JP3598671B2 - モータ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、電動工具等に適用される交流モータの回転速度を制御するモータ制御装置に関し、特に全波位相制御されるスイッチング素子の導通角を電源周波数の変動に応じて補正することができるモータ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は、電動工具等の交流モータの速度制御に使用される従来のモータ制御装置の回路図である。同図において、交流電源eの両端には交流モータMおよび速度制御用のトライアックTAが直列に接続されいる。また、交流電源eの両端には、可変抵抗VRとコンデンサCの直列回路が並列に接続され、さらにコンデンサCの両端にはトライアックTAのゲート・カソード間がダイアックDAを介して接続されており、このダイアックDA、可変抵抗VRおよびコンデンサCは全波の位相制御回路を構成している。
【0003】
また、トライアックTAの両端には、トライアックTAを短絡することにより交流電源eの全電圧を印加して交流モータMをフル回転させるオン・オフスイッチSWが並列に接続されている。
【0004】
この構成において、図9に示すように、交流電源eの正の半サイクル電圧121が印加されると、コンデンサCの充電電圧は可変抵抗VRとの時定数に応じて図9の曲線122に示すように変化する。そして、コンデンサCの充電電圧がダイアックDAのゲート・トリガー電圧vgに達すると、ダイアックDAがトリガーされると同時にトライアックTAもオンし、この時点から正の半サイクルの斜線を施した領域の電力が交流モータMに供給される。
【0005】
また、交流電源eの負の半サイクル電圧123が印加されると、コンデンサCの充電電圧は可変抵抗VRとの時定数に応じて図9の曲線124に示すように変化し、コンデンサCの充電電圧がダイアックDAのゲート・トリガー電圧vgに達すると、ダイアックDAがトリガーされと同時にトライアックTAもオンし、この時点から負の半サイクルの斜線を施した領域の電力が交流モータMに供給される。これにより交流モータMは導通角に応じた速度で回転する。
【0006】
一方、可変抵抗VRを抵抗値が増加する方向または減少する方向に変化させると時定数も変化するため、コンデンサCの充電曲線122、124の傾きが立ち下がる方向または立ち上がる方向に変化する。これに伴いトライアックTAを流れる電流の導通角が減少または増加方向に変化(正の半サイクルの斜線を施した領域が減少または増加する方向に変化)するため、交流モータの回転数を制御することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のモータ制御回路では、その位相制御部が可変抵抗VRとコンデンサCだけで構成されているため、コンデンサCの充電特性(時定数)が変わらないにもかかわらず、使用電源周波数が50Hzまたは60Hzに変化すると、その電源周波数によりトライアックの導通角が変化し、安定したモータの速度制御ができなくなってしまう不都合がある。
【0008】
すなわち、図10(a)に示すように、電源周波数60Hzの電圧波形131と電源周波数50Hzの電圧波形132との正の半サイクル(または負の半サイクル)に対するコンデンサCの充電特性133は、電源周波数に関係なく一定であるにもかかわらず、各電圧波形131、132に対するトライアックTAの導通角が異なるため、コンデンサCの充電電圧がトライアックTAのゲート・トリガー電圧vgに達した時、60Hzおよび50HzにおけるトライアックTAの導通領域は図10(b)および(c)に示すようになり、50Hzの方が大きくなる。
【0009】
この結果、可変抵抗VRの抵抗値を同じ間隔で変化させた場合、交流モータの回転数は50Hzの方が高くなり、同じ電動工具であっても、電源周波数が異なると電動工具の使い勝手が悪くなる。例えば可変抵抗VRの抵抗値を電動工具に用いるスイッチのストローク操作に連動させて変化させてモータの回転数を制御した場合、60Hzおよび50Hzにおけるスイッチストロークとモータ回転数との関係は図11に示すようになる。
【0010】
この図から明らかなように、電源周波数60Hzのときと50Hzのときの変速域に大きな差が生じ、電源周波数に応じてスイッチのストローク操作を変えなければならず、電動工具の使い勝手を悪くするという不都合がある。
【0011】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、交流モータの速度を制御するスイッチング素子の導通角を電源周波数の変動に応じて補正することにより、電源周波数に左右されない安定した回転数の制御を可能にした全波位相制御方式のモータ制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のモータ制御装置は、交流電源に速度制御用の双方向スイッチング素子を介して接続した交流モータの回転数を制御するモータ制御装置であって、双方向スイッチング素子を交流電源の正および負の半サイクル期間でトリガーするための充電電圧を蓄える第1および第2のコンデンサと、第1のコンデンサを交流電源の正の半サイクル期間に毎サイクル正の方向に充電する第1の正の充電回路と、第1のコンデンサを交流電源の負の半サイクル期間に毎サイクル前記第1の正の充電回路による正の半サイクルの充電終了時点から負の方向に充電し、その充電電圧が双方向スイッチング素子のゲート・トリガー電圧に達した時点で双方向スイッチング素子をトリガーする第1の負の充電回路と、第2のコンデンサを交流電源の負の半サイクル期間に毎サイクル負の方向に充電する第2の負の充電回路と、第2のコンデンサを交流電源の正の半サイクル期間に毎サイクル第2の負の充電回路による負の半サイクルの充電終了時点から正の方向に充電し、その充電電圧が双方向スイッチング素子のゲート・トリガー電圧に達した時点で双方向スイッチング素子をトリガーする第2の正の充電回路とを備えてなるものである。
【0013】
本発明によれば、第1の負の充電回路は第1のコンデンサを交流電源の負の半サイクル期間に毎サイクル第1の正の充電回路による正の半サイクル終了時点から負の方向に充電し、第2の正の充電回路は第2のコンデンサを交流電源の負の半サイクル期間に毎サイクル負の方向に充電する第2の負の充電回路と、前記第2のコンデンサを交流電源の正の半サイクル期間に毎サイクル前記第2の負の充電回路による負の半サイクル終了時点から正の方向に充電し、第1のコンデンサまたは第2のコンデンサの充電電圧が双方向スイッチング素子のゲート・トリガー電圧に達した時点の導通角で双方向スイッチング素子を正および負の半サイクル波形に同期してトリガーするので、双方向スイッチング素子の導通角を電源周波数の変動に応じて補正でき、交流モータの回転数を電源周波数に左右されない安定して制御できる。
【0014】
本発明の請求項2記載のモータ制御装置は、請求項1記載の発明において、第1の正の充電回路は第1のコンデンサの充電電圧を制限するリミッタ回路を備え、第2の負の充電回路は第2のコンデンサの充電電圧を制限するリミッタ回路を備えるものである。
【0015】
本発明によれば、第1および第2のコンデンサの耐圧を超える負または正の電圧が蓄積されることがなくなり、第1および第2のコンデンサの破壊を防止できるとともに小容量化が図れる。
【0016】
本発明の請求項3記載のモータ制御装置は、請求項1または2記載の発明において、交流電源の電圧が低下したときに第1の負の充電回路が負の半サイクル期間で第1のコンデンサを負の方向に充電する電流を一定にするとともに第2の正の充電回路が正の半サイクル期間で第2のコンデンサを正の方向に充電する電流を一定にする定電圧回路を備えるものである。
【0017】
本発明によれば、電源電圧が低下する方向に変動したりしても、交流モータの回転数を電圧の変動に左右されることなく安定に制御できる。
【0018】
本発明の請求項4記載のモータ制御装置は、請求項1または3記載の発明において、第1の負の充電回路および第2の正の充電回路が、可変抵抗を含むものである。
【0019】
本発明の請求項5記載のモータ制御装置は、請求項1または4記載の発明において、第1の負の充電回路および第2の正の充電回路が、可変抵抗を含めた抵抗値を対数的に変化させる回路を有するものである。
【0020】
請求項4および5記載の発明によれば、交流モータの回転速度に下弓なりに変化する特性を得ることができるとともに、交流モータの立ち上がり時における速度変化率を小さくでき、電動工具等の使い勝手を良くすることができる。
【0021】
本発明の請求項6記載のモータ制御装置は、請求項1または4記載の発明において、双方向スイッチング素子が、交流モータの電源回路をスイッチングするための主双方向スイッチング素子と、第1の負の充電回路および第2の正の充電回路によりトリガーされ、主双方向スイッチング素子をターンオンする補助用双方向スイッチング素子とから構成されるものである。
【0022】
本発明によれば、双方向スイッチング素子のゲート電流を小さくできるとともに、第1の負の充電回路および第2の正の充電回路の消費電流が小さくなり、かつその発熱も低減できる。
【0023】
本発明の請求項7記載のモータ制御装置は、請求項1記載の発明において、負の半サイクルにおける双方向スイッチング素子のトリガーに第1の負の充電回路による第1のコンデンサの充電電圧により導通される第1のゲート・トリガー回路を使用し、正の半サイクルにおける双方向スイッチング素子のトリガーに第2の正の充電回路による第2のコンデンサの充電電圧により導通される第2のゲート・トリガー回路を使用したものである。
【0024】
本発明によれば、双方向スイッチング素子のゲート電流を確保したまま第1および第2のコンデンサの充電電流が小さくできるとともに、第1の負の充電回路および第2の正の充電回路の消費電流が小さくなり、かつその発熱も低減できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータ制御装置の回路図である。同図において、モータ制御装置は、交流電源1、速度制御用の双方向スイッチング素子(トライアック)2、交流モータ3、双方向スイッチング素子2を交流電源1の正および負の半サイクル期間でトリガーするための充電電圧を蓄える第1および第2のコンデンサ4および5と、全波位相制御回路を構成する第1の正の充電回路6、第1の負の充電回路7、第2の負の充電回路8および第2の正の充電回路9を備える。
【0026】
交流電源1には双方向スイッチング素子2を介して交流モータ3が接続されている。第1のコンデンサ4はダイオードD1および抵抗R2を介して交流電源1の両端に並列に接続されている。この第1のコンデンサ4、ダイオードD1および抵抗R2は、第1のコンデンサ4を交流電源1の正の半サイクル期間に毎サイクル、正の方向に充電する第1の正の充電回路6を構成する。
【0027】
第1の負の充電回路7は、第1のコンデンサ4を交流電源1の負の半サイクル期間に毎サイクル、第1の正の充電回路6による正の半サイクルの充電終了時点から負の方向(逆方向)に充電し、その充電電圧が双方向スイッチング素子2のゲート・トリガー電圧に達した時点で双方向スイッチング素子2をトリガーするものであり、NPNトランジスタQ1とダイオードD3および可変抵抗VRの直列回路から構成されている。そして、この第1の負の充電回路7は、第1の正の充電回路6の第1のコンデンサ4とダイオードD1との接続点と双方向スイッチング素子2のアノードとの間に接続されている。
【0028】
第2のコンデンサ5はダイオードD2および抵抗R2を介して交流電源1の両端に並列に接続されている。この第2のコンデンサ5、ダイオードD2および抵抗R2は、第2のコンデンサ5を交流電源1の負の半サイクル期間に毎サイクル、負の方向に充電する第2の負の充電回路8を構成する。
【0029】
第2の正の充電回路9は、第2のコンデンサ5を交流電源1の正の半サイクル期間に毎サイクル、第2の負の充電回路8による負の半サイクルの充電終了時点から正の方向(逆方向)に充電し、その充電電圧が双方向スイッチング素子2のゲート・トリガー電圧に達した時点で双方向スイッチング素子2をトリガーするものであり、PNPトランジスタQ2とダイオードD4および可変抵抗VRの直列回路から構成されている。そして、この第2の正の充電回路9は、第2の負の充電回路8の第2のコンデンサ5とダイオードD2との接続点と双方向スイッチング素子2のアノードとの間に接続されている。
【0030】
双方向スイッチング素子2のゲートはトランジスタQ1とQ2のベースに接続されている。また、双方向スイッチング素子2のゲートとゲート側端子間には保護用のコンデンサC1および抵抗R1が並列に接続されている。
【0031】
この構成において、電源周波数が50Hzの交流電源1を用いて交流モータ3を制御する場合、交流電源1の電圧波形は図2(a)の実線に示す正弦波形となる。この50Hzの交流電源電圧V1において、図1に示すポイントP側が正の半サイクルとなる期間(図2の時点T0〜T4)では、第1の正の充電回路6のダイオードD1が導通することにより、交流電源1→抵抗R1→ダイオードD1→コンデンサ4→交流電源1の経路で充電電流が流れ、この充電電流により第1のコンデンサ4は図2(b)の実線に示す充電カーブ21のように正の方向に充電される。
【0032】
そして、図1に示すポイントP側が負の半サイクルとなる期間(図2の時点T4〜T8)では、第1の負の充電回路7のダイオードD3およびトランジスタQ1が導通することにより、交流電源1→コンデンサ4→トランジスタQ1→ダイオードD3→可変抵抗VR→交流モータ3→交流電源1の経路で充電電流が流れ、この充電電流により第1のコンデンサ4は、図2(b)の実線に示す充電カーブ22のように、正の最大充電電圧から負の方向に逆充電されていく。このときトランジスタQ1を通してベース電流が流れるが、このベース電流は小さいため双方向スイッチング素子2のゲートをトリガーすることがない。また、この充電電流では交流モータ3は回転されない。
【0033】
第1のコンデンサ4が負の半サイクル電圧で逆充電されることにより、その充電電圧V2が可変抵抗VRの抵抗値で決まる時定数で徐々に低下して負の領域に入った後、双方向スイッチング素子2のゲート・トリガー電圧−vgに達すると(時点T6)、図2(d)の実線に示す負のトリガー電圧が双方向スイッチング素子2のゲートに加わることで双方向スイッチング素子2がオンし、この時点T6から負の半サイクルが終わる時点T8まで図2(e)の実線に示す波形23の電流が交流モータ3に供給される。
【0034】
一方、図1に示すポイントP側が正の半サイクルとなる期間(図2の時点T0〜T4)では、第2の正の充電回路9のダイオードD4およびトランジスタQ2が導通することにより、交流電源1→交流モータ3→可変抵抗VR→トランジスタQ2→交流電源1の経路で充電電流が流れ、この充電電流により第2のコンデンサ5は、図2(c)の実線に示す充電カーブ24のように、正の方向に充電されていく。このとき、トランジスタQ2を通してベース電流が流れるが、このベース電流は小さいため、双方向スイッチング素子2のゲートをトリガーすることがない。また、この充電電流では交流モータ3は回転されない。
【0035】
第2のコンデンサ5が正の半サイクル電圧で順方向に充電されることにより、その充電電圧V2が可変抵抗VRの抵抗値で決まる時定数で徐々に上昇して正の領域に入った後、双方向スイッチング素子2のゲート・トリガー電圧vgに達すると(時点T2)、図2(d)の実線に示す正のトリガー電圧が双方向スイッチング素子2のゲートに加わることで双方向スイッチング素子2がオンし、この時点T2から正の半サイクルが終わる時点T4まで図2(e)の実線に示す波形26の電流が交流モータ3に供給される。これにより、交流モータ3は波形26および23に示す両波の導通角領域の電力に応じた速度で回転される。
【0036】
また、図1に示すポイントP側が負の半サイクルとなる期間(図2の時点T4〜T8)では、第2の負の充電回路8のダイオードD2が導通することにより、交流電源1→コンデンサ5→ダイオードD2→抵抗R2→交流電源1の経路で充電電流が流れ、この充電電流により第2のコンデンサ5は図2(c)の実線に示す充電カーブ25のように負の方向に逆充電される。そして、正の半サイクルになると、第2の正の充電回路9が上記と同様に動作される。
【0037】
第1の負の充電回路7および第2の正の充電回路9において、その可変抵抗VRが可変操作されることにより、その抵抗値を減少させると、電源電圧V1の正または負の半サイクルにおける時定数が小さくなるため、双方向スイッチング素子2のゲート・トリガー電圧vgまたは−vgに達するまでの第2コンデンサ5または第1コンデンサ4の充電時間が短くなり、その充電カーブ24または充電カーブ22が矢印の方向に立ち上がる。その結果、双方向スイッチング素子2に流れる電流の導通角が増加し、交流モータ3の回転速度は上昇する。
【0038】
また、可変抵抗VRの抵抗値が減少する方向に操作された場合は、電源電圧V1の正または負の半サイクルの時における時定数が大きくなるため、双方向スイッチング素子2のゲート・トリガー電圧vgまたは−vgに達するまでの第2コンデンサ5または第1コンデンサ4の充電時間が長くなり、その充電カーブ24または充電カーブ22が矢印と逆の方向に立ち下がる。その結果、双方向スイッチング素子2に流れる電流の導通角が減少し、交流モータ3の回転速度は低下する。
【0039】
次に、電源周波数が60Hzの交流電源を用いて交流モータを制御する場合について述べる。この場合、交流電源1の電圧波形は図2(a)の破線に示す正弦波形となる。この50Hzの交流電源電圧V1において、図1に示すポイントP側が正の半サイクルとなる期間(図2の時点T0〜T3)では、第1の正の充電回路6のダイオードD1が導通することにより、交流電源1→抵抗R1→ダイオードD1→コンデンサ4→交流電源1の経路で充電電流が流れ、この充電電流により第1のコンデンサ4は図2(b)の破線に示す充電カーブ27のように正の方向に充電される。
【0040】
そして、図1に示すポイントP側が負の半サイクルとなる期間(図2の時点T3〜T7)では、第1の負の充電回路7のダイオードD3およびトランジスタQ1が導通することにより、交流電源1→コンデンサ4→トランジスタQ1→ダイオードD3→可変抵抗VR→交流モータ3→交流電源1の経路で充電電流が流れ、この充電電流により第1のコンデンサ4は、図2(b)の破線に示す充電カーブ28のように、正の最大充電電圧から負の方向に逆充電されていく。このときトランジスタQ1を通してベース電流が流れるが、このベース電流は小さいため双方向スイッチング素子2のゲートをトリガーすることがない。また、この充電電流では交流モータ3は回転されない。
【0041】
第1のコンデンサ4が負の半サイクル電圧で逆充電されることにより、その充電電圧V2が可変抵抗VRの抵抗値で決まる時定数で徐々に低下して負の領域に入った後、双方向スイッチング素子2のゲート・トリガー電圧−vgに達すると(時点T5)、図2(d)の破線に示す負のトリガー電圧が双方向スイッチング素子2のゲートに加わることで双方向スイッチング素子2がオンし、この時点T5から負の半サイクルが終わる時点T7まで図2(e)の破線に示す波形29の電流が交流モータ3に供給される。
【0042】
一方、図1に示すポイントP側が正の半サイクルとなる期間(図2の時点T0〜T3)では、第2の正の充電回路9のダイオードD4およびトランジスタQ2が導通することにより、交流電源1→交流モータ3→可変抵抗VR→トランジスタQ2→交流電源1の経路で充電電流が流れ、この充電電流により第2のコンデンサ5は、図2(c)の破線に示す充電カーブ30のように、正の方向に充電されていく。このときトランジスタQ2を通してベース電流が流れるが、このベース電流は小さいため、双方向スイッチング素子2のゲートをトリガーすることがない。また、この充電電流では交流モータ3は回転されない。
【0043】
第2のコンデンサ5が正の半サイクル電圧で順方向に充電されることにより、その充電電圧V2が可変抵抗VRの抵抗値で決まる時定数で徐々に上昇して正の領域に入った後、双方向スイッチング素子2のゲート・トリガー電圧vgに達すると(時点T1)、図2(d)の破線に示す正のトリガー電圧が双方向スイッチング素子2のゲートに加わることで双方向スイッチング素子2がオンし、この時点T1から正の半サイクルが終わる時点T3まで図2(e)の破線に示す波形32の電流が交流モータ3に供給される。これにより、交流モータ3は波形32および29に示す両波の導通角領域の電力に応じた速度で回転される。
【0044】
また、図1に示すポイントP側が負の半サイクルとなる期間(図2の時点T3〜T7)では、第2の負の充電回路8のダイオードD2が導通することにより、交流電源1→コンデンサ4→ダイオードD1→抵抗R1→交流電源1の経路で充電電流が流れ、この充電電流により第2のコンデンサ5は図2(c)の破線に示す充電カーブ31のように負の方向に逆充電される。そして、正の半サイクルになると、第2の正の充電回路9が上記と同様に動作される。
【0045】
第1の負の充電回路7および第2の正の充電回路9において、その可変抵抗VRが可変操作されることにより、その抵抗値を減少させると、電源電圧V1の正または負の半サイクルにおける時定数が小さくなるため、双方向スイッチング素子2のゲート・トリガー電圧vgまたは−vgに達するまでの第2コンデンサ5または第1コンデンサ4の充電時間が短くなり、その充電カーブ24または充電カーブ22が矢印の方向に立ち上がる。その結果、双方向スイッチング素子2に流れる電流の導通角が増加し、交流モータ3の回転速度は上昇する。
【0046】
また、可変抵抗VRの抵抗値が減少する方向に操作された場合は、電源電圧V1の正または負の半サイクルの時における時定数が大きくなるため、双方向スイッチング素子2のゲート・トリガー電圧vgまたは−vgに達するまでの第2コンデンサ5または第1コンデンサ4の充電時間が長くなり、その充電カーブ24または充電カーブ22が矢印と逆の方向に立ち下がる。その結果、双方向スイッチング素子2に流れる電流の導通角が減少し、交流モータ3の回転速度は低下する。
【0047】
上記の説明から明らかなように、第1の正の充電回路6、第1の負の充電回路7、第2の負の充電回路8および第2の正の充電回路9を双方向スイッチング素子2の全波位相制御回路に組み込むことにより、双方向スイッチング素子2の導通角を電源周波数の変動に応じて補正することができる。このため、電源周波数が50Hzまたは60Hzであっても、双方向スイッチング素子2の導通角はほぼ等しくなる。
【0048】
従って、本実施の形態のモータ制御装置をボルト締め等の交流電動工具のモータ制御回路に適用し、可変抵抗VRの抵抗値を電動工具に用いるスイッチのストローク操作に連動させて変化させ、モータの回転数を制御した場合は、60Hzおよび50Hzにおけるスイッチストロークとモータ回転数との関係は図3に示すようになる。この図3から明らかなように、電源周波数60Hz時と50Hz時とでは変速域はほとんど同様となり、その結果、電源周波数に応じてスイッチのストローク操作を変える必要がほとんどなく、電動工具の使い勝手が良好になる。
【0049】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2におけるモータ制御装置の回路図で、図1と同一の構成要素には図1と同一の符号を付してその構成および動作説明を省略し、図1と異なる部分を重点的に説明する。
【0050】
図4から明らかなように、本実施の形態2における特徴部分は、第1の正の充電回路6における第1のコンデンサ4の両端に第1のリミッタ回路10を並列に接続したこと、第2の負の充電回路8における第2のコンデンサ5の両端に第2のリミッタ回路11を並列に接続したこと、双方向スイッチング素子2を小さなゲート電流でオンする補助用の双方向スイッチング素子2bおよび補助用双方向スイッチング素子2bのオン動作につれてオンする主双方向スイッチング素子2aで構成したこと、交流モータ3の回転数に下弓なりの速度特性が得られるように、第1の負の充電回路7および第2の正の充電回路9の可変抵抗VRに抵抗R3を並列に接続し、これら両抵抗の合成抵抗値が対数的に変化するように構成したことにある。
【0051】
主双方向スイッチング素子2aの両端子は交流モータ3を交流電源1間に接続され、補助用双方向スイッチング素子2bの両端子は主双方向スイッチング素子ゲートを一方の端子間に接続されている。また、双方向スイッチング素子2および補助用双方向スイッチング素子2bのゲートとゲート側端子間には、それぞれ保護用のコンデンサC11、C12および抵抗R11、R12が並列に接続されている。
【0052】
第1のリミッタ回路10は、第1のコンデンサ4を正の半サイクル電圧で毎サイクル充電するときの充電電圧が第1のコンデンサ4の耐圧以上にならないように制限するための回路で、正の半サイクルの電圧に対して逆極性にしたツェナーダイオードZD1と、このツェナーダイオードZD1に逆極性に直列接続されたダイオードD5とから構成されている。ダイオードD5は第1のコンデンサ4を負方向に充電するときにツェナーダイオードZD1を順方向に導通させるのを防止している。
【0053】
第2のリミッタ回路11は、第2のコンデンサ5を負の半サイクル電圧で毎サイクル充電するときの充電電圧が第2のコンデンサ5の耐圧以上にならないように制限するための回路で、負の半サイクルの電圧に対して逆極性にしたツェナーダイオードZD2と、このツェナーダイオードZD2に逆極性に直列接続されたダイオードD6とから構成されている。ダイオードD6は第2のコンデンサ5を正方向に充電するときにツェナーダイオードZD2を順方向に導通させるのを防止している。
【0054】
この構成において、第1の負の充電回路7では、可変抵抗VRの値を大きくすると、負の半サイクル電圧による第1のコンデンサ4の負方向の充電電圧V2の下降の傾きが緩やかになり、補助双方向スイッチング素子2bを含めた主双方向スイッチング素子2aの導通角が小さくなるが、ここで、導通角がゼロになっても、更に可変抵抗VRの値を大きくしていくと、第1のコンデンサ4の端子電圧V2は負にまで至らず、正の方向に増大していく。
【0055】
そして、第1のコンデンサ4の正の方向の端子電圧がツェナーダイオードZD1のツェナー電圧より大きくなると、ツェナーダイオードZD1が導通して、第1のコンデンサ4の正方向の充電電圧をダイオードD5およびツェナーダイオードZD1を通して放電する。その結果、第1のコンデンサ4にその耐圧を超える負の電圧が蓄積されることがなくなり、第1のコンデンサ4の破壊を防止できるとともに、第1のコンデンサ4の容量を必要以上に大きくする必要がなくなり、第1のコンデンサ4を小容量化できる。
【0056】
同様にして、第2の正の充電回路9では、可変抵抗VRの値を大きくすると、正の半サイクル電圧による第2のコンデンサ5の正方向の充電電圧V2の上昇の傾きが緩やかになり、補助双方向スイッチング素子2bを含めた主双方向スイッチング素子2aの導通角が小さくなるが、ここで、導通角がゼロになっても、更に可変抵抗VRの値を大きくしていくと、第2のコンデンサ5の端子電圧V2は正にまで至らず、負の方向に増大していく。
【0057】
そして、第2のコンデンサ5の負の方向の端子電圧がツェナーダイオードZD2のツェナー電圧より大きくなると、ツェナーダイオードZD2が導通して、第2のコンデンサ5の負方向の充電電圧をダイオードD6およびツェナーダイオードZD2を通して放電する。その結果、第2のコンデンサ5にその耐圧を超える負の電圧が蓄積されることがなくなり、第2のコンデンサ5の破壊を防止できるとともに、第2のコンデンサ5の容量を必要以上に大きくする必要がなくなり、第2のコンデンサ5を小容量化できる。
【0058】
一方、可変抵抗R2を可変操作した場合、可変抵抗VRと抵抗R3との合成抵抗値は図5の曲線51に示すように指数関数的に変化する。従って、可変抵抗VRを操作することにより、交流モータの回転速度は、図5の曲線52に示すように、下弓なりに変化する特性となる。これにより、交流モータ3の立ち上がり時における速度変化率が小さく、緩やかに回転数が上昇する特性となるため、ボルト締めなどのように、ボルトに位置決めを行いながら締め付け動作させる電動工具に好適となる。
【0059】
また、交流モータ3の電源回路をスイッチングする双方向スイッチング素子2を主双方向スイッチング素子2aと、この主双方向スイッチング素子2aをターンオンさせる補助用双方向スイッチング素子2bとの2段構成にすることにより、双方向スイッチング素子のゲート電流を小さくできるとともに、充電回路における抵抗R3、可変抵抗VRおよびトランジスタQ1、Q2の消費電流が小さくなり、かつこれらの発熱も低減できる。
【0060】
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3におけるモータ制御装置の回路図で、図1および図4と同一の構成要素には図1と同一の符号を付してその構成および動作説明を省略し、図1および図4と異なる部分を重点的に説明する。
【0061】
図6から明らかなように、本実施の形態3における特徴部分は、双方向スイッチング素子2のトリガー用に第1および第2のゲート・トリガー回路12、13を設けたこと、第1の負の充電回路7および第2の正の充電回路9に共通の定電圧回路14を設けたことにある。
【0062】
第1のゲート・トリガー回路12は、負の半サイクルにおける双方向スイッチング素子2のトリガーに第1の負の充電回路7による第1のコンデンサ4の充電電圧により導通されるもので、NPNトランジスタTR1、PNPトランジスタTR2、コンデンサC1、C2、ダイオードD7およびツェナーダイオードZD5等から構成されている。また、第2のゲート・トリガー回路13は、正の半サイクルにおける双方向スイッチング素子2のトリガーに第2の正の充電回路9による第2のコンデンサ5の充電電圧により導通されるもので、PNPトランジスタTR3、NPNトランジスタTR4、コンデンサC3、C4、ダイオードD8およびツェナーダイオードZD6等から構成されている。
【0063】
定電圧回路14は交流電源1の電圧が低下したときに第1のコンデンサ4を正の方向に、第2のコンデンサ5を負の方向に充電する電圧を一定にする回路で、逆極性に直列接続したツェナーダイオードZD3およびZD4からなり、この直列回路は交流電源1の接地側と可変抵抗VRの一端間に抵抗R4を介して接続されている。
【0064】
次に、定電圧回路14を設けた場合の作用について述べる。まず、第2の負の充電回路8および第2の正の充電回路9が動作する場合において、定電圧回路14がない場合は、図7(a)に示すように、交流電源1の電圧が実線状態から破線に示す状態に低下すると、図7(b)に示すように、コンデンサ5の負の方向への充電カーブ31の傾きが緩くなるとともに、正の方向への充電カーブ30も緩くなるが、その正方向の充電電圧V2が双方向スイッチング素子2のゲート・トリガー電圧vgに達する時点T2は同じである。
【0065】
しかし、実線で示すように電源電圧が高いときにサイリスタが時点T2でオンした場合、交流モータ3に供給される電圧V3は、図7(c)の実線に示す導通領域であるのに対し、破線で示すように電源電圧が低くなった場合は、交流モータ3に供給される電圧V3は、図7(c)の破線で示す導通領域となり、小さくなる。その結果、交流モータの回転速度は高い電源電圧の場合より低くなる。
【0066】
これに対して定電圧回路14を設けた場合は、そのツェナーダイオードZD3と抵抗R4によりコンデンサ5への充電電圧を定電圧化するため、電源電圧が低くなっても定電圧化された電圧によりコンデンサ5を正の方向へ充電することになる。
【0067】
これに伴い、低い電源電圧時にコンデンサ5の正の方向への充電カーブ30の傾きは、図7(d)に示すように、高電源電圧時におけるコンデンサ5への正方向の充電カーブ25と同一の傾きとなり、低電源電圧時における正方向の充電電圧V2が双方向スイッチング素子2のゲート・トリガー電圧vgに達する時点T1が時点T2より手前に移動する。その結果、図7(e)に示すように、破線で示す低電源電圧時の導通領域と、実線で示す高電源電圧時の導通領域はほぼ等しくなる。従って、電源電圧が低下する方向に変化しても、交流モータの回転数が低下するのを防止できる。
【0068】
このような定電圧回路14の機能は第1の正の充電回路6および第1の負の充電回路7が動作する場合においても同様に行われ、電源電圧が低下する方向に変化しても、交流モータの回転数が低下するのを防止できる。
【0069】
また、交流電源1の正、負の半サイクル期間に双方向スイッチング素子2のトリガーするために第1および第2のゲート・トリガー回路12、13を設けことにより、ゲート電流を小さくできるとともに、充電回路の消費電流が小さくなり、かつこれらの発熱も低減できる。
【0070】
なお、本発明において使用される双方向スイッチング素子は、トライアックに限らず、MOSトランジスタ等の半導体素子を利用することができる。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、第1の負の充電回路は第1のコンデンサを交流電源の負の半サイクル期間に毎サイクル第1の正の充電回路による正の半サイクル終了時点から負の方向に充電し、第2の正の充電回路は第2のコンデンサを交流電源の負の半サイクル期間に毎サイクル負の方向に充電する第2の負の充電回路と、第2のコンデンサを交流電源の正の半サイクル期間に毎サイクル第2の負の充電回路による負の半サイクル終了時点から正の方向に充電し、第1のコンデンサまたは第2のコンデンサの充電電圧が双方向スイッチング素子のゲート・トリガー電圧に達した時点の導通角で双方向スイッチング素子を正および負の半サイクル波形に同期してトリガーするので、双方向スイッチング素子の導通角を電源周波数の変動に応じて補正でき、交流モータの回転数を電源周波数に左右されない安定して制御できる。
【0072】
また、本発明によれば、第1の正の充電回路および第2の負の充電回路がそれぞれのコンデンサの充電電圧を制限するリミッタ回路を備えているので、それぞれのコンデンサの耐圧を超える負または正の電圧が蓄積されることがなくなり、第1および第2のコンデンサの破壊を防止できるとともに小容量化が図れる。
【0073】
また、本発明によれば、交流電源の電圧が低下したときに第1の負の充電回路が負の半サイクル期間で第1のコンデンサを負の方向に充電する電圧を一定にするとともに第2の正の充電回路が正の半サイクル期間で第2のコンデンサを正の方向に充電する電圧を一定にする定電圧回路を備えているので、電源電圧が低下する方向に変動したりしても、交流モータの回転数を電圧の変動に左右されることなく安定に制御できる。
【0074】
また、本発明によれば、第1の負の充電回路および前記第2の正の充電回路が可変抵抗を含めた抵抗値を対数的に変化させる回路を有するので、交流モータの回転速度に下弓なりに変化する特性を得ることができるとともに、交流モータの立ち上がり時における速度変化率を小さくでき、電動工具等の使い勝手を良くすることができる。
【0075】
また、本発明によれば、双方向スイッチング素子を主双方向スイッチング素子と補助用双方向スイッチング素子とから構成したので、双方向スイッチング素子のゲート電流を小さくできるとともに、第1の負の充電回路および第2の正の充電回路の消費電流が小さくなり、かつその発熱も低減できる。
【0076】
また、本発明によれば、負の半サイクルにおける双方向スイッチング素子のトリガーに第1のゲート・トリガー回路を使用し、正の半サイクルにおける双方向スイッチング素子のトリガーに第2のゲート・トリガー回路を使用したので、双方向スイッチング素子のゲート電流を小さくできるとともに、第1の負の充電回路および第2の正の充電回路の消費電流が小さくなり、かつその発熱も低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるモータ制御装置の回路図である。
【図2】(a)〜(e)は図1に示すモータ制御装置の各部の波形図である。
【図3】図1に示すモータ制御装置のストロークとモータ回転数との関係を示す特性図である。
【図4】本発明の実施の形態2によるモータ制御装置の回路図である。
【図5】図4に示すモータ制御装置の可変抵抗の抵抗値と交流モータの回転数との関係を示す特性図である。
【図6】本発明の実施の形態3によるモータ制御装置の回路図である。
【図7】(a)〜(e)は図6に示すモータ制御装置の各部の波形図である。
【図8】従来における電動工具等の交流モータの速度制御に使用されるモータ制御装置の回路図である。
【図9】図8に示す従来のモータ制御装置の説明用波形図である。
【図10】(a)〜(c)は図8に示す従来のモータ制御装置の各部の波形図である。
【図11】図8に示す従来のモータ制御装置のストロークとモータ回転数との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 交流電源
2 双方向スイッチング素子
2a 主双方向スイッチング素子
2b 補助用双方向スイッチング素子
3 交流モータ
4 第1のコンデンサ
5 第2のコンデンサ
6 第1の正の充電回路
7 第1の負の充電回路
8 第2の負の充電回路
9 第2の正の充電回路
10 第1のリミッタ回路
11 第2のリミッタ回路
12 第1のゲート・トリガー回路
13 第2のゲート・トリガー回路
14 定電圧回路
VR 可変抵抗
R3 抵抗
Claims (7)
- 交流電源に速度制御用の双方向スイッチング素子を介して接続した交流モータの回転数を制御するモータ制御装置であって、
前記双方向スイッチング素子を前記交流電源の正および負の半サイクル期間でトリガーするための充電電圧を蓄える第1および第2のコンデンサと、
前記第1のコンデンサを交流電源の正の半サイクル期間に毎サイクル正の方向に充電する第1の正の充電回路と、
前記第1のコンデンサを交流電源の負の半サイクル期間に毎サイクル前記第1の正の充電回路による正の半サイクルの充電終了時点から負の方向に充電し、その充電電圧が前記双方向スイッチング素子のゲート・トリガー電圧に達した時点で前記双方向スイッチング素子をトリガーする第1の負の充電回路と、
前記第2のコンデンサを交流電源の負の半サイクル期間に毎サイクル負の方向に充電する第2の負の充電回路と、
前記第2のコンデンサを交流電源の正の半サイクル期間に毎サイクル前記第2の負の充電回路による負の半サイクルの充電終了時点から正の方向に充電し、その充電電圧が前記双方向スイッチング素子のゲート・トリガー電圧に達した時点で前記双方向スイッチング素子をトリガーする第2の正の充電回路と、
を備えることを特徴とするモータ制御装置。 - 前記第1の正の充電回路は、第1のコンデンサの充電電圧を制限するリミッタ回路を備え、前記第2の負の充電回路は、第2のコンデンサの充電電圧を制限するリミッタ回路を備えることを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
- 前記交流電源の電圧が低下したときに前記第1の負の充電回路が負の半サイクル期間で第1のコンデンサを負の方向に充電する電流を一定にするとともに、前記第2の正の充電回路が正の半サイクル期間で第2のコンデンサを正の方向に充電する電流を一定にする定電圧回路を備えることを特徴とする請求項1または2記載のモータ制御装置。
- 前記第1の負の充電回路および前記第2の正の充電回路は、可変抵抗を含む請求項1または3記載のモータ制御装置。
- 前記第1の負の充電回路および前記第2の正の充電回路は、可変抵抗を含めた抵抗値を対数的に変化させる回路を有する請求項1または4記載のモータ制御装置。
- 前記双方向スイッチング素子は、交流モータの電源回路をスイッチングするための主双方向スイッチング素子と、前記第1の負の充電回路および前記第2の正の充電回路によりトリガーされ、前記主双方向スイッチング素子をターンオンする補助用双方向スイッチング素子とから構成される請求項1記載のモータ制御装置。
- 負の半サイクルにおける前記双方向スイッチング素子のトリガーに前記第1の負の充電回路による第1のコンデンサの充電電圧により導通される第1のゲート・トリガー回路を使用し、正の半サイクルにおける前記双方向スイッチング素子のトリガーに前記第2の正の充電回路による第2のコンデンサの充電電圧により導通される第2のゲート・トリガー回路を使用したことを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
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