JP3596392B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、図柄の組合せによって異なる遊技価値を提供するパチンコ機等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、特願平6ー44800号に開示の遊技機としてのパチンコ機は、遊技球が特定領域を通過すると、図柄表示器の図柄表示部の図柄が変動を開始し、所定時間後に、予め設定された図柄で停止すると当たり(「大当たり」又は「小当たり」)となって、通常は、遊技球を受入れない特定入賞装置(以下、普通電動役物という。)が、前記大当たりと小当たりとで異なる態様で、遊技球を受入れ易くする。
そして、遊技球が前記普通電動役物を介して特別装置作動領域を通過すると、権利が発生し、権利中に、遊技球が始動入賞口に入ると、大入賞口は所定時間(例えば、約9.8秒)開成状態を維持した後閉となるか、前記所定時間内であっても、遊技球が所定個数(例えば、10個)入賞すると閉となって、多量の賞品球を獲得できる、所謂、第3種のパチンコ機がある。
尚、特定の条件で当たりを発生した場合には、獲得賞品球を交換することなく、遊技の続行可能としている遊技店もある。
【0003】
又、この第3種のパチンコ機は、電源投入時には第2確率状態(当たりとなる確率値が低い)であり、図柄表示器の停止図柄が予め設定の当たり図柄が表示されて、当たり(大当たり又は小当たり)が生起すると、通常は、遊技球を受入れない普通電動役物が異なる態様で遊技球を受入れ易い状態となって、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変更する。
そこで、遊技球が前記普通電動役物を介して特別入賞装置に入って、特別装置作動領域を通過すると、権利が発生し、権利中には遊技者にとって有利な状態となって多量の賞品球を獲得でき、更に、前記権利が消滅すると、その後、所定回数(例えば、2回)の権利が発生するまでに限定して、第1確率状態(当たりとなる確率を高確率の状態)に設定変更する、確率変動形式のものもある。
この確率変動形式のパチンコ機(所謂、1セット(例えば、3回の大当たり)で賞品球を排出)に対して、遊技店では、1セットが終了して、第2確率状態(電源投入時状態)となった時点で、獲得した賞品球を景品と交換するようにしていることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の各パチンコ機においては、当たり図柄が表示されて当たりとなり、「大当たり」で権利が発生した場合と「小当たり」で権利が発生した場合とで、遊技者が得られる遊技価値条件は同じであり変化に乏しく、更に、面白みのある遊技状態を提供することが望まれている。
そこで、本発明は係る不都合を解消する遊技機を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の遊技機は、複数の図柄を表示可能な図柄表示部と、特定領域と、特定入賞装置と、特別装置作動領域と、始動入賞口と、大入賞口を配置し、遊技球が前記特定領域を通過することに関連して前記図柄表示部に当たり図柄が表示されると当たりとなって閉成状態である特定入賞装置が開成する。
そして、この特定入賞装置を通過した遊技球が特別装置作動領域を通過すると権利が発生する。
この権利発生中に、遊技球が前記始動入賞口を通過すると、閉成状態の大入賞口が開成し、所定時間の経過或は大入賞口への所定個数の遊技球の入賞により閉成するという操作を実施するラウンドを、予め決められた最大ラウンド数まで行う。
又、この遊技機は、当たりとして大当たりと小当たりが設定してあり、小当たりは大当たりに比べると最大ラウンド数を少なく設定してある。
そして、大当たりと小当たりの生起確率は第1確率状態(高確率状態)とその第1確率状態より低い第2確率状態(低確率状態)に変更可能であり、小当たりは、第2確率状態(低確率状態)で得られるときの方が、特定入賞装置の開成時間を長く設定してある。
従って、最初の権利発生が大当たりであっても小当たりであっても、その後、第1確率状態に変更される。そして、大当たりの方が小当たりに比して特定入賞装置の開成時間を長く設定してあるので、大当たりによる権利発生が生起する可能性が高く、「大当たり+大当たり」、或は「小当たり+大当たり」を獲得できるので、遊技者にとって興味を向上させることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本実施例のパチンコ機1の正面図(図1)は、良く知られた、所謂、第3種の確率変動形式のパチンコ機であって、6は前面枠であり、7は開閉自在のガラス枠であり前面枠6に取り付けてある。5は遊技球の発射を操作する操作ハンドル、8は供給皿、9は前記供給皿8のオーバフローの遊技球を受け入れる貯留皿、27はアウト孔、25は入賞孔である。尚、1分間に100個の遊技球が、前記操作ハンドルを介して発射可能である。
又、遊技板3のほぼ中央部には、複数の図柄(本実施の形態では、0〜9の図柄)を変動可能な3箇所の図柄表示部L1、L2、L3を有する図柄表示器Lが設置してあり、遊技球が特定領域22を通過すると、当たり(大当たり又は小当たり)か否かを判定すると共に、図柄表示器Lの図柄表示部L1、L2、L3の図柄が変動開始して、所定時間後に停止する。
【0007】
そして、当たり(大当たり又は小当たり)と判定されたときには、停止図柄として予め設定の図柄(例えば、各図柄表示部L1、L2、L3の図柄が全て同じ図柄)を表示する。
前記大当たりは、各図柄表示部L1、L2、L3の図柄が、「111」「333」「555」「777」「999」のときであり、この大当たりは、第2確率状態(低確率時)には1/556、第1確率状態(高確率時)には1/55.6で生起するように設定してある。
一方、各図柄表示部L1、L2、L3の図柄が「000」「222」「444」「666」「888」のときは「小当たり」であり、第2確率状態(低確率時)には1/556、第1確率状態(高確率時)には1/55.6で生起するように設定してある。
以上のように、大当たりと小当たりは、第1確率状態の方が第2確率状態より高確率に設定してある。
【0008】
前記「大当たり」又は「小当たり」が生起すると、下記の条件で、遊技者にとって不利な状態から有利な状態となるように、開閉可能な特定入賞装置(以下、普通電動役物という。)23が開成する。
「大当たり」のときには、第2確率状態(低確率時)と第1確率状態(高確率状態)において、共に、普通電動役物23が5.8秒間、開成する。
一方、「小当たり」のときには、普通電動役物23は、第2確率状態(低確率時)には5.8秒間であるが、第1確率状態(高確率状態)においては0.5秒間、開成する。
そして、前記普通電動役物23を通過した遊技球が、その下に設置の特別入賞装置30の特別装置作動領域29を通過すると「権利」が発生する。
前記の様に、当たりが小当たりで生起すると、権利発生は、普通電動役物23の開成時間の違いから、第2確率状態(低確率時)の方が第1確率状態(高確率状態)に比べて遊技者にとって有利に設定してある。
【0009】
次に、前記「権利発生」の過程を特別入賞装置30の斜視図(図2)を参照して説明する。
普通電動役物23を通過した遊技球Yは直下して、近接スイッチ31で検知されて、誘導路32aで後ろ側に流下し、再度、誘導路32bを介して前方に流下可能となっている。33a、33bは図示略の駆動体で揺動される開口片であって、常時は、開口片33a、33bは互いに頂点で近接状態を維持し、前記誘導路32bを流下してくる遊技球Yを、左右に形成の特別入賞口34a、34bに排出する。
【0010】
しかし、前記近接スイッチ31で、所定時間内に通過する遊技球の3個目を検出すると、前記開口片33aを反時計回りに、開口片33bを時計回りに開き、図2に示すように、3個目の遊技球を受入れ可能な停留部35を形成し、停留遊技球Yaを受け入れる。そのため、4個目以後の遊技球は、停留遊技球Yaのために、特別入賞口34a、34bの何れかに排出される。
そして、前記普通電動役物23が、閉状態となった後、2秒後に、前記停留部35の遊技球Yaは開放されて、特別装置作動領域29を通過して「権利」が発生する。
尚、この権利は、遊技球が権利発生中に、特別装置作動領域29を通過するか、或は、遊技球が後述の始動入賞装置24の始動入賞口(図示略)に所定個数、入賞すると消滅する。
【0011】
前記「権利」発生中に、反時計回りに10秒で1回転する始動入賞装置24に付設の回転体16に保持された遊技球が、始動入賞口(図示略)に入ることによって、大入賞口28は所定時間(例えば、約9.8秒)開成状態を維持した後閉となるか、前記所定時間内であっても、遊技球が所定個数(例えば、10個)入賞すると閉となって、遊技者に不利な状態から有利な状態に変移して、多量の賞品球の排出を可能としている(1ラウンド終了)。
そして、このラウンド数は、前記大当たりで権利が発生したときには最大16ラウンドまで許容するが、小当たりで権利発生したときには最大5ラウンドであり、遊技者に異なる遊技価値を提供するものであるため、遊技者は大当たりとなることを願いながら遊技をする面白みを奏する。
【0012】
尚、大当たりと小当たりにおける遊技者に対する遊技価値を前記ラウンド数と異なる構成で、例えば、前記大入賞口28の開成状態を維持する所定時間を、大当たりと小当たりで区別して、大当たりの方を長時間に設定したり、或は、大入賞口28の入賞球に対応して払い出す賞品球数を、大当たりのときの方を多くして遊技価値を異なるように構成してもよいし、更には、ラウンド数と併用してもよい。
【0013】
(第1の実施の形態)
次に、前記構成の確率変動形式のパチンコ機に付設の制御装置(CPU、メモリ等で構成)を介して実行する制御を、図3、図4に示す概念を示す制御フローを参照して説明する。
電源が投入されると(S1)、当たり(大当たりと小当たり)の生起確率は第2確率状態(大当たりの確率値は1/556、小当たりの確率値は1/556)に設定すると共に、普通電動役物23の開成時間も第2確率状態である5.8秒に設定する。又、権利回数カウンタKiを初期化する(S2)。
【0014】
この第2確率状態において、遊技球が特定領域22を通過して、良く知られた判定カウンタを介して当たり(大当たり又は小当たり)か否かを判定する(S10)。
そして、判定結果によって、「大当たり」のときには、図柄表示器Lの図柄表示部L1、L2、L3に全て同じ図柄である「111」「333」「555」「777」「999」を停止表示し、「小当たり」のときには「000」「222」「444」「666」「888」を停止表示する(S11)。
【0015】
次に、前記当たりが大当たりの図柄表示か否かの判定を行い(S12)、大当たりのときには、第1確率状態であると第2確率状態であるとに拘らず、普通電動役物23の開成時間を5.8秒に設定すると共に最大ラウンド数RMを16に設定する(S13)。
この普通電動役物23の開成時間が5.8秒であるため、普通電動役物23の開成中に、遊技球が特別装置作動領域29を通過して、権利はほぼ確実に発生する。
【0016】
一方、小当たりのときには、第1確率状態のときには普通電動役物23の開成時間を0.5秒に設定し、第2確率状態のときには普通電動役物23の開成時間を5.8秒に設定すると共に、最大ラウンド数RMを5に設定する(S14)。
従って、第2確率状態(低確率状態)のとき、この小当たり図柄が表示されると、前記普通電動役物23の開成時間(5.8秒)を鑑みれば、ほぼ確実に権利が発生するが、第1確率状態(高確率状態)のときには普通電動役物23の開成時間(0.5秒)から推定して殆ど権利が発生しないこととなる。
【0017】
そこで、権利が発生しないときには、その権利が最初の権利であるか否かを権利回数カウンタKiを介して行い(S28)、最初の権利である場合には、遊技者に遊技価値を与えることなく、第2確率状態に戻すと共に権利回数カウンタKiを初期化して、電源投入時の状態とする(S23)。
しかしながら、遊技者により多くの遊技価値を与えるために、2回目の権利の場合には権利回数カウンタKiに1を加算する(S29)と共に、第1確率状態とする(S24)。尚、このステップ29における権利回数カウンタKiに1を加算する実行は必ずしも必要でなく、この実行をすることにより、第1確率状態で当たりとなっても権利が発生しない回数をカウントでき、場合によっては、その回数を遊技者や遊技店の係員に報知することも可能であり、係員が教えに行くこと等ができる。
この実行命令によって、最初の当たりで権利発生を獲得した遊技者は、更に、大当たりで、2回目の権利発生をほぼ獲得することとなる。
そのため、遊技者は、最初の権利を獲得すると、2回目の権利獲得もほぼ確実となり、最大32ラウンド、少なくとも21ラウンド(最初の権利が小当たりで5ラウンド、2回目が大当たりで16ラウンド)を獲得する。
【0018】
一方、権利が発生すると(S16)、権利回数カウンタKiの値に1を加算し(S16)、ラウンドカウンタRiを初期化し(S17)、遊技球が始動入賞口に入賞したか否かを判断する(S18)。そして、入賞したときには、ラウンドカウンタRiに1を加算し(S19)、大入賞口28を所定時間(例えば、約9.8秒)、開成維持する(S20)。
そして、ラウンドカウンタRiの値が、最大ラウンド数RM以下であるときには、前記工程を繰り返す(S21)。
尚、最大ラウンド数RMは大当たりであるときには16回であるが、小当たりであるときには5回であり、大当たりのときの方が約3倍の賞品球の獲得が可能であり、遊技者は大当たりでの権利発生を望む。
【0019】
次に、権利回数カウンタKiの判断を行い(S22)、この遊技機は、1セットとして2回の権利発生を許容している。
そして、許容回数(権利回数カウンタKiの値が1)であるときには、当たりと普通電動役物23の開成時間を第1確率状態に変更する(S24)。即ち、当たり(大当たり、小当たり)の確率を1/55.6に設定する。
この状態にすることによって、次回の当たりを生起する確率は、第2確率状態に比べて10倍となって、早期に、次回の当たりを生起可能とする。
一方、権利回数カウンタKiが許容回数より多くなったときには、第2確率状態に戻すと共に権利回数カウンタKiを初期化して、電源投入時の状態とする(S23)。
【0020】
以上の制御フローにおいて、第1回目の当たりでは、大当たりであっても小当たりであってもほぼ確実に権利が発生するが、この大当たりと小当たりとでは、最大ラウンド数が異なり、獲得賞品球数を異にする。
そして、2回目の当たりは第1確率状態に変更されて(S23)、比較的早期に当たりとなるが、権利が発生するまで第1確率状態が継続される(S28、S29、S24)。このことは、2回目の権利は大当たりでないと権利発生は困難であるので(S13、S14参照)、2回目の当たりは、殆どの遊技者が早期に最大ラウンド数RM(=16)の恩恵を受けられる。
【0021】
従って、前記における大当たりと小当たりの生起に対するラウンド数を纏めてみると、
(1)大当たり(第1回目の権利)、大当たり(第2回目の権利):16+16ラウンド
(2)小当たり(第1回目の権利)、大当たり(第2回目の権利):5+16ラウンド
となる。
即ち、第1回目の権利が、大当たりで生じた遊技者も小当たりで生じた遊技者も、第2回目の権利は大当たりで生ずる可能性が高いので、何れの遊技者も興味が薄れることはない。
【0022】
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、前記第1の実施の形態とほぼ同じであるが、遊技内容を熟知していない遊技者にとっては、普通電動役物23の開成時間内に遊技球を入賞することを知らない、或は知っていてもうまく入賞できない場合には、権利が発生せず、多量の景品球の獲得を逃すことになる。
そこで、本実施の形態では、かかる遊技者の救済を行うものであり、各種の救済方法について図5、図6〜図7、図8を参照して説明する。
【0023】
(1)当たりに対する救済方法1(図3、図5参照)。
本救済方法は、最初に当たりが生じても、権利が発生しない場合の救済であり、次回の当たりを早期に実現可能とするものである。
尚、本救済方法1は、第1実施の形態における図3と同一であるため省略し、図4に対応する制御フローを図5に図示すると共に、図4と同じステップ(S)には同じ符号を付して説明を略す。
図5におけるステップ16において、「権利」が発生しない場合には、遊技球が特別装置作動領域29を通過しなかったときであり、権利回数カウンタKiの値が0であるか否か、即ち、最初の権利が発生しなかったか否かを判定する(S30)。
そして、権利回数カウンタKiが0でないときには、既に、権利発生の恩恵を受けている遊技者であるため、ステップ23へ進んで第2確率状態(電源投入状態)に設定する。
【0024】
しかしながら、最初の当たりにおいて、権利が発生しなかった遊技者を救済するために、権利回数カウンタKiの値に1を加算して(S31)、ステップ24で、当たりを第1確率状態に設定する。この設定によって、遊技者にとって次回の当たり(大当たり又は小当たり)が比較的早期に発生する可能性がある。
しかし、この当たりが大当たりであるときには、普通電動役物23が5.8秒間、開成するためほぼ確実に権利発生となるが、小当たりのときには0.5秒であるため権利発生は困難であるが、再度、遊技者は権利発生を大当たりで得る可能性がある。
以上の制御によって、最初の権利が発生しなくても、早期に次回の当たりが生起し、権利発生が大当たりで得られる可能性があり、遊技者は次回の当たりに期待をかけて遊技を行うことができる。
【0025】
(2)当たりに対する救済方法2(図6、図7参照)。
本救済方法は、最初に当たりが生じても、権利が発生しない場合の救済であり、次回の当たりを早期に実現可能にし、当たりが生じたときには大当たりとすると共に権利を発生させて16回のラウンドを可能とするものである。
尚、本救済方法2は、第1実施の形態における図3に対応する制御フローを図6に、図4に対応する制御フローを図7に図示すると共に、図3、図4と同じステップには同じ符号を付して説明を略す。
【0026】
図6において、電源が投入されたとき、図3における設定の他にフラグFを初期化する。このフラグFは、後述する第2回目の当たりにおいて大当たりを保証すると共に権利発生を強制的に行って救済措置をなす。
次に、図7について説明すると、大当たりか小当たりかを判定し(S10)、何れかであるときにはフラグFの判定を行う(S33)。最初の当たりのときにはフラグFはゼロであるため、ステップ11へ進んで処理を行う。しかし、フラグFが1のときには、後述のステップ30〜32で詳述するように、大当たりを強制的に実現するため、ステップ34で大当たり図柄を表示すると共に、大当たりの条件設定を行う(S13)。そして、再度、フラグFが1であるか否かを判定し(S35)、1であるときには、ステップ16へ進んで強制的に権利を発生させる。
【0027】
次に、ステップ30〜32について説明すると、最初の当たりが生じても権利が発生しない時にはステップ30へ進む。このステップ30では、権利回数カウンタKiの値が0であるか否か、即ち、最初の権利が発生しなかったか否かを判定する(S30)。
そして、権利回数カウンタKiが0でないときには、既に、1回目の権利発生の恩恵を受けている遊技者であるため、ステップ23へ進んで第2確率状態(電源投入状態)に設定する。
一方、最初の権利が発生しないときには、権利回数カウンタKiの値に1を加算して(S31)、フラグFを1に設定する(S32)。そして、当たりを第1確率状態に設定し(S24)、2回目の大当たりが比較的早期に発生可能に設定する。
以上において、最初の当たり(大当たり又は小当たり)おいて権利が発生しないと、次回は、大当たりで権利を発生させるため、最大16ラウンドまで許容させて、多くの賞品球を獲得できる可能性が高い。
【0028】
(3)当たりに対する救済方法3(図6、図8参照)。
本救済方法4は、前記救済方法3(図6、図7)とほぼ同じであるが、図7におけるステップ35のフラグFの判定を行わず、遊技者が権利発生条件を知っている場合に有効な救済である。
即ち、1回目の当たりで権利が発生しないときには、フラグFを1に設定することにより(S32)、次回の当たりは強制的に大当たりとする(S34、S13)。そして、遊技球が普通電動役物23を介して特別装置作動領域29を通過する条件で、権利が発生したか否かを判定するものである。
この状態で、権利が発生すると、大当たりとして16ラウンドが許容され、多量の賞品球を獲得できる可能性が高い。
【0029】
(4)最初の当たりが、大当たりであるときの救済方法4(図3、図9参照)。
本救済方法は、最初の当たりが大当たりであるときには、強制的に権利を発生させるものであり、図9を参照して説明する。尚、電源投入時には図3の制御フローであるため説明を略す。
本制御フローは、図4とほぼ同じであるが、最初の当たりが大当たりであるときには、ステップ40で最初の当たりであるか否かを、権利回数カウンタKiの値で判定し、権利回数カウンタKiの値が0のときには、強制的に権利を発生させる。
従って、遊技をよく知らない遊技者は、最初の当たりが大当たりのときには、少なくとも権利発生を得て、16ラウンドの賞品球の獲得が可能となる。
尚、最初の当たりが小当たりのときには権利発生の判断を行うし(S16)、次回の当たりに対しては、図4と同じ条件で遊技を行うこととなる。
【0030】
尚、前記各実施の形態は、2回権利もので確率変動形式の遊技機について説明したが、この形式の遊技機に限定されないし、他の、スロットマシン、テレビゲーム機等に適用可能であることはいうまでもない。又、前記制御フローのプログラムは記憶媒体(フロッピーディスク、ROM、ハードディスク等)に記録して提供することも可能で、係る記憶媒体を介してCPUで実行することによって遊技機の構築に寄与する。
【0031】
【発明の効果】
本発明の遊技機は、高確率状態においては大当たりでの権利発生が得られ易くしてあるので、最初の権利発生が大当たりであっても小当たりであっても、その後、第1確率状態に変更される。そして、大当たりの方が小当たりに比して特定入賞装置の開成時間を長く設定してあるので、大当たりによる権利発生が生起する可能性が高く、「大当たり+大当たり」、或は「小当たり+大当たり」を獲得できるので、遊技者にとって興味を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ機の正面図である。
【図2】特別入賞装置の斜視図である。
【図3】第1の実施の形態の制御フローを示す図である。
【図4】第1の実施の形態の制御フローを示す図である。
【図5】第2の実施の形態における救済方法1の制御フローを示す図である。
【図6】第2の実施の形態における救済方法2の制御フローを示す図である。
【図7】第2の実施の形態における救済方法2の制御フローを示す図である。
【図8】第2の実施の形態における救済方法3の制御フローを示す図である。
【図9】第2の実施の形態における救済方法4の制御フローを示す図である。
【符号の説明】
22 特定領域
23 特定入賞装置(普通電動役物)
24 始動入賞装置
28 大入賞口
29 特別装置作動領域
30 特別入賞装置
L1、L2、L3 図柄表示部

Claims (1)

  1. 複数の図柄を表示可能な図柄表示部と、特定領域と、特定入賞装置と、特別装置作動領域と、始動入賞口と、大入賞口を配置し、遊技球が前記特定領域を通過することに関連して前記図柄表示部に当たり図柄が表示されると当たりとなって閉成状態である特定入賞装置が開成し、この特定入賞装置を通過した遊技球が特別装置作動領域を通過することによって権利発生となり、
    権利発生中に、遊技球が前記始動入賞口を通過することにより閉成状態の大入賞口が開成し、所定時間の経過或は大入賞口への所定個数の遊技球の入賞により閉成するという操作を実施するラウンドを、予め決められた最大ラウンド数まで行う遊技機であって、
    前記当たりは、大当たりと、この大当たりに比べて最大ラウンド数の少ない小当たりを含み、
    大当たりと小当たりの生起確率は第1確率状態とその第1確率状態より低い第2確率状態に変更可能であり、
    前記第1確率状態で小当たりが得られたときより、前記第2確率状態で小当たりが得られたときの方が、前記特定入賞装置の開成時間を長く設定してあることを特徴とする遊技機。
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