JP5501865B2 - 屋内用視覚障害者誘導用床システム - Google Patents

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Description

本発明は、主に屋内において、視覚障害者を誘導する屋内用視覚障害者誘導用床システムに関する。
屋内外において視覚障害者の移動を支援する手段として、視覚障害者誘導用ブロック、いわゆる「点字ブロック」が広く普及している。
図19及び図20は、JISに基づく「点字ブロック」の形状を示す平面図及び側面図である。
非特許文献1には、図19及び図20に示すように、JIS規格として、「視覚障害者誘導用ブロック等の突起の形状・寸法及びその配列」が記載されている(JIS T9251)。このJIS規格においては、突起部分の高さは警告、誘導ともに5(−0、+1)mmと定められている。
非特許文献2、非特許文献3は、点字ブロックのJIS化に向けた研究報告書である。「点字ブロック」は足裏感覚による検知を目的としているため、5mmの高さが必要とされている。
非特許文献4に記載されているように、特定の公共施設等以外では、点字ブロックの敷設は設計者や施主の裁量による部分が多く、必ずしも視覚障害者が単独で歩行できる環境ではない。視覚障害者の目的地への移動は、人的応対に頼っているのが実情である。
非特許文献5、非特許文献6及び非特許文献7には、屋内で「点字ブロック」の整備が進まない理由として、「点字ブロック」の凹凸に負担を感じる人がいることが記載されている。特に、車椅子利用者や高齢者が、「点字ブロック」に危険を感じたことがあるという報告が記載されている。
非特許文献8には、視覚障害者に対する有用さを保ちつつ、他の歩行者や車椅子利用者に影響がより少なくなるよう、突起の高さを低くした点字ブロックの歩行時の検知評価について記載されている。特に95%の検出率には3.08mmの高さが、4件法による確信度3には3.08mmの高さが必要であることが記載されている。
非特許文献9及び非特許文献10に記載された「床の素材差による誘導の有効性に関する調査」には、カーペットタイル敷きの空間にビニール製床タイルを埋め込んだ「床の素材差による」経路と、「点字ブロック」による経路とで、白杖を使った移動の比較調査結果では、同等の誘導効果が認められたことが記載されている。
非特許文献11には、床の材質の差を用いた関連研究として、「摩擦の異なる床仕上げ材間の識別容易性に関する研究」が記載されている。
非特許文献12には、「点字ブロック」の凹凸による歩行時の影響に関する研究から、「点字ブロック」の5mmの凹凸が歩行に影響を与え躓きの原因になっているという考察が記載されている。
特許文献1には、裏面に粘着剤層が設けられた置敷き型のカーペットタイルと、視覚障害者誘導用の認知パターンとしての凸模様を具えた表面化粧層を有し裏面に粘着剤層が設けられた置敷き型のゴムまたは合成樹脂製の誘導タイルとを用いた障害者用安全床の施工方法が記載されている。この施工方法は、カーペットタイルと、このカーペットタイルに平面形状及び寸法が同一である誘導タイルとを用いて、これらカーペットタイル及び誘導タイルを、接着剤を用いることなく、置敷きにより敷設するものである。
特許文献2には、点字ブロックとは異なる移動支援となりうる弾性床マットが記載されている。主として床面の上に設置する誘導マットである。現在市場に流通しているものとして、「歩道くん」(商品名:トーワ株式会社製)がある。
特許文献3には、点字ブロックとは異なる移動支援となりうる緩衝用床マットが記載されている。主として床面の上に設置する誘導マットである。
特許文献4には、屋内外の移動支援に関して、携帯端末を用いた誘導支援システムが記載されている。
特許文献5には、カーペットへの誘導鋲装着による移動支援方法が記載されている。
特許文献6及び特許文献7には、塩ビシート床等への誘導ラインによる移動支援方法が記載されている。
特許文献8には、従来の突起の違和感を無くし、歩行者が歩き易くした工夫が記載されている。
特許文献9及び特許文献10には、床面へのサイン表記による移動支援方法が記載されている。
特開平7−18828号公報 特開2005−98021号公報 特開2004−261565号公報 特開2004−246831号公報 特願2001−216096 特願平7−79449 実用新案登録公報第3124948号公報 特開平8−66423号公報 登録実用新案第3102796号、 登録実用新案公報第3078508号公報
日本工業規格(JIS T9251) 視覚障害者誘導用ブロックに関する標準基盤研究報告書−パターンの標準化を目指して−(平成10年12月,通商産業省製品評価技術センター) 視覚障害者誘導用ブロックに関する標準基盤研究最終報告書−パターンの標準化を目指して−(平成12年3月,通商産業省製品評価技術センター) 高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(1994年9月28日施行) 近藤敏,宮前珠子,他,「在宅高齢者の転倒と転倒恐怖」,OTジャーナル,33,839−844,1999 津田美知子:歩行者の道1「マイナスのデザイン」,技報堂出版株式会社,東京,125−129,2002. 財団法人共用品推進機構,「車いす使用者の日常生活の不便さに関する調査」,財団法人共用品推進機構発行,東京,35−49,2002 中村孝文,岸哲志,他,「視覚障害者誘導用ブロックの警告突起形状及びサイズと検出力との関係」,日本ロービジョン学会誌,Vol8,PP32−38,2007 桑波田謙,井上賢治,他,「床の素材差による誘導の有効性に関する調査」,ロービジョン学会誌,Vol9,PP92−98,2009 桑波田謙,井上賢治,他,「病院内における床の素材差による誘導−バリアフリーからユニバーサルデザインへ」,病院設備,288,193−194,東京 原利明,小林吉之,他,「摩擦の異なる床仕上げ材間の識別容易性に関する研究」,機械学会論文集,2009. 小林吉之,他,「視覚障害者誘導用ブロックが高齢晴眼者の歩行に与える影響に関する調査」,日本機械学会論文集72巻720号,2006−8
前述のような「点字ブロック」は、突起が形成されていない平坦な床環境と組み合わせて用いられるものであり、前述の突起の形状や高さは、歩行時の足触りでの判別が可能である。
しかし、前述したように、「点字ブロック」は、躓きの危険性を生じさせる虞があり、また、車イス使用者やベビーカー等の走行においては、突起部通過時のガタツキによる不快感も指摘されている。すなわち、「点字ブロック」は、白杖でなく、足裏感覚で認知できる仕様であるため、5mm程度の突起がある。このような凹凸による移動支援は、車椅子利用者や高齢者、ベビーカー使用者、携帯酸素ボンベ使用者、杖使用者等にとって不便である。
「点字ブロック」における5mmの突起は、その上を歩行する際に、下肢のバランスを保持するために身体に負担がかかり、躓きの原因となりうる。また、車椅子使用者にはこの突起を越えるために大きな負担を強いられる。ベビーカー利用者にとっては、移動のしづらさや赤ちゃんへの振動の影響が大きい。杖使用者にとっては、歩行バランスを崩す恐れがある。
屋外は歩行スペースが広いため、「点字ブロック」が敷かれていても、晴眼者はそれを避けて歩行することが可能である。しかし、屋内では、設置スペースが限られており、狭い場所に「点字ブロック」を敷設することは困難である。
これまで視覚障害者の屋内誘導には、音声案内等ITを利用した移動支援システム等が提案されているが、「点字ブロック」のような誘導設備は、「点字ブロック」以外には実用化されていない。屋内の床材は多種多様であり、状況に応じた「点字ブロック」の導入方法も確立されていない。従来、屋内の床材であるカーペットや石材、木材、ビニールシート等軟質素材からなる床に「点字ブロック」を導入するには、「点字ブロック」の一つ一つの突起を床材に固定する方法がとられるケースが多いが、高コストであった。
点字ブロックの代わりに床の弾性を用いて移動支援とする方法も既知としてあるが、床面上に設置することが主となる厚みを持った仮設的な誘導経路では、躓きの危険性を避けられず、デザイン性にも乏しく、耐久性や機能性、汎用性に欠ける課題があった。
「点字ブロック」の色彩としては、より分かりやすさを追求するために、黄色とすることが推奨されている。しかし、建築屋内では、意匠的なニーズからも導入が進まないという課題がある。
このような背景の基、非特許文献8には、点字ブロックの機能を維持しつつ、バリアとしての側面を軽減する研究が記載されている。すなわち、現在のJIS規格型の突起配列を維持しつつ、突起高さを5mmから3.1〜3.3mmにしても、足裏で検知可能としている。
そこで、本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであって、主に建物内において、白杖を使用している視覚障害者の誘導が可能であり、かつ、健常者や車イス使用者にとっても歩行、通行のし易い屋内用視覚障害者誘導用床システムを提供することを目的とするものである。
本発明においては、屋内用視覚障害者誘導用床システムとして、白杖による検出が可能でかつ限りなくフラットに近い誘導用床システムの開発を目的とし、高低差3mm以下の凸部を有するパターンについて検討を行い、さらに、高低差1mm、または、2mmの凸部を有するパターンであっても、白杖による検知が可能であることを明らかにした。
すなわち、本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムは、以下の構成のいずれか一を備えるものである。
〔構成1〕
床面上に視覚障害者により他の領域と区別され得る視覚障害者誘導領域を敷設しこの視覚障害者誘導領域により誘導経路を構成して視覚障害者を誘導する屋内用視覚障害者誘導用床システムであって、誘導経路は、分岐点に視覚障害者警告領域を有し、この視覚障害者警告領域には、警告パターンが形成されており、警告パターンは、互いの高低差が1mm以上3mm以内であって、かつ、視覚障害者誘導領域の他の領域の表面に対する高低差が1mm以上3mm以内である凹部及び凸部からなり、これら凹部及び凸部のいずれか一方は、網目状パターンをなし、他方は、ドット状パターンをなしており、白杖により警告パターンをなぞることによって凸部の検知が可能であることを特徴とするものである。
〔構成2〕
構成1を有する屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいて、視覚障害者誘導領域には、視覚障害者警告領域を除いて、誘導パターンが形成されており、誘導パターンは、互いの高低差が1mm以上3mm以内であって、かつ、視覚障害者誘導領域の他の領域の表面に対する高低差が1mm以上3mm以内である凹部及び凸部からなり、これら凹部及び凸部は、視覚障害者を誘導しようとする方向の1本乃至2本の線状パターンをなしており、白杖により誘導パターンをなぞることによって凸部の検知が可能であることを特徴とするものである。
〔構成3〕
構成1を有する屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいて、警告パターンをなす凹部及び凸部は、互いの高低差が1mm以上2mm以内であって、かつ、視覚障害者誘導領域の他の領域の表面に対する高低差が1mm以上2mm以内であることを特徴とするものである。
〔構成4〕
構成3を有する屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいて、視覚障害者誘導領域には、視覚障害者警告領域を除いて、誘導パターンが形成されており、誘導パターンは、互いの高低差が1mm以上2mm以内であって、かつ、視覚障害者誘導領域の他の領域の表面に対する高低差が1mm以上2mm以内である凹部及び凸部からなり、これら凹部及び凸部は、視覚障害者を誘導しようとする方向の1本乃至2本の線状パターンをなしていることを特徴とするものである。
〔構成5〕
構成1を有する屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいて、警告パターンをなす凹部及び凸部は、互いの高低差が1mm以上1.5mm以内であって、かつ、視覚障害者誘導領域の他の領域の表面に対する高低差が1mm以上1.5mm以内であり、ドット状パターンにおけるドットの配列は、任意のドットとこのドットに最も近い隣接するドットとを結ぶ線が、視覚障害者を誘導しようとする方向に対して傾斜している千鳥配列となっていることを特徴とするものである。
〔構成6〕
構成5を有する屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいて、視覚障害者誘導領域には、視覚障害者警告領域を除いて、誘導パターンが形成されており、誘導パターンは、互いの高低差が1mm以上1.5mm以内であって、かつ、視覚障害者誘導領域の他の領域の表面に対する高低差が1mm以上1.5mm以内である凹部及び凸部からなり、これら凹部及び凸部は、視覚障害者を誘導しようとする方向の1本乃至2本の線状パターンをなしていることを特徴とするものである。
〔構成7〕
構成1乃至構成6のいずれか一を有する屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいて、警告パターンにおいて、ドット状パターンを形成する各ドットの面積の合計は、視覚障害者警告領域の面積の5%以上であることを特徴とするものである。
〔構成8〕
構成1乃至構成6のいずれか一を有する屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいて、警告パターンにおいて、ドット状パターンを形成する各ドットの面積の合計は、視覚障害者警告領域の面積の5%以上60%未満であることを特徴とするものである。
〔構成9〕
構成1乃至構成8のいずれか一を有する屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいて、警告パターンのドット状パターンにおいて、隣接するドットの面積重心間の距離は、当該ドットの差渡し寸法の3倍以内であることを特徴とするものである。
〔構成10〕
構成1乃至構成8のいずれか一を有する屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいて、警告パターンのドット状パターンにおいて、隣接するドットの面積重心間の距離は、当該ドットの差渡し寸法の1.1倍以上3倍以内であることを特徴とするものである。
〔構成11〕
構成1乃至構成10のいずれか一を有する視覚障害者誘導領域と、視覚障害者誘導領域の周囲の他の領域とからなり、視覚障害者誘導領域は、他の領域に対して硬度及び/又は摩擦係数が異なっており、移動経路となる視覚障害者誘導領域が白杖により認知できることを特徴とする屋内用視覚障害者誘導用床システムです。
〔構成12〕
構成1乃至構成11のいずれか一を有する屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいて、分岐点の近傍には、視覚障害者により視覚的に認識され得る床面サインが設けられていることを特徴とするものである。
すなわち、本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいては、主に、屋内において、床素材と誘導経路とで、表面状態を変えることにより、白杖を使ったときの抵抗感の違いを認知させ、白杖使用者の移動支援を行う。すなわち、主に、屋内において、足裏感覚ではなく、白杖の使用で認知可能な高低差を有する凹凸からなる警告パターン及び誘導パターンを有する誘導経路を設置し、移動支援を行う。
経路分岐点には、白杖の使用で認知可能な高低差を有する凹凸からなる警告パターンにより、注意喚起を行う。
本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいては、平滑に近い床面でありながら、視覚障害者の誘導が可能であり、従来のゴムまたは合成樹脂製の「点字ブロック」を用いた誘導よりも床面の凹凸が小さいため、躓き等の危険性が低く、車イスやベビーカー等が走行し易い。
白杖により認知できる床材を移動経路とすることにより、凹凸の少ない床が実現でき、車椅子利用者や高齢者、ベビーカー利用者等多くの人々にとって負担のない屋内環境が実現できる。
白杖によってなら分かるが、その上を歩行しても負担の掛かりづらい高低差を有する凹凸による移動支援により、その他の利用者の転倒や躓き、車椅子利用者等の負担を無くすことができる。
すなわち、本発明は、主に建物内において、主に白杖を使用している視覚障害者の誘導が可能であり、かつ、健常者や車イス使用者にとっても歩行、通行のし易い屋内用視覚障害者誘導用床システムを提供することができるものである。
本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムの構成を示す平面図である。 本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける誘導パターンを示す平面図である。 本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける誘導パターン及び警告パターンを示す平面図である。 本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第1の例)を示す平面図及び側面図である。 本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第2の例)を示す平面図及び側面図である。 本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第3の例)を示す平面図及び側面図である。 本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第4の例)を示す平面図及び側面図である。 本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第5の例)を示す平面図及び側面図である。 本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第6の例)を示す平面図及び側面図である。 警告パターン(平行格子配列)の凸部の面積比と確信度との関係を示すグラフである。 警告パターン(増設千鳥配列)の凸部の面積比と確信度との関係を示すグラフである。 警告パターンにおけるドット形状の種々の例を示す平面図である。 本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第7の例)を示す平面図及び側面図である。 本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第8の例)を示す平面図及び側面図である。 本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第9の例)を示す平面図及び側面図である。 本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第8の例)を示す平面図及び側面図である。 本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第9の例)を示す平面図及び側面図である。 本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第10の例)を示す平面図及び側面図である。 JISに基づく「点字ブロック」の形状を示す平面図及び側面図である。 JISに基づく「点字ブロック」の形状を示す平面図及び側面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムの構成を示す平面図である。
本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムは、図1に示すように、床面上に、視覚障害者により他の領域2と区別され得る視覚障害者誘導領域1を敷設し、この視覚障害者誘導領域1により誘導経路を構成して、視覚障害者を誘導する屋内用視覚障害者誘導用床システムである。誘導経路は、「基点」から、「分岐点」を経て、「目的地」に至って形成される。
この屋内用視覚障害者誘導用床システムは、床面上に、表面が平坦なゴムまたは合成樹脂製の誘導用床タイルを敷設し、この誘導用床タイルにより視覚障害者誘導領域1を構成し、視覚障害者を誘導するように構成することができる。
この屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいては、視覚障害者誘導領域(誘導用床タイル)1の表面は、この視覚障害者誘導領域の他の領域2、例えば、カーペットタイルからなる領域に対して、ほぼ同一の高さとなっている。
また、視覚障害者誘導領域1は、他の領域2に対して、硬度及び/又は摩擦係数が異なる素材により構成することが望ましい。すなわち、この屋内用視覚障害者誘導用床システムは、カーペットタイルなどの通常の床材と、異素材床材との組み合わせによる屋内用視覚障害者誘導用床システムとして構成することができる。例えば、床面にカーペットタイルが敷設された屋内においては、視覚障害者誘導領域1には、カーペットタイルに代えて、誘導用床タイルを視覚障害者を誘導しようとする方向にライン状に並べて敷設して誘導経路とすることができる。
図2は、本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける誘導パターンを示す平面図である。
そして、視覚障害者誘導領域(誘導用床タイル)1には、以下に述べる視覚障害者警告領域3を除いて、誘導パターンが形成されていることが望ましい。この誘導パターンは、図2(a)(b)に示すように、互いの高低差が3mm以内であって、かつ、視覚障害者誘導領域の他の領域の表面に対する高低差が3mm以内である凹部及び凸部1aからなる。そして、これら凹部及び凸部1aは、視覚障害者を誘導しようとする方向の線状パターンをなしている。また、この誘導パターンは、後述する警告パターンとの白杖による誤認を避けるため、線状パターンは、1本乃至2本とすることが望ましい。
誘導パターンは、互いの高低差が3mm以内である凹部及び凸部1aから構成されている。また、これら凹部及び凸部1aは、視覚障害者誘導領域1の他の領域2の表面に対する高低差が3mm以内となっている。
建物内の通路においては、カーペットタイルと、ゴムまたは合成樹脂など(異素材床材)からなる視覚障害者誘導領域1とを組合せて敷設することにより、これらの素材感(硬さ、滑り性、発音性など)の差異により、視覚障害者を誘導することが可能である。なお、ここで「異素材床材」とは、カーペットなどの通常の床材と異なり、表面に繊維製のパイルが形成されていないゴムまたは合成樹脂などからなる床材をいう。
図3は、本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける誘導パターン及び警告パターンを示す平面図である。
そして、本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいては、図3(a)(b)に示すように、視覚障害者誘導領域1が構成する誘導経路は、基点、分岐点、目的地に視覚障害者警告領域3を有している。この視覚障害者警告領域3には、警告パターンが形成されている。
視覚障害者警告領域3は、ゴムまたは合成樹脂製の警告用床タイル(警告ブロック)によって構成することができる。これら警告用床タイルは、視覚障害者誘導領域1をなす誘導用床タイルと同様の材料、または、異なる材料により、同様の厚さ(高さ)に形成され、誘導パターンに代えて、警告パターンが形成されたものである。
図4は、本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第1の例)を示す平面図及び側面図である。
図5は、本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第2の例)を示す平面図及び側面図である。
図6は、本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第3の例)を示す平面図及び側面図である。
警告パターン及び誘導パターンは、白杖によって認識することができ、白杖を使用している視覚障害者に警告及び誘導方向を伝えることが可能なものである。すなわち、警告パターンは、図4乃至図6に示すように、互いの高低差が3mm以内である凹部3a及び凸部3bから構成されている。また、これら凹部3a及び凸部3bは、視覚障害者誘導領域1の他の領域2の表面に対する高低差が3mm以内となっている。
誘導パターン及び誘導パターンの凸部は、従来のJIS9251に規定されている突起の高さよりも低いものである。前述したように、凸部の高さは、3.1〜3.3mmにしても足裏で検知可能であることから、その上を歩行する際には、下肢のバランスを保持するために身体に負担がかかり、躓きの原因となりうる。また、車椅子使用者にはこの突起を越えるために大きな負担を強いられる。ベビーカー利用者にとっては、移動のしづらさや赤ちゃんへの振動の影響が大きい。杖使用者にとっては、歩行バランスを崩す恐れがある。
したがって、凸部の高さを3mm以下にすれば、足裏で検知不可能となり、その上を歩行する際の身体への負担がなくなり、躓きの原因とならない。また、車椅子使用者は、この凸部を越えるための負担がない。ベビーカー利用者にとっても、移動のしづらさや赤ちゃんへの振動の影響がなくなる。杖使用者にとっても、歩行バランスを崩す恐れがない。
警告パターンにおいて、凹部3a及び凸部3bのいずれか一方は、網目状パターンをなし、他方は、ドット状パターンをなしている。図4に示した例では、凹部3aが網目状パターンをなしており、凸部3bがドット状パターンをなしている。
この屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいては、白杖使用者は、白杖で床面を滑らせたり叩いたりした際のカーペットとゴムまたは合成樹脂製の床タイルとの感触や打撃音の違いにより、視覚障害者誘導領域1からなる誘導経路を判別することが可能であり、この誘導経路を辿って「目的地」へ到達することが可能である。また、誘導経路上の「分岐点」においては、視覚障害者警告領域3の警告パターンを白杖での接触により判別することが可能であり、そこが「分岐点」であることを判断することができる。
警告パターンにおける凹部3a及び凸部3bは、後述する実施例に示すように、互いの高低差を1mm以上2mm以内、かつ、視覚障害者誘導領域の他の領域の表面に対する高低差を1mm以上2mm以内としてもよい。この場合には、誘導パターンにおける凹部及び凸部も、警告パターンにおける凹部3a及び凸部3bに揃えて、互いの高低差を1mm以上2mm以内、かつ、視覚障害者誘導領域の他の領域の表面に対する高低差を1mm以上2mm以内とする。
〔警告パターンの形状について〕
警告パターンの形状は、凹部3a及び凸部3bのいずれか一方が網目状パターンをなし、他方がドット状パターンをなすものであり、典型的には、凸部3bをドット状パターンとし、このドットの間を埋める網目状パターンを凹部3aとしたものである。
図4乃至図6に示した警告パターンの形状は、各ドットの形状が円形であって、ドット状パターンにおけるドットの配列が、任意のドットとこのドットに最も近い隣接するドットとを結ぶ線が、視覚障害者を誘導しようとする方向に対して平行、または、直交している平行格子配列となっているものである。
図7は、本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第4の例)を示す平面図及び側面図である。
図8は、本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第5の例)を示す平面図及び側面図である。
図9は、本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第6の例)を示す平面図及び側面図である。
また、警告パターンのドット状パターンにおけるドットの配列は、図7乃至図9に示すように、任意のドットとこのドットに最も近い隣接するドットとを結ぶ線が、視覚障害者を誘導しようとする方向に対して傾斜している千鳥配列としてもよい。
なお、警告パターンのドット状パターンにおけるドットの配列を千鳥配列とした場合には、凹部3a及び凸部3bは、後述の実施例に示すように、互いの高低差を1mm以上1.5mm以内、かつ、視覚障害者誘導領域の他の領域の表面に対する高低差を1mm以上1.5mm以内としてもよい。この場合には、誘導パターンにおける凹部及び凸部も、警告パターンにおける凹部3a及び凸部3bに揃えて、互いの高低差を1mm以上1.5mm以内、かつ、視覚障害者誘導領域の他の領域の表面に対する高低差を1mm以上1.5mm以内とする。
〔警告パターンにおけるドットの面積について〕
本発明における警告パターンにおいては、ドット状パターンを形成する各ドットの面積の合計は、後述の実施例に示すように、視覚障害者警告領域3の面積の5%以上であることが望ましい。
また、ドット状パターンを形成する各ドットの面積の合計は、視覚障害者警告領域3の面積の5%以上60%未満であることが望ましい。
なお、JISに従った「点字ブロック」における凸部上面の面積の全体に対する比率は、3.14%となっている。
また、警告パターンのドット状パターンにおいては、隣接するドットの面積重心間の距離Yは、当該ドットの差渡し寸法Xの3倍以内(Y≦3X)であることが望ましく、さらには、隣接するドットの面積重心間の距離Yは、当該ドットの差渡し寸法Xの1.1倍以上3倍以内(1.1X≦Y≦3X)であることがより望ましい。
〔実施例〕
図4乃至図6に示した警告パターン(平行格子配列(凸部個数64個))、図7乃至図9に示した警告パターン(凸部増設型千鳥配列(凸部個数113個))を用いて、複数の被験者により、警告パターンの検知実験を行った。警告パターンにおける凸部の形状は、円柱型であり、直径は、20mm、30mm及び40mmの3種類で、それぞれについて、高さは、1mm及び2mmの2種類とした。
すなわち、実験に用いた試料の種類は、凸部の配列2種、凸部の直径3種、凸部の高さ2種で、計12種類とした。
警告パターンの材質は、基板として塩化ビニール製タイル(50×50cm)を用いて、凸部として軟質塩化ビニールを用いた。視覚障害者誘導領域の周辺の床面には、カーペットタイルを用いた。
(実験方法)
十字路を模した経路の視覚障害者誘導領域の中央(分岐点)に警告パターンを設け、被験者はその前に立ち、白杖を一振りして警告パターンをなぞり、凸部の検出の可否(検知した、検知しない)及び確信度を確認した。確信度は、「非常に分かりにくかった」乃至「良くわかった」までの5件法により確認した。
被験者の手の甲には、加速度計を取付けて衝撃を計測した。また、白杖を振ることによって発生する音(周辺床面と警告パターンの凹凸差による)が検知に影響するかを把握するため、聴覚遮蔽群としてホワイトノイズを流したヘッドフォンを着用した場合と、非遮蔽群とに分類した。試料には、前述した12種類に、凸部検出の可否のダミーとして、凸部のない(フラットな)塩ビタイルを6枚用意し、計18枚をランダムに提示した。
被験者はすべてアイマスクをし、所定の白杖(長さ120cmのチップタイプ)を使用し、振り方はスライドテクニックとした。
(実験結果)
検知率は12種類の試料ともに100%であり、凸部のない試料を検知した割合(誤答率)は1.3%(2/150回)であった。
聴覚による確信度への影響については、12種類の総平均で、非遮蔽群が3.62±1.2、遮蔽群が3.38±1.2となり、統計的有意差(t=1.26、P値=0.21)はなく、白杖が発する音は検知の確信度にはほとんど影響していないことがわかった。
表1は、平行格子配列の警告パターン(凸部高さ1mm及び2mm)について、各試料における凸部の面積比と、5件法による確信度の平均値との関係を示したものである。
表2は、増設型千鳥配列の警告パターン(凸部高さ1mm及び2mm)について、各試料における凸部の面積比と、5件法による確信度の平均値との関係を示したものである。
図10は、警告パターン(平行格子配列)の凸部の面積比と確信度との関係を示すグラフである。高さ凸部1.5mmの曲線は予測値である。
図11は、警告パターン(増設千鳥配列)の凸部の面積比と確信度との関係を示すグラフである。高さ凸部1.5mmの曲線は予測値である。
この結果、表1及び表2、図10及び図11に示すように、警告パターンを形成する各ドットの面積の合計が、視覚障害者警告領域3の面積の5%以上60%未満であって、警告パターンの凸部高さが3mm以内(1mm〜1.5mm〜2mm)において、十分な確信度が得られていることが確認された。また、同一の条件においては、平行格子配列の警告パターンよりも、増設型千鳥配列の警告パターンのほうが確信度が高いことが確認された。
また、各試料の確信度と手の甲に取付けた加速度計による合成加速度の最大値との関係によると、確信度と加速度の相関係数は、0.93と強い正の相関があることがわかった。また、凸部のない試料に比べ、すべての試料において有意に大きな加速度が生じていること、また、すべての試料の検知率が100%であったことから、手にある程度の衝撃が加われば、警告パターンの検知は可能であることがわった。
以上の結果より、警告パターンの検知の確信度には、凸部の高さと凸部の配列とが影響していることがわった。また、凸部の高さが2mm、凹部の直径30mm、凸部の配列が増設型千鳥配列である場合が、最も高い確信度が得られることが分かった。
さらに、凸部の高さを1mmとした場合においても、検出率は100%であり、検知可能であることが確認された。確信度3を閾値とすると、凸部の高さを1mmとした場合においても、増設型千鳥配列ならば、良好に検知されることが確認された。
〔警告パターンにおけるドット形状の他の例〕
警告パターンにおけるドット形状(凸部の形状)は、前述の実施の形態及び実施例に示したような円形に限定されず、種々の形状とすることができる。
図12は、警告パターンにおけるドット形状の種々の例を示す平面図である。
警告パターンにおけるドット形状は、図12(a)に示す円形の他に、図12(b)に示す三角形、図12(c)に示す四角形、図12(d)に示す六角形、図12(e)に示す五角形、図12(f)に示す星形、図12(g)に示す十字形、図12(h)に示す複数本の突条からなるものなど、種々の形状とすることができる。
図13は、本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第73の例)を示す平面図及び側面図である。
図14は、本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第82の例)を示す平面図及び側面図である。
図15は、本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第97の例)を示す平面図及び側面図である。
図13乃至図15に示す警告パターンの形状は、各ドットの形状が四角形、三角形、または、十字形であって、ドット状パターンにおけるドットの配列が、任意のドットとこのドットに最も近い隣接するドットとを結ぶ線が、視覚障害者を誘導しようとする方向に対して平行、または、直交している平行格子配列となっているものである。
図16は、本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第83の例)を示す平面図及び側面図である。
図17は、本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第92の例)を示す平面図及び側面図である。
図18は、本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおける警告パターンの形状(第107の例)を示す平面図及び側面図である。
また、警告パターンのドット状パターンにおけるドットの配列は、図16乃至図18に示すように、各ドットの形状が四角形、三角形、または、十字形であって、任意のドットとこのドットに最も近い隣接するドットとを結ぶ線が、視覚障害者を誘導しようとする方向に対して傾斜している千鳥配列としてもよい。
〔第2の実施の形態〕
本発明に係る視覚障害者誘導床システムにおいては、図1に示すように、視覚障害者誘導領域1からなる誘導経路上の「基点」「分岐点」「目的地」の近傍に、床面サイン4を設けることとしてもよい。この床面サイン4は、誘導経路に沿って、「基点」「分岐点」「目的地」の近傍に設けられ、視覚障害者(全盲ではなく、例えば、弱視者)にも分かり易く、視覚的に認識され得るように構成されている。
この床面サインは、「基点」や「目的地」、「現在位置」等を案内するものであり、視覚障害者の移動を支援することができる。
〔その他の実施の形態〕
本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいては、カーペットタイルが敷かれた空間では、同じ厚みのゴム乃至合成樹脂製床タイル等を用い、素材の差による誘導経路とする。また、分岐点や目的地に警告パターンの床タイルを設置し、警告を促す。
この場合、施工時の簡易化と低コスト化、安全性、デザイン性の向上を図ることができる。
本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいては、長尺ビニルシートが敷かれた空間では、誘導パターン及び警告パターンを成型した同材を用いて誘導経路とする。
この場合、施工時の簡易化と低コスト化、安全性、デザイン性の向上を図ることができる。
本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいては、Pタイルやビニル製タイル等が敷かれた空間では、カーペット等軟質系素材による素材の差と警告パターンを成型された同材による移動支援乃至は誘導パターンと警告パターンを成型された同材による移動支援とを行う。
この場合、施工時の簡易化と低コスト化、安全性、デザイン性の向上を図ることができる。
本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいては、フローリング等木製の床材が敷かれた空間では、誘導パターンと警告パターンとを成型した木素材、乃至は弾性の異なるゴムまたは合成樹脂素材、フェルト材等を用いて誘導経路とする。
この場合、施工時の簡易化と低コスト化、安全性、デザイン性の向上を図ることができる。
本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいては、リノリウムや石材、コンクリート等の床材空間では、誘導パターンと警告パターンとを成型したシートやタイル、乃至は弾性の異なるゴムまたは合成樹脂素材、フェルト状素材等を上貼りとして用いて、移動支援を行う。
この場合、施工時の簡易化と低コスト化、安全性の向上を図ることができる。
本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいては、仮設的な移動経路を設定する際には、分岐点に警告パターンの形成された、床材と弾性の差があるフェルト状のマット等を敷き、誘導経路とする。
この場合、一時的なバリアフリー化を容易かつ低コストで実現できる。
本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいては、誘導経路に沿って、視覚障害者でも分かり易い床面サインを設置し、基点や目的地、現在位置等の案内を行う。
この場合、目的地や基点への移動を支援できる。
本発明に係る屋内用視覚障害者誘導用床システムにおいては、このような屋内移動支援によって、従来は目的地への単独移動が困難であった状況を改善でき、視覚障害者の行動範囲を大きく広げることが可能となる。
〔本発明に付随する技術〕
なお、本発明に付随して、床素材と誘導経路の素材とを変えた際に、白杖を使ったときの素材の硬さの違い、抵抗感の違いを認知することができるかどうかの、検知可否の評価システムを構成し、使用することが好ましい。例えば、白杖乃至白状を握った手にセンサーを取り付け、床の硬さや抵抗感の違いを数値計測し、感性評価を加えることで、検知の可否を定量的なデータによって評価する検知可否システムである。このような検知可否の評価システムを確立することにより、屋内における床材を使った移動支援導入の一般化を図ることができ、幅広い導入を期待することができる。
また、施設の状況を事前に案内するためのガイダンス手法を確立することが好ましい。例えば、誘導経路が記された触地図と経路案内テキストを利用者に提供するための手法であり、初めてその空間に訪れる人でも目的の場所に到達でき、かつ戻ってくることを目的とするガイダンス手法である。このガイダンス手法を確立することにより、目的地への確実な案内を実現することができる。
さらに、床素材の違いや足裏では分からない小さな凸部による移動支援を利用するための訓練手法を確立することが好ましい。すなわち、点字ブロックの利用に慣れた利用者の中には、小さな凸部の移動支援を事前の訓練無しには使いこなせない場合もあり、白杖の扱い方やこれらの移動支援の仕組みを理解してもらう訓練手法の確立が求められる。このような訓練手法を確立することにより、移動支援の利用スキルを高めることができる。
本発明は、主に屋内において、視覚障害者を誘導する屋内用視覚障害者誘導用床システムに適用される。
1 視覚障害者誘導領域
2 その他の領域
3 視覚障害者警告領域
3a 凹部
3b 凸部
4 床面サイン

Claims (12)

  1. 床面上に、視覚障害者により他の領域と区別され得る視覚障害者誘導領域を敷設し、この視覚障害者誘導領域により誘導経路を構成して、視覚障害者を誘導する屋内用視覚障害者誘導用床システムであって、
    前記誘導経路は、分岐点に視覚障害者警告領域を有し、この視覚障害者警告領域には、警告パターンが形成されており、
    前記警告パターンは、互いの高低差が1mm以上3mm以内であって、かつ、視覚障害者誘導領域の他の領域の表面に対する高低差が1mm以上3mm以内である凹部及び凸部からなり、これら凹部及び凸部のいずれか一方は、網目状パターンをなし、他方は、ドット状パターンをなしており、
    白杖により前記警告パターンをなぞることによって前記凸部の検知が可能である
    ことを特徴とする屋内用視覚障害者誘導用床システム。
  2. 前記視覚障害者誘導領域には、前記視覚障害者警告領域を除いて、誘導パターンが形成されており、
    前記誘導パターンは、互いの高低差が1mm以上3mm以内であって、かつ、視覚障害者誘導領域の他の領域の表面に対する高低差が1mm以上3mm以内である凹部及び凸部からなり、これら凹部及び凸部は、視覚障害者を誘導しようとする方向の1本乃至2本の線状パターンをなしており、
    白杖により前記誘導パターンをなぞることによって前記凸部の検知が可能である
    ことを特徴とする請求項1記載の屋内用視覚障害者誘導用床システム。
  3. 前記警告パターンをなす凹部及び凸部は、互いの高低差が1mm以上2mm以内であって、かつ、視覚障害者誘導領域の他の領域の表面に対する高低差が1mm以上2mm以内である
    ことを特徴とする請求項1記載の屋内用視覚障害者誘導用床システム。
  4. 前記視覚障害者誘導領域には、前記視覚障害者警告領域を除いて、誘導パターンが形成されており、
    前記誘導パターンは、互いの高低差が1mm以上2mm以内であって、かつ、視覚障害者誘導領域の他の領域の表面に対する高低差が1mm以上2mm以内である凹部及び凸部からなり、これら凹部及び凸部は、視覚障害者を誘導しようとする方向の1本乃至2本の線状パターンをなしている
    ことを特徴とする請求項3記載の屋内用視覚障害者誘導用床システム。
  5. 前記警告パターンをなす凹部及び凸部は、互いの高低差が1mm以上1.5mm以内であって、かつ、視覚障害者誘導領域の他の領域の表面に対する高低差が1mm以上1.5mm以内であり
    前記ドット状パターンにおけるドットの配列は、任意のドットとこのドットに最も近い隣接するドットとを結ぶ線が、視覚障害者を誘導しようとする方向に対して傾斜している千鳥配列となっている
    ことを特徴とする請求項1記載の屋内用視覚障害者誘導用床システム。
  6. 前記視覚障害者誘導領域には、前記視覚障害者警告領域を除いて、誘導パターンが形成されており、
    前記誘導パターンは、互いの高低差が1mm以上1.5mm以内であって、かつ、視覚障害者誘導領域の他の領域の表面に対する高低差が1mm以上1.5mm以内である凹部及び凸部からなり、これら凹部及び凸部は、視覚障害者を誘導しようとする方向の1本乃至2本の線状パターンをなしている
    ことを特徴とする請求項5記載の屋内用視覚障害者誘導用床システム。
  7. 前記警告パターンにおいて、ドット状パターンを形成する各ドットの面積の合計は、前記視覚障害者警告領域の面積の5%以上である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の屋内用視覚障害者誘導用床システム。
  8. 前記警告パターンにおいて、ドット状パターンを形成する各ドットの面積の合計は、前記視覚障害者警告領域の面積の5%以上60%未満である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の屋内用視覚障害者誘導用床システム。
  9. 前記警告パターンのドット状パターンにおいて、隣接するドットの面積重心間の距離は、当該ドットの差渡し寸法の3倍以内である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一に記載の屋内用視覚障害者誘導用床システム。
  10. 前記警告パターンのドット状パターンにおいて、隣接するドットの面積重心間の距離は、当該ドットの差渡し寸法の1.1倍以上3倍以内である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一に記載の屋内用視覚障害者誘導用床システム。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか一に記載の前記視覚障害者誘導領域
    前記視覚障害者誘導領域の周囲の他の領域とからなり、
    前記視覚障害者誘導領域は、前記他の領域に対して硬度及び/又は摩擦係数が異なっており、移動経路となる前記視覚障害者誘導領域が白杖により認知でき
    ことを特徴とする屋内用視覚障害者誘導用床システム。
  12. 前記分岐点の近傍には、視覚障害者により視覚的に認識され得る床面サインが設けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一に記載の屋内用視覚障害者誘導用床システム。
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