JP3596394B2 - マルテンサイト系ステンレスレーザ溶接鋼管の製造方法 - Google Patents
マルテンサイト系ステンレスレーザ溶接鋼管の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、レーザ溶接によるマルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法として、特開平4−268019号等でプレス製管方法、熱間圧延方法、UO成形法、電縫溶接法およびスパイラル成形法が提案されているが、プレス製管方法、熱間圧延方法、UO成形法、およびスパイラル成形法では生産性が低く、電縫溶接法ではマルテンサイト系ステンレス鋼の場合、シーム接合面にペネトレータと呼ばれる酸化物が形成され易く品質上問題であった。
【0003】
一方、高能率、高品質な鋼管の製造方法として、特開平8−309428号等で低合金鋼を対象にレーザ溶接の適用が提案されているが、マルテンサイト系ステンレス鋼管に適用し得るものとは言い難かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はマルテンサイト系ステンレス鋼を対象に、生産性が良く、溶接品質に優れたレーザ溶接鋼管の製造法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者らはマルテンサイト系ステンレス鋼を用いて多数のレーザ溶接鋼管を実験製造し、溶接部凝固割れ等溶接欠陥を防止し、且つ生産性良くレーザ溶接が可能となる製造条件を把握した。
【0006】
すなわち本発明は
1.マルテンサイト系ステンレス鋼板のレーザ溶接による鋼管の製造方法において、前記鋼板を成形ロールで円筒状のオープンパイプとし、前記オープンパイプの両エッジ部を、下記(1)式を満足する条件で、高周波加熱法により予熱後、下記(2)、(3)、(4)式を満足する条件でレーザ照射し、下記(5)式を満足する条件でスクイズロールにて加圧することを特徴とするマルテンサイト系ステンレスレーザ溶接鋼管の製造方法。
【0007】
90≦E・I≦250 (1)
0.7Xa≦X≦1.3Xa (2)
但し、Xa=(20+E・I/15+5U)/exp(0.5α)
v≧0.17X (3)
0.5≦P・exp{(250+E・I)/500}/v・t (4)
0.1≦U≦1.0 (5)
E:高周波加熱電圧(kV)
I:高周波加熱電流(A)
U:スクイズロールでのアップセット量(mm)
α:V角(°)予熱前のスクイズロール中心点より40mm以内での鋼板エッジ部開口部角度
X:レーザ照射位置(mm)スクイズロール中心点から上流側への距離
P:レーザ出力(kW)
v:溶接速度(m/min)
t:板厚(mm)
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のレーザ溶接管の製造方法を模式的に示すもので、マルテンサイト系ステンレス鋼板を円筒状のオープンパイプ1とし、前記オープンパイプの両エッジ部5を、高周波加熱法2により予熱後、V角6を用いて求めた位置にレーザ照射3し、スクイズロール4にて加圧する。本発明ではマルテンサイト系ステンレス鋼の材質および鋼管寸法は特に規定しないが、低CでNi,Mo等を含有する13%Crマルテンサイト系ステンレス鋼で板厚2mm〜12mm,外径31.8mm〜660.4mmの鋼管の製造で特に好ましい結果が得られる。
【0009】
本発明の製造条件について詳細に説明する。
【0010】
(1) 高周波加熱電力E・I(kW):90≦E・I≦250(E:高周波加熱電圧(kV)、I:高周波加熱電流(A))
予熱に用いる高周波加熱の電力E・I(kW)が90kW未満の場合、予熱の効果が不足し、溶接速度が遅くなるため生産性が低下する。一方、250kWを超えると入熱が過大となり、突き合わせエッジ面が著しく酸化を受け溶接品質を損ない、かつエッジ表面の溶融等が発生し、エッジ面形状が維持できなくなり安定したレーザ溶接が維持できない。尚、エッジ面としては両エッジ面突き合わせ後、I型となる形状が望ましい。
【0011】
(2) レーザ照射位置X(mm):0.7Xa≦X≦1.3Xa
但し、Xa=(20+E・I/15+5U)/exp(0.5α)
本発明ではレーザ照射位置を規定する。Xaは最適なレーザ照射位置を示し、エッジ突き合わせ部に僅かなギャップが生じている状態の位置で、高周波予熱による入熱とスクイズロールによるアップセット量の影響を受ける。本発明者らの多数の実験の結果、E.I,U,αの関係式として求められた。
【0012】
式中、αはスクイズロール中心から上流側40mm以内でのエッジ開口角として求められるもので、電縫鋼管の製造において一般に用いられているVシェープ角(フィンパスロールもしくはシームガイドロールカリバー、フィンパスロールもしくはシームガイドロールフィン、スクイズロール胴径、及びフィンパスロールもしくはシームガイドロール中心とスクイズロール中心もしくはV収束点の距離により決まるVシェープ角)とは相違するものである。
【0013】
実操業におけるレーザ照射位置Xは品質上許容される0.7Xa≦X≦1.3Xaの範囲とする。スクイズロール中心から1.3Xaを超える位置では、突き合わせ部のギャップが広すぎ、レーザが突き抜け、溶接欠陥を生じる場合がある。
【0014】
一方、0.7Xa未満の位置ではギャップがなく、予熱、スクイズアップセットの影響でエッジ部近傍の増肉が大きく、内面側の溶融が不十分なところが発生する。尚、最適照射位置Xa,照射位置Xはスクイズロール中心から上流側への距離とする。
【0015】
(3) 溶接速度v(m/min):v≧0.17X
本発明者らは多数の実験結果から、マルテンサイト系ステンレス鋼のレーザ溶接部凝固割れがレーザ照射からスクイズロールでのアップセットまでの時間を0.35sec以内とした場合、防止できることを知見した。従って、前述のレーザ照射位置X(mm)と上記知見より溶接速度v(m/min)は0.17X以上としなければならない。
【0016】
(4) 0.5≦P・exp{(250+E・I)/500}/v・t
本パラメータはレーザ照射による溶け込み状況を決定するもので、レーザ出力P(kW)、高周波予熱電力E・I(kW)、溶接速度v(m/min)、鋼板厚t(mm)より構成され、0.5未満の場合、溶け込み不足を生じるため、0.5以上とする。一方、本パラメータより、レーザ出力を設備能力の最大値とし、溶接速度を健全な溶接部が得られる範囲において最速値に設定することが可能である。
【0017】
(5) アップセット量U(mm):0.1≦U≦1.0
スクイズロールでのアップセット量は、0.1mm未満の場合、レーザ照射による溶融金属中にブローホールが残存する恐れがあり、また、溶接後、ビードを研削した際、アンダーカットが生成され易い。一方、1.0mmを超えるとメタルフローの立ち上がり角度が大きくなり、ビード切削後フッククラック等の欠陥が生じやすくなるため、0.1≦U≦1.0(mm)とする。
【0018】
本発明によれば生産性良く、溶接品質に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼のレーザ溶接鋼管の製造が可能であるが、開先面の錆等が原因で発生するガスが溶融金属中に残存し、スクイズロールでのアップセットにより、ブローホールとなる恐れが皆無とは言えず、切削することが好ましい。
【0019】
【実施例】
表1に示す化学成分の熱延鋼板を用い、外径273.0mm管厚6.2mm,外径168.3mm管厚5.0mm,外径406.4mm管厚9.5mmの3種類の鋼管を表2に示す条件でレーザ溶接し、その後、溶接部全長20mを放射線透過試験(JISZ3104),超音波探傷試験(JISG0582)により検査した。表2に試験結果を示す。
【0020】
放射線透過試験結果はブローホールが0.4mm径以下で5個未満のものをA、0.4mm径以下で5個以上10個未満のもの、0.8mm径以下で5個未満のものをB、0.4mm径以下で10個以上のもの、0.8mm以下で5個以上10個未満のものをC、0.8mm径以下で10個以上のもの、0.8mm径超えのブローホールがあるもの、割れがあるもの、溶け込み不足があるものをDとした。
【0021】
超音波探傷試験結果は1.6mm径のドリルホールの人工欠陥に対し、ピーク指示高さが10%以下のものをA、20%以下のものをB、40%以下のものをC、40%超えのものをDとした。本発明により製造された鋼管の溶接部品質が非常に優れていることが確認された。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、レーザ溶接により、溶接品質に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼管を生産性良く製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ溶接管の製造方法を模式的に示す図
【符号の説明】
1…オープンパイプ
2…予熱用高周波電源
3…レーザビーム
4…スクイズロール
5…突合わせエッジ部
6…V角
Claims (1)
- マルテンサイト系ステンレス鋼板のレーザ溶接による鋼管の製造方法において、前記鋼板を成形ロールで円筒状のオープンパイプとし、前記オープンパイプの両エッジ部を、下記(1)式を満足する条件で、高周波加熱法により予熱後、下記(2)、(3)、(4)式を満足する条件でレーザ照射し、下記(5)式を満足する条件でスクイズロールにて加圧することを特徴とするマルテンサイト系ステンレスレーザ溶接鋼管の製造方法。
90≦E・I≦250 (1)
0.7Xa≦X≦1.3Xa (2)
但し、Xa=(20+E・I/15+5U)/exp(0.5α)
v≧0.17X (3)
0.5≦P・exp{(250+E・I)/500}/v・t (4)
0.1≦U≦1.0 (5)
E:高周波加熱電圧(kV)
I:高周波加熱電流(A)
U:スクイズロールでのアップセット量(mm)
α:V角(°)予熱前のスクイズロール中心点より40mm以内での鋼板エッジ部開口部角度
X:レーザ照射位置(mm)スクイズロール中心点から上流側への距離
P:レーザ出力(kW)
v:溶接速度(m/min)
t:板厚(mm)
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JP36446799A JP3596394B2 (ja) | 1999-12-22 | 1999-12-22 | マルテンサイト系ステンレスレーザ溶接鋼管の製造方法 |
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JP2001179472A JP2001179472A (ja) | 2001-07-03 |
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JP36446799A Expired - Fee Related JP3596394B2 (ja) | 1999-12-22 | 1999-12-22 | マルテンサイト系ステンレスレーザ溶接鋼管の製造方法 |
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JP5724294B2 (ja) * | 2009-10-30 | 2015-05-27 | Jfeスチール株式会社 | レーザ溶接鋼管の製造方法 |
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1999
- 1999-12-22 JP JP36446799A patent/JP3596394B2/ja not_active Expired - Fee Related
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