JP2004306084A - レーザ溶接とア−ク溶接の複合溶接方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アーク溶接とレーザ溶接との複合溶接による突合せ溶接において、開先ルート間隔の制御を安定して確実におこなうことができ、溶接長が長い条件での厚鋼板の突合せ溶接、大型UO鋼管のシーム溶接のような大型構造物の突合せ溶接時に良好な溶け込みと溶接欠陥のない優れた溶接部が得られる溶接方法を提供する。
【解決手段】レーザ溶接とガスシールドアーク溶接との複合溶接による突合せ溶接方法において、被溶接材を仮組後、溶接線に沿う開先ルートにレーザを照射して、このルート間隔が0.1〜3.0mmとなるように溶融切断した後、レーザ溶接とガスシールドアーク溶接との複合溶接を行い、前記レーザ溶接の入熱を0.1kW以上、かつ、ガスシールドアーク溶接の入熱を0.1〜2.5kJ/mmに設定することを特徴とするレーザ溶接とガスシールドアーク溶接との複合溶接による突合せ溶接方法。
【選択図】 図3
【解決手段】レーザ溶接とガスシールドアーク溶接との複合溶接による突合せ溶接方法において、被溶接材を仮組後、溶接線に沿う開先ルートにレーザを照射して、このルート間隔が0.1〜3.0mmとなるように溶融切断した後、レーザ溶接とガスシールドアーク溶接との複合溶接を行い、前記レーザ溶接の入熱を0.1kW以上、かつ、ガスシールドアーク溶接の入熱を0.1〜2.5kJ/mmに設定することを特徴とするレーザ溶接とガスシールドアーク溶接との複合溶接による突合せ溶接方法。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ溶接とア−ク溶接を組み合わせた複合溶接に関し、特に、大型鋼構造物、さらには、ガス輸送等に使用される大型UO鋼管などに適用される複合溶接による突合せ溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ガスシールドアーク溶接に比べてエネルギー密度が高く、溶け込み深さが優れる、例えば、炭酸ガスレーザやYGAレーザ等のレーザを用いた鋼の溶接方法が急速に適用されている。
【0003】
しかし、このレーザ溶接は、通常の集光径が1mm以下と非常に小さいビームを熱源として使用するため、鋼材端面同士を突合せて溶接する場合には、その端面に形成する開先部には非常に高い寸法精度が要求される。例えば、開先ルート間に0.5mm程度以上の隙間があると、レーザビ−ムが通過して溶接ができない、あるいは溶融金属が不足し適正な余盛ができない等の溶接不良がおこる。また、鋼板の板厚が厚くなると充分な溶込み深さを得ることが困難となり、また、深い溶込みをえるための大出力のレーザは、未だ高価であるため、溶接施工コストの増加を招く要因となる。
【0004】
これらの点が大型鋼構造物の溶接に対するレーザ溶接の適用を阻害している要因になっている。
【0005】
この対策として、近年、レーザ溶接とアーク溶接を複合して行う溶接方法が例えば、特許文献1および2などで提案されている。
【0006】
特許文献1に記載の方法は、溶接方向に対して、プラズマトーチの後方にレーザノズルを配置し、プラズマガス流の照射位置の後方にレーザビームを照射することにより、レーザビームにより発生するプラズマによりアーク放電を安定化させ、高速で中厚鋼板を突合せ溶接する際に良好な溶接部を得ようとするものである。しかし、この技術は、板厚が1〜2mm程度の高速突合せ溶接では良好な溶け込みは得られるものの、厚板の溶接は困難である。
【0007】
特許文献2に記載の方法は、溶接方向に対して、レーザ照射位置の後方にアーク溶接位置を設け、開先部のルート間隔を所定範囲にすると共に、レーザ照射位置とアーク溶接位置との距離を所定範囲に保つことにより厚鋼板の突合せ溶接を高速で行なうことを可能とするものである。この方法は、突合せ端部の開先ルート間に適正な間隙を設けることにより、特許文献1に比べて厚板の突合せ溶接時の溶け込み深さを向上される。しかしながら、溶接長が長い条件で厚板を突合せ溶接を行なう場合に、突合せ部開先面の加工精度のばらつきだけでなく、開先加工時の残留応力の影響で開先ルート間隔を溶接線に亘って均一に保つことは不可能である。また、大型UO鋼管のシーム溶接などのように厚鋼板をプレス加工した後の端部を突合せ溶接する場合には、加工反力の影響も加わって、開先ルート間の間隙を適正に安定して維持することは困難である。このような突合せ溶接時に開先ルート間の間隙が適正に維持できない場合に溶接不良が起きることがあった。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−246484号公報
【特許文献2】
特開平10−216972号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の実状を踏まえ、アーク溶接とレーザ溶接との複合溶接による突合せ溶接において、開先ルート間隔の制御を安定して確実におこなうことができ、溶接長が長い条件での厚鋼板の突合せ溶接、大型UO鋼管のシーム溶接のような大型構造物の突合せ溶接時に良好な溶け込みと溶接欠陥のない優れた溶接部が得られる溶接方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記技術的課題を解決するものであり、その要旨とするところは、以下のとおりである。
【0011】
(1) レーザ溶接とアーク溶接との複合溶接による突合せ溶接方法において、被溶接材を仮組後、溶接線に沿う開先ルートにレーザを照射して、このルート間隔が0.1〜3.0mmとなるように溶融切断した後、レーザ溶接とガスシールドアーク溶接との複合溶接を行い、前記レーザ溶接の入熱を0.1kW以上、かつ、ガスシールドアーク溶接の入熱を0.1〜2.5kJ/mmに設定することを特徴とするレーザ溶接とアーク溶接との複合溶接による突合せ溶接方法。
【0012】
(2) UOE鋼管の製造プロセスにおける仮組み溶接に適用することを特徴とする上記(1)記載のレーザ溶接とアーク溶接との複合溶接による突合せ溶接方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、特許文献2などに開示されるような、厚鋼板の突合せ端部の開先ルートに間隙を設けて、レーザ溶接とアーク溶接との複合溶接により厚鋼板を突合せ溶接する方法について、さらに追試などによる検討を行い、技術課題およびその解決手段について検討した。
【0014】
従来の機械加工やガス切断加工を用いて厚鋼板の突合せ端部に開先を形成する場合は、レーザ溶接とアーク溶接の複合溶接による厚鋼板の突合せ溶接における溶接品質を満足するうえで要求される加工精度は充分満足できない。さらに、機械加工では加工面に切削時の油等の付着が生じ、開先面の清浄度の低下による溶接部品質の劣化の問題がある。このため、一般には溶接前に機械加工後の開先を洗浄する工程が必要であり、施工コストの増加を招く原因となり好ましくない。上記の突合せ端部における開先面の加工精度の問題は、特に、厚鋼板を成型しつつ突合せ溶接する場合に深刻になる。
【0015】
例えば、ラインパイプ等に使用する大型鋼管の1種であるUOE鋼管は、一般に平鋼板の幅揃えと端面の開先加工を行った後、プレス成形などにより筒状に成形し、その鋼板の突合せ端部の開先ルートを仮組み溶接(この溶接を仮付け溶接とも言う。)した後、さらに、その開先の内面側および外面側をサブマージアーク溶接等により溶接(この溶接を本溶接とも言う。)し、最後に、エキスパンダーなどにより拡管整形して円真度の高い鋼管とする。
【0016】
上記のUOE鋼管の製造プロセスにおいて、鋼板の開先加工は、一般には機械加工により行うため、その加工精度により仮付け溶接の品質、さらに、本溶接の品質に大きく影響を及ぼす。
【0017】
例えば、開先加工精度により仮付け溶接のビード形状が劣化しその表面に凹凸が生じると、その後に行なわれるサブマージアーク溶接などによる本溶接時にアンダーカット等の溶接欠陥が生じる原因となる。
【0018】
また、開先加工精度により仮付け溶接時に溶け込みが浅くなり、開先ルートに融合不良や開先残りが生じると、この中のガス成分がサブマージアーク溶接などによる本溶接時に溶接金属内に取り残され、ブローホール等の溶接欠陥が発生する原因となる。
【0019】
このように、開先加工精度は、仮付け溶接の品質、さらに、本溶接の品質に対して重要な役割を果ため、仮付け溶接時に十分な溶け込みおよびビード表面形状が得られるための開先加工精度が要求される。
本発明者らは、特許文献2などに開示される、レーザ溶接とアーク溶接との複合溶接方法は、小入熱で良好な溶け込み深さが得られるため、上記UOE鋼管の製造プロセスにおける仮付け溶接として適用することで仮付け溶接部の高品質化が図れると考えた。
【0020】
しかし、板厚が10mm以上で外径が300mm以上の大きなUOE鋼管を、成形ロールなどだけで1mm前後のレーザ集光径に相当するルート間隔に制御することは至極困難であり、鋼板の開先加工精度と相俟って、溶接線に沿って、図1(a)〜(d)に示すように開先ルート部1の間隔(以下、ルートギャップと言うこともある。)にばらつきが生じる。
【0021】
なお、図1(a)〜(d)は、UOE鋼管の仮付け溶接時の鋼板突合せ端部のX型開先の断面図であり、(a)はX型開先部の開先ルート1に間隔がある場合、(b)は開先ルート1の間隔が0mmの場合、図1(c)は開先ルート1が上開きに開口している場合、図1(d)は開先ルート1が下開きに開口している場合を示している。
【0022】
このように大型UOE鋼管の仮付け溶接時には、同一素材内でも溶接線に沿って開先ルートの間隔にバラツキが発生するため、仮付け溶接として上記レーザ溶接とアーク溶接との複合溶接を適用した場合でもビード形状不良などが発生する。図1では、開先形状をX型開先とした場合のUOE鋼管を例として説明したが、開先形状をY型開先であっても、鋼板をスパイラル状に巻きながら、その突合せ端部を溶接して製造するスパイラル鋼管においても、同様の問題が生じる。
【0023】
本発明は、厚板をレーザ溶接とア−ク溶接の複合溶接により突合せ溶接する際の上記課題、つまり溶接線に沿った開先ルート間隔のばらつきの問題を、改善するために上記複合溶接にさらにレーザ溶融によるルート間隔制御を適用し解決することを技術思想とする。
【0024】
本願発明の詳細を以下に図を参照しながら説明する。
【0025】
図2に板継手の突合せ溶接、図3はUOE鋼管の仮付け溶接としての突合せ溶接をそれぞれ想定した場合の本発明の実施形態を示す。
【0026】
本発明を用いて板継手の突合せ溶接を行なう場合は、図2に示すように厚鋼板5の幅方向端部同士を突合せる。その後、その突合せ端部に形成された開先6(この場合、Y型開先)のルート1の一部を仮付け溶接10するなどの方法で仮組する。その後、溶接線に沿って開先ルートにレーザトーチ2を用いてレーザを照射して、ルート間隔7が所定間隔(後で説明する。)になるように溶融切断後、溶接方向9にアーク溶接トーチ3およびレーザ溶接トーチ4を配置し、各入熱を所定範囲(後で説明する。)に設定してレーザ溶接とガスシールドアーク溶接との複合溶接8を行う。
【0027】
なお、仮組みは、上記のような被接合部材の一部を仮付け溶接する方法でも、ジグによる機械的な固定でもよく、被接合部材の突合せ端面同士を固定できる方法であれば特にその方法を限定する必要はない。
【0028】
本発明を用いてUOE鋼管の仮付け溶接としての突合せ溶接を行う場合は、図3に示すように、鋼板を筒状に成形した後、ロール(図示せず)による押しつけ11により厚鋼板5の幅方向端部同士を突合せて仮組みする。その後、その突合せ端部に形成された開先6(この場合、X型開先)のルート1を溶接線に沿って開先ルート1にレーザトーチ2を用いてレーザを照射して、ルート間隔7が所定間隔(後で説明する。)になるように溶融切断後、溶接方向9にアーク溶接トーチ3およびレーザ溶接トーチ4を配置し、各入熱を所定範囲(後で説明する。)に設定してレーザ溶接とガスシールドアーク溶接との複合溶接8を行って仮付け溶接する。
【0029】
その後、さらに、通常のサブマージアーク溶接等による本溶接(図示せず)を行うことによりUOE鋼管が製造される。
【0030】
このように本発明は、通常のUOE鋼管の製造プロセスにおいて、本溶接の前に実施される仮付け溶接に適用することができる。この場合、鋼板の仮組みは、ロールによる押しつけにより行なわれる。
【0031】
図4は、被溶接材を仮組後、レーザ溶融切断によりルート間隔を調整する方法の概念図を示す。
【0032】
被溶接材を仮組した後の鋼板突合せ端部は、図1(a)〜(d)に示されるように溶接線に沿って、開先ルート間隔がばらついた状態であるが、その後、レーザ12の照射により開先ルートを溶融切断することにより溶接線に沿ってルート間隔を一定に調整することができる。
【0033】
本発明では、ルート間隔の調整手段として、エネルギー密度の高く、鋼材の熱変形も小さいことを特徴とするレーザを使用するため、均一なルート間隔が得られ、その後のレーザ溶接とアーク溶接の複合溶接時に溶接部の品質を安定して向上することが可能となる。
【0034】
また、開先調整の手段としてレーザを提供することにより、同時にルート面の酸化物などの汚れを溶融除去されるため、その後に行なわれるレーザ溶接とガスシールドアーク溶接の複合溶接時の溶接欠陥の抑制効果も得られる。
【0035】
なお、レーザ溶接とアーク溶接の複合溶接において、レーザ溶接とアーク溶接の順序は特に限定する必要はなく、レーザ溶接を先行させ、そのレーザ溶接位置の後方位置を狙ってガスシールドアーク溶接しても、ガスシールドアーク溶接を先行させ、そのアーク溶接位置の後方位置を狙ってレーザ溶接してもよい。また、レーザ溶接位置とガスシールドアーク溶接位置との距離も特に規定する必要はなく、通常、レーザ溶接とガスシールドアーク溶接との複合溶接において行なわれる10mm以下の距離で行うことができる。
【0036】
なお、開先間隔の調整に用いられるレーザは、複合溶接におけるレーザ溶接で用いられるレーザと同一のレーザ装置のレーザビームを分岐させ使用することもできる。
【0037】
次に、本発明の上記レーザ溶融切断によって調整される開先ルート間隔:0.1〜3.0mmの限定理由について説明する。
【0038】
図5は、レーザ溶融切断により調整した開先ルート間隔と、複合溶接におけるガスシールドアーク溶接の入熱との関係を示した図である。
【0039】
複合溶接におけるガスシールドアーク溶接の入熱が0.1〜2.5kJ/mmの条件で、ルート間隔が0.1〜3mmの範囲の場合に溶接欠陥がなく良好な溶接が可能となる。
【0040】
ルート間隔が0.1mm未満になると、複合溶接におけるガスシールドアーク溶接の入熱が小さい場合(図中の◆)は、溶け込み不足となり、また、上記ガスシールドアーク溶接の入熱が大きい場合(図中の×)も、余盛り過剰となりいずれの場合にも溶接不良となる。
【0041】
一方、ルート間隔が3.0mm超となると、複合溶接におけるガスシールドアーク溶接の入熱が小さい場合(図中の●)では溶着量が不足して溶接欠陥が生じ、さらに入熱を大きくした場合(図中の▲、■)には、ルート間における溶融金属の表面張力が低下し溶け落ちが生じ、溶接ができない。
【0042】
本発明では、以上の知見を踏まえ、複合溶接時に良好な溶け込みが得られ、溶接欠陥がない良好な溶接部を得るために、レーザ溶融切断により調整される開先ルート間隔を0.1〜3.0mmに限定する。
【0043】
なお、ルート間隔の溶融切断に用いられるレーザの入熱は、特に規定する必要はなく、ルート面の長さによってレーザの入熱を調整する。
【0044】
また、このレーザの種類も、YAGレーザ、炭酸ガスレーザ等何れのレーザ溶接法でもかまわない。
【0045】
次に、本発明の上記複合溶接におけるレーザ溶接の入熱条件およびガスシールドアーク溶接の入熱条件の限定理由について説明する。
【0046】
複合溶接におけるレーザ溶接の入熱が0.1kW未満となると、プラズマ発生量が減少し、ガスシールドアーク溶接におけるアークを十分ルート間内に導くことによる溶け込み深さの向上効果が得られないため、そのレーザ溶接の入熱を0.1kW以上とする。レーザ溶接の入熱の上限は、特に規定する必要はないが、レーザ出力の上昇は施工コストを増大させる要因となるため経済性の点から制限される。
【0047】
複合溶接におけるアーク溶接の入熱は、上述の図5の実験結果を踏まえて、0.1〜2.5kJ/mmとした。
【0048】
アーク溶接の入熱が、0.1kJ/mm未満となると、複合溶接での入熱不足のため、溶け込み不良となる(図中●)。一方、アーク溶接の入熱が2.5kJ/mm超となると、溶着量が過大となり、ルート間隔が小さい場合(図中の×)は、余盛り過剰となり余盛り高さが高く溶け込みの浅いビード形状が不良となり、ルート間隔が大きい場合(図中の■)は、溶け落ちにより溶接不可能となる。
【0049】
したがって、本発明の複合溶接におけるアーク溶接の入熱は、良好な溶け込みおよびビード形状を得るために、0.1〜2.5kJ/mmと限定する。
【0050】
なお、アーク溶接に用いるワイヤは特に限定するものではないが、フィラーワイヤを使用すると、溶融金属増加するため、開先ルート間隔を比較的大きくしても良好な溶接が可能となる。
【0051】
また、本発明は、上述のUOE鋼管プロセス以外に、スパイラル鋼管の製造プロセスにおける、仮付け溶接として適用することも可能であり、同様な効果が得らる。
【0052】
【実施例】
本発明の効果を実施例を用いて説明する。
【0053】
(実施例1)
板厚:6〜14mmで、C:0.2%、Si:0.35%、Mn:1.45%の成分系の500MPa級炭素鋼からなる鋼板を突合せて仮組み後、レーザ溶融切断による開先ルート間隔の調整、レーザ溶接とアーク溶接の複合溶接を行い、図2に示すような板継ぎ手の突合せ溶接をおこなった。
【0054】
鋼板突合せ端部に形成する開先形状は、開角度が60°のY型開先とし、そのル−トフェイスの長さは、板厚に応じて3〜8mmの範囲で調整した。レーザによる開先調整は、出力5kWの炭酸ガスレーザを用い、アシストガスとして酸素を速度3.5m/分で流した。
【0055】
複合溶接におけるアーク溶接は、シールドガスとしてHeを用いて流量:50l/分で、C:0.11%、Si;0.6%、Mn;1.85%のフィラーワイヤを用いて行った。複合溶接におけるレーザ溶接は、炭酸ガスレーザを用いて最高出力:5kWでおこなった。
【0056】
レーザによる開先間隔の調整におけるレーザ照射位置と、レーザ溶接とガスシールドアーク溶接の複合溶接における先行溶接位置との距離は100mmとした。
【0057】
溶接部の欠陥は、溶接長1m長さ当たりのブローホールの個数をX線フィルムより測定し評価した。溶接時の溶け落ちは、単発的なものは溶接長1m当たりの発生個数を測定し、連続して生じる溶け落ちは、溶接長1mあたりの発生長さの比を%で表示し、アンダーカット、融合不良、開先残り、ハンピングビードは、溶接長1m当たりの発生長さの比を%で表示してそれぞれ評価した。
【0058】
また、ビードの外観不良も目視で判断し、溶接長さ1m当たりの不良長さの比を%で表示して評価した。
【0059】
表1に開先ルート間隔、複合溶接条件などの試験条件とその結果を示す。
【0060】
本発明例1、2における鋼板の仮組は、開先内にGMAWにより5mmの溶接線に対して5箇所、ショートビードによる仮溶接を行い、発明例3における鋼板の仮組は、補強材を母材に溶接して仮組を行った。
【0061】
本発明例1では、先行レーザビームによる開先調整により、それに続くレーザ溶接とガスシールドアーク溶接で安定した溶接が行われた。
【0062】
その結果、ハンピング、ブローホールおよびアンダーカットの無い形状が良好なビードが得られている。溶接金属中の元素分布を測定したが偏析等も無く、良好に撹拌されている。
【0063】
本発明例2は、本溶接の複合溶接でガスシールドアーク溶接を先行させた場合であるが、欠陥の無い良好なビード形状が得られている。
【0064】
本発明例3は、予め全長に渡りレーザ溶接でルート間隔を調整した後、レーザ溶接+ガスシールドアーク溶接で本溶接を行ったものである。
【0065】
全長に渡り予めレーザ溶接によりルート間隔を調整した後に、改めて本溶接を実施しても溶接結果は発明例1および発明例2と同様で、ハンピング、ブローホール、アンダーカットおよび融合不良の無い良好なビード形状が得られた。
【0066】
比較例1は、レーザ溶接の切断による開先調整をせずに、ガスシールドアーク溶接先行、レーザ溶接後行の複合溶接を行ったものであるが、開先のギャップの不均一によるレーザビーム溶接の貫通が発生し、また、融合不良が発生した。また、ルート間隔の不均一による不安定な溶接のためハンピングを起こし、部分的に凸ビードとなりビード形状も不良である。
【0067】
比較例2は、本溶接のガスシールドアーク溶接入熱以外は発明例2と同様の条件である。ガスシールドアーク溶接の入熱が過剰のため、溶け落ちが生じている。
【0068】
比較例3は、レーザ溶接によりルート間隔の調整を実施しているが、その間隔が広すぎるため、本溶接において溶け落ちが発生している。
【0069】
比較例4は、レーザ溶接の切断による開先調整をせずに、ガスシールドアーク溶接先行、レーザ溶接後行の複合溶接を行ったものであるが、開先のギャップの不均一によるレーザビーム溶接の貫通が発生している。
【0070】
また、本溶接のガスシールド溶接の入熱が小さいため、溶け込みが浅く融合不良が発生した。また、溶着量も不足で、ビード幅の不均一な形状不良のビードが形成された。
【0071】
比較例5はレーザ溶接の切断による開先調整をせずに、ガスシールドアーク溶接先行、レーザ溶接後行の複合溶接を行ったものである。本溶接のレーザ溶接の入熱が小さいため発生するプラズマが不足して、ガスシールドアーク溶接のアークの導入が不十分なため、溶け込みが浅く融合不良が発生した。
【0072】
【表1】
【0073】
(実施例2)
次に、本発明をUOE鋼管に使用した例を詳細に説明する。
【0074】
板厚16mmで、C:0.05%、Si:0.2%、Mn:1.45%、Ni:0.5%、Cr:0.6、Mo:0.7%の成分系の引張強度:950MPa級鋼からなる鋼板を用い、管状に成形後、鋼板端部を突合せた後、レーザ溶融切断による開先調整、レーザ溶接とガスシールドアーク溶接の複合溶接を用いて仮付け溶接後、サブマージアーク溶接で本溶接し、外径915mm、長さ12mのUOE鋼管を製造した。表2は鋼管に適用した結果である。
【0075】
複合溶接におけるアーク溶接は、シールドガスとしてHeを用いて流量:50l/分で、C:0.1%、Si;0.4%、Mn;1.8%、Ni:5%、Cr:2%、Mo:2%の1.2mmワイヤを用いて行った。複合溶接におけるレーザ溶接は、炭酸ガスレーザを用いて最高出力:5kWでおこなった。
本溶接におけるサブマージアーク溶接は、3電極と高塩基度−溶融型フラックスを用い、内外面を同じ溶接電流、溶接電圧および溶接速度で、溶接入熱を調整した。
【0076】
仮付け溶接及び本溶接における溶接部の欠陥は、実施例1と同様に、溶接長1m長さ当たりのブローホールの個数をX線フィルムより測定し評価した。溶接時の溶け落ちは、単発的なものは溶接長1m当たりの発生個数を測定し、連続して生じる溶け落ちは、溶接長1mあたりの発生長さの比を%で表示し、アンダーカット、融合不良、開先残り、ハンピングビードは、溶接長1m当たりの発生長さの比を%で表示してそれぞれ評価した。
【0077】
また、ビードの外観不良も目視で判断し、溶接長さ1m当たりの不良長さの比を%で表示して評価した。
【0078】
また、シャルピー試験は、試験片の内面シーム溶接と外面シーム溶接の会合部から1mm離れたHAZ部にノッチを入れて行い、その位置の靱性をHAZ靱性として評価した。
【0079】
本発明例4は、ルート間隔調整用のレーザビームは出力5kWの炭酸ガスレーザでアシストガスは酸素、速度5m/分で行い、この時のルート間隔は1.0mmであった。レーザビームに追従して、約100mm後をレーザ溶接とガスシ−ルドア−ク溶接の複合溶接でUOE鋼管の仮付け溶接した。
【0080】
その結果、ハンピング、融合不良およびアンダーカットの無い安定した仮付け溶接ができた。仮付け溶接に続いて行った、サブマージアーク溶接による本溶接も形状の良好な仮付け溶接のため、小入熱にもかかわらず安定して溶接が実施でき、その結果、サブマージアーク溶接部のHAZ靱性も−30℃で平均120Jと同鋼種の従来の平均60J前後と比較して格段に良好であった。
【0081】
本発明例5は、発明例4と比較してルート間隔が小さくなっている。これは、UO鋼管では溶接部を押しつけながら仮付け溶接を実施するため、ルート間隔が小さくなる傾向があり、ルート間隔の下限付近を想定して実施した。しかし発明例4と同様に、0.3mm程度のルート間隔でも深い溶け込みの安定した仮付け溶接が実施でき、そのため、それに続く低入熱のサブマージアーク溶接も安定して行えた。その結果、靱性の良好なサブマージアーク溶接が得られた。
【0082】
比較例6は、レーザビームによる開先調整を行わなかった場合であるが、仮付け溶接を実施する際の開先面を押しつける圧力を調整して開先ギャップを0.5mm狙いでコントロールしようとした。
【0083】
しかし、均一に開先ギャップを制御することは不可能で、この不安定を起因とする仮付け溶接ビード形状不良が多発し、別工程での仮付け溶接部の補修を行ったため、生産性が大きく低下した。また、サブマージアーク溶接による本溶接時にも仮付け溶接部の欠陥に起因するブローホール等の内在する溶接欠陥が多発していた。本溶接部のHAZ靱性は発明例5と同様小入熱で実施したため、良好であった。
【0084】
比較例7は、比較例6と同じくレーザビームによる開先調整を行わなかった場合で、開先ギャップを0mm狙いである。この場合は、レーザ溶接+ガスシールドアーク溶接の複合溶接の効果が得られず、溶け込みの浅い仮付け溶接しか得られなかった。その結果、本溶接のサブマージアーク溶接部を実施した際に、仮付け溶接金属とサブマージアーク溶接金属がメタルタッチしないために生じるブローホール等の内在する溶接欠陥が多発して、補修が必要となり生産性を大きく阻害した。サブマージアーク溶接は発明例5と同様、小入熱で実施したため、サブマージアーク溶接部のHAZ靱性は良好であった。
【0085】
比較例8は、比較例7と同じくレーザビームによる開先調整を行わなかった場合で、開先ギャップを0mm狙いである。本比較例では、溶け込みの浅い仮付け溶接に起因するブルーホールを回避するため、深溶け込みのサブマージアーク溶接を実施した。そのため、ブローホール等の内在欠陥は発生しなかったが、大入熱によるHAZ靱性の低下が現れ、本鋼種の従来の靱性しか得られなかった。
【0086】
比較例9は、従来のガスシールド溶接で仮組溶接をした場合であるが、深溶け込みの仮付け溶接部を得るため、大入熱の仮付け溶接を行い、その結果、内外面の溶接入熱も約50%も増加している。その結果、サブマージアーク溶接部のHAZ靱性は低い。
【0087】
以上のように、本発明方法を板継ぎ手の突合せ溶接およびUOE鋼管の仮付け溶接として突合せ溶接に適用することで、安定して高品質の溶接部を得ることができることを確認した。
【0088】
【表2】
【0089】
【発明の効果】
本発明は、レーザ溶接とガスシールドア−ク溶接の複合溶接による突合せ溶接において、開先ルート間隔の制御を安定して確実におこなうことができ、溶接長が長い条件での厚鋼板の突合せ溶接、大型UO鋼管のシーム溶接のような大型構造物の突合せ溶接時に良好な溶け込みと溶接欠陥のない優れた溶接部が得られる。これによって、従来レーザ溶接、あるいは、レーザ溶接とガスシールドア−ク溶接の複合溶接の適用が難しかった板厚が厚い鋼材を用いた大型構造物の溶接を可能とするものであり、複合溶接の利点を最大限に活用し、大型構造物溶接の小入熱化による材質向上、溶接変形の低減等で品質が向上すると共に、作業能率や、その材質も大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】UOE鋼管の仮付け溶接時の突合せ端部のX型開先断面図であり、(a)ルート間隔が有る場合、(b)ルート間隔が無い場合、(c)上開き開先の場合、(d)下開き開先の場合、を示す。
【図2】板継手の突合せ溶接を想定した本発明の実施態様を示す模式図である。
【図3】UOE鋼管の仮付け溶接としての突合せ溶接を想定した本発明の実施態様を示す模式図である。
【図4】本発明のレーザ溶融切断による開先ルート間隔の調整方法を説明するための概念図である。
【図5】レーザ溶融切断により調整した開先ルート間隔と、複合溶接におけるガスシールドアーク溶接の入熱との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 開先ルート
2 ルート間隔調整用レーザトーチ
3 複合溶接用ガスシールドアーク溶接トーチ
4 複合溶接用レーザ溶接トーチ
5 厚鋼板
6 開先
7 レーザ溶融切断後の開先ルート間隔
8 複合溶接ビ―ド
9 溶接方向を矢印
10 仮組用仮付け溶接ビード
11 ロールの押しつけ力の方向
12 ルート間隔調整用レーザ
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ溶接とア−ク溶接を組み合わせた複合溶接に関し、特に、大型鋼構造物、さらには、ガス輸送等に使用される大型UO鋼管などに適用される複合溶接による突合せ溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ガスシールドアーク溶接に比べてエネルギー密度が高く、溶け込み深さが優れる、例えば、炭酸ガスレーザやYGAレーザ等のレーザを用いた鋼の溶接方法が急速に適用されている。
【0003】
しかし、このレーザ溶接は、通常の集光径が1mm以下と非常に小さいビームを熱源として使用するため、鋼材端面同士を突合せて溶接する場合には、その端面に形成する開先部には非常に高い寸法精度が要求される。例えば、開先ルート間に0.5mm程度以上の隙間があると、レーザビ−ムが通過して溶接ができない、あるいは溶融金属が不足し適正な余盛ができない等の溶接不良がおこる。また、鋼板の板厚が厚くなると充分な溶込み深さを得ることが困難となり、また、深い溶込みをえるための大出力のレーザは、未だ高価であるため、溶接施工コストの増加を招く要因となる。
【0004】
これらの点が大型鋼構造物の溶接に対するレーザ溶接の適用を阻害している要因になっている。
【0005】
この対策として、近年、レーザ溶接とアーク溶接を複合して行う溶接方法が例えば、特許文献1および2などで提案されている。
【0006】
特許文献1に記載の方法は、溶接方向に対して、プラズマトーチの後方にレーザノズルを配置し、プラズマガス流の照射位置の後方にレーザビームを照射することにより、レーザビームにより発生するプラズマによりアーク放電を安定化させ、高速で中厚鋼板を突合せ溶接する際に良好な溶接部を得ようとするものである。しかし、この技術は、板厚が1〜2mm程度の高速突合せ溶接では良好な溶け込みは得られるものの、厚板の溶接は困難である。
【0007】
特許文献2に記載の方法は、溶接方向に対して、レーザ照射位置の後方にアーク溶接位置を設け、開先部のルート間隔を所定範囲にすると共に、レーザ照射位置とアーク溶接位置との距離を所定範囲に保つことにより厚鋼板の突合せ溶接を高速で行なうことを可能とするものである。この方法は、突合せ端部の開先ルート間に適正な間隙を設けることにより、特許文献1に比べて厚板の突合せ溶接時の溶け込み深さを向上される。しかしながら、溶接長が長い条件で厚板を突合せ溶接を行なう場合に、突合せ部開先面の加工精度のばらつきだけでなく、開先加工時の残留応力の影響で開先ルート間隔を溶接線に亘って均一に保つことは不可能である。また、大型UO鋼管のシーム溶接などのように厚鋼板をプレス加工した後の端部を突合せ溶接する場合には、加工反力の影響も加わって、開先ルート間の間隙を適正に安定して維持することは困難である。このような突合せ溶接時に開先ルート間の間隙が適正に維持できない場合に溶接不良が起きることがあった。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−246484号公報
【特許文献2】
特開平10−216972号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の実状を踏まえ、アーク溶接とレーザ溶接との複合溶接による突合せ溶接において、開先ルート間隔の制御を安定して確実におこなうことができ、溶接長が長い条件での厚鋼板の突合せ溶接、大型UO鋼管のシーム溶接のような大型構造物の突合せ溶接時に良好な溶け込みと溶接欠陥のない優れた溶接部が得られる溶接方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記技術的課題を解決するものであり、その要旨とするところは、以下のとおりである。
【0011】
(1) レーザ溶接とアーク溶接との複合溶接による突合せ溶接方法において、被溶接材を仮組後、溶接線に沿う開先ルートにレーザを照射して、このルート間隔が0.1〜3.0mmとなるように溶融切断した後、レーザ溶接とガスシールドアーク溶接との複合溶接を行い、前記レーザ溶接の入熱を0.1kW以上、かつ、ガスシールドアーク溶接の入熱を0.1〜2.5kJ/mmに設定することを特徴とするレーザ溶接とアーク溶接との複合溶接による突合せ溶接方法。
【0012】
(2) UOE鋼管の製造プロセスにおける仮組み溶接に適用することを特徴とする上記(1)記載のレーザ溶接とアーク溶接との複合溶接による突合せ溶接方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、特許文献2などに開示されるような、厚鋼板の突合せ端部の開先ルートに間隙を設けて、レーザ溶接とアーク溶接との複合溶接により厚鋼板を突合せ溶接する方法について、さらに追試などによる検討を行い、技術課題およびその解決手段について検討した。
【0014】
従来の機械加工やガス切断加工を用いて厚鋼板の突合せ端部に開先を形成する場合は、レーザ溶接とアーク溶接の複合溶接による厚鋼板の突合せ溶接における溶接品質を満足するうえで要求される加工精度は充分満足できない。さらに、機械加工では加工面に切削時の油等の付着が生じ、開先面の清浄度の低下による溶接部品質の劣化の問題がある。このため、一般には溶接前に機械加工後の開先を洗浄する工程が必要であり、施工コストの増加を招く原因となり好ましくない。上記の突合せ端部における開先面の加工精度の問題は、特に、厚鋼板を成型しつつ突合せ溶接する場合に深刻になる。
【0015】
例えば、ラインパイプ等に使用する大型鋼管の1種であるUOE鋼管は、一般に平鋼板の幅揃えと端面の開先加工を行った後、プレス成形などにより筒状に成形し、その鋼板の突合せ端部の開先ルートを仮組み溶接(この溶接を仮付け溶接とも言う。)した後、さらに、その開先の内面側および外面側をサブマージアーク溶接等により溶接(この溶接を本溶接とも言う。)し、最後に、エキスパンダーなどにより拡管整形して円真度の高い鋼管とする。
【0016】
上記のUOE鋼管の製造プロセスにおいて、鋼板の開先加工は、一般には機械加工により行うため、その加工精度により仮付け溶接の品質、さらに、本溶接の品質に大きく影響を及ぼす。
【0017】
例えば、開先加工精度により仮付け溶接のビード形状が劣化しその表面に凹凸が生じると、その後に行なわれるサブマージアーク溶接などによる本溶接時にアンダーカット等の溶接欠陥が生じる原因となる。
【0018】
また、開先加工精度により仮付け溶接時に溶け込みが浅くなり、開先ルートに融合不良や開先残りが生じると、この中のガス成分がサブマージアーク溶接などによる本溶接時に溶接金属内に取り残され、ブローホール等の溶接欠陥が発生する原因となる。
【0019】
このように、開先加工精度は、仮付け溶接の品質、さらに、本溶接の品質に対して重要な役割を果ため、仮付け溶接時に十分な溶け込みおよびビード表面形状が得られるための開先加工精度が要求される。
本発明者らは、特許文献2などに開示される、レーザ溶接とアーク溶接との複合溶接方法は、小入熱で良好な溶け込み深さが得られるため、上記UOE鋼管の製造プロセスにおける仮付け溶接として適用することで仮付け溶接部の高品質化が図れると考えた。
【0020】
しかし、板厚が10mm以上で外径が300mm以上の大きなUOE鋼管を、成形ロールなどだけで1mm前後のレーザ集光径に相当するルート間隔に制御することは至極困難であり、鋼板の開先加工精度と相俟って、溶接線に沿って、図1(a)〜(d)に示すように開先ルート部1の間隔(以下、ルートギャップと言うこともある。)にばらつきが生じる。
【0021】
なお、図1(a)〜(d)は、UOE鋼管の仮付け溶接時の鋼板突合せ端部のX型開先の断面図であり、(a)はX型開先部の開先ルート1に間隔がある場合、(b)は開先ルート1の間隔が0mmの場合、図1(c)は開先ルート1が上開きに開口している場合、図1(d)は開先ルート1が下開きに開口している場合を示している。
【0022】
このように大型UOE鋼管の仮付け溶接時には、同一素材内でも溶接線に沿って開先ルートの間隔にバラツキが発生するため、仮付け溶接として上記レーザ溶接とアーク溶接との複合溶接を適用した場合でもビード形状不良などが発生する。図1では、開先形状をX型開先とした場合のUOE鋼管を例として説明したが、開先形状をY型開先であっても、鋼板をスパイラル状に巻きながら、その突合せ端部を溶接して製造するスパイラル鋼管においても、同様の問題が生じる。
【0023】
本発明は、厚板をレーザ溶接とア−ク溶接の複合溶接により突合せ溶接する際の上記課題、つまり溶接線に沿った開先ルート間隔のばらつきの問題を、改善するために上記複合溶接にさらにレーザ溶融によるルート間隔制御を適用し解決することを技術思想とする。
【0024】
本願発明の詳細を以下に図を参照しながら説明する。
【0025】
図2に板継手の突合せ溶接、図3はUOE鋼管の仮付け溶接としての突合せ溶接をそれぞれ想定した場合の本発明の実施形態を示す。
【0026】
本発明を用いて板継手の突合せ溶接を行なう場合は、図2に示すように厚鋼板5の幅方向端部同士を突合せる。その後、その突合せ端部に形成された開先6(この場合、Y型開先)のルート1の一部を仮付け溶接10するなどの方法で仮組する。その後、溶接線に沿って開先ルートにレーザトーチ2を用いてレーザを照射して、ルート間隔7が所定間隔(後で説明する。)になるように溶融切断後、溶接方向9にアーク溶接トーチ3およびレーザ溶接トーチ4を配置し、各入熱を所定範囲(後で説明する。)に設定してレーザ溶接とガスシールドアーク溶接との複合溶接8を行う。
【0027】
なお、仮組みは、上記のような被接合部材の一部を仮付け溶接する方法でも、ジグによる機械的な固定でもよく、被接合部材の突合せ端面同士を固定できる方法であれば特にその方法を限定する必要はない。
【0028】
本発明を用いてUOE鋼管の仮付け溶接としての突合せ溶接を行う場合は、図3に示すように、鋼板を筒状に成形した後、ロール(図示せず)による押しつけ11により厚鋼板5の幅方向端部同士を突合せて仮組みする。その後、その突合せ端部に形成された開先6(この場合、X型開先)のルート1を溶接線に沿って開先ルート1にレーザトーチ2を用いてレーザを照射して、ルート間隔7が所定間隔(後で説明する。)になるように溶融切断後、溶接方向9にアーク溶接トーチ3およびレーザ溶接トーチ4を配置し、各入熱を所定範囲(後で説明する。)に設定してレーザ溶接とガスシールドアーク溶接との複合溶接8を行って仮付け溶接する。
【0029】
その後、さらに、通常のサブマージアーク溶接等による本溶接(図示せず)を行うことによりUOE鋼管が製造される。
【0030】
このように本発明は、通常のUOE鋼管の製造プロセスにおいて、本溶接の前に実施される仮付け溶接に適用することができる。この場合、鋼板の仮組みは、ロールによる押しつけにより行なわれる。
【0031】
図4は、被溶接材を仮組後、レーザ溶融切断によりルート間隔を調整する方法の概念図を示す。
【0032】
被溶接材を仮組した後の鋼板突合せ端部は、図1(a)〜(d)に示されるように溶接線に沿って、開先ルート間隔がばらついた状態であるが、その後、レーザ12の照射により開先ルートを溶融切断することにより溶接線に沿ってルート間隔を一定に調整することができる。
【0033】
本発明では、ルート間隔の調整手段として、エネルギー密度の高く、鋼材の熱変形も小さいことを特徴とするレーザを使用するため、均一なルート間隔が得られ、その後のレーザ溶接とアーク溶接の複合溶接時に溶接部の品質を安定して向上することが可能となる。
【0034】
また、開先調整の手段としてレーザを提供することにより、同時にルート面の酸化物などの汚れを溶融除去されるため、その後に行なわれるレーザ溶接とガスシールドアーク溶接の複合溶接時の溶接欠陥の抑制効果も得られる。
【0035】
なお、レーザ溶接とアーク溶接の複合溶接において、レーザ溶接とアーク溶接の順序は特に限定する必要はなく、レーザ溶接を先行させ、そのレーザ溶接位置の後方位置を狙ってガスシールドアーク溶接しても、ガスシールドアーク溶接を先行させ、そのアーク溶接位置の後方位置を狙ってレーザ溶接してもよい。また、レーザ溶接位置とガスシールドアーク溶接位置との距離も特に規定する必要はなく、通常、レーザ溶接とガスシールドアーク溶接との複合溶接において行なわれる10mm以下の距離で行うことができる。
【0036】
なお、開先間隔の調整に用いられるレーザは、複合溶接におけるレーザ溶接で用いられるレーザと同一のレーザ装置のレーザビームを分岐させ使用することもできる。
【0037】
次に、本発明の上記レーザ溶融切断によって調整される開先ルート間隔:0.1〜3.0mmの限定理由について説明する。
【0038】
図5は、レーザ溶融切断により調整した開先ルート間隔と、複合溶接におけるガスシールドアーク溶接の入熱との関係を示した図である。
【0039】
複合溶接におけるガスシールドアーク溶接の入熱が0.1〜2.5kJ/mmの条件で、ルート間隔が0.1〜3mmの範囲の場合に溶接欠陥がなく良好な溶接が可能となる。
【0040】
ルート間隔が0.1mm未満になると、複合溶接におけるガスシールドアーク溶接の入熱が小さい場合(図中の◆)は、溶け込み不足となり、また、上記ガスシールドアーク溶接の入熱が大きい場合(図中の×)も、余盛り過剰となりいずれの場合にも溶接不良となる。
【0041】
一方、ルート間隔が3.0mm超となると、複合溶接におけるガスシールドアーク溶接の入熱が小さい場合(図中の●)では溶着量が不足して溶接欠陥が生じ、さらに入熱を大きくした場合(図中の▲、■)には、ルート間における溶融金属の表面張力が低下し溶け落ちが生じ、溶接ができない。
【0042】
本発明では、以上の知見を踏まえ、複合溶接時に良好な溶け込みが得られ、溶接欠陥がない良好な溶接部を得るために、レーザ溶融切断により調整される開先ルート間隔を0.1〜3.0mmに限定する。
【0043】
なお、ルート間隔の溶融切断に用いられるレーザの入熱は、特に規定する必要はなく、ルート面の長さによってレーザの入熱を調整する。
【0044】
また、このレーザの種類も、YAGレーザ、炭酸ガスレーザ等何れのレーザ溶接法でもかまわない。
【0045】
次に、本発明の上記複合溶接におけるレーザ溶接の入熱条件およびガスシールドアーク溶接の入熱条件の限定理由について説明する。
【0046】
複合溶接におけるレーザ溶接の入熱が0.1kW未満となると、プラズマ発生量が減少し、ガスシールドアーク溶接におけるアークを十分ルート間内に導くことによる溶け込み深さの向上効果が得られないため、そのレーザ溶接の入熱を0.1kW以上とする。レーザ溶接の入熱の上限は、特に規定する必要はないが、レーザ出力の上昇は施工コストを増大させる要因となるため経済性の点から制限される。
【0047】
複合溶接におけるアーク溶接の入熱は、上述の図5の実験結果を踏まえて、0.1〜2.5kJ/mmとした。
【0048】
アーク溶接の入熱が、0.1kJ/mm未満となると、複合溶接での入熱不足のため、溶け込み不良となる(図中●)。一方、アーク溶接の入熱が2.5kJ/mm超となると、溶着量が過大となり、ルート間隔が小さい場合(図中の×)は、余盛り過剰となり余盛り高さが高く溶け込みの浅いビード形状が不良となり、ルート間隔が大きい場合(図中の■)は、溶け落ちにより溶接不可能となる。
【0049】
したがって、本発明の複合溶接におけるアーク溶接の入熱は、良好な溶け込みおよびビード形状を得るために、0.1〜2.5kJ/mmと限定する。
【0050】
なお、アーク溶接に用いるワイヤは特に限定するものではないが、フィラーワイヤを使用すると、溶融金属増加するため、開先ルート間隔を比較的大きくしても良好な溶接が可能となる。
【0051】
また、本発明は、上述のUOE鋼管プロセス以外に、スパイラル鋼管の製造プロセスにおける、仮付け溶接として適用することも可能であり、同様な効果が得らる。
【0052】
【実施例】
本発明の効果を実施例を用いて説明する。
【0053】
(実施例1)
板厚:6〜14mmで、C:0.2%、Si:0.35%、Mn:1.45%の成分系の500MPa級炭素鋼からなる鋼板を突合せて仮組み後、レーザ溶融切断による開先ルート間隔の調整、レーザ溶接とアーク溶接の複合溶接を行い、図2に示すような板継ぎ手の突合せ溶接をおこなった。
【0054】
鋼板突合せ端部に形成する開先形状は、開角度が60°のY型開先とし、そのル−トフェイスの長さは、板厚に応じて3〜8mmの範囲で調整した。レーザによる開先調整は、出力5kWの炭酸ガスレーザを用い、アシストガスとして酸素を速度3.5m/分で流した。
【0055】
複合溶接におけるアーク溶接は、シールドガスとしてHeを用いて流量:50l/分で、C:0.11%、Si;0.6%、Mn;1.85%のフィラーワイヤを用いて行った。複合溶接におけるレーザ溶接は、炭酸ガスレーザを用いて最高出力:5kWでおこなった。
【0056】
レーザによる開先間隔の調整におけるレーザ照射位置と、レーザ溶接とガスシールドアーク溶接の複合溶接における先行溶接位置との距離は100mmとした。
【0057】
溶接部の欠陥は、溶接長1m長さ当たりのブローホールの個数をX線フィルムより測定し評価した。溶接時の溶け落ちは、単発的なものは溶接長1m当たりの発生個数を測定し、連続して生じる溶け落ちは、溶接長1mあたりの発生長さの比を%で表示し、アンダーカット、融合不良、開先残り、ハンピングビードは、溶接長1m当たりの発生長さの比を%で表示してそれぞれ評価した。
【0058】
また、ビードの外観不良も目視で判断し、溶接長さ1m当たりの不良長さの比を%で表示して評価した。
【0059】
表1に開先ルート間隔、複合溶接条件などの試験条件とその結果を示す。
【0060】
本発明例1、2における鋼板の仮組は、開先内にGMAWにより5mmの溶接線に対して5箇所、ショートビードによる仮溶接を行い、発明例3における鋼板の仮組は、補強材を母材に溶接して仮組を行った。
【0061】
本発明例1では、先行レーザビームによる開先調整により、それに続くレーザ溶接とガスシールドアーク溶接で安定した溶接が行われた。
【0062】
その結果、ハンピング、ブローホールおよびアンダーカットの無い形状が良好なビードが得られている。溶接金属中の元素分布を測定したが偏析等も無く、良好に撹拌されている。
【0063】
本発明例2は、本溶接の複合溶接でガスシールドアーク溶接を先行させた場合であるが、欠陥の無い良好なビード形状が得られている。
【0064】
本発明例3は、予め全長に渡りレーザ溶接でルート間隔を調整した後、レーザ溶接+ガスシールドアーク溶接で本溶接を行ったものである。
【0065】
全長に渡り予めレーザ溶接によりルート間隔を調整した後に、改めて本溶接を実施しても溶接結果は発明例1および発明例2と同様で、ハンピング、ブローホール、アンダーカットおよび融合不良の無い良好なビード形状が得られた。
【0066】
比較例1は、レーザ溶接の切断による開先調整をせずに、ガスシールドアーク溶接先行、レーザ溶接後行の複合溶接を行ったものであるが、開先のギャップの不均一によるレーザビーム溶接の貫通が発生し、また、融合不良が発生した。また、ルート間隔の不均一による不安定な溶接のためハンピングを起こし、部分的に凸ビードとなりビード形状も不良である。
【0067】
比較例2は、本溶接のガスシールドアーク溶接入熱以外は発明例2と同様の条件である。ガスシールドアーク溶接の入熱が過剰のため、溶け落ちが生じている。
【0068】
比較例3は、レーザ溶接によりルート間隔の調整を実施しているが、その間隔が広すぎるため、本溶接において溶け落ちが発生している。
【0069】
比較例4は、レーザ溶接の切断による開先調整をせずに、ガスシールドアーク溶接先行、レーザ溶接後行の複合溶接を行ったものであるが、開先のギャップの不均一によるレーザビーム溶接の貫通が発生している。
【0070】
また、本溶接のガスシールド溶接の入熱が小さいため、溶け込みが浅く融合不良が発生した。また、溶着量も不足で、ビード幅の不均一な形状不良のビードが形成された。
【0071】
比較例5はレーザ溶接の切断による開先調整をせずに、ガスシールドアーク溶接先行、レーザ溶接後行の複合溶接を行ったものである。本溶接のレーザ溶接の入熱が小さいため発生するプラズマが不足して、ガスシールドアーク溶接のアークの導入が不十分なため、溶け込みが浅く融合不良が発生した。
【0072】
【表1】
【0073】
(実施例2)
次に、本発明をUOE鋼管に使用した例を詳細に説明する。
【0074】
板厚16mmで、C:0.05%、Si:0.2%、Mn:1.45%、Ni:0.5%、Cr:0.6、Mo:0.7%の成分系の引張強度:950MPa級鋼からなる鋼板を用い、管状に成形後、鋼板端部を突合せた後、レーザ溶融切断による開先調整、レーザ溶接とガスシールドアーク溶接の複合溶接を用いて仮付け溶接後、サブマージアーク溶接で本溶接し、外径915mm、長さ12mのUOE鋼管を製造した。表2は鋼管に適用した結果である。
【0075】
複合溶接におけるアーク溶接は、シールドガスとしてHeを用いて流量:50l/分で、C:0.1%、Si;0.4%、Mn;1.8%、Ni:5%、Cr:2%、Mo:2%の1.2mmワイヤを用いて行った。複合溶接におけるレーザ溶接は、炭酸ガスレーザを用いて最高出力:5kWでおこなった。
本溶接におけるサブマージアーク溶接は、3電極と高塩基度−溶融型フラックスを用い、内外面を同じ溶接電流、溶接電圧および溶接速度で、溶接入熱を調整した。
【0076】
仮付け溶接及び本溶接における溶接部の欠陥は、実施例1と同様に、溶接長1m長さ当たりのブローホールの個数をX線フィルムより測定し評価した。溶接時の溶け落ちは、単発的なものは溶接長1m当たりの発生個数を測定し、連続して生じる溶け落ちは、溶接長1mあたりの発生長さの比を%で表示し、アンダーカット、融合不良、開先残り、ハンピングビードは、溶接長1m当たりの発生長さの比を%で表示してそれぞれ評価した。
【0077】
また、ビードの外観不良も目視で判断し、溶接長さ1m当たりの不良長さの比を%で表示して評価した。
【0078】
また、シャルピー試験は、試験片の内面シーム溶接と外面シーム溶接の会合部から1mm離れたHAZ部にノッチを入れて行い、その位置の靱性をHAZ靱性として評価した。
【0079】
本発明例4は、ルート間隔調整用のレーザビームは出力5kWの炭酸ガスレーザでアシストガスは酸素、速度5m/分で行い、この時のルート間隔は1.0mmであった。レーザビームに追従して、約100mm後をレーザ溶接とガスシ−ルドア−ク溶接の複合溶接でUOE鋼管の仮付け溶接した。
【0080】
その結果、ハンピング、融合不良およびアンダーカットの無い安定した仮付け溶接ができた。仮付け溶接に続いて行った、サブマージアーク溶接による本溶接も形状の良好な仮付け溶接のため、小入熱にもかかわらず安定して溶接が実施でき、その結果、サブマージアーク溶接部のHAZ靱性も−30℃で平均120Jと同鋼種の従来の平均60J前後と比較して格段に良好であった。
【0081】
本発明例5は、発明例4と比較してルート間隔が小さくなっている。これは、UO鋼管では溶接部を押しつけながら仮付け溶接を実施するため、ルート間隔が小さくなる傾向があり、ルート間隔の下限付近を想定して実施した。しかし発明例4と同様に、0.3mm程度のルート間隔でも深い溶け込みの安定した仮付け溶接が実施でき、そのため、それに続く低入熱のサブマージアーク溶接も安定して行えた。その結果、靱性の良好なサブマージアーク溶接が得られた。
【0082】
比較例6は、レーザビームによる開先調整を行わなかった場合であるが、仮付け溶接を実施する際の開先面を押しつける圧力を調整して開先ギャップを0.5mm狙いでコントロールしようとした。
【0083】
しかし、均一に開先ギャップを制御することは不可能で、この不安定を起因とする仮付け溶接ビード形状不良が多発し、別工程での仮付け溶接部の補修を行ったため、生産性が大きく低下した。また、サブマージアーク溶接による本溶接時にも仮付け溶接部の欠陥に起因するブローホール等の内在する溶接欠陥が多発していた。本溶接部のHAZ靱性は発明例5と同様小入熱で実施したため、良好であった。
【0084】
比較例7は、比較例6と同じくレーザビームによる開先調整を行わなかった場合で、開先ギャップを0mm狙いである。この場合は、レーザ溶接+ガスシールドアーク溶接の複合溶接の効果が得られず、溶け込みの浅い仮付け溶接しか得られなかった。その結果、本溶接のサブマージアーク溶接部を実施した際に、仮付け溶接金属とサブマージアーク溶接金属がメタルタッチしないために生じるブローホール等の内在する溶接欠陥が多発して、補修が必要となり生産性を大きく阻害した。サブマージアーク溶接は発明例5と同様、小入熱で実施したため、サブマージアーク溶接部のHAZ靱性は良好であった。
【0085】
比較例8は、比較例7と同じくレーザビームによる開先調整を行わなかった場合で、開先ギャップを0mm狙いである。本比較例では、溶け込みの浅い仮付け溶接に起因するブルーホールを回避するため、深溶け込みのサブマージアーク溶接を実施した。そのため、ブローホール等の内在欠陥は発生しなかったが、大入熱によるHAZ靱性の低下が現れ、本鋼種の従来の靱性しか得られなかった。
【0086】
比較例9は、従来のガスシールド溶接で仮組溶接をした場合であるが、深溶け込みの仮付け溶接部を得るため、大入熱の仮付け溶接を行い、その結果、内外面の溶接入熱も約50%も増加している。その結果、サブマージアーク溶接部のHAZ靱性は低い。
【0087】
以上のように、本発明方法を板継ぎ手の突合せ溶接およびUOE鋼管の仮付け溶接として突合せ溶接に適用することで、安定して高品質の溶接部を得ることができることを確認した。
【0088】
【表2】
【0089】
【発明の効果】
本発明は、レーザ溶接とガスシールドア−ク溶接の複合溶接による突合せ溶接において、開先ルート間隔の制御を安定して確実におこなうことができ、溶接長が長い条件での厚鋼板の突合せ溶接、大型UO鋼管のシーム溶接のような大型構造物の突合せ溶接時に良好な溶け込みと溶接欠陥のない優れた溶接部が得られる。これによって、従来レーザ溶接、あるいは、レーザ溶接とガスシールドア−ク溶接の複合溶接の適用が難しかった板厚が厚い鋼材を用いた大型構造物の溶接を可能とするものであり、複合溶接の利点を最大限に活用し、大型構造物溶接の小入熱化による材質向上、溶接変形の低減等で品質が向上すると共に、作業能率や、その材質も大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】UOE鋼管の仮付け溶接時の突合せ端部のX型開先断面図であり、(a)ルート間隔が有る場合、(b)ルート間隔が無い場合、(c)上開き開先の場合、(d)下開き開先の場合、を示す。
【図2】板継手の突合せ溶接を想定した本発明の実施態様を示す模式図である。
【図3】UOE鋼管の仮付け溶接としての突合せ溶接を想定した本発明の実施態様を示す模式図である。
【図4】本発明のレーザ溶融切断による開先ルート間隔の調整方法を説明するための概念図である。
【図5】レーザ溶融切断により調整した開先ルート間隔と、複合溶接におけるガスシールドアーク溶接の入熱との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 開先ルート
2 ルート間隔調整用レーザトーチ
3 複合溶接用ガスシールドアーク溶接トーチ
4 複合溶接用レーザ溶接トーチ
5 厚鋼板
6 開先
7 レーザ溶融切断後の開先ルート間隔
8 複合溶接ビ―ド
9 溶接方向を矢印
10 仮組用仮付け溶接ビード
11 ロールの押しつけ力の方向
12 ルート間隔調整用レーザ
Claims (2)
- レーザ溶接とアーク溶接との複合溶接による突合せ溶接方法において、被溶接材を仮組後、溶接線に沿う開先ルートにレーザを照射して、このルート間隔が0.1〜3.0mmとなるように溶融切断した後、レーザ溶接とガスシールドアーク溶接との複合溶接を行い、前記レーザ溶接の入熱を0.1kW以上、かつ、ガスシールドアーク溶接の入熱を0.1〜2.5kJ/mmに設定することを特徴とするレーザ溶接とアーク溶接との複合溶接による突合せ溶接方法。
- UOE鋼管の製造プロセスにおける仮組み溶接に適用することを特徴とする請求項1記載のレーザ溶接とアーク溶接との複合溶接による突合せ溶接方法。
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