JP2011214285A - 傾斜床面用の被覆材及びそれを用いた床構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】車椅子でも軽い力でスロープを上れて、下り坂ではスリップする危険性が低い傾斜床面用の被覆材及びそれを用いた床構造を提供する。
【解決手段】傾斜床面Fを被覆するための柔軟なシート状の被覆材1であって、被覆材1の表面に、両側に傾斜面2a,2bを有する突部2が複数設けられていると共に、該突部2の傾斜面2a,2bの底辺20a,20bが被覆材1の左右方向と平行になるように配置されており、該突部2の傾斜面2a,2bの被覆材1表面に対する傾斜角度θ1,θ2が、第二の傾斜面2bよりも第一の傾斜面2aのほうが大きい構成とする。上りでは緩やかな傾斜角度θ2の第二の傾斜面2bをタイヤTが乗り越えることになるので抵抗が少なく、下りでは傾斜角度θ1の大きい第一の傾斜面2aにタイヤTが当接することで抵抗となるので、車椅子で傾斜床面Fを通行するのに適した被覆材1である。
【選択図】図2
【解決手段】傾斜床面Fを被覆するための柔軟なシート状の被覆材1であって、被覆材1の表面に、両側に傾斜面2a,2bを有する突部2が複数設けられていると共に、該突部2の傾斜面2a,2bの底辺20a,20bが被覆材1の左右方向と平行になるように配置されており、該突部2の傾斜面2a,2bの被覆材1表面に対する傾斜角度θ1,θ2が、第二の傾斜面2bよりも第一の傾斜面2aのほうが大きい構成とする。上りでは緩やかな傾斜角度θ2の第二の傾斜面2bをタイヤTが乗り越えることになるので抵抗が少なく、下りでは傾斜角度θ1の大きい第一の傾斜面2aにタイヤTが当接することで抵抗となるので、車椅子で傾斜床面Fを通行するのに適した被覆材1である。
【選択図】図2
Description
本発明は、主に高齢者や体の不自由な人のために設けられたスロープなどを被覆する傾斜床面用の被覆材及びそれを用いた床構造に関するものである。
近年、我が国は、先進国の責務として、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、通称バリアフリー新法が制定され、高齢者や体の不自由な方々に優しい街づくりを実現する取り組みがなされている。その一環として、階段横、或いは床面の段差部などに、車椅子や電動カートでも通行できるスロープが設けられるようになってきた。
このようなスロープは、防滑性を向上させるために、床材で被覆されることが多く、その床材の一つとして、エンボス模様を設けることにより表面をテクスチャー仕上げし、革靴底の滑りによる転倒が生じないようにした防滑床材が提案されている(特許文献1)。
床材表面に設けられるエンボス模様は種々の態様があり、単に凹凸を設けたものから、基材上の化粧シートに凸状部分の集合体からなる凹凸模様ユニットを形成し、該ユニットの凸状部分に更に微細なエンボス模様を付与した該ユニットを複数形成したノンスリップ床材のような複雑なエンボス模様のものまである(特許文献2)。
上記のようなエンボス模様を床材の表面に設けると、歩行時のクッション性が向上すると共に、歩行者の転倒やつまずきも防止することができるようになる。
しかしながら、上記のような床材は、主に歩行者のために考案されたものであり、歩行者の転倒防止には寄与するが、車椅子や電動カートの通行には必ずしも適しているとはいえず、車椅子や電動カートで上記床材が貼着されたスロープを通行すると、上り坂では相当な力を必要とし、下り坂では止まる際にスリップする恐れがあった。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたもので、その解決しようとする課題は、車椅子でも軽い力でスロープを上れて、下り坂ではスリップする危険性が低く、歩行者は勿論のこと、高齢者や体の不自由な方々に優しい傾斜床面用の被覆材及びそれを用いた床構造を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る傾斜床面用の被覆材は、傾斜床面を被覆するための柔軟なシート状の被覆材であって、被覆材の表面に、両側に傾斜面を有する突部が複数設けられていると共に、該突部の傾斜面の底辺が被覆材の左右方向と平行になるように配置されており、該突部の傾斜面の被覆材表面に対する傾斜角度が、第二の傾斜面よりも第一の傾斜面のほうが大きいことを特徴とするものである。
本発明の傾斜床面用の被覆材においては、上記突部を被覆材の左右方向に複数設け、その突部間に空隙を設けることが好ましく、傾斜面の底辺が横一列となるように、上記突部を被覆材の左右方向に一定の空隙を設けながら複数並べると共に、横一列に並んだ突部の列を被覆材の前後方向に一定の空隙を設けながら複数配列し、横一列の突部の列を一列おきに同じだけ左右に移動させて、その列の左右の突部間に設けられた空隙が、前後に隣接する横一列の突部の左右の突部間に設けられた空隙と、被覆材の前後方向に重ならないようにするとより好ましい。
次に、本発明の床構造は、上記いずれかの構成の傾斜床面用の被覆材の、第一の傾斜面が傾斜床面の上方側に位置するようにして、傾斜床面を被覆材によって被覆したことを特徴とするものである。
本発明の床構造においては、第一の傾斜面が水平よりも上向きに傾斜するようにして、傾斜床面を被覆材によって被覆することが好ましい。
本発明の傾斜床面用の被覆材は、被覆材表面に、両側に傾斜面を有する複数の突部を設けているので、その突部が歩行時や車椅子・電動カートの通行時の滑り止めの役割を果たす。しかも、その突部は、傾斜面の被覆材表面に対する傾斜角度が第二の傾斜面よりも第一の傾斜面のほうが大きく、且つ、突部の底辺が被覆材の左右方向と平行になるように配置されているので、傾斜角度の大きい第一の傾斜面を、傾斜床面の上方側に位置するようにして傾斜床面を被覆すると、車椅子や電動カートで傾斜床面を通行する際、上りでは緩やかな第二の傾斜面をタイヤが乗り越えることになるので抵抗が少なく、また、下りでは傾斜角度の大きい第一の傾斜面にタイヤが当接することで抵抗となるので、上り坂は軽い力で上れて、下り坂はスリップする危険性が非常に少なくなる。このように本発明の傾斜床面用の被覆材は、車椅子でも傾斜床面を上り易く、下りではスリップする危険性を低くすることができるので、歩行者は勿論のこと、高齢者や体の不自由な方々に優しい被覆材である。
また、上記突部を被覆材の左右方向に複数設け、その突部間に空隙を設けた傾斜床面用の被覆材は、左右の突部間に設けた空隙が水を排出する排水通路となり、被覆材表面が水で濡れても、その空隙からすぐに外部へ排出されようになるので、スリップ事故を未然に防止することができる。更に、突部間に堆積したゴミや埃を箒等で掃き出ししやすくなるため、防滑性の向上に寄与できると共に、美観の保持にも好適である。
上記のように、左右の突部間に空隙を設けた場合、その空隙が被覆材の前後方向に一直線になってしまうと、空隙の幅寸法が広い場合などは、車椅子や電動カートのタイヤがその空隙に嵌まり込んで、空隙の中をずっと通行することになってしまい、突部を設けた意味がなくなる。そこで、傾斜面の底辺が横一列となるように、上記突部を被覆材の左右方向に一定の空隙を設けながら複数並べると共に、横一列に並んだ突部の列を被覆材の前後方向に一定の空隙を設けながら複数配列し、横一列の突部の列を一列おきに同じだけ左右に移動させて、その列の左右の突部間に設けられた空隙が、前後に隣接する横一列の突部の左右の突部間に設けられた空隙と、被覆材の前後方向に重ならないようにした傾斜床面用の被覆材のように、横一列の突部の列を一列おきに左右にずらし、空隙が被覆材の前後方向に重ならないようにすることで、左右の突部間の空隙寸法を広げたとしても、必ずタイヤがいずれかの突部に接地することになり、車椅子や電動カートで被覆材で被覆された傾斜床面のどこを通行してもスリップする心配がなくなる。
次に、本発明の床構造は、上記のように優れた作用効果を奏する被覆材を用いて傾斜床面を被覆するので、階段横や床面の段差部などに設けられたスロープなどに適した床構造である。特に、この床構造は、被覆材の第一の傾斜面が傾斜床面の上方側に位置するようにして傾斜床面を被覆したものなので、車椅子や電動カートで通行する際でも、上り易く、スリップしにくい傾斜床面を提供することができる。
また、第一の傾斜面が水平よりも上向きに傾斜するようにして、傾斜床面を被覆材によって被覆した床構造は、第一の傾斜面を水平よりも上向きに傾斜させることで、傾斜床面を下るときの抵抗がより一層増えて、車椅子や電動カートのタイヤが更にスリップしにくくなる。
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳述する。
図1に示す本発明の傾斜床面用の被覆材1(以下、単に被覆材1という)は、高齢者や体の不自由な人が、車椅子や電動カートでも通行できるように、階段横、或いは床面の段差部などに設けられたスロープなどの傾斜床面Fを被覆するために開発された被覆材1であって、この被覆材1で傾斜床面Fを被覆すると、防滑性が向上し、歩行者の転倒や、車椅子・電動カートのスリップ事故を防止することができるようになる。
上記被覆材1は、軟質ないし半硬質の熱可塑性樹脂で成形された、厚みH1が1〜5mm程度の柔軟なシートであって、図1、図2に示すように、その表面には多数の突部2が設けられている。この被覆材1を形成する軟質ないし半硬質の熱可塑性樹脂としては、軟質塩化ビニル樹脂又はオレフィン系樹脂などの合成樹脂やゴムなどが好適に用いられる。
尚、被覆材1の裏面には、傾斜床面Fとの接着性を改善するなど、種々の目的のもとに、同種又は異種の合成樹脂等からなるシート状又は合成樹脂糸材からなる織布や不織布をバッカー層として積層してもよい。また、被覆材1の寸法安定性や耐引裂性の向上を目的に、被覆材1の厚み方向の中間にガラス繊維の織布や不織布層を積層してもよい。
尚、被覆材1の裏面には、傾斜床面Fとの接着性を改善するなど、種々の目的のもとに、同種又は異種の合成樹脂等からなるシート状又は合成樹脂糸材からなる織布や不織布をバッカー層として積層してもよい。また、被覆材1の寸法安定性や耐引裂性の向上を目的に、被覆材1の厚み方向の中間にガラス繊維の織布や不織布層を積層してもよい。
この被覆材1は、その上を歩行者や車椅子・電動カートなどが通行するので、耐引き裂き性、寸法安定性、耐久性などが求められる。従って、それ相応の強度が必要で、具体的には、10%モジュラスが1〜5N/mm2の範囲内であることが好ましく、本実施形態では10%モジュラス2N/mm2となっている。
尚、上記の測定は、温度が20℃、引張り速度が20mm/分、試験片の一辺が10mmで厚みが1.5mm、ダンベル1号、チャック間の距離が70mmの条件で行った。
尚、上記の測定は、温度が20℃、引張り速度が20mm/分、試験片の一辺が10mmで厚みが1.5mm、ダンベル1号、チャック間の距離が70mmの条件で行った。
上記被覆材1の表面に設けられた突部2は、図2に示すように、両側に第一の傾斜面2aと第二の傾斜面2bを有する三角形状の突起であって、図3に示すように、この突部2の傾斜面2a,2bの底辺20a,20bが被覆材1の左右方向と平行になるように配置されている。
この突部2の傾斜面2a,2bの被覆材1表面に対する傾斜角度θ1,θ2は、第一の傾斜面2aと第二の傾斜面2bで異なり、第一の傾斜面2aの傾斜角度θ1が、第二の傾斜面2bの傾斜角度θ2よりも大きくなっている。具体的には、第一の傾斜面の傾斜角度θ1が5〜110°、好ましくは40〜85°に設定されており、第二の傾斜面の傾斜角度θ2が0.5〜85°、好ましくは2〜30°に設定されている。このように第一の傾斜面2aの傾斜角度θ1と、第二の傾斜面2bの傾斜角度θ2を異なるようにしたのは、車椅子でも傾斜床面Fが上り易く、下りではタイヤTがスリップしないようにするためである。即ち、傾斜角度θ1が大きい第一の傾斜面2aが、傾斜床面Fの上方側に位置するようにして被覆材1で傾斜床面Fを被覆すると、車椅子で傾斜床面Fを通行する際、図2、図4に示すように、上りでは傾斜角度θ2が緩やかな第二の傾斜面2bをタイヤTが乗り越えることになるので抵抗が少なく、軽い力でも上れるようになる。一方、下りでは傾斜角度θ1の大きい第一の傾斜面2aにタイヤTが当接することで抵抗となるので、急に止まらなければならない場合でもスリップする危険性が非常に少なくなる。このように本発明の被覆材1は、突部2の傾斜面2a,2bの傾斜角度θ1,θ2を異なるようにすることで、車椅子でも傾斜床面Fが上り易くなり、下りではスリップする危険性を大幅に減らすことができる。
尚、被覆材1の表面に設けられる突部2は、両側に傾斜面を有する形状であれば、上記のような三角形状に限定されるものではなく、台形状の突部(不図示)であってもよい。このように突部2を台形状とするときは、下底よりも上底の寸法を小さくし、且つ、上底の寸法を余り大きく設定しないように留意する必要がある。
尚、被覆材1の表面に設けられる突部2は、両側に傾斜面を有する形状であれば、上記のような三角形状に限定されるものではなく、台形状の突部(不図示)であってもよい。このように突部2を台形状とするときは、下底よりも上底の寸法を小さくし、且つ、上底の寸法を余り大きく設定しないように留意する必要がある。
上記のように、突部2の傾斜面2a,2bの傾斜角度θ1,θ2を異なるように形成しても、突部2の高さH2が0.5mmよりも低いと、突部2を設けた効果が薄い。反対に高さH2が3mmよりも高いと、歩行時に躓く恐れが生じるし、車椅子や電動カートで通行すると表面の凸凹を感じて乗り心地がよくない。従って、突部2の高さH2は0.5〜3mmの範囲内に設定することが好ましい。また、この突部2の長さ寸法Lを余り長くしてしまうと、防滑性が低下するので、長さ寸法Lは10〜50mmの範囲内に設定されている。更に、突部2の幅寸法Wは、後述する突部2の左右間に空隙3を設ける関係から10〜50mmの範囲内に設定されている。
以上のような構成の突部2は、図3に示すように、被覆材1の表面に、傾斜面2a,2bの底辺20a,20bが被覆材1の左右方向と平行になるように設けられている。そして、複数の突部2の底辺20a,20bが横一列になるように、被覆材1の左右方向に並べられている。このとき左右の突部2,2間には一定の空隙3が設けられており、この左右の突部2,2間に設けられた空隙3が排水通路となって、被覆材1の表面が水で濡れても、その空隙3からすぐに下方へ排出されるので、歩行者の転倒や車椅子・電動カートのスリップ事故を未然に防止することができるようになる。しかしながら、この空隙3の寸法A1が余り大きいと、車椅子のタイヤTがその空隙3に嵌まり込んでしまうことがある。通常の車椅子のタイヤT接地面の幅は15mm以上あるので、左右の突部2,2間に設けられる空隙3の寸法A1は、車椅子のタイヤT接地面の幅よりも小さい2〜10mm程度にすることが好ましい。
上記のように、一定の空隙3を設けながら横一列に並べられた突部2の列は、図3に示すように、被覆材1の前後方向に一定の空隙4を設けながら複数配列されている。そして、横一列の突部2の列は、一列おきに同じ寸法分だけ左右に移動させられており、移動された列の左右の突部2,2間に設けられた空隙3が、前後に隣接する左右の突部2,2間に設けられた空隙3と、被覆材1の前後方向に重ならないようになっている。具体的には、移動させた左右の突部2,2間の空隙3が、前後に隣接する突部2の中間に位置するようになっている。つまり、空隙3の寸法A1と突部2の幅寸法Wを足して2で割った寸法分だけ横一列の突部2の列が左右に移動させられている。換言するなら、突部2の中心線が空隙3の中心線上に位置する関係となっている。
また、前後の突部2,2間に設けられた空隙4の寸法A2は、0〜50mm程度に設定されている。本実施形態のように、必ずしも前後の突部2,2間に空隙4を設ける必要はないが、突部2を上記のような配置とする場合は、前後に空隙4を設けないと、左右の突部2,2間の空隙3に行き場を失った水が滞溜してしまうので、水を左右に逃がすスペースを形成するためにも空隙4を設けることが好ましく、具体的には前後の突部2,2間に設けられた空隙4の寸法A2を、2〜10mm程度に設定することが特に好ましい。
上記のように、横一列の突部2の列を一列おきに左右にずらし、空隙3が被覆材1の前後方向に重ならないようにすることで、左右の突部2,2間の空隙3の寸法A1を広げて、その空隙3に車椅子のタイヤTが嵌まり込んだとしても、必ず車椅子のタイヤTはその前後に隣接する突部2に接地することになる。従って、空隙3の寸法A1は、前述したように2〜10mm程度に設定することが好ましいが、例え、空隙3の寸法A1を15mm以上にしたとしても、車椅子がスリップする心配がなくなる。
尚、突部2は上記のような配置に限定されるものではなく、図5のように配置した被覆材10でもよいし、図6のように配置した被覆材11でもよい。
即ち、図5に示す被覆材10の突部2は、被覆材10の表面に、傾斜面2a,2bの底辺20a,20bが被覆材10の左右方向と平行になるように設けられており、その突部2の底辺20a,20bが横一列になるように、被覆材10の左右方向に一定の空隙3を設けながら複数並べられている。そして、このように横一列に並べられた突部2の列は、図3に示すように、被覆材10の前後方向に一定の空隙4を設けながら複数配列されている。前述した図3に示す実施形態の被覆材1は、横一列の突部2の列が、一列おきに同じ寸法分だけ左右に移動させられているが、本実施形態の被覆材10は、上記実施形態のように横一列の突部2の列を左右に移動させることなく、突部2が前後左右に一直線上となるように配置されている。
上記のように突部2を配置した被覆材10は、左右の突部2,2間の空隙3が、被覆材10の前後方向に一直線となって排水通路となるので、前後の突部2,2間の空隙4は必ずしも設ける必要はないが、左右の突部2,2間の空隙3が被覆材10の前後方向に一直線となるので、その空隙3に車椅子のタイヤTが嵌まり込むと、車椅子の向きを変えない限り、タイヤTは左右の突部2,2間の空隙3をずっと通行することになって、防滑性を向上させるための突部2を設けた意味がなくなってしまう。従って、左右の突部2,2間の空隙3の寸法A1を、車椅子のタイヤTの幅よりも小さい2〜10mm程度に設定する必要がある。
また、図6に示す実施形態の被覆材11は、上記と同様に、被覆材11の表面に、傾斜面2a,2bの底辺20a,20bが被覆材1の左右方向と平行になるように設けられている。そして、その突部2が縦一列となるように、被覆材11の前後方向に一定の空隙4を設けながら複数並べられて、その縦一列の突部2の列を、一列おきに同じ寸法分だけ前後にずらして、前後の空隙4が被覆材11の左右方向に重ならないようにしたものである。
この実施形態の被覆材11は、被覆材11の表面がより凸凹となるので防滑性に優れ、特にタイヤTの幅が広い電動カートなどの通行に適した被覆材11である。
尚、この被覆材11も、上記図5に示す実施形態の被覆材10と同様に、左右の突部2,2間の空隙3の寸法A1を、車椅子のタイヤTの幅よりも小さい2〜10mm程度にする必要がある。
尚、この被覆材11も、上記図5に示す実施形態の被覆材10と同様に、左右の突部2,2間の空隙3の寸法A1を、車椅子のタイヤTの幅よりも小さい2〜10mm程度にする必要がある。
次に、図1、図2に示す被覆材1を用いた本発明の床構造を説明する。
本発明の床構造は、図1、図2に示すように、上記被覆材1の、第一の傾斜面2aが傾斜床面Fの上方側に位置するようにして、スロープなどの傾斜床面Fを被覆したものである。このとき、被覆材1の第一の傾斜面2aが水平LSよりも上向きに傾斜するようにして、傾斜床面Fを被覆している。
尚、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、通称バリアフリー新法には、スロープの勾配は1/12以下にする旨の規定があるが、本発明の被覆材1を用いた床構造は、それ以上の勾配にも対応できるようになっている。
尚、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、通称バリアフリー新法には、スロープの勾配は1/12以下にする旨の規定があるが、本発明の被覆材1を用いた床構造は、それ以上の勾配にも対応できるようになっている。
被覆材1を傾斜床面Fに貼着する接着剤(不図示)は、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、変成シリコーン系などの反応型の床用接着剤や、ゴム系の床用接着剤が使用される。特に、耐水性に優れたウレタン系やエポキシ系(2液混合型でも水分反応型等の1液型でもよい)が好適に用いられる。
このような床構造は、被覆材1の第一の傾斜面2aを傾斜床面Fの上方側に位置させると共に、第一の傾斜面2aを水平LSよりも上向きに傾斜させたものであるので、車椅子でも軽い力で上れ、下る際も第一の傾斜面2aを水平LSよりも上向きに傾斜させているので、スリップ事故を未然に防止することができる。このように、本発明の床構造は、階段横や床面の段差部などに設けられたスロープなどに特に適した床構造である。
以上の説明から明らかなように、本発明の傾斜床面用の被覆材1及びそれを用いた床構造は、歩行者は勿論のこと、車椅子や電動カートにも適したものであるので、高齢者や体の不自由な方々のための優しい街づくりの実現に寄与することができる。
1,10,11 傾斜床面用の被覆材
2 突部
2a 第一の傾斜面
20a 第一の傾斜面の底辺
2b 第二の傾斜面
20b 第二の傾斜面の底辺
3 左右の突部間の空隙
4 前後の突部間の空隙
F 傾斜床面
H1 傾斜床面用の被覆材の厚み
θ1 第一の傾斜面の傾斜角度
θ2 第二の傾斜面の傾斜角度
L 突部の長さ寸法
W 突部の幅寸法
H2 突部の高さ
LS 水平
T タイヤ
2 突部
2a 第一の傾斜面
20a 第一の傾斜面の底辺
2b 第二の傾斜面
20b 第二の傾斜面の底辺
3 左右の突部間の空隙
4 前後の突部間の空隙
F 傾斜床面
H1 傾斜床面用の被覆材の厚み
θ1 第一の傾斜面の傾斜角度
θ2 第二の傾斜面の傾斜角度
L 突部の長さ寸法
W 突部の幅寸法
H2 突部の高さ
LS 水平
T タイヤ
Claims (5)
- 傾斜床面を被覆するための柔軟なシート状の被覆材であって、
被覆材の表面に、両側に傾斜面を有する突部が複数設けられていると共に、該突部の傾斜面の底辺が被覆材の左右方向と平行になるように配置されており、
該突部の傾斜面の被覆材表面に対する傾斜角度が、第二の傾斜面よりも第一の傾斜面のほうが大きいことを特徴とする傾斜床面用の被覆材。 - 上記突部を被覆材の左右方向に複数設け、その突部間に空隙を設けたことを特徴とする請求項1に記載の傾斜床面用の被覆材。
- 傾斜面の底辺が横一列となるように、上記突部を被覆材の左右方向に一定の空隙を設けながら複数並べると共に、横一列に並んだ突部の列を被覆材の前後方向に一定の空隙を設けながら複数配列し、
横一列の突部の列を一列おきに同じだけ左右に移動させて、その列の左右の突部間に設けられた空隙が、前後に隣接する横一列の突部の左右の突部間に設けられた空隙と、被覆材の前後方向に重ならないようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の傾斜床面用の被覆材。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の傾斜床面用の被覆材の、第一の傾斜面が傾斜床面の上方側に位置するようにして、傾斜床面を被覆材によって被覆したことを特徴とする傾斜床面用の被覆材を用いた床構造。
- 第一の傾斜面が水平よりも上向きに傾斜するようにして、傾斜床面を被覆材によって被覆したことを特徴とする請求項4に記載の傾斜床面用の被覆材を用いた床構造。
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