JP3598192B2 - 駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転量を規制しながら被駆動体を回転駆動する駆動装置に係り、特に複写機,ファクシミリ装置,プリンタなどの給紙部に適用され、積載されたシート紙を分離給紙する半円状(半月状)をなす給紙ローラの駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機などの給紙部では、シート状の用紙を1枚ずつ分離給紙するための構成を採用しており、例えば、特開平3−284547号公報,特開平3−284548号公報などの構成を例示することができる。
【0003】
前記公報に記載された構成では、給紙カセット内に積載されている転写紙の繰り出し方向における先端側の上方に回転可能な半月状の給紙ローラを配置し、給紙ローラの周面を転写紙上面に接触させながら転写紙を繰り出し、給紙カセットに設けられている分離手段、例えば、公知の手段である分離コーナー爪によって転写紙を1枚ずつ分離して給紙するようにしている。このような形状の給紙ローラを用いると、その給紙ローラ停止時にローラ平坦面が転写紙の上方に位置し、転写紙に負荷が作用しないことになるため、繰り出し時における転写紙の引き摺りを生じさせないという利点がある。
【0004】
前記給紙ローラでは、転写紙を繰り出すために必要な回転のみを行うことが転写紙の重送(複数枚同時給送)を防ぐことで重要である。このため給紙ローラは、通常、1回転した後に停止し、再度、給紙指令があった時点で回転を開始するようになっている。
【0005】
給紙ローラを1回転させて停止させるための駆動装置としては、給紙ローラ側におけるギヤなどの駆動手段に、電磁クラッチやソレノイドによって動作制御されるストッパ部材を設けた構成がある。
【0006】
また、前記公報に開示されている駆動装置では、給紙ローラの支持軸に一体に支持されたクラッチドラムと、このクラッチドラムに一端が係止されて、巻締めおよび巻弛み可能なバネクラッチの他端が係止されている制御環と、支持軸上に位置して駆動源に連動可能な伝達手段と、制御環の回転を制御して支持軸への回転力の接断を行うコントロールレバーとを備え、駆動源の逆転時にコントロールレバーと制御環との係合を解除し、駆動源の正転時に制御環の連動を可能にすると共に、1回転の回転量に達した時点で、制御環の回転をコントロールレバーの係合によって規制するようにしており、電磁クラッチなどの複雑な機構を必要としない構成にしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の駆動装置において、紙詰まりなどの解消のために給紙ローラを逆転させた場合には、前記公報にも記載されているように、バネクラッチの初期巻締めトルクが作用して制御環が回転するため、制御環に対して駆動源からの正転方向の回転が伝達されるときに、駆動源の逆転時における逆転量だけずれた位置で、コントロールレバーと制御環の係合部とが対向しているため、駆動源の所定量の正転にも係らず、制御環が係合するまでの回転量が所定量と異なってしまうという問題があった。
【0008】
しかも、バネクラッチを用いているために、回転時に摺擦音が発生したり、耐久性にも問題があり、さらにはバネクラッチの初期巻付けトルクのセッティングに手間がかかるという問題もある。
【0009】
そこで、本件出願人は、前記従来の問題を解決するために、給紙ローラに同軸に正逆転可能に設けられた駆動ギヤと、この駆動ギヤに駆動力を断接する駆動力断接手段とにそれぞれラチェットを設け、駆動ギヤの回転方向に応じて両ラチェットの連結あるいは連結開放を行うようにした駆動装置を提案した。この駆動装置は、複雑な構造にならず、また給紙ローラを所定の回転量に確実に規制することができるという利点がある。
【0010】
しかし、前記ラチェットを用いた駆動装置では、正転時に両ラチェットを連結して駆動伝達状態にし、逆転時に両ラチェットを離して駆動非伝達状態にする構成になっているため、逆転時における両ラチェットの分離状態では、相対向している一方のラチェット面が他方のラチェット面を乗り上げかつ乗り越えて、次のラチェット面に当接するときに衝突音を発生し、それが騒音となって使用感に悪影響を与えるという問題があった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、ラチェット機構を用いて低コスト化を可能にし、しかも駆動時における騒音の発生を抑制した駆動装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の駆動装置は、被駆動体を支持する支持軸に対して遊動可能に設けられ、正逆回転することが可能な駆動源からの回転力を受けて回転し、かつ側面に一方の1ラチェットが設けられた駆動ギヤと、側面に他方のラチェットが設けられ、かつ前記駆動ギヤの回転方向に応じて前記一方のラチェットに対して他方のラチェットが相対的に接離動作することによって、駆動ギヤに対する回転力の伝達を接断する駆動力接断部材と、この駆動力接断部材を動作させる作動部材とを備え、回転量を規制しながら被駆動体を回転駆動する駆動装置であって、前記一方のラチェットあるいは他方のラチェットの少なくとも一方の噛合部分に突起を設けたものであり、この構成によって、駆動動作時に両ラチェットが当接してもその歯部の突起によって、互いに面接触することなく点接触することになるため、当接音を小さく抑制することができる。
【0013】
また本発明は、前記歯部にシボ加工によって前記突起を形成したものであり、この構成によって、小さな突起の形成が容易に行える。
【0014】
また本発明は、被駆動体を支持する支持軸に対して遊動可能に設けられ、正逆回転することが可能な駆動源からの回転力を受けて回転し、かつ側面に一方のラチェットが設けられた駆動ギヤと、側面に他方のラチェットが設けられ、かつ前記駆動ギヤの回転方向に応じて前記一方のラチェットに対して他方のラチェットが相対的に接離動作することによって、駆動ギヤに対する回転力の伝達を接断する駆動力接断部材と、前記一方のラチェットと他方のラチェットとが噛合するように付勢する付勢スプリングと、前記駆動力接断部材を動作させる作動部材とを備え、回転量を規制しながら被駆動体を回転駆動する駆動装置であって、前記一方のラチェットあるいは他方のラチェットにおける移動時の衝撃を吸収するための衝撃吸収部材を備えたものであり、この構成によって、駆動動作時にラチェットは当接箇所において衝撃吸収部材に当接することになるため、当接の際の衝撃が小さくなって当接音の発生を抑制することができる。
【0015】
また本発明は、被駆動体を支持する支持軸に対して遊動可能に設けられ、正逆回転することが可能な駆動源からの回転力を受けて回転し、かつ側面に一方のラチェットが設けられた駆動ギヤと、側面に他方のラチェットが設けられ、かつ前記駆動ギヤの回転方向に応じて前記一方のラチェットに対して他方のラチェットが相対的に接離動作することによって、駆動ギヤに対する回転力の伝達を接断する駆動力接断部材と、前記駆動力接断部材を動作させる作動部材とを備え、回転量を規制しながら被駆動体を回転駆動する駆動装置であって、前記駆動ギヤと一方のラチェットとを別部材にて形成し、かつ前記駆動ギヤと一方のラチェット間に、この一方のラチェットを駆動ギヤに対して一方向のみ回転することを可能にするワンウエイ機構を設けたものであり、この構成によって、ワンウエイ機構が回転を規制する逆転時には、一方のラチェットは回転駆動されないため、他方のラチェットとの間で当接音が発生することはない。
【0017】
また本発明は、前記被駆動体を、積載されたシート紙を分離給紙する半円状の給紙ローラとする給紙装置に適用することにより、簡単な構成でかつ騒音もなく、給紙ローラを所定回転量で停止するように制御することが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は本発明の第1実施形態を説明するための給紙部に適用される駆動装置における構成図、図2は図1の駆動装置における要部を示す斜視図であり、1は装置筐体、2は装置筐体1の側面に固定された駆動モータ、3は駆動モータ2の出力ギヤ、4は出力ギヤ3と噛合する減速ギヤ、5は減速ギヤ4と同軸に固定された第1アイドルギヤ、6は第1アイドルギヤ5と噛合する第2アイドルギヤ、7は第2アイドルギヤ6と噛合する中間ギヤであって、この中間ギヤ7はトルクリミッタギヤ8と駆動ギヤ9とに噛合している。
【0020】
10は支持軸であって、図2に示すように、支持軸10には駆動ギヤ9が嵌合するロッド部10aと、後述する駆動力接断部材を構成する環状のラチェット主体11を回転可能に支持するために周面の一部が平坦面とされているD状カット部10bとが形成され、しかも支持軸10の一端部には、公知のようにシート紙を1枚ずつ分離給紙するための被駆動体である半円状の給紙ローラRが支持軸10と共に回転するように固定されている。
【0021】
ラチェット主体11は、その内側面が駆動ギヤ9の内側面と対向し、しかも支持軸10のD状カット部10bに対して軸方向に摺動可能かつ支持軸10と共に回転可能に設けられている。さらにラチェット主体11において支持軸10が嵌挿される中央部には、駆動ギヤ9側にラチェット歯12aが向くように第1ラチェット12が設けられている。
【0022】
第1ラチェット12のラチェット歯12aは、駆動ギヤ9の内側面に設けられている第2ラチェット13のラチェット歯13aと付勢スプリングSの付勢力を受けて噛合可能になっており、両ラチェット歯12a,13aの歯面形状は、反時計方向に相当する駆動ギヤ9の逆転方向の回転時に一方が回転を拘束されると他方が滑動することが可能な形状になっている。
【0023】
さらに、ラチェット主体11は、その平滑な周部11aの一部に突起係止部14が突設され、また突起係止部14と反対側の周部11aには後述するカム凹部15が設けられている。突起係止部14は装置筐体1に設けられたストッパレバー16と係脱可能になっている。
【0024】
図3は前記駆動ギヤとラチェット主体との関連構成を示す斜視図、図4はラチェット主体の斜視図であり、ラチェット主体11のカム凹部15は、テーパー部15aと係止部15bなどの部分からなり、その底部は係止部15bに向かう方向に徐々に深さが増す傾斜面15cとなっている。
【0025】
またラチェット主体11の第1ラチェット12におけるラチェット歯12aの駆動ギヤ9側の面には小突起12bが複数個設けられており、第1ラチェット12のラチェット歯12aと第2ラチェット13のラチェット歯13aとが接離動作時に当接しても、互いに面接触で当接せずに小突起12bを介して点接触状態で当接するようにしており、歯同士が当接して生じる衝撃音を少なくするようにしている。
【0026】
小突起12bは、第2ラチェット13のラチェット歯13aに設けてもよく、第1ラチェット12のラチェット歯12aと第2ラチェット13のラチェット歯13aとの少なくともいずれか一方に設ければよい。また、小突起12bの成形方法としては、樹脂製のラチェットと一体成形して突起を形成したり、あるいはシボ加工によってラチェットの歯面にしわ状に凹凸を形成するようなことなどが考えられる。
【0027】
図5は前記トルクリミッタギヤ部分の断面図であり、トルクリミッタギヤ8には一体に軸部17が突設されており、この軸部17にトルクリミッタギヤ8の下端面に設置した摩擦部材18を介してスリーブ19が嵌挿されており、スリーブ19は、軸部17に巻回されているリミッタ用スプリング20によって、トルクリミッタギヤ8の下端面に摩擦部材18を介して圧接されるようになっている。摩擦部材18とリミッタ用スプリング20とはトルクリミッタを構成し、スリーブ19の回転が拘束された際に生じる摩擦力が所定の値以上になると、トルクリミッタギヤ8のみを中間ギヤ7に対して空転させるようになっている。
【0028】
スリーブ19の周面には、棒状あるいは細長い板状のレバー部21と、このレバー部21と離れた位置に駆動解除リブ22とが突設されている。後述するように、ラチェット12,13の接離動作をコントロールする作動部材としてのレバー部21と駆動解除リブ22とは、レバー部21が装置筐体1に設けられたストッパー部25に係止されたときに、駆動解除リブ22がラチェット主体11側面を外方へ押圧するように配設されている。
【0029】
次に、前記構成の第1実施形態の装置の動作を図6,7の説明図を参照して説明する。
【0030】
図6(a)は、レバー部21がラチェット本体11のカム凹部15に嵌合し、レバー部21がテーパー部15aに乗り上げている状態を示しており、この状態では、ラチェット本体11は付勢スプリングSの付勢力に抗して駆動ギヤ9の第2ラチェット13のラチェット歯13aから第1ラチェット12のラチェット歯12aを離脱させているので、ラチェット本体11に対する駆動ギヤ9からの回転力の伝達は行われない。
【0031】
したがって、ラチェット本体11と共に回転することができる支持軸10には駆動ギヤ9からの回転力が伝達されないので、具体的には図示しないが、支持軸10に設けられている半円状の給紙ローラRは回転しない状態に維持され、半円状の平坦面が紙面の上面に対向位置する。
【0032】
図6(b)は、図6(a)の状態から駆動モータ2が所定の回転量だけ逆転(駆動モータ2の給紙時の回転方向を正転とする)した状態を示しており、この状態では、中間ギヤ7が逆転方向に回転(図中の矢印方向(時計方向の回転))するのに連動してトルクリミッタギヤ8が逆転する。トルクリミッタギヤ8が逆転すると、スリーブ19のレバー部21がストッパー部25に係止され、駆動ギヤ9の第2ラチェット13のラチェット歯13aが、離脱していた第1ラチェット12のラチェット歯12aと噛合する。このとき、トルクリミッタギヤ8が逆転しようとするが、第1ラチェット12に連結されている支持軸10は、ラチェット本体11の突起係止部14がストッパレバー16によって係止されて第1ラチェット12の逆転が阻止されるため、トルクリミッタギヤ8だけが空転することになる。
【0033】
前記のようにラチェット本体11の突起係止部14がストッパレバー16によって係止されて第1ラチェット12の逆転が阻止されているため、駆動ギヤ9の第2ラチェット13のラチェット歯13aはラチェット本体11の第1ラチェット12のラチェット歯12a上を滑動して駆動ギヤ9が支持軸10上において遊動する。このことにより、ラチェット本体11は回転しない状態に維持される。すなわち、駆動ギヤ9からの回転力はラチェット本体11の支持軸10には伝達されない状態になる。
【0034】
前記逆転動作時に、前述のように駆動ギヤ9が支持軸10上において遊動する際、第1ラチェット12のラチェット歯12aと第2ラチェット13のラチェット歯13aとが当接すると、その衝突音が騒音となって問題となるが、本例では、ラチェット主体11の第1ラチェット12におけるラチェット歯12aの駆動ギヤ9側の面に小突起12bを複数個設けてあるので、第1ラチェット12のラチェット歯12aと第2ラチェット13のラチェット歯13aとが面で当接せずに小突起12bを介して点接触状態で当接することになって、歯同士が当接して生じる衝撃音が小さくなり、騒音を抑制することができる。
【0035】
そして、駆動モータ2が所定量の回転を終了すると、駆動モータ2は給紙時の回転である正転方向への回転を開始する。この場合、図6(c)に示すように、駆動モータ2に連動する中間ギヤ7も正転方向(図中の矢印方向(反時計方向の回転))に回転するのに連動してトルクリミッタギヤ8および駆動ギヤ9が正転する。
【0036】
このとき、スリーブ19のレバー部21はラチェット本体11のカム凹部15から外れているため、ラチェット本体11の第1ラチェット12のラチェット歯12aは、付勢スプリングSの付勢力を受けて駆動ギヤ9の第2ラチェット13のラチェット歯
13aと噛合し、駆動ギヤ9の回転力が両ラチェット12,13を介してラチェット本体11の支持軸10に伝達される。よって、支持軸10に設けられている半円状の給紙ローラRは正転を開始する。
【0037】
スリーブ19は、中間ギヤ7の回転と連動して、図6(c)における時計方向(矢印方向)に回転し、そのレバー部21がラチェット本体11に近づくときには、既にカム凹部15が移動して通り過ぎており、レバー部21はラチェット主体11の周部11aに当接して、周部11aの上面を摺動する。この状態では、トルクリミッタギヤ8は、トルクリミッタの作用によって空転する。
【0038】
ラチェット本体11の突起係止部14がストッパレバー16を通過した後に、レバー部21が位置している所までラチェット本体11のカム凹部15が移動してくる。すなわち、ラチェット本体11が図6(a)の初期位置から1回転して、レバー部21がカム凹部15に入り込む。すると、図7(a)に示すように、レバー部21がカム凹部15のテーパー部15aに乗り上げるため、ラチェット本体11は、付勢スプリングSの付勢力に抗して支持軸10の軸方向において、第1ラチェット12が駆動ギヤ9の第2ラチェット13から離脱する方向(矢印方向)に移動する。このためラチェット本体11と共に回転可能な支持軸10に対する駆動ギヤ9からの回転力の伝達が解除されて、支持軸10に設けられている給紙ローラRは停止する。
【0039】
レバー部21は、駆動が解除される位置までテーパー部15aに乗り上げると、レバー部21のテーパー部15aに対する押圧によって、ラチェット本体11は逆転しようとするが、ラチェット本体11の突起係止部14がストッパレバー16によって係止されることにより、その逆転は阻止される。その後、レバー部21は、テーパー部15aをさらに乗り上げて、図7(b)に示すように、カム凹部15の係止部15bまで移動すると、トルクリミッタの作用によってスリーブ19の回転が拘束されるため、トルクリミッタギヤ8が空転を開始する時点で両ラチェット12,13の噛合が確実に解除され、ラチェット本体11の正転は停止して初期状態に戻り、この状態が維持されることになる。
【0040】
図8は本発明の第2実施形態を説明するための駆動装置における要部を示す構成図であり、この第2実施形態の装置は前記第1実施形態の装置と基本構成は同じであって、第1実施形態の装置とは、駆動ギヤ9の内側面にラチェット本体11の内側面と当接するゴム材などからなる衝撃吸収部材26aを設置した点が異なっている。
【0041】
このように構成したため、既述した逆転動作時、駆動ギヤ9の第2ラチェット13のラチェット歯13aがラチェット本体11の第1ラチェット12のラチェット歯12a上を滑動して駆動ギヤ9が支持軸10上において遊動する状態において、第1ラチェット12のラチェット歯12aと第2ラチェット13のラチェット歯13aとが当接する前に、衝撃吸収部材26aがラチェット本体11の内側面に当接することになって、両ラチェット12,13が直接当接する場合に比較して、当接時の衝撃が緩衝されるため、騒音を抑制することができる。
【0042】
図9は本発明の第3実施形態を説明するための駆動装置における要部を示す構成図であり、この第3実施形態の装置は前記第1実施形態の装置と基本構成は同じであって、第1実施形態の装置とは、駆動ギヤ9の外側面と装置筐体1におけるベース体1aとの間にゴム材などからなる衝撃吸収部材26bを設置した点が異なっている。
【0043】
このように構成したため、既述した逆転動作時、駆動ギヤ9の第2ラチェット13のラチェット歯13aがラチェット本体11の第1ラチェット12のラチェット歯12a上を滑動して、駆動ギヤ9が支持軸10上において遊動する状態において、駆動ギヤ9がベース体1aに直接当接せずに、衝撃吸収部材26bが駆動ギヤ9の外側面に当接することになって、駆動ギヤ9とベース体1aとの当接時の衝撃が緩衝されるため、騒音の発生を抑制することができる。
【0044】
図10は本発明の第4実施形態を説明するための駆動装置における要部を示す構成図であり、この第4実施形態の装置は前記第1実施形態の装置と基本構成は同じであって、第1実施形態の装置における駆動ギヤ9と第2ラチェット13との構造が異なっており、第4実施形態では駆動ギヤ30と第2ラチェット31とを別部材にして、両者の間に公知のワンウエイ機構32を設け、前記逆転時には第2ラチェット31には回転駆動力が伝達されないように一方方向の回転のみ可能にしたものである。
【0045】
したがって、ワンウエイ機構32の制動によって、逆転時には駆動ギヤ30は回転するものの、第2ラチェット31は回転しないことになるので、前記各実施形態の装置において説明したような第2ラチェット31と第1ラチェット12との間における当接関係は生じないため、音の発生をなくすことができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の駆動装置によれば、正転時に両ラチェットを連結して駆動伝達状態にし、逆転時に両ラチェットを離して駆動非伝達状態にする構成であり、その逆転時のラチェットにおける回転,移動の際に、従来、発生していた衝突音を軽減あるいはなくすことが可能になり、騒音の発生を抑制することができるため、構成の簡素化と使用感の向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を説明するための給紙部に適用される駆動装置における構成図である。
【図2】図1の装置における要部を示す斜視図である。
【図3】図1の装置における駆動ギヤとラチェット本体との関連構成を示す斜視図である。
【図4】図3のラチェット本体の斜視図である。
【図5】図1のトルクリミッタギヤ部分の断面図である。
【図6】図1の装置の要部における動作の説明図である。
【図7】図6のカム凹部における動作の説明図である。
【図8】本発明の第2実施形態を説明するための駆動装置における要部を示す構成図である。
【図9】本発明の第3実施形態を説明するための駆動装置における要部を示す構成図である。
【図10】本発明の第4実施形態を説明するための駆動装置における要部を示す構成図である。
【符号の説明】
1…装置筐体、 2…駆動モータ、 7…中間ギヤ、 8…トルクリミッタギヤ、 9,30…駆動ギヤ、 10…支持軸、 11…ラチェット本体、 12…第1ラチェット、 12b…小突起、 13,31…第2ラチェット、 14…突起係止部、 15…カム凹部、 16,35…ストッパレバー、 19…スリーブ、 20…リミッタ用スプリング、 21…レバー部、 22…駆動解除リブ、 25…ストッパー部、 26a,26b…衝撃吸収部材、 32…ワンウエイ機構、 35a…ストッパレバー35のテーパー面。

Claims (5)

  1. 被駆動体を支持する支持軸に対して遊動可能に設けられ、正逆回転することが可能な駆動源からの回転力を受けて回転し、かつ側面に一方のラチェットが設けられた駆動ギヤと、
    側面に他方のラチェットが設けられ、かつ前記駆動ギヤの回転方向に応じて前記一方のラチェットに対して他方のラチェットが相対的に接離動作することによって、駆動ギヤに対する回転力の伝達を接断する駆動力接断部材と、
    前記駆動力接断部材を動作させる作動部材とを備え、回転量を規制しながら被駆動体を回転駆動する駆動装置であって、
    前記一方のラチェットあるいは他方のラチェットの少なくとも一方の噛合部分に突起を設けたことを特徴とする駆動装置。
  2. 前記噛合部分にシボ加工によって前記突起を形成したことを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
  3. 被駆動体を支持する支持軸に対して遊動可能に設けられ、正逆回転することが可能な駆動源からの回転力を受けて回転し、かつ側面に一方のラチェットが設けられた駆動ギヤと、
    側面に他方のラチェットが設けられ、かつ前記駆動ギヤの回転方向に応じて前記一方のラチェットに対して他方のラチェットが相対的に接離動作することによって、駆動ギヤに対する回転力の伝達を接断する駆動力接断部材と、
    前記一方のラチェットと他方のラチェットとが噛合するように付勢する付勢スプリングと、
    前記駆動力接断部材を動作させる作動部材とを備え、回転量を規制しながら被駆動体を回転駆動する駆動装置であって、
    前記一方のラチェットあるいは他方のラチェットにおける移動時の衝撃を吸収するための衝撃吸収部材を備えたことを特徴とする駆動装置。
  4. 被駆動体を支持する支持軸に対して遊動可能に設けられ、正逆回転することが可能な駆動源からの回転力を受けて回転し、かつ側面に一方のラチェットが設けられた駆動ギヤと、
    側面に他方のラチェットが設けられ、かつ前記駆動ギヤの回転方向に応じて前記一方のラチェットに対して他方のラチェットが相対的に接離動作することによって、駆動ギヤに対する回転力の伝達を接断する駆動力接断部材と、
    前記駆動力接断部材を動作させる作動部材とを備え、回転量を規制しながら被駆動体を回転駆動する駆動装置であって、
    前記駆動ギヤと一方のラチェットとを別部材にて形成し、かつ前記駆動ギヤと一方のラチェット間に、この一方のラチェットを駆動ギヤに対して一方向のみ回転することを可能にするワンウエイ機構を設けたことを特徴とする駆動装置。
  5. 前記被駆動体が、積載されたシート紙を分離給紙する半円状の給紙ローラであることを特徴とする請求項1,3または4に記載の駆動装置。
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