JPH09220682A - 2相ステンレス溶接鋼管の製造方法 - Google Patents
2相ステンレス溶接鋼管の製造方法Info
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- JPH09220682A JPH09220682A JP8026427A JP2642796A JPH09220682A JP H09220682 A JPH09220682 A JP H09220682A JP 8026427 A JP8026427 A JP 8026427A JP 2642796 A JP2642796 A JP 2642796A JP H09220682 A JPH09220682 A JP H09220682A
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- welding
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- B23K26/00—Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
- B23K26/20—Bonding
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- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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- B23K26/26—Seam welding of rectilinear seams
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- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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- B23K2103/04—Steel or steel alloys
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 レーザ溶接法を用いて高速でかつ短時間の溶
体化熱処理あるいは溶体化熱処理無しで、優れた耐食性
を有する2相ステンレス溶接鋼管を製造する。 【解決手段】 連続的に搬送される2相ステンレス鋼の
鋼帯10を円筒状に成形し、その両側の鋼帯端部10
a,10bを加熱せず、または加熱した後スクイズロー
ル11a,11bで突き合わせ、その突合わせ部12を
レーザビーム3で溶接するとき、シールドガス4にHe
とN2 の混合ガスを用い、N2 /(He+N2 )比率を
5%以上として供給する。
体化熱処理あるいは溶体化熱処理無しで、優れた耐食性
を有する2相ステンレス溶接鋼管を製造する。 【解決手段】 連続的に搬送される2相ステンレス鋼の
鋼帯10を円筒状に成形し、その両側の鋼帯端部10
a,10bを加熱せず、または加熱した後スクイズロー
ル11a,11bで突き合わせ、その突合わせ部12を
レーザビーム3で溶接するとき、シールドガス4にHe
とN2 の混合ガスを用い、N2 /(He+N2 )比率を
5%以上として供給する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学装置用材料、
ラインパイプおよび油井管分野などで用いられる耐食性
に優れた2相ステンレス溶接鋼管の製造方法に関する。
ラインパイプおよび油井管分野などで用いられる耐食性
に優れた2相ステンレス溶接鋼管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2相ステンレス鋼は、フェライト相とオ
ーステナイト相よりなる複合組織を呈し、Cr,Ni,
Mo,Nの成分量をコントロールすることにより、塩素
イオン環境や炭酸ガス環境において優れた耐食性を示
し、オーステナイト系およびフェライト系に比べて高強
度であることが知られている。このように耐食性や強度
特性に優れた2相ステンレス鋼を用いて大径の溶接鋼管
を製造する場合、一般にはサブマージアーク溶接法が採
用されている。2相ステンレス鋼を溶融溶接すると、δ
フェライト単相で凝固が完了し、その後の冷却過程で粒
界および粒内からウィドマンステッテン状にオーステナ
イト相が析出した形態となる。溶接熱サイクルが加熱・
冷却が急速であるため、フェライト相からのオーステナ
イト析出は平衡状態に到達せず、母材に比べてフェライ
ト相比率が高くなる。このため、耐食性の劣化を招くこ
とになる。溶接金属の成分調整としてサブマージアーク
溶接法等のアーク溶接では通常フィラーワイヤの供給が
行われる。しかしながら、サブマージアーク溶接は大入
熱溶接法であるため、熱影響部が広く、オーステナイト
相の比率低下による耐食性の低下や粗粒化による靭性の
低下は避けられず、製管後に全管の5〜20分の長時間
溶体化熱処理が必須であった。
ーステナイト相よりなる複合組織を呈し、Cr,Ni,
Mo,Nの成分量をコントロールすることにより、塩素
イオン環境や炭酸ガス環境において優れた耐食性を示
し、オーステナイト系およびフェライト系に比べて高強
度であることが知られている。このように耐食性や強度
特性に優れた2相ステンレス鋼を用いて大径の溶接鋼管
を製造する場合、一般にはサブマージアーク溶接法が採
用されている。2相ステンレス鋼を溶融溶接すると、δ
フェライト単相で凝固が完了し、その後の冷却過程で粒
界および粒内からウィドマンステッテン状にオーステナ
イト相が析出した形態となる。溶接熱サイクルが加熱・
冷却が急速であるため、フェライト相からのオーステナ
イト析出は平衡状態に到達せず、母材に比べてフェライ
ト相比率が高くなる。このため、耐食性の劣化を招くこ
とになる。溶接金属の成分調整としてサブマージアーク
溶接法等のアーク溶接では通常フィラーワイヤの供給が
行われる。しかしながら、サブマージアーク溶接は大入
熱溶接法であるため、熱影響部が広く、オーステナイト
相の比率低下による耐食性の低下や粗粒化による靭性の
低下は避けられず、製管後に全管の5〜20分の長時間
溶体化熱処理が必須であった。
【0003】一方、近年、溶接鋼管の製造方法としてレ
ーザ溶接法が開発され、ステンレス鋼管を対象に一部実
用化されている。レーザ溶接法ではレーザビームを極小
径に集束して高エネルギー密度熱源として用いるため、
通常のアーク溶接法やプラズマ溶接法と比較すると、溶
接ビード形状は幅の狭い深溶込みであり、高速溶接が可
能となる。さらに入熱量が低いため、溶接部に熱影響部
がほとんど生じないという特長を有している。しかしな
がら、レーザ溶接法も溶融溶接法であるため、2相ステ
ンレス鋼を溶融すると、アーク溶接法と同様に、母材に
比べてフェライト相比率が高くなり、耐食性の劣化を招
くことになる。そのため、溶接金属の成分調整としてア
ーク溶接と同様にフィラーワイヤの供給が必要である
が、フィラーワイヤの供給は溶接速度の低下を招き、高
速溶接法の特長を失うという問題点を有していた。
ーザ溶接法が開発され、ステンレス鋼管を対象に一部実
用化されている。レーザ溶接法ではレーザビームを極小
径に集束して高エネルギー密度熱源として用いるため、
通常のアーク溶接法やプラズマ溶接法と比較すると、溶
接ビード形状は幅の狭い深溶込みであり、高速溶接が可
能となる。さらに入熱量が低いため、溶接部に熱影響部
がほとんど生じないという特長を有している。しかしな
がら、レーザ溶接法も溶融溶接法であるため、2相ステ
ンレス鋼を溶融すると、アーク溶接法と同様に、母材に
比べてフェライト相比率が高くなり、耐食性の劣化を招
くことになる。そのため、溶接金属の成分調整としてア
ーク溶接と同様にフィラーワイヤの供給が必要である
が、フィラーワイヤの供給は溶接速度の低下を招き、高
速溶接法の特長を失うという問題点を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決すべき課
題は、レーザ溶接法を用いて高速でかつ短時間の溶体化
熱処理あるいは溶体化熱処理無しで、優れた耐食性を有
する2相ステンレス溶接鋼管を製造することにある。
題は、レーザ溶接法を用いて高速でかつ短時間の溶体化
熱処理あるいは溶体化熱処理無しで、優れた耐食性を有
する2相ステンレス溶接鋼管を製造することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明に係る2相ステンレス溶接鋼管の製造方法
は、2相ステンレス鋼の鋼帯を多段成形ロール法もしく
はUOプレス法またはスパイラル成形法で円筒状のオー
プンパイプに成形し、溶接すべき鋼帯端部を非加熱のま
ま、または電気的に加熱し、その両側鋼帯端部を突き合
わせてレーザビームで溶接する2相ステンレス溶接鋼管
の製造方法において、酸化防止およびプラズマ除去のた
めのシールドガスであるHeとN2 の混合ガスをN2 /
(He+N2)比率で5%以上として供給することを特
徴とするものである。
め、本発明に係る2相ステンレス溶接鋼管の製造方法
は、2相ステンレス鋼の鋼帯を多段成形ロール法もしく
はUOプレス法またはスパイラル成形法で円筒状のオー
プンパイプに成形し、溶接すべき鋼帯端部を非加熱のま
ま、または電気的に加熱し、その両側鋼帯端部を突き合
わせてレーザビームで溶接する2相ステンレス溶接鋼管
の製造方法において、酸化防止およびプラズマ除去のた
めのシールドガスであるHeとN2 の混合ガスをN2 /
(He+N2)比率で5%以上として供給することを特
徴とするものである。
【0006】2相ステンレス鋼をレーザ溶接すると、溶
接金属の組織はδフェライト単相で凝固が完了し、その
後の冷却過程で粒界および粒内からウィドマンステッテ
ン状にオーステナイト相が析出した形態となる。このた
め、フェライト相とオーステナイト相のバランスが崩
れ、フェライト量が増加して耐食性が低下する。2相ス
テンレス鋼では、Cr,Ni,Mo,N量をコントロー
ルすると、フェライト相とオーステナイト相の比率が変
化し、NiやNといったオーステナイト生成元素を増す
と、急冷された溶接金属で高くなるフェライト相比率を
抑制できる。
接金属の組織はδフェライト単相で凝固が完了し、その
後の冷却過程で粒界および粒内からウィドマンステッテ
ン状にオーステナイト相が析出した形態となる。このた
め、フェライト相とオーステナイト相のバランスが崩
れ、フェライト量が増加して耐食性が低下する。2相ス
テンレス鋼では、Cr,Ni,Mo,N量をコントロー
ルすると、フェライト相とオーステナイト相の比率が変
化し、NiやNといったオーステナイト生成元素を増す
と、急冷された溶接金属で高くなるフェライト相比率を
抑制できる。
【0007】そこでレーザ溶接時、酸化防止およびプラ
ズマ除去の目的で用いるシールドガスにN2 を混合する
と、レーザビームの高いエネルギーによりN2 が解離
し、N原子が溶融金属内に溶解する。このため、N濃度
が高い溶接金属では冷却過程におけるオーステナイト相
の析出が容易となり、溶接ままでも、すなわち溶接ビー
ドの溶体化熱処理無しでも、優れた耐食性を示すように
なる。さらに溶体化熱処理を施す場合でも、溶接工程と
同時にオンライン熱処理を施すのみで、十分に優れた耐
食性を示すようになる。
ズマ除去の目的で用いるシールドガスにN2 を混合する
と、レーザビームの高いエネルギーによりN2 が解離
し、N原子が溶融金属内に溶解する。このため、N濃度
が高い溶接金属では冷却過程におけるオーステナイト相
の析出が容易となり、溶接ままでも、すなわち溶接ビー
ドの溶体化熱処理無しでも、優れた耐食性を示すように
なる。さらに溶体化熱処理を施す場合でも、溶接工程と
同時にオンライン熱処理を施すのみで、十分に優れた耐
食性を示すようになる。
【0008】本発明において、HeとN2 の混合ガスの
N2 /(He+N2 )比率を5%以上に規定した理由
は、これよりN2 の比率が低いとオーステナイト相の析
出が不十分となり、フェライト相比率が依然高く、十分
な耐食性が得られないからである。また、2相ステンレ
ス鋼のレーザ溶接では、アーク溶接と比較して入熱量が
非常に低いため、熱影響部がほとんどみられない。この
ためアーク溶接で問題となる熱影響部での耐食性の劣化
がないという利点もある。
N2 /(He+N2 )比率を5%以上に規定した理由
は、これよりN2 の比率が低いとオーステナイト相の析
出が不十分となり、フェライト相比率が依然高く、十分
な耐食性が得られないからである。また、2相ステンレ
ス鋼のレーザ溶接では、アーク溶接と比較して入熱量が
非常に低いため、熱影響部がほとんどみられない。この
ためアーク溶接で問題となる熱影響部での耐食性の劣化
がないという利点もある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明におけるシールドガスの具
体的な供給方法をレーザビームの集光方法で分類して図
1および図2に示す。図1はレンズ1によるビーム集光
方法の際のシールドガス供給方法であり、図2は放物面
鏡2によるビーム集光方法の際のシールドガス供給方法
である。まず、2相ステンレス鋼の鋼帯10を連続的に
搬送しつつ両側の鋼帯端部10a,10bが対向するよ
うに円筒状に形成し、両側の鋼帯端部10a,10bを
スクイズロール11a,11bで加圧して突き合わせ、
その突合わせ部12に管外面側から管厚が貫通できる熱
量を有する高密度エネルギービーム(レーザビーム)3
を照射する。シールドガス4の供給方法は、図1の場合
には、レーザビーム3と同軸に供給するセンターガス供
給方法であり、図2の場合には、サイドノズル5による
ガス供給方法である。いずれの場合でも、シールドガス
4はHeとN2 の混合ガスで、そのN2 /(He+
N2 )比率を5%以上とする。この比率が5%以上でな
ければならない理由は後述する実験結果からも明らかで
ある。
体的な供給方法をレーザビームの集光方法で分類して図
1および図2に示す。図1はレンズ1によるビーム集光
方法の際のシールドガス供給方法であり、図2は放物面
鏡2によるビーム集光方法の際のシールドガス供給方法
である。まず、2相ステンレス鋼の鋼帯10を連続的に
搬送しつつ両側の鋼帯端部10a,10bが対向するよ
うに円筒状に形成し、両側の鋼帯端部10a,10bを
スクイズロール11a,11bで加圧して突き合わせ、
その突合わせ部12に管外面側から管厚が貫通できる熱
量を有する高密度エネルギービーム(レーザビーム)3
を照射する。シールドガス4の供給方法は、図1の場合
には、レーザビーム3と同軸に供給するセンターガス供
給方法であり、図2の場合には、サイドノズル5による
ガス供給方法である。いずれの場合でも、シールドガス
4はHeとN2 の混合ガスで、そのN2 /(He+
N2 )比率を5%以上とする。この比率が5%以上でな
ければならない理由は後述する実験結果からも明らかで
ある。
【0010】また、本発明は、例えば図1に示すよう
に、高周波抵抗加熱装置6で相対する両側の鋼帯端部1
0a,10bを加熱してから突き合わせ、その加熱され
た突合わせ部12をレーザビーム3で溶接することにし
てもよい。図中、6a,6bは高周波抵抗加熱装置6の
接触子で、V収束点の突合わせ部12より上流側に所定
距離隔てて設置される。加熱温度は材料の融点以下の温
度である。レーザビーム3の照射は、オープンパイプの
外面側もしくは内面側の片側からでよく、1パスで溶接
する。なお、上記の例では多段成形ロール法によるオー
プンパイプの成形法を示したが、UOプレス法またはス
パイラル成形法によるオープンパイプの成形法にも本発
明を適用することができる。
に、高周波抵抗加熱装置6で相対する両側の鋼帯端部1
0a,10bを加熱してから突き合わせ、その加熱され
た突合わせ部12をレーザビーム3で溶接することにし
てもよい。図中、6a,6bは高周波抵抗加熱装置6の
接触子で、V収束点の突合わせ部12より上流側に所定
距離隔てて設置される。加熱温度は材料の融点以下の温
度である。レーザビーム3の照射は、オープンパイプの
外面側もしくは内面側の片側からでよく、1パスで溶接
する。なお、上記の例では多段成形ロール法によるオー
プンパイプの成形法を示したが、UOプレス法またはス
パイラル成形法によるオープンパイプの成形法にも本発
明を適用することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。表
1に示す化学成分の2相ステンレス鋼を実験室で真空溶
解し、50kgインゴットに鋳造した。これを板厚8〜
15mmまで熱間圧延した後、溶体化処理した。
1に示す化学成分の2相ステンレス鋼を実験室で真空溶
解し、50kgインゴットに鋳造した。これを板厚8〜
15mmまで熱間圧延した後、溶体化処理した。
【0012】
【表1】
【0013】これらの2相ステンレス鋼を多段成形ロー
ル法あるいはUOプレス法で円筒状に成形し、その突合
わせ部をHeとN2 の混合ガスでシールドしてレーザ溶
接した。比較例としてHeのみによるガスシールドも実
施した。また、溶接法の比較例として、サブマージアー
ク溶接でも鋼管を製造した。
ル法あるいはUOプレス法で円筒状に成形し、その突合
わせ部をHeとN2 の混合ガスでシールドしてレーザ溶
接した。比較例としてHeのみによるガスシールドも実
施した。また、溶接法の比較例として、サブマージアー
ク溶接でも鋼管を製造した。
【0014】上記溶接条件で作製した溶接継手に対し
て、孔食試験を実施した。なお、一部の溶接継手には、
1050℃×1〜30分保持後、水冷の溶体化処理を施
した。溶体化処理の時間が、2.0分以下を良好とし
た。孔食試験は種々の試験温度で10%FeCl3 ・6
H2 O溶液に72時間浸漬し、孔食が発生する限界温度
(CPT)により耐食性を評価した。これらの試験結果
を表2に示す。CPTは母材のCPTである25℃以上
を良好とした。
て、孔食試験を実施した。なお、一部の溶接継手には、
1050℃×1〜30分保持後、水冷の溶体化処理を施
した。溶体化処理の時間が、2.0分以下を良好とし
た。孔食試験は種々の試験温度で10%FeCl3 ・6
H2 O溶液に72時間浸漬し、孔食が発生する限界温度
(CPT)により耐食性を評価した。これらの試験結果
を表2に示す。CPTは母材のCPTである25℃以上
を良好とした。
【0015】
【表2】
【0016】表2から分かるように、本発明例では、シ
ールドガスとしてのHeとN2 の混合ガスのN2 /(H
e+N2 )比率が5%以上であれば、全て優れた耐食性
を示している。しかも、高速のレーザ溶接が可能であ
り、溶接継手の溶体化処理なしでも耐食性は良好であ
る。一方、比較例No.1〜5にみられるように、N2
/(He+N2 )比率が5%未満の場合は、耐食性が低
下するか、もしくは溶体化処理時間が長くなる。また、
サブマージアーク溶接の場合(No.6〜10)の場合
は、溶体化処理時間が非常に長くなる。
ールドガスとしてのHeとN2 の混合ガスのN2 /(H
e+N2 )比率が5%以上であれば、全て優れた耐食性
を示している。しかも、高速のレーザ溶接が可能であ
り、溶接継手の溶体化処理なしでも耐食性は良好であ
る。一方、比較例No.1〜5にみられるように、N2
/(He+N2 )比率が5%未満の場合は、耐食性が低
下するか、もしくは溶体化処理時間が長くなる。また、
サブマージアーク溶接の場合(No.6〜10)の場合
は、溶体化処理時間が非常に長くなる。
【0017】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、2相ステ
ンレス鋼のオープンパイプのレーザ溶接において、レー
ザ溶接時、酸化防止およびプラズマ除去の目的で用いる
シールドガスに、HeとN2 の混合ガスを用い、そのN
2 /(He+N2 )比率を5%以上として供給すること
により、高速のレーザ溶接が可能であるとともに、溶接
ままでも、また溶体化熱処理を施す場合には短時間で、
耐食性に優れた2相ステンレス溶接鋼管を得ることがで
きる。
ンレス鋼のオープンパイプのレーザ溶接において、レー
ザ溶接時、酸化防止およびプラズマ除去の目的で用いる
シールドガスに、HeとN2 の混合ガスを用い、そのN
2 /(He+N2 )比率を5%以上として供給すること
により、高速のレーザ溶接が可能であるとともに、溶接
ままでも、また溶体化熱処理を施す場合には短時間で、
耐食性に優れた2相ステンレス溶接鋼管を得ることがで
きる。
【図1】本発明方法の一例を示す概要図である。
【図2】本発明方法の他の例を示す概要図である。
1 レンズ 2 放物面鏡 3 レーザビーム 4 シールドガス 6 高周波抵抗加熱装置 10 鋼帯 10a,10b 鋼帯端部 11a,11b スクイズロール 12 突合わせ部
Claims (3)
- 【請求項1】 2相ステンレス鋼の鋼帯を連続的に搬送
しつつ両側の鋼帯端部が対向するように円筒状のオープ
ンパイプに成形し、両端の鋼帯端部をスクイズロールで
突き合わせ、その突合わせ部にレーザビームを照射して
溶接するか、あるいは前記オープンパイプの相対する両
側の鋼帯端部を電気抵抗法または誘導加熱法で加熱し、
加熱された両側の鋼帯端部を突き合わせてレーザビーム
で溶接する2相ステンレス溶接鋼管の製造方法におい
て、 酸化防止およびプラズマ除去のためのシールドガスであ
るHeとN2 の混合ガスをN2 /(He+N2 )比率で
5%以上として供給することを特徴とする2相ステンレ
ス溶接鋼管の製造方法。 - 【請求項2】 2相ステンレス鋼の鋼帯をUプレス、O
プレスで円筒状のオープンパイプに成形し、前記オープ
ンパイプの相対する両側の鋼帯端部を突き合わせ、その
突合わせ部にレーザビームを照射して溶接するか、ある
いは前記オープンパイプの相対する両側の鋼帯端部を電
気抵抗法または誘導加熱法で加熱し、加熱された両側の
鋼帯端部を突き合わせてレーザビームで溶接する2相ス
テンレス溶接鋼管の製造方法において、 酸化防止およびプラズマ除去のためのシールドガスであ
るHeとN2 の混合ガスをN2 /(He+N2 )比率で
5%以上として供給することを特徴とする2相ステンレ
ス溶接鋼管の製造方法。 - 【請求項3】 2相ステンレス鋼の鋼帯を連続的にスパ
イラル状に成形し、このスパイラルオープンパイプの相
対する両側の鋼帯端部を突き合わせ、その突合わせ部に
レーザビームを照射して溶接するか、あるいは前記スパ
イラルオープンパイプの相対する両側の鋼帯端部を電気
抵抗法または誘導加熱法で加熱し、加熱された両側の鋼
帯端部を突き合わせてレーザビームで溶接する2相ステ
ンレス溶接鋼管の製造方法において、 酸化防止およびプラズマ除去のためのシールドガスであ
るHeとN2 の混合ガスをN2 /(He+N2 )比率で
5%以上として供給することを特徴とする2相ステンレ
ス溶接鋼管の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8026427A JPH09220682A (ja) | 1996-02-14 | 1996-02-14 | 2相ステンレス溶接鋼管の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8026427A JPH09220682A (ja) | 1996-02-14 | 1996-02-14 | 2相ステンレス溶接鋼管の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09220682A true JPH09220682A (ja) | 1997-08-26 |
Family
ID=12193226
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8026427A Pending JPH09220682A (ja) | 1996-02-14 | 1996-02-14 | 2相ステンレス溶接鋼管の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09220682A (ja) |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998019818A1 (de) * | 1996-11-06 | 1998-05-14 | Aga Aktiebolag | Verfahren und prozessgas zum laserschweissen von metallischen werkstücken |
JP2002103072A (ja) * | 2000-09-25 | 2002-04-09 | Nippon Steel Corp | アルミめっき鋼板の重ね合わせレーザ溶接方法 |
JP2003145286A (ja) * | 2001-11-14 | 2003-05-20 | Kobe Steel Ltd | 鋼材のレーザ溶接方法 |
EP1371444A1 (fr) * | 2002-06-14 | 2003-12-17 | L'air Liquide, S.A. à Directoire et Conseil de Surveillance pour l'Etude et l'Exploitation des Procédés Georges Claude | Utilisation de mélanges gazeux helium/azote en soudage laser jusqu'à 8 KW |
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