JP3630190B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、遊技球検出領域に遊技球を誘導する遊技球誘導部の誘導状態を遊技球検出領域による遊技球の検出に関連して変動させる誘導状態変動部材を備えた遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、遊技領域内に設けられた遊技球検出領域(入賞口、通過ゲートも含む。)への遊技球の入賞を始動スイッチ(始動入賞検出センサー)により検出し、該検出に基づき可変表示装置による可変表示ゲームを行わせ、該可変表示ゲームの停止結果に応じてアタッカーや電動チューリップ等の変動入賞装置を、遊技球が入賞し易い状態に変換させる遊技機が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の遊技機においては、従来、遊技球検出領域(始動スイッチを備えている。)と変動入賞装置が別体で離れた位置に配置されていたため、常時、遊技球検出領域を狙って遊技球を発射すると、遊技球検出領域による検出が多くなって可変表示装置による可変表示ゲームが頻繁に行われて、当たりの発生の機会も多くなる反面、変動入賞装置方向に落下する遊技球が少なくなってしまって、変動入賞装置が開放しても多くの入賞が得られなくなってしまうという問題点があった。
【0004】
だからといって、常時、変動入賞装置を狙って発射すると、当たった場合に変動入賞装置への入賞は多くなるが、遊技球検出領域による検出が少なくなって、その分、当たる機会が減ってしまって面白くない遊技になってしまうという問題点があった。
【0005】
また、最近では特別図柄(特図ともいう。)の可変表示装置と、特別変動入賞装置と、特図の遊技球検出領域とで本ゲームが行われる他、別に配設された普通図柄(普図ともいう。)可変表示装置と、普通変動入賞装置(普電ともいう。)と、普図の遊技球検出領域とで補助ゲームを行わせる遊技機が増えてきている。
【0006】
この補助ゲームを行わせる遊技機の場合、普通変動入賞装置の入賞部が特図の遊技球検出領域となっていて、普通変動入賞装置の開放によって特図の遊技球検出領域による遊技球の検出の機会が増やされるようになっているのが一般的である。
【0007】
これら本ゲームと補助ゲームを行わせる遊技機の場合、遊技者の利益に大きく係わる本ゲームで使用される装置(特図の可変表示装置、特別変動入賞装置、特図の遊技球検出領域)が遊技領域の中央に配置され、補助ゲームで使用される装置(普図可変表示装置、普通変動入賞装置、普図の遊技球検出領域)は、配置スペース上の問題から、遊技領域の中央部以外の箇所に配設されることが多い。
【0008】
普通変動入賞装置は、一般的に、前述のように特図の遊技球検出領域を備えているため、中央に位置している。また、普図可変表示装置は一般に小さいため特図の可変表示装置のケースや普通変動入賞装置と一体的に設けられているものが多い。
【0009】
しかし、普図の遊技球検出領域は遊技領域の中央部以外の両側部に設けられているものが多かった。
【0010】
本ゲームと補助ゲームの同時狙いは上述した従来のものでは不可能なため、遊技者は、通常、補助ゲームに比べて賞球獲得のチャンスが増える本ゲームを期待して、遊技領域の中央部を狙って遊技球を発射するので、普図の遊技球検出領域による遊技球の検出が少なくなって、補助ゲームがあまり発生しないことが多い。
【0011】
そのため、一部の遊技機では、本ゲームと補助ゲーム双方の機会を多く作り出そうとして、普図の遊技球検出領域(通常ゲートになっている)で検出された遊技球をその下方中央の特図の遊技球検出領域方向に導くための誘導部材(誘導壁やワープ装置)或いは障害釘を多数ならべた誘導釘等が配設されている。
【0012】
また、最近の遊技機には特図の大当たり状態(例えば、特図の大当たり図柄)に応じて、その大当たりの遊技(特別遊技)の終了後に、補助ゲーム(普図普電ゲーム)の当たりの発生確率を高確率状態にしたり、或いは単位時間当たりの補助ゲームの実行可能回数を通常状態よりも多くしたりして、特図の始動入賞検出スイッチを備えた普通変動入賞装置の開放の機会を多くして次の大当たりを早く発生させようとしているものがあるが、このような遊技機においても、従来の補助ゲーム関連装置(普図可変表示装置、普通変動入賞装置、普図の遊技球検出領域)の配置構成では、折角の補助ゲームの有利な状態を十分に発揮できない場合が多い。
【0013】
この発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、常時、同じ方向に遊技球を発射すれば、遊技球検出領域にも、変動入賞装置にも遊技球の入賞が可能となる遊技機を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、普図始動口への遊技球の入賞により普図可変表示ゲームを行う普図可変表示装置と、
特図始動口を備えると共に、前記普図可変表示ゲームが普図当たりの停止態様になった場合に、前記特図始動口に入賞し易く変換する普通変動入賞装置と、
前記特図始動口への遊技球の入賞により特図可変表示ゲームを行う特図可変表示装置と、
前記特図可変表示ゲームが特図当たりの停止態様になった場合に、入賞可能に変換する特別変動入賞装置と、
を備えた遊技機において、
前記特別変動入賞装置は、
その基枠の前面側に前記普図始動口と該普図始動口の側方に前記普通変動入賞装置とを配設し、
該普通変動入賞装置は、
変動入賞枠と変動誘導部材とから構成し、
該変動入賞枠は、
前記特図始動口を内部に備えると共に、
前記特図始動口の近傍まで延びていて該特図始動口に遊技球を誘導する遊技球誘導部を有し、
前記変動誘導部材は、
前記変動入賞枠の内部に設けられた支軸に基部側が軸支され、先端側には前記特図始動口の上方に位置する可動誘導部を有すると共に、
該可動誘導部の下部に流下案内部を設け、
前記遊技球誘導部と前記可動誘導部とが連続した状態で、遊技球を前記普図始動口方向へ誘導可能な第1状態と、
前記可動誘導部が遊技球1個分以上上昇されて、遊技球を前記遊技球誘導部から前記可動誘導部の下へ通し、前記流下案内部により前記特図始動口方向へ誘導可能な第2状態と、に上下回動可能に構成し、
前記第1状態時に、前記普図可変表示ゲームの結果が普図当たりの場合に、前記変動誘導部材が前記第2状態に回動する構成とし、前記遊技球誘導部に流下した遊技球が前記特図始動口に入賞するようになっている。
【0015】
この請求項1記載の発明によれば、前記特別変動入賞装置は、その基枠の前面側に前記普図始動口と該普図始動口の側方に前記普通変動入賞装置とを配設し、該普通変動入賞装置は、変動入賞枠と変動誘導部材とから構成し、該変動入賞枠は、前記特図始動口を内部に備えると共に、前記特図始動口の近傍まで延びていて該特図始動口に遊技球を誘導する遊技球誘導部を有し、前記変動誘導部材は、前記変動入賞枠の内部に設けられた支軸に基部側が軸支され、先端側には前記特図始動口の上方に位置する可動誘導部を有すると共に、該可動誘導部の下部に流下案内部を設け、前記遊技球誘導部と前記可動誘導部とが連続した状態で、遊技球を前記普図始動口方向へ誘導可能な第1状態と、前記可動誘導部が遊技球1個分以上上昇されて、遊技球を前記遊技球誘導部から前記可動誘導部の下へ通し、前記流下案内部により前記特図始動口方向へ誘導可能な第2状態と、に上下回動可能に構成し、前記第1状態時に、前記普図可変表示ゲームの結果が普図当たりの場合に、前記変動誘導部材が前記第2状態に回動する構成とし、前記遊技球誘導部に流下した遊技球が前記特図始動口に入賞することになる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。この実施の形態では、本発明を遊技機としてのパチンコ遊技機に適用した形態を示す。
【0035】
図1はパチンコ遊技機の遊技盤の正面図、図2は特別変動入賞装置の前面側斜視図、図3は変動入賞装置の通常状態を示す部分透視図、図4は変動入賞装置の変動状態を示す部分透視図、図5は変動入賞装置の分解斜視図である。
【0036】
図1に示すように、この実施の形態のパチンコ遊技機の遊技盤1の遊技領域2の中央には本ゲーム手段としての可変表示装置3が設置され、この可変表示装置3には特別図柄(特図ともいう。)可変表示部31、演出表示部32、一般入賞口33、上部入り口から入った遊技球を迂回させて下部出口から放出させるワープ案内部34,35、特図の始動記憶表示器36などが設けられている。
【0037】
この可変表示装置3の中央直下の左右位置に特別図柄始動口4,4が設けられる他、周りに、普図の遊技球検出領域(スルーチャッカー)5,5、風車と呼ばれる回転誘導部材6,6,…、装飾ランプ・LEDなどが設置されている。
【0038】
可変表示装置3の中央直下で、特別図柄始動口4,4の更に下方に、特別変動入賞装置100が設置されている。
【0039】
特別変動入賞装置100は、図2〜図4に示すように、その前面側に、開閉扉121によって開閉される大入賞口112、補助ゲーム手段としての普通図柄(普図ともいう。)可変表示装置124、普図の始動記憶表示器173、カウント表示器129、一般入賞口115,115、普図の遊技球検出領域としての普図始動口114aおよび普通変動入賞装置130等を備えている。普通変動入賞装置130は、特図の遊技球検出領域としての特図始動口113b、遊技球誘導部113c、電気的駆動手段によって駆動される変動誘導部材131を備えている。
【0040】
特別変動入賞装置100は、図5に示すように、遊技盤1の開口部(図示省略)に遊技盤1の前面側から取り付けられた基枠110と、該基枠110に取り付けられた開閉扉121、普通変動入賞装置130の各種構成部品(131,132など)、各種装飾部品(123,125,126など)、各種検出器(127,132,143,144)、基枠110の裏側に取り付けられた後枠140、各種駆動手段(210,220)、中継基盤180および取付ベース190等とから構成されている。
【0041】
基枠110は、遊技盤1に取り付けられる外周フランジ部111、中央上部の大入賞口112、左寄り下部の変動入賞枠113、右寄り下部の普図入賞枠114、および上部左右の一般入賞口115とその流路115aなどを備えている。
【0042】
そして、外周フランジ部111にはビス通し孔111aが、普図入賞枠114内には普図の遊技球検出領域としての普図始動口114a、普図始動検出スイッチ127の挿入用開口部114bなどがそれぞれ設けられている。
【0043】
また、変動入賞枠113内には変動誘導部材131の支軸113a、および特図の遊技球検出領域としての特図始動口113bが設けられるとともに、その上部に遊技領域2中を流下する遊技球を特図始動口113bおよび普図始動口114aの方向に誘導する遊技球誘導部113cが設けられている。遊技球誘導部113cの終端部は特図始動口113bの近傍位置まで延びている。
【0044】
基枠110の前面側の上部中央には、開閉扉121が取り付けられている。この開閉扉121は大入賞口112を開閉するもので、その下端左右の支軸121aが大入賞口112の下端側左右の軸受け部112aに支持されて回動自在となっている。
【0045】
基枠110の前面側の変動入賞枠113部分には、変動誘導部材131が取り付けられている。この変動誘導部材131は、その基部側に軸孔131aおよび動力伝達ピン131bを有するとともに、その先端側上部と先端部にそれぞれ可動誘導部131cと流下案内部131dを有し、その軸孔131aが変動入賞枠113内の支軸113aに外嵌され、支軸113aを軸心として回動自在に支持されている。
【0046】
変動誘導部材131は、その支持された状態において、通常時は、時計方向に回動復帰し、可動誘導部131cが下降していて、図3に示すように、遊技球誘導部113c上の誘導面に可動誘導部131c上の誘導面がほぼ面一に連続した状態となっている。そして、その可動誘導部131cの先端部が普図始動口114aの近くに至り、遊技球誘導部113cと可動誘導部131cとで協働して、遊技領域2中を流下して遊技球誘導部113c上に至った遊技球を普図始動口114a方向に誘導しうる状態(第1状態)となっている。
【0047】
が、変動誘導部材131が、図4に示すように、反時計方向に駆動されて可動誘導部131cが遊技球1個分以上上昇されると、遊技領域2中を流下して遊技球誘導部113c上に至った遊技球、遊技球誘導部113cに誘導されて可動誘導部131cの下を通り流下案内部131dに案内されて特図始動口113b方向に流下可能な状態(第2状態)となる。
【0048】
基枠110前面の右端には、普図可変表示器124および装飾用LED123aが配設された装飾板123が取り付けられている。この装飾板123の前面側には、その普図可変表示器124の付いた基部側を覆うレンズ部材122とそれ以外の部分を覆うレンズ部材125が装着されている。そして、その更に前面側に、レンズ部材122および125を覆う透明カバー126が取り付けられている。なお、装飾板122、レンズ部材125および透明カバー126は、それぞれ、一般入賞口115の流路115aを避ける切欠き部123b,125a,126aを備えている。
【0049】
透明カバー126の、基枠110の軸受け部112aと対応する位置には開閉扉121の軸121aの軸押さえ126dが設けられている。
【0050】
図示は省略するが、基枠110前面の左側にも、それら右側のものと対称に作られた台座、装飾板、装飾枠およびレンズ枠が取り付けられている。但し、左側の装飾板には、普図可変表示器124の代わりにカウント表示器129(図1)が取り付けられている。
【0051】
また、変動入賞枠113側の特図始動口113bには特図始動スイッチ132が、普図始動枠114側の普図始動口114aには普図始動スイッチ127が、それぞれ取り付けられている。
【0052】
また、基枠110の前面側の下部中央に、普通変動入賞装置130および普図始動枠114などを覆う前面カバー128が取り付けられている。
【0053】
一方、基枠110の裏側上部に、後枠140が取り付けられている。この後枠140の前側には、基枠110の大入賞口112に流入した遊技球(入賞球)を受け入れて遊技盤1裏側の入賞球案内樋(図示省略)に導く入賞凹室141と、該入賞凹室141からの流出口142が設けられている。この流出口142には、大入賞口112中の継続入賞領域に入賞した遊技球を検出する継続スイッチ143と大入賞口112中の一般入賞領域に入賞した遊技球を検出するカウントスイッチ144が設置されている。
【0054】
この後枠140の右側側部に開閉扉駆動用ソレノイド210が取り付けられ、該ソレノイド210のプランジャに駆動力伝達部材211が取り付けられている。この駆動力伝達部材211が開閉扉121の背面側の突起(図示省略)に係合していて、通常時は、ソレノイド210がオフ(OFF)となって、開閉扉121が閉じた状態になっている。が、特別遊技時などに、ソレノイド210がオン(ON)されると、ソレノイド210の駆動力により、駆動力伝達部材211を介して、開閉扉121が開放される。
【0055】
後枠140の裏側には、装飾ランプ基板171や配線用中継基盤180などが取り付けられている。
【0056】
基枠110の左端の裏側には普電ソレノイド220が取り付けられ、該ソレノイド220のプランジャ221に駆動力伝達部材222が取り付けられている。この駆動力伝達部材222の挿通孔222aに、基枠110の開口部(図示省略)を介してその裏側に突出した変動誘導部材131の駆動力伝達ピン131bが挿通されていて、通常時は、ソレノイド220がオフ(OFF)していて、変動誘導部材131が図3に示す通常状態に復帰している。が、普図の可変表示ゲームにより、普図の当たりが発生してソレノイド220がオン(ON)になると、ソレノイド220の駆動力で変動誘導部材131が、図4に示すように反時計方向に回動されてその先端の可動誘導部131cが上昇された状態となる。
【0057】
また、基枠110裏側の中央部近傍位置には、普図の始動記憶表示基板172が取り付けられている。この普図の始動記憶表示基板172には、普図始動記憶表示器(LED)173が取り付けられていて、基枠172の開口部116中に挿通された状態になっている。
【0058】
また、基枠110裏側の中央下部に取付ベース190が取り付けられている。この取付ベース190は基枠110の裏側中央下部を覆うもので、特図始動口113b中に入った遊技球(入賞球)を裏側に通す開口部191、普図始動口114aに入った遊技球(入賞球)を裏側に通すゲート192、普図の遊技球検出領域127の取付時に普図始動スイッチ127の先端部を通す開口部193等が設けられている。
【0059】
図6には、本実施形態のパチンコ遊技機の裏側に設置された、遊技系統の制御を行う役物制御回路10A、および表示制御回路40Aの主要制御ブロック図を示す。
【0060】
図6において、役物制御回路10Aは、内部にCPU(central processing unit)11aおよびRAM(random access memory)11bを備え、外部にROM(read only memory)12を備えた役物用IC(集積回路)11、分周回路13、電源回路14、I/Oバス20、サウンドジェネレータ21、出力ポート15、ドライバー16、ローパスフィルタ17、バッファゲート18などにより構成されている。
【0061】
そして、ローパスフィルタ17には、特図始動口113bの特図始動スイッチ132等、普図始動口114aの普図始動スイッチ127等、カウントスイッチ144、継続スイッチ143、およびパチンコ遊技機の裏側の確率設定装置300などが接続され、ドライバー16には、特別変動入賞装置100、特図始動記憶表示器36、普図始動記憶表示器173、普通図柄可変表示器124、普通変動入賞装置130、およびサイドランプを含む各種装飾ランプ・LEDなどが接続されている。サウンドジェネレータ21には、アンプ22aを介してスピーカー21bが接続されている。
【0062】
また、役物用IC11に、特別図柄の可変表示部31と演出表示部32の表示制御を行う表示制御回路40Aが接続されている。
【0063】
CPU11aは、制御部、演算部、各種カウンタ(普図即止めカウンタなど)、各種レジスタ、各種フラグ(リーチフラグ等)などを備え、演算制御を行う他、特別遊技や特定遊技の発生確率を定める乱数なども生成している。
【0064】
RAM11bは各種データを一時的に記憶する記憶領域や作業領域を備え、ROM12にはパチンコ遊技機100の遊技制御や表示制御のプログラム、特別遊技や特定遊技発生の通常確率と高確率の乱数判定値などが書き込まれている。
【0065】
図示は省略するが、表示制御回路40Aは、CPU(central processing unit)、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)などを備え、該ROMには特図可変表示部4aへの表示データや表示制御プログラムなどが書き込まれ、該RAMは各種データの記憶領域とCPUによる作業領域などを備えている。
【0066】
表示制御回路40AのROM中には特図の可変表示部31に可変表示される左,中,右の変動図柄データや演出表示部32に表示される画像データなどが書き込まれている。
【0067】
このように構成されていて、役物用IC11が、普図の遊技球検出領域としての普図始動スイッチ127や特図の遊技球検出領域としての特図始動スイッチ132からの検出信号に基づき、ROM12中の遊技制御プログラムに従って、普通図柄可変表示器124に普通図柄の可変表示ゲームを行わせたり、表示制御回路40Aを介して特別図柄可変表示部31に特別図柄の可変表示ゲームを行わせたりする。
【0068】
また、この役物制御用IC11は、普通図柄の可変表示ゲームや特別図柄の可変表示ゲームの結果、および特図始動スイッチ132、普図始動スイッチ127、カウントスイッチ144、継続スイッチ143からの検出信号などに基づき、特図始動記憶表示器36、普図始動記憶表示器173、普通図柄表示装置124、サイドランプを含む装飾ランプおよびLEDなどを、ROM12中の制御プログラムに沿って、例えば、次のように制御する。
【0069】
遊技領域2に発射された遊技球が普図の遊技球検出領域(スルーチャッカー)5,5中を通過するか、或いは、変動入賞装置130の遊技球誘導部113cに誘導されて普図の遊技球検出領域(スルーチャッカー)114a中を通過して普図始動スイッチ127等の検出信号がローパスフィルター17側から入力されると、ドライバー16への出力に基づき普図の可変表示器124による補助ゲームとしての補助可変表示ゲームが行われる。この補助可変表示ゲーム中に普図の遊技球検出領域(スルーチャッカー)5,5中或いは114a中を遊技球が通過して普図始動スイッチ127からの検出信号がローパスフィルター17側から入力されると、その通過の検出回数がRAM12に記憶され、その記憶数の表示信号がドライバー16に出力されて、普図の始動記憶表示器173がその記憶数分だけの個数点灯される。そして、その記憶個数分だけの補助ゲーム(補助可変表示ゲーム)が順に行われる。
【0070】
この補助可変表示ゲームの結果、特定の停止表示態様(例えば、「7」の数字)であれば、普図の当たりとなって、普通変動入賞装置130の変動誘導部材130が図4に示すように変動(反時計方向に回動)して、遊技球誘導部113c上に流下した遊技球が普図の遊技球検出領域(スルーチャッカー)114aの方向には誘導されなくなって、特図の遊技球検出領域(特図始動口)113b方向に誘導されるようになる。
【0071】
このように変動された普通変動入賞装置130の特図の遊技球検出領域(特図始動口)113b中に遊技球が入賞するか、或いはその上方の特図の遊技球検出領域(特図始動口)4中に遊技球が入賞すると、特別図柄可変表示部31により本ゲーム(特別図柄の可変表示ゲーム)が行われるとともに、演出表示部32にその特別図柄可変表示ゲームに関連した演出表示(例えば、ヨットレースなどのストーリー性のある演出表示)がなされる。この特別図柄の可変表示ゲーム中に特図の遊技球検出領域(特図始動口)4,113bに遊技球が入賞すると、その入賞による特図の可変表示ゲームの未処理回数(特図の未処理始動回数)が記憶され、その記憶数が特図の始動記憶表示器36の点灯個数となって表示され、その記憶数分、特別図柄の可変表示ゲームが行われる。
【0072】
この特別図柄の可変表示ゲームの結果、演出表示部32の演出表示が大当たりを発生させる所定の停止表示態様になると、特別図柄可変表示部31の特別図柄可変表示ゲームの結果も大当たりを発生させる所定の停止表示態様(例えば、「1,1,1」、「2,2,2」、「3,3,3」などのぞろめ)となって、大当たりと呼ばれる特別遊技が発生される。
【0073】
この特別遊技は、特別変動入賞装置100の開閉扉121が所定時間(例えば、29.5秒)開放されて閉じるサイクルを1サイクルとし、各サイクル中、遊技球が大入賞口112中の継続入賞領域の継続スイッチ143(後述)に検出されることを条件に所定サイクル(例えば、16サイクル)まで継続される遊技である。但し、各サイクル中、大入賞口112に遊技球が所定個数(例えば、10個)入賞したときはその時点でそのサイクルを終了する。各サイクル中、大入賞口112への入賞個数は、カウント表示器129に表示される。
【0074】
この特別遊技が、特図可変表示ゲームの特定の停止表示態様(例えば、「3,3,3」、「5,5,5」、「7,7,7」など)で発生したときには、その特別遊技の終了後、例えば、大当たりが2回発生するまで、普図の可変表示ゲームが即止め状態となる特殊遊技が発生される。
【0075】
図7には役物制御回路10Aによって行われるメイン遊技制御処理(ゼネラルフロー)のフローチャートを示す。
【0076】
この制御処理は、図7の分周回路13により作り出される基準時間(例えば、約2ms) 毎に1シーケンスずつ行われる。
【0077】
役物用IC11に分周回路13からのリセット信号が入ると、この処理が開始され、ステップS1において先ず電源の投入時であるか否かを判定し、電源投入時であればステップS2で電源投入処理をしてそのまま1シーケンスの処理を終了するが、電源投入時でなければステップS3で特図始動スイッチ6dや普図始動スイッチ7aの入力処理をしてステップS4に移行する。
【0078】
ステップS4では、役物用IC11による制御処理の過程で定められる処理NO.に従って、普段処理(ステップS5)、高速変動処理(ステップS6)、左図柄停止処理(ステップS7)、中図柄停止処理(ステップS8)、リーチ停止処理(ステップS9)、右図柄停止処理(ステップS10)、停止図柄判定処理(ステップS11)、ファンファーレ処理(ステップS12)、インターバル処理(ステップS13)、大当たり処理(ステップS14)、外れ処理(ステップS15)、大当たり終了処理(ステップS16)のうちの対応する処理をして次のステップS17に移行する。
【0079】
その後、順に、普図状態設定処理(ステップS17)、普通図柄可変表示器124の普通図柄の可変表示ゲーム(補助ゲーム)と普通変動入賞装置130の変動誘導部材131の回動の制御処理に関する普図普電処理(ステップS18)、管理装置との情報のやり取りの制御処理に関する外部情報処理(ステップS19)、特別遊技発生に関与する乱数と特定遊技発生に関与する乱数の更新処理に関する乱数更新処理(ステップS20)、特別図柄可変表示部31の特別図柄と普通図柄変動入賞装置130の普通図柄の停止態様の更新に関する停止図柄更新処理(ステップS21)、特別図柄可変表示部31の表示図柄の編集に関する表示図柄編集処理(ステップS22)、役物用IC11から表示制御回路40Aへのデータ転送に関するデータ転送処理(ステップS23)、各種装飾ランプ、LEDおよびスピーカー21bへの出力処理(ステップS24)をして1シーケンスの処理を終了する。
【0080】
そして、役物用IC11に分周回路13からの次のリセット信号が入るのを待って、次のシーケンス処理(ステップS1〜S24までの処理)が行われる。
【0081】
図8には、図7のゼネラルフローのステップS17の普図状態設定処理のサブルーチン処理としてのフローチャートを示す。
【0082】
この普図状態設定処理は、先ず、ステップS30においてRAM11b中の普図確率変動カウンタ「0」であるか否かを判定し、「0」であればステップS31で普図の可変表示ゲームにおける当たり確率(普図当たり確率)を通常状態にしてステップS32に移行するが、「0」でなければステップS33で普図当たり確率を高確率状態にし次のステップS35で普図の可変表示ゲームにおける変動時間(普図の変動時間)を即止め状態(例えば、変動時間が6秒)にしてゼネラルフロー(図7)のステップS18に移行する。
【0083】
ここで、普図確率変動カウンタのカウンタ値は、あと何回大当たりが発生するまで普図当たり発生の確率が高確率状態に維持されるかの残りの回数を記憶するもので、例えば、「0」であれば0回、「1」であれば1回、「2」であれば2回となる。
【0084】
ステップS32ではCPU11a中の普図即止めカウンタが「0」であるか否かを判定し「0」であれば普図の変動時間を通常状態(例えば、29.5秒)にしてゼネラルフロー(図7)のステップS18に移行するが、「0」でなければ普図の変動時間を即止め状態にしてゼネラルフロー(図7)のステップS18に移行する。
【0085】
ここで、普図即止めカウンタのカウンタ値は、あと何回特図可変表示ゲームが行われるまで普図可変表示ゲームの即止め状態が続くのかの残りの回数を記憶するもので、例えば、「0」であれば0回、「30」であれば30回、「50」であれば50回となる。
【0086】
この発明の実施の形態に係るパチンコ遊技機は、上記のように、特別変動入賞装置100、普通変動入賞装置130、普図始動口114aおよび特図始動口113bが遊技領域2の中央に集中して設けられているので、常時、遊技球誘導部113c方向に遊技球を発射するようにすれば、遊技球誘導部113cに誘導されて普図始動口114aに流れる球が増え、それによって、普図始動スイッチ127による遊技球の検出回数が増える分、普図の可変表示ゲームが行われる回数が増える。そして、それによって、普通変動入賞装置130の遊技球誘導部113cからの遊技球が特図始動口113bに流入する可能性が増え、その分、特図の可変表示ゲーム回数も増加されて特別遊技が発生される可能性も増え、特別遊技が発生した場合においても、遊技球の発射方向を変えないで、特別変動入賞装置100への遊技球の入賞を期待することができ、遊技球の発射方向を変えるわずらわしさがない状態で遊技が行え、遊技の興趣性が増すものとなる。
【0087】
また、変動入賞装置130の変動誘導部材131が、遊技球誘導部113cにより誘導される遊技球を、常時は普図始動入賞口114a方向に誘導するようになっていて、普図の当たり時に特図始動口113b方向に誘導する状態に変換されるので、常時、遊技球誘導部113c方向に遊技球を発射するだけで、普図始動口114aへの入賞とその入賞に基づく普図可変表示ゲームによる普図当たりの発生と、普図当たり時における特図始動口113bへの入賞とその入賞に基づいて行われる特図可変表示ゲームによる大当たり(特別遊技)の発生と、特別遊技時における特別変動入賞装置100への入賞を期待することができ、遊技球の発射方向を変えるわずらわしさがなく、遊技の興趣性が増すものとなる。
【0088】
また、特別変動入賞装置100に普図始動口114aと普通変動入賞装置130、特図始動口113bを集中して設けたので、従来のように、普図の遊技球検出領域(普図の始動口のみならず、通過式のゲートを含む。)を特別変動入賞装置100を避けた、遊技領域2の側方部に設けなくて済み、遊技領域2のスペースの有効利用が図れるとともに、遊技球をその箇所に集中して発射するだけで、遊技上の変化を楽しむことができる。
【0089】
また、特図可変表示装置31と特別変動入賞装置100による遊技も楽しめる他、特別遊技状態を発生させる本ゲーム(特図可変表示ゲーム)の結果如何によって補助ゲーム(普図可変表示ゲーム)を遊技者に有利な状態に変換させる特殊遊技が発生されるので、遊技球を遊技球誘導部113cに集中して発射するだけで、遊技上の変化を楽しむことができる。
【0094】
【発明の効果】
この請求項1記載の発明によれば、特別変動入賞装置、普通変動入賞装置、普図始動口および特図始動口が集中して設けられているので、常時、遊技球誘導部方向に遊技球を発射するようにすれば、遊技球誘導部に誘導されて普図始動口に流れる球が増え、それによって、普図の可変表示ゲームが行われる回数が増える。それによって、普通変動入賞装置の遊技球誘導部からの遊技球が特図始動口に流入する可能性が増え、その分、特図の可変表示ゲーム回数も増加されて特別遊技が発生される可能性も増え、特別遊技が発生した場合においても、遊技球の発射方向を変えないで、特別変動入賞装置への遊技球の入賞を期待することができ、遊技球の発射方向を変えるわずらわしさがない状態で遊技が行え、遊技の興趣性が増すものとなる。
また、変動入賞装置の変動誘導部材が、遊技球誘導部により誘導される遊技球を、常時は普図始動入賞口方向に誘導するようになっていて、普図の当たり時に特図始動口方向に誘導する状態に変換されるので、常時、遊技球誘導部方向に遊技球を発射するだけで、普図始動口への入賞とその入賞に基づく普図可変表示ゲームによる普図当たりの発生と、普図当たり時における特図始動口への入賞とその入賞に基づいて行われる特図可変表示ゲームによる大当たり(特別遊技)の発生と、特別遊技時における特別変動入賞装置への入賞を期待することができ、遊技球の発射方向を変えるわずらわしさがなく、遊技の興趣性が増すものとなる。
また、特別変動入賞装置に普図始動口と普通変動入賞装置、特図始動口を集中して設けたので、従来のように、普図の遊技球検出領域(普図の始動口のみならず、通過式のゲートを含む。)を特別変動入賞装置を避けた、遊技領域の側方部に設けなくて済み、遊技領域のスペースの有効利用が図れるとともに、遊技球をその箇所に集中して発射するだけで、遊技上の変化を楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機の遊技盤の正面図である。
【図2】特別変動入賞装置の前面側斜視図である。
【図3】変動入賞装置の通常状態を示す部分透視図である。
【図4】変動入賞装置の変動状態を示す部分透視図である。
【図5】変動入賞装置の分解斜視図である。
【図6】本実施形態のパチンコ遊技機の裏側に設置された、遊技系統の制御を行う役物制御回路、および表示制御回路の主要制御ブロック図である。
【図7】役物制御回路によって行われるメイン遊技制御処理(ゼネラルフロー)のフローチャートである。
【図8】図7のゼネラルフローのステップS17の普図状態設定処理のサブルーチン処理としてのフローチャートである。
【符号の説明】
1 遊技盤
2 遊技領域
31 特図可変表示装置(本ゲーム手段、可変表示ゲーム手段)
100 特別変動入賞装置
112 大入賞口
113b特図始動口(入賞部、遊技球検出領域)
113c遊技球誘導部
114a普図始動口(遊技球検出領域)
121 開閉扉
124 普図可変表示器(補助ゲーム手段、可変表示ゲーム手段)
127 普図始動スイッチ
130 普通変動入賞装置(変動入賞装置)
131 変動誘導部材
131c可動誘導部
132 特図始動スイッチ
220 普電ソレノイド(電気的駆動手段)

Claims (1)

  1. 普図始動口への遊技球の入賞により普図可変表示ゲームを行う普図可変表示装置と、
    特図始動口を備えると共に、前記普図可変表示ゲームが普図当たりの停止態様になった場合に、前記特図始動口に入賞し易く変換する普通変動入賞装置と、
    前記特図始動口への遊技球の入賞により特図可変表示ゲームを行う特図可変表示装置と、
    前記特図可変表示ゲームが特図当たりの停止態様になった場合に、入賞可能に変換する特別変動入賞装置と、
    を備えた遊技機において、
    前記特別変動入賞装置は、
    その基枠の前面側に前記普図始動口と該普図始動口の側方に前記普通変動入賞装置とを配設し、
    該普通変動入賞装置は、
    変動入賞枠と変動誘導部材とから構成し、
    該変動入賞枠は、
    前記特図始動口を内部に備えると共に、
    前記特図始動口の近傍まで延びていて該特図始動口に遊技球を誘導する遊技球誘導部を有し、
    前記変動誘導部材は、
    前記変動入賞枠の内部に設けられた支軸に基部側が軸支され、先端側には前記特図始動口の上方に位置する可動誘導部を有すると共に、
    該可動誘導部の下部に流下案内部を設け、
    前記遊技球誘導部と前記可動誘導部とが連続した状態で、遊技球を前記普図始動口方向へ誘導可能な第1状態と、
    前記可動誘導部が遊技球1個分以上上昇されて、遊技球を前記遊技球誘導部から前記可動誘導部の下へ通し、前記流下案内部により前記特図始動口方向へ誘導可能な第2状態と、に上下回動可能に構成し、
    前記第1状態時に、前記普図可変表示ゲームの結果が普図当たりの場合に、前記変動誘導部材が前記第2状態に回動する構成とし、前記遊技球誘導部に流下した遊技球が前記特図始動口に入賞することを特徴とする遊技機。
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