JP3600435B2 - 電波到来方位探知システム、電波到来方向演算装置、電波到来方向演算方法および記録媒体 - Google Patents

電波到来方位探知システム、電波到来方向演算装置、電波到来方向演算方法および記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば高周波帯における波源の探査を行うために用いられる電波到来方位探知システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電波を利用する技術の発展が目覚ましい。このような趨勢のなかで我々を取り巻く電波環境を正確に把握するため、特に高周波帯における波源の探査を目的とした分解能の高いアンテナシステムを開発することが重要な課題となってきている。このような課題を解決すべく、アンテナ装置などのハードウェアはもとより、アンテナで受信された信号を、計算機を用いてソフトウェア的に処理する信号処理アルゴリズムに関する研究・開発が今盛んに行われている。
【0003】
各種のアルゴリズムが提案されているが、中でも、その角度分解能の高さから近年注目を浴びているものに、MUSIC(Multiple Signal Classification)アルゴリズムと呼ばれる信号処理方式がある。このアルゴリズムは、詳しい説明は省略するが、アレイアンテナを用いて、アンテナ素子各々における受信信号の信号対雑音比(S/N)や、各アンテナ素子の設置間隔などのデータをもとに、1以上の電波の到来方向を求めるものである。なお、このMUSICアルゴリズムについては文献「Multiple Emitter Location and Signal Parameter Estimation (IEEE TRANSACTIONS ON ANTENNAS AND PROPAGATION,VOL.AP−34.NO.3.MARCH
1986 )」に詳しく述べられている。
【0004】
このMUSICアルゴリズムによる処理をより高精度に(つまり、より高い角度分解能をもって)行うためには、(一)「各アンテナ素子の受信信号の信号対雑音比(S/N)を向上させること」、および(二)「アンテナ素子の間隔を拡げること」が重要な条件となる。その理由を以下に簡単に述べる。
【0005】
(一)MUSICアルゴリズムでは、その処理過程において、各アンテナ素子の受信信号を各アンテナ素子に接続された受信機の内部雑音に伴うノイズ成分と、このノイズ成分を含まない純粋な信号成分とに分けて取り扱う。計算式においては、ノイズ成分による項が分母に現れるので、上記両成分の分離度が良好であるほど、すなわち両成分の比であるS/Nが高いほど精度の高い処理を行えることになる。
【0006】
(二)MUSICアルゴリズムの計算式には、アンテナ素子間隔をdx、波長をλ、電波の到来方向をθとすると、dx・sin(θ)/λなる係数が含まれている。このため、波長λに対する素子間隔dxが長いほど精度の高い処理を行えることになる。
【0007】
さて、上記(一)または(二)なる条件を満たすためには、受信機の性能を向上させて雑音成分を減らすと共に、アンテナ素子の数を減らさずにアンテナ開口を拡げなければならないことは明らかである。ところが、受信機の性能の向上とともに価格も向上するので、当業者にとって不都合である。そればかりか、受信機の性能には自ずと限界があるので、精度の向上もある程度のところで頭打ちにならざるを得ない。また、アンテナの開口を拡げると装置が大型化するので、機動性の低下、運搬性の悪化などの様々な不具合が発生することになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、従来、MUSICアルゴリズムにより正確な角度計測値を得るためには、受信機の性能を向上させることと、アンテナの開口を拡げることが必要であった。もしも、MUSICアルゴリズムを用いて、受信機の性能を向上させることなく(勿論、必要最低限の性能は確保した上で)、またアンテナ素子間隔を拡げることなく、より精度の高い計測を行うことができれば大変有意義であるが、そのような要求を実現したシステムは未だ知られていない。
【0009】
本発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、受信機の性能に負うことなく、またアンテナの開口を大きくすることなく、より精度の高い角度計測を行い得る電波到来方位探知システム、電波到来方向演算装置、電波到来方向演算方法および記録媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、予め定められた位置を受信点とし、予め複数のグループに分割された複数の第1のアンテナ素子と、前記複数のグループごとに、属する第1のアンテナ素子の出力の各々をその振幅または位相のうち少なくともどちらか一方を調整した上で合成することで前記受信点とは異なる位置を受信点としかつ前記第1のアンテナ素子の個数よりも少ない個数の複数の第2のアンテナ素子を形成する合成手段と、前記複数の第2のアンテナ素子の各々からの複素振幅信号をデータとして、少なくともこのデータを演算データとして使用するアルゴリズムに基づき前記電波の到来方向を求める演算手段とを具備することを特徴とする。
【0011】
より具体的には、
予め定められた位置を受信点とし、予め複数のグループに分割された複数の第1のアンテナ素子と、この複数の第1のアンテナ素子からの信号の各々を、個別に振幅および位相調整する複数の振幅位相調整回路と、前記複数のグループごとに前記振幅位相調整回路を通過後の信号を合成する複数の合成回路と、この複数の合成回路の出力の各々を個別に受信する複数の受信機と、この複数の受信機の出力の各々を個別にディジタル信号に変換する複数のアナログ/ディジタル変換器と、この複数のアナログ/ディジタル変換器から与えられるディジタル信号に基づき前記複数の受信機の各々からの複素振幅信号をデータとして、少なくともこのデータを演算データとして使用するアルゴリズムに基づき前記電波の到来方向を求める演算手段とを具備し、
前記複数のグループにおけるアンテナ素子の個数をn個、前記アンテナ素子の配列間隔をd、前記複数の振幅位相調整回路のうちk番目のアンテナ素子(1≦k≦n)に接続された振幅位相調整回路における位相調整量をδkとし、かつ、波長がλの電波が前記複数のアンテナ素子に対して角度θの方向から到来したとするとき、
前記位相調整量δkを、
δk={sinθ・d・(2k−n−1)/2}×2π/λ
としたことを特徴とする。
【0012】
このようにすることで、複数のアンテナ素子の各々に、角度θ方向から波長λをもって到来した電波は、振幅位相調整回路によりその振幅と位相とが調整された上で、合成回路により合成される。この合成回路の出力は、それぞれ受信機およびアナログ/ディジタル変換器を介してディジタル信号に変換され、演算手段に与えられる。
【0013】
演算手段では、このデジタルデータをもとに、例えばMUSICアルゴリズムなどのアルゴリズムに基づき電波の到来方向が求められる。
ここで、振幅位相調整回路における位相調整量δkを上記のごとく設定することで、グループごとの複数のアンテナ素子を一まとめにしてあたかも一つのアンテナ素子(仮想アンテナ素子:この仮想アンテナ素子の個数はグループの数と等しい)とみなすことができるようになる。
【0014】
また別の具体例では、
予め定められた位置を受信点とし、予め複数のグループに分割された複数の第1のアンテナ素子と、この複数の第1のアンテナ素子からの信号の各々を個別に受信する複数の受信機と、この複数の受信機の出力の各々を個別にディジタル信号に変換する複数のアナログ/ディジタル変換器と、前記複数のグループごとに、前記複数の受信機の出力の各々を数学的処理に基づき個別に振幅および位相調整した上で合成し、合成後の信号をアナログ/ディジタル変換したものに相当するディジタルデータを前記複数のアナログ/ディジタル変換器から与えられるディジタル信号に基づき生成する信号処理手段と、この信号処理手段で生成されたディジタルデータに基づき少なくともこのデータを演算データとして使用するアルゴリズムに基づき前記電波の到来方向を求める演算手段とを具備し、
前記複数のグループにおけるアンテナ素子の個数をn個、前記アンテナ素子の配列間隔をd、前記信号処理手段においてk番目のアンテナ素子(1≦k≦n)に係わる位相調整量をδkとし、かつ、波長がλの電波が前記複数のアンテナ素子に対して角度θの方向から到来したとするとき、
前記位相調整量δkを、
δk={sinθ・d・(2k−n−1)/2}×2π/λ
としたことを特徴とする。
【0015】
このようにすることで、複数のアンテナ素子の各々に、角度θ方向から波長λをもって到来した電波は、複数のアナログ/ディジタル変換器により個別にディジタル変換された上で信号処理手段に与えられる。
【0016】
信号処理手段では、与えられたディジタル信号に基づき、前記複数のグループごとに、前記複数の受信機の出力の各々を数学的処理に基づき個別に振幅および位相調整した上で合成し、合成後の信号をアナログ/ディジタル変換したものに相当するディジタルデータが生成される。
【0017】
ここで、信号処理手段における位相調整量δkを上記のごとく設定することで、グループごとの複数のアンテナ素子を一まとめにしてあたかも一つのアンテナ素子(仮想アンテナ素子:この仮想アンテナ素子の個数はグループの数と等しい)とみなすことができるようになる。
【0018】
以上のようにすることで、演算処理のもととなるデータとして、広いアンテナ素子間隔、少ない個数、高いS/Nに相当するものを使用することができるようになる。このようにしてMUSICアルゴリズムによる処理を施すことで、より精度の高い測角データを得ることができるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明するに先立ち、MUSICアルゴリズムに基づく一般的な処理過程を詳細に述べる。MUSICアルゴリズムとは、アレイアンテナを用いて、アンテナ素子各々における受信信号の振幅と位相、および各アンテナ素子への到来電波を受信する受信機の内部雑音、さらに各アンテナ素子の設置間隔などのデータをもとに、1以上の電波源から放射される1以上の電波の到来方向を求めるものである。
【0020】
以下の説明では、複数のアンテナ素子を1次元的に規則的に配列したリニアアレイアンテナを例として説明する。リニアアレイアンテナにおける各素子での受信信号電圧は、図4のM素子リニアアレイアンテナの模式図を用いて説明すると、一般に次のように表される。図4において、信号が角度θの方向から到来したと仮定すると共に、基準点(図中二重丸)での受信信号をE0 とすると、i番目(#i)のアンテナ素子Antiでの電圧は次のように表される。
【0021】
【数1】
Figure 0003600435
【0022】
ここで、di は基準点からの素子間隔、λは波長である。これを、図4のように可変振幅器Amp1〜AmpMおよび可変移相器Ph1〜PhMを経て合成すると、その出力Esum は次のように表される。
【0023】
【数2】
Figure 0003600435
【0024】
ここで、Ai (A1 〜AM )、δi (δ1 〜δM )は、それぞれi番目のアンテナ素子Antiにかけられる重みと移相量である。これらの重みと移相量は、それぞれのアンテナ素子に接続された可変振幅器の利得および可変移相器の移相量を調節することで、システム運用者の意図に応じて自在に設定できる。
【0025】
さて、M素子のアレイアンテナの受信信号は、簡単な数学的考察から、D個の入力する所望波成分と内部雑音の線形和として取り扱える。MUSICアルゴリズムでは、各アンテナ素子Ant1〜AntMでの受信信号を要素とするM次元列ベクトルX(t)を次のように表す。
【0026】
【数3】
Figure 0003600435
【0027】
ここで、s(t)は所望波の複素振幅信号である。n(t)は平均が0、かつ分散がσ2で各アンテナ素子毎に独立の内部雑音である。またAはモードベクトルである。このモードベクトルAは、信号が角度θで入射した時の、各素子での受信信号にかかる係数列ベクトルのことで、次のように表せる。
【0028】
【数4】
Figure 0003600435
ここで、dxは素子間隔、λは波長である。この信号X(t)についての相関行列をRxxとして、Rxxを以下のように定義する。
【0029】
【数5】
Figure 0003600435
【0030】
ここで、式中の上横棒線はアンサンブル平均、Hは複素共役転置、Iは単位行列を示す。
次に、Rxxについての固有値および固有ベクトルを計算する。その固有値をλi 、固有ベクトルをevi (i=1,2,…,M)とすると、各固有値について、λ1 ≧λ2 ≧…λM が成立するものとする。また、Rxxはエルミート行列であるので、異なる固有値によって作られる部分空間は、それぞれ直交する。これにより、以下の二つの結果を得られる。
(A) 各固有値に対して、次の関係式が成立する(固有ベクトルをウェイトとしたときの出力電力)。
【0031】
【数6】
Figure 0003600435
【0032】
すなわち、D個の固有値は雑音電力σ2より大きく(入射信号)、残りの(N−D)個の固有値はσ2に等しい(内部雑音)。
(B) 以下に示すσ2の固有値に対応する固有ベクトル
【0033】
【数7】
Figure 0003600435
は、雑音固有ベクトルと呼ばれている。信号のモードベクトル(信号到来方向)は雑音固有ベクトルによって張られる雑音部分空間に直交している。つまり、以下の式が成立する。
【0034】
【数8】
Figure 0003600435
【0035】
上記(A)、(B)なる結果に基づき、固有値に基づき信号固有ベクトルと雑音固有ベクトルとの判別を行い、雑音固有行列EN を作成する。ここで信号数をD、雑音数をNとすると、以下の式が成立する。
【0036】
【数9】
Figure 0003600435
この行列EN とモードベクトルa(θ)とを用いて、MUSICアルゴリズムの評価関数を以下のように定義する。
【0037】
【数10】
Figure 0003600435
【0038】
この評価関数は、θi (i=1,2,…,D)で分母が0になるため、鋭いピークを持つ。この結果、信号の到来方向を高精度で推定することが可能となる。さて、上記のMUSICアルゴリズムの処理過程は既知である。次に、上記MUSICアルゴリズムを用いて実現した本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0039】
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態に係わる電波到来方位探知システムの構成を示す。この電波到来方位探知システムは、アンテナ素子131〜134、231〜234、331〜334、431〜434と、これらの16個のアンテナ素子に各々接続され、各アンテナ素子で受信された信号の振幅を調節する16個の可変振幅器121〜124、221〜224、321〜324、421〜424と、これらの可変振幅器に各々接続され、各可変振幅器を通過後の信号の移相を調整する16個の可変移相器111〜114、211〜214、311〜314、411〜414とを備えている。ここで、全てのアンテナ素子は間隔dをもって等間隔に配置され、リニアアレイアンテナを形成している。
【0040】
さらにこの電波到来方位探知システムは、可変移相器111〜114の出力を合成(サブアレイ合成)する合成回路1と、可変移相器211〜214の出力を合成する合成回路2と、可変移相器311〜314の出力を合成する合成回路3と、可変移相器411〜414の出力を合成する合成回路4との4個の合成回路との4つの合成回路を備えている。そして、これらの合成回路1〜4の出力を受信機RV1〜RV4でそれぞれ受信して必要な情報を取り出し、アナログ/ディジタル変換器(A/D)10、20、30、40でそれぞれディジタル変換して計算装置COMaに与えるものとなっている。
【0041】
図2に、本実施形態に係わる計算装置COMaの構成を示す。この計算装置COMaは、例えば汎用のワークステーションなどとして実現されるもので、例えばマイクロコンピュータにより実現される制御部100aと、制御部100aの制御に係わるプログラムやデータなどを記憶する記憶部200と、ディスプレイ301、キーボード302および一方端が各A/D10、20、30、40にそれぞれ接続されたデータ伝送線路303が接続され、外部とのインタフェース動作を行うI/O部300とを備えている。
【0042】
このうち制御部100aは、データの入出力に係わるコントロール機能などの種々の既知の制御機能の一つとして、図3に示すように既知のMUSICアルゴリズム計算手段100a1を備えている。このMUSICアルゴリズム計算手段100a1は、図1のA/D10、20、30、40から与えられるディジタルデータをもとに、MUSICアルゴリズムによる計算処理を行い、図示しない1または複数の電波源から放射される電波の到来方向を求めるものである。
【0043】
さて、本実施形態では、図1の構成における各可変移相器111〜114、211〜214、311〜314、411〜414の移相量を、それぞれ以下のように調節する。
【0044】
例えば、合成回路1に接続された可変移相器111〜114、可変振幅器121〜124、アンテナ素子131〜134を例として説明する。各アンテナ素子131〜134における受信点を図中白丸で示す。また、アンテナ素子アンテナ素子131とアンテナ素子134との間の中間となる位置(基準点:datumpoint)をdp1(図中黒丸)で示す(他のアンテナ素子231〜234、331〜334、431〜434についても同様である)。
【0045】
今ここに、図示しない電波源からの、波長λの放射電波が角度θの方向(図4と同様)から到来したと仮定する。このとき、基準点dp1での受信信号をE0 とすると、各アンテナ素子131〜134における受信信号(対応する受信信号をE131 、E132 、E133 、E134 とする)は、以下のようになる。
【0046】
・E131 は、E0 に対して、振幅は等しく、位相は(sinθ・3d/2)×2π/λだけ遅れる。
・E132 は、E0 に対して、振幅は等しく、位相は(sinθ・d/2)×2π/λだけ遅れる。
・E133 は、E0 に対して、振幅は等しく、位相は(sinθ・d/2)×2π/λだけ進む。
・E134 は、E0 に対して、振幅は等しく、位相は(sinθ・3d/2)×2π/λだけ進む。
そこで、各可変移相器111〜114における移相量をδ111 〜δ114 として、各量を以下のように設定する。
【0047】
【数11】
Figure 0003600435
【0048】
すなわち、式(11)のように設定した状態で、各可変移相器111〜114の出力を合成回路1を通すことで、合成回路1の出力をE0 と等しくすることができる。つまり、各可変移相器111〜114の移相量を式(11)に示すように調節することで、アンテナ素子131〜134をまとめて一つの仮想アンテナ素子13とみなすことが可能となる。換言すれば、アンテナ素子131〜134を、仮想アンテナ素子13のサブアレイとみなすことができる。この仮想アンテナ素子13の受信点は、dp1である。
【0049】
このことは、他のアンテナ素子231〜234、331〜334、431〜434についても同様に言える。ここで、アンテナ素子231〜234に係わる各可変移相器211〜214における移相量をδ211 〜δ214 、アンテナ素子331〜334に係わる各可変移相器311〜314における移相量をδ311 〜δ314 、アンテナ素子431〜434に係わる各可変移相器411〜414における移相量をδ411 〜δ414 とする。
上記のように定義したときの、各量が満たすべき関係式を、式(11)と同様に以下の式(12)〜(14)に示す。
【0050】
【数12】
Figure 0003600435
【0051】
【数13】
Figure 0003600435
【0052】
【数14】
Figure 0003600435
【0053】
なお、アンテナ素子の個数をn個、このうちk番目のアンテナ素子(1≦k≦n)に接続された可変移相器における移相量をδkとしたときの、δkの一般式は簡単な導出過程により以下のようになる。
【0054】
【数15】
Figure 0003600435
【0055】
すなわち、d・(2k−n−1)/2なる項は、基準点(両端に位置するアンテナ素子同士の中間点)を座標原点としたときの、k番目のアンテナ素子の座標位置を示す。
【0056】
以上をまとめると、上記構成において各移相量を式(11)〜式(14)を満たすように設定すると、配置間隔dのアンテナ素子16個からなるリニアアレイアンテナを、配置間隔4dの(仮想的な)アンテナ素子4個からなるリニアアレイアンテナとして取り扱うことができる。さらに、ここで重要なことは、合成回路1〜4でアンテナ素子131〜134、231〜234、331〜334、431〜434の受信信号を各々合成することで、その合成出力の信号対雑音比(S/N)を、各アンテナ素子単独での受信信号のS/Nよりも、向上させることが可能な点にある。
【0057】
すなわちノイズ成分は、受信機RV1〜RV4における熱雑音により発生するものが主である。図示しないが、従来の電波到来方位探知システムは図1に示す合成回路を具備していない。したがって各々の可変移相器の出力がそれぞれに接続された16個の受信機に導かれるようになっていた。つまり一つのアンテナ素子からの受信信号が一つの受信機に導かれるので、S/Nは(一つのアンテナ素子での受信信号レベル)/(一つの受信機のノイズレベル)となる。
【0058】
一方、上記構成では、受信機のノイズレベルは変化しないのでS/Nは(一つのアンテナ素子での受信信号レベルの約4倍)/(一つの受信機のノイズレベル)となる。この結果、上記構成ではS/Nが向上することになる。
【0059】
まとめると、従来では、(間隔dで配置されたアンテナ素子のそれぞれで受信された、S/Nが例えば約αdBの信号が、16個、計算装置COMaに与えられる)のに対し、本実施形態では、(間隔4dで配置されたアンテナ素子のそれぞれで受信された、S/Nが約4αdBの信号が、4個、計算装置COMaに与えられる)ことになる。
【0060】
MUSICアルゴリズムにおいては、このことによる効果は顕著である。
まず第1に、“従来の技術”の頁で述べたようにMUSICアルゴリズムにより高精度な処理を行うためには、「アンテナ素子の間隔を拡げること」が重要である。本実施形態では、各移相量を式(11)〜式(14)を満たすように設定することで、アンテナ素子の間隔を見かけ上(演算処理の過程においては)拡げることが可能となる。これにより、アンテナ開口を拡げることなく、かつアンテナ素子の配列の仕方などの構造的部分を変更することなく、MUSICアルゴリズムに基づく角度計測の精度をより高くすることができるようになる。
【0061】
第2に、精度の向上のため、「各アンテナ素子の受信信号の信号対雑音比(S/N)を向上させること」が重要である。本実施形態では、複数(四つ)のアンテナ素子で受信した信号を、合成回路で合成した上で受信機に導くようにしている。このため、本実施形態でいうところの仮想アンテナ素子に対するS/Nを向上させることが可能となる。このことによっても、精度の向上に寄与できる。
【0062】
第3に、計算装置COMaに従来は16個のデータが与えられていたのに対して、本実施形態では4個のデータで済む。MUSICアルゴリズムではその処理過程において、与えられたデータの数に応じた次元の行列およびベクトルを取り扱う。このため、データの数が増えると計算装置COMaが行うべき演算処理の回数が幾何級数的に増えることになる。本実施形態では、計算装置COMaに与えるデータの数を(勿論、正確な結果を得られるように処理した上で)大幅に減らすことができる。このため、計算装置COMaの処理負担を大幅に軽減することができるだけでなく、処理速度を大きく向上させることが可能となる。
【0063】
以上のように本実施形態では、電波源から到来する電波を、間隔dで設置されたアンテナ素子131〜134で受け、その受信信号を可変振幅器121〜124および可変移相器111〜114をそれぞれ介して合成回路1で合成する。このとき、各可変移相器の移相量δ111 〜δ114 を調節することで形成される仮想アンテナ素子13で上記電波が受信されたのと同様の信号が、合成回路1から出力されるようにする。他のアンテナ素子231〜234、331〜334、431〜434に対しても同様の処理を行うことで、間隔4dで設置された仮想アンテナ素子13、23、33、43を形成し、これらの出力をもとにMUSICアルゴリズムに基づき電波の到来方向を求めるようにしている。
【0064】
このようにすることで、MUSICアルゴリズムに係わるアンテナ素子間隔の拡大、S/Nの向上、データ数の削減を図ることができるようになり、受信機の性能に負うことなく、またアンテナの開口を大きくすることなく、より精度の高い角度計測を行うことが可能となる。
【0065】
本実施の形態の効果を示すために、簡単なシミュレーションを行った。その結果を図5に示す。図5に示すグラフは、1素子当たりのS/Nに対する測角誤差(到来した電波に対する角度測定時の誤差)をプロットしたものである。図1に示すようなモデルを用いて、例えばアンテナ素子数を16個、サブアレイ合成数を2個とし、本実施形態で示した処理を行った場合のシミュレーション結果を図5の(b)に示す。従来のままにMUSICアルゴリズム処理を行った結果を示す(a)に比べて、誤差が大幅に小さくなっていることがわかる。
【0066】
(第2の実施形態)
図6に、本発明の第2の実施形態に係わる電波到来方位探知システムの構成を示す。なお、図6において図1と同一部分には同一の符号を付して示し、重複する説明は省略する。図6の電波到来方位探知システムは、アンテナ素子131〜134、231〜234、331〜334、431〜434に到来する信号を、受信機RV1〜RV16で受信したのちアナログ/ディジタル変換器(A/D)141〜144、241〜244、341〜344、441〜444でそれぞれディジタル変換して計算装置COMbに与えるものとなっている。
【0067】
計算装置COMbは、上記第1の実施形態における計算装置COMaとほぼ同様の構成をしているが、制御部の構成において異なっている。計算装置COMbの制御部に100bなる符号を付すと、この制御部100bは、データの入出力に係わるコントロール機能などの種々の既知の制御機能およびMUSICアルゴリズム計算手段100a1に加えて、図6に示すように合成手段100b1を備えている。なお、この合成手段100b1は、専用のプロセッサや、例えばフロッピーディスクなどの記録媒体に記録された状態で提供される処理機能である。
【0068】
この合成手段100b1は、それぞれ入力されるディジタル受信信号に対する合成演算処理を行う。すなわち合成手段100b1は、上記式(11)〜(14)で示した位相移相量に相当する複素係数を、各ディジタル受信信号に対して掛けることで(つまり各々の受信信号に重み付けをする数値的処理を施すことで)、図中dp1〜dp4をそれぞれ受信点とする仮想アンテナ素子13、23、33、43を形成する。
【0069】
すなわち、上記構成の電波到来方位探知システムは第1の実施形態で示した可変振幅器および可変移相器を備えていないが、これらと同等の機能を数値的処理により実現するようにしている。
【0070】
このようにすることで、上記第1の実施形態と同様の効果を得られるだけでなく、可変振幅器および可変移相器の排除に伴い構成の簡易化、軽量化をうながすことができるようになる。
【0071】
また本実施形態では、合成手段100b1をソフトウェア的な処理機能として実現しているので、既存のシステムに対して機能を容易に付加することができる。
【0072】
ここで、上記第1および第2の実施形態における処理手順を、図7のフローチャートに示す。すなわち上記各実施形態のシステムは、ステップST71にて各アンテナ素子に到来した信号を受信し、この受信信号を、第1の実施形態ではハードウェア的に、第2の実施形態ではソフトウェア的にステップST72にて合成することで、ハードウェア的な構造はそのままに受信点の間隔を拡げかつその個数を減らす。そして、このようにして形成された受信点における受信信号に相当するディジタルデータに基づき、ステップST73にてMUSICアルゴリズムにより電波の到来方向を求めるようにしている。
【0073】
ステップST72の合成処理過程を設けることで、本発明の目的を達成することができるようになる。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。
例えば、合成処理を行う過程は一つの段階に限らず、それ以上の多段階に渡っても良い。例えば上記第1の実施形態においては、計算装置COMaに到達した信号を更にソフトウェア的に合成することで、受信点の間隔を更に拡げ、かつ個数を減らすようにすることが可能である。第2の実施形態においても、合成処理過程を二段階にして、図1および図6の×丸印で示される受信点を形成できる。このようにすることで、更に正確な結果を得ることができる。
【0074】
なお、合成処理過程は無制限には行えない。一般にMUSICアルゴリズムにおいては、「処理すべきデータ数(受信点の数)>電波源の数」が常に成立していることが要求される。
【0075】
また上記各実施形態では、アンテナ素子を直線的に配列してリニアアレイとしたが、平面状に配列したプラナーアレイとしたり、その他の任意の配列にアンテナ素子を設置したシステムに対しても本発明を適用可能である。
【0076】
また上記各実施形態では、位相移相量に関する式のみを表示したが、振幅調整量についてもシステム設計時に任意の式を導出することが可能である。
また、振幅調整量および位相移相量を任意に調整することで、受信点の位置や数も自由に変化させることができる。これにより、電波源の個数が判れば、それに応じてもっとも正確な測角計算結果を得られるように、振幅調整量および位相移相量を自動的に調整する機能を有するシステムを考案できるであろう。
【0077】
また本発明は、例えばESPRITアルゴリズムや、MLM(MaximumLikelyhood Method)、TNA(熱雑音アルゴリズム)、AAR(適応角度応答)、MEM(Maximum Entropy )などの他のアルゴリズムに対する適用も可能である。
その他、アレイアンテナの形状、アンテナ素子の数などについても、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施を行うことが可能である。
【0078】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明は、合成手段を設け、アンテナ素子に到来した受信信号に対する合成処理を行った上で、この合成された信号をもとに測角演算を行うようにしている。合成処理を行うことで、受信アンテナ素子の間隔を拡げると共にその数を減らし、さらに受信S/Nを向上させることができるようになるので、受信機の性能に負うことなく、またアンテナの開口を大きくすることなく、より精度の高い角度計測を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる電波到来方位探知システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態に係わるCOMaおよびCOMbの構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係わる制御部100aの構成を示すブロック図。
【図4】MUSICアルゴリズムに基づく処理過程を説明するために用いた図。
【図5】本発明の第1の実施形態に係わるシミュレーションの結果を示す図。
【図6】本発明の第2の実施形態に係わる電波到来方位探知システムの構成を示すブロック図。
【図7】本発明の実施形態に係わる処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
131〜134、231〜234、331〜334、431〜434…アンテナ素子
121〜124、221〜224、321〜324、421〜424…可変振幅器
111〜114、211〜214、311〜314、411〜414…可変移相器
1〜4…合成回路
10、20、30、40…アナログ/ディジタル変換器(A/D)
RV1〜RV4…受信機
COMa…計算装置
13…アンテナ素子131〜134をサブアレイとする仮想アンテナ素子
dp1…仮想アンテナ素子13の受信点
23…アンテナ素子231〜234をサブアレイとする仮想アンテナ素子
dp2…仮想アンテナ素子23の受信点
33…アンテナ素子331〜334をサブアレイとする仮想アンテナ素子
dp3…仮想アンテナ素子33の受信点
43…アンテナ素子431〜434をサブアレイとする仮想アンテナ素子
dp4…仮想アンテナ素子43の受信点
100a…制御部
200…記憶部
300…I/O部
301…ディスプレイ
302…キーボード
303…データ伝送線路
100a1…MUSICアルゴリズム計算手段
RV1〜RV16…受信機
141〜144、241〜244、341〜344、441〜444…アナログ/ディジタル変換器(A/D)
COMb…計算装置
100b…制御部
100b1…合成手段

Claims (16)

  1. 予め定められた位置を受信点とし、予め複数のグループに分割された複数の第1のアンテナ素子と、
    前記複数のグループごとに、属する第1のアンテナ素子の出力の各々を、その振幅または位相のうち少なくともどちらか一方を調整した上で合成することで、前記受信点とは異なる位置を受信点としかつ前記第1のアンテナ素子の個数よりも少ない個数の複数の第2のアンテナ素子を形成する合成手段と、
    前記複数の第2のアンテナ素子の各々からの複素振幅信号をデータとして、少なくともこのデータを演算データとして使用するアルゴリズムに基づき前記電波の到来方向を求める演算手段とを具備することを特徴とする電波到来方位探知システム。
  2. 予め定められた位置を受信点とし、予め複数のグループに分割された複数の第1のアンテナ素子と、
    この複数の第1のアンテナ素子からの信号の各々を、個別に振幅および位相調整する複数の振幅位相調整回路と、
    前記複数のグループごとに、前記振幅位相調整回路を通過後の信号を合成する複数の合成回路と、
    この複数の合成回路の出力の各々を、個別に受信する複数の受信機と、
    この複数の受信機の出力の各々を、個別にディジタル信号に変換する複数のアナログ/ディジタル変換器と、
    この複数のアナログ/ディジタル変換器から与えられるディジタル信号に基づき、前記複数の受信機の各々からの複素振幅信号をデータとして、少なくともこのデータを演算データとして使用するアルゴリズムに基づき前記電波の到来方向を求める演算手段とを具備し、
    前記複数のグループにおけるアンテナ素子の個数をn個、
    前記アンテナ素子の配列間隔をd、
    前記複数の振幅位相調整回路のうち、k番目のアンテナ素子(1≦k≦n)に接続された振幅位相調整回路における位相調整量をδkとし、
    かつ、波長がλの電波が前記複数のアンテナ素子に対して角度θの方向から到来したとするとき、
    前記位相調整量δkを、
    δk={sinθ・d・(2k−n−1)/2}×2π/λ
    としたことを特徴とする電波到来方位探知システム。
  3. 予め定められた位置を受信点とし、予め複数のグループに分割された複数の第1のアンテナ素子と、
    この複数の第1のアンテナ素子からの信号の各々を、個別に受信する複数の受信機と、
    この複数の受信機の出力の各々を、個別にディジタル信号に変換する複数のアナログ/ディジタル変換器と、
    前記複数のグループごとに、前記複数の受信機の出力の各々を、数学的処理に基づき個別に振幅および位相調整した上で合成し、合成後の信号をアナログ/ディジタル変換したものに相当するディジタルデータを、前記複数のアナログ/ディジタル変換器から与えられるディジタル信号に基づき生成する信号処理手段と、
    この信号処理手段で生成されたディジタルデータに基づき、少なくともこのデータを演算データとして使用するアルゴリズムに基づき前記電波の到来方向を求める演算手段とを具備し、
    前記複数のグループにおけるアンテナ素子の個数をn個、
    前記アンテナ素子の配列間隔をd、
    前記信号処理手段において、k番目のアンテナ素子(1≦k≦n)に係わる位相調整量をδkとし、
    かつ、波長がλの電波が前記複数のアンテナ素子に対して角度θの方向から到来したとするとき、
    前記位相調整量δkを、
    δk={sinθ・d・(2k−n−1)/2}×2π/λ
    としたことを特徴とする電波到来方位探知システム。
  4. 前記アルゴリズムは、MUSIC(Multiple Signal Classification)アルゴリズムまたはESPRITアルゴリズムであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電波到来方位探知システム。
  5. 予め定められた位置を受信点とし、予め複数のグループに分割された複数の第1のアンテナ素子を備える電波到来方位探知システムで使用される電波到来方向演算装置であって、
    前記複数のグループごとに、属する第1のアンテナ素子の出力の各々を、その振幅または位相のうち少なくともどちらか一方を調整した上で合成することで、前記受信点とは異なる位置を受信点としかつ前記第1のアンテナ素子の個数よりも少ない個数の複数の第2のアンテナ素子を形成する合成手段と、
    前記複数の第2のアンテナ素子の各々からの複素振幅信号をデータとして、少なくともこのデータを演算データとして使用するアルゴリズムに基づき前記電波の到来方向を求める演算手段とを具備することを特徴とする電波到来方向演算装置。
  6. 予め定められた位置を受信点とし、予め複数のグループに分割された複数の第1のアンテナ素子と、
    この複数の第1のアンテナ素子からの信号の各々を、個別に振幅および位相調整する複数の振幅位相調整回路と、
    前記複数のグループごとに、前記振幅位相調整回路を通過後の信号を合成する複数の合成回路と、
    この複数の合成回路の出力の各々を、個別に受信する複数の受信機と、
    この複数の受信機の出力の各々を、個別にディジタル信号に変換する複数のアナログ/ディジタル変換器とを備えたことを特徴とする電波到来方位探知システムで使用される電波到来方向演算装置であって、
    前記複数のアナログ/ディジタル変換器から与えられるディジタル信号に基づき、前記複数の受信機の各々からの複素振幅信号をデータとして、少なくともこのデータを演算データとして使用するアルゴリズムに基づき前記電波の到来方向を求める演算手段を具備することを特徴とする電波到来方向演算装置。
  7. 予め定められた位置を受信点とし、予め複数のグループに分割された複数の第1のアンテナ素子と、
    この複数の第1のアンテナ素子からの信号の各々を、個別に受信する複数の受信機と、
    この複数の受信機の出力の各々を、個別にディジタル信号に変換する複数のアナログ/ディジタル変換器とを備えたことを特徴とする電波到来方位探知システムで使用される電波到来方向演算装置であって、
    前記複数のグループごとに、前記複数の受信機の出力の各々を、数学的処理に基づき個別に振幅および位相調整した上で合成し、合成後の信号をアナログ/ディジタル変換したものに相当するディジタルデータを、前記複数のアナログ/ディジタル変換器から与えられるディジタル信号に基づき生成する信号処理手段と、
    この信号処理手段で生成されたディジタルデータに基づき、少なくともこのデータを演算データとして使用するアルゴリズムに基づき前記電波の到来方向を求める演算手段とを具備することを特徴とする電波到来方向演算装置。
  8. 前記アルゴリズムは、MUSIC(Multiple Signal Classification)アルゴリズムまたはESPRITアルゴリズムであることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の電波到来方向演算装置。
  9. 予め定められた位置を受信点とし、予め複数のグループに分割された複数の第1のアンテナ素子を備える電波到来方位探知システムで使用される電波到来方向演算装置における電波到来方向演算方法であって、
    前記複数のグループごとに、属する第1のアンテナ素子の出力の各々を、その振幅または位相のうち少なくともどちらか一方を調整した上で合成することで、前記受信点とは異なる位置を受信点としかつ前記第1のアンテナ素子の個数よりも少ない個数の複数の第2のアンテナ素子を形成する第1のステップと、
    前記複数の第2のアンテナ素子の各々からの複素振幅信号をデータとして、少なくともこのデータを演算データとして使用するアルゴリズムに基づき前記電波の到来方向を演算する第2のステップとを具備することを特徴とする電波到来方向演算方法。
  10. 予め定められた位置を受信点とし、予め複数のグループに分割された複数の第1のアンテナ素子と、
    この複数の第1のアンテナ素子からの信号の各々を、個別に振幅および位相調整する複数の振幅位相調整回路と、
    前記複数のグループごとに、前記振幅位相調整回路を通過後の信号を合成する複数の合成回路と、
    この複数の合成回路の出力の各々を、個別に受信する複数の受信機と、
    この複数の受信機の出力の各々を、個別にディジタル信号に変換する複数のアナログ/ディジタル変換器とを備えたことを特徴とする電波到来方位探知システムで使用される電波到来方向演算装置における電波到来方向演算方法であって、前記複数のアナログ/ディジタル変換器から与えられるディジタル信号に基づき、前記複数の受信機の各々からの複素振幅信号をデータとして、少なくともこのデータを演算データとして使用するアルゴリズムに基づき前記電波の到来方向を演算するステップを具備することを特徴とする電波到来方向演算方法。
  11. 予め定められた位置を受信点とし、予め複数のグループに分割された複数の第1のアンテナ素子と、
    この複数の第1のアンテナ素子からの信号の各々を、個別に受信する複数の受信機と、
    この複数の受信機の出力の各々を、個別にディジタル信号に変換する複数のアナログ/ディジタル変換器とを備える電波到来方位探知システムで使用される電波到来方向演算装置における電波到来方向演算方法であって、
    前記複数のグループごとに、前記複数の受信機の出力の各々を、数学的処理に基づき個別に振幅および位相調整した上で合成し、合成後の信号をアナログ/ディジタル変換したものに相当するディジタルデータを、前記複数のアナログ/ディジタル変換器から与えられるディジタル信号に基づき生成する第1のステップと、
    この第1のステップで生成されたディジタルデータに基づき、少なくともこのデータを演算データとして使用するアルゴリズムに基づき前記電波の到来方向を演算する第2のステップとを具備することを特徴とする電波到来方向演算方法。
  12. 前記アルゴリズムは、MUSIC(Multiple Signal Classification)アルゴリズムまたはESPRITアルゴリズムであることを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載の電波到来方向演算方法。
  13. 予め定められた位置を受信点とし、予め複数のグループに分割された複数の第1のアンテナ素子を備える電波到来方位探知システムで使用される電波到来方向演算装置における電波到来方向演算方法を実行するプログラムを記録した記録媒体であって、
    前記複数のグループごとに、属する第1のアンテナ素子の出力の各々を、その振幅または位相のうち少なくともどちらか一方を調整した上で合成することで、前記受信点とは異なる位置を受信点としかつ前記第1のアンテナ素子の個数よりも少ない個数の複数の第2のアンテナ素子を形成する合成手段と、
    前記複数の第2のアンテナ素子の各々からの複素振幅信号をデータとして、少なくともこのデータを演算データとして使用するアルゴリズムに基づき前記電波の到来方向を演算する演算手段とを実行するプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
  14. 予め定められた位置を受信点とし、予め複数のグループに分割された複数の第1のアンテナ素子と、
    この複数の第1のアンテナ素子からの信号の各々を、個別に振幅および位相調整する複数の振幅位相調整回路と、
    前記複数のグループごとに、前記振幅位相調整回路を通過後の信号を合成する複数の合成回路と、
    この複数の合成回路の出力の各々を、個別に受信する複数の受信機と、
    この複数の受信機の出力の各々を、個別にディジタル信号に変換する複数のアナログ/ディジタル変換器とを備えたことを特徴とする電波到来方位探知システムで使用される電波到来方向演算装置における電波到来方向演算方法を実行するプログラムを記録した記録媒体であって、
    前記複数のアナログ/ディジタル変換器から与えられるディジタル信号に基づき、前記複数の受信機の各々からの複素振幅信号をデータとして、少なくともこのデータを演算データとして使用するアルゴリズムに基づき前記電波の到来方向を演算する演算手段を実行するプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
  15. 予め定められた位置を受信点とし、予め複数のグループに分割された複数の第1のアンテナ素子と、
    この複数の第1のアンテナ素子からの信号の各々を、個別に受信する複数の受信機と、
    この複数の受信機の出力の各々を、個別にディジタル信号に変換する複数のアナログ/ディジタル変換器とを備える電波到来方位探知システムで使用される電波到来方向演算装置における電波到来方向演算方法を実行するプログラムを記録した記録媒体であって、
    前記複数のグループごとに、前記複数の受信機の出力の各々を、数学的処理に基づき個別に振幅および位相調整した上で合成し、合成後の信号をアナログ/ディジタル変換したものに相当するディジタルデータを、前記複数のアナログ/ディジタル変換器から与えられるディジタル信号に基づき生成する信号処理手段と、
    この信号処理手段で生成されたディジタルデータに基づき、少なくともこのデータを演算データとして使用するアルゴリズムに基づき前記電波の到来方向を演算する演算手段とを実行するプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
  16. 前記アルゴリズムは、MUSIC(Multiple Signal Classification)アルゴリズムまたはESPRITアルゴリズムであることを特徴とする請求項13乃至15のいずれかに記載の記録媒体。
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