JP3600457B2 - 4方向リードフラットパッケージic実装プリント配線基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、噴流式半田槽を用いた半田付により、4方向リードフラットパッケージICが実装されるプリント配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線基板の部品実装密度は細密化が益々要求されていることから、狭ピッチの4方向リードフラットパッケージIC等の基板実装化が必要となっている。そのため、4方向リードフラットパッケージIC等をリード端子間での半田による短絡のない信頼性の向上と生産効率の改善を実現させた方法でプリント配線基板に半田付する必要がある。
【0003】
従来のこの種のプリント配線基板を、例えば特許第2635323号公報にて提案されているものについて、図4とともに以下に説明する。ここで、図4は従来のプリント配線基板の概略構成を示す平面説明図である。
【0004】
図4において、1はプリント配線基板、2は半田付進行方向(半田ディップ方向)に対して傾斜した前方半田付けランド群、3は半田付進行方向に対して傾斜した後方半田付ランド群、4は前方半田付ランド群2と後方半田付ランド群3との間に設けられた側方半田引込みランド、6は4方向リードフラットパッケージICである。
【0005】
尚、上記構成において、側方半田引込みランド4は前方半田付ランド群2の短辺に各々略同一幅且つ略平行、垂直な2辺と半田ディップ方向に平行な1辺とを有する直角二等辺三角形の形状からなり、また、後方半田引込みランド5は後方半田付ランド群3の短辺に各々略同一幅且つ略平行な4辺を有する正方形の形状からなっている。
【0006】
そして、4方向リードフラットパッケージIC6が装着されたプリント配線基板1を半田ディップ槽の中から引き上げる時に、まず側方半田引込みランド4によって前方半田付ランド群2の過剰半田を引き取り、該前方半田付ランド群2の半田の表面・界面張力を維持すると共に、後方半田引込みランド5によって後方半田付ランド群3の半田の表面・界面張力を維持することにより、半田ショートの発生を防止して半田付することが出来る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のプリント配線基板においては、4方向リードフラットパッケージICの安定したリード間の半田ショートのない高品質の半田付を維持するには製造工程の緻密な管理が必要となり、それは狭ピッチになるほど、より正確な精度が必要となる。
【0008】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであって、狭ピッチの4方向リードフラットパッケージICを半田付する場合にも、より容易な管理の下でリード間の半田ショートをより確実に防止することと、半田付不具合の発生を防止することが出来るプリント配線基板を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
【0010】
【0011】
また、長辺と短辺とからなる4方向リードフラットパッケージICが装着され、前記4方向リードフラットパッケージICの半田付されるリード幅と略一致させた短辺のランド幅を有する前方半田付ランド群及び後方半田付ランド群とを備え、半田付進行方向に対して前記前方半田付ランド群を傾けると共に、噴流式半田槽を用いた半田付により、前記4方向リードフラットパッケージICが実装され、後方半田付ランド群の最後尾に後方半田引きランドを設けた4方向リードフラットパッケージIC実装プリント配線基板であって、長辺側となる前方半田付ランド群の後方には側方半田引きランドを設けず、短辺側となる前方半田付ランド群の後方にのみ側方半田引きランドを設けたものである。
【0012】
また、側方半田引きランドは前方半田付ランド群の拡大させた最後尾のランドにより形成されると共に前方半田付ランド群をそのまま延長した形状とし、面積は4方向リードフラットパッケージICの個々のリードが半田付される前方半田付ランドの全面積と略同等の面積を有するものである。
【0013】
また、両方の後方半田付ランド群の拡大させた最後尾のランドは半田付方向と同方向に配置させた形状とし、面積は4方向リードフラットパッケージICの個々のリードが半田付される後方半田付ランドの各辺又は短辺若しくは長辺側の全面積と略同等の面積を有するものである。
【0014】
また、最後尾のランドを除き、4方向リードフラットパッケージICのリードが実装される個々のランドの短辺を4方向リードフラットパッケージICの半田付されるリード幅と略一致させたものである。
【0015】
また、4方向リードフラットパッケージICを半田付するための各ランド群に囲まれた範囲に前記4方向リードフラットパッケージICを接着する接着剤の流出を防止する線状の穿設孔を備えたものである。
【0016】
また、4方向リードフラットパッケージICを半田付するための各ランド群に囲まれた範囲に2〜4ヶの線状の穿設孔を備えたものである。
【0017】
すなわち、本発明のプリント配線基板においては、4方向リードフラットパッケージICが装着される個々のランドの短辺を半田付されるICのリード幅と略一致させたことによって、各リードが表面・界面張力で保有し得る半田量を減らすとともに各リード間の距離を最大にすることによりリード間の半田ショートを防止し、長辺と短辺とからなる4方向リードフラットパッケージICの、長辺側となる前方半田付ランド群の後方の半田引きランドを不要とすることによる隣接部品との距離の確保によるはんだ付け品質の改善と、各ランド群の最後尾のランドを拡大したことにより、独立の半田引きランドを設けた場合に発生する最後尾のランドと半田引きランドとの余分な半田ショートの発生を防止できること、そして、線状の穿設孔により、4方向リードフラットパッケージICをプリント配線基板に半田付前に仮固定するために使用する接着剤が、半田付されるICのリード部分にまで流出することを防止することにより半田付不具合の発生を防止するすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のプリント配線基板の一実施の形態を図1〜図3とともに説明する。図に示した符号のうち、前述した従来例と同様部分には同一符号を付しその説明を省略する。ここで、図1は本実施の形態のプリント配線基板の概略構成を示す平面図、図2は本実施の形態のプリント配線基板のランドと4方向リードフラットパッケージのリードとの関係を示す概略図、図3は本実施の形態のプリント配線基板の線状穿設孔と4方向リードフラットパッケージを半田付前に仮固定する接着剤との関係を示す概略図である。
【0019】
本実施の形態のプリント配線基板の特徴とする点は図4とともに前述した従来のプリント配線基板1における側方半田引込みランド4、後方半田引込みランド5との形状・配置の相違と、本実施の形態のプリント配線基板11における個々の半田付ランド17の形状の相違と、線状穿設孔19の有無の相違にある。
【0020】
即ち、本実施の形態のプリント配線基板11における側方半田引きランド14は、図1に示すように前方半田付ランド群12の短辺側後端にのみ配置させ、且つ前方半田付ランド群最後尾のランドを矩形に拡大させたものである。
【0021】
そして、側方半田引きランド14の矩形面積は側方半田引きランド14の前方に位置する前方半田付ランド群12の全半田付ランドの面積と同等である。
【0022】
また、本実施の形態のプリント配線基板11における後方半田引きランド15は個々の後方半田付ランド群13の最後尾のランドを半田付方向と平行に後方に拡大させたものである。
【0023】
そして、後方半田引きランド15の個々の面積は後方引きランド15の前方に位置する後方半田付ランド群13の短辺側ランド群の全半田付ランドの面積と同等である。
【0024】
次に、図2に示す本実施の形態のプリント配線基板11における4方向リードフラットパッケージIC6を半田付する個々の半田付ランド17のランド幅は4方向リードフラットパッケージIC6のリード20の幅と同一の幅Wとするものである。
【0025】
更に、図3に示す本実施の形態のプリント配線基板11において、4方向リードフラットパッケージIC6を半田付前にプリント配線基板11に仮固定する接着剤18が、半田付ランド17まで流出することを防止する線状の穿設孔19を有する。線状の穿設孔19の配置は4方向リードフラットパッケージIC6の形状や接着剤を付ける方向により4辺に配置する場合と向かい合う2辺に配置する場合も有る。
【0026】
次いで、前述のように構成してからなるプリント配線基板11における4方向リードフラットパッケージIC6の噴流半田槽を用いた半田付について説明する。先ず、本発明の発明者による実験・分析によるとプリント配線基板11上に接着剤18で仮固定された4方向リードフラットパッケージIC6が噴流半田槽の半田噴流部へ進入した場合、半田は4方向リードフラットパッケージIC6の両前方半田付けリード20(両前方の半田付ランド17)を伝って後方へ流れる。この時、半田は前方半田付ランド群12の半田付ランド17と、4方向リードフラットパッケージIC6の個々のリード20との表面・界面張力の作用により次々とブリッジを作りながら後方へ移動する。
【0027】
ここで本実施の形態で提案する半田付ランド17短辺の4方向リードフラットパッケージIC6の個々のリード20幅迄への狭小化により、表面・界面張力は最少化されてブリッジをして行く半田量は最少となる。その結果その効果自体により半田ショートが減少する上に、半田引きランドのショート防止効果が顕著となる。
【0028】
そして、この流れの後端において設けた側方半田引きランド14、後方半田引きランド15の表面・界面張力によって、このブリッジを形成する半田を十分引込んで溜めることにより半田ショートによる不具合を防止する。側方半田引きランドが存在しない側においては、半田付ランド17短辺の4方向リードフラットパッケージIC6の個々のリード20幅迄への狭小化と、後方半田引きランド15の役割により、半田は前方半田付ランド群12の半田付ランド17と、4方向リードフラットパッケージIC6の個々のリード20との表面・界面張力の作用によって次々とブリッジを作りながら前方半田付ランド群12さらには対峙する後方半田付ランド群13へと後方へ移動し、流れていく。
【0029】
また、半田引きランドの総面積は個々のランド幅の狭小化により少なくすることが可能となり、実験から各後方半田付ランド群13後端の後方半田引きランド15のみでも、後方半田引きランド15が前方半田付ランド群12の半田を後方半田付ランド群13を介して引き込む効果は十分であるが、短辺側の前方半田付ランド群12後端に側方半田引きランド14を設ければ半田ショートはより確実に防止できる。
【0030】
尚、前方半田付ランド群12後端に設ける側方半田引きランド14を長辺側の前方半田付ランド群12後端にのみ設けた場合は、半田引きランドがなくなった短辺側の前方半田付ランド群12の表面・界面張力によって維持されて移動する半田が少ないためにランドより脱落せず、その後方の長辺側の後方半田付ランド群13で維持される半田に重畳されて最後尾まで達する。そのため、後方半田付ランド群13では維持される半田量が多くなって、後方の半田引きランド15で前方半田付ランド群12の半田まで十分引込みきれなくなる場合があると考えられる。
【0031】
これに対し、本実施の形態のような構成の場合には長辺側前方半田付ランド群12で維持されてきた半田が短辺側の後方半田付ランド群13に重畳されても、短辺側の後方半田付ランド群13における少数のランドによる表面・界面張力では維持されず脱落し、その結果、後方の半田引きランド15で十分引込まれ、ショートの発生が防止されるものと考えられる。
【0032】
このように、短辺側の前方半田付ランド群12の後方にのみ側方半田引きランド14を設けるだけで、半田ショートを十分に低減できる。
【0033】
更に、半田引きランドを各半田付ランドの最後尾の個々のランドを拡大させて形成したことにより、独立させた場合より半田ショートの発生率を低減できることも確認できた。
【0034】
なお、個々の半田引きランドの最小面積は各々の半田引きランドの前方に位置する前方半田付ランド群12の個々の半田付ランド17の総面積、及び各後方半田付ランド群13の短辺側半田付ランド17の総面積と同等であれば良く、その機能を十分に発揮する。
【0035】
次に、プリント配線基板11において、4方向リードフラットパッケージIC6を半田付するための各ランド群に囲まれた範囲に2〜4ヶの線状の穿設孔19を設けることにより4方向リードフラットパッケージIC6を半田付前にプリント配線基板11に仮固定する接着剤18が、半田付ランド17まで流出することが防止できる。その結果、接着剤の流出による半田付不具合をより確実に無くすことが出来る。併せて半田付け時に発生するガスを抜くガス抜き孔の機能をも担う。
【0036】
尚、線状の穿設孔19の配置は4方向リードフラットパッケージIC6の形状により4辺に配置する場合と向かい合う2辺に配置する場合も有り、接着剤の塗り方や広がり方等に応じて配置すればよい。また、穿設孔19の寸法は使用する接着剤18の量により選定すれば良い。
【0037】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明の4方向リードフラットパッケージIC実装プリント配線基板によれば、噴流半田槽を用いて、4方向リードフラットパッケージICの半田付け時に表面・界面張力によって発生し、ランド間をブリッジしながら移動する半田量を減少させるとともに、半田引きランドの小面積化を可能しながら半田ショートをより確実に防止することができることと、半田ショート発生可能個所の低減ができる効果が得られる。
【0038】
また、線状の穿設孔により、4方向リードフラットパッケージICを仮固定する接着剤の流出を封じて接着剤による半田付け不具合をより確実に防止できる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリント配線基板の一実施例形態の概略構成を示す平面図である。
【図2】本発明のプリント配線基板の一実施例形態におけるプリント配線基板のランドと4方向リードフラットパッケージのリードとの関係を示す概略図である。
【図3】本発明のプリント配線基板の一実施例形態におけるプリント配線基板の線状の穿設孔と4方向リードフラットパッケージを半田付前に仮固定する接着剤との関係を示す概略図である。
【図4】従来のプリント配線基板の概略構成を示す平面図である。
【符号の説明】
6 4方向リードフラットパッケージ、 11 プリント配線基板、 12 前方半田付ランド群、 13 後方半田付ランド群、 14 側方半田引きランド、 15 後方半田引きランド、 17 半田付ランド 、 18 接着剤、 19 穿設孔、 20 リード。
Claims (6)
- 長辺と短辺とからなる4方向リードフラットパッケージICが装着され、前記4方向リードフラットパッケージICの半田付されるリード幅と略一致させた短辺のランド幅を有する前方半田付ランド群及び後方半田付ランド群とを備え、半田付進行方向に対して前記前方半田付ランド群を傾けると共に、噴流式半田槽を用いた半田付により、前記4方向リードフラットパッケージICが実装され、後方半田付ランド群の最後尾に後方半田引きランドを設けた4方向リードフラットパッケージIC実装プリント配線基板であって、長辺側となる前方半田付ランド群の後方には側方半田引きランドを設けず、短辺側となる前方半田付ランド群の後方にのみ側方半田引きランドを設けたことを特徴とする4方向リードフラットパッケージIC実装プリント配線基板。
- 請求項1記載のプリント配線基板において、側方半田引きランドは前方半田付ランド群の拡大させた最後尾のランドにより形成されると共に前方半田付ランド群をそのまま延長した形状とし、面積は4方向リードフラットパッケージICの個々のリードが半田付される前方半田付ランドの全面積と略同等の面積を有することを特徴とする4方向リードフラットパッケージIC実装プリント配線基板。
- 請求項1記載のプリント配線基板において、両方の後方半田付ランド群の拡大させた最後尾のランドは半田付方向と同方向に配置させた形状とし、面積は4方向リードフラットパッケージICの個々のリードが半田付される後方半田付ランドの各辺又は短辺若しくは長辺側の全面積と略同等の面積を有することを特徴とする4方向リードフラットパッケージIC実装プリント配線基板。
- 請求項1記載のプリント配線基板において、最後尾のランドを除き、4方向リードフラットパッケージICのリードが実装される個々のランドの短辺を4方向リードフラットパッケージICの半田付されるリード幅と略一致させたことを特徴とする4方向リードフラットパッケージIC実装プリント配線基板。
- 請求項1記載のプリント配線基板において、4方向リードフラットパッケージICを半田付するための各ランド群に囲まれた範囲に前記4方向リードフラットパッケージICを接着する接着剤の流出を防止する線状の穿設孔を備えたことを特徴とする4方向リードフラットパッケージIC実装プリント配線基板。
- 請求項5記載のプリント配線基板において、4方向リードフラットパッケージICを半田付するための各ランド群に囲まれた範囲に2〜4ヶの線状の穿設孔を備えたことを特徴とする4方向リードフラットパッケージIC実装プリント配線基板。
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