JP3596633B2 - 磁気軸受モータのロータの固定方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、スピンドル・モータ等の磁気軸受けを使用した高速モータのロータに関し、特に、スラスト磁気軸受のロータの軸方向の固定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高速回転ディスクの軸への取付方法として、高速回転ディスクの一方又は双方にボスを設け、このボスを回転軸端面に設けた穴に勘合させるものがある(例えば、特開昭62−67324号 公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の技術を磁気軸受を使用した高速モータのロータに適用すると、軸とボスの嵌合をストレート同志の焼き嵌めとしてあるので、分解・組立が困難であるという問題がある。特に、スピンドル・モータのように出力軸側に高剛性を要求される場合は、出力軸側から反出力軸側に向かって、ラジアル磁気軸受のロータの外径、モータのロータの外径、ラジアル磁気軸受のロータの外径を順次小さくして、この順で軸に嵌め合わせた後、ステータ内径側にセットし、スラスト磁気軸受のステータの一方の外側に、スラスト磁気軸受のロータを反出力軸端に焼き嵌めするため、軸方向の寸法精度を出し難いという問題があった。
そこで、本発明は、軸方向の寸法精度を出し易い、結合が強固な磁気軸受モータのロータを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、シャフト1の外径に、このシャフト1の出力軸11側から順に、ラジアル磁気軸受のロータ2、スペーサ3、モータのロータ4、スペーサ3、ラジアル磁気軸受のロータ5、端板、スラスト磁気軸受のロータを嵌め合わせた磁気軸受モータのロータの固定方法において、
前記シャフト1の反出力軸側の端面に外側に向かって開いたテーパ穴12を設け、前記端板に反出力軸側に向かって開いたテーパ穴61を設け、前記スラスト磁気軸受のロータのボス72Bを前記シャフト1と嵌め合うカップ状の溝7Gを設けたカップ状にし、前記ボス72Bの底部に上記テーパ穴12と嵌め合うテーパ突起72を設け、前記ボス72Bの出力軸11側の端部に上記テーパ穴61と嵌め合うテーパ突起71を設け、シャフト1の反出力軸側の端面にスラスト磁気軸受のロータ7を緩み嵌めし、締め付けボルト8によりプリテンションを持たせて軸方向に固定することを特徴とするものである。
また、シャフト1の反出力軸側の端面に設けたテーパ穴12をストレート穴13とし、ボス72Bの底部に設けたテーパ突起72をストレート突起73とする。
【0005】
【作用】
上記手段により、常温でシャフト1の反出力軸側の端面にスラスト磁気軸受のロータ7を嵌め合わせることができる。また、ロータが高速回転すると、端板6の外径側のテーパ状の庇部63とスラスト磁気軸受けのロータ7のテーパ突起71が外径側に開きおのおのの結合を保つと同時に、シャフト1の反出力側のテーパ穴12の庇部も外径側に開き、変形の少ないスラスト磁気軸受けのロータ7の溝7Gの底部を内径側から楔効果により、スラスト磁気軸受けのロータ7を強固に固定する。
【0006】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
図1は、一端に出力軸11を形成したシャフト1の外径には、出力軸11から反出力軸側に向かって、外径がd2のラジアル磁気軸受けのロータ2、d2と等しいか僅かに小さい外径のスペーサ3、外径がd4のモータのロータ4、スペーサ3、外径がd5のラジアル磁気軸受けのロータ5と端板6の順に強固に締まり嵌めしてあり、端板6の反出力側に磁性体のスラスト磁気軸受けのロータ7を緩み嵌めしてある。
ここで、各ロータの外径は、d2>d4>=d5としてあり、出力軸側の剛性を高くするとともに、一方向組立ができるようにしてある。
シャフト1の反出力側の端面には、外径側に向かって開いた深さH1のテーパ穴12を設けてある。
端板6の反出力側の側面には、外径側に向かって開いた深さH6のテーパ穴61を設けてある。
スラスト磁気軸受けのロータ7の中心には、シャフト1の反出力側を緩み嵌めするストレートのカップ状の溝7Gを設けてある。溝7Gの出力軸側のボス7Bの端面の外径側には端板6に設けたテーパ穴61と嵌め合う高さH71のテーパ突起71を、溝7Gの底部にはシャフト1に設けたテーパ穴12と嵌め合う高さH72のテーパ突起72を設けてある。
ここで、H6>H71、H1>H72としてあり、各テーパを嵌め合わせたとき、テーパ穴12の底部とテーパ突起71の端部、テーパ穴12の底部とテーパ突起72の端部が当接しないようにしてある。
シャフト1に、出力軸11側から、ラジアル磁気軸受けのロータ2、スペーサ3、モータのロータ4、スペーサ3、ラジアル磁気軸受けのロータ5の順に強固に締まり嵌めで嵌め合わせた後、常温で、スラスト磁気軸受けのロータ7をシャフト1の反出力側に嵌め合わせ、軸方向から締め付けボルト8によりプリテンション与えて締め付ける。
【0007】
以下に、動作を説明する。
ロータが高速回転すると、端板6の外径側のテーパ状の庇部63とスラスト磁気軸受けのロータ7のテーパ突起71が外径側に開きおのおのの結合を保つと同時に、シャフト1の反出力側のテーパ穴12の庇部も外径側に開き、変形の少ないスラスト磁気軸受けのロータ7の溝7Gの底部を内径側から楔効果により、スラスト磁気軸受けのロータ7を強固に固定する。
【0008】
図2に第2の実施例を示す。
この例は、実施例のテーパ穴12とテーパ突起72をストレート穴13とストレート突起73にしてある。
このようにすることにより、テーパ結合が1か所になり、軸方向の寸法精度を出し易くなる。
【0009】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば以下の効果がある。
1.常温でシャフト1の反出力軸側の端面にスラスト磁気軸受のロータを嵌め合
わせるので、軸方向の寸法精度を出し易くなる。
2.端板の庇部とスラスト磁気軸受のロータの突起の結合が保たれ、シャフト1の反出力側のテーパ穴またはストレート穴の庇部とスラスト磁気軸受けのロータの溝の底部の楔結合により、磁気軸受けのロータがシャフトに強固に結合さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す正断面図
【図2】本発明の第2の実施例を示す部分断面図
【符号の説明】
1 シャフト
11 出力軸
12、61 テーパ穴
13 ストレート穴
2、5 ラジアル磁気軸受けのロータ
3 スペーサ
4 モータのロータ
6 端板
63 庇部
7 スラスト磁気軸受けのロータ
7B ボス
7G 溝
71、72 テーパ突起
73 ストレート突起
8 締め付けボルト
Claims (3)
- シャフトの外径に、このシャフトの出力軸側から順に、ラジアル磁気軸受のロータ、スペーサ、モータのロータ、スペーサ、ラジアル磁気軸受のロータ、端板、スラスト磁気軸受のロータを嵌め合わせた磁気軸受モータのロータの固定方法において、
前記シャフトの反出力軸側の端面に穴を設け、前記端板に反出力軸側に向かって開いたテーパ穴を設け、前記スラスト磁気軸受のロータのボスを前記シャフトと嵌め合う溝を設けたカップ状にし、前記ボスの底部に前記シャフトの反出力軸側の端面に設けた穴と嵌め合う突起を設け、前記ボスの出力軸側の端部に上記テーパ穴と嵌め合うテーパ突起を設け、前記シャフトの反出力軸側の端面に前記スラスト磁気軸受のロータを緩み嵌めし、締め付けボルトによりプリテンションを持たせて軸方向に固定することを特徴とする磁気軸受モータのロータの固定方法。 - 前記シャフトの反出力軸側の端面に設けた穴が外側に向かって開いたテーパ穴であり、前記ボスの底部に設けた突起がテーパ突起である請求項1に記載の磁気軸受モータのロータの固定方法。
- 前記シャフトの反出力軸側の端面に設けた穴がストレート穴であり、前記ボスの底部に設けた突起がストレート突起である請求項1に記載の磁気軸受モータのロータの固定方法。
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JP24849395A JP3596633B2 (ja) | 1995-09-01 | 1995-09-01 | 磁気軸受モータのロータの固定方法 |
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1995
- 1995-09-01 JP JP24849395A patent/JP3596633B2/ja not_active Expired - Fee Related
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