JP3600421B2 - 改質炭の製造方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、中・低質炭を高温に加熱し、冷却して得られる低吸湿性、高発熱量、低自然発火性の改質炭を石炭燃焼ボイラーの高温排ガス及び設備を利用して製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
中・低質炭は、その埋蔵量の豊富さや低硫黄分のものが多いことから、今後の利用が増えるものと考えられる。しかし、中・低質炭は水分含有量が多く、したがって重量当たりの発熱量が低く、乾燥すると自然発火性が高まる上、吸湿性も高いという欠点があり、利用拡大の障害となっていた。
このため、特公昭57−11596号公報には、中・低質炭を300〜500℃に急速に加熱した後、急速に冷却して処理することにより改質炭を得る方法が開示されている。また、特開昭56−70093号公報には、中・低質炭を300〜500℃に急速に加熱した後、急速に冷却して処理する方法において、急速加熱に使用した後の排ガスと空気とを熱交換して得られる高温の空気と、急速加熱用高温ガスの一部とを混合したものを原料炭の乾燥に使用することにより熱的に有利に改質炭を得る方法が開示されている。また他の改質炭の製造方法として、水分を蒸発させ、親水性酸素含有基を分解し、タールの揮散を防ぐ方法として、180〜300℃未満で乾燥する方法が知られている。
いずれの方法も、中・低質炭から低吸湿性、高発熱量、低自然発火性の改質炭を得るために、炉を設けて、その燃焼ガスを使用し、更に冷却ガスを燃焼ガスの温度調節用希釈ガスに使用しているが、設備的に、熱的に経済的であるとはいえない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の実情に鑑みてなされたもので、発明の目的は石炭燃焼ボイラー(以下石炭ボイラーと略称する)の燃焼排ガス及び熱を利用して中・低質炭から低吸湿性、高発熱量、低自然発火性の改質炭を設備的に、熱的に有利な方法で得ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、石炭ボイラーのエコノマイザー出口、脱硝装置出口またはエアーヒーター出口の高温の燃焼排ガス(燃焼排ガスを単に排ガスとも略称する)を使用して中・低質炭を改質し、あるいは更に電気集塵装置出口の排ガス等を改質炭の冷却用に使用することにより、改質炭が設備的に、熱的に有利に得られることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち本発明は、中・低質炭を180〜300℃未満に加熱し150℃以下に冷却して改質炭を製造する際に、又は、中・低質炭を昇温速度100℃/分以上で300〜500℃に加熱し降温速度50℃/分以上で250℃以下に冷却して改質炭を製造する際に、石炭ボイラー設備のエコノマイザー出口、脱硝装置出口またはエアーヒーター出口排ガスを使用して加熱して改質し、改質に使用した後の排ガスを使用して、改質炭の原料となる中・低質炭を乾燥し、乾燥に使用した後の排ガスを石炭ボイラー設備の電気集塵装置に供給して処理し、加熱後の改質炭の冷却を石炭ボイラー設備の電気集塵装置出口以降の排ガスを使用して行う改質炭の製造方法及びその装置を提供するものである。
さらに本発明は、石炭ボイラーに石炭燃焼助燃炉を付設し、該助燃炉からの高温の排ガスをエコノマイザー出口、脱硝装置出口またはエアーヒーター出口排ガスに混合して使用する改質炭の製造方法及びその装置を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で、中・低質炭とは、全水分が10重量%以上で、カーボン含有量がドライアッシュフリー(以下d.a.f.と記す)基準で80重量%以下で、かつ平衡水分が8重量%以上のものをいい、具体的には、褐炭や高揮発分の亜瀝青炭が挙げられる。
【0007】
中・低質炭の水分には、表面付着水と内部水分(平衡水分という)があり、表面付着水は100℃以下の乾燥でも除去することができる。
石炭の水分は80〜150℃で乾燥(通常乾燥ともいう)することにより、平衡水分の半分程度まで低下させることができる。しかしながら、150℃以下の加熱乾燥では、中・低質炭の改質は起こらず、吸湿性は高いままであり、大気中に放置すると大気中の水分を吸収して元の平衡水分含有量に戻ってしまう。
一方、180〜300℃程度で加熱処理すると、フェノール基やカルボキシル基などの親水性の含酸素基が熱分解を起こす。加熱によって石炭中の内部水分が除去されるとともに、フェノール基やカルボキシル基などの親水性の含酸素基が分解により、H0、COが発生し、疎水性となり、石炭の吸湿性が低下する。また石炭中の酸素含有量の低減により、不活性化し、自然発火がある程度抑制される。
更に、300℃以上に加熱すると、平衡水分が低下し始め、350℃以上では著しく減少し、通常乾燥による平衡水分の1/2以下になる。この時には、石炭中のタール分が液状化して石炭の細孔を通して表面ににじみ出してくる。このことは、表面の走査型電子顕微鏡写真及び比表面積の測定により石炭の比表面積が著しく減少することにより、明らかである。例えば、原料炭で比表面積が1.7m/gであったものが430℃で加熱処理し、これを急冷したものでは0.1m/g程度に低下する。
細孔内及び石炭表面の一部に広がったタールが固化することにより、石炭の比表面積を下げて不活性化し、吸湿性も低下させると共に、自然発火性を低下させると考えられる。
更に、450℃を超え、500℃付近に加熱すると、平衡水分は更に低下するが、走査型電子顕微鏡写真及び比表面積の測定から、石炭の表面に多くの亀裂が入り、比表面積も2.4m/g程度に急増することが判った。
また、500℃を超えて加熱すると、石炭は亀裂が増え、もろくなり微粉の発生が増加するなどの問題が生じる。
また、加熱時間が長いと、タールやCO等の可燃分が散逸し易いので、300〜500℃に加熱して改質する場合には、100℃/分以上の昇温速度で加熱するのが好ましい。これにより、石炭中の可燃性物質の損失や、加熱処理用高温ガスに混入する可燃性物質の量を抑えることができる。
【0008】
また、加熱に使用するガスは、酸素濃度が高いと、易燃焼成分の着火や、微粉炭の爆発等の危険があることから、酸素濃度12vol%以下の不活性気体や、高温ガスにスチームを10vol%以上含有させたもの、あるいはスチーム単独が用いられるが、特に酸素濃度4vol%以下のガスが好ましく、例えば、石炭ボイラーの高温の排ガスを、好ましくは、エコノマイザー出口または脱硝装置出口の排ガスを使用するのが酸素濃度的にも、温度的にもよい。
加熱時間が長いと、可燃分が散逸し易いので、加熱後の冷却も急速である必要があり、300〜500℃に加熱して改質する場合には、50℃/分以上の速さで250℃以下に冷却することが好ましい。
【0009】
冷却用のガスとしては、例えば、電気集塵後の排ガス又は、脱硫後の排ガスが使用される。
上記のように高温に加熱し、冷却処理して得られた改質炭は、自然発火性は低下するが、着火性が低下することなく従来の石炭ボイラーにそのまま燃料として使用することができる。
【0010】
本発明では、原料炭は第一段階で改質に使用した後の排ガスにより乾燥され、第二段階で石炭ボイラーの高温排ガス、特に、エコノマイザー出口または脱硝装置出口の排ガスにより加熱されて改質され、第三段階で高温処理された石炭は、石炭ボイラーの排ガス処理設備の集塵装置(例えば電気集塵装置)の出口排ガス及び/又は脱硫装置の出口排ガスまたはこれら排ガスと空気の混合ガスを使用して冷却される。
【0011】
更に、改質炭の生産量を多くするため、あるいは、改質効果を上げるために、石炭ボイラーに付設して助燃炉を設け、助燃炉からの高温の排ガスをエコノマイザー出口以降の排ガスに加えて使用することにより、改質炭の生産量を増加しあるいは改質度を上げて消費者に有利な石炭とし、外販用にすることができる。
また、高温の乾燥炭あるいは捕集装置で捕集された微粉炭は、実質的に冷却することなくそのまま石炭ボイラー又は石炭ボイラーと助燃炉両者の火炉に自消用として供給することにより、加熱された状態で、また貯蔵時の吸湿による発熱量の低下が無く使用できるので熱的な効率がよい。
上記助燃炉を付設した場合には、乾燥に使用した後の排ガスは一部または全部を助燃炉に供給し、該排ガス中の有機可燃性物質を燃焼処理することができる。
乾燥装置、改質装置及び冷却装置としては、好ましくは、連続式のもので、流動層乾燥機、通風乾燥機、ロータリーキルン乾燥機等種々のものが使用できる。
【0012】
初めに乾燥工程について述べる。原料炭は、流動層乾燥機を使用する場合には、粒径0.1〜2インチに粉砕して乾燥するのが好ましい。
乾燥に使用するガスは、温度150〜350℃、酸素濃度は安全運転上低い方がよく、特に排ガスのように4%以下が好ましい。したがって、一般には、改質に使用した後の排ガスをそのまま使用するが、石炭ボイラー設備の排ガスを併用することができる。
流動層乾燥機では、ガス空塔速度は4〜10m/secが適当であり、滞留時間は2〜10分程度が適当である。
このようにして得られた乾燥炭は温度80〜105℃、含水率6〜12wt%、程度である。
また、乾燥に使用した後の排ガスはサイクロン等により比較的粗い粒子を分離除去した後、石炭ボイラーの脱硝工程又は電気集塵工程に供給することにより、大気中に排ガスや粉塵が排出されることが防止できるし、サイクロン等により分離された石炭粒子は石炭ボイラーの燃料として供給される。
得られた乾燥炭は、改質工程に供給するか又は一部を実質的に冷却することなく石炭ボイラー(及び助燃炉)に供給して自消することができる。自消するためには、一般的には、微粉砕器で微粉炭とした後、空気輸送してバーナーに供給することができる。
【0013】
次に、改質・冷却工程について述べる。上記で得られた乾燥炭を、例えば、流動層型改質器に供給し、180〜300℃未満に加熱した後、150℃以下に冷却して、又は、乾燥炭を昇温速度100℃/分以上で300〜500℃に加熱した後、降温速度50℃/分以上で250℃以下に冷却して改質炭を製造する。
改質に使用するガスは、温度200〜600℃、酸素濃度は約12vol%以下で低い方が好ましく、特に排ガスのように4%以下が最も好ましい。したがって、石炭山元に建設された石炭ボイラーを使用し、そのエコノマイザー出口あるいは脱硝装置出口排ガスを利用することにより改質炭を製造することが有利である。
流動層型改質器では、ガス空塔速度及び滞留時間は、原料炭の粒度、改質条件に合うように決定される。
改質工程で得られた改質炭を冷却するためには、乾燥工程と同様の流動層装置に供給し、石炭ボイラーの電気集塵工程出口排ガスまたは更に脱硫工程出口排ガスのような低温度で低酸素濃度のガスを使用して冷却することができる。場合によっては、空気で低温としたガスも冷却に使用される。
流動層型冷却機では、ガス空塔速度及び滞留時間は冷却条件に合うように決定される。
このようにして得られた冷却後の改質炭は、通常、平衡水分8〜20wt%、発熱量4500〜6500kcal/kgであり、高発熱量、低吸湿性で、且つ自然発火性が低い。
【0014】
以下、図1により本発明の実施態様の1例を説明する。
石炭ボイラー1の中で燃焼ガスは、火炉2内の蒸発管で蒸気を発生させ(発生した蒸気は蒸気ドラム3で気液分離され、蒸気はスーパーヒーター4に導かれ、過熱水蒸気となり、蒸気タービンの駆動に使用された後、凝縮した水は火炉2内の水管に還流し再蒸発される)、スーパーヒーター4により蒸気を過熱した後、エコノマイザー5で石炭ボイラーの供給水を加熱し、エコノマイザー出口排ガス33となる。エコノマイザー出口排ガス33は、必要により排煙脱硝装置6に供給され、エアーヒーター7で熱交換により空気31を加熱した後、電気集塵装置8に供給され、更に、脱硫装置9に供給された後、大気に排出される。エコノマイザー出口排ガス33(排煙脱硝装置を付設した場合はその出口ガスでもよい)の全部又は一部は改質用の排ガス35として改質器12に供給される。上記エアーヒーター7で熱交換により加熱された燃焼用空気32は石炭ボイラーの燃焼用空気(及び助燃炉の燃焼用空気の一部)として使用される。
【0015】
原料の中・低質炭21は、流動層型乾燥機11に供給され、乾燥用排ガス34により表面水分と内部水分の一部が蒸発して乾燥炭22となり、流動層型改質器12に供給され、前記改質用の排ガス35により加熱されて高温の改質炭23として流動層型冷却機13に供給され、冷却され、製品の改質炭25となる。この際、冷却に使用する排ガス42としては、電気集塵装置8からの排ガス40又は脱硫装置9からの排ガス41が、温度が低く、酸素濃度が低いので好ましい。
なお、乾燥に使用された後の排ガス37は、サイクロン(図示せず)により比較的粗い粒子を分離除去した後、排ガス39として石炭ボイラー設備の電気集塵装置8に供給されたり、または排ガス38として石炭ボイラー燃焼用空気に混入されてもよい。サイクロンにより分離された粒子は、燃料と共に微粉砕器(図示せず)を経て石炭ボイラー1の燃料として供給される。
【0016】
さらに、本発明の実施態様の他の例としては、石炭ボイラーに付設して助燃炉10を設け、助燃炉からの高温の排ガス45を改質用排ガス35に混合することにより、中・低質炭の改質処理量を増加し、冷却して外販用改質炭25を増産する、あるいは改質度の高い石炭を得ることができる。酸素濃度が5vol%以下で高温の助燃炉の排ガス45は、そのまま、又は石炭ボイラーのエコノマイザー出口以降の排ガスで希釈されて改質器12に供給される。乾燥に使用後の排ガス37に含まれる可燃分が多い場合にはガスの一部を、火炉2または助燃炉10に供給して処理してもよい。
乾燥された石炭は、改質器に供給し改質炭とするほかに、実質的に冷却することなくそのまま火炉2又は、助燃炉10に供給し燃焼させることにより、熱的に有利に燃焼できる。
したがって、石炭を火炉へ空気輸送する手段を有する微粉砕器の供給口に近接して乾燥装置を設けることにより、石炭ボイラーの燃料として使用する分の原料炭を乾燥し、そのまま火炉に供給し燃焼させることができる。
【0017】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
原料炭、乾燥炭及び改質炭の性質は以下の方法で測定された。
平衡水分:熱処理後の石炭を飽和食塩水デシケーター(75%湿度)に入れたものを、JIS M 8812に準じて測定した。
揮発分:JIS M 8812に準じて測定した。
発熱量:JIS M 8814に準じて測定した。
比表面積:BET法により窒素ガスを使用して測定した。
石炭表面の観察:走査型電子顕微鏡を使用して100〜1000倍で撮影した。
【0018】
(実施例1)
原料の中質炭は、カナダ炭であり、ASTM基準では高揮発分瀝青炭に属し、その性状は表1に示す通りである。
原料炭を粒径1インチ以下に粉砕し、流動層型乾燥機に供給し、改質器からの排ガスにより、石炭温度約100℃で乾燥を行って乾燥炭を得た。乾燥炭の中、乾燥機から飛散した微粉部分はサイクロンで捕集して石炭ボイラー用燃料炭として自消し、残りを改質器に供給し、脱硝装置出口排ガスにより約100℃/minの昇温速度で石炭温度300℃に急速加熱した後、直ちに流動層型冷却機に輸送供給し、脱硫装置通過後の排ガスにより50℃/minの降温速度で80℃に急冷して、改質炭を得た。処理条件及び結果を表1に示す。
改質炭は、高発熱量、低吸湿性であり、また、着火性には実用上問題なく自然発火性が低く輸送および使用に適するものであった。
【0019】
(実施例2)
原料の低質炭は、米国西部炭であり、その性状は表1に示す通りである。
原料炭を粒径1インチ以下に粉砕し、流動層型乾燥機に供給し、改質器からの排ガスにより、石炭温度約100℃で乾燥を行って乾燥炭を得る。乾燥炭の中、サイクロンで捕集される微粉炭は石炭ボイラー用燃料として自消し、残りを改質器に供給し、エコノマイザー出口排ガスにより石炭温度290℃に急速加熱した後、流動層型冷却機に輸送し、脱硫装置通過後の排ガスにより70℃に冷却して、改質炭を得る。処理条件及び結果を表1に示す。
改質炭は、高発熱量、低吸湿性で、着火性がよく、また、輸送および使用に適する。
【0020】
(実施例3)
実施例2で使用した原料炭を粒径1インチ以下に粉砕し、流動層型乾燥機に供給し、改質器からの排ガスにより、石炭温度約100℃で乾燥を行って乾燥炭を得る。乾燥炭のうちサイクロン捕集部分は石炭ボイラー用燃料炭として自消し、残りを改質器に供給し、エコノマイザー出口排ガスと助燃炉の排ガスとの混合ガスを使用して、約100℃/minの昇温速度で石炭温度350℃に急速加熱した後、直ちに流動層型冷却機に輸送し、脱硫装置通過後の排ガス及び空気により50℃/minの降温速度で100℃に急冷して、改質炭を得る。処理条件及び結果を表1に示す。
改質炭は、高発熱量、低吸湿性であり、亀裂が少なく、また、着火性がよいにもかかわらず自然発火性が低く、輸送および使用に適するものである。
【0021】
(実施例4)
乾燥に使用した後の排ガスはサイクロンにより比較的粗い粒子を分離除去した後、半分を石炭ボイラー排ガス処理設備の電気集塵装置に供給し、排ガス再循環法による低NOx化のため、残り半分を石炭ボイラー火炉の燃焼用空気に混入して処理した他は実施例1と同様に行い、同様の改質炭を得た。石炭ボイラー排ガス処理設備の脱硝、脱塵、脱硫工程は問題なく排ガスを処理することができた。
【0022】
(実施例5)
実施例1で使用したものと同じ形式の石炭ボイラーと乾燥機、改質器、冷却機から成る改質炭製造設備を、実施例1で使用した原料炭の採掘場に設け、改質炭増産のために改質ガス発生用の助燃炉を設ける。
助燃炉からの排ガスの性状等は、下記の通りである。
温度:980℃
酸素:11vol%
水分:7.5vol%
石炭ボイラーのエコノマイザー出口の分岐排ガス5,000m/hrと、助燃炉からの排ガス1,100m/hrを混合して、流動層改質器に供給する。
その他の処理条件及び結果を表1に示す。
実施例1で得られたものとほぼ同一の改質炭が得られる。
【0023】
【表1】
Figure 0003600421
【0024】
(実施例6)
乾燥に使用した後の排ガスはサイクロンにより比較的粗い粒子を分離除去した後、半分を助燃炉の燃焼ガスに混合供給して処理し、残りは石炭ボイラー排ガス処理設備の電気集塵装置と石炭ボイラー火炉の燃焼用空気に混入して処理した他は実施例5と同様に行い、同様の改質炭を得た。石炭ボイラー排ガス処理設備の脱硝、脱塵、脱硫工程は問題なく排ガスを処理することができた。
【0025】
【発明の効果】
中・低質炭から石炭ボイラーのエコノマイザー出口排ガスを使用して改質炭を設備的に、熱的に有利に製造することができる。また、助燃炉を設けることにより、外販用の改質炭を増産することが、また、改質温度を適正に制御することによりさらに良質の改質炭を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は改質炭の製造のブロックフローシートである。
【符号の説明】
1 石炭ボイラー
2 火炉
3 蒸気ドラム
4 スーパーヒーター
5 エコノマイザー
6 脱硝装置
7 エアーヒーター
8 電気集塵装置
9 脱硫装置
10 助燃炉
11 乾燥機
12 改質器
13 冷却機
21 原料炭
22 乾燥炭
23 改質炭(高温)
24 乾燥炭(高温自消用)
25 改質炭(冷却外販用)
27 灰
31 空気
32 加熱空気
33 排ガス(エコノマイザー出口)
34 排ガス(乾燥用)
35 排ガス(改質用)
36 排ガス(空気加熱用)
37 排ガス(乾燥使用後)
38 排ガス(乾燥使用後燃焼用)
39 排ガス(乾燥使用後電気集塵用)
40 排ガス(電気集塵後冷却用)
41 排ガス(脱硫後冷却用)
42 排ガス(冷却用)
43 排ガス(冷却後)
44 排ガス(脱硫後)
45 助燃炉排ガス
46 火炉、助燃炉用石炭
47 調温用空気
48 助燃炉用空気

Claims (9)

  1. 中・低質炭を180〜300℃未満に加熱し150℃以下に冷却して改質炭を製造する際に、又は、中・低質炭を昇温速度100℃/分以上で300〜500℃に加熱し降温速度50℃/分以上で250℃以下に冷却して改質炭を製造する際に、石炭燃焼ボイラー設備のエコノマイザー出口燃焼排ガスまたは脱硝装置出口燃焼排ガスを使用して加熱する改質炭の製造方法。
  2. 改質炭を製造する際に、改質に使用した後の燃焼排ガスを使用して、予め、中・低質炭を乾燥する請求項1に記載の改質炭の製造方法。
  3. 乾燥に使用した後の燃焼排ガスを石炭燃焼ボイラー設備の電気集塵装置に供給して処理する請求項2に記載の改質炭の製造方法。
  4. 冷却を石炭燃焼ボイラー設備の電気集塵装置出口以降の排ガス、又は、該排ガスと空気との混合ガスを使用して行う請求項1〜3のいずれかに記載の改質炭の製造方法。
  5. 石炭燃焼ボイラーに石炭燃焼助燃炉を付設し、該助燃炉からの高温の燃焼排ガスをエコノマイザー出口燃焼排ガスまたはその後流の燃焼排ガスに混合して使用する請求項1〜4のいずれかに記載の改質炭の製造方法。
  6. 乾燥に使用した後の燃焼排ガスを助燃炉に供給して処理する請求項5に記載の改質炭の製造方法。
  7. 乾燥された石炭を冷却することなく該石炭燃焼ボイラー及び該助燃炉の燃料に必要分を自消し、残りの乾燥炭を改質し冷却する請求項5または6に記載の改質炭の製造方法。
  8. エコノマイザーを有する石炭燃焼ボイラーと、該石炭燃焼ボイラーに設置された脱硝装置、エアーヒーター、電気集塵装置、脱硫装置とからなる石炭燃焼ボイラー設備及び乾燥機、改質器、冷却機からなる改質炭の製造装置であって、中・低質炭を180〜300℃未満に加熱し150℃以下に冷却して改質炭を製造する際に、又は、中・低質炭を昇温速度100℃/分以上で300〜500℃に加熱し降温速度50℃/分以上で250℃以下に冷却して改質炭を製造する際に、石炭燃焼ボイラー設備のエコノマイザー出口燃焼排ガスまたは脱硝装置出口燃焼排ガスを使用して加熱して改質し、改質に使用した後の燃焼排ガスを使用して、改質炭の原料となる中・低質炭を乾燥し、乾燥に使用した後の燃焼排ガスを石炭燃焼ボイラー設備の電気集塵装置に供給して処理し、加熱後の改質炭の冷却を石炭燃焼ボイラー設備の電気集塵装置出口以降の排ガス、又は、該排ガスと空気との混合ガスを使用して行う改質炭の製造装置。
  9. 石炭燃焼ボイラーに石炭燃焼助燃炉を付設し、該助燃炉からの高温の燃焼排ガスをエコノマイザー出口燃焼排ガスまたはその後流の燃焼排ガスに混合して使用する請求項8に記載の改質炭の製造装置。
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