JP3599311B2 - インターネットファクシミリ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターネットサービスプロバイダにダイアルアップ接続し、インターネットに接続するとともに、電子メールを用いて、インターネット上でファクシミリデータをやりとりするインターネットファクシミリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ローカルエリアネットワークに接続され、ローカルエリアネットワークを介してインターネットに接続するとともに、電子メールを用いて、インターネット上でファクシミリデータをやりとりするインターネットファクシミリ装置が実用されている。
【0003】
このようなインターネットファクシミリ装置を利用すると、インターネットを介して、遠隔地間でのファクシミリデータのやりとりを行うことができ、通信料金を安価に抑えることができ、便利である。
【0004】
また、このようなインターネットファクシミリ装置では、RFC(後述)2305などに規定されている技術を利用して、電子メールを用いてインターネット上でファクシミリデータをやりとりするので、インターネットに接続可能なあらゆるホスト装置(ワークステーション装置など)などとの間でファクシミリデータのやりとりが可能となり、ファクシミリネットワークをより柔軟に構築することができるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インターネットファクシミリ装置をインターネットへ接続する形態としては、上述したようなローカルエリアネットワークを介して常時インターネットへ接続する形態以外に、インターネットサービスプロバイダにダイアルアップ接続し、インターネットサービスプロバイダを介してインターネットに接続する、ダイアルアップ接続の形態がある。
【0006】
このようなダイアルアップ接続形態を適用するインターネットファクシミリ装置も、上述したインターネット常時接続形態を適用するインターネットファクシミリ装置と同様に、インターネットへ接続した後に、所定のメールサーバへログインし、自端末宛の電子メールがメールサーバに保存されている場合には、その着信電子メールをメールサーバより受信するとともに、自端末が送信する電子メールが有る場合には、その送信電子メールをメールサーバへ送信する。
【0007】
ここで、インターネットファクシミリ装置が電子メールを用いてやりとりするファクシミリデータは、元々が画像データであり、比較的データ量が大きいため、インターネットファクシミリ装置が電子メールを受信する際、そのデータ量が非常に大きくなる場合があり、通信料金が嵩むという事態を生じる。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、通信料金を低減できるインターネットファクシミリ装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、インターネットサービスプロバイダにダイアルアップ接続し、インターネットに接続するとともに、電子メールを用いて、インターネット上でファクシミリデータをやりとりするインターネットファクシミリ装置において、インターネットサービスプロバイダにダイアルアップ接続し、所定のメールサーバより電子メールを受信するとき、その電子メールのサイズが所定値よりも大きいときには、あらかじめ定められた時間帯に限って受信するとともに、上記電子メールのサイズが所定値以下の場合には、その電子メールを上記メールサーバより取得する制御手段を備えたものである。
【0010】
また、前記制御手段は、前記電子メールのサイズが所定値よりも大きく、かつ、そのときの時刻が上記時間帯に含まれないため前記メールサーバより取得しないときには、着信した電子メールがある旨を可視表示してユーザへ通知する。
【0011】
また、インターネットサービスプロバイダにダイアルアップ接続し、インターネットに接続するとともに、電子メールを用いて、インターネット上でファクシミリデータをやりとりするインターネットファクシミリ装置において、インターネットサービスプロバイダにダイアルアップ接続し、所定のメールサーバより電子メールを受信するとき、その電子メールのサイズが所定値よりも大きく、かつ、そのときの時刻があらかじめ定められた時間帯以外である場合には、その電子メールの所定のヘッダ情報のみを受信し、受信したヘッダ情報の所定のフィールド情報を付加した状態で着信した電子メールがある旨をユーザへ通知するとともに、上記電子メールのサイズが所定値以下の場合、あるいは、上記電子メールのサイズが所定値よりも大きく、かつ、そのときの時刻が上記あらかじめ定められた時間帯に含まれる場合には、その電子メールを上記メールサーバより取得する制御手段を備えたものである。
【0012】
また、前記制御手段は、前記着信した電子メールがある旨をユーザへ通知した際に、ユーザより取得が指定された電子メールは、前記メールサーバより強制的に取得する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施例にかかるインターネットファクシミリシステムの一例を示している。
【0015】
同図において、インターネットファクシミリ装置IFは、公衆電話網PSTNへ接続されており、公衆電話網PSTNを介してインターネットサービスプロバイダISPへ接続し、このインターネットサービスプロバイダISPを介して、インターネットINETへと接続される。
【0016】
また、このインターネットファクシミリ装置IFは、インターネットINETに接続された所定のメールサーバ装置MSに対して、メールアカウントを持っており、このメールサーバ装置MSを経由して、電子メールを利用したファクシミリデータのやりとりが可能である。
【0017】
図2は、インターネットファクシミリ装置IFの構成例を示している。
【0018】
同図において、システム制御部1は、このインターネットファクシミリ装置IFの各部の制御処理、および、上位ファクシミリ伝送制御処理などの各種制御処理を行うものであり、システムメモリ2は、システム制御部1が実行する制御処理プログラム、および、処理プログラムを実行するときに必要な各種データなどを記憶するとともに、システム制御部1のワークエリアを構成するものであり、パラメータメモリ3は、このインターネットファクシミリ装置IFに固有な各種の情報を記憶するためのものであり、時計回路4は、現在時刻情報を出力するものである。
【0019】
スキャナ5は、所定の解像度で原稿画像を読み取るためのものであり、プロッタ6は、所定の解像度で画像を記録出力するためのものであり、操作表示部7は、このインターネットファクシミリ装置IFを操作するためのもので、各種の操作キー、および、各種の表示器からなる。
【0020】
符号化復号化部8は、画信号を符号化圧縮するとともに、符号化圧縮されている画情報を元の画信号に復号化するためのものであり、画像蓄積装置9は、符号化圧縮された状態の画情報を多数記憶するためのものである。
【0021】
網制御装置10は、他のグループ3ファクシミリ装置との間でファクシミリ画情報をやりとりするために、このインターネットファクシミリ装置IFを公衆電話網PSTNに接続するためのものであり、自動発着信機能を備えている。
【0022】
グループ3ファクシミリモデム11は、グループ3ファクシミリのモデム機能を実現するためのものであり、伝送手順信号をやりとりするための低速モデム機能(V.21モデム)、および、おもに画情報をやりとりするための高速モデム機能(V.17モデム、V.34モデム、V.29モデム、V.27terモデムなど)を備えている。
【0023】
グループ3ファクシミリ伝送制御部12は、公衆電話網PSTNに接続された他のグループ3ファクシミリ装置との間で所定のグループ3ファクシミリ伝送制御手順を実行して、画情報をやりとりするためのものである。
【0024】
網制御装置13は、インターネットサービスプロバイダISPへ接続するために、このインターネットファクシミリ装置IFを公衆電話網PSTNに接続するためのものであり、自動発着信機能を備えている。
【0025】
データミリモデム14は、インターネットサービスプロバイダISPとの間でデータをやりとりするためのものであり、インターネット伝送制御部15は、インターネットINETを利用して電子メールなどのデータをやりとりする際の所定のプロトコル処理などを実行するためのものである。
【0026】
これらの、システム制御部1、システムメモリ2、パラメータメモリ3、時計回路4、スキャナ5、プロッタ6、操作表示部7、符号化復号化部8、画像蓄積装置9、網制御装置10,13、グループ3ファクシミリ伝送制御部12、および、インターネット伝送制御部13は、内部バス16に接続されており、これらの各要素間でのデータのやりとりは、主としてこの内部バス14を介して行われている。
【0027】
また、網制御装置10とグループ3ファクシミリモデム11との間のデータのやりとり、グループ3ファクシミリモデム11とグループ3ファクシミリ伝送制御部12との間のデータのやりとり、網制御装置13とデータモデム14との間のデータのやりとり、および、データモデム14とインターネット伝送制御部15との間のデータのやりとりは、それぞれ直接行なわれている。
【0028】
また、このインターネットファクシミリ装置IFには、メールサーバ装置MSへ接続して電子メールをやりとりするための情報として、図3に示すような各種情報が記憶されている。これらの情報は、パラメータメモリ3に記憶される。
【0029】
まず、ISP電話番号は、インターネットサービスプロバイダISPのアクセスポイントへ発呼するための電話番号であり、ISP用ユーザ名は、インターネットサービスプロバイダISPに登録しているユーザ名であり、ISP用パスワードは、インターネットサービスプロバイダISPへログインするときに適用されるパスワードであり、メールアドレスは、メールサーバ装置MSに登録しているユーザ名であり、POP(後述)サーバ名は、メールサーバ装置MSに付されている着信メール配信サービス用のサーバ名であり、POPサーバ用パスワードは、メールサーバ装置MSに対してPOP手順でログインする際に適用されるパスワードである。
【0030】
ここで、インターネットINETを利用する端末相互間でのデータのやりとりは、いわゆるTCP/IPと呼ばれるトランスポートレイヤまでの伝送プロトコルと、それ以上の上位レイヤの通信プロトコルとの組み合わせ(いわゆるプロトコルスイート)が適用して行われる。例えば、電子メールのデータのやりとりでは上位レイヤの通信プロトコルとしてSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)という通信プロトコルが適用される。
【0031】
また、各端末がメールサーバ装置MSに対して、ユーザ宛の電子メールの受信確認や電子メールの取得要求などのために適用するプロトコルとしては、いわゆるPOP(Post Office Protocol)などを適用することができる。
【0032】
また、ファクシミリデータ(画情報)はバイナリデータであり、電子メールには、直接バイナリデータを含ませることができないので、所定の変換方法(例えば、Base64符号化方法)を適用して可読情報(7ビットのキャラクタコード)に変換した状態で、電子メールの本文情報に含められる。このような電子メールの本文情報の形式をMIME形式という。
【0033】
このようなTCP/IP,SMTP,POPなどの通信プロトコル、電子メールのデータ形式やデータ構造、あるいは、インターネットファクシミリ装置IFが利用する電子メールの形式などについては、それぞれIETF(Internet Engineering Task Force)というインターネットに関する技術内容をまとめている組織から発行されているRFC(Request For Comments)文書により規定されている。例えば、TCPはRFC793、IPはRFC793、SMTPはRFC821、電子メールの形式は、RFC822,RFC1521,RFC1522(MIME(MultiPurpose Mail Extension)形式)などでそれぞれ規定されている。また、インターネットファクシミリ装置IFが利用する電子メールの形式は、RFC2305に規定されている。また、インターネットファクシミリ装置IFについての他の技術については、RFC2301〜2304,2306にも規定されている。
【0034】
以上の構成で、このインターネットファクシミリ装置IFがメールサーバ装置MSより電子メールを取得する際の処理の一例を図4に示す。
【0035】
この電子メール取得処理は、所定の時間間隔で起動されるタイマイベント処理であり、まず、インターネットファクシミリ装置IFは、インターネットサービスプロバイダISPのアクセスポイントへ発呼して、インターネットサービスプロバイダISPとの間で、ISP用ユーザ名およびISP用パスワードを用いた所定のログイン手順を実行して、インターネットサービスプロバイダISPへ接続する(処理101)。
【0036】
次いで、所定のPOP手順に従って、POPサーバ名として記憶しているメールサーバー装置MSへ、メールアドレスおよびPOPサーバ用パスワードを用いてログインし(処理102)、そのログインが正常に終了すると(判断103の結果がYES)、メールサーバ装置MSより、自端末宛の着信メール数(未処理メール数)を取得して、その取得した未処理メール数を変数MCへ代入する(処理104)。
【0037】
次に、処理中のメールの順番を保持するためのメールポインタMPの値を1に初期設定し(処理105)、(MC−MP)の値が0よりも小さくなっているかどうかを調べる(判断106)。
【0038】
判断106の結果がNOになるときには、未処理メールの処理が全て終了していない場合なので、POPのLISTコマンドを用いてメールポインタMPの値に対応したMP番目のメールをチェックする(処理107)。これにより、メールサーバ装置MSは、インターネットファクシミリ装置IF宛の電子メールのうち、MP番目のものの所定のヘッダ情報および電子メールのデータ量などを、インターネットファクシミリ装置IFへ送出する。
【0039】
このメールサーバ装置MSより受信したデータに基づいて、インターネットファクシミリ装置IFでは、MP番目の電子メールのデータ量が所定値(例えば、512KBなど)を超えた大きなメールであり、かつ、そのときに時計回路4より得た現在時刻が、あらかじめ定められている再取得時間外であるかどうかを調べる(判断108)。
【0040】
ここで、MP番目の電子メールのデータ量が所定値以下の小さいものである場合、あるいは、時計回路4より得た現在時刻が再取得時間内である場合には、判断108の結果がNOになる。このように、判断108の結果がNOになる場合には、POPのRETRコマンドを用いてMP番目の電子メールをメールサーバ装置MSより取得し(処理109)、POPのDELEコマンドを用いてその取得したMP番目の電子メールをメールサーバ装置MSより消去する(処理110)。
【0041】
次いで、メールポインタMPの値を1つ増やして(処理111)、判断106へ戻り、未処理メールについての処理を、同様にして実行する。
【0042】
また、MP番目の電子メールのデータ量が大きなメールであり、かつ、そのときに時計回路4より得た現在時刻が再取得時間外である場合で、判断108の結果がYESになるときには、そのMP番目の電子メールを取得すると、通信料金が嵩むことになるので、この時点では、そのMP番目の電子メールは取得しない。したがって、処理111へ移行し、メールポインタMPの値を1つ増やして判断106へ戻り、未処理メールについての処理を、同様にして実行する。
【0043】
また、全ての未処理メールについての処理が終了した場合で、判断106の結果がYESになるときには、所定のPOP手順によりメールサーバ装置MSからログアウトし(処理112)、インターネットサービスプロバイダISPより切断して(処理113)、この処理を終了する。
【0044】
また、メールサーバ装置MSへのログインが正常に終了せず、判断103の結果がNOになるときには、処理113へ進み、インターネットサービスプロバイダISPより切断して、この処理を終了する。
【0045】
このようにして、本実施例では、インターネットファクシミリ装置IFは、メールサーバ装置MSに保存されている自端末宛の電子メールのうち、データ量が大きなものについては、時間帯を限って取得するようにしているので、その時間帯を通信料金が安価な夜間などに設定することで、ファクシミリデータを運ぶ電子メールを受信する際の通信料を大幅に低減することができる。
【0046】
また、自端末宛の電子メールのうち、データ量が大きくないものについては、即メールサーバ装置MSより取得するので、通信の即時性が保たれる。
【0047】
ところで、上述した実施例では、インターネットファクシミリ装置IFがメールサーバ装置MSに対して、着信メールをチェックしに行った際、データ量が大きな電子メールについては、その時点で着信しない場合があるが、ユーザ側では、そのような事情を知り得ないので、インターネットファクシミリ装置IFの作動状況をユーザが把握できないと言う事態を生じる。これを避けるためには、その旨をユーザに通知するようにするとよい。
【0048】
図5は、この場合に、このインターネットファクシミリ装置IFがメールサーバ装置MSより電子メールを取得する際の処理の一例を示している。
【0049】
この電子メール取得処理は、所定の時間間隔で起動されるタイマイベント処理であり、まず、インターネットファクシミリ装置IFは、インターネットサービスプロバイダISPのアクセスポイントへ発呼して、インターネットサービスプロバイダISPとの間で、ISP用ユーザ名およびISP用パスワードを用いた所定のログイン手順を実行して、インターネットサービスプロバイダISPへ接続する(処理201)。
【0050】
次いで、所定のPOP手順に従って、POPサーバ名として記憶しているメールサーバー装置MSへ、メールアドレスおよびPOPサーバ用パスワードを用いてログインし(処理202)、そのログインが正常に終了すると(判断203の結果がYES)、メールサーバ装置MSより、自端末宛の着信メール数(未処理メール数)を取得して、その取得した未処理メール数を変数MCへ代入する(処理204)。
【0051】
次に、処理中のメールの順番を保持するためのメールポインタMPの値を1に初期設定し(処理205)、(MC−MP)の値が0よりも小さくなっているかどうかを調べる(判断206)。
【0052】
判断206の結果がNOになるときには、未処理メールの処理が全て終了していない場合なので、POPのLISTコマンドを用いてメールポインタMPの値に対応したMP番目のメールをチェックする(処理207)。これにより、メールサーバ装置MSは、インターネットファクシミリ装置IF宛の電子メールのうち、MP番目のものの所定のヘッダ情報および電子メールのデータ量などを、インターネットファクシミリ装置IFへ送出する。
【0053】
このメールサーバ装置MSより受信したデータに基づいて、インターネットファクシミリ装置IFでは、MP番目の電子メールのデータ量が所定値(例えば、512KBなど)を超えた大きなメールであり、かつ、そのときに時計回路4より得た現在時刻が、あらかじめ定められている再取得時間外であるかどうかを調べる(判断208)。
【0054】
ここで、MP番目の電子メールのデータ量が所定値以下の小さいものである場合、あるいは、時計回路4より得た現在時刻が再取得時間内である場合には、判断208の結果がNOになる。このように、判断208の結果がNOになる場合には、POPのRETRコマンドを用いてMP番目の電子メールをメールサーバ装置MSより取得し(処理209)、POPのDELEコマンドを用いてその取得したMP番目の電子メールをメールサーバ装置MSより消去する(処理210)。
【0055】
次いで、メールポインタMPの値を1つ増やして(処理211)、判断206へ戻り、未処理メールについての処理を、同様にして実行する。
【0056】
また、MP番目の電子メールのデータ量が大きなメールであり、かつ、そのときに時計回路4より得た現在時刻が再取得時間外である場合で、判断208の結果がYESになるときには、そのMP番目の電子メールを取得すると、通信料金が嵩むことになるので、この時点では、そのMP番目の電子メールは取得しない。
【0057】
したがって、この場合には、MP番目の着信メールを取得しない旨を操作表示部7に表示出力するか、あるいは、MP番目の着信メールを取得しない旨を通知するためのレポートを作成してそのレポートをプロッタ6より記録出力し(処理121)、次いで、処理211へ移行し、メールポインタMPの値を1つ増やして判断206へ戻り、未処理メールについての処理を、同様にして実行する。
【0058】
また、全ての未処理メールについての処理が終了した場合で、判断206の結果がYESになるときには、所定のPOP手順によりメールサーバ装置MSからログアウトし(処理213)、インターネットサービスプロバイダISPより切断して(処理214)、この処理を終了する。
【0059】
また、メールサーバ装置MSへのログインが正常に終了せず、判断203の結果がNOになるときには、処理214へ進み、インターネットサービスプロバイダISPより切断して、この処理を終了する。
【0060】
このようにして、本実施例では、着信メールをメールサーバ装置MSより取得しない状況が生じると、その旨を操作表示部7に表示出力するか、あるいは、着信メールを取得しない旨を通知するためのレポートを作成してそのレポートをプロッタ6より記録出力しているので、ユーザは、インターネットファクシミリ装置IFの動作状況を把握でき、運用上好ましい。
【0061】
なお、着信メールをメールサーバ装置MSより取得しない状況が生じた場合に、その旨を操作表示部7に表示出力するか、あるいは、そのレポートをプロッタ6より記録出力するかの動作の選択は、ユーザが操作して選択する。
【0062】
図6は、このインターネットファクシミリ装置IFがメールサーバ装置MSより電子メールを取得する際の処理の他の例を示している。
【0063】
この電子メール取得処理は、所定の時間間隔で起動されるタイマイベント処理であり、まず、インターネットファクシミリ装置IFは、インターネットサービスプロバイダISPのアクセスポイントへ発呼して、インターネットサービスプロバイダISPとの間で、ISP用ユーザ名およびISP用パスワードを用いた所定のログイン手順を実行して、インターネットサービスプロバイダISPへ接続する(処理301)。
【0064】
次いで、所定のPOP手順に従って、POPサーバ名として記憶しているメールサーバー装置MSへ、メールアドレスおよびPOPサーバ用パスワードを用いてログインし(処理302)、そのログインが正常に終了すると(判断303の結果がYES)、メールサーバ装置MSより、自端末宛の着信メール数(未処理メール数)を取得して、その取得した未処理メール数を変数MCへ代入する(処理304)。
【0065】
次に、処理中のメールの順番を保持するためのメールポインタMPの値を1に初期設定し(処理305)、(MC−MP)の値が0よりも小さくなっているかどうかを調べる(判断306)。
【0066】
判断306の結果がNOになるときには、未処理メールの処理が全て終了していない場合なので、POPのLISTコマンドを用いてメールポインタMPの値に対応したMP番目のメールをチェックする(処理307)。これにより、メールサーバ装置MSは、インターネットファクシミリ装置IF宛の電子メールのうち、MP番目のものの所定のヘッダ情報および電子メールのデータ量などを、インターネットファクシミリ装置IFへ送出する。
【0067】
このメールサーバ装置MSより受信したデータに基づいて、インターネットファクシミリ装置IFでは、MP番目の電子メールのデータ量が所定値(例えば、512KBなど)を超えた大きなメールであり、かつ、そのときに時計回路4より得た現在時刻が、あらかじめ定められている再取得時間外であるかどうかを調べる(判断308)。
【0068】
ここで、MP番目の電子メールのデータ量が所定値以下の小さいものである場合、あるいは、時計回路4より得た現在時刻が再取得時間内である場合には、判断308の結果がNOになる。このように、判断308の結果がNOになる場合には、POPのRETRコマンドを用いてMP番目の電子メールをメールサーバ装置MSより取得し(処理309)、POPのDELEコマンドを用いてその取得したMP番目の電子メールをメールサーバ装置MSより消去する(処理310)。
【0069】
次いで、メールポインタMPの値を1つ増やして(処理311)、判断306へ戻り、未処理メールについての処理を、同様にして実行する。
【0070】
また、MP番目の電子メールのデータ量が大きなメールであり、かつ、そのときに時計回路4より得た現在時刻が再取得時間外である場合で、判断308の結果がYESになるときには、そのMP番目の電子メールを取得すると、通信料金が嵩むことになるので、この時点では、そのMP番目の電子メールは取得しない。
【0071】
したがって、この場合には、POPのTOPコマンドを用いてMP番目の電子メールの所定の情報(ヘッダ情報および本文情報の一部)をメールサーバ装置MSより取得し(処理312)、その取得した情報のうち所定の情報(例えば、ヘッダ情報の「From」フィールドの内容や、「Subject]フィールドの内容など)を配置するとともにMP番目の着信メールを取得しない旨を操作表示部7に表示出力するか、あるいは、その取得した情報のうち所定の情報を配置するとともにMP番目の着信メールを取得しない旨を通知するためのレポートを作成してそのレポートをプロッタ6より記録出力し(処理313)、次いで、処理311へ移行し、メールポインタMPの値を1つ増やして判断306へ戻り、未処理メールについての処理を、同様にして実行する。
【0072】
また、全ての未処理メールについての処理が終了した場合で、判断306の結果がYESになるときには、所定のPOP手順によりメールサーバ装置MSからログアウトし(処理314)、インターネットサービスプロバイダISPより切断して(処理315)、この処理を終了する。
【0073】
また、メールサーバ装置MSへのログインが正常に終了せず、判断303の結果がNOになるときには、処理315へ進み、インターネットサービスプロバイダISPより切断して、この処理を終了する。
【0074】
このようにして、本実施例では、着信メールをメールサーバ装置MSより取得しない状況が生じると、その着信メールの発信元や件名などの情報をメールサーバ装置MSより取得して、その取得した情報を通知するとともにその着信メールは取得しない旨を操作表示部7に表示出力するか、あるいは、着信メールを取得しない旨を通知するためのレポート(発信元や件名などの情報付き)を作成してそのレポートをプロッタ6より記録出力しているので、ユーザは、取得されない電子メールの発信元や件名を知ることができ、インターネットファクシミリ装置IFの動作状況を把握でき、運用上好ましい。
【0075】
また、この場合、その表示あるいはレポートを見たユーザが、緊急に取得したい電子メールであると認識すると、強制取得をインターネットファクシミリ装置IFへ指令する。
【0076】
それにより、インターネットファクシミリ装置IFは、上述した処理と同様にして、メールサーバ装置MSへログインし、そのときに残っている着信メールを取得する。
【0077】
このようにすることで、緊急通信などのファクシミリデータを迅速に取得することができるので、このインターネットファクシミリ装置IFの運用を円滑に行うことができる。
【0078】
なお、着信メールをメールサーバ装置MSより取得しない状況が生じた場合に、その旨を操作表示部7に表示出力するか、あるいは、そのレポートをプロッタ6より記録出力するかの動作の選択は、ユーザが操作して選択する。
【0079】
なお、上述した実施例では、メールサーバ装置MSより電子メールを取得する際の動作についてのみ説明したが、取得した電子メールの処理については、適宜な処理を行うことができる。
【0080】
例えば、電子メールの最終宛先として、公衆電話網PSTNに接続された他のグループ3ファクシミリ装置が指定されている場合には、その電子メールの本文情報に配置されているファクシミリデータを、グループ3ファクシミリ装置が受信可能な画情報へ変換し、指定された宛先へ発呼して、変換後の画情報を送信する(中継動作)。
【0081】
また、最終宛先として、自端末が指定されている場合には、取得した電子メールを保存し、その本文情報に配置されているファクシミリデータを、ユーザが適宜に参照/使用/記録出力できるようにする。
【0082】
なお、上述した実施例では、メールサーバ装置MSへログインする際の手順としてPOPを用いているが、他のプロトコルを使用することもできる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、インターネットファクシミリ装置は、メールサーバ装置に保存されている自端末宛の電子メールのうち、データ量が大きなものについては、時間帯を限って取得するようにしているので、その時間帯を通信料金が安価な夜間などに設定することで、ファクシミリデータを運ぶ電子メールを受信する際の通信料を、大幅に低減することができるという効果を得る。
【0084】
また、着信メールをメールサーバ装置より取得しない状況が生じると、その旨を可視出力しているので、ユーザは、インターネットファクシミリ装置の動作状況を把握でき、運用上好ましいという効果も得る。
【0085】
また、着信メールをメールサーバ装置より取得しない状況が生じると、その着信メールの発信元や件名などの情報をメールサーバ装置より取得して、その取得した情報を通知するとともにその着信メールは取得しない旨を可視出力しているので、ユーザは、取得されない電子メールの発信元や件名を知ることができ、インターネットファクシミリ装置の動作状況を把握でき、運用上好ましいという効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかるインターネットファクシミリシステムの一例を示したブロック図。
【図2】インターネットファクシミリ装置IFの構成例を示したブロック図。
【図3】メールサーバ装置へ接続して電子メールをやりとりするための各種情報の一例を示した概略図。
【図4】このインターネットファクシミリ装置IFがメールサーバ装置MSより電子メールを取得する際の処理の一例を示したフローチャート。
【図5】このインターネットファクシミリ装置IFがメールサーバ装置MSより電子メールを取得する際の処理の他の例を示したフローチャート。
【図6】このインターネットファクシミリ装置IFがメールサーバ装置MSより電子メールを取得する際の処理のさらに他の例を示したフローチャート。
【符号の説明】
IF インターネットファクシミリ装置
MS メールサーバ装置

Claims (4)

  1. インターネットサービスプロバイダにダイアルアップ接続し、インターネットに接続するとともに、電子メールを用いて、インターネット上でファクシミリデータをやりとりするインターネットファクシミリ装置において、
    インターネットサービスプロバイダにダイアルアップ接続し、所定のメールサーバより電子メールを受信するとき、その電子メールのサイズが所定値よりも大きいときには、あらかじめ定められた時間帯に限って受信するとともに、上記電子メールのサイズが所定値以下の場合には、その電子メールを上記メールサーバより取得する制御手段を備えたことを特徴とするインターネットファクシミリ装置。
  2. 前記制御手段は、前記電子メールのサイズが所定値よりも大きく、かつ、そのときの時刻が上記時間帯に含まれないため前記メールサーバより取得しないときには、着信した電子メールがある旨を可視表示してユーザへ通知することを特徴とする請求項1記載のインターネットファクシミリ装置。
  3. インターネットサービスプロバイダにダイアルアップ接続し、インターネットに接続するとともに、電子メールを用いて、インターネット上でファクシミリデータをやりとりするインターネットファクシミリ装置において、
    インターネットサービスプロバイダにダイアルアップ接続し、所定のメールサーバより電子メールを受信するとき、その電子メールのサイズが所定値よりも大きく、かつ、そのときの時刻があらかじめ定められた時間帯以外である場合には、その電子メールの所定のヘッダ情報のみを受信し、受信したヘッダ情報の所定のフィールド情報を付加した状態で着信した電子メールがある旨をユーザへ通知するとともに、上記電子メールのサイズが所定値以下の場合、あるいは、上記電子メールのサイズが所定値よりも大きく、かつ、そのときの時刻が上記あらかじめ定められた時間帯に含まれる場合には、その電子メールを上記メールサーバより取得する制御手段を備えたことを特徴とするインターネットファクシミリ装置。
  4. 前記制御手段は、前記着信した電子メールがある旨をユーザへ通知した際に、ユーザより取得が指定された電子メールは、前記メールサーバより強制的に取得することを特徴とする請求項3記載のインターネットファクシミリ装置。
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