JP3557057B2 - 駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、複写機やファクシミリ等の給紙装置において、記録紙束を一枚ずつ分離するための給紙ローラを駆動する駆動装置に関し、特に、給紙ローラの所定量の回転を規定する構造を備えた駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複写機、プリンタ、あるいはファクシミリ等の画像形成装置においては、駆動装置が用いられている。
この画像形成装置は、電子写真プロセスにより原稿像を転写紙に静電転写することで複写画像を得ることができものであり、駆動装置を用いる機構の一つとして給紙装置を備えている。
【0003】
この給紙装置は、給紙カセット内から転写紙を一枚分離した状態で繰り出し、その転写紙を画像形成装置内の転写部に給送するために設けられているもので、その構成は、例えば、特開平3−284547号公報や特開平3−284548号公報等に開示されている。
上記公報には、給紙カセット内に積層されている転写紙の繰り出し方向先端側上方に半月形状の回転可能な給紙ローラを配置し、給紙ローラの周面を転写紙に接触させながら繰り出し、給紙カセットに設けられている分離部材、例えば、分離爪により転写紙を一枚分離して給送するようになっている。このような形状の給紙ローラを用いた場合には、停止している時に、平坦面が転写紙の上位に位置することで転写紙への負荷が作用せず、これにより、繰り出し時での転写紙の引き摺りを生じないという利点がある。また、このような構成とは別に、周面の摩擦係数が異なる一対の給紙ローラを転写紙の給送路上に配置し、給紙ローラ同士と転写紙との間での摩擦係数の違いにより一枚分離して転写紙を繰り出す構成もある。
【0004】
給紙装置での給紙ローラは、転写紙を繰り出すために必要な回転のみを行うことが転写紙の連続給紙を防ぐ上で必要である。このため、給紙ローラは1回転した後、停止し、再度、給紙指令があった時点で回転を開始するようになっている。 給紙ローラを1回転させて停止させるための構成としては、給紙ローラ側に電磁クラッチやソレノイドによって動作制御されるストッパ部材を用いた構成がある。
【0005】
しかし、上記1回転動作制御のための構成では、電磁クラッチ等の特別な装置を用意する必要があるので、それだけ装置の構成が複雑になったりコストが上昇する。
これに対し、上記公報に開示の構成では、給紙ローラの支持軸に一体のクラッチドラム、このクラッチドラムに一端が係止されて巻締め、巻弛み可能なバネクラッチの他端が係止されている制御環と、支持軸上に位置して駆動源に連動可能な伝達手段と、制御環の回転を制御して支持軸への回転力の断接を行うコントロールレバーとを設け、駆動源の逆転時にコントロールレバーと制御環との係合を解除し、駆動源の正転時には、制御環の連動を可能にするとともに1回転の回転量に達した時点で制御環の回転をコントロールレバーの係合により規制するようにして、電磁クラッチ等の複雑な機構を必要としないようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の駆動装置においては、紙詰り等の解消のために、給紙ローラを逆転させた場合には、上記公報にも明示されているように、バネクラッチの初期巻締めトルクが作用して制御環が回転する。このため、制御環に対して駆動源からの正転方向の回転が伝達される時には、駆動源の逆転時での逆転量だけずれた位置で、コントロールレバーと制御環の係合部とが対向しているので、駆動源の所定量の正転にも関わらず、制御環が係合されるまでの回転量が所定量と異なってしまうという問題点があった。
しかも、バネクラッチを用いているために、回転時に摺擦音が発生したり、耐久性が良くなかったり、さらに、バネクラッチの初期巻き付けトルクのセッティングに手間がかかってしまう等の問題点もある。
【0007】
そこで、この発明は、上記従来の駆動装置における問題点に鑑み、低コストで回転量の規定を行うことができ、且つ、駆動源の正逆回転時に騒音等の発生を極力抑えることができる、簡単な構成の駆動装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の要旨とするところは、請求項1では、所定回転量を規定するための駆動装置であって、被駆動部材を支持する支持軸に対して遊動可能に設けられ、正逆回転可能な駆動源からの回転力を伝達されて回転する駆動ギヤと、上記支持軸上で摺動可能かつ支持軸とともに回転可能に設けられ、上記駆動ギヤとの間で対をなすことにより駆動力を断接可能な駆動力断接手段と、上記駆動力断接手段に設けられていて、上記駆動ギヤとの間で駆動力を断接できるストロークを以て形成されているテーパ部と、上記駆動源からの駆動力によって回転可能に設けられていて、上記テーパ部に係合可能なレバー部を有する断接制御手段とを備え、上記断接制御手段は、上記テーパ部が初期位置から1回転した位置で上記レバー部を上記テーパ部に係合させて上記駆動力断接手段を介した駆動ギヤからの駆動力の伝達を解除することである。
【0009】
請求項2では、請求項1記載の駆動装置において、上記被駆動部材は、半月形状をなす給紙ローラである。
【0010】
請求項3では、請求項1記載の駆動装置において、上記断接制御手段は、所定の摩擦力により空転可能なトルクリミッタを備えていることである。
【0011】
請求項4では、請求項1記載の駆動装置において、上記断接制御手段は、上記駆動源の回転に連動して正逆回転し、逆転時、上記レバー部が上記テーパ部との係合を解除され、その後、上記駆動源が正転するのに連動して上記テーパ部に係合可能な態位に維持されることである。
【0012】
請求項5では、請求項1記載の駆動装置において、請求項1記載の駆動装置において、上記駆動力断接手段には、上記テーパ部の位置に対応して上記断接制御手段のレバー部が嵌合可能なガイド部が形成され、上記駆動力断接手段が回転した際に、上記ガイド部が上記レバー部に嵌合することで上記レバー部が上記テーパ部に係合して上記駆動力断接手段による駆動力の伝達を解除することである。
【0013】
請求項6では、上記駆動力断接手段は、上記テーパ部がその一部を成すカム形状部が形成され、上記駆動力断接手段が回転した際に、上記レバー部が上記カム形状部を摺動した後、上記テーパ部に係合して上記駆動力断接手段による駆動力の伝達を解除することを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
請求項7では、請求項5又は6記載の駆動装置において、上記駆動力断接手段には、上記テーパ部に上記レバー部の係止部が設けられていることである。
【0014】
請求項8では、請求項5又は6記載の駆動装置において、上記断接制御手段のレバー部は、該断接制御手段が上記駆動源の逆転に連動した際にケーシングに設けられているストッパ部により所定角度以上の回転を阻止され、上記ストッパ部は、上記駆動ギヤの正転に上記レバー部が連動する際、上記駆動力断接手段が1回転した時点で、上記レバー部が、当該駆動力断接手段の上記ガイド部又はテーパ部と対向できるような位置に配置されていることである。
【0015】
請求項9では、請求項8記載の駆動装置において、上記断接制御手段には、上記駆動力断接手段に当接して駆動ギヤとの伝達関係を解除するストロークを有するテーパ部からなる駆動解除リブが設けられ、該駆動解除リブは、上記レバー部が上記ストッパ部に当接した時に上記駆動ギヤ上記駆動力断接手段との伝達関係を解除できる位置に配置されていることである。
【0016】
【実施例】
以下、この発明の実施例について図面を参照して説明する。先ず、請求項1から4に基づく実施例について、図1から図12を参照して説明する。図1は、本実施例による駆動装置の構成図であり、同図において駆動装置1は、駆動モータ2からの駆動を伝達される減速ギヤ3、アイドルギヤ4、中間ギヤ5、トルクリミッタギヤ6および駆動ギヤ7を備えている。なお、図1は、各ギヤのピッチサークル(一点鎖線)のみで各ギヤが示してある。各ギヤは、駆動装置1のケーシング1A内に納められている。
【0017】
この実施例の特徴は、トルクリミッタギヤ6と駆動ギヤ7との間での駆動力伝達機構にあり、以下、その構造について説明する。図2は、中間ギヤ5、トルクリミッタギヤ6および駆動ギヤ7の配置関係を示しており、同図において、中間ギヤ5には、トルクリミッタギヤ6および駆動ギヤ7がそれぞれ噛み合い、トルクリミッタギヤ6と駆動ギヤ7とは直接噛み合っていない。
【0018】
駆動ギヤ7は、図3に示すように、一端に図示されない半月形状の給紙ローラSが一体化される支持軸8に対し回転可能に支持されている。
図3において支持軸8は、駆動ギヤ7が嵌合するロッド部8Aと後述する駆動力断接手段9を回転可能に支持するために周面の一部が平坦面とされたDカット部8Bとを備えている。
【0019】
駆動力断接手段9は、支持軸8のDカット部8Bに対し、軸方向に摺動可能かつ支持軸8とともに回転可能に設けられており、支持軸8が挿嵌されている箇所の周囲に形成されている円筒部9Aには上端面に複数のラチェット歯9Bが形成されている。
図3及び図5に示すように、ラチェット歯9Bは、駆動ギヤ7の下端面に形成されているラチェット歯7Aと対をなし、支持軸8の下端と底面との間に配置されているバネ10により駆動ギヤ7側のラチェット歯7Aと噛み合っている。ラチェット歯7A、9Bの歯面形状は、図3及び図4に示すように、反時計方向に相当する駆動ギヤ7の逆転方向の回転時に一方が回転を拘束されると他方が滑動できる形状とされている。
【0020】
駆動力断接手段9には、図4及び図6に示すように、軸方向でラチェット歯9Bの下方に一対のフランジ部9C、9Dが形成されており、下部側に位置するフランジ部9Cの周面には、突出部からなる係止部9Eが、また、フランジ部9Cの上面には、テーパ部9Fがそれぞれ形成されている。
係止部9Eは、駆動力断接手段9が、図4において反時計方向に回転した際にケーシング1A(図1参照)に配置されているストップ部材11(図2参照)と対向する。
【0021】
テーパ部9Fは、駆動力断接手段9が、図4において時計方向に回転した際に、その回転方向前方側から後方側に向けフランジ部9Cの上面からの高さが高くなる傾斜面を有し、その高さがラチェット歯7A、9Bの噛み合いおよび噛み合い解除による駆動ギヤ7と駆動力断接手段9との間の駆動力の断接が行えるストロークに相当させてある。
【0022】
駆動力断接手段9の近傍には、図2に示すように、断接制御手段12が配置されている。
図2において、断接制御手段12は、中間ギヤ5に噛み合うトルクリミッタギヤ6を有し、トルクリミッタギヤ6には、図7に示すように、これと一体成形された軸部13を備えている。
図7において、軸部13には、トルクリミッタギヤ6の下端面との間に介装された摩擦部材14を介してスリーブ15が挿嵌されており、スリーブ15は、軸部13との間に配置されたリミッタ用バネ16によってトルクリミッタギヤ6の下端面に圧接している。摩擦部材14およびリミッタ用バネ16は、トルクリミッタギヤ6とスリーブ15との間に配置されたトルクリミッタを構成し、スリーブ15の回転が拘束された際に生じる摩擦力が所定の値以上になるとトルクリミッタギヤ6のみを中間ギヤ5に連動させて空転させるために設けられている。
【0023】
図2および図7において、スリーブ15の外周面には、径方向に突出し、駆動力断接手段9に有するフランジ部9Cのテーパ部9Fに対向して係合可能なレバー部17およびケーシング1A(図1参照)に形成されているストッパ部18(図1、図2参照)により係止可能なストッパレバー19が設けられている。
レバー部17とストッパレバー19とは、ストッパレバー19がストッパ部18(図1、図2参照)により係止された時にレバー部17が駆動力断接手段9のフランジ部9Cのテーパ部9Fに係合可能な位置で、かつ、ラチェット歯7A、9Bが互いに離脱して噛み合いを解除されるテーパ部9Fの高さの位置に達することができる位置関係が定められて配置されている。
【0024】
上記構成のこの実施例の動作について、図8から図12を参照して説明する。図8は、断接制御手段12が初期位置にあるときを駆動力断接手段9のフランジ部9Cが観察できる状態で示しており、このときには、断接制御手段12のレバー部17が駆動力断接手段9のフランジ部9Cに有するテーパ部9Fに対向して載り上げるとともに、ストッパレバー19がストッパ部18(図1、図2参照)により係止されている。
駆動力断接手段9のフランジ部9Cに有する係止部9Eに対しては、ケーシング1A側のストップ部材11が当接して駆動力断接手段9の回転、この場合には逆転方向の回転が阻止されている。
【0025】
レバー部17がテーパ部9Fに載り上げることにより、図9に示すように、駆動力断接手段9は、バネ10の付勢に抗して駆動ギヤ7側のラチェット歯7Aからラチェット歯9Bを離脱させているので、駆動力断接手段9に対する駆動ギヤ7からの駆動力の伝達が解除される。これにより、断接制御手段12とともに回転することができる支持軸8には駆動ギヤ7からの回転力が伝達されないので、支持軸8に一体化されている給紙ローラ(図示されず)は回転しない状態に維持される。この時の給紙ローラは、半月形状のうちの平坦面を転写紙(図示されず)の上面に対向させており、転写紙(図示されず)とは非接触な状態とされている。
【0026】
図10は、図8に示した状態から駆動源である駆動モータ2(図1参照)が所定量の回転量を以て給紙時の方向と逆方向に回転した状態を示している。この状態では、中間ギヤ5が逆転方向(図10中、時計方向)に回転するのに連動してトルクリミッタギヤ6が逆転する。
トルクリミッタギヤ6と同じく中間ギヤ5に噛み合っている駆動ギヤ7も逆転するが、駆動ギヤ7が逆転すると、駆動力断接手段9のフランジ部9Cに有する係止部9Eがストップ部材11によって係止されて回転が拘束されているので、ラチェット歯7A、9Bのうち、駆動ギヤ7側のラチェット歯7Aが駆動力断接手段9側のラチェット歯9B上を滑動して駆動ギヤ7が支持軸8上で遊動する。これにより、駆動力断接手段9は、回転しない状態に維持されるので、駆動力断接手段9とともに回転することができる支持軸8に対する駆動ギヤ7からの駆動力の伝達が解除されたままとなる。
【0027】
駆動モータ2が所定量の回転を終了すると、図11に示すように、駆動モータ2が正転を開始する。駆動モータ2が正転すると、中間ギヤ5も正転方向(図12中、反時計方向)に回転するのに連動してトルクリミッタギヤ6および駆動ギヤ7が正転する。
図10に示した状態で断接制御手段12におけるレバー部17は駆動力断接手段9のフランジ部9Cに有するテーパ部9Fから外れているので、駆動力断接手段9のラチェット歯9Bがバネ10の付勢により、図12に示すように、駆動ギヤ7側のラチェット歯7Aと噛み合う方向に移動する。これにより、駆動ギヤ7の回転力がラチェット歯7A、9Bを介して駆動力断接手段9に伝達されるので、駆動力断接手段9とともに回転可能な支持軸8に回転力が伝達されて支持軸8に一体化されている給紙ローラ(図示されず)が回転する。
【0028】
断接制御手段12は、中間ギヤ5の回転に連動して、図11中、時計方向に回転し、レバー部17が駆動力断接手段9の円筒部9Aに当接すると、トルクリミッタの作用によりトルクリミッタギヤ6のみが空転し、レバー部17をフランジ部9Cのテーパ部9Fに係合可能な状態に維持させる。これにより、駆動力断接手段9のフランジ部9Cが、図8に示した初期位置から1回転してテーパ部9Fがレバー部17に対向するとレバー部17がテーパ部9Fに載り上げることにより、駆動力断接手段9をバネ10の付勢に抗して支持軸8の軸方向でラチェット歯9Bが駆動ギヤ7側のラチェット歯7Aから離脱する方向に移動させる。従って、駆動力断接手段9は、図9に示すように、駆動ギヤ7のラチェット歯7Aから自らに有するラチェット歯9Bを離脱させるので、駆動ギヤ7からの回転力の伝達が解除されるので、駆動力断接手段9とともに回転可能な支持軸8に対する駆動力の伝達が解除されて支持軸8と一体化されている給紙ローラ(図示されず)は停止する。
【0029】
次に、請求項5及び7に基づく実施例を図13を参照して説明する。この実施例は、断接制御手段に有するレバー部材を積極的に駆動力断接手段に有するテーパ部に対して係合させるようにしている。尚、同図において、図1から12に示したものと同一構成部材については同一符号を付している。
図13において、駆動力断接手段9のフランジ部9Dには、下方に位置するフランジ部9Cに有するテーパ部9Fと対応する位置に溝部で構成されたガイド部20が形成されている。
ガイド部20は、駆動力断接手段9の正転方向(図13中、時計方向)への回転時、同じく正転方向(図13中、時計方向)に回転する断接制御手段12に有するレバー部17の回転軌跡に一致する長手方向が設定されてフランジ部9Dの周縁から円筒部9Aの外表面までの範囲に形成されている。ガイド部20の開口端は、レバー部17の回転軌跡とフランジ部9Dの周縁の回転軌跡とが一致する位置に形成されている。
【0030】
レバー部17には、ガイド部20に嵌合可能なピン21が固定されている。また、フランジ部9Dのテーパ部9Fの最上位近傍には、図14に示すように、断接制御手段12に有するレバー部17のピン21が係合可能な係止部22(図14(B)参照)が設けられている。
【0031】
以下、上記構成のこの実施例の動作について説明する。図13(A)は、レバー部17が駆動力断接手段9に有するフランジ部9Cのテーパ部9Fに乗り上げ、さらに、レバー部17のピン21がフランジ部9Dのガイド部21に嵌合した状態を示している。
この状態では、レバー部17がテーパ部9Fに乗り上げることにより、図示しないが、駆動力断接手段9は、バネ10の付勢に抗して駆動ギヤ7側のラチェット歯7Aからラチェット歯9Bを離脱させているので、駆動力断接手段9に対する駆動ギヤ7からの駆動力の伝達が解除される。これにより、断接制御手段12と共に回転することができる支持軸8には駆動ギヤ7からの回転力が伝達されないので、支持軸8に一体化されている給紙ローラ(図示されず)は回転しない状態に維持される。この時の給紙ローラは、半月形状のうちの平坦面を転写紙(図示されず)の上面に対向させている。
【0032】
図13(B)は、(A)に示した状態から駆動モータ2が所定の回転量を以て給紙時とは逆転方向に回転した状態を示している。この状態では、中間ギヤ5が逆転方向(図13(B)中、時計方向)に回転するのに連動してトルクリミッタギヤ6が逆転する。
トルクリミッタギヤ6と同じく中間ギヤ5に噛み合っている駆動ギヤ7も逆転するが、駆動ギヤ7が逆転すると、駆動力断接手段9のフランジ部9Cに有する係止部9Eがストップ部材11によって係止されて回転が拘束されているので、ラチェット歯7A、9Bのうち、駆動ギヤ7側のラチェット歯7Aが駆動力断接手段9側のラチェット歯9B上を滑動して駆動ギヤ7が支持軸8上で遊動する。これにより、駆動力断接手段9は、回転しない状態に維持されるので、駆動力断接手段9とともに回転することができる支持軸8に対する駆動ギヤ7からの駆動力の伝達が解除されたままとなる。
【0033】
駆動モータ2が所定量の回転を終了すると、駆動モータ2が給紙時の回転である正転方向への回転を開始する。
図13(C)に示すように、駆動モータ2に連動する中間ギヤ5も正転方向(図13(C)中、反時計方向)に回転するのに連動してトルクリミッタギヤ6および駆動ギヤ7が正転する。
図13(C)に示した状態で断接制御手段12におけるレバー部17は駆動力断接手段9のフランジ部9Cのテーパ部9Fから外れているので、駆動力断接手段9のラチェット歯9Bがバネ10の付勢により、図12に示した場合と同様に、駆動ギヤ7側のラチェット歯7Aと噛み合う方向に移動する。これにより、駆動ギヤ7の回転力がラチェット歯7A、9Bを介して駆動力断接手段9に伝達されるので、駆動力断接手段9とともに回転可能な支持軸8に回転力が伝達されて支持軸8に一体化されている給紙ローラ(図示されず)が回転する。
【0034】
断接制御手段12は、中間ギヤ5の回転に連動して、図13(C)中、時計方向に回転すると、レバー部17のピン21を駆動力断接手段9のフランジ部9C、9Dの外周面に当接させる。
レバー部17のピン21がフランジ部9C、9Dの外周面に当接した状態では、トルクリミッタの作用によりトルクリミッタギヤ6のみが空転し、レバー部17のピン21がフランジ部9Cのテーパ部9Fに係合可能な状態に維持される。
【0035】
駆動力断接手段9のフランジ部9Cが、図13(A)に示した初期位置から1回転してガイド部20がレバー部17のピン21に対向すると、ガイド部20内への移動が許容されてガイド部20内にレバー部17のピン21が嵌合する。ピン21がガイド部20内に嵌合すると、その移動に連動してレバー部17がフランジ部9Cのテーパ部9Fに載り上げるので、駆動力断接手段9をバネ10の付勢に抗して支持軸8の軸方向でラチェット歯9Bが駆動ギヤ7側のラチェット歯7Aから離脱する方向に移動させる。従って、駆動力断接手段9は、図9に示した場合と同様に、駆動ギヤ7のラチェット歯7Aから自らに有するラチェット歯9Bを離脱させるので、駆動ギヤ7からの回転力の伝達が解除されるので、駆動力断接手段9とともに回転可能な支持軸8に対する駆動力の伝達が解除されて支持軸8と一体化されている給紙ローラ(図示されず)は停止する。
【0036】
駆動力断接手段9が初期位置から1回転した際に断接制御手段12のレバー部17に位置するピン21がガイド部20内に嵌合し、さらに、図14(A)に示すように、テーパ部7Fの最上位近傍に位置する係止部22に衝合することにより、断接制御手段12の回転を拘束するので、トルクリミッタギヤ6が空転を始める時点でラチェット歯7A、9B同士の噛み合いを確実に解除する。
【0037】
このように、ガイド部20およびテーパ部9Fに対して係合可能な態位を維持されているレバー部17は、駆動力断接手段9が初期位置から1回転した際にガイド部20がピン21に対向すると、ガイド部20内に移動することで強制的にレバー部17をテーパ部9Fに係合させる。
【0038】
また、テーパ部9Fの最上位近傍にレバー部17を係止して断接制御手段12の回転を拘束する係止部22により、ラチェット歯7A、9B同士が最も確実に噛み合いを解除されるテーパ部9Fの最上位の位置にレバー部17が位置決めされる。
【0039】
次に、請求項8及び9に基づく実施例を、図15から図17を参照して説明する。この実施例は、駆動ギヤ7が逆転を継続する際に、駆動力断接手段9による給紙ローラへの駆動力の伝達を解除できるようにしたことにある。
【0040】
この実施例では、図13に示した場合と同様に、駆動力断接手段9のフランジ部9Dには、ガイド部20が設けられているとともに、図14に示した構成と同様に、フランジ部9Cに有するテーパ部9Fの最上面近傍に、断接制御手段12に有するレバー部17のピン21が係合可能な係止部22(図14(B)参照)が設けられている。
【0041】
断接制御手段12の外周面には、図15および図16に示すように、レバー部17とは別に駆動解除リブ23が設けられている。駆動解除リブ23は、駆動力断接手段9の上部側に位置するフランジ部9Dの上面に当接した際に駆動力断接手段9を押し下げてラチェット歯9Bを駆動ギヤ7のラチェット歯7Aから離脱させることができる傾斜面を有するテーパ部で構成されている。
【0042】
断接制御手段12のレバー部17に有するピン21と駆動解除リブ23とは、図17(B)に示すように、レバー部17がケーシング1Aに設けられているストッパ部18によって係止されたときに駆動力断接手段9のフランジ部9Dの上面を押し下げることができる位置関係に定められて配置されている。
【0043】
ケーシング1Aに有するストッパ部18は、駆動モータ2が給紙時とは逆方向に回転するのに連動してトルクリミッタギヤ6が逆転した際に、図17(B)に示すように、駆動解除リブ23を駆動力断接手段9のフランジ部9Dに対向させた状態を維持できる状態でレバー部17を衝止できる位置に形成されており、さらに、トルクリミッタギヤ6が正転方向に回転した際には、図17(C)に示すように、レバー部17のピン21を駆動量断接手段9のガイド部20に対向させる回転量が断接制御手段12によって得られる位置に位置決めされている。
【0044】
上記構成の実施例の動作について説明する。初期状態としては、図17(A)に示すように、レバー部17のピン21が駆動力断接手段9のフランジ部9Dに有するガイド部20に嵌合し、レバー部17がフランジ部9Cのテーパ部9Fに乗り上げている。この状態では、図8、図13(A)に示した場合と同様に、レバー部17がテーパ部9Fに乗り上げることにより、図示しないが、駆動力断接手段9は、バネ10の付勢に抗して駆動ギヤ7側のラチェット歯7Aからラチェット歯9Bを離脱させているので、駆動力断接手段9に対する駆動ギヤ7からの駆動力の伝達が解除される。これにより、断接制御手段12と共に回転することができる支持軸8には駆動ギヤ7からの回転力が伝達されないので、支持軸8に一体化されている給紙ローラ(図示されず)は回転しない状態に維持される。この時の給紙ローラは、半月形状のうちの平坦面を転写紙(図示されず)の上面に対向させている。
【0045】
図17(B)は、(A)に示した状態から駆動モータ2が所定の回転量を以て給紙時とは逆転方向に回転した状態を示している。この状態では、中間ギヤ5が逆転方向(図17(B)中、時計方向)に回転するのに連動してトルクリミッタギヤ6が逆転する。
トルクリミッタギヤ6が逆転すると、断接制御手段12のレバー部17がストッパ部18に衝止されることによって駆動力解除リブ23が駆動力断接手段9のフランジ部9Dの上面に対向するので、フランジ部9Dが押し下げられてラチェット9Bが駆動ギヤ7のラチェット歯7Aから離脱する。
【0046】
ラチェット歯7A、9Bが離脱した状態でトルクリミッタギヤ6が逆転を継続される場合には、レバー部17とストッパ部18とが衝止関係にあるので、断接制御手段12の回転が拘束され、トルクリミッタの作用によってトルクリミッタギヤ6のみが空転する。この時には、フランジ部9Cの係止部9Eがストップ部材11によって係止されているので、駆動ギヤ7のラチェット歯7Aが駆動力断接手段9のラチェット歯9B上を滑動して駆動ギヤ7が支持軸8上で遊動する。これにより、駆動力断接手段9は、回転しない状態に維持されるので、駆動力断接手段9とともに回転することができる支持軸8に対する駆動ギヤ7からの駆動力の伝達が解除されたままとなる。この状態では、駆動モータ2が他の駆動系に対して回転方向を逆転方向に設定することで駆動力を伝達することができる。
【0047】
駆動モータ2が所定量の回転を終了すると、駆動モータ2が給紙時の回転である正転方向への回転を開始する。
図17(C)に示すように、駆動モータ2に連動する中間ギヤ5も正転方向(図17(C)中、反時計方向)に回転するのに連動してトルクリミッタギヤ6および駆動ギヤ7が正転する。
図17(C)に示す状態で断接制御手段12におけるレバー部17およびピン21は、駆動力断接手段9のフランジ部9Cに有するテーパ部9Fおよびガイド部20から外れているので、駆動力断接手段9のラチェット歯9Bがバネ10の付勢により、図12に示した場合と同様に、駆動ギヤ7側のラチェット歯7Aと噛み合う方向に移動する。これにより、駆動ギヤ7の回転力がラチェット歯7A、9Bを介して駆動力断接手段9に伝達されるので、駆動力断接手段9とともに回転可能な支持軸8に回転力が伝達されて支持軸8に一体化されている給紙ローラ(図示されず)が回転する。
【0048】
断接制御手段12は、中間ギヤ5の回転に連動して、図17(C)中、時計方向に回転すると、レバー部17のピン21を駆動力断接手段9のフランジ部9C、9Dの外周面に当接させる。
レバー部17のピン21がフランジ部9C、9Dの外周面に当接した状態では、トルクリミッタの作用によりトルクリミッタギヤ6のみが空転し、レバー部17のピン21がフランジ部9Cのテーパ部9Fに係合可能な状態に維持される。
【0049】
駆動力断接手段9のフランジ部9Cが、図17(A)に示した初期位置から1回転してガイド部20がレバー部17のピン21に対向すると、ガイド部20内への移動が許容されてガイド部20内にレバー部17のピン21が嵌合する。ピン21がガイド部20内に嵌合すると、その移動に連動してレバー部17がフランジ部9Cのテーパ部9Fに乗り上げるので、駆動力断接手段9をバネ10の付勢に抗して支持軸8の軸方向でラチェット歯9Bが駆動ギヤ7側のラチェット歯7Aから離脱する方向に移動させる。従って、駆動力断接手段9は、図9に示した場合と同様に、駆動ギヤ7のラチェット歯7Aから自らに有するラチェット歯9Bを離脱させるので、駆動ギヤ7からの回転力の伝達が解除されるので、駆動力断接手段9とともに回転可能な支持軸8に対する駆動力の伝達が解除されて支持軸8と一体化されている給紙ローラ(図示されず)が停止する。
【0050】
駆動力断接手段9が初期位置から1回転した際に断接制御手段12のレバー部17に位置するピン21がガイド部20内に嵌合し、さらに、図14(A)に示した場合と同様に、テーパ部9Fの最上位近傍に位置する係止部22に衝合することにより、断接制御手段12の回転を拘束するので、トルクリミッタギヤ6が空転を始める時点でラチェット歯7A、9B同士の噛み合いを確実に解除する。
このように、駆動ギヤ7が逆転をした場合には、駆動力解除リブ23によって駆動ギヤ7と駆動力断接手段9とに有するラチェット歯7A、9Bが噛み合いを解除された状態に維持される。
【0051】
次に、請求項6から9に基づく実施例を、図18から図21を参照して説明する。この実施例も上記実施例と同様に、駆動ギヤ7が逆転を継続する際に駆動力断接手段9による給紙ローラへの駆動力の伝達を解除でき、正転時には駆動ギヤ7が1回転した時点で、断接制御手段12によって駆動力の伝達が解除される構成となっている。
この実施例の基本的構成は、上述した実施例と略同様であり、同一部材には同一番号を付している。図18及び図19に示すように、駆動力断接手段9のラチェット9Gの外周部は、平坦なカム形状部9Hとなっており、このカム形状部9Hの一部として、くさび形状の凹部9Iが形成されている。この凹部9Iは、テーパ部9Jと係止部9K等の部分から成り、その底部は、図20からも分かるように、係止部9K方向に向かうにしたがって深さが増す傾斜面9Lとなっている。
【0052】
断接制御手段12の外周面には、図20に示すように、棒状あるいは細長い板状のレバー部30と、図16と同様の駆動解除リブ23が設けられており、同様の形状と機能を有している。この断接制御手段12のレバー部30と駆動解除リブ23とは、図17(B)にも示したように、レバー部30がケーシング1A(図1参照)に設けられているストッパ部18によって係止されたときに、駆動解除リブ23がラチェット9Gのカム形状部9Hを押し下げることができるような位置関係で配置されている。また、ケーシング1Aに配置され、レバー部30を係止するストッパ部18も、同様の条件を満たすように位置決めされている。
【0053】
上記構成における動作ついて図20を参照して説明する。図20(A)は、レバー部30が駆動力断接手段9の凹部9Iに嵌合し、レバー部30がテーパ部9Jに載り上げている状態を示している。この状態では、図8、図13(A)に示した場合と同様に、図示しないが、駆動力断接手段9は、バネ10の付勢力に抗して駆動ギヤ7側のラチェット歯7Aからラチェット歯9Bを離脱させているので、駆動力断接手段9に対する駆動ギヤ7からの駆動力の伝達は解除されている。
これにより、駆動力断接手段9と共に回転することができる支持軸8には駆動ギヤ7からの回転力が伝達されないので、支持軸8に一体化されている給紙ローラ(図示しない)は回転しない状態に維持される。この時の給紙ローラは、半月形状のうちの平坦面を転写紙(図示しない)の上面に対向させている。
【0054】
図20(B)は、駆動モータ2の給紙時の回転方向を正転とすると、同図(A)に示した状態から、駆動モータ2が所定の回転量だけ逆転した状態を示している。この状態では、中間ギヤ5が逆転方向(同図(B)中、矢印、時計方向)に回転するのに連動してトルクリミッタギヤ6が逆転する。トルクリミッタギヤ6が逆転すると、断接制御手段12のレバー部30がストッパ部18に衝止され、駆動ギヤ7側のラチェット歯7Aから離脱していたラチェット歯9Bは、ラチェット歯7Aと噛み合う。この時、トルクリミッタギヤ6は逆転しようとするが、ラチェット9Gとラチェット9Gに連結された支持軸8は、ストップ部材11によってラチェット9Gの係止部9Eが係止されるため、ラチェット9Gの逆回転は止められ、トルクリミッタギヤ6のみが空転する。
【0055】
同時に、ラチェット9Gの係止部9Eがストップ部材11によって係止されているので、駆動ギヤ7のラチェット歯7Aが駆動力断接手段9のラチェット歯9B上を滑動して駆動ギヤ7が支持軸8上で遊動する。これにより、駆動力断接手段9は、回転しない状態に維持される、言い換えれば、駆動ギヤ7からの駆動力は駆動力断接手段9の支持軸8に伝達されない状態になる。
この状態においては、駆動モータ2の回転方向を逆転方向に設定することで、他の駆動系に対し駆動力を伝達することができる。
【0056】
駆動モータ2が所定量の回転を終了すると、駆動モータ2が給紙時の回転である正転方向への回転を開始する。この場合、図20(C)に示すように、駆動モータ2に連動する中間ギヤ5も正転方向(同図(C)中、矢印、反時計方向)に回転するのに連動してトルクリミッタギヤ6および駆動ギヤ7が正転する。
この時には、断接制御手段12のレバー部30は、駆動力断接手段9のテーパ部9Jから外れているので、前述の如く、駆動力断接手段9のラチェット歯9Bは、バネ10の付勢力により、図12に示した場合と同様に、駆動ギヤ7側のラチェット歯7Aと噛み合っており、駆動ギヤ7の回転力がラチェット歯7A、9Bを介して駆動力断接手段9の支持軸8に伝達される。これにより、支持軸8に一体化されている給紙ローラ(図示しない)が正転を開始する。
【0057】
断接制御手段12は、中間ギヤ5の回転に連動して、図20(C)中、時計方向(矢印方向)に回転し、そのレバー部30がラチェット9Gに近づく時には、既にラチェット9Gの凹部9Iは通り過ぎており、レバー部30はラチェット9Gの外周のカム形状部9Hに当接した後、その状態でカム形状部9H上を摺動する。レバー部30がラチェット9Gのカム形状部9Hに当接した状態では、トルクリミッタの作用によりトルクリミッタギヤ6のみが空転し、レバー部30がラチェット9Gの凹部9Iに係合可能な状態に維持される。
【0058】
ラチェット9Gの突起9Eがストップ部材11を通過した後に、レバー部30の所にラチェット9Gの凹部9Iが来る、即ち、ラチェット9Gが図20(A)に示した初期位置から1回転して、レバー部30が凹部9Iに入り込む。それと共に、図21(A)に示すように、レバー部30がテーパ部9Jに乗り上げるので、ラチェット9Gは、バネ10の付勢力に抗して支持軸8の軸方向でラチェット歯9Bが駆動ギヤ7側のラチェット歯7Aから離脱する矢印方向に移動する。したがって、ラチェット9Gと共に回転可能な支持軸8に対する、駆動ギヤ7からの駆動力の伝達が解除されて、支持軸8と一体化されている給紙ローラ(図示されず)が停止する。
【0059】
この時、レバー部30が、駆動が解除される所までテーパ部9Jに乗り上げると、レバー部30のテーパ部9Jに対する押圧力により、ラチェット9Gは逆回転しようとするが、ラチェット9Gの突起9Eがストップ部材11によって係止されることにより、逆回転は止められる。その後、レバー部30はテーパ部9Jをさらに乗り上げて、図21(B)に示すように、凹部9Iの係止部9Kまで行くと、トルクリミッタが効いて断接制御手段12の回転が拘束されるので、トルクリミッタギヤ6が空転を始める時点で、ラチェット歯7A、9B同士の噛み合いは確実に解除され、ラチェット9Gの正転は停止して初期状態に戻り、この状態が保持される。
【0060】
【発明の効果】
請求項1から4記載の発明によれば、駆動力断接手段に有するテーパ部を断接制御手段のレバー部により断接制御することにより、被駆動部材が支持されている支持軸の1回転のみの規定を行えるようにしたので、従来技術と異なり、部品点数の増加や複雑な機構を要することなく、且つ、セッティング等の前操作を要する必要のない簡単な構成によって、被駆動部材の所定の回転量を規定することができる。
【0061】
請求項5および7記載の発明によれば、トルクリミッタを組込んだ断接制御手段に有するレバー部をトルクリミッタの回転力を利用して強制的に駆動力断接手段に有するテーパ部に向け移動させるガイド部を設けたので、レバー部をテーパ部の最上位に位置させて、駆動ギヤと駆動力断接手段との間の駆動力の伝達を確実に解除することができる。
【0062】
請求項8および9記載の発明によれば、駆動源の正転時にはレバー部を駆動力断接手段のテーパ部に対向させる移動量が得られる位置にストッパ部を設けることで駆動力断接手段の1回転での駆動力の伝達を確実に解除でき、さらに駆動源の逆転時には、駆動ギヤと駆動力断接手段との間での駆動力の伝達を解除する駆動解除リブを設けたので、駆動力断接手段が逆転しようとする際に、前以て駆動ギヤと駆動力断接手段との駆動力の伝達を解除して騒音が発生するのを防止することができる。
しかも、駆動源の逆転時には、駆動ギヤと駆動力断接手段との間での駆動力の伝達が駆動解除リブによって解除されているので、駆動ギヤが駆動源により逆転を継続された場合でも、支持軸への駆動力の伝達が行われない状態が維持されるため、単一の駆動源の正逆回転を利用して、複数、特に2系統の駆動経路を構成することができ、駆動経路毎に駆動源を用いる場合に比べて、簡単な構成で、2系統の駆動経路を実現することができる。
【0063】
請求項6から9記載の発明によれば、駆動力断接手段に、レバー部が摺動するためのカム形状部を設け、カム形状部の一部にテーパ部と係止部を設け、レバー部をカム形状部によって待機させておいて、テーパ部が回って来た時に、その最上位に当接させているので、請求項5、及び7から9と同様の効果を奏すると共に、駆動力断接手段の駆動力だけでなく、トルクリミッタの回転力も加わって、確実に、駆動ギヤと駆動力断接手段との駆動力の伝達を解除することができ、且つ、解除された状態を保持することができる。
特に、上記請求項5及び7に基づく実施例においては、機械稼働中の電源断や、ユーザーによる異常動作等が生じた場合、駆動力断接手段を構成する2つのフランジ部(図15参照)に挟まれて形成された溝部に、断接制御手段の駆動解除リブがはまり込んでロックしてしまうという不具合があったが、請求項6では、この溝部を無くして、平坦なカム形状部としたので、駆動解除リブがはまり込んでロックしてしまうのを完全に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による駆動装置の実施例を示す平面図である。
【図2】図1に示した駆動装置におけるギヤの配置関係を説明するための斜視図である。
【図3】図1に示した駆動装置に用いられる駆動ギヤ、支持軸、駆動力断接手段の構成を説明するための分解斜視図である。
【図4】図3に示した駆動力断接手段のみを示す斜視図である。
【図5】図4に示した駆動力断接手段の側面図である。
【図6】図3に示した各部材の断面図である。
【図7】図1に示した駆動装置に用いられるトルクリミッタギヤおよび断接制御手段の内部構造を示す断面図である。
【図8】図1に示した駆動装置における中間ギヤ、トルクリミッタギヤ、駆動ギヤの初期位置の状態を説明する平面図である。
【図9】図8に示した初期位置の状態での駆動力断接手段の側面図である。
【図10】図8に示した初期位置の状態から駆動源を逆転させた場合の状態を示す平面図である。
【図11】図9に示した逆転状態から駆動源を正転させた場合の状態を示す平面図である。
【図12】図11に示した正転状態での駆動力断接手段の側面図である。
【図13】請求項5及び7記載の発明の実施例を示す図であり、(A)は中間ギヤ、トルクリミッタギヤ、駆動ギヤの初期位置の状態を、(B)は、(A)の状態から駆動源を逆転させた場合の状態を、(C)は(B)の状態から駆動源を正転させた場合の状態をそれぞれ示している。
【図14】図13に示した駆動力断接手段のテーパ部近傍に形成されている係止部とレバー部との関係を示す側面図であり、(A)はレバー部が係止部に係合している場合を、(B)はレバー部が係止部から外れている場合をそれぞれ示している。
【図15】請求項8及び9記載の発明の実施例を示す斜視図である。
【図16】図15に示した実施例の駆動力断接手段の構成を示す側面図である。
【図17】図15に示した実施例の動作を示す説明図であり、(A)は中間ギヤ、トルクリミッタギヤ、駆動ギヤの初期位置の状態を、(B)は、(A)の状態から駆動源を逆転させた場合の状態を、(C)は(B)の状態から駆動源を正転させた場合の状態をそれぞれ示している。
【図18】請求項6に基づく実施例の駆動力断接手段と駆動ギヤが噛み合っている状態を示す斜視図である。
【図19】図18に示した駆動力断接手段を示す斜視図である。
【図20】図18に示した実施例の動作を示す、駆動力断接手段のテーパ部部分のみを断面図とした説明図であり、(A)は中間ギヤ、トルクリミッタギヤ、駆動ギヤの初期位置の状態を、(B)は、(A)の状態から駆動源を逆転させた場合の状態を、(C)は(B)の状態から駆動源を正転させた場合の状態をそれぞれ示している。
【図21】図20に示した駆動力断接手段のテーパ部と断接制御手段のレバー部との関係を示す側面図であり、(A)はレバー部がテーパ部に乗り上げている状態を、(B)はレバー部がストッパ部に係止されている状態をそれぞれ示している。
【符号の説明】
1 駆動装置
1A ケーシング
2 駆動モータ
5 中間ギヤ
6 トルクリミッタギヤ
7 駆動ギヤ
7A 駆動力断接手段と対をなすラチェット歯
8 支持軸
9 駆動力断接手段
9B 駆動ギヤのラチェット歯と対をなすラチェット歯
9E,9K 係止部
9F,9J テーパ部
9G ラチェット
9H カム形状部
9I 凹部
12 断接制御手段
14 トルクリミッタの構成部材である摩擦部材
17,30 レバー部
18 ストッパ部
20 ガイド部
21 ピン
22 係止部
23 駆動解除リブ

Claims (9)

  1. 所定回転量を規定するための駆動装置であって、
    被駆動部材を支持する支持軸に対して遊動可能に設けられ、正逆回転可能な駆動源からの回転力を伝達されて回転する駆動ギヤと、
    上記支持軸上で支持軸と共に回転可能、且つ軸方向には摺動可能に設けられ、上記駆動ギヤとの間で対をなしていて、駆動ギヤの駆動力を断接可能な駆動力断接手段と、
    上記駆動力断接手段に設けられていて、上記駆動ギヤとの間で駆動力を断接できるストロークを以て形成されているテーパ部と、
    上記駆動源からの駆動力によって回転可能に設けられていて、上記テーパ部に係合可能なレバー部を有する断接制御手段とを備え、
    上記断接制御手段は、上記テーパ部が初期位置から1回転した位置で上記レバー部を上記テーパ部に係合させて上記駆動力断接手段を介した駆動ギヤからの駆動力の伝達を解除することを特徴とする駆動装置。
  2. 上記被駆動部材は、半月形状をなす給紙ローラであることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
  3. 上記断接制御手段は、所定の摩擦力により空転可能なトルクリミッタを備えていることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
  4. 上記断接制御手段は、上記駆動源の回転に連動して正逆回転し、逆転時、上記レバー部が上記テーパ部との係合を解除し、その後、上記駆動源が正転するのに連動して、当該レバー部が上記テーパ部に係合可能な態位に維持されることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
  5. 上記駆動力断接手段には、上記テーパ部の位置に対応して上記断接制御手段のレバー部が嵌合可能なガイド部が形成され、上記駆動力断接手段が正転した際に、上記ガイド部が上記レバー部に嵌合することで上記レバー部が上記テーパ部に係合して上記駆動力断接手段による駆動力の伝達を解除することを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
  6. 上記駆動力断接手段は、上記テーパ部がその一部を成すカム形状部が形成され、上記駆動力断接手段が正転した際に、上記レバー部が上記カム形状部を摺動した後、上記テーパ部に係合して上記駆動力断接手段による駆動力の伝達を解除することを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
  7. 上記駆動力断接手段には、上記テーパ部に上記レバー部の係止部が設けられていることを特徴とする請求項5又は6記載の駆動装置。
  8. 上記断接制御手段のレバー部は、該断接制御手段が上記駆動源の逆転に連動した際にケーシングに設けられているストッパ部により所定角度以上の回転を阻止され、上記ストッパ部は、上記駆動ギヤの正転に上記レバー部が連動する際、上記駆動力断接手段が1回転した時点で、上記レバー部が、当該駆動力断接手段の上記ガイド部又はテーパ部と対向できるような位置に配置されていることを特徴とする請求項5又は6記載の駆動装置。
  9. 上記断接制御手段には、上記駆動力断接手段に当接して駆動ギヤとの伝達関係を解除するストロークを有するテーパ部からなる駆動解除リブが設けられ、該駆動解除リブは、上記レバー部が上記ストッパ部に当接した時に上記駆動ギヤ上記駆動力断接手段との伝達関係を解除できる位置に配置されていることを特徴とする請求項8記載の駆動装置。
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