JP3600215B2 - 溶融金属搬送容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、小型化した注湯口開閉装置を備える溶融金属搬送容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的にアルミニウムなどを素材としてダイカストを行う場合、アルミニウムインゴットを大型の集中溶解炉で溶解し、ダイカストマシンに併設した各保持炉に分配する。しかしながら、多種少量生産の場合にはこのような集中溶解方式は不経済であるから他の小型溶解炉(たとえば坩堝炉、手許炉等)に頼らざるを得ない。しかしながら、集中溶解炉と小型溶解炉を併用することは設備費や人件費の負担が大きいという問題があり、この問題を改善するために、公道などの一般道路上を搬送可能とする溶融金属の搬送用容器による配湯方法が研究され実施されている。
【0003】
例えば、特公平4−6464号公報に開示されている溶融金属搬送用容器は、受湯口および注湯口などの開口部に蓋などの開閉装置が設けられており、搬送中の溶融金属の漏洩および容器内の溶融金属の放冷を防止している。
【0004】
図8および図9に、この開示された注湯口の開閉装置を示す。簡単に説明すると、受湯口用蓋(1)に固定された基軸(2)の端部にアーム(3)が回動自在に取り付けられており、そのアーム(3)の先端部に首振り可能にて閉塞栓(4)が取り付けられている。アーム(3)の中間部分は、アーム(3)に交差するように配設された支持板(5)の上に移動可能に支持されており、アーム(3)が支持板(5)に設けたスリット(5a)に落ち込み嵌合することにより、閉塞栓(4)が注湯ノズル(6)を密栓する。閉塞栓(4)が注湯ノズル(6)を閉塞する位置においてクランプ(7)のハンドル(7a)を上下方向に回動することにより、閉塞栓(4)が注湯ノズル(6)に嵌合圧着される。仮想線は前記密閉時の状態を示す。なお、上記と反対の操作で注湯ノズル(6)を開くことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
溶融金属搬送用容器は、前述のように受湯・注湯作業のため工場内のおよび搬送車による移動設備である。したがって、容器の外周に突起物があると、これらの移動中に種々の周辺機械に当ったり引っ掛かったりして好ましくない。この観点から開閉装置においても突起物ができるだけ少ないものが好ましく、開閉装置の小型化が望まれていた。
【0006】
しかしながら、この開示された開閉装置では、開閉装置が受湯口蓋部(2)に設けているため開閉装置全体のスペースが大きくなり、容器が鋳造工場内や搬送車での搬送時および注湯作業などにおいて開閉装置が突起物として障害になるなどの問題がある。
【0007】
また、注湯ノズル(6)を開口するとき、閉塞栓(4)を注湯ノズル(6)から離れた場所に動かして固定しなければならないが、高温の溶湯が充填されている容器本体の上部において開口操作と移動操作を連続して行うためには両手で行う必要があり、この作業は火傷をする危険性のある危険な作業である。
【0008】
さらに、容器の使用期間が経過するにしたがって容器の密閉性が低下するという問題が生じる。使用回数が進むと容器および開閉装置にわずかな熱歪みが生じて変形するため、閉塞栓(4)と注湯ノズル(6)との接触状態が変わりわずかな隙間が生じる。そして、閉塞栓(4)と注湯ノズル(6)との嵌合面の隙間が大きくなると、嵌合面に付着物が多くなり閉塞状態が変わり、さらに密閉性が損なわれる。閉塞状態が変わり密閉性が損なわれると、アルミニウムなどの溶融金属は流動性がきわめて高いため、搬送時の振動で溶湯が波打ち、わずかな隙間からも溢出する危険性がある。
【0009】
したがって、密閉性が低下した場合には、注湯口開閉装置のクランプ(7)による締め付けを大きくして締圧力を増加させたり、付着物の除去作業回数を多くしたり、あるいは新規な部品に交換するなどのメンテナンスの必要がある。しかし、このようなメンテナンスは煩雑であり、作業能率の低下を生じる不利がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、溶融金属を内部に貯留して運搬する溶融金属搬送容器(10)であって、溶融金属収納用の容器本体(18)と、容器本体(18)の側面に突設された注湯ノズル(22)とで構成された容器部(12)、注湯ノズル(22)の側面に接続されたベース板(24)と、ベース板(24)に挿通され、かつ、注湯ノズル(22)の中心軸と平行な軸に対して略直角方向に回動する回転軸(26)とで構成された支持部(14)、支持部(14)に固定された支持板 (32a) および支持板 (32a) に立設された接続板 (32b) を有する支持台 (32) と、接続板 (32b) に回動自在に枢着された閉塞栓取付アーム(34)と、閉塞栓取付アーム(34)に取着され、注湯ノズル(22)の湯口(22a)を開放・閉塞する閉塞栓(42)とで構成された注湯口開閉装置(16)を具備する溶融金属搬送容器である。
【0011】
この発明によれば、注湯口開閉装置(16)が注湯ノズル(22)に取り付けられた支持部(14)上に一箇所に集約されるので、注湯口開閉装置(16)全体が小型化でき、搬送時の障害となりにくく、しかも片手で操作する事も出来、安全である。
【0012】
又、閉塞栓取付アーム(34)に設けられた閉塞栓(42)を湯口(22a)に押圧付勢するスプリング装置(54)が閉塞栓(42)上部に設けられているので、経年変化により湯口(22a)と閉塞栓(42)との嵌合が悪くなったとしても常時同じ弾発力で密栓する事が出来、湯口(22a)の密閉状態を長期間にわたって一定に保つことが出来、それ故、従来のようにクランプ(7)による増締めを度々行うような必要がなくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の溶融金属搬送容器(10)は、図1に示すように、アルミニウムなどの溶融金属を離れた所定の配湯先に搬送するための容器であり、容器部(12)、支持部(14)および注湯口開閉装置(16)により構成される。
【0014】
容器部(12)は、アルミニウムなどの溶融金属をその内部に貯留するものであり、上面開口・有底筒状の容器本体(18)と、容器本体(18)上面の開口部を覆って蓋状に形成される容器本体用蓋(20)並びに容器本体(18)側面に取り付けられる筒状の注湯ノズル(22)とから構成される。
【0015】
容器本体(18)の外形は円筒形状をなしており、その側面には注湯ノズル(22)が取り付けられる位置に合わせて、注湯ノズル(22)に形成された湯道(22c)に連通するように流入用孔(22d)が穿設されている。なお、容器本体(18)の外形は円筒形状に限定されるものではない。
【0016】
容器本体(18)の上端側面には第1フランジ部(18a)が設けられており、第1フランジ部(18a)には全周にわたって複数の締結用孔(18b)が穿設されている。また、容器本体(18)の上端縁には嵌合突部(18c)が形成されており、容器本体(18)の内側面および底面には、たとえばレンガなどの耐火部材(18d)が張り付けられている。
【0017】
容器本体用蓋(20)の外周形状は、容器本体(18)の外周形状に合わせて適宜設定され、たとえば、容器本体(18)の外周形状が円形状の場合には、容器本体用蓋(20)の外周形状も円形状に形成されている。容器本体用蓋(20)の外側面下端には、第1フランジ部(18a)の形状に合わせて第2フランジ部(20a)が形成されており、第2フランジ部(20a)には締結用孔(18b)の位置に合わせて複数の締結用孔(20b)が穿設されており、容器本体用蓋(20)の内側面下端部には、嵌合突部(18c)の形状に合わせて嵌合凹部(20c)が形成されている。容器本体用蓋(20)の内側下面には、たとえばレンガなどの耐火部材(20d)が張り付けられている。なお、締結用孔(18b)(20b)の数は特に限定されるものではない。
【0018】
容器本体(18)と容器本体用蓋(20)とはその嵌合突部(18c)と嵌合凹部(20c)とで嵌め合わされており、締結用孔(18b)(20b)に例えばボルト・ナットのような適宜の締結部材(19)が挿通・締結され、容器本体(18)と容器本体用蓋(20)とがしっかりと固定される。
【0019】
また、容器本体用蓋(20)の中央部には、溶融金属を注ぐ受湯口(21a)が形成されており、受湯口(21a)を開閉自在にて密栓する受湯口用蓋(21b)が蝶番(21c)を介して容器本体用蓋(20)に取り付けられ、蝶番(21c)とは反対側に設けられた蓋固定部(21d)にて受湯口用蓋(21b)が容器本体用蓋(20)に固定される。
【0020】
注湯ノズル(22)は、外形が筒状に形成されており、一端が容器本体(18)の側面に固着(溶接または接着など:以下同じ)され、他端が上方へ傾斜して延びている。注湯ノズル(22)の内部には、前述のように軸方向に湯道(22c)が形成されており、その先端(即ち容器本体(18)に接続されない側の端部)には例えば鋳鉄製のノズル(22b)が嵌め込まれている。なお、ノズル(22b)が形成する湯口(22a)(図3)の形状は円錐台状に形成されている。
【0021】
容器本体(18)と注湯ノズル(22)との接続部には、前述のように湯道(22c)の内径に合わせて流入用孔(22d)が設けられているので、容器本体(18)に貯留された溶融金属を流入用孔(22d)を経て湯口(22a)(図3)から外部(たとえば、ダイカストマシン併設の保持炉)に供給することが出来る。
【0022】
支持部(14)は、注湯口開閉装置(16)を注湯ノズル(22)に取り付けるためのものであり、図2に示すようにベース板(24)、回転軸(26)、2枚のベース板(28)および2つのスラストベアリング(30)により構成される。
【0023】
ベース板(24)は、その外形が矩形状に形成されている。注湯ノズル(22)と接続される側の端面は、注湯ノズル(22)の側壁の形状に合わせて円弧状に形成されており、注湯ノズル(22)と接続されない側の端部には挿通孔(24a)(図3)が穿設されている。
【0024】
回転軸(26)の外形は円柱形状に形成されており、その外径は挿通孔(24a)(図3)の内径よりも若干小さく形成されている。
【0025】
上下のベース板(28)は方形状に形成されており、注湯口開閉装置(16)と接続される側のベース板(28)の四隅には雌ネジ(28a)が穿設される。
【0026】
各スラストベアリング(30)は、中央部分に通孔(図示せず)が設けられた周知構造のベアリングである。
【0027】
支持部(14)の構造は、ベース板(24)の両側にスラストベアリング(30)がそれぞれ配置され、ベース板(24)の挿通孔(24a)(図3)およびスラストベアリング(30)の通孔(図示せず)に回転軸(26)が挿通され、回転軸(26)の両端にベース板(28)が固着される。ベース板(24)とベース板(28)との間には、スラストベアリング(30)が配されるので、ベース板(24)とベース板(28)とが回転軸(26)を介して円滑に回転できる。
【0028】
注湯口開閉装置(16)は、湯口(22a)(図3)を密栓する閉塞栓(42)を湯口(22a)(図3)に対して当接・離間させるための装置であり、図2に示すように支持台(32)、閉塞栓取付アーム(34)、操作ロッド(36)、一対の連結リンク(38)、閉塞栓固定ロッド(40)、および閉塞栓(42)により構成されている。
【0029】
支持台(32)は、外形がベース板(28)の外形に合わせて方形状に形成された支持板(32a)と、支持板(32a)の中央部に立設され、その上端中央部に凹部が形成された接続板(32b)と、支持板(32a)の側端部でかつ接続板(32b)の長軸側に取着され、略L字形に形成された固定板(32d)とから構成され、各部材が所定の位置に溶接などの手段により接続(あるいは一体に形成)されている。支持板(32a)の四隅には通孔(32c)が穿設されており、接続板(32b)の両端上部の2ケ所の突部にはそれぞれ接続用孔(図示せず)が穿設されている。固定板(32d)の上端部には操作ロッド(36)の厚みに合わせて固定用溝(32e)が形成され、側面には係止用孔(32g)が穿設されている。そして支持版(32a)の通孔(32c)に適宜の締結部材(50)が挿通され、ベース板(28)の雌ネジ(28a)に螺合されることにより、支持台(32)がベース板(28)に固定される。
【0030】
閉塞栓取付アーム(34)は、2段階段形状に形成された2枚の板材の先端部分を一体に接続することにより(或いは先端で屈曲させる事で)形成されており、2枚の板材の間には操作ロッド(36)及び接続板(32b)の厚さ分の隙間が形成されている。2枚の板材が接続されない側の端部には、上下方向に並んだ2個の接続用孔(図示せず)が穿設されている。
【0031】
操作ロッド(36)は、細長に形成された板状部材であり、操作ロッド(36)の一端には把持しやすいようにグリップ(44)が設けられており、中央付近には固定板(32d)の係止用孔(32g)の位置に合わせて係止用孔(36a)(図4)が穿設されている。操作ロッド(36)のグリップ(44)が設けられない側の端部下縁は傾斜しており、傾斜部(36b)には2個の接続用孔(図示せず)が穿設されている。
【0032】
各連結リンク(38)は、板状に形成された部材であり、その両端には接続用孔(図示せず)がそれぞれ穿設される。
【0033】
閉塞栓固定ロッド(40)の外側面には雄ネジ(40a)が刻設されており、その一端に閉塞栓(42)が螺着されている。
【0034】
閉塞栓(42)は、その外形が注湯ノズル(22)のノズル(22b)の形状に合わせて下向き円錐台状に形成されており、大径端面(42a)中央部には雌ネジ孔(42b)(図3)が穿設されている。
【0035】
注湯口開閉装置(16)の構造について説明すると、操作ロッド(36)の手前の接続用孔は連結リンク(38)を介して接続板(32b)の手前の突部の接続用孔に枢着され、先端側の接続用孔は閉塞栓取付アーム(34)を介して接続板(32b)の先端側の突部の接続用孔に枢着される。したがって、閉塞栓取付アーム(34)の上下の接続用孔は、操作ロッド(36)の先端側の接続用孔と接続板(32b)の先端側突部の接続用孔に枢着されることになる。なお、説明の便宜上、支持台(32)と閉塞栓取付アーム(34)との接続部を接続部A、閉塞栓取付アーム(34)と操作ロッド(36)との接続部を接続部B、操作ロッド(36)と接続カム(12)との接続部を接続部C、接続カム(12)と支持台(32)との接続部を接続部Dと呼ぶこととする。
【0036】
又、図2のように閉塞栓取付アーム(34)と操作ロッド(36)とがストレートに伸び、閉塞栓(42)が湯口(22a)を閉塞する状態では、操作ロッド(36)の係止用孔(36a)と固定板(32d)の係止用孔(32g)とが一致するので、たとえば棒状に形成されたストッパー(32f)を係止用孔(32a)(36a)に挿通することにより、操作ロッド(36)を固定板(32d)に固定することが出来るようになっている。
【0037】
前述のように、閉塞栓(42)の雌ネジ孔(42b)に閉塞栓固定ロッド(40)の一端が螺着されているが、閉塞栓固定ロッド(40)の他端(閉塞栓(42)が螺着されない側)を閉塞栓取付アーム(34)の先端の隙間に挿通し、2つの固定用金具(46)を介してナットのような締結金具(46a)で軽く締め付けて閉塞栓固定ロッド(40)を閉塞栓取付アーム(34)に仮固定する。なお、各固定用金具(46)は、外形が略コ字形に形成されており、その厚みxは閉塞栓取付アーム(34)の厚みXの半分の長さ(X/2)よりも短か目に設定されているので、閉塞栓取付アーム(34)の上下に固定用金具(46)をそれぞれ配置したときに、固定用金具(46)同士が当接することはない。また、各固定用金具(46)の中央部分には通孔(図示せず)が穿設されているので、この通孔に閉塞栓固定ロッド(40)が挿通されている。
【0038】
閉塞栓固定ロッド(40)を閉塞栓取付アーム(34)に仮固定した状態で、グリップ(44)を押し下げて閉塞栓取付アーム(34)と操作ロッド(36)との長軸方向にて一直線になるようにする。この状態で固定用金具(46)の締結金具(46a)を緩め、閉塞栓(42)が湯口(22a)に一致した状態となるように位置調整し、固定用金具(46)の締結金具(46a)を再度締めなおして、閉塞栓取付アーム(34)を閉塞栓固定ロッド(40)にしっかりと固定する。
【0039】
閉塞栓固定ロッド(40)の外側面には雄ネジ(40a)が刻設されているので、閉塞栓固定ロッド(40)を上下方向(閉塞栓取付アーム(34)の長軸方向に対して直角方向)に任意にその長さを調整し、グリップ(44)を押し下げて閉塞栓取付アーム(34)と操作ロッド(36)との長軸方向にて一直線になるようにしたときに、閉塞栓(42)が湯口(22a)を密栓した状態となるように位置調整して閉塞栓取付アーム(34)に固定することができる。また、閉塞栓取付アーム(34)を形成している2枚の板材の間には隙間が長軸方向に形成されているので、閉塞栓固定ロッド(40)を左右方向(閉塞栓取付アーム(34)の長軸方向)に任意に移動・配置して閉塞栓取付アーム(34)に固定することができる。したがって、閉塞栓(42)を注湯ノズル(22)の位置に合わせて自在に固定することができる。
【0040】
図3は、閉塞栓(42)が注湯ノズル(22)の湯口(22a)を密栓している状態を示し、図4は、閉塞栓(42)が注湯ノズル(22)の湯口(22a)を開栓している状態を示している。図4(B)の状態から、グリップ(44)を下に押し下げると接続部Dが支点となって連結リンク(38)が閉塞栓取付アーム(34)側に倒れ込むように回転する。前記グリップ(44)が一端に取り付けられている操作ロッド(36)は接続部Cにて連結リンク(38)に枢着されているため、グリップ(44)を下に押し下げると同時に接続部Cを支点としてその反対側の操作ロッド(36)の先端側が上昇方向に回動する。前記操作ロッド(36)の先端側と閉塞栓取付アーム(34)とが上側の接続部Bにて枢着されているので、操作ロッド(36)の先端側が上昇方向に回動すると同時に閉塞栓取付アーム(34)は下側の接続部Aを中心にして連結リンク(38)の反対側に上向きに回動する。その結果、閉塞栓取付アーム(34)の反対側の閉塞栓(42)の取付側先端が接続部Aを支点として下に押し下げられ、閉塞栓(42)が湯口(22a)を密栓することができる。
【0041】
そして、グリップ(44)を下に押し下げた時、操作ロッド(36)が固定用溝(32e)に落ち込み嵌合すると共に係止用孔(32g)(36a)が一致する。この時、係止用孔(32g)(36a)にストッパー(32f)を挿通することで、操作ロッド(36)の動きを支持台(32)に固定することができる。したがって、溶融金属の搬送時に閉塞栓(42)が注湯ノズル(22)から外れることがない。
【0042】
逆に、図3(B)の状態から、ストッパー(32f)を係止用孔(32g)(36a)から抜き、グリップ(44)を上に押し上げると接続部Dが支点となって連結リンク(38)がグリップ(44)方向に立ち上がるように回転する。前記グリップ(44)が一端に取り付けられている操作ロッド(36)は接続部Cにて連結リンク(38)に枢着されているため、グリップ(44)を上に押し上げると同時に接続部Cを支点としてその反対側の操作ロッド(36)の先端側が下降方向に回動する。前記操作ロッド(36)の先端側と閉塞栓取付アーム(34)とが上側の接続部Bにて枢着されているので、操作ロッド(36)の先端側が下降方向に回動すると同時に閉塞栓取付アーム(34)は下側の接続部Aを中心にして連結リンク(38)側に下向きに回動する。その結果、閉塞栓取付アーム(34)の反対側の閉塞栓(42)の取付側先端が接続部Aを支点として上に押し上げられ、閉塞栓(42)が湯口(22a)を開栓することになる。
【0043】
図5は、図4の開栓状態から注湯口開閉装置(16)を90度回転させた状態を示している。図4の開栓状態からグリップ(44)に横方向の力を加えると、注湯口開閉装置(16)全体が回転軸(26)を中心として回転するので、閉塞栓(42)の角度を変えることができる。
【0044】
この実施例によれば、注湯口開閉装置(16)を注湯ノズル(22)の側面に接続された支持部(14)上にコンパクトに配置できるので、注湯口開閉装置(16)が搬送時や注湯時の障害となることがないし、コンパクトなため片手で操作できる。
【0045】
また、前述のように、注湯口開閉装置(16)が支持部(14)に回動自在に接続されるので、閉塞栓(42)の向きを変えることができる。したがって、注湯時に閉塞栓(42)が注湯ノズル(22)を塞いでしまう等のおそれがなくなり、作業性や安全性が向上する。
【0046】
次に第2実施例について説明する。たとえば図6に示すように、略L字型に形成されたベース板(24)’上に閉塞栓取付アーム支持部(52)を設けて、注湯時の注湯口開閉装置(16)の動作を防止するようにしても良い。
【0047】
閉塞栓取付アーム支持部(52)は、外側ガイド筒部材(52a)と内側掛止部材(52b)及び弾性体(54)(たとえばコイルバネや板バネなどが利用され、伸縮性を有するものであれば良い)とから構成されており、前記外側ガイド筒部材(52a)の外形は円筒形状に形成されており、その内部には収納孔(52c)が形成されている。そして、外側ガイド筒部材(52a)の収納孔(52c)に内側掛止部材(52b)と弾性体(54)とが収納され、弾性体(54)の一端が外側ガイド筒部材(52a)の収納孔(52c)の底面に固着され、他端が内側掛止部材(52b)の底面に固着され、弾性体(54)にて内側掛止部材(52b)を引き込むよう構成している。内側掛止部材(52b)は、外形が外側ガイド筒部材(52a)の収納孔(52c)の形状よりも小さめに形成され遊嵌状態となっている。内側掛止部材(52b)の先端にはフック状の係止部(52d)が設けられており、前記フック状の係止部(52d)にて閉塞栓取付アーム(34)を係止・固定するようになっている。
【0048】
図6において、グリップ(44)を下方に押し下げる。収納孔(52c)から内側掛止部材(52b)を上方に引き上げ、弾性体(54)を引き延ばすようにして、閉塞栓取付アーム(34)の2枚の板のいずれかに係止部(52d)のフック状先端を係止する。弾性体(54)には内側掛止部材(52b)を下方に引き込もうとする弾発力が働き、この弾発力にて閉塞栓取付アーム(34)の動きが固定されることとなる。このように、閉塞栓取付アーム(34)の動きが閉塞栓取付アーム支持部(52)により固定されるので、注湯口開閉装置(16)の動きが固定され、注湯時の作業効率が向上する。
【0049】
次に第3実施例について説明する。たとえば図7に示すように、ストッパー固定ボルト(40)の上部に閉塞栓(42)を押圧付勢するスプリング装置(54)を設けて、閉塞栓(42)のノズル(22b)への押圧力を上げるようにしてもよい。
【0050】
スプリング装置(54)は、スプリングハウジング(56)とスプリング(58)とから構成される。スプリングハウジング(56)は、閉塞栓(42)を押圧付勢するスプリング(58)を収納するためのものであり、外形が筒状で内部は中空に形成されており、底面には閉塞栓固定ロッド(40)の外径に略等しい大きさの挿通孔(56a)が穿設される。
【0051】
スプリング(58)は、弾性部材であり、たとえばコイルバネが使用される。なお、スプリング(58)はコイルバネに限定されるものではなく、板バネであっても良いし、伸縮性を有するゴムなどを使用しても良い。
【0052】
スプリング装置(54)の構造は、スプリングハウジング(56)の内部にスプリング(58)が収納されており、挿通孔(56a)に閉塞栓固定ロッド(40)の上端が挿入されている。前記スプリング(58)の一端がスプリングハウジング(56)の内側面上端部に固着され、他端が閉塞栓固定ロッド(40)の上端に固着される。そして、スプリングハウジング(56)の下端が閉塞栓取付アーム(34)の先端部上端に固着される。
【0053】
閉塞栓(42)が注湯ノズル(22)から離間している場合(図7(A)参照)には、スプリング(58)は伸張した状態(長さh)となっている。閉塞栓(42)が注湯ノズル(22)を密栓する場合(図7(B)参照)には、スプリング(58)が縮んだ状態(長さh’(<h))となっている。
【0054】
このとき、縮んだスプリング(58)には弾発力が働く。この弾発力が閉塞栓固定ロッド(40)を介して閉塞栓(42)に伝達して、湯口(22a)を強く締圧することとなる。したがって、経年変化により湯口(22a)と閉塞栓(42)との嵌合が悪くなったとしても常時同じ弾発力で密栓する事が出来、湯口(22a)の密閉状態を長期間にわたって一定に保つことが出来る。
【0055】
【発明の効果】
この発明によれば、注湯口開閉装置を支持部上にコンパクトに配置できるので、注湯口開閉装置が搬送時や注湯時の障害となることがない。
【0056】
また、注湯口開閉装置が支持部に回動自在に接続されるので、閉塞栓の向きを変えることができる。したがって、注湯時に閉塞栓が注湯口を塞いでしまう等のおそれがなくなり、作業性や安全性が向上する。
【0057】
さらに、閉塞栓上部にスプリング装置が設けられているので、閉塞栓を湯口に押圧付勢することができる。したがって、湯口の密閉状態を長期間にわたって一定に保つことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例の支持部および注湯口開閉装置を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例における注湯口の閉栓状態を示す平面図および断面図である。
【図4】本発明の第1実施例における注湯口の開栓状態を示す平面図および断面図である。
【図5】本発明の第1実施例における注湯口開閉装置の回転状態を示す平面図および断面図である。
【図6】本発明の第2実施例を示す平面図および断面図である。
【図7】本発明の第3実施例を示す断面図である。
【図8】従来例を示す正面方向の断面図である。
【図9】従来例を示す平面図である。
【符号の説明】
(10)…溶融金属搬送容器
(12)…容器部
(14)…支持部
(16)…注湯口開閉装置
(22)…注湯ノズル
Claims (2)
- 溶融金属を内部に貯留して運搬する溶融金属搬送容器であって、
溶融金属収納用の容器本体と、前記容器本体の側面に突設された注湯ノズルとで構成された容器部、
前記注湯ノズルの側面に接続されたベース板と、前記ベース板に取着され、前記注湯ノズルの中心軸と平行な軸に対して略直角方向に回動する回転軸とで構成された支持部、
前記支持部に固定された支持板および前記支持板に立設された接続板を有する支持台と、前記接続板に回動自在に枢着された閉塞栓取付アームと、前記閉塞栓取付アームに取着され、注湯ノズルの湯口を開放・閉塞する閉塞栓とで構成された注湯口開閉装置を具備する溶融金属搬送容器。 - 前記閉塞栓取付アームに設けられた前記閉塞栓を前記湯口に押圧付勢するスプリング装置が前記閉塞栓上部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の溶融金属搬送容器。
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