JP2001287061A - マルテンサイト系ステンレス溶接鋼管の製造方法 - Google Patents
マルテンサイト系ステンレス溶接鋼管の製造方法Info
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Abstract
溶込み不足等の溶接欠陥の発生を抑制することが可能
な、マルテンサイト系ステンレス溶接鋼管の製造方法を
提供する。 【解決手段】 成形ロールで円筒状のオープンパイプ1
に成形してスクイズロール4でアプセット加圧しつつレ
ーザー溶接を行うマルテンサイト系ステンレス溶接鋼管
の製造方法において、オープンパイプ1の相対する両エ
ッジ部5,5を、高周波加熱法により予熱した後、スク
イズロール4の近傍の両エッジ部5,5がV字型に突き
合わされている部分で、予熱の大きさE・I、アプセッ
ト量U、および両エッジ部5,5のなす角度αにより決
定される位置に、レーザー照射を行うマルテンサイト系
ステンレス溶接鋼管の製造方法。さらに、E・I,U,
αにより決定される位置Xを所定の範囲内とするととも
に、スクイズロールで加圧後、内外ビードを切削する。
Description
ステンレス鋼板を成形ロールで円筒状のオープンパイプ
に成形してスクイズロールでアプセット加圧しつつレー
ザー溶接を行うマルテンサイト系ステンレス溶接鋼管の
製造方法に関する。
ムの集中熱源による溶接鋼管の製造は、アーク溶接等の
エネルギー密度の低い溶接熱源に比べて高速溶接を行う
ことが可能であり、溶接入熱を少なくすることができる
という長所がある。その結果、溶接部の幅が狭く熱影響
による素管材質の劣化が少なく、品質の優れた鋼管の製
造が可能である。また、高速溶接により溶接鋼管の生産
性が向上する。しかし、この方法は、レーザビームを素
管の突合わせ部に照射して板厚を貫通溶接させる方法で
あるため、溶接部にブローホール等の溶接欠陥が発生し
やすい。その結果、溶接部の靭性が低下する傾向があっ
た。
8878号公報には、優れた靭性および耐食性を有する
2相ステンレス溶接鋼管を高生産性で製造する方法が提
案されている。この技術は、2相ステンレス鋼板をオー
プンパイプに成形し、鋼板の両エッジ部をそのままある
いは加熱してから、突き合わせてレーザー溶接し、溶接
部に管外面側または管内面側もしくは両側からアーク溶
接するというものである。
は、低Cマルテンサイト系ステンレス鋼溶接管の製造方
法として、レーザ出力P、素材帯鋼肉厚h、および素材
帯鋼エッジ部の予熱温度T0によりレーザー溶接の溶接速
度を決定する方法が提案されている。この技術では、溶
接速度を、V=1.35(P/h)×[1000/(1000-T0)]の式で計算
されるVの値以上とするいうものである。
等の溶接欠陥は、溶接部靭性を低下させるのみならず、
溶接部溶接補修(TIG溶接等)の作業を必要とし、また製
品不適合品の増加につながる。例えば、ユーザー仕様等
で、ブローホールの許容寸法,単位長さ当りの許容数等
が規定され、仕様によりTIG溶接を行わなければオーダ
ー充当できない場合がある。仕様によっては、溶接補修
を認めず不合格(オーダー充当不可)となる場合もあ
る。また、溶接の際、溶込み不足となると、溶込み不足
は手直しできないため、製品不適合品となる。
わせ部に対してのレーザー照射の位置や、レーザー照射
後のアプセット条件については開示されていない。その
ため、レーザー溶接の実施に当たっては、過去の経験に
頼る他ないという問題がある。
の技術は、2相ステンレス溶接鋼管を対象としており、
マルテンサイト系ステンレス鋼溶接管を対象とした技術
ではない。即ち、ステンレス鋼帯自体の変形能およびレ
ーザ溶接後の溶融金属の物性の為に、適正な予熱の大き
さ、アップセット量、およびレーザ最適照射位置などが
大きく異なり、マルテンサイト系ステンレス溶接鋼管の
製造技術に本技術は適用できない。さらにこの技術で
は、レーザー溶接後にアーク溶接するので、溶接部のア
ンダカットは解消されるが、装置が複雑となることが避
けられないという問題がある。
は、レーザー溶接については、溶接速度を帯鋼肉厚当た
りのレーザ出力に比例させ、昇温必要量(1000℃−予熱
温度)に反比例させるということである。しかし、これ
は溶接に必要以上の熱量を供給することを避けると言う
だけであり、これだけで、溶接欠陥の発生が防止できる
とは考えにくい。また、レーザー照射の位置およびアプ
セット条件については何ら記載されていないという問題
がある。
下させることなくブローホールや溶込み不足等の溶接欠
陥の発生を抑制することが可能な、マルテンサイト系ス
テンレス溶接鋼管の製造方法を提供することを目的とす
る。
より解決される。
鋼板を成形ロールで円筒状のオープンパイプに成形して
スクイズロールでアプセット加圧しつつレーザー溶接を
行うマルテンサイト系ステンレス溶接鋼管の製造方法に
おいて、オープンパイプの相対する両エッジ部を、高周
波加熱法により予熱した後、スクイズロールの近傍の前
記両エッジ部がV字型に突き合わされている部分で、予
熱の大きさ、アプセット量、および前記両エッジ部のな
す角度により決定される位置に、レーザー照射を行うこ
とを特徴とするマルテンサイト系ステンレス溶接鋼管の
製造方法である。
溶接鋼管の製管プロセスについて鋭意検討する中でなさ
れた。その過程で、スクイズロールの近傍のレーザを照
射する位置により、溶接部の品質が大幅に変化すること
に着目した。レーザを照射する位置が適切であれば、溶
接部の品質が向上することが可能であり、以下、このよ
うなレーザの照射位置を(レーザー照射の)最適位置と
呼ぶ。
位置は、固定的なものではなく、製造条件により種々変
化することがわかった。さらに、レーザー照射の最適位
置は、予熱の大きさ、アプセット量、および両エッジ部
のなす角度により決定されることを見出した。
表すと次のようになる。
大きさであり、高周波加熱装置の消費電力(kW)を用いれ
ばよく、Uはアプセット量(mm)でありその数値を用い
る。また、αは、スクイズロールの近傍でV字型に突き
合わされた両エッジ部のなす角度である。
アプセット量 U(mm)が、いずれも最適照射位置Xaに対し
て、単調増加の関係が見られるので、簡単のため、EIと
Uの1次式とすればよい。
く。
度より大きくすると最適照射位置が大幅に変化するのに
対して、αを小さくする場合は殆ど変化しないので、そ
のような挙動を示す関数とする。このような関数とし
て、例えば、指数関数を用いると次のようになる g(α)=h・exp(k・α) (iii) ここで、h,kは係数で、これも実験等により予め求めて
おく。
さE・I、アプセット量U、および前記両エッジ部のな
す角度αにより決定される位置Xを次の不等式で表され
る範囲内とするとともに、スクイズロールで加圧後、内
外ビードを切削することを特徴とするレーザー溶接マル
テンサイト系ステンレス溶接鋼管の製造方法とすること
もできる。
加熱電圧(kV) I:高周波加熱電流(A) U:スクイズロールでのアプセット量(mm) α:V角(°)(予熱前のスクイズ点より40mm以内での
鋼板エッジ部開口部角度) X:レーザー照射位置適正範囲(mm)(スクイズロール中
心点から上流側への距離) P:レーザー出力(kW) v:溶接速度(m/min) t:鋼板厚(mm) である。
数について具体的な数値を求めたもので、式(1)〜(2)
により予熱の大きさE・Iとアプセット量Uを決定する
と、式(3)〜(4) からレーザー照射位置Xが決まる。そ
の後、式(5)〜(6) から、使用する鋼板の厚みt(mm)に
応じて、必要なレーザー出力P(kW)と溶接速度v(m/m
in)を求める。その際、溶接速度は式(5)を満たす値以上
であればよく、生産性をよくするために少しでも早い溶
接速度の条件を求めるためには、保有しているレーザー
発振装置の最大出力を式(6)に代入すれば、溶接品質上
問題が無い最大速度を求めることができる。以上の数式
(1)〜(6)については、「発明の実施の形態」の項で詳細
に説明する。
金属中に残存しているガスがスクイズロールでのアプセ
ットによりビードの中にブローホールとして残る恐れが
あるので、内外ビードを切削する。
接条件でレーザー溶接することにより、ブローホール等
の溶接欠陥が抑止されて靭性が向上するのみならず、溶
込み不足等も抑止される。その結果、溶接部溶接補修(T
IG溶接等)の作業が削減でき、製品不適合品も低減する
ことができる。
鋼管の溶接部をAc1点以上830℃以下の温度に加熱した
後、空冷又はそれ以上の冷却速度で150℃以下の温度ま
で冷却し、再び550℃以上Ac1点以下の温度に加熱するこ
とを特徴とするレーザー溶接マルテンサイト系ステンレ
ス溶接鋼管の製造方法としてもよい。
により、溶接部の靭性を向上させるための高温焼戻し処
理を施す。最初の加熱では、Ac1点以上に加熱すること
で部分的にオーステナイト化させ、空冷ないしそれ以上
の冷却速度で150℃以下の温度まで冷却することによ
り、完全なマルテンサイト組織に変態させる。
る。この焼戻し処理の処理条件については、加熱温度が
550℃未満では十分な焼戻しが行われず、Ac1点を超える
と再度部分的にオーステナイト化され、その後の冷却で
焼入ままのマルテンサイト組織が生成し靭性を著しく劣
化させる。従って、焼戻し温度は、550℃以上Ac1点以下
の温度とする。
ン発明の実施サイト系ステンレス鋼板を、ブレイクダウ
ンロール群やケージロール群、フィンパスロール群等に
通してオープンパイプ状に連続的に成形し、オープンパ
イプの両エッジ部を誘導加熱コイルあるいはコンタクト
チップを用いた高周波加熱法により加熱する。その後、
上方よりレーザービームを照射し、スクイズロールにて
アプセットを加え、内・外面ビードを切削する。この製
造工程において、生産性が良くかつ健全な溶接部を得る
ためには、多くの実験結果から、前述の(1)〜(6)式の条
件を満足する必要がある。以下にその理由を述べる。
Iすなわち予熱の電力(kW)が90kW未満では、予熱
の効果が非常に少なく、溶接速度が遅くなるため生産性
が悪い。予熱の電力が250kWを越えるとオーバー入
熱となり、予熱を受けた突合わせエッジ面が著しく酸化
を受け、溶接品質を損ないかつエッジ表面の溶融等が発
生する。そのため、適切なエッジ面形状が維持できなく
なり、安定したレーザー溶接ができなくなる。
たもので、0.2mm未満のアプセット量では、レーザー
照射された溶融金属中にブローホールが残存する恐れが
ある上ビード切削部にアンダーカットを生じ易い。一
方、1.0mmを越えてアプセットを加えると、メタルフ
ローの立上り角度が大きくなり、ビード切削後、フック
クラック等の欠陥が生じ易くなる。
射する最適な突き合せエッジ部のスクイズロール中心か
らの距離Xa (mm)を示したものである。一般にレーザー
溶接においては、突き合せ位置にレーザーを照射すると
表現されているが、その明確な位置は規定されていな
い。そこで最適な照射位置の定量化を図るべく繰返し実
験を行った。まず、マルテンサイト鋼板を成形ロールで
成形しスクイズロールまで通した時に、スクイズロール
上流側の突き合せエッジ部がV字型の形状(Vシェープ)
を呈する。このエッジ部のなす角をV角(α°) と呼
ぶ。
用いているV角が、主としてロール等の幾何学的位置関
係により定義されていたのに対して、スクイズロール中
心から上流側40mm以内でのエッジ開口角とする。な
お、従来技術におけるV角とは、フィンパスロールもし
くはシームガイドロールカリバー、フィンパスロールも
しくはシームガイドロールフィン、スクイズロール胴
径、及びフィンパスロールもしくはシームガイドロール
中心とスクイズロール中心もしくはV収束点の距離によ
り決まる角度である。
はI型がよい。レーザー照射位置としては、実験結果か
らエッジ突き合せ部に僅かなギャップがある位置が最適
である。また、この最適位置は、高周波予熱による入熱
とスクイズロールによるアプセットの影響により変化す
る。つまり、高周波予熱による入熱電力を上げるとギャ
ップは狭まり、アプセット量を増やすとギャップは狭ま
る。よって、最適なレーザー照射位置はE・I,U,α
の関係式で整理することができ、多くの実験結果から式
(3)を得た。
しては、実験結果からエッジ突き合せ部に僅かなギャッ
プがある位置が最適であると述べたが、その前後の許容
範囲を示したのが式(4)である。まず、スクイズロール
中心点から1.2Xa(mm)より離れた位置にレーザーを
照射すると、突き合せ部のギャップが広過ぎ、レーザー
ビームでのエッジ溶融が不十分な部分が発生したり、レ
ーザーが突き抜けてしまうことがあり、溶接欠陥を生じ
易い。
0.8Xa(mm)までの位置では、ギャップが狭すぎる状
態の上、予熱及びスクイズアプセットの影響でエッジ部
近傍の増肉が大きく、内面側の溶融が不十分なところが
発生する。
れを防止するためには、レーザー照射からスクイズロー
ルでアプセットを加えるまでの時間を0.35sec以内
にする必要がある。そのためには、照射位置は決まって
いるので、溶接速度を式(5)の速度以上で溶接する必要
がある。
関係を多くの実験より求めたものである。式(6)の右辺
の値が0.5未満の時には、溶け込み不足を生じる。ま
た、式(6)の右辺の値の上限値を規定していないのは、
レーザー出力は設備能力の最大値まで上げても一向に差
し支えなく、また、溶接速度の下限値は式(5)で規定さ
れているからである。
接条件でレーザー溶接することにより、ブローホール等
の溶接欠陥が抑止されて靭性が向上するのみならず、溶
込み不足等も抑止される。その結果、溶接部溶接補修(T
IG溶接等)の作業が削減でき、製品不適合品も低減する
ことができる。
ンサイト系ステンレス溶接鋼管を、Ac1点以上830
℃以下で熱処理した後、空冷以上の速さで150℃以下
まで冷却し、再び550℃以上Ac1点以下に熱処理し
てもよい。これは、オンラインでの短時間熱処理で溶接
部の靭性を向上させる高温焼戻し処理であり、1回目の
熱処理でAc1点以上830℃以下に昇温後空冷以上の
速さで150℃以下まで冷却するのは、部分的にオース
テナイト化させてから完全なマルテンサイト組織を生成
させるためである。
せるのは、焼戻しによる靭性向上のためである。Ac1
点を超えると部分的にオーステナイト化され、その後の
冷却で焼戻し不十分のマルテンサイトが生成し、靭性が
著しく劣化する。一方、550℃未満では十分な焼戻し
が行われず靭性の向上が図れないため、550℃以上A
c1点以下とする。
1に示す化学成分の熱延鋼板を用いて、外径273.0mm×
管厚5.0 mm、外径323.8 mm×管厚6.0 mm、外径406.4 mm
×管厚9.5mmの3種類の鋼管を製造した。
の表で、No.1〜7は本発明の条件を満たす発明例であ
り、No.8〜14は比較例である。比較例No.8は、照射
位置がスクイズロールに近すぎ、X/Xaが0.76で下限の0.
8より小さくなっている。比較例No.9は溶接の入熱量が
少なく前述の式(6)の右辺の値が下限0.5以下、比較例N
o. 10はアプセット量が上限1.0mm超となっている。比
較例No.11は予熱電力が上限250kW超、比較例No.12
は溶接の入熱量が少ない(式(6)の右辺の値<0.5)。比
較例No.13は溶接速度が遅すぎ(式(5)v≧0.17X
を満たさず) 、比較例No.14はアプセット量が0で下限
0.1mm未満となっている。
溶接部20m分全長にわたり、JIS規格Z3104に
従い放射線透過試験を、またJIS規格G0582に従
い超音波探傷試験を実施した。
射線透過試験については、φ0.4mm以下のブローホール
が5個未満のものを◎、φ0.4mm以下のブローホールが
5個以上10個未満またはφ0.8mm以下のブローホール
が5個未満のものを○、φ0.4mm以下のブローホールが
10個以上またはφ0.8mm以下のブローホールが5個以
上10個未満のものを△で表し、φ0.8mm以下のブロー
ホールが10個以上もしくはφ0.8mm越えのブローホー
ルがあるもの、割れがあるもの、または溶け込み不足の
いずれかがあるものを×で表す。
ドリルホールの人工欠陥に対し、ピーク指示高さが、1
0%以下のものを◎、20%以下のものを○、40%以
下のものを△、40%越えものを×で表す。試験結果は
表2に併せて示す。表2から、本発明により製造された
鋼管の溶接部品質は、非常に優れていることが明白であ
る。
種々条件で熱処理し、JIS規格Z2202に従い、5m
mサブサイズ試験片に加工し、JIS規格Z2242に
従い、衝撃試験を実施した。試験温度は-60℃とし、試
験片の数は3本とした。熱処理条件およびその結果を表
3に示す。
満たす発明例であり、No.25〜28は比較例である。
比較例No.25と26は1回目の熱処理温度がそれぞれ発
明の下限Ac1 点未満と上限温度830℃超であり、比較例N
o.27と28は2回目の熱処理温度がそれぞれ下限温度
550℃未満と上限Ac1 点超である。表3から、本発明に
より熱処理された鋼管の溶接部靭性は、非常に優れてい
ることが明白である。
ス溶接鋼管の製造において、スクイズロールの近傍でレ
ーザを照射する位置を、予熱の大きさ、アプセット量、
および両エッジ部のなす角度により決定される最適位置
とすることにより、ブローホール等の溶接欠陥の発生を
大幅に抑制し、溶接部靭性を向上させることができる。
その結果、品質向上とともに、溶接補修の低減、不合格
材の低減による歩留・生産性向上が可能であり、産業の
発展に寄与するところ大である。
Claims (3)
- 【請求項1】 マルテンサイト系ステンレス鋼板を成形
ロールで円筒状のオープンパイプに成形してスクイズロ
ールでアプセット加圧しつつレーザー溶接を行うマルテ
ンサイト系ステンレス溶接鋼管の製造方法において、オ
ープンパイプの相対する両エッジ部を、高周波加熱法に
より予熱した後、スクイズロールの近傍の前記両エッジ
部がV字型に突き合わされている部分で、予熱の大き
さ、アプセット量、および前記両エッジ部のなす角度に
より決定される位置に、レーザー照射を行うことを特徴
とするマルテンサイト系ステンレス溶接鋼管の製造方
法。 - 【請求項2】 予熱の大きさE・I、アプセット量U、
および前記両エッジ部のなす角度αにより決定される位
置Xを次の不等式で表される範囲内とするとともに、ス
クイズロールで加圧後、内外ビードを切削することを特
徴とする請求項1記載のマルテンサイト系ステンレス溶
接鋼管の製造方法。 90≦E・I≦250 (1) 0.1≦U≦1.0 (2) Xa=(30+E・I/15+10U)/exp(0.2α) (3) 0.8Xa ≦X≦1.2Xa (4) v≧0.17X (5) 0.5≦P・exp{(250+E・I)/500}/(v・t) (6) ここで、 Xa :レーザー照射最適位置(mm)(スクイズロール中心
点から上流側への距離) E:高周波加熱電圧(kV) I:高周波加熱電流(A) U:スクイズロールでのアプセット量(mm) α:V角(°)(予熱前のスクイズ点より40mm以内での
鋼板エッジ部開口部角度) X:レーザー照射位置適正範囲(mm)(スクイズロール中
心点から上流側への距離) P:レーザー出力(kW) v:溶接速度(m/min) t:鋼板厚(mm) - 【請求項3】 溶接後の鋼管の溶接部をAc1点以上830℃
以下の温度に加熱した後、空冷又はそれ以上の冷却速度
で150℃以下の温度まで冷却し、再び550℃以上Ac1点以
下の温度に加熱することを特徴とする請求項1又は2記
載のマルテンサイト系ステンレス溶接鋼管の製造方法。
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