JP3597962B2 - 緑色無機顔料の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チタン、コバルト、ニッケル及び亜鉛の各元素の酸化物からなるスピネル構造の複合酸化物である緑色無機顔料の製造に関する。
【0002】
【従来の技術】
チタン、コバルト、ニッケル及び亜鉛の各元素の酸化物からなるスピネル構造の複合酸化物である緑色無機顔料は、耐候性、耐熱性に優れており、窯業用の着色剤、塗料や合成樹脂の着色剤等に幅広く使われている。この緑色無機顔料の製造として、従来から多くの手法が採用され、又、提案もされている。
【0003】
例えば、チタン、コバルト、ニッケル及び亜鉛の4元素の酸化物、あるいは熱を加えることにより酸化物となる化合物を、所定の割合で混合し、1100〜1300°Cで3〜6時間焼成することが古くから行われてきた。しかし、この方法では、均質で充分に発色した焼成物を得るためには、焼成温度を高くし、且つ、焼成時間を長くする必要がある。そのため、エネルギーコストが高くなるばかりでなく、時間とともに焼結が進み、焼成物の粒子が粗大化してしまうため、多大な機械的エネルギーをかけて粉砕する必要がある。
【0004】
また、配合原料を長時間かけて湿式条件下で混合粉砕することによって超微細化し、かつ混合状態をより均質なものとした後、焼成することも知られている。この超微細化によって、焼成時間の短縮は多少可能となるが、湿式混合粉砕の欠点である粉砕タンクや粉砕媒体の摩耗から不純物の混入が大きな問題となる。
【0005】
さらに、焼成温度の低温化のために融剤を併用することも知られているが、焼ムラがひどく焼結による粒成長も著しい。
【0006】
また、さらには、共沈法を利用することも知られている。例えば、特公昭56−376号公報には酸化チタン又はメタチタン酸あるいはこれら両者を、コバルト、ニッケル及び亜鉛の各元素の可溶性塩を含む水溶液中に分散させた後、その水溶液を中和し、水酸化物として各元素を共沈させ、得られた混合物を焼成することが開示されている。また、特開平3−8728号公報には、コバルト、ニッケル、亜鉛の各塩の水溶液にチタンを含む水溶液を加える際、過酸化水素水、ペルオキソ酸あるいはペルオキソ酸塩を同時に加え混合溶液とし、沈澱剤を加えて各元素を共沈させ、ろ過、水洗、乾燥の後、1000°C程度の温度に焼成することが開示されている。この共沈法を利用した製造方法によってより均質な顔料を得ることができるが、工程が複雑であり、これが製造コストを跳ね上げる問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の解決課題は、チタン、コバルト、ニッケル及び亜鉛の各元素の酸化物からなる均質でかつ充分に発色した緑色無機顔料を簡単な工程で得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の緑色無機顔料の製造方法は、酸化チタンあるいはメタチタン酸粒子に、コバルト、ニッケル及び亜鉛の各元素の酸化物、水酸化物あるいは炭酸塩の粒子を配合した原料粒子の混合物を粉砕機を用いて乾式粉砕処理したのち焼成する緑色無機顔料の製造方法において、乾式粉砕処理中に、その混合物にメカノケミカル反応を起こすのに充分なエネルギーを与えてそれぞれの原料粒子を接合せしめ、この接合した原料粒子のそれぞれが、チタン、コバルト、ニッケル及び亜鉛のそれぞれの元素が原料配合比率で共存する複合粒子とし、この複合粒子を850〜1050°Cの範囲で焼成することを特徴とする。
【0009】
このメカノケミカル反応によって、原料粒子同士が強固に接合し、複合化と同時に原料粒子表面から非晶質化(無定形化)が進む。もちろん、この処理は粉砕機による乾式粉砕の延長線上に存在するため、複合化現象と同時に粉砕も平行して起こり、複合化による粒子径の増大を防ぐ効果も奏する。
【0010】
この複合化処理によって得られた個々の粒子は、チタン、コバルト、ニッケル及び亜鉛のそれぞれの元素が原料配合比率で共存する複合粒子であり、かつ、結晶質に比べて反応性に富んだ非晶質への変化が進んだ複合粒子である。つまり、原料粒子同士が強固に接合し、固相反応速度の重要因子である粒子同士の接点、すなわち、反応点が著しく増加する上、接合粒子の非晶質化がさらなる反応促進に寄与するため、従来の製造方法に比べて高温、長時間の焼成を必要としない。従って、焼結が進まない比較的低温の850〜1050°Cの焼成温度と短い焼成時間で、均質でかつ充分発色した顔料を得ることができる。
【0011】
このメカノケミカル反応の進行は、X線回折結果での非晶質化の進行、TG−DTA/DSCなどの熱分析での発熱、吸熱ピークの消滅や移動、さらには、複合化による比表面積の減少傾向への移行等で確認できる。
【0012】
メカノケミカル反応自体は、久保輝−郎著 総合技術出版(1987)発行の「無機物のメカノケミストリー」に記載されているように公知であり、粉体の表面改質、高温超伝導物質の生成等に適応できることが知られているが、チタン、コバルト、ニッケル及び亜鉛の各元素の酸化物からなるスピネル構造の複合酸化物である緑色無機顔料をはじめとした無機顔料の製造方法に応用した例はなく、得られた顔料が如何なる特性を有するものであるかも全く知られていない。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する配合原料としては、酸化チタンあるいはメタチタン酸を、コバルト、ニッケル及び亜鉛の各元素の酸化物、水酸化物あるいは炭酸塩が使用できるが、コバルト源として水酸化コバルト、ニッケル源として炭酸ニッケルを組み合せて配合したものが、より低いエネルギー付加での非晶質化が進むことから都合が良い。
【0014】
配合原料を乾式粉砕処理するために使用する粉砕機の粉砕形態についてはとくに制限はない。例えば、転動ボールミル、振動ミル、石臼型ミル、インパクトミル、ロール転動ミル、ディスクミル、ピンミル、媒体撹袢ミル(アトライター)、遊星ボールミルなどが挙げられる。ただ、振動ミル、媒体撹袢ミル、遊星ボールミルなどの摩砕による粉砕機構を含むものがメカノケミカル反応を誘発させやすい点から望ましい。また、粉砕媒体を使用する粉砕機の場合、粉砕媒体は、ロッド、シリンダー、ボールのいずれも使用可能であるが、望ましくは、摩砕効果が高まるよう粉砕媒体条件下で複合化処理を行う。例えば、振動ミルや遊星ボールミルの場合、微粉砕に適するボール径の1.1〜2.0倍のものを使用、もしくは、ボール量を1〜2割増しの状態で使用することによって、磨砕効果を高めることができる。
【0015】
さらに、粉砕媒体への付着防止のために少量の液体助剤を添加するのは有効であり、例えば、一般に乾式粉砕助剤として広く使われているエタノール、プロパノールなどがよい。添加量については、配合原料の総量に対し0.05〜5.0wt%の範囲での添加が望ましい。
【0016】
さらに乾式処理の際、粒子間の接合をより低いエネルギーで起こすための助剤としては、原料である無機物表面に吸着し、かつ、バインダーの役目を担うのに充分な粘度をもつ有機物が特に有効である。例えば、無機物表面の吸着性から1分子中に水酸基もしくはカルボキシル基を複数有する有機物、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコール系アミン類、もしくは、1分子中にカルボキル基を複数有するジカルボン酸類、あるいはポリカルボン酸類などが挙げられる。もし、その有機物が常温で固体あるいはあまりに高粘度の場合は、水もしくはその他の溶剤で粘度を10〜500センチホポイズの溶液として用いる。これは、原料粒子全体に均一分散させるの適した範囲の粘度である。添加量については、配合原料の総量に対し0.05〜5.0重量%の範囲、望ましくは0.5〜2.0重量%の範囲である。仮に添加量を5.0wt%以上にすると、大多数の原料が複合化処理の初期段階で粉砕タンク内壁や粉砕媒休に未処理のまま付着し、その付着物がその後の処理作用を阻害してしまい、又、0.05重量%以下では添加の効果がほとんど認められなくなるからである。これらの助剤を使用すると処理効率が向上し、場合によっては、ボールミル等の低エネルギ一型の粉砕機でも複合化処理が可能となる。
【0017】
【実施例】
実施例1
メタチタン酸100部に対して水酸化コバルト48.3部、炭酸ニッケル135.8部、酸化亜鉛42.2部となるように調合し、振動ボールミル(MB−1型/中央化工機(株)社製)を使用して、乾式で2時間、複合化処理を行った。この際、容器はナイロン製ポット(3.0l)、粉砕媒休は、25mmφのアルミナボール5.0kgを用い、配合原料の投入量は100gとした。
【0018】
この処理で得られた粒子をX線回折装置(RAD−III/理学電機(株)社製)を用いて非晶質化の進行程度の確認と電子顕微鏡(S−2300形走査電子顕微鏡/(株)日立製作所)による粒子表面の観察、さらには、EDX(エネルギー分散形X線マイクロアナライザーEMAX−3700/(株)堀場製作所)により、同一粒子内に共存している元素の確認を行った。
【0019】
図1は実施例1によって得た粒子のX線回折プロファイルであり、これから、上記処理によって著しく非晶質化が進行した粒子であることが確認できる。
【0020】
図2はその電子顕微鏡写真であり、複数の原料粒子が接合し、数十倍に成長した2次粒子を形成しているのが観察される。
【0021】
また、図3から図6は、それぞれ、EDX(元素分析)によって得られたチタン、コバルト、ニッケル及び亜鉛の元素の存在状態を表わす面分析結果である。これらから、その2次粒子は、チタン、コバルト、ニッケル及び亜鉛の各元素が共存する複合粒子であることがわかる。
【0022】
図7にはその複合粒子の形態を模式化したものを示す。この複合粒子をローラーハース炉にて、大気中、800°C〜1100°Cで1時間焼成し、得られた焼成品を1μm以下に解砕し、展色し、測色した。展色、測色の手順は以下の通りである。比較評価は修正マンセル表色系(HVC)で行なった。
【0023】
測色方法
マヨネーズ瓶(70cc)に以下の重量比で混和し、ペイントシェイカー(5400型ペイントコンディショナー レッドデヴィル社製)で20分間分散させる。そしてアート紙にアプリケーター(150μ)によって展色し、分光光度計(カラコムシステム 大日精化工業(株)社製)で測色した。
試料(1μm以下) 4部
ガラスビーズ(ユニビーズUB−25271/ユニオン社製) 45部
アクリル樹脂(ニッペアクリル オートクリアスーパー) 40部
シンナー 2部
【0024】
修正マンセル表色系
色調の表示方法として現在用いられている色相環は、10色相(R、YR、Y、GY、G・・・)のそれぞれを4分割した40種で表わされ、例えば、緑色系でいえば、黄味の強い緑色から黄味の少ない緑色にかけて、H(色相)の値が、7.5GY、10GY、2.5G、5Gと表示され、例えば緑色無機顔料で言えば2.0G〜2.7Gの範囲のものが広く使われており、H(色相)が2.0Gの顔料は黄味がかった顔料であり、逆に、H(色相)が2.7Gの顔料は緑味の強い顔料である。
【0025】
又、一般にV(明度)は1〜10の値をとり、10に近づく程白さが増し、C(彩度)は0〜16の値をとり、大きい程鮮やかさが増す傾向にある。表1にそれぞれの焼成温度、時間、それに修正マンセル表色系によるH(色相)などの測定結果を示す。
【表1】
【0026】
800°Cで1時間の焼成条件では充分発色した顔料を得ることはできなかったが、85O°C〜1050°Cで1時間の焼成条件、つまり、焼結が進まない焼成条件で、非常に均質、かつ、H(色相)が2.41G〜2.65Gの強い緑味をもった顔料が得られた。また、1100°Cで1時間焼成した場合も、鮮やかな緑の発色は得られたが、焼成温度が高いために焼結が進み、いくぶん粗大化した焼成品であった。
【0027】
比較例1
比較例として、実施例1と同組成で調合し、転動ボールミル(ポットミル)にて湿式混合粉砕を行い、これを焼成したものを採った。
湿式混合粉砕は以下の条件で実施した。容器としてはナイロン製ポット(2.0l)、粉砕媒体は、5mmφのアルミナボール3.0kgを用い、そして配合原料を200g、水を0.8l投入し、湿式にて6時間連続運転し、得られたスラリ一状のものを100°Cで48時間乾燥した。
【0028】
乾燥して得られた混合物は、図1に示す通り、実施例1で得られた粒子のように非晶質化は進行しておらず、また、図8の模式図に示す通り、非常に細かい1次粒子の混合物であり、実施例1のような2次粒子の形成は認められなかった。
【0029】
この混合物をローラーハース炉で、大気中、900〜1100°Cで1〜4時間焼成し、得られた焼成品を1μm以下に解砕し、実施例1と同様の手法で展色し、測色した。(表1に)それぞれの焼成温度、時間、それに修正マンセル表色系によるH(色相)などの測定結果を示す。
【0030】
いずれの焼成温度においても、焼成時間が1時間では、焼成品にムラが目立ち、かつ、黄味がかった緑のものであった。均質で、かつ、鮮やがな緑に発色した焼成品を得るには、1050°Cで4時間、もしくはそれ以上の焼成条件が必要である。又、1050°C以上で4時間焼成したため、焼結による粒成長が著しかった。
【0031】
実施例2
エタノール、プロピレングリコール、ポリカルボン酸(ディスパロン2150/楠本化成(株)社製)、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンもしくはモノエタノールアミンのいずれかをそのまま、又は、エタノールで希釈して、所定の粘度に調整し、それらを助剤A〜Hとした。そして、実施例1と同配合原料を投入する際、これらの助剤A〜Hを同時に添加し、同条件で処理を行った。ただし、処理時間は0.5時間〜2時間とした。又、その際、助剤添加量を助剤A〜Hは投入総量の1重量%とし、助剤Hを10重量%添加したものをH’とした。
【0032】
そして上記処理によって得られた複合粒子をローラーハース炉にて、大気中、850°Cで1時間焼成し、それぞれの発色の程度を助剤無添加の実施例1も含めて比較評価した。
【0033】
表2には、添加した助剤A〜H’の成分、その粘度(20°C/センチポイズ)及び上記焼成条件での発色の程度を示す。
【表2】
【0034】
助剤D〜Hを添加した場合、つまり、助剤の粘度が10〜500センチポイズの範囲内のもので、かつ、1分子中に水酸基もしくはカルボキシル基、又はその両者を2つ以上有する有機物を含む助剤においては、1時間もしくは1.5時間の処理で実施例1と同等の強い緑味の顔料が得られた。これは、助剤無添加の実施例1の場合と比べ、短い時間、つまり、より低いエネルギーの付加によって本発明の処理の効果が表われた。しかし、助剤A〜Cについては、助剤D〜Hのように著しい効果は認められなかった。即ち、助剤A,Cのような、1分子中に水酸基を1つしか有さない有機物を含んだ溶液では、助剤の無機物表面への吸着力が不足し、バインダーの役目が担えず、粒子間の接合には直接寄与しなかった。又、助剤A,Bのように、バインダーとして働くのに必要な粘性を有さない溶液でも、粒子間の接合には直接寄与しなかった。また、助剤Hを10重量%添加したH’は複合化処理を2時間行った場合でも充分な発色が得られなかった。これは助剤を過剰添加したため、大多数の原料が複合化処理の初期段階でポット内壁やアルミナボールに未処理のまま付着し、この付着物が、その後の処理作用を阻害したためである。
【0035】
【発明の効果】
(1) 均質でかつ充分発色した緑色無機顔料が、従来の製造方法と比べ低温かつ短時間の焼成により製造が可能となり、従来の製造方法と比べ、大幅なエネルギーコストの低減が達成できる。
【0036】
(2)従来の製造方法と比べ、焼成工程での大幅な生産性の向上が期待できる。
【0037】
(3)焼結による粒子の粗大化が起こることなく焼成が終了し、最終段階の粉砕工程がより簡素に、もしくは省略できる。
【0038】
(4)従来の製造方法と比べ、高品質な顔料が安定して得られる。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1によって得た複合粒子及び比較例1によって得た混合物のX線回折プロファイルを示す。
【図2】本発明の実施例1によって得た複合粒子表面を示す図面に代える電子顕微鏡写真を示す。
【図3】本発明の実施例1によって得た複合粒子のチタン元素に対する面分析結果を示す図面に代える写真を示す。
【図4】本発明の実施例1によって得た複合粒子のコバルト元素に対する面分析結果を示す図面に代える写真を示す。
【図5】本発明の実施例1によって得た複合粒子のニッケル元素に対する面分析結果を示す図面に代える写真を示す。
【図6】本発明の実施例1によって得た複合粒子の亜鉛元素に対する面分析結果を示す図面に代える写真を示す。
【図7】本発明の実施例1によって得た複合粒子の面分析結果に基づいた模式図を示す。
【図8】比較例1の焼成前の混合物の面分析結果に基づいた模式図を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、チタン、コバルト、ニッケル及び亜鉛の各元素の酸化物からなるスピネル構造の複合酸化物である緑色無機顔料の製造に関する。
【0002】
【従来の技術】
チタン、コバルト、ニッケル及び亜鉛の各元素の酸化物からなるスピネル構造の複合酸化物である緑色無機顔料は、耐候性、耐熱性に優れており、窯業用の着色剤、塗料や合成樹脂の着色剤等に幅広く使われている。この緑色無機顔料の製造として、従来から多くの手法が採用され、又、提案もされている。
【0003】
例えば、チタン、コバルト、ニッケル及び亜鉛の4元素の酸化物、あるいは熱を加えることにより酸化物となる化合物を、所定の割合で混合し、1100〜1300°Cで3〜6時間焼成することが古くから行われてきた。しかし、この方法では、均質で充分に発色した焼成物を得るためには、焼成温度を高くし、且つ、焼成時間を長くする必要がある。そのため、エネルギーコストが高くなるばかりでなく、時間とともに焼結が進み、焼成物の粒子が粗大化してしまうため、多大な機械的エネルギーをかけて粉砕する必要がある。
【0004】
また、配合原料を長時間かけて湿式条件下で混合粉砕することによって超微細化し、かつ混合状態をより均質なものとした後、焼成することも知られている。この超微細化によって、焼成時間の短縮は多少可能となるが、湿式混合粉砕の欠点である粉砕タンクや粉砕媒体の摩耗から不純物の混入が大きな問題となる。
【0005】
さらに、焼成温度の低温化のために融剤を併用することも知られているが、焼ムラがひどく焼結による粒成長も著しい。
【0006】
また、さらには、共沈法を利用することも知られている。例えば、特公昭56−376号公報には酸化チタン又はメタチタン酸あるいはこれら両者を、コバルト、ニッケル及び亜鉛の各元素の可溶性塩を含む水溶液中に分散させた後、その水溶液を中和し、水酸化物として各元素を共沈させ、得られた混合物を焼成することが開示されている。また、特開平3−8728号公報には、コバルト、ニッケル、亜鉛の各塩の水溶液にチタンを含む水溶液を加える際、過酸化水素水、ペルオキソ酸あるいはペルオキソ酸塩を同時に加え混合溶液とし、沈澱剤を加えて各元素を共沈させ、ろ過、水洗、乾燥の後、1000°C程度の温度に焼成することが開示されている。この共沈法を利用した製造方法によってより均質な顔料を得ることができるが、工程が複雑であり、これが製造コストを跳ね上げる問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の解決課題は、チタン、コバルト、ニッケル及び亜鉛の各元素の酸化物からなる均質でかつ充分に発色した緑色無機顔料を簡単な工程で得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の緑色無機顔料の製造方法は、酸化チタンあるいはメタチタン酸粒子に、コバルト、ニッケル及び亜鉛の各元素の酸化物、水酸化物あるいは炭酸塩の粒子を配合した原料粒子の混合物を粉砕機を用いて乾式粉砕処理したのち焼成する緑色無機顔料の製造方法において、乾式粉砕処理中に、その混合物にメカノケミカル反応を起こすのに充分なエネルギーを与えてそれぞれの原料粒子を接合せしめ、この接合した原料粒子のそれぞれが、チタン、コバルト、ニッケル及び亜鉛のそれぞれの元素が原料配合比率で共存する複合粒子とし、この複合粒子を850〜1050°Cの範囲で焼成することを特徴とする。
【0009】
このメカノケミカル反応によって、原料粒子同士が強固に接合し、複合化と同時に原料粒子表面から非晶質化(無定形化)が進む。もちろん、この処理は粉砕機による乾式粉砕の延長線上に存在するため、複合化現象と同時に粉砕も平行して起こり、複合化による粒子径の増大を防ぐ効果も奏する。
【0010】
この複合化処理によって得られた個々の粒子は、チタン、コバルト、ニッケル及び亜鉛のそれぞれの元素が原料配合比率で共存する複合粒子であり、かつ、結晶質に比べて反応性に富んだ非晶質への変化が進んだ複合粒子である。つまり、原料粒子同士が強固に接合し、固相反応速度の重要因子である粒子同士の接点、すなわち、反応点が著しく増加する上、接合粒子の非晶質化がさらなる反応促進に寄与するため、従来の製造方法に比べて高温、長時間の焼成を必要としない。従って、焼結が進まない比較的低温の850〜1050°Cの焼成温度と短い焼成時間で、均質でかつ充分発色した顔料を得ることができる。
【0011】
このメカノケミカル反応の進行は、X線回折結果での非晶質化の進行、TG−DTA/DSCなどの熱分析での発熱、吸熱ピークの消滅や移動、さらには、複合化による比表面積の減少傾向への移行等で確認できる。
【0012】
メカノケミカル反応自体は、久保輝−郎著 総合技術出版(1987)発行の「無機物のメカノケミストリー」に記載されているように公知であり、粉体の表面改質、高温超伝導物質の生成等に適応できることが知られているが、チタン、コバルト、ニッケル及び亜鉛の各元素の酸化物からなるスピネル構造の複合酸化物である緑色無機顔料をはじめとした無機顔料の製造方法に応用した例はなく、得られた顔料が如何なる特性を有するものであるかも全く知られていない。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する配合原料としては、酸化チタンあるいはメタチタン酸を、コバルト、ニッケル及び亜鉛の各元素の酸化物、水酸化物あるいは炭酸塩が使用できるが、コバルト源として水酸化コバルト、ニッケル源として炭酸ニッケルを組み合せて配合したものが、より低いエネルギー付加での非晶質化が進むことから都合が良い。
【0014】
配合原料を乾式粉砕処理するために使用する粉砕機の粉砕形態についてはとくに制限はない。例えば、転動ボールミル、振動ミル、石臼型ミル、インパクトミル、ロール転動ミル、ディスクミル、ピンミル、媒体撹袢ミル(アトライター)、遊星ボールミルなどが挙げられる。ただ、振動ミル、媒体撹袢ミル、遊星ボールミルなどの摩砕による粉砕機構を含むものがメカノケミカル反応を誘発させやすい点から望ましい。また、粉砕媒体を使用する粉砕機の場合、粉砕媒体は、ロッド、シリンダー、ボールのいずれも使用可能であるが、望ましくは、摩砕効果が高まるよう粉砕媒体条件下で複合化処理を行う。例えば、振動ミルや遊星ボールミルの場合、微粉砕に適するボール径の1.1〜2.0倍のものを使用、もしくは、ボール量を1〜2割増しの状態で使用することによって、磨砕効果を高めることができる。
【0015】
さらに、粉砕媒体への付着防止のために少量の液体助剤を添加するのは有効であり、例えば、一般に乾式粉砕助剤として広く使われているエタノール、プロパノールなどがよい。添加量については、配合原料の総量に対し0.05〜5.0wt%の範囲での添加が望ましい。
【0016】
さらに乾式処理の際、粒子間の接合をより低いエネルギーで起こすための助剤としては、原料である無機物表面に吸着し、かつ、バインダーの役目を担うのに充分な粘度をもつ有機物が特に有効である。例えば、無機物表面の吸着性から1分子中に水酸基もしくはカルボキシル基を複数有する有機物、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコール系アミン類、もしくは、1分子中にカルボキル基を複数有するジカルボン酸類、あるいはポリカルボン酸類などが挙げられる。もし、その有機物が常温で固体あるいはあまりに高粘度の場合は、水もしくはその他の溶剤で粘度を10〜500センチホポイズの溶液として用いる。これは、原料粒子全体に均一分散させるの適した範囲の粘度である。添加量については、配合原料の総量に対し0.05〜5.0重量%の範囲、望ましくは0.5〜2.0重量%の範囲である。仮に添加量を5.0wt%以上にすると、大多数の原料が複合化処理の初期段階で粉砕タンク内壁や粉砕媒休に未処理のまま付着し、その付着物がその後の処理作用を阻害してしまい、又、0.05重量%以下では添加の効果がほとんど認められなくなるからである。これらの助剤を使用すると処理効率が向上し、場合によっては、ボールミル等の低エネルギ一型の粉砕機でも複合化処理が可能となる。
【0017】
【実施例】
実施例1
メタチタン酸100部に対して水酸化コバルト48.3部、炭酸ニッケル135.8部、酸化亜鉛42.2部となるように調合し、振動ボールミル(MB−1型/中央化工機(株)社製)を使用して、乾式で2時間、複合化処理を行った。この際、容器はナイロン製ポット(3.0l)、粉砕媒休は、25mmφのアルミナボール5.0kgを用い、配合原料の投入量は100gとした。
【0018】
この処理で得られた粒子をX線回折装置(RAD−III/理学電機(株)社製)を用いて非晶質化の進行程度の確認と電子顕微鏡(S−2300形走査電子顕微鏡/(株)日立製作所)による粒子表面の観察、さらには、EDX(エネルギー分散形X線マイクロアナライザーEMAX−3700/(株)堀場製作所)により、同一粒子内に共存している元素の確認を行った。
【0019】
図1は実施例1によって得た粒子のX線回折プロファイルであり、これから、上記処理によって著しく非晶質化が進行した粒子であることが確認できる。
【0020】
図2はその電子顕微鏡写真であり、複数の原料粒子が接合し、数十倍に成長した2次粒子を形成しているのが観察される。
【0021】
また、図3から図6は、それぞれ、EDX(元素分析)によって得られたチタン、コバルト、ニッケル及び亜鉛の元素の存在状態を表わす面分析結果である。これらから、その2次粒子は、チタン、コバルト、ニッケル及び亜鉛の各元素が共存する複合粒子であることがわかる。
【0022】
図7にはその複合粒子の形態を模式化したものを示す。この複合粒子をローラーハース炉にて、大気中、800°C〜1100°Cで1時間焼成し、得られた焼成品を1μm以下に解砕し、展色し、測色した。展色、測色の手順は以下の通りである。比較評価は修正マンセル表色系(HVC)で行なった。
【0023】
測色方法
マヨネーズ瓶(70cc)に以下の重量比で混和し、ペイントシェイカー(5400型ペイントコンディショナー レッドデヴィル社製)で20分間分散させる。そしてアート紙にアプリケーター(150μ)によって展色し、分光光度計(カラコムシステム 大日精化工業(株)社製)で測色した。
試料(1μm以下) 4部
ガラスビーズ(ユニビーズUB−25271/ユニオン社製) 45部
アクリル樹脂(ニッペアクリル オートクリアスーパー) 40部
シンナー 2部
【0024】
修正マンセル表色系
色調の表示方法として現在用いられている色相環は、10色相(R、YR、Y、GY、G・・・)のそれぞれを4分割した40種で表わされ、例えば、緑色系でいえば、黄味の強い緑色から黄味の少ない緑色にかけて、H(色相)の値が、7.5GY、10GY、2.5G、5Gと表示され、例えば緑色無機顔料で言えば2.0G〜2.7Gの範囲のものが広く使われており、H(色相)が2.0Gの顔料は黄味がかった顔料であり、逆に、H(色相)が2.7Gの顔料は緑味の強い顔料である。
【0025】
又、一般にV(明度)は1〜10の値をとり、10に近づく程白さが増し、C(彩度)は0〜16の値をとり、大きい程鮮やかさが増す傾向にある。表1にそれぞれの焼成温度、時間、それに修正マンセル表色系によるH(色相)などの測定結果を示す。
【表1】
【0026】
800°Cで1時間の焼成条件では充分発色した顔料を得ることはできなかったが、85O°C〜1050°Cで1時間の焼成条件、つまり、焼結が進まない焼成条件で、非常に均質、かつ、H(色相)が2.41G〜2.65Gの強い緑味をもった顔料が得られた。また、1100°Cで1時間焼成した場合も、鮮やかな緑の発色は得られたが、焼成温度が高いために焼結が進み、いくぶん粗大化した焼成品であった。
【0027】
比較例1
比較例として、実施例1と同組成で調合し、転動ボールミル(ポットミル)にて湿式混合粉砕を行い、これを焼成したものを採った。
湿式混合粉砕は以下の条件で実施した。容器としてはナイロン製ポット(2.0l)、粉砕媒体は、5mmφのアルミナボール3.0kgを用い、そして配合原料を200g、水を0.8l投入し、湿式にて6時間連続運転し、得られたスラリ一状のものを100°Cで48時間乾燥した。
【0028】
乾燥して得られた混合物は、図1に示す通り、実施例1で得られた粒子のように非晶質化は進行しておらず、また、図8の模式図に示す通り、非常に細かい1次粒子の混合物であり、実施例1のような2次粒子の形成は認められなかった。
【0029】
この混合物をローラーハース炉で、大気中、900〜1100°Cで1〜4時間焼成し、得られた焼成品を1μm以下に解砕し、実施例1と同様の手法で展色し、測色した。(表1に)それぞれの焼成温度、時間、それに修正マンセル表色系によるH(色相)などの測定結果を示す。
【0030】
いずれの焼成温度においても、焼成時間が1時間では、焼成品にムラが目立ち、かつ、黄味がかった緑のものであった。均質で、かつ、鮮やがな緑に発色した焼成品を得るには、1050°Cで4時間、もしくはそれ以上の焼成条件が必要である。又、1050°C以上で4時間焼成したため、焼結による粒成長が著しかった。
【0031】
実施例2
エタノール、プロピレングリコール、ポリカルボン酸(ディスパロン2150/楠本化成(株)社製)、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンもしくはモノエタノールアミンのいずれかをそのまま、又は、エタノールで希釈して、所定の粘度に調整し、それらを助剤A〜Hとした。そして、実施例1と同配合原料を投入する際、これらの助剤A〜Hを同時に添加し、同条件で処理を行った。ただし、処理時間は0.5時間〜2時間とした。又、その際、助剤添加量を助剤A〜Hは投入総量の1重量%とし、助剤Hを10重量%添加したものをH’とした。
【0032】
そして上記処理によって得られた複合粒子をローラーハース炉にて、大気中、850°Cで1時間焼成し、それぞれの発色の程度を助剤無添加の実施例1も含めて比較評価した。
【0033】
表2には、添加した助剤A〜H’の成分、その粘度(20°C/センチポイズ)及び上記焼成条件での発色の程度を示す。
【表2】
【0034】
助剤D〜Hを添加した場合、つまり、助剤の粘度が10〜500センチポイズの範囲内のもので、かつ、1分子中に水酸基もしくはカルボキシル基、又はその両者を2つ以上有する有機物を含む助剤においては、1時間もしくは1.5時間の処理で実施例1と同等の強い緑味の顔料が得られた。これは、助剤無添加の実施例1の場合と比べ、短い時間、つまり、より低いエネルギーの付加によって本発明の処理の効果が表われた。しかし、助剤A〜Cについては、助剤D〜Hのように著しい効果は認められなかった。即ち、助剤A,Cのような、1分子中に水酸基を1つしか有さない有機物を含んだ溶液では、助剤の無機物表面への吸着力が不足し、バインダーの役目が担えず、粒子間の接合には直接寄与しなかった。又、助剤A,Bのように、バインダーとして働くのに必要な粘性を有さない溶液でも、粒子間の接合には直接寄与しなかった。また、助剤Hを10重量%添加したH’は複合化処理を2時間行った場合でも充分な発色が得られなかった。これは助剤を過剰添加したため、大多数の原料が複合化処理の初期段階でポット内壁やアルミナボールに未処理のまま付着し、この付着物が、その後の処理作用を阻害したためである。
【0035】
【発明の効果】
(1) 均質でかつ充分発色した緑色無機顔料が、従来の製造方法と比べ低温かつ短時間の焼成により製造が可能となり、従来の製造方法と比べ、大幅なエネルギーコストの低減が達成できる。
【0036】
(2)従来の製造方法と比べ、焼成工程での大幅な生産性の向上が期待できる。
【0037】
(3)焼結による粒子の粗大化が起こることなく焼成が終了し、最終段階の粉砕工程がより簡素に、もしくは省略できる。
【0038】
(4)従来の製造方法と比べ、高品質な顔料が安定して得られる。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1によって得た複合粒子及び比較例1によって得た混合物のX線回折プロファイルを示す。
【図2】本発明の実施例1によって得た複合粒子表面を示す図面に代える電子顕微鏡写真を示す。
【図3】本発明の実施例1によって得た複合粒子のチタン元素に対する面分析結果を示す図面に代える写真を示す。
【図4】本発明の実施例1によって得た複合粒子のコバルト元素に対する面分析結果を示す図面に代える写真を示す。
【図5】本発明の実施例1によって得た複合粒子のニッケル元素に対する面分析結果を示す図面に代える写真を示す。
【図6】本発明の実施例1によって得た複合粒子の亜鉛元素に対する面分析結果を示す図面に代える写真を示す。
【図7】本発明の実施例1によって得た複合粒子の面分析結果に基づいた模式図を示す。
【図8】比較例1の焼成前の混合物の面分析結果に基づいた模式図を示す。
Claims (3)
- 酸化チタンあるいはメタチタン酸粒子に、コバルト、ニッケル及び亜鉛の各元素の酸化物、水酸化物あるいは炭酸塩の粒子を配合した原料粒子の混合物を乾式粉砕処理したのち焼成し解砕する緑色無機顔料の製造方法において、
乾式粉砕処理中に、その混合物にメカノケミカル反応を起こすのに充分なエネルギーを与えてそれぞれの原料粒子を接合せしめ、
この接合した原料粒子のそれぞれが、チタン、コバルト、ニッケル及び亜鉛のそれぞれの元素が原料配合比率で共存する複合粒子とし、
この複合粒子を850〜1050°Cの範囲で焼成することを特徴とする緑色無機顔料の製造方法。 - 原料粒子の混合物が、コバルト源として水酸化コバルトとニッケル源として炭酸ニッケルとの組合せた配合物とすることを特徴とする請求項1に記載の緑色無機顔料の製造方法。
- 配合原料を粉砕機を用いて乾式粉砕処理で処理する際に、1分子中に水酸基を2つ以上、又は1分子中にカルボキシル基を2つ以上、又は1分子中に水酸基とカルボキシル基の合計が2つ以上である有機物を、常温(20°C)で10〜500センチポイズの粘度となるように調整した溶液を、原料粒子の混合物の総量に対し0.05〜5.0重量%の範囲で添加する請求項1に記載の緑色無機顔料の製造方法。
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