JP2542094Y2 - 溶融金属容器の底部閉塞プラグ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、冶金分野の溶融金属容
器の底部閉塞プラグに関し、特にガス吹込みノズルと取
り替えることができる溶融金属容器の底部閉塞プラグに
関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、冶金分野で、溶融金属容器の炉底
部にガス吹込みノズルを装着し、ガス吹込みノズルから
精錬ガスを吹き込んで溶融金属を攪拌すると、精錬効果
を挙げられることから、逐次実施されている。

【０００３】しかし、ガス吹込みノズルから精錬ガスを
吹き込むと、時間が経過するにしたがって、特にガス吹
込みノズルおよびその周辺の耐火物が溶鋼やスラグの強
制攪拌で激しく損耗し、ガス吹込みノズルの寿命が溶融
金属容器全体を律速することとなっている。

【０００４】そのため、考案者らは、溶融金属容器の炉
底部にガス吹込みノズルを複数個配置するようにし、当
部は１個所からのガス吹込みノズルで精錬ガスを吹込
み、他の位置にはガスを吹き込めない盲ノズルの閉塞プ
ラグを配置することを考案した。そして、１個所からの
ガス吹込みノズルが寿命に達すれば、順次所定の閉塞プ
ラグを引き抜いて、新しいガス吹込みノズルと交換して
ガス吹き込みを行なっていくと、従来に比して２倍以上
も溶融金属容器の寿命を延長できることが分った。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかし、閉塞プラグを
引き抜く際、プラグがその途中から切損したりして、閉
塞プラグを上手く引き抜けないことが生じた。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案は、上記のような
点に鑑みたもので、上記の課題を解消するために、溶融
金属容器の底部に配設するガス吹込みノズルと取り替え
ることができる盲プラグの閉塞プラグにおいて、閉塞プ
ラグの耐火物中に上部から下端部にわたって金属棒を埋
設し、上記金属棒の下端部を閉塞プラグの底部の基板に
固着するとともに、基板の下面側に閉塞プラグを挿脱す
るための挿脱支持棒を取り付けたことを特徴とする溶融
金属容器の底部閉塞プラグ提供するにある。

【０００７】

【作用】本考案によれば、閉塞プラグの耐火物中に上部
から下端部にわたって埋設した金属棒によって、閉塞プ
ラグの耐火物を補強できる。そして、その金属棒の下端
部を基板に固着して、基板の下面側に取り付けた挿脱支
持棒によって、この挿脱支持棒を操作することにより閉
塞プラグを溶融金属容器の底部に円滑に挿入したり、引
き抜いたりすることができる。特に、埋設した金属棒に
よって、耐火物が切断せずに一体的に引き抜くことがで
きる。

【０００８】

【実施例】以下、本考案を実施例にもとづいて説明す
る。第１図以下は、本考案の一実施例である。電気炉等
の溶融金属容器の閉塞プラグ１は精錬用のガス吹込みノ
ズルの外形と同一として、溶融金属容器の底部の所定の
位置の開孔部にガス吹込みノズルと取り替え可能に装着
できるように形成している。

【０００９】閉塞プラグ１は、第１図のようにプラグ本
体２を所定の勾配の細長状の切頭台錐形に緻密質の耐火
物で形成しており、プラグ本体２の内部に第１図、第２
図のように均一状にねじ棒や異形棒鋼のように表面に凸
凹面を有する金属棒３や金属棒３に突起物を付けたもの
を複数本上部から下端部にわたって埋設して耐火物を補
強している。そして、プラグ本体２の外周面には、第１
図のように上部の３分の１位を残して鉄板や鋼板の金属
被覆板４で被覆し、プラグ本体２の形状がくずれないよ
うにしている。

【００１０】これら金属棒３や金属被覆板４の下部は、
プラグ本体２の底部に設けた十分な剛性を有する金属材
の円板状の基板５に溶接等によって強固に固着してい
る。そして、基板５の下面側には、第１図のように外周
面にねじ６を穿設した金属材の挿脱支持棒７を固定材８
を介して溶接して取り付け、挿脱支持棒７を操作して閉
塞プラグ１を溶融金属容器に挿入したり、引き抜けるよ
うにしている。

【００１１】上記挿脱支持棒７のねじ６部には、第１
図、第３図のように２枚の円板状のプラグ支持調整リン
グ９、１０を螺着し、これらの相対向する面にアスベス
ト板の断熱材１１、１２をそれぞれ貼り付けている。特
に下方側のプラグ支持調整リング１０には、第４図のよ
うに一定の角度で係止孔１３を開孔している。そして、
図外の溶融金属容器の底部の外壁に取り付ける筒状体の
フランジ部に上記した閉塞プラグ１の挿脱支持棒７を挿
通して、閉塞プラグ１を所定の高さとなるように上下の
プラグ支持調整リング９、１０でフランジを挟着し、上
記した係止孔１３に締弛用工具を突き差して固定した
り、取りはずしたりできるようにしている。

【００１２】しかして、閉塞プラグ１を溶融金属容器に
取り付けるには、下方部の挿脱支持棒７で支持して所定
の開孔部に挿入し、フランジにプラグ支持調整リングを
取り付けることができる。また、溶融金属容器に装着し
た閉塞プラグ１を取りはずすには、上記したフランジを
はずして、挿脱支持棒７を引っぱれば、簡単に引き抜く
ことができる。

【００１３】特に、プラグ本体２に金属棒３を埋設して
金属棒３の下端部を基板５に固定しているため、耐火物
のプラグ本体２が途中で切断することなく、一体的に引
き抜くことができる。

【００１４】上記実施例では、閉塞プラグに金属棒を３
本埋設したが、目的を達するために適宜な数量とするこ
とができる。また、金属棒は、耐火物と密着性をはかる
ためにねじ棒や異形棒鋼、あるいは突起物を付けたもの
としたが、本考案の趣旨にもとづいた適宜の棒材とする
ことができる。

【００１５】

【考案の効果】以上のように本考案にあっては、溶融金
属容器に閉塞プラグを挿脱支持棒を介して挿入したり、
引き抜いたりすることができる。そして、挿脱支持棒を
介して引っぱっても、プラグ本体の耐火物中に金属棒を
埋設してその下端部を基板に固定しているので、耐火物
が途中で切断せずに、一体的に引き抜くことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の一部省略した側断面図、

【図２】同上の上端面部の拡大図、

【図３】同上の下方部分の一部省略した側断面図、

【図４】同上のプラグ支持調整リングの底面図。

【符号の説明】

１…閉塞プラグ ２…プラグ本体 ３
…金属棒 ５…基板 ７…挿脱支持棒

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 臼坂 稔 兵庫県赤穂市中広字東沖1576番地の２ 川崎炉材株式会社内 (56)参考文献 特開 平４−187728（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−79916（ＪＰ，Ａ) 実開 平３−50043（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 溶融金属容器の底部に配設するガス吹込
   みノズルと取り替えることができる盲プラグの閉塞プラ
   グにおいて、 閉塞プラグの耐火物中に上部から下端部にわたって金属
   棒を埋設し、 上記金属棒の下端部を閉塞プラグの底部の基板に固着す
   るとともに、基板の下面側に閉塞プラグを挿脱するため
   の挿脱支持棒を取り付けたことを特徴とする溶融金属容
   器の底部閉塞プラグ。