JP3599540B2 - バルコニー床構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルコニー床構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
住宅から張り出した状態で設けられるバルコニーの床構造としては、従来、枠組された床フレームに平坦な底壁部を有するプラスチック製パンを複数枚敷設し、そのパンの端縁部にコーキングを施したものが公知であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来のバルコニー床構造は、気温の大きな変化によりパンが熱変形して伸縮すると、その伸縮を吸収することができず、パンに応力集中が生じて亀裂や破損が発生し易いという問題があった。また、パンのジョイント部分やコーキング部分が破損して防水性が悪くなるという問題があった。また、施工時に、パンのジョイント部分の防水処理等が困難であり熟練を要するという問題があった。
【0004】
そこで、本発明は、上述の問題を解決して、気温の変化に強く優れた耐久性を発揮でき、かつ、容易に施工できるバルコニー床構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係るバルコニー床構造は、平面視長方形状のプラスチック製パンを備えたバルコニー床構造に於て、該パンに、長辺と平行な切断面の形状が凹凸状となるように、多数の突隆部を、千鳥状に配設し、複数枚のパンが、長辺縁部が上下に重なり合うように並設され、重なり合った一対の長辺縁部の内の一方を固定すると共に、他方をスライド自在とし、さらに、上記長辺縁部の重なり合い部分を上方から被覆するように、軟質プラスチック製の帯状連結部材の一辺及び他辺を、夫々、上記長辺縁部の一方と他方に、溶着又は接着したものである。
【0006】
また、平面視長方形状のプラスチック製パンを備えたバルコニ−床構造に於て、該パンが、外方へ傾斜する立上り傾斜壁部を、少なくとも2辺に有し、該立上り傾斜壁部の上端縁部を、鉛直状取付壁面部に固定して、該取付壁面部と上記立上り傾斜壁部の間に、上記パンの熱変形を逃げる空間部を、形成し、複数枚のパンが、長辺縁部が上下に重なり合うように並設され、重なり合った一対の長辺縁部の内の一方を固定すると共に、他方をスライド自在とし、さらに、上記長辺縁部の重なり合い部分を上方から被覆するように、軟質プラスチック製の帯状連結部材の一辺及び他辺を、夫々、上記長辺縁部の一方と他方に、溶着又は接着したものである。
【0007】
また、平面視長方形状のプラスチック製パンを備えたバルコニー床構造に於て、該パンに、長辺と平行な切断面の形状が凹凸状となるように、多数の突隆部を、千鳥状に配設し、さらに、上記パンが、外方へ傾斜する立上り傾斜壁部を、少なくとも2辺に有し、該立上り傾斜壁部の上端縁部を、鉛直状取付壁面部に固定して、該取付壁面部と上記立上り傾斜壁部の間に、上記パンの熱変形を逃げる空間部を、形成し、複数枚のパンが、長辺縁部が上下に重なり合うように並設され、重なり合った一対の長辺縁部の内の一方を固定すると共に、他方をスライド自在とし、さらに、上記長辺縁部の重なり合い部分を上方から被覆するように、軟質プラスチック製の帯状連結部材の一辺及び他辺を、夫々、上記長辺縁部の一方と他方に、溶着又は接着したものである。
【0008】
平面視長方形状のプラスチック製パンを備えたバルコニー床構造に於て、該パンに、長辺と平行な任意の切断面の形状が必ず凹凸状となるように、多数の平面視矩形状の突隆部を、千鳥状に配設し、さらに、上記パンが、外方へ傾斜する立上り傾斜壁部を、少なくとも2辺に有し、該立上り傾斜壁部の上端縁部を、鉛直状取付壁面部に固定して、該取付壁面部と上記立上り傾斜壁部の間に、上記パンの熱変形を逃げる空間部を、形成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明を詳説する。
【0010】
図3は、本発明のバルコニー床構造の実施の一形態を示し、このバルコニー床構造は、住宅等の建物Aに形成されるバルコニーBの床部分の構造であり、プラスチック製パン1と、そのプラスチック製パン1が取付けられると共に建物Aに固定される取付支持部2と、を備えている。取付支持部2は、底壁部3とその底壁部3の周縁部に形成される鉛直状取付壁面部4とを有する支持枠部5と、その支持枠部5の底壁部3に載置状に配設されるALC等の軽量板材から成る基板材6…と、その基板材6…とパン1の間に介装される発泡プラスチック製のパン受け板7と、を備える。
【0011】
しかして、図1と図2に示すように、パン1を平面視長方形状とし、そのパン1に、長辺8と平行な切断面の形状が凹凸状となるように、多数の突隆部9…を、千鳥状に配設する。即ち、図2の(イ)(ロ)(ハ)は、夫々、図1のC−C,D−D,E−E断面図であり、多数の突隆部9…が形成された領域内に於て、長辺8と平行な任意の切断面の形状が必ず凹凸状となるように、(図1の如く)平面視矩形状の突隆部9…をパン1の短辺と平行に複数列並べると共に、隣合う突隆部9…の列が短編と平行な方向へ僅かにずれるように並設する。なお、突隆部9の突出寸法Hは、例えば、15mm程度とされる(図3参照)。
【0012】
さらに、パン1は、上記多数の突隆部9…が形成された底壁部10と、その底壁部10の少なくとも2辺に形成される外方へ傾斜する立上り傾斜壁部11と、から成る。具体的には、図1に示すように、複数枚のパン1…が、長辺縁部が上下に重なり合うように並設される。また、底壁部10の建物Aとは反対寄りに、排水用溝部12が形成される。
【0013】
また、図4と図5と図6に示すように、重なり合った一対の長辺縁部13,13の内の一方13aを固定すると共に、他方13bをスライド自在とする。具体的には、長辺縁部13の一方13aに、溶着や接着を防止するクラフトテープ18を介して押え金具16を上から当接させ、その押え金具16を、ねじ部材17を介して、パン受け板7に固着する。押え金具16は、長辺縁部13に沿って複数個配設される。
【0014】
さらに、長辺縁部13,13の重なり合い部分を上方から被覆するように、軟質プラスチック製の帯状連結部材15の一辺及び他辺を、夫々、長辺縁部13, 13の一方13aと他方13bに、溶着又は接着する。具体的には、長辺縁部13, 13の他方13bには、一方13aに重ねるための段部19が形成され、帯状連結部材15は、長辺縁部13,13の重なり合い部分を被覆し易くなるように上方凸状に成型される。そして、段部19の上面と帯状連結部材15の間に溶着や接着を防止するクラフトテープ20を介装する。ここで、帯状連結部材15の材質を軟質塩化ビニルとし、パン1の材質を硬質塩化ビニルとするのが好ましいが、他のプラスチックを使用してもよい。
【0015】
また、図3と図7に示すように、パン1の立上り傾斜壁部11の上端縁部を、鉛直状取付壁面部4に固定して、その取付壁面部4と立上り傾斜壁部11の間に、パン1の熱変形を逃げる空間部Sを、形成する。具体的には、図7に示すように、段部を有する押え金具21の一端部を、傾斜壁部11の上端縁部の内面に当接させると共に、その押え金具21の他端部を、ねじ部材22と介して、取付壁面部4に固着する。そして、立上り傾斜壁部11の高さ寸法Iを、(従来は30〜40mm程度であったのに対し)約240mm と大きくする。さらに、立上り傾斜壁部11の上端縁部をシール材23にてシールする。24は、シール材23を取付けるための取付金具である。また、パン1の底壁部10を屋外側へ下傾斜状とする。
【0016】
上述のように構成したことにより、パン1の長辺と平行な切断面の形状が必ず凹凸状となるので、長辺と平行な方向の熱変形による伸縮量が、パン1全体にわたって略均一となり、応力集中が生じない。さらに、立上り空間部Sにより、パン1の熱変形による伸縮を逃げることができる。また、パン1の隣合う長辺縁部13の他方13bが一方13bに対してスライド自在であることから、短辺と平行な方向への熱変形による伸縮を吸収できる。また、傾斜壁部11の上端縁部が押え金具21にて押えられているだけなので、その上端縁部が僅かに動くことができ破損と浮き上がりを防止できる。従って、気温の大きな変化によりパン1が熱変形して膨張又は収縮しても、亀裂や破損が発生せず耐久性に優れると共に水密性が高くなる。
【0017】
また、隣合うパン1,1の間(長辺縁部13, 13の重なり合い部分)の防水加工が簡単であり、容易かつ短時間で施工でき、現場作業能率が向上する。しかも、帯状連結部材15が横断面形状に於て上方凸状であるため、パン1,1の長辺縁部13, 13に、容易に溶着又は接着でき、施工が一層簡単となる。そして、耐水性を長期間維持できる。また、水漏れの原因となる現場施工の箇所を減少できる。
【0018】
次に、図8は、他の実施の形態の要部を示し、隣合うパン1,1の長辺縁部13, 13の一方13aに起立片部25を形成し、かつ、押え金具16の先端部に垂下押え片部26を形成したものである。他は図1〜図7のものと同様である。このようにすれば、押え金具16がパン1の長辺縁部13(の一方13a)から外れなくなり、長辺縁部13を確実に押さえることができる。
【0019】
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されず、例えば、突隆部9…は、平面視矩形状以外にも、平面視円形状又は楕円形状とするも好ましい。また、パン1の枚数を1枚としてもよい。その場合は、パン1の4辺に立上り傾斜壁部11を形成すればよい。
【0020】
【発明の効果】
本発明は上述の如く構成されるので、次に記載する効果を奏する。
【0021】
請求項1記載のバルコニー床構造によれば、気温の大きな変化によりパン1が熱変形して膨張又は収縮しても、パン1の底壁部に亀裂や破損が発生せず耐久性に優れる。そして、防水性を長期間維持できる。
【0022】
請求項2記載のバルコニー床構造によれば、気温の大きな変化によりパン1が熱変形して膨張又は収縮しても、その膨張や収縮を吸収することができ、パン1の立上り傾斜壁部11とその近傍部の亀裂や破損を防止でき、耐久性に優れる。
【0023】
請求項3,4記載のバルコニー床構造によれば、気温の大きな変化によりパン1が熱変形して膨張又は収縮しても、パン1の底壁部に亀裂や破損が発生せず、かつ、立上り傾斜壁部11とその近傍部の亀裂や破損を防止できる。従って、長期間にわたって高い防水性を維持できる。
また、請求項4によれば、パン1の長辺8,8と平行な任意の切断面の形状が必ず凹凸状となるので、長辺と平行な方向の熱変形による伸縮量が、パン1全体にわたって略均一となり、応力集中が生じない。
【0024】
請求項1,2,3記載のバルコニー床構造によれば、隣合うパン1,1の連結部分の防水性が高くなる。しかも、隣合う長辺縁部13, 13が熱変形等により位置ずれしても、防水性を良好な状態に維持できる。また、施工に際して熟練を要せず、だれにでも容易かつ短時間で施工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルコニー床構造の実施の一形態を示す要部平面図である。
【図2】パンの断面側面図である。
【図3】バルコニーの断面側面図である。
【図4】要部拡大斜視図である。
【図5】図4のF−F線断面図である。
【図6】図4のG−G線断面図である。
【図7】要部拡大断面図である。
【図8】他の実施の形態の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 パン
4 取付壁面部
8 長辺
9 突隆部
11 立上り傾斜壁部
13 長辺縁部
13a 一方
13b 他方
15 帯状連結部材
S 空間部
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルコニー床構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
住宅から張り出した状態で設けられるバルコニーの床構造としては、従来、枠組された床フレームに平坦な底壁部を有するプラスチック製パンを複数枚敷設し、そのパンの端縁部にコーキングを施したものが公知であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来のバルコニー床構造は、気温の大きな変化によりパンが熱変形して伸縮すると、その伸縮を吸収することができず、パンに応力集中が生じて亀裂や破損が発生し易いという問題があった。また、パンのジョイント部分やコーキング部分が破損して防水性が悪くなるという問題があった。また、施工時に、パンのジョイント部分の防水処理等が困難であり熟練を要するという問題があった。
【0004】
そこで、本発明は、上述の問題を解決して、気温の変化に強く優れた耐久性を発揮でき、かつ、容易に施工できるバルコニー床構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係るバルコニー床構造は、平面視長方形状のプラスチック製パンを備えたバルコニー床構造に於て、該パンに、長辺と平行な切断面の形状が凹凸状となるように、多数の突隆部を、千鳥状に配設し、複数枚のパンが、長辺縁部が上下に重なり合うように並設され、重なり合った一対の長辺縁部の内の一方を固定すると共に、他方をスライド自在とし、さらに、上記長辺縁部の重なり合い部分を上方から被覆するように、軟質プラスチック製の帯状連結部材の一辺及び他辺を、夫々、上記長辺縁部の一方と他方に、溶着又は接着したものである。
【0006】
また、平面視長方形状のプラスチック製パンを備えたバルコニ−床構造に於て、該パンが、外方へ傾斜する立上り傾斜壁部を、少なくとも2辺に有し、該立上り傾斜壁部の上端縁部を、鉛直状取付壁面部に固定して、該取付壁面部と上記立上り傾斜壁部の間に、上記パンの熱変形を逃げる空間部を、形成し、複数枚のパンが、長辺縁部が上下に重なり合うように並設され、重なり合った一対の長辺縁部の内の一方を固定すると共に、他方をスライド自在とし、さらに、上記長辺縁部の重なり合い部分を上方から被覆するように、軟質プラスチック製の帯状連結部材の一辺及び他辺を、夫々、上記長辺縁部の一方と他方に、溶着又は接着したものである。
【0007】
また、平面視長方形状のプラスチック製パンを備えたバルコニー床構造に於て、該パンに、長辺と平行な切断面の形状が凹凸状となるように、多数の突隆部を、千鳥状に配設し、さらに、上記パンが、外方へ傾斜する立上り傾斜壁部を、少なくとも2辺に有し、該立上り傾斜壁部の上端縁部を、鉛直状取付壁面部に固定して、該取付壁面部と上記立上り傾斜壁部の間に、上記パンの熱変形を逃げる空間部を、形成し、複数枚のパンが、長辺縁部が上下に重なり合うように並設され、重なり合った一対の長辺縁部の内の一方を固定すると共に、他方をスライド自在とし、さらに、上記長辺縁部の重なり合い部分を上方から被覆するように、軟質プラスチック製の帯状連結部材の一辺及び他辺を、夫々、上記長辺縁部の一方と他方に、溶着又は接着したものである。
【0008】
平面視長方形状のプラスチック製パンを備えたバルコニー床構造に於て、該パンに、長辺と平行な任意の切断面の形状が必ず凹凸状となるように、多数の平面視矩形状の突隆部を、千鳥状に配設し、さらに、上記パンが、外方へ傾斜する立上り傾斜壁部を、少なくとも2辺に有し、該立上り傾斜壁部の上端縁部を、鉛直状取付壁面部に固定して、該取付壁面部と上記立上り傾斜壁部の間に、上記パンの熱変形を逃げる空間部を、形成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明を詳説する。
【0010】
図3は、本発明のバルコニー床構造の実施の一形態を示し、このバルコニー床構造は、住宅等の建物Aに形成されるバルコニーBの床部分の構造であり、プラスチック製パン1と、そのプラスチック製パン1が取付けられると共に建物Aに固定される取付支持部2と、を備えている。取付支持部2は、底壁部3とその底壁部3の周縁部に形成される鉛直状取付壁面部4とを有する支持枠部5と、その支持枠部5の底壁部3に載置状に配設されるALC等の軽量板材から成る基板材6…と、その基板材6…とパン1の間に介装される発泡プラスチック製のパン受け板7と、を備える。
【0011】
しかして、図1と図2に示すように、パン1を平面視長方形状とし、そのパン1に、長辺8と平行な切断面の形状が凹凸状となるように、多数の突隆部9…を、千鳥状に配設する。即ち、図2の(イ)(ロ)(ハ)は、夫々、図1のC−C,D−D,E−E断面図であり、多数の突隆部9…が形成された領域内に於て、長辺8と平行な任意の切断面の形状が必ず凹凸状となるように、(図1の如く)平面視矩形状の突隆部9…をパン1の短辺と平行に複数列並べると共に、隣合う突隆部9…の列が短編と平行な方向へ僅かにずれるように並設する。なお、突隆部9の突出寸法Hは、例えば、15mm程度とされる(図3参照)。
【0012】
さらに、パン1は、上記多数の突隆部9…が形成された底壁部10と、その底壁部10の少なくとも2辺に形成される外方へ傾斜する立上り傾斜壁部11と、から成る。具体的には、図1に示すように、複数枚のパン1…が、長辺縁部が上下に重なり合うように並設される。また、底壁部10の建物Aとは反対寄りに、排水用溝部12が形成される。
【0013】
また、図4と図5と図6に示すように、重なり合った一対の長辺縁部13,13の内の一方13aを固定すると共に、他方13bをスライド自在とする。具体的には、長辺縁部13の一方13aに、溶着や接着を防止するクラフトテープ18を介して押え金具16を上から当接させ、その押え金具16を、ねじ部材17を介して、パン受け板7に固着する。押え金具16は、長辺縁部13に沿って複数個配設される。
【0014】
さらに、長辺縁部13,13の重なり合い部分を上方から被覆するように、軟質プラスチック製の帯状連結部材15の一辺及び他辺を、夫々、長辺縁部13, 13の一方13aと他方13bに、溶着又は接着する。具体的には、長辺縁部13, 13の他方13bには、一方13aに重ねるための段部19が形成され、帯状連結部材15は、長辺縁部13,13の重なり合い部分を被覆し易くなるように上方凸状に成型される。そして、段部19の上面と帯状連結部材15の間に溶着や接着を防止するクラフトテープ20を介装する。ここで、帯状連結部材15の材質を軟質塩化ビニルとし、パン1の材質を硬質塩化ビニルとするのが好ましいが、他のプラスチックを使用してもよい。
【0015】
また、図3と図7に示すように、パン1の立上り傾斜壁部11の上端縁部を、鉛直状取付壁面部4に固定して、その取付壁面部4と立上り傾斜壁部11の間に、パン1の熱変形を逃げる空間部Sを、形成する。具体的には、図7に示すように、段部を有する押え金具21の一端部を、傾斜壁部11の上端縁部の内面に当接させると共に、その押え金具21の他端部を、ねじ部材22と介して、取付壁面部4に固着する。そして、立上り傾斜壁部11の高さ寸法Iを、(従来は30〜40mm程度であったのに対し)約240mm と大きくする。さらに、立上り傾斜壁部11の上端縁部をシール材23にてシールする。24は、シール材23を取付けるための取付金具である。また、パン1の底壁部10を屋外側へ下傾斜状とする。
【0016】
上述のように構成したことにより、パン1の長辺と平行な切断面の形状が必ず凹凸状となるので、長辺と平行な方向の熱変形による伸縮量が、パン1全体にわたって略均一となり、応力集中が生じない。さらに、立上り空間部Sにより、パン1の熱変形による伸縮を逃げることができる。また、パン1の隣合う長辺縁部13の他方13bが一方13bに対してスライド自在であることから、短辺と平行な方向への熱変形による伸縮を吸収できる。また、傾斜壁部11の上端縁部が押え金具21にて押えられているだけなので、その上端縁部が僅かに動くことができ破損と浮き上がりを防止できる。従って、気温の大きな変化によりパン1が熱変形して膨張又は収縮しても、亀裂や破損が発生せず耐久性に優れると共に水密性が高くなる。
【0017】
また、隣合うパン1,1の間(長辺縁部13, 13の重なり合い部分)の防水加工が簡単であり、容易かつ短時間で施工でき、現場作業能率が向上する。しかも、帯状連結部材15が横断面形状に於て上方凸状であるため、パン1,1の長辺縁部13, 13に、容易に溶着又は接着でき、施工が一層簡単となる。そして、耐水性を長期間維持できる。また、水漏れの原因となる現場施工の箇所を減少できる。
【0018】
次に、図8は、他の実施の形態の要部を示し、隣合うパン1,1の長辺縁部13, 13の一方13aに起立片部25を形成し、かつ、押え金具16の先端部に垂下押え片部26を形成したものである。他は図1〜図7のものと同様である。このようにすれば、押え金具16がパン1の長辺縁部13(の一方13a)から外れなくなり、長辺縁部13を確実に押さえることができる。
【0019】
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されず、例えば、突隆部9…は、平面視矩形状以外にも、平面視円形状又は楕円形状とするも好ましい。また、パン1の枚数を1枚としてもよい。その場合は、パン1の4辺に立上り傾斜壁部11を形成すればよい。
【0020】
【発明の効果】
本発明は上述の如く構成されるので、次に記載する効果を奏する。
【0021】
請求項1記載のバルコニー床構造によれば、気温の大きな変化によりパン1が熱変形して膨張又は収縮しても、パン1の底壁部に亀裂や破損が発生せず耐久性に優れる。そして、防水性を長期間維持できる。
【0022】
請求項2記載のバルコニー床構造によれば、気温の大きな変化によりパン1が熱変形して膨張又は収縮しても、その膨張や収縮を吸収することができ、パン1の立上り傾斜壁部11とその近傍部の亀裂や破損を防止でき、耐久性に優れる。
【0023】
請求項3,4記載のバルコニー床構造によれば、気温の大きな変化によりパン1が熱変形して膨張又は収縮しても、パン1の底壁部に亀裂や破損が発生せず、かつ、立上り傾斜壁部11とその近傍部の亀裂や破損を防止できる。従って、長期間にわたって高い防水性を維持できる。
また、請求項4によれば、パン1の長辺8,8と平行な任意の切断面の形状が必ず凹凸状となるので、長辺と平行な方向の熱変形による伸縮量が、パン1全体にわたって略均一となり、応力集中が生じない。
【0024】
請求項1,2,3記載のバルコニー床構造によれば、隣合うパン1,1の連結部分の防水性が高くなる。しかも、隣合う長辺縁部13, 13が熱変形等により位置ずれしても、防水性を良好な状態に維持できる。また、施工に際して熟練を要せず、だれにでも容易かつ短時間で施工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルコニー床構造の実施の一形態を示す要部平面図である。
【図2】パンの断面側面図である。
【図3】バルコニーの断面側面図である。
【図4】要部拡大斜視図である。
【図5】図4のF−F線断面図である。
【図6】図4のG−G線断面図である。
【図7】要部拡大断面図である。
【図8】他の実施の形態の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 パン
4 取付壁面部
8 長辺
9 突隆部
11 立上り傾斜壁部
13 長辺縁部
13a 一方
13b 他方
15 帯状連結部材
S 空間部
Claims (4)
- 平面視長方形状のプラスチック製パン1を備えたバルコニー床構造に於て、該パン1に、長辺8,8と平行な切断面の形状が凹凸状となるように、多数の突隆部9…を、千鳥状に配設し、複数枚のパン1…が、長辺縁部 13, 13 が上下に重なり合うように並設され、重なり合った一対の長辺縁部 13, 13 の内の一方 13 aを固定すると共に、他方 13 bをスライド自在とし、さらに、上記長辺縁部 13, 13 の重なり合い部分を上方から被覆するように、軟質プラスチック製の帯状連結部材 15 の一辺及び他辺を、夫々、上記長辺縁部 13, 13 の一方 13 aと他方 13 bに、溶着又は接着したことを特徴とするバルコニー床構造。
- 平面視長方形状のプラスチック製パン1を備えたバルコニ−床構造に於て、該パン1が、外方へ傾斜する立上り傾斜壁部11を、少なくとも2辺に有し、該立上り傾斜壁部11の上端縁部を、鉛直状取付壁面部4に固定して、該取付壁面部4と上記立上り傾斜壁部11の間に、上記パン1の熱変形を逃げる空間部Sを、形成し、複数枚のパン1…が、長辺縁部 13, 13 が上下に重なり合うように並設され、重なり合った一対の長辺縁部 13, 13 の内の一方 13 aを固定すると共に、他方 13 bをスライド自在とし、さらに、上記長辺縁部 13, 13 の重なり合い部分を上方から被覆するように、軟質プラスチック製の帯状連結部材 15 の一辺及び他辺を、夫々、上記長辺縁部 13, 13 の一方 13 aと他方 13 bに、溶着又は接着したことを特徴とするバルコニー床構造。
- 平面視長方形状のプラスチック製パン1を備えたバルコニー床構造に於て、該パン1に、長辺8,8と平行な切断面の形状が凹凸状となるように、多数の突隆部9…を、千鳥状に配設し、さらに、上記パン1が、外方へ傾斜する立上り傾斜壁部11を、少なくとも2辺に有し、該立上り傾斜壁部11の上端縁部を、鉛直状取付壁面部4に固定して、該取付壁面部4と上記立上り傾斜壁部11の間に、上記パン1の熱変形を逃げる空間部Sを、形成し、複数枚のパン1…が、長辺縁部 13, 13 が上下に重なり合うように並設され、重なり合った一対の長辺縁部 13, 13 の内の一方 13 aを固定すると共に、他方 13 bをスライド自在とし、さらに、上記長辺縁部 13, 13 の重なり合い部分を上方から被覆するように、軟質プラスチック製の帯状連結部材 15 の一辺及び他辺を、夫々、上記長辺縁部 13, 13 の一方 13 aと他方 13 bに、溶着又は接着したことを特徴とするバルコニー床構造。
- 平面視長方形状のプラスチック製パン1を備えたバルコニー床構造に於て、該パン1に、長辺8,8と平行な任意の切断面の形状が必ず凹凸状となるように、多数の平面視矩形状の突隆部9…を、千鳥状に配設し、さらに、上記パン1が、外方へ傾斜する立上り傾斜壁部 11 を、少なくとも2辺に有し、該立上り傾斜壁部 11 の上端縁部を、鉛直状取付壁面部4に固定して、該取付壁面部4と上記立上り傾斜壁部 11 の間に、上記パン1の熱変形を逃げる空間部Sを、形成したことを特徴とするバルコニー床構造。
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