JP3596596B2 - 流量計測装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流路を流れる流体の流量を計測する流量計測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、ガス漏洩検出装置やガスメータといった、ガスの流量測定を行う流量計測装置の分野において、Si(シリコン)をベースとした半導体プロセスを用いて作製された流速センサ(以下、マイクロフローセンサという)を使用する流量計測装置がある。
【0003】
このマイクロフローセンサの構成は、通常、半導体基台上に形成された薄肉のダイヤフラム部を有していて、ダイヤフラム部上には、サーモパイル等からなる2個の測温エレメントと、これらの測温エレメント間に加熱用のヒータエレメントとが形成されている。
【0004】
マイクロフローセンサは、流体、たとえばガスの流路内に、ヒータエレメントを挟んで、ガスの上流側に一方の測温エレメントが位置しかつ下流側に他方の測温エレメントが位置するように配置される。そして、ガスの流れの中で、ヒータエレメントを加熱し、上流側と下流側の各測温エレメントからの温度に依存した測温出力の差を検出し、この測温出力差信号情報からガスの流速を計測し、得られた流速に対応する流量を求めることができる。
【0005】
近年、ガスメータの小型化が進み、1つの流速センサで少ない流量から大きな流量まで広域な流量範囲にわたって計測しようとする試みがなされている。マイクロフローセンサをこのような広域の流量範囲にわたる流速センサとして用いようとすると、図10のグラフに示すように、3桁の流量までの計測範囲ならば可能であることがわかる。
【0006】
マイクロフローセンサの使用時、ヒータエレメントは、通常10〜20ミリ秒のパルス幅を有する矩形パルス電圧で間欠的に駆動することにより加熱している。ヒータエレメントに印加する電圧の制御は、定電流や定電力等様々な方式が使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、図11(a)に示すような駆動パルス電圧のパルス幅は、計測範囲における最大流量計測時のマイクロフローセンサ、すなわち2個の測温エレメントの測温出力差信号が、図11(b)の波形Aに示すように立ち上がって飽和に近い出力となるように決定され、その好適なパルス幅としては上述のように10〜20ミリ秒に決定されている。そして、パルスが立ち下がる直前の測温出力差信号の値により、流体の流速を求める。したがって、駆動パルス電圧のパルス幅を、上述のように飽和に近い出力が得られるパルス幅よりさらに長くしても、消費電流が大きくなるので実際的ではない。これにより、ヒータエレメントを矩形パルス電圧で間欠的に駆動しても、常に一定電圧を印加して駆動する場合と同等の出力が得られる。
【0008】
一方、図11(b)の波形Aとなる流量よりも大きな流量に対しては、測温エレメントの温度差検出出力は、図11(b)の波形Bのように変化する。このように、流量が大きくなると、図11(b)の波形Aと波形Bの比較からわかるように、温度差検出出力波形の立ち上がり速度は速くなるが、波形Bのように飽和に至り、さらに流量が大きくなってもピーク出力は増えず、むしろやや小さくなる傾向がある。
【0009】
したがって、1個のマイクロフローセンサを用いてさらに広域の流量範囲にわたる流量を計測しようとした場合、大流量計測時のセンサ出力の飽和現象(図10の飽和領域)により、計測が不可能になっていた。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、1個のマイクロフローセンサで流体の小流量から大流量までの流量計測を可能にした流量計測装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に記載した本発明の流量計測装置は、図1の基本構成図に示すように、
流体が流れる流路17上に設置するフローセンサであって、上記流路17を流れる流体を加熱するヒータエレメント34と、上記ヒータエレメント34を挟んで上記流路17における流体の流れ方向における上流側と下流側とに各々1個以上配置された測温エレメント32,33とからなるフローセンサ3と、
上記ヒータエレメント34を加熱するためのパルス幅T 1 と、少なくとも、前記パルス幅T 1 で加熱された前記ヒータエレメント34が冷却されて周囲温度に戻るのに要する時間に設定される周期T 2 とを有する駆動パルス電圧を供給する電源5と、
上記フローセンサ3の測温エレメント32,33からの出力に基づいて、上記流路17を流れる流体の流量を算出する流量算出部9と、
上記フローセンサ3に供給される上記電源5の駆動パルス電圧のパルス幅T1 を可変する駆動パルス幅可変手段7と
からなることを特徴とする。
【0012】
請求項1記載の発明においては、フローセンサ3は、流体が流れる流路17上に設置される。フローセンサ3は、ヒータエレメント34と、測温エレメント32,33とからなる。ヒータエレメント34は、流路17を流れる流体を加熱し、測温エレメント32,33は、ヒータエレメント34を挟んで流路17における流体の流れ方向における上流側と下流側とに各々配置される。電源5は、ヒータエレメント34を加熱するためのパルス幅T 1 と、少なくとも、パルス幅T 1 で加熱されたヒータエレメント34が冷却されて周囲温度に戻るのに要する時間に設定される周期T 2 とを有する駆動パルス電圧を供給する。この駆動パルス電圧のパルス幅 1 は可変される。フローセンサ3の測温エレメント32,33からの出力に基づいて、流路17を流れる流体の流量が流量算出部9で算出される。
【0013】
請求項2に記載した発明は、請求項1記載の流量計測装置において、前記駆動パルス幅可変手段7は、
前記電源5と前記ヒータエレメント34との間に接続された第のスイッチ手段71と、
上記第のスイッチ手段71に第1のパルス幅T1 または該第1のパルス幅T 1 より小さい第2のパルス幅T1 ′と所定の周期T2とを有するスイッチング信号を供給して開閉させるスイッチング制御回路73と
からなることを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明においては、駆動パルス幅可変手段7は、電源5とヒータエレメント34との間に接続された第のスイッチ手段71と、第のスイッチ手段71に第1のパルス幅T1 または該第1のパルス幅T 1 より小さい第2のパルス幅T1 ′と所定の周期T2とを有するスイッチング信号を供給して開閉させるスイッチング制御回路73とから構成されている。
【0015】
請求項3に記載した発明は、請求項2記載の流量計測装置において、前記周期Tが不定周期である
ことを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明においては、周期Tが不定周期、すなわち一定周期でないものとしている。
【0017】
請求項4に記載した発明は、請求項2または3記載の流量計測装置において、前記スイッチング制御回路73は、
前記所定の周期T2 を有するトリガパルスを発生するパルス発生器84と、
上記パルス発生器84からのトリガパルスでトリガされ、スイッチング制御信号を発生して前記第1のスイッチ手段に供給する単安定マルチバイブレータ87とからなり、
上記単安定マルチバイブレータ87は、第1の時定数回路85,86と、第2の時定数回路90,86と、上記第1および第2の時定数回路を選択的に切り換える第のスイッチ手段91とを備え、上記第のスイッチ手段91により上記第1の時定数回路85,86が選択された場合は第1のパルス幅T1 を有するスイッチング制御信号を発生し、上記第のスイッチ手段91により上記第2の時定数回路90,86が選択された場合は第2のパルス幅T1 ′を有するスイッチング制御信号を発生することを特徴とする。
【0018】
請求項4記載の発明においては、スイッチング制御回路73は、所定の周期T2 を有するトリガパルスを発生するパルス発生器84と、パルス発生器84からのトリガパルスでトリガされ、スイッチング制御信号を発生して第1のスイッチ手段に供給する単安定マルチバイブレータ87とからなる。単安定マルチバイブレータ87は、第1の時定数回路85,86と、第2の時定数回路90,86と、第1および第2の時定数回路を選択的に切り換える第のスイッチ手段91とを備え、第のスイッチ手段91により第1の時定数回路85,86が選択された場合は第1のパルス幅T1 を有するスイッチング制御信号を発生し、第のスイッチ手段91により第2の時定数回路90,86が選択された場合は第2のパルス幅T1 ′を有するスイッチング制御信号を発生する。
【0019】
請求項5に記載した発明は、請求項4記載の流量計測装置において、前記第のスイッチ手段91は、手動で切り換える機械的スイッチ、または、前記流量算出部9からの制御信号で切り換える電子スイッチであることを特徴とする。
【0020】
請求項5記載の発明においては、第のスイッチ手段91は、手動で切り換える機械的スイッチ、または、前記流量算出部9からの制御信号で切り換える電子スイッチとされる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による流量計測装置の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0022】
図2は、本発明による流量計測装置の第1の実施形態であるガス流量計測装置の概略構成を示すブロック図である。図2において、ガス流量計測装置1は、マイクロフローセンサ3、電源5、スイッチング部7および流量算出部9を備えている。
【0023】
マイクロフローセンサ3は、図3の説明図に示すように、図3中断面で示すガス流路17の内壁に配設される。マイクロフローセンサ3は、図4の側面図に示すように、半導体基台31,31上に形成された薄肉のダイヤフラム部31aを有しており、図5の平面図に示すように、ダイヤフラム部31a上に2個の測温用のサーモパイル32,33(測温エレメントに相当)と加熱用のヒータエレメント34とが形成されている。なお、測温エレメントは、サーモパイルに限るものではなく、測温抵抗体や焦電体型センサ、サーミスタ等でも良い。
【0024】
そして、マイクロフローセンサ3は、図3に示すように、ガス流路17内を流れるガスの流れ方向Xの上流側からサーモパイル32、ヒータエレメント34、サーモパイル33の順に、流れ方向Xに沿って等間隔で配列されている。
【0025】
図6の要部構成を表す回路図に示すように、サーモパイル32,33は、それぞれ、流量算出部9の差動アンプ10のプラスおよびマイナス入力端子と接地と間に接続されている。また、ヒータエレメント34は、接地と、スイッチング部7を構成するスイッチ71を介して電源5とに接続されている。
【0026】
そして、サーモパイル32,33の測温出力電圧は、その直上の流体温度に依存して変化し、両測温出力電圧の差に応じた測温出力信号(各測温エレメントから各々出力される電気信号の差値に相当)が、差動アンプ10の出力から、ガス流路17内を流れるガスの流速に対応する検出信号として出力するように構成されている。
【0027】
電源5は、たとえば、バッテリ51および定電圧回路53を有しており、バッテリ51からの電力の電圧を、定電圧回路53により所定の定電圧として出力するように構成されている。
【0028】
スイッチング部7(駆動パルス幅可変手段に相当)は、スイッチ71(第のスイッチ手段に相当)およびスイッチング制御回路73を有している。スイッチ71は、例えば、ベースをスイッチング制御回路73に接続し、コレクタを定電圧回路53に接続し、エミッタをヒータエレメント34に接続したnpn型トランジスタにより構成されている。
【0029】
また、スイッチング制御回路73は、たとえば、具体的な回路構成を一部ブロックで示す説明図である図7に示すように、抵抗81,82およびコンデンサ83を外付け素子として有するパルス発生器84と、抵抗85,90、スイッチ91(第のスイッチ手段に相当)およびコンデンサ86を外付け素子として有する単安定マルチバイブレータ87とを備えている。単安定マルチバイブレータ87において、スイッチ91の共通接点は電源Vccに接続され、一方の切換接点は抵抗85の一端に接続され、他方の切換接点は抵抗90の一端に接続されている。抵抗85,90の他端は、一端が接地されたコンデンサ86の他端に接続されている。抵抗85,90とコンデンサ86の接続点は、単安定マルチバイブレータ87に接続されている。初期状態では、スイッチ91は、その共通接点が抵抗85に接続された切換接点側に切り換わった状態になっている。
【0030】
パルス発生器84は、抵抗81の抵抗値R、抵抗82の抵抗値Rおよびコンデンサ83の容量値Cによる時定数で決まる周期Tでトリガパルス88を発生して、このトリガパルス88を単安定マルチバイブレータ87に供給する。
【0031】
単安定マルチバイブレータ87は、抵抗85の抵抗値RX1とコンデンサ86の容量値Cとによる第1の時定数回路によって定まるパルス幅Tのパルス信号、または、スイッチ91の切換による抵抗90の抵抗値RX2(この例では、抵抗85,90の抵抗値RX1,RX2は、RX1>RX2の関係になるように選択されている)とコンデンサ86の容量値Cとによる第2の時定数回路によって定まるパルス幅T′のパルス信号を生成する。初期状態では、スイッチ91は、その共通接点が抵抗85に接続された切換接点側に切り換わった状態になっているので、抵抗85の抵抗値RX1とコンデンサ86の容量値Cとによる時定数によって定まるパルス幅Tのパルス信号を生成して、これをスイッチング制御信号89として、スイッチ71を構成するnpn型トランジスタのベースに出力する。
【0032】
なお、抵抗85の抵抗値Rとコンデンサ86の容量値Cとによる時定数によって定まるパルス幅Tは、ガス流路17内を流れるガスに十分に放熱される程度の熱を安定してヒータエレメント34で加熱させることができる時間に設定される。この実施の形態では、パルス幅Tは、抵抗85の抵抗値Rとコンデンサ86の容量値Cとを適宜選択することにより10〜20ミリ秒に設定される。
【0033】
また、抵抗81の抵抗値R、抵抗82の抵抗値Rおよびコンデンサ83の容量値Cによる時定数で定まる周期Tは、少なくとも、パルス幅Tの駆動パルス電圧で加熱されたヒータエレメント34が冷却されて周囲温度に戻るのに要する時間に設定される。
【0034】
このように、パルス幅Tと周期Tを設定することにより、スイッチング制御回路73は、スイッチング制御信号89によりスイッチ71を周期Tのうちのパルス幅Tの間だけ周期的に閉じて、定電圧回路53からの定電圧の電力を、パルス幅Tを有する駆動パルス電圧としてヒータエレメント34に供給させるように働くことになる。
【0035】
流量算出部9は、差動アンプ10、AD(アナログ/デジタル)コンバータ11およびマイクロコンピュータ13から構成されている。
【0036】
差動アンプ10は、マイクロフローセンサ3の測温エレメント32,33から出力される測温出力信号の差を検出、増幅するもので、その検出増幅信号は、ADコンバータ11に入力される。ADコンバータ11は、スイッチ71(または単安定マルチバイブレータ87)の立下がりエッジをトリガとして、そのタイミングの信号電圧値をAD値に変換し、マイクロコンピュータ13へ供給する。
【0037】
マイクロコンピュータ13は、ADコンバータ11からのAD値に基づいて演算処理を行い、ガス流路17内を流れるガスの瞬時的な流量を算出する。
【0038】
次に、上述の構成を有するガス流量計測装置1の動作(作用)について、図8に示す各部信号の波形タイミング図を参照しながら説明する。
【0039】
まず、ガス流量計測装置1による計測動作が開始されると、スイッチング制御回路73が、パルス幅Tおよび周期Tを有するスイッチング制御信号89をスイッチ71に供給し、スイッチ71を周期Tのうちのパルス幅Tの間だけ周期的に閉じる。スイッチ71の開閉動作により、バッテリ51からの電圧を定電圧回路53により所定の定電圧とした電源5からの電圧が、マイクロフローセンサ3のヒータエレメント34に、パルス幅Tに相当する時間(たとえば、10〜20ミリ秒)の間供給される状態と、(周期T−パルス幅T)に相当する時間の間供給されない状態とが、交互に発生することになる。すなわち、マイクロフローセンサ3のヒータエレメント34は、図8(a)に示す電源5よりのパルス幅Tを有する駆動パルス電圧Sで駆動され、加熱される。
【0040】
次いで、ヒータエレメント34の下流側に配置された測温エレメント33から図8(c)に実線で示す測温出力信号Sが出力され、流量算出部9の差動アンプ10のプラス入力端子に供給される。この測温出力信号Sは、ヒータエレメント34のパルス幅Tに相当する時間の加熱により温度上昇したガスの温度を検出して、周囲温度出力レベルから立ち上がり、次いでパルス幅Tに相当する時間経過後に立ち下がるように出力レベルが変化する波形となる。
【0041】
一方、ヒータエレメント34の上流側に配置された測温エレメント32から図8(d)に示す測温出力信号Sが出力され、流量算出部9の差動アンプ10のマイナス入力端子に供給される。これら測温出力信号S,Sは、流速がゼロの時は、流体やセンサチップ内の熱拡散のみにより温度分布が発生するため、SとSの出力は同じ形状になる。流速が発生すると、流れによって下流側に拡散する熱量が増え、上流側に拡散する熱量が減るので、測温出力信号Sは増加し、測温出力信号Sは減少する。
【0042】
したがって、差動アンプ10により得られる、測温出力信号S(プラス入力)と測温出力信号S(マイナス入力)との差動増幅信号Sは、流速に相当する電圧値を出力する。
【0043】
差動増幅信号Sは、ADコンバータ11に入力される。ADコンバータ11は、ヒータエレメント34の駆動パルス電圧Sをトリガ信号として入力する。ADコンバータ11は、駆動パルス信号Sの立ち下がりエッジをトリガとして、そのタイミングの差動増幅信号Sの電圧値をAD値に変換し、マイクロコンピュータ13へ出力する。
【0044】
マイクロコンピュータ13は、あらかじめ図9の曲線(A)のような出力に対する流量値のデータを変換テーブルなどの方法で保管しており、出力AD値がどの流量に相当するかを比較して、流量値を出力する。
【0045】
しかしながら、図9の曲線(A)の出力では、流量小領域の流量は計測できるが、流量大領域および流量さらに大領域の大きな流量は、出力が飽和してしまうため正確な流量計測が難しかった。
【0046】
そこで、本発明では、パルス幅が10〜20ミリ秒の駆動パルス電圧で駆動されるマイクロフローセンサ3では正確な流量計測が困難である流量計測範囲における流量大の領域でも流量計測を可能にするため、スイッチング部7において、スイッチング制御回路73の単安定マルチバイブレータ87におけるスイッチ91を、抵抗85側から抵抗90側に切り換え、駆動パルス電圧のパルス幅を上述のパルス幅(10〜20ミリ秒)の1/10〜1/2程度に短くして流量計測を行う。
【0047】
スイッチ91を抵抗85側から抵抗95側に切り換えても、パルス幅がTからT′に切り替わる以外は、その動作は変わらない。図8の動作説明図も、実線の波形が点線の波形に変わること以外は変わらない。
【0048】
スイッチ91を抵抗85側から抵抗90側に切り換えた時の出力AD値と流量の関係は、図9の曲線(B)のようになる。これは、パルス幅が短くなったことで、測温出力差信号Sの立ち上がり部の電圧値を計測することになり、この部分が高流量時には流量感度が大きいことを見出したことによる。一方、低流量感度は、ノイズレベルが大きくなるため悪くなる。
【0049】
以上より、流量小領域ではパルス幅をT(長く)とし、流量大領域ではパルス幅をT′(短く)とすることで、低流量から高流量まで3桁以上の流量域の計測ができるようになる。
【0050】
このように、流量小の領域では、パルス幅T(たとえば、10〜20ミリ秒)の駆動パルス電圧でヒータエレメント34を加熱し、流量大の領域では、パルス幅Tの1/10〜1/2のパルス幅T′(たとえば、2ミリ秒)の駆動パルス電圧でヒータエレメント34を加熱するように、駆動パルス電圧のパルス幅を流量の大きさに応じて適宜切り換えて使用することにより、1個のフローセンサ3を使用して、流量小の領域では図9の曲線(A)に基づきかつ流量大の領域では曲線(B)に基づくように切り換えて従来に比してさらに広域の流量計測範囲にわたって使用することができ、それにより、小流量から大流量までさらに広域の流量を計測することができる。
【0051】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限らず、種々の変形、応用が可能である。
【0052】
たとえば、スイッチング制御回路73における単安定マルチバイブレータ87のスイッチ91は、任意の流量から手動で切り換える機械的スイッチとしても良いし、マイクロコンピュータ13で任意の流量以上になる場合にマイクロコンピュータ13からの52信号で切り換える電子スイッチとしても良い。
【0053】
さらに、スイッチ91を切り換える流量レベル、すなわち駆動パルス電圧のパルス幅を変える流量レベルと、連動スイッチ43,44を切り換える流量レベル、すなわち2対のサーモパイルを切り換える流量レベルは、任意に設定することができ、またその切り換える順番も自由に組み合わせることができる。
【0054】
また、駆動パルス電圧の周期Tは、上述の実施の形態では一定周期としているが、一定周期でなく、すなわち不定周期としても良い。
【0055】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、1個のフローセンサを、流量小の領域から流量大の領域まで従来に比して広域の流量計測範囲にわたって使用することができ、それにより、小流量から大流量まで3桁以上の広域の流量を計測することができる。また、フローセンサの駆動回路を従来回路とほとんど変わらない規模で実現できる。
【0056】
請求項2記載の発明によれば、簡単な回路構成で駆動パルス電圧のパルス幅を可変することができる。
【0057】
請求項3記載の発明によれば、ガスの周期的な圧力変動の影響をなくすことができる。
【0058】
請求項4記載の発明によれば、第1および第2のパルス幅を有する駆動パルス電圧を簡単な回路構成で得ることができる。
【0059】
請求項5記載の発明によれば、第1または第2の時定数回路のうちどちらか一方の時定数回路を手動または自動的に切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流体脈動計測装置の基本構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るガス脈動計測装置を適用したガス流量計測装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図2のマイクロフローセンサの配置を示す説明図である。
【図4】図3のマイクロフローセンサの概略構成を示す側面図である。
【図5】図3のマイクロフローセンサの概略構成を示す平面図である。
【図6】図2のガス流量計測装置の要部構成を表す回路図である。
【図7】図6のスイッチング制御回路部分の具体的な回路構成を一部ブロックで示す説明図である。
【図8】(a)〜(e)は、図2のガス流量計測装置の各部信号の波形タイミング図である。
【図9】図2におけるガス流量計測装置のフローセンサの測温出力差信号対流量の関係を示すグラフである。
【図10】従来の流量計測装置のフローセンサの測温出力差信号対流量の関係を示すグラフである。
【図11】従来の流量計測装置のフローセンサの駆動パルス電圧と測温出力差信号の関係を説明する図面であり、(a)は駆動パルス電圧波形、(b)は測温出力差信号波形を示す。
【符号の説明】
3 マイクロフローセンサ(フローセンサ)
32 サーモパイル(測温エレメント)
33 サーモパイル(測温エレメント)
34 ヒータエレメント
5 電源
7 駆動パルス幅可変手段
71 スイッチ(第2のスイッチ手段)
73 スイッチング制御回路
84 パルス発生器
85 抵抗(第1の時定数回路の一部)
86 コンデンサ(第1および第2の時定数回路の一部)
87 単安定マルチバイブレータ
90 抵抗(第2の時定数回路の一部)
91 スイッチ(第3のスイッチ手段)
9 流量算出部
17 流路

Claims (5)

  1. 流体が流れる流路上に設置するフローセンサであって、上記流路を流れる流体を加熱するヒータエレメントと、上記ヒータエレメントを挟んで上記流路における流体の流れ方向における上流側と下流側とに各々1個以上配置された測温エレメントとからなるフローセンサと、
    上記ヒータエレメントを加熱するためのパルス幅T 1 と、少なくとも、前記パルス幅T 1 で加熱された前記ヒータエレメントが冷却されて周囲温度に戻るのに要する時間に設定される周期T 2 とを有する駆動パルス電圧を供給する電源と、
    上記フローセンサの測温エレメントからの出力に基づいて、上記流路を流れる流体の流量を算出する流量算出部と、
    上記フローセンサに供給される上記電源の駆動パルス電圧のパルス幅T1 を可変する駆動パルス幅可変手段と
    からなることを特徴とする流量計測装置。
  2. 前記駆動パルス幅可変手段は、
    前記電源と前記ヒータエレメントとの間に接続された第のスイッチ手段と、
    上記第のスイッチ手段に第1のパルス幅T1 または該第1のパルス幅T 1 より小さい第2のパルス幅T1 ′と所定の周期T2とを有するスイッチング信号を供給して開閉させるスイッチング制御回路と
    からなることを特徴とする請求項1記載の流量計測装置。
  3. 前記周期T2 が不定周期である
    ことを特徴とする請求項2記載の流量計測装置。
  4. 前記スイッチング制御回路は、
    前記所定の周期T2 を有するトリガパルスを発生するパルス発生器と、
    上記パルス発生器からのトリガパルスでトリガされ、スイッチング制御信号を発生して前記第1のスイッチ手段に供給する単安定マルチバイブレータとからなり、
    上記単安定マルチバイブレータは、第1の時定数回路と、第2の時定数回路と、上記第1および第2の時定数回路を選択的に切り換える第のスイッチ手段とを備え、上記第のスイッチ手段により上記第1の時定数回路が選択された場合は第1のパルス幅T1 を有するスイッチング制御信号を発生し、上記第のスイッチ手段により上記第2の時定数回路が選択された場合は前記第1のパルス幅T 1 より小さい第2のパルス幅T1 ′を有するスイッチング制御信号を発生することを特徴とする請求項2または3記載の流量計測装置。
  5. 前記第のスイッチ手段は、手動で切り換える機械的スイッチ、または、前記流量算出部からの制御信号で切り換える電子スイッチであることを特徴とする請求項4記載の流量計測装置。
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