JP3597739B2 - 電界放出型冷陰極及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷陰極ランプ、蛍光表示管、液晶デバイス用のバックライト、フィールドエミッションディスプレイ等に用いられる電界放出型冷陰極及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、強電界を印加することにより、電界放出電子を放出する電界放出型冷陰極の研究、開発が盛んに行われ、フラットパネルディスプレイ、すなわちフィールドエミッションディスプレイ(FED)への応用が期待されている。
【0003】
冷陰極に用いられる電界放出電子源として、ピラミッド形状の金属材料からなる構造のものが知られている(米国特許第365241号公報参照)が、このような電界放出電子源は、1μm程度の微細加工が必要であること、各々の電界放出電子源の形状が均一に制御できないことが課題となっていた。また、一方では、更に微細な電界放出電子源が切望されていた。
このような課題を解決する技術として、特許第2806978号、あるいは特開平7−220619号公報に記載の電界放出型冷陰極が開示されている。
【0004】
すなわち、特許第2806978号公報には、陽極処理されたアルミナの層であってそれの主表面に対して実質的に直交関係にある複数の細長い孔を有する陽極処理アルミナ層を設け、前記孔を電子放出材料で完全に充填し、次に前記層の少なくとも一部分を除去してその層の画定された表面を形成し、かつこの画定された表面からそれに対して角度をもって延長した複数の電子放出スパイクを形成して、複数の電子放出構造を作成し、この構造がそれぞれ互に傾斜した複数の電子放出スパイクを具備しているようにした冷陰極電界放出装置が開示されている。
【0005】
また、特開平7−220619号公報には、図8に示すように、アルミニウム基板100にシリコン酸化膜101とモリブデン102の層を形成し(8a)、開口部104を複数個開口し(図8b)、開口部104に陽極酸化膜105を形成し(8c)、次に、バリア層106を除去し(8d)、陽極酸化膜105に形成される微小孔107にニッケル108を埋め込み(8e)、フォトレジスト103を除去し(8f)、埋め込んだニッケル108を冷陰極とし、モリブデン102をゲート電極とする構造が開示されている。
【0006】
上記の技術は、いずれもアルミニウムの陽極酸化皮膜に形成された細孔中に電界放出電子源を形成するものであり、従来の微細加工技術を用いることなく、数十nm程度の微小な電界放出電子源の形成を可能にしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の冷陰極にあっては、基板がアルミニウムに限定されるという問題があった。
また、基板全体にわたって電界放出領域(画素)が形成されるため、XYアドレスを可能にする電極の配設が難しく高集積化が困難であるという問題があった。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、電界放出電子源を電界放出領域に高配向状態で、高集積化できると共に、電界放出電子源がカソード電極上に選択的に配設可能となり、かつ任意の材質の支持基板の使用を可能にする電界放出型冷陰極及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の電界放出型冷陰極は、微細な細孔を有するゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層中に埋め込まれた電界放出電子源と、前記ゲート絶縁層上に配設されたゲート電極と、前記電界放出電子源と電気的に接続したカソード電極とを有する冷陰極構造体が支持基板に支持されている電界放出型冷陰極であって、前記電界放出電子源は、前記カソード電極を、電解メッキ法による電極として用いて前記カソード電極上に位置する細孔に対してのみ電子放出材料を選択的に埋め込んで形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、前記ゲート電極及び前記カソード電極が互いに直交していることで、ゲート電極及び前記カソード電極が任意に形成可能となり、互いに直交する位置に具備することができる。
また、前記電界放出電子源が集積した電子放出領域以外の領域の前記ゲート絶縁層と前記ゲート電極との間に短絡防止層が配設されていることで、ゲート電極とカソード電極の間の短絡を防止できる。
【0011】
また、前記ゲート絶縁層がアルミニウムの陽極酸化皮膜であることで、アルミニウムの陽極酸化皮膜からなる鋳型をゲート絶縁層とした用いることで、30nm以下の先端径を有する電界放出電子源が電子放出領域(画素)に高集積化できる。
【0012】
また、前記電界放出電子源が、コバルト、ニッケル、すず、タングステン、銀、テルル、セレン、マンガン、亜鉛、カドミウム、鉛、クロム、鉄のいずれかを含有することを特徴とする。これらの材料のうち2つ以上のものの混合物又はそれらの合金でもよい。
【0013】
また、本発明の電界放出型冷陰極の製造方法は、金属基板を陽極酸化して細孔を有する酸化皮膜を形成する工程と、前記陽極酸化した金属基板から未酸化の金属を除去して酸化皮膜を分離する工程と、前記酸化皮膜の一方の表面にカソード電極を形成する工程と、前記カソード電極を形成した表面に絶縁材料を堆積する工程と、前記絶縁材料を平坦化する工程と、前記カソード電極を、電解メッキ法による電極として用いて前記カソード電極上に位置する細孔に対してのみ電子放出材料を選択的に埋め込んで電界放出電子源を形成する工程と、前記カソード電極を形成した酸化皮膜表面と反対側の表面にゲート電極を形成する工程と、前記カソード電極側の表面を絶縁性の支持基板に貼り合わせる工程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の電界放出型冷陰極の製造方法は、絶縁性の支持基板上にカソード電極を形成する工程と、前記カソード電極上に絶縁材料を堆積する工程と、前記絶縁材料を除去して前記カソード電極の表面を露出する工程と、前記カソード電極の表面を陽極酸化して細孔を有する酸化皮膜を形成する工程と、前記カソード電極を、電解メッキ法による電極として用いて前記カソード電極上に位置する細孔に対してのみ電子放出材料を選択的に埋め込んで電界放出電子源を形成する工程と、前記カソード電極を形成した酸化皮膜表面と反対側の表面にゲート電極を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、前記細孔中に電子放出材料を埋め込んで電界放出電子源を形成する工程では、前記細孔中に埋め込まれた電子放出材料にキャップを形成する工程と、該キャップをリフトオフする工程とを含むことで、自己整合的にゲート電極の形成が可能となる。
【0016】
また、前記細孔中に電子放出材料を埋め込んで電界放出電子源を形成する工程では、前記カソード電極を形成した酸化皮膜表面と反対側の表面に絶縁材料を堆積する工程と、前記絶縁材料の電子放出領域を窓開けする工程と、前記細孔中に電子放出材料を埋め込む工程とを含むことで、カソード電極下層に短絡防止層の形成が可能となる。
また、前記細孔中に電子放出材料を埋め込む工程が電気化学的堆積方法であることで、電気化学的堆積法で電界放出電子源を形成が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の電界放出型冷陰極の平面図、図2及び図3は、図1のII−II及びIII−III矢視線断面図である。
【0018】
このような冷陰極の構造は、フィールドエミッションディスプレイに利用可能なものであり、ゲート電極とカソード電極を用いて、電子放出領域(画素)をXYアドレスする。
【0019】
これらの図において、冷陰極構造体20は、絶縁性の電子放出基体(以下、ゲート絶縁層という)1と、ゲート電極6と、カソード電極10とを備える。ゲート絶縁層1には、多数の細孔9が形成されている。この細孔9には、電子放出材料2(電界放出電子源)が完全に充填された細孔901と、電子放出材料2の充填が不十分である細孔902と、全く充填されていない細孔903との3種類が存在する。電子放出材料2が不十分に充填された細孔902が形成される確率は著しく小さいものの、カソード電極5とゲート電極6が電気的に接続し、短絡を引き起こす可能性があるため、このような短絡を防止する構造として、第1実施の形態では、短絡防止層7を設けている。すなわち、図2及び図3に示すように、短絡防止層7は、電子放出領域(画素)8以外の領域のゲート絶縁層1とゲート電極6の間に配設されている。
【0020】
上記構造の冷陰極構造体20はガラス基板等の支持基板15に貼り合わせられて第1実施の形態の電界放出型冷陰極Aが構成されている。
一例として、対角1インチのゲート絶縁層1にカソード電極10とゲート電極6を配設し、100×100のマトリクスを形成した。カソード電極10とゲート電極6が直交する電子放出領域8は100μm×100μm程度の大きさであり、電界放出材料2が約800万個存在する。また、このような構成の冷陰極と対向するように蛍光体を被着したアノード電極(図示せず)を配設し、ゲート電極6に数10V、アノード電極に数KVを印加し、カソード電極10を接地すると、エミッション、蛍光体の発光が行われる。
【0021】
また、冷陰極ランプ、蛍光表示管、液晶デバイス用のバックライトについては、カソード電極、ゲート電極を任意の形状に分割することで、前記のフィールドエミッションディスプレイと同様に形成可能である。すなわち、冷陰極ランプはカソード電極及びゲート電極の分割を必要とせず、蛍光表示管はセグメントに分割し、液晶デバイス用のバックライトは、カソード電極及びゲート電極をラインに分割することにより形成される。
【0022】
次に、第1の実施の形態の電界放出型冷陰極の製造方法を図4及び図5の工程断面図に基づいて説明する。
まず、陽極酸化可能な金属基板を陽極酸化し、片側の表面にカソード電極10を形成する。陽極酸化可能な金属基板としては、アルミニウムが好適に使用される。アルミニウムを陽極酸化すると、直径数10nm〜数百nm程度の細孔が点在する陽極酸化皮膜と、陽極酸化皮膜下層に存在するバリア層と、未酸化のアルミニウム層とが形成される。逆電圧を電極に印加すると、未酸化のアルミニウムとバリア層は陽極酸化皮膜から剥離することができる。このようにして得られた陽極酸化皮膜が、図4(a)に示すように絶縁性の電子放出基体(ゲート絶縁層)1となる。この陽極酸化皮膜、すなわちゲート絶縁層1には、一例として直径が30nm程度の細孔9が密度600〜1000個/μm2 で形成されている。
【0023】
以上のように、ゲート絶縁層1の片面の表面上にカソード電極10を形成し、更に絶縁材料11を堆積し、カソード電極10の表面が露出するまで絶縁材料11を研磨する。
【0024】
次に、図4(b)において、カソード電極10と対向電極を用い、電解メッキ法で細孔9に電子放出材料2を埋め込み電界放出電子源を構成する。電子放出材料2としては、コバルト、ニッケル、すず、タングステン、銀、テルル、セレン、マンガン、亜鉛、カドミウム、鉛、クロム、鉄のいずれかから選択可能である。また、微細な細孔9への電子放出材料2の埋め込みは電解メッキ法が好ましく、数10nm程度の細孔9に対して十分な充填が可能である。このように、カソード電極10を電解メッキの際の電極として用いることで、電子放出材料2、すなわち電界放出電子源の選択形成が可能となる。実験結果によると、図4(b)に示すように、細孔9のうち、カソード電極10上に位置する細孔901には電子放出材料2が完全に充填されて電界放出電子源を構成し、カソード電極10のエッジ部分に位置する細孔902では不完全に充填された電子放出材料202があり、更に絶縁材料11上に位置する細孔903では電子放出材料が全く充填されない孔のみの構成になった。
【0025】
次に、図4(c)において、完全に充填した電子放出材料(電界放出電子源)2上にキャップ12を電解メッキ法により形成する。細孔9の直径が大きく、ゲート電極6の形成が回転斜め蒸着で可能である場合、これ以降の製造方法は不要となり、直ちにゲート電極6の形成が可能である。本実施の形態においては、細孔9の直径が30nm程度としているため、キャップ12を形成した後、ゲート電極6を形成する。キャップ12は完全に充填した電子放出材料2の細孔901部分にのみ形成される。電子放出材料2が不完全に充填されている細孔902及び電子放出材料2が存在しない細孔903の部分は導電性が悪く、電解メッキができないため、キャップ12は形成されない。
【0026】
次に、図5(d)において、短絡防止層7を電子放出領域(画素)13以外の領域のゲート電極6とカソード電極10間に形成する。この短絡防止層7は、不完全に充填された電子放出材料2bに対する短絡防止が主な役割であり、ゲート電極6とカソード電極10間の短絡が問題ない場合には省略してもよい。図5(d)のように、短絡防止層7を堆積し、フォトレジストで電子放出領域13を窓開けし、短絡防止層7をエッチング除去する。エッチング除去した後、フオトレジストは除去する。
【0027】
次に、図5(e)において、ゲート電極材料601を堆積する。ゲート電極材料601を堆積すると、キャップ12上に堆積したゲート電極材料601がマスクとなり、ゲート電極材料601がキャップ12の周辺で不連続となる。
【0028】
最後に、図5(f)において、キャップ12をリフトオフし、ゲート電極材料601からゲート電極6を形成する。すなわち、ゲート電極材料601、電子放出基体(ゲート絶縁層)1と選択比が高いエッチャントを用い、キャップ12を除去すると、ゲート電極6が形成される。このようにして製造した冷陰極構造体20をガラス基板等の支持基板15に貼り合わせると、図5(f)のような電界放出型冷陰極Aが製造される。支持基板15との貼り合わせは静電接着法が好ましく、電圧を印加し、数百℃の加熱を行うことにより、冷陰極構造体20と支持基板15を確実に静電接着できる。
【0029】
次に、本発明の第2の実施の形態について図6及び図7を用いて説明する。本実施の形態では、第1の実施の形態とは異なる製造方法により、電界放出型冷陰極を製造する。
【0030】
まず、図6(a)において、ガラス等の絶縁性の支持基板15上に任意の形状のカソード電極10を形成する。カソード電極材料としては、後述の陽極酸化を考慮に入れ、アルミニウムとする。カソード電極10の形状は、上述のように、電界放出型冷陰極Aを冷陰極ランプ、蛍光表示管、液晶用のバックライト、フィールドェミッションディスプレイのいずれに用いるかで設計されるべきものである。絶縁材料11を堆積した後、絶縁材料11を研磨するとカソード電極10の表面が露出する。
【0031】
次に、図6(b)において、カソード電極10を陽極酸化する。本実施の形態においては、アルミニウムを陽極酸化し、陽極酸化皮膜18中に約30nm程度の細孔9を形成する。更に、陽極酸化後、カソード電極(すなわち未酸化のアルミニウム)10と対向電極を同電位にし、陽極酸化皮膜18と未酸化のアルミニウムであるカソード電極10の界面に存在するバリア層を除去する。このようにすると、図6(b)示すように、陽極酸化皮膜18中の細孔9がカソード電極10にまで到達する。
【0032】
次に、図6(c)において、細孔9に電子放出材料2を埋め込み電界放出電子源を構成し、電子放出領域8以外の領域に短絡防止層7を形成する。細孔9への電子放出材料2の埋め込みは、電解メッキ法が好ましく、電子放出材料2としては、第1の実施の形態と同様、コバルト、ニッケル、すず、タングステン、銀、テルル、セレン、マンガン、亜鉛、カドミウム、鉛、クロム、鉄のいずれかを使用する。引き続き、短絡防止層7としての絶縁材料を堆積し、フォトリソグラフィでパターニングして電子放出領域8を形成し、絶縁材料をエッチング除去すると、図6(c)のように、電子放出領域8が開口する。なお、第1実施の形態で説明したように、短絡防止層7が不要な場合は省略してもよい。
【0033】
次に、図7(d)において、電子放出材料2の上部にキャップ12を形成する。キャップ12の形成は、図7(c)での電子放出材料2の埋め込みと同様に電解メッキ法で形成される。
次に、図7(e)において、ゲート電極材料601を堆積する。ゲート電極材料601を堆積すると、図7(e)に示すように、キャップ12の上層にゲート電極材料601が堆積し、これがマスクとなり、電子放出材料2の周辺でゲート電極材料601の堆積が不連続となる。
【0034】
最後に、図7(f)において、キャップ12をリフトオフする。図7(f)のように、支持基板15上に陽極酸化皮膜からなるゲート絶縁層18と電子放出材料2と、ゲート電極6と、カソード電極10とが形成された電界放出型冷陰極Aが得られる。
【0035】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明の電界放出型冷陰極によれば、電界放出電子源が前記カソード電極上の細孔に対してのみ選択的に形成したので、電界放出電子源を電界放出領域(画素)に高配向状態で、高集積化できると共に、支持基板の材質を任意に選択することができる。
また、本発明の電界放出型冷陰極の製造方法では、支持基板とは独立して冷陰極の形成が可能となり、支持基板の材質を任意に選択することができる。
【0036】
また、本発明の電界放出型冷陰極の製造方法では、支持基板上に、直接、冷陰極の形成が可能となり、製造工程を簡略化することができる。
したがって、微細加工技術を用いることなく、高集積化した微小な電界放出型冷陰極を製造することができ、XYアドレス可能で、大型化パネルに適用して好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の電界放出型冷陰極の平面図である。
【図2】図1のII−II線矢視断面図である。
【図3】図1のIII−III線矢視断面図である。
【図4】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法の第1の実施の形態の工程断面図(その1)である。
【図5】第1の実施の形態の工程断面図(その2)である。
【図6】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法の第2の実施の形態の工程断面図(その1)である。
【図7】第2の実施の形態の工程断面図(その2)である。
【図8】従来の電界放出型冷陰極の製造方法の工程断面図である。
【符号の説明】
1 電子放出基体(ゲート絶縁層)
2 電子放出材料(電界放出電子源)
5 カソード電極
6 ゲート電極
7 短絡防止層
8 電子放出領域(画素)
9 細孔
10 カソード電極
12 キャップ
15 支持基板
Claims (10)
- 微細な細孔を有するゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層中に埋め込まれた電界放出電子源と、前記ゲート絶縁層上に配設されたゲート電極と、前記電界放出電子源と電気的に接続したカソード電極とを有する冷陰極構造体が支持基板に支持されている電界放出型冷陰極であって、
前記電界放出電子源は、前記カソード電極を、電解メッキ法による電極として用いて前記カソード電極上に位置する細孔に対してのみ電子放出材料を選択的に埋め込んで形成されていることを特徴とする電界放出型冷陰極。 - 前記ゲート電極及び前記カソード電極が互いに直交していることを特徴とする請求項1記載の電界放出型冷陰極。
- 前記電界放出電子源が集積した電子放出領域以外の領域の前記ゲート絶縁層と前記ゲート電極の間に短絡防止層が配設されていることを特徴とする請求項1又は2いずれかに記載の電界放出型冷陰極。
- 前記ゲート絶縁層がアルミニウムの陽極酸化皮膜であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の電界放出型冷陰極。
- 前記電界放出電子源が、コバルト、ニッケル、すず、タングステン、銀、テルル、セレン、マンガン、亜鉛、カドミウム、鉛、クロム、鉄のいずれかを含有することを特徴とする請求項1又は3いずれかに記載の電界放出型冷陰極。
- 金属基板を陽極酸化して細孔を有する酸化皮膜を形成する工程と、前記陽極酸化した金属基板から未酸化の金属を除去して酸化皮膜を分離する工程と、前記酸化皮膜の一方の表面にカソード電極を形成する工程と、前記カソード電極を形成した表面に絶縁材料を堆積する工程と、前記絶縁材料を平坦化する工程と、前記カソード電極を、電解メッキ法による電極として用いて前記カソード電極上に位置する細孔に対してのみ電子放出材料を選択的に埋め込んで電界放出電子源を形成する工程と、前記カソード電極を形成した酸化皮膜表面と反対側の表面にゲート電極を形成する工程と、前記カソード電極側の表面を絶縁性の支持基板に貼り合わせる工程と、を含むことを特徴とする電界放出型冷陰極の製造方法。
- 絶縁性の支持基板上にカソード電極を形成する工程と、前記カソード電極上に絶縁材料を堆積する工程と、前記絶縁材料を除去して前記カソード電極の表面を露出する工程と、前記カソード電極の表面を陽極酸化して細孔を有する酸化皮膜を形成する工程と、前記カソード電極を、電解メッキ法による電極として用いて前記カソード電極上に位置する細孔に対してのみ電子放出材料を選択的に埋め込んで電界放出電子源を形成する工程と、前記カソード電極を形成した酸化皮膜表面と反対側の表面にゲート電極を形成する工程と、を含むことを特徴とする電界放出型冷陰極の製造方法。
- 前記細孔中に電子放出材料を埋め込んで電界放出電子源を形成する工程では、
前記細孔中に埋め込まれた電子放出材料にキャップを形成する工程と、該キャップをリフトオフする工程とを含むことを特徴とする請求項6又は7いずれかに記載の電界放出型冷陰極の製造方法。 - 前記細孔中に電子放出材料を埋め込んで電界放出電子源を形成する工程では、
前記カソード電極を形成した酸化皮膜表面と反対側の表面に絶縁材料を堆積する工程と、前記絶縁材料の電子放出領域を窓開けする工程と、前記細孔中に電子放出材料を埋め込む工程とを含むことを特徴とする請求項6又は7いずれかに記載の電界放出型冷陰極の製造方法。 - 前記細孔中に電子放出材料を埋め込んで電界放出電子源を形成する工程が、電気化学的堆積方法であることを特徴とする請求項6又は7いずれかに記載の電界放出型冷陰極の製造方法。
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