロードにもかかわらず、アプリケーションソフトウェアが、安定した電話呼を維持し、データバンクに記憶されている呼関連データを迅速に捜し出すことを可能にする。すなわち、リスタートおよび/または再ロードの後でも、呼関連データへの迅速かつ確実なアクセスが可能である。
【0023】
図2に、一例として上記のプロセス用のコンピュータププログラムのフローチャートを示す。ステップ1で、プロセスP1は2つの識別子PID1およびRID1を備える。ステップ2でプロセスP1が終了したことが確証された場合、ステップ3で、システムは、このプロセスの機能が完了したかどうかを照会する。応答が「イエス」であれば、プログラムは終了する(ステップ5)。それ以外の場合(応答が「ノー」)、ステップ4で識別子RID1を有する新しいプロセスP2が開始される。このプロセスP2は、プロセスP1の依然として未決着の機能を実行するためにプロセスP1を継続する。プロセスP1の全ての機能が完了しないうちにこのプロセスP2も終了した場合には、ステップ3での否定的な応答により別のプロセスが開始され、このプロセスも同様に識別子としてRID1を保持する。プロセスP1の全ての機能が実行された場合、すなわちステップ3での応答が肯定的である場合にのみ、プログラムは終了する(ステップ5)。
【図面の簡単な説明】
【図1】2つのプロセスを概略的に示す図である。一方のプロセスは他方のプロセスを継続し、同じ第2識別子を保持する。
【図2】本発明によるプロセスを実施するためのコンピュータモジュール、プログラムモジュール、またはソフトウェアモジュールに関するフローチャートである。
【符号の説明】
BS オペレーティングシステム
D データ
P1、P2 プロセス
PID1、RID1 第1識別子
PID2 第2識別子

Claims (7)

  1. プロセス(P1)ならびにそれらの資源を識別する方法であって、プロセス(P1)ならびに該プロセスに割当てられた資源の各々が、プロセス(P1)を明確に識別しかつ該プロセスの寿命に依存する第1識別子(PID1)を備え、プロセス(P1)と該プロセスに割当てられた資源がプロセス(P1)を明確に識別しかつ該プロセスの寿命に依存しない第2識別子(RID1)を備え、各プロセスはオペレーティングシステムから第1識別子(PID1)及び第2識別子(RID1)を受け取り、特にプロセス(P1)が未完了で終了した後に、前記終了したプロセス(P1)の前記第2識別子(RID1)を第2識別子として保持する他のプロセス(P2)が、前記第2識別子(RID1)を備えた資源を識別しながら、前記終了したプロセス(P1)の機能を継続することを特徴とする方法。
  2. 前記第2識別子が制御エレメントのリスタートおよび/または再ロードから保護されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2識別子がオペレーティングシステム(BS)によって管理されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記第2識別子がテーブルに記憶されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記プロセスが電気通信用プロセスであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 請求項1に記載の方法を実施するように構成されたコンピュータプログラムコード手段を含んでいる、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体。
  7. 請求項1からのいずれか一項に記載の方法が実施される交換局。
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