JP3597008B2 - キャッパーおよびキャッパーにおけるキャップ巻締め方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、キャッパーにおいて、キャップと容器口元とに過荷重を掛けることなく円滑にキャップの巻締めを行なうことができるキャッパーおよびキャッパーにおけるキャップ巻締め方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、キャッパーにおいて、例えば、図6に示すような、キャッパー50のスピンドル51には、トルク発生装置52や、空圧によって開閉作動するキャップ53のチャック54とが設けられていて、スピンドル51が下降することにより容器口元へキャップ53を所定トルクで巻締めている。
【0003】
このとき、チャック54の重量がその重力によって、容器口元上において直接巻締めるキャップ53に掛かりつつ巻締めがなされるものであり、更に、チャックホルダー55の上端部56にもチャック54作動用の空圧力が掛かって、チャック54全体が、下方へ向かって容器口元とキャップとへ押圧力が付与されている。
【0004】
したがって、キャップ自体が軟質材により成形されている場合、チャック重量によってキャップのねじと容器のねじ同士が当たると、キャップが変形し、正常な螺合がなされず噛み込みを起こす。
【0005】
また、容器が軟質材により成形されている場合は、キャップねじ部と容器ねじ部とが当たると、キャップおよびチャックの重量によって容器の口部が曲った状態にて巻締められるため、キャップの巻締め不良を起こす。
【0006】
このことは、キャップ径が大きくなれば必然的にチャック形状も大きくなるため、その分チャック重量も増大するので、前記した現象傾向は一層顕著に現われてくる。
【0007】
更に、キャップねじ部と容器ねじ部との異常摩擦によって、巻締め途中において、あらかじめ設定した規定値トルクに達してしまい、未確認の巻締め不良を生じて、内容物の漏出事故や衛生面の管理を大きく低下させる。
等の様々な問題点を有するものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記した問題点を解決するためになされたもので、回転軸に本体部材を固定して、該本体部材へその下側に施蓋部材を取り付けた支持筒を上下動自在に挿嵌すると共に、支持筒に該支持筒を本体部材に対して、上方へ押し上げるように付勢させる押上手段を連係させることにより、キャップと容器口元とに過荷重を掛けることなく、円滑にキャップの巻締めを行なうことができるキャッパーおよびキャッパーにおけるキャップ巻締め方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するための本発明の手段は、
機体に取り付けて回転手段により回転される回転軸と、この回転軸に固定した本体部材と、該本体部材へ上下動自在に挿嵌してその下側に施蓋部材を取り付けた支持筒と、前記本体部材へ取り付けた保持体と、この保持体と前記支持体とにおいて該支持筒を本体部材に対して、上方へ押し上げるように付勢させる押上手段と、
を備えさせたキャッパーの構成にある。
【0010】
そして、
機体に取り付けて回転手段により回転される回転軸に本体部材を固定して、該本体部材へ支持筒を上下動自在に挿嵌して、その支持筒の下側に施蓋部材を取り付けたキャッパーにあって、
前記支持筒に連係させた押上手段により該支持筒を本体部材に対して押し上げて、この支持筒と施蓋部材の重量および該支持筒に掛かる下向きの外力とをバランスさせて、容器の口元へキャップを巻締めるキャッパーにおけるキャップ巻締め方法にある。
【0011】
【実施例】
次に、本発明に関するキャッパおよびキャッパーにおけるキャップ巻締め方法の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0012】
本発明の一実施例方法が採用される装置であるキャッパーAは、例えば、薬品や洗剤,食品等の液体を容器bに対して充填包装する業界において、その処理ラインに用いられるもので、容器bの口元へスクリューキャップcを取り付けるものであって、短時間で大量処理が連続かつ自動的に行なえる、例えば、図2に示すような、ロータリ式巻締めキャッパーに採用される。
【0013】
そして、前記したキャッパーAの基本的な構成は、図1および図2に示すように、回転軸1と、本体部材2と、支持筒3と、施蓋部材4を取り付けた保持体5と、押上手段6とによりなる。
【0014】
このうち、前記した回転軸1は、機体7に取り付けて回転手段8により回転されるもので、回転手段8は、図示してないモータ等により旋回する機体7の回転に伴って、所定速度で連続的に連動回転させるものであり、回転軸1の上部に取り付けたギア9を機体7に固着したリングギア10に噛合させる。
【0015】
前記した本体部材2は、回転軸1に固定してあって、中空の筒状に形成してあり、空圧源からの加圧空気が流通する通路1aが穿設されている。
【0016】
前記した支持筒3は、本体部材2へ上下動自在に挿嵌して、その下側に施蓋部材4を取り付けてあって、該施蓋部材4を作動させる空圧源の通路11を設けてある。
【0017】
この施蓋部材4は、キャップcを把持して容器bの口元へ巻締めを行なうもので、支持筒3の下端へ固着されて、該支持筒3の回転(旋回)動作が伝達されるものであって、キャップcの把持機構は、リンク・くさび等によるメカニカル式,バキューム式,エアチューブ式等慣用のものが使用されるもので、外部の制御系を介して把持や把持解除の信号が与えられるものであり、本実施例においてはエアーによって求心方向へ作動するくさび式を用いた。
【0018】
図1〜図3に示す第一例において、前記した保持体5は、本体部材2へ、ベアリング等の結合部材12によって上下動は規制されて、かつ回転自在に取り付けられていて、その上部に連接部材13を設けてある。
【0019】
そして、この連接部材13に対応してその上部に、取付体14を介してクラッチ板15を本体部材2に取り付けてあって、常時、クラッチ板15が下方へ付勢されるように、コイル状のスプリング16が設けられた調圧手段23が付設される。
【0020】
また、クラッチ板15を取り付けた取付体14の内側部には、キー等の突出体17を付設して、この突出体17を本体部材2に設けた溝18に係合させることにより、該クラッチ板15の軸方向の移動を自由にし、回転方向へのクラッチ板15の回転を本体部材2を介して支持筒3へ伝達する。
【0021】
したがって、施蓋部材3に把持させたキャップcを容器bの口元へ対応させた際に、スプリング16の圧による連接部材13とクラッチ板15とに設定した摩擦トルク以上の回転軸1の回転があったとき、すなわち、設定圧以上の押圧力が掛かったときは逃圧させ、連接部材13とクラッチ板15とがスリップして回転伝達を規制するため、キャップcは容器口元にあらかじめ定められた規定トルクによる巻締めがなされるものであって、キャップcの種類や容器bの種類あるいは容器材質に応じて、このスプリング圧を変換させることにより、適宜良好の作業結果が得られる。
【0022】
前記した押上手段6は、支持筒3に連係させて該支持筒3を本体部材2に対して常時上方へ押し上げるように付勢させてあるもので、支持筒3と施蓋部材4の重量および施蓋部材4の把持作動を行なうために供給される圧送空気が支持筒3の上端面3aに掛かる空圧力(外力)とをバランスさせて、前記した支持筒3と施蓋部材4の重量および空圧とに起因する、施蓋中でのキャップcのねじと容器bのねじとの異常摩擦による施蓋不良を防止する。
【0023】
そして、その構成は、図1〜図3に示す第一例においては、ばねの弾性を利用したスプリング式を示すもので、支持筒3の下側部に設けたばね受体20と保持体5の下側部に設けた支持片21とにコイルスプリング22を装着してある。
【0024】
また、この支持片21には、支持筒3が降下したときの下死点を規制する止体21aを付設してあるもので、ばね受体20がこの止体21aに当接することでその規制がなされる。
【0025】
なお、本発明実施例のキャッパーAにあって、回転軸1は昇降手段25により昇降自在となるもので、機体7に設けた円筒体26の外周部に所定傾斜の螺旋溝27を刻設してあって、この螺旋溝27へ回転軸1における内軸へ固着した移動駒28を係合してあるもので、この機体7の回転に伴って、螺旋溝27に係合する移動駒28が所定タイミングにより昇降する。
【0026】
また、前記したキャップcは、給蓋手段(図示せず)から送られ、キャップ支持手段により一個ずつ保持されて、カム等の回動手段により換向させると、施蓋部材4が上昇した待機状態において受け渡される。
【0027】
したがって、この第一例による本発明実施例のキャッパーAおよびキャッパーにおけるキャップ巻締め方法は、まず、キャッパーAの機体7は所定速度により一方向へ回転されているもので、これにより、該機体7から垂下させた回転軸1の把持体6は、機体7の回転に伴って、回転手段8により一方向へ連続回転しつつ、所定のカム曲線によって昇降手段25により昇降制御されるものであり、該施蓋部材4にはキャップcが把持され、機体7のテーブル29上に充填済の容器bが供給される。
【0028】
そして、更に、昇降手段25によって施蓋部材4を降下させると、この施蓋部材4により把持されたキャップcは容器bの口元へ対応し、キャップcの仮締めおよび本締め、あるいは一連の巻締めがなされる。
【0029】
このとき、支持筒3は押上手段6によって上方に持ち上げられていて、該支持筒3と施蓋部材4の重量および支持筒3の上端面3aに掛かる圧送空気の空圧力とがこの押上手段6によりバランスさせてあるので、図3に示すように、容器bの口元へ対応したキャップcには支持筒3と施蓋部材4の重量が掛からない。
【0030】
この状態で、施蓋部材4を作動するための加圧空気を回転軸1の通路1aから供給すれば、この加圧空気が支持筒3を加圧し、これに伴って、その下側部の施蓋部材4を押し下げるので、キャップcのねじと容器bのねじとの噛み合いが円滑になされて、回転軸1の回転に伴って、調圧手段23に設定された摩擦トルクに達したとき、回転軸1の回転がスリップして過剰回転が抑えられ、容器b口元には規定トルクによってキャップcの巻締めが完了する。
【0031】
そのため、キャップcのねじと容器bのねじとには、必要以上の押圧力が掛からず、キャップc自体および容器bが軟質材により成形されても、キャップが変形したり、施蓋部材4の重量によって容器bの口部が曲った状態で巻締められるキャップcの巻締め不良を起こすことがない。
【0032】
また、キャップcの径が大きくなって施蓋部材4の重量が増大する、あるいは小径化に伴う重量が減少しても、押上手段6におけるその持ち上げ力を適宜調整するだけの簡単な操作によって対応できる。
【0033】
このスプリング式の押上手段6は、図4に示すような、キャッパーAにも採用される。
【0034】
このキャッパーAの基本的な構成における、回転軸1と、本体部材2と、支持筒3と、施蓋部材4を取り付けた保持体5と、および押上手段6は、前記した例と略同様に構成され、同様の作用・効果を発揮する。
【0035】
なお、調圧手段23は、所定に調整された空圧によって、スリップ板15を連接部材13に押し付けて摩擦トルクを得る構成である。
【0036】
次に、本発明実施例のキャッパーAにおける押上手段6の第二の例は、図5に示すような、空圧式のものが用いられる。
【0037】
このものは、本体部材2の下側に設けた保持体5の内部において、支持筒3の外周部に空気室30を形成して、支持筒3に固着してこの空気室30内を移動するピストン31に対して給路32から所定に圧力調整された空気を供給することで、支持筒3と施蓋部材4の重量および施蓋部材4の把持作動を行なうために供給される圧送空気が、支持筒3の上端面3aに掛かる空圧力とをバランスさせるものである。
【0038】
【発明の効果】
前述のように構成される本発明は、キャップの容器への巻締めに際して、キャップおよび容器口元には必要以上の過荷重が掛からないので、キャップのねじと容器のねじとの異常摩擦による巻締め不良を生ずることなく、あらかじめ定められたトルク通りにキャップの巻締めがなされて、常に均一な施蓋処理が行なえる格別な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関するキャッパーにおけるキャップ巻締め方法を採用する一実施例のキャッパーを要部を破断して示す概略的な正面図である。
【図2】図1におけるキャッパーの主要全体を示す正面図である。
【図3】図1におけるキャッパーの施蓋状態を示す説明図である。
【図4】図1におけるキャッパーの押上手段の他の例を示す断面図である。
【図5】図1におけるキャッパーの押上手段の更に他の例を示す断面図である。
【図6】従来のキャッパーの要部を示す説明図である。
【符号の説明】
A キャッパー
b 容器
c キャップ
1 回転軸
2 本体部材
3 支持筒
4 施蓋部材
6 押上手段
Claims (2)
- 機体に取り付けて回転手段により回転される回転軸と、この回転軸に固定した本体部材と、該本体部材へ上下動自在に挿嵌してその下側に施蓋部材を取り付けた支持筒と、前記本体部材へ取り付けた保持体と、この保持体と前記支持体とにおいて該支持筒を本体部材に対して、上方へ押し上げるように付勢させる押上手段とを備えさせたことを特徴とするキャッパー。
- 機体に取り付けて回転手段により回転される回転軸に本体部材を固定して、該本体部材へ支持筒を上下動自在に挿嵌して、その支持筒の下側に施蓋部材を取り付けたキャッパーにあって、
前記支持筒に連係させた押上手段により該支持筒を本体部材に対して押し上げて、この支持筒と施蓋部材の重量および該支持筒に掛かる下向きの外力とをバランスさせて、容器の口元へキャップを巻締めることを特徴とするキャッパーにおけるキャップ巻締め方法。
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JP4128497A JP3597008B2 (ja) | 1997-02-26 | 1997-02-26 | キャッパーおよびキャッパーにおけるキャップ巻締め方法 |
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