JPH08155665A - フェライト系ステンレス鋼のレーザ溶接方法 - Google Patents

フェライト系ステンレス鋼のレーザ溶接方法

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JPH08155665A JP6299863A JP29986394A JPH08155665A JP H08155665 A JPH08155665 A JP H08155665A JP 6299863 A JP6299863 A JP 6299863A JP 29986394 A JP29986394 A JP 29986394A JP H08155665 A JPH08155665 A JP H08155665A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】優れた加工性を備える溶接部を有するフェライ
ト系ステンレス鋼のレーザ溶接方法の提供。 【構成】第1のレーザビームによって貫通溶接された溶
接部の温度が400℃以下になって後、この溶接部に対
して前記第1のレーザビームによる貫通溶接時の被溶接
材外表面における溶融幅と同等の溶融深さが得られる出
力で第2のレーザビームを照射するフェライト系ステン
レス鋼のレーザ溶接方法。 【効果】溶接部に生じた粗粒化結晶方位異常組織部分
を、第2のレーザビーム照射によって効果的に細粒化さ
せることができ、溶接部の加工性を確実に向上させるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェライト系ステンレ
ス鋼のレーザ溶接方法に係わり、より詳しくは、加工性
の良好な溶接部が得られるフェライト系ステンレス鋼の
レーザ溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ溶接は、レーザ光を細いビームに
集光して被溶接部に照射することによって被溶接部を溶
融接合する方法で、低入熱で深い溶け込み深さが得ら
れ、かつ低歪の高速溶接が可能であるとともに、溶接幅
が狭いため熱影響による材質の劣化が少ない溶接方法で
あることから、フェライト系ステンレス鋼等の溶接法と
して広く使用されている(特開昭56−168988号
公報等)。
【0003】しかし、肉厚が2.0mm以上の厚肉のフ
ェライト系ステンレス鋼を溶接した場合、その溶接部の
結晶粒が一部粗大化した組織となり、この粗大化した結
晶粒が溶接部の靭性を劣化させる原因であるといわれて
いる。
【0004】一般に、へき開破壊を伴う材料の破壊靭性
値や脆性破壊の遷移温度は、材料の結晶粒径に依存し、
結晶粒径が大きくなればなるほど脆くなることが知られ
ており、フェライト系ステンレス鋼はその代表的な材料
である。従って、フェライト系ステンレス鋼の溶接部の
靭性劣化を防止して十分な加工性能を確保するために
は、その溶接部の結晶粒径の細粒化を図ることが必要不
可欠になる。
【0005】しかしながら、厚肉のフェライト系ステン
レス鋼を溶接すると、前述したように、その溶接部の結
晶粒が一部粗大化して靭性劣化を招くといわれている
が、レーザ溶接した場合における靭性劣化の詳細なメカ
ニズムは不明であった。
【0006】そこで、本発明者等は、厚肉のフェライト
系ステンレス鋼をレーザ溶接した場合に生じる溶接部の
靭性劣化原因を解明すべく、種々実験研究を行った結
果、次の事実を知見した。
【0007】すなわち、肉厚が2.0mm以上の厚肉の
フェライト系ステンレス鋼を、被溶接材の突き合わせ形
状を図8に示すI型形状にしてレーザ溶接する場合に
は、被溶接材の肉厚が厚ければ厚いほどレーザの貫通力
が小さくなので、内面側のビード幅を確保することが困
難となって溶け込み不足等の溶接欠陥が生じるため、溶
接速度を遅くする必要がある。しかし、溶接速度を遅く
すると、溶接時に発生するプラズマ塊の量が多くなり、
そのプラズマ塊の熱エネルギーによって、図9に示す如
く、被溶接材の外表面側の溶融幅が内面側に比べ大きく
なったワインカップ状の溶接部形状を示すようになる。
この結果、溶接部は、その外表面側の溶融金属部の凝固
速度が遅くなるため、外表面側に溶接金属の中央部で結
晶粒が一部粗大化して外表面側方向へ縦に伸びた柱状晶
組織と、内面側に溶接中心に対して直交する方向へ伸び
た細粒の柱状晶組織とが混在した組織となり、前者の外
表面側方向へ縦に伸びた結晶粒の粗大化した柱状晶組織
が靭性劣化を生じさせることが明かとなった。
【0008】このことは、次の実験結果から明かであ
る。
【0009】図10は、代表的なフェライト系ステンレ
ス鋼であるSUS430からなる鋼板を管状に成形した
後、図11に示すように、左右一対の押圧治具9、9を
用いて鋼板の両エッジ相互を突き合わせ、そのエッジ間
ギャップをゼロとした状態の上記I型形状の突き合わせ
部にレーザビームを照射して貫通溶接を行って外径4
8.6mm、肉厚3mmの溶接管を作成し、その溶接部
の断面マクロ観察を行って前記結晶粒の粗大化した柱状
晶組織の存在を確認した後、50mm長さに切断し、外
表面方向へ縦に伸びた結晶粒の粗大化した柱状晶組織部
分を除去すべく溶接余盛り部を含めて管外表面より0.
5mmの肉厚部分を切削除去して肉厚2.5mmとした
試験材(以下、減厚材という)と、溶接余盛り部のみを
切削除去する一方、内面側の肉厚を0.5mm切削除去
して肉厚2.5mmとした試験材(以下、溶接まま材と
いう)とを、それぞれ80個準備し、種々の温度で溶接
部を水平方向に位置させて密着偏平試験を行った時の割
れ発生率(試験片本数比率)を調べた結果である。
【0010】図10から明らかなように、管外表面から
0.5mmの肉厚部分を切削除去した減厚材(図中、○
印で示す)では、−50℃でも割れの発生が認められな
いが、溶接余盛り部のみと内面側肉厚を0.5mm切削
除去した溶接まま材(図中、●印で示す)では、0℃か
ら割れが発生していることから、結晶粒の粗大化した柱
状晶組織が溶接部の靭性劣化、換言すれば加工性劣化の
原因であることを示している。
【0011】ところで、厚肉のフェライト系ステンレス
鋼をレーザ溶接した場合、溶接部の外表面側に生じる上
記結晶粒の粗大化した柱状晶組織の生成を防止あるいは
抑制する方法としては、次に述べる方法が考えられる。
【0012】第1の方法は、被溶接材の突き合わせ形状
を上記I型形状(図8参照)にするとともに、図12に
示すように、溶接トーチ10から供給する加工センター
ガスの流量を増加させるか、または溶接トーチ10の下
流側にサイドガスノズル11を配置してサイドガスを吹
き付けてレーザ溶接時に発生するプラズマ塊の発生量を
抑制して溶接する方法であり、第2の方法は、図13に
示すように、被溶接材の突き合わせ形状をV型形状にし
てプラズマ塊の熱エネルギーによる外表面側部分の被溶
接材の溶融量を減少させるように溶接する方法であり、
これらの方法による場合には、溶接部形状が図14に示
すような形状となり、外表面側での結晶粒が粗粒化して
縦に成長するのが抑制され、比較的細粒の横方向の柱状
晶組織が得られる。しかし、上記第1の方法では、ガス
流で溶金流を押圧かつ乱すため、図14に示すように、
アンダーカット13等の溶接欠陥を発生させる。また、
上記第2の方法では、被溶接材の開先断面積が大きいた
め、溶金量が不足して前記同様にアンダーカット13や
アンダービード等の溶接欠陥を発生させるという問題が
ある。
【0013】なお、特開昭56−9088号公報には、
溶接線に対して2つのレーザビームを直列に照射してビ
ードの形状を整形するレーザ溶接法が提案されている
が、フェライト系ステンレス鋼を溶接した場合に生じる
溶接部の靭性劣化を防止する手段については何等示して
いない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の実状
に鑑みなされたもので、加工センターガス流量の増加、
サイドガス吹き付けの採用および被溶接材の突き合わせ
形状にV型形状を採用することなく、溶接部の外表面側
に生じる粗大異方位結晶粒部分を効果的に細粒化させ得
て、優れた加工性、具体的には例えば溶接余盛り部を除
去した溶接管を−40℃で密着偏平試験した場合におい
ても溶接部に割れが発生しないという、優れた加工性を
備える溶接部を有するフェライト系ステンレス鋼のレー
ザ溶接方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次のフ
ェライト系ステンレス鋼のレーザ溶接方法にある。
【0016】フェライト系ステンレス鋼のレーザ溶接方
法において、第1のレーザビームによって貫通溶接され
た溶接部の温度が400℃以下になって後、この溶接部
に対して前記第1のレーザビームによる貫通溶接時の被
溶接材外表面における溶融幅と同等の溶融深さが得られ
る出力で第2のレーザビームを照射することを特徴とす
るフェライト系ステンレス鋼のレーザ溶接方法。
【0017】
【作用】以下、添付図面に基づいて本発明をさらに詳細
に説明する。
【0018】図1は、本発明に係わるフェライト系ステ
ンレス鋼のレーザ溶接方法を、溶接管の製造に適用した
場合の実施態様の一例を示す模式図である。
【0019】図1において、OPはオープンパイプであ
って、このオープンパイプOPはフェライト系ステンレ
ス鋼からなる帯鋼を図示しない成形ロール群に通して横
断面U形から両エッジ部E、Eが相対向する横断面O形
に曲成される。オープンパイプOPは、白抜き矢符方向
に移送されて誘導加熱コイル1を通過する際に、V形を
形成する帯鋼両エッジ部E、Eが所定温度に予熱され
る。
【0020】次いで、オープンパイプOPは、左右一対
のスクイズロール2、2間に通され、帯鋼両エッジ部
E、Eの肉厚方向の間隙がゼロとなるように横断面形状
が前述したI型形状になるように突き合わせされ、この
突き合わせ部の上方に配置された第1の溶接トーチ3か
ら照射されるレーザビームによって貫通溶接されて溶接
管Pとなるが、本発明では第1の溶接トーチ3の下流側
に配置された冷却水噴射ノズル4aと、窒素ガス、アル
ゴンガス等からなる不活性ガス噴射ノズル4bとからな
る局部強制冷却装置4によって貫通溶接された溶接部W
Bを強制冷却した後、この強制冷却された溶接部WBに
対して局部強制冷却装置4の下流側に近接配置された第
2の溶接トーチ5から所定出力のレーザビームを照射す
る。
【0021】詳しくは、局部強制冷却装置4によって4
00℃以下の温度にまで強制冷却された溶接部WBに対
し、第1の溶接トーチ3から照射されるレーザビームに
よって貫通溶接した時の被溶接材料の外表面における溶
融幅と同等の溶融深さが得られる出力で第2の溶接トー
チ5からレーザビームを照射する。
【0022】このように、第1のレーザビームによって
貫通溶接された溶接部WBを400℃以下の温度にまで
強制冷却した後、この強制冷却された溶接部を第1のレ
ーザビームによる溶接時の被溶接材料の外表面における
溶融幅と同等の溶融深さが得られる出力の第2のレーザ
ビームを照射することにより、溶接部の外表面側に生じ
た結晶粒の粗大化した外表面側へ縦に伸びた柱状晶組織
の部分が、図2に示すように、細粒化された横方向に伸
びた柱状晶組織となり、溶接部の靭性低下が防止され
る、換言すれば溶接部の加工性の向上が図れる。
【0023】これは、上記第1のレーザビームによる溶
接時に生じる結晶粒の粗大化した外表面側へ縦に伸びた
柱状晶組織の深さは、本発明者等の種々実験研究の結果
によれば、溶接部の外表面の溶融幅程度であることか
ら、第2のレーザビームの出力を第1のレーザビームに
よる溶接部の被溶接材外表面における溶融幅と同等の溶
融深さが得られるようすることで、始めて靭性劣化起因
となる異常組織の部分を再溶融細粒化させることが可能
となるためである。
【0024】また、第1のレーザビームによる貫通溶接
時に生じた溶接部の粗大結晶粒の柱状晶組織を再溶融さ
せて細粒組織にするためには、第1のレーザビームによ
る溶接部の冷却過程において結晶粒の成長過程の温度で
あるときに第2のレーザビームを照射しても何等の効果
もなく、再溶融部の結晶粒が成長してその結晶方位およ
び粒径は第1のレーザビームによる溶接部と同等になっ
てしまう。従って、第1のレーザビームによる溶接部の
結晶粒の成長が完全に停止しており、かつ第1のレーザ
ビームによる溶接部の予熱効果によって第2のレーザビ
ームによる溶接部の結晶粒が再び成長する温度以下にな
ってから第2のレーザビームを照射する必要があるが、
第1のレーザビームによる溶接部の温度が400℃以下
であれば再溶融による細粒化が可能となるためである。
このことは、図3に示す実験結果から明かである。
【0025】図3は、溶接余盛り部を除去した溶接管を
−40℃で密着偏平試験した場合の溶接部の割れ発生
(再溶融による細粒化)に及ぼす第2のレーザビームを
照射する前の溶接部温度の影響を調べた結果を示す図で
あるが、第2のレーザビームを照射する前の溶接部温度
が400℃を超えると溶接部に割れが発生し、400℃
以下では溶接部に割れの発生がないことから明らかであ
る。なお、上記第2のレーザビーム照射による異常組織
部分の再溶融による細粒化は、上記したように第1のレ
ーザビーム照射による溶接部の温度が400℃以下で十
分に図れるが、より安定的に図るためには100℃以
下、より好ましくは室温近傍の温度になってから第2の
レーザビームを照射するのが望ましい。
【0026】また、図1に示した実施態様では、高速溶
接を可能ならしめるため、帯鋼両エッジ部E、Eを誘導
加熱コイル1によって予熱するようにしたが、これは省
略することができる。さらに、局部強制冷却手段を設け
て第1のレーザビームによる溶接部を強制冷却して第2
のレーザビームを直ちに照射するするようにしたが、局
部強制冷却手段を省略し、第1のレーザビームによる溶
接部の温度が400℃以下になる下流側の適宜位置、あ
るいはオフラインにおいて第2のレーザビームを照射す
るようにしてもよいことはいうまでもない。またさら
に、本発明の方法は、溶接管の製造に限らず、例えば平
板の突き合わせ溶接、溶接形鋼の製造等にも適用できる
こともいうまでもない。
【0027】さらに、本発明では、上記したように、第
1のレーザビームと第2のレーザビームを溶接線に対し
て直列に配置して照射するに際し、第1のレーザビーム
と第2のレーザビームとは、図4に示すように、伝送途
中の第1のレーザビームを半透過ミラー6によってチョ
ッピングして第2のレーザビームとする方法、図5に示
すように、集光前のレーザビームを角度を有する分割平
面ミラー7によって2分割した後、さらに集光ミラー8
によって第1のレーザビームと第2のレーザビームに分
割するツインビーム法、図6に示すように、それぞれ独
立した図示しないレーザ発振機から第1のレーザビーム
と第2のレーザビームを供給する方法のいずれであって
もよい。
【0028】
【実施例】表1に示す化学成分を有するフェライト系ス
テンレス鋼製で、肉厚2.5mmの帯鋼を用いて外径4
8.6mmのオープンパイプに連続的に成形し、このオ
ープンパイプの帯鋼両エッジ相互をスクイズロールによ
ってその肉厚方向の間隙がゼロとなるようにその突き合
わせ形状がI形状になるように突き合わせ、帯鋼両エッ
ジ相互が当接した衝合部に、表2に示す条件で、第1の
レーザビームを照射して貫通溶接し、次いでこの貫通溶
接した溶接部を強制冷却して後、第2のレーザビームを
照射して溶接管を得た。
【0029】なお、比較のため、表2に示す条件で、第
1のレーザビームを照射して貫通溶接し、この貫通溶接
した溶接部を強制冷却せずに表2に示す温度の溶接部に
対して第2のレーザビームを照射したもの、および表2
に示す条件で第1のレーザビームを照射して貫通溶接し
たままのものも準備した。また、レーザ発振機はいずれ
も炭酸ガスレーザ発振機であり、第2のレーザビームは
定格出力2kWのものを用いその出力を調整し、第1の
レーザビームはその焦点を管外表面に、第2のレーザビ
ームはその焦点を溶接ビードの外表面に設定して照射し
た。さらに、比較のために行った溶接部を強制冷却しな
い場合における第2のレーザビームの照射位置は、第1
のレーザビームの照射位置より250mm下流側の位置
とした。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】これら得られた溶接管の溶接余盛部を管外
径に沿って研削除去した後、長さ50mmの管状試験片
を各20個採取し、溶接部が水平位置に位置するように
位置させて各種温度で密着偏平試験を行って溶接部の割
れ発生率を求め、溶接部の加工性を評価した。その結果
を、図7に示した。なお、図7中、○印は本発明法によ
た場合、●印は単一レーザビームによる従来法によった
場合、×印は溶接部を強制冷却しない本発明の比較法に
よった場合である。
【0033】図7から明らかなように、単一レーザビー
ム溶接の従来法では、割れ発生遷移温度が0℃で溶接部
の加工性が劣っており、また溶接部を強制冷却せずに第
2のレーザビームを照射した比較法では、割れ発生遷移
温度が−20℃で溶接部の加工性が劣っている。これに
対し、本発明法では、割れ発生遷移温度が−50℃で溶
接部の加工性が著しく改善されている。
【0034】
【発明の効果】本発明の方法によれば、加工センターガ
ス流量の増加、サイドガス吹き付けの採用および被溶接
材の突き合わせ形状にV型形状を採用することなく、溶
接部の外表面側に生じる粗大結晶粒部分を効果的に細粒
化させ得うるので、溶接部の加工性に優れたフェライト
系ステンレス鋼からなる鋼製品を高能率に製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ溶接方法を、溶接管の製造に適
用した場合の一実施態様を模式的に示す図である。
【図2】本発明のレーザ溶接方法によった場合に得られ
る溶接部の形状と組織を模式的に示す図である。
【図3】本発明の第2のレーザビーム照射前の溶接部温
度が再溶融による細粒化に及ぼす影響を示す図である。
【図4】本発明の方法における第1のレーザビームと第
2のレーザビームの供給方法の一例を模式的に示す図で
ある。
【図5】本発明の方法における第1のレーザビームと第
2のレーザビームの供給方法の他の一例を模式的に示す
図である。
【図6】本発明の方法における第1のレーザビームと第
2のレーザビームの供給方法のさらに他の一例を模式的
に示す図である。
【図7】実施例の結果を示す図である。
【図8】I型形状の突き合わせによる従来の単一レーザ
ビームによるレーザ溶接方法を模式的に示す図である。
【図9】I型形状の突き合わせによる従来の単一レーザ
ビームで貫通溶接した場合に得られる溶接部の形状と組
織を模式的に示す図である。
【図10】I型形状の突き合わせによる従来の単一レー
ザビームで貫通溶接した場合に得られる溶接部の形状と
組織が溶接部の加工性に及ぼす影響を示す図である。
【図11】I型形状の突き合わせの単一レーザビームに
よる従来のレーザ溶接法を溶接管の製造に適用した場合
の模擬溶接試験法を示す図である。
【図12】従来のI型形状の突き合わせの単一レーザビ
ームによるレーザ溶接方法においてプラズマ塊の発生量
を低減させる方法を模式的に示す図である。
【図13】V型形状の突き合わせによる従来の単一レー
ザビームによるレーザ溶接方法を模式的に示す図であ
る。
【図14】V型形状の突き合わせによる単一レーザビー
ムによる従来のレーザ溶接方法またはI型形状の突き合
わせの単一レーザビームによるプラズマ塊発生量低減手
段を採用した従来のレーザ溶接方法で得られる溶接部の
形状と組織を模式的に示す図である。
【符号の説明】
OP:オープンパイプ 1 :誘導加熱コイル、2
:スクイズロール 3 :第1のレーザビームを
照射する溶接トーチ 4 :局部強制冷却装置 5 :第2のレーザビーム
を照射する溶接トーチ WB:溶接部 P :溶接管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェライト系ステンレス鋼のレーザ溶接方
    法において、第1のレーザビームによって貫通溶接され
    た溶接部の温度が400℃以下になって後、この溶接部
    に対して前記第1のレーザビームによる貫通溶接時の被
    溶接材外表面における溶融幅と同等の溶融深さが得られ
    る出力で第2のレーザビームを照射することを特徴とす
    るフェライト系ステンレス鋼のレーザ溶接方法。
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