JP3760481B2 - パチンコ機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、権利が発生して多くの賞品球を排出した後、獲得賞品球の減少を抑制するパチンコ機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機の遊技中において、遊技球が特定領域を通過すると、図柄表示器の図柄表示部の図柄が変動を開始し、所定時間後に、予め設定された図柄で停止されると大当りとなり、通常は、遊技球を殆ど受入れない特定入賞装置が、遊技球を受入れ易くなる。そこで、遊技球が前記特定入賞装置に入って、特別装置作動領域を通過すると、権利が発生し、権利中には多量の賞品球を獲得できる、所謂、第3種のパチンコ機がある。尚、特定の条件で大当りを発生した場合には、獲得賞品球を交換することなく、遊技の続行可能としている遊技店もある。
又、この第3種のパチンコ機は、電源投入時には第2確率状態(大当りとなる確率値が低い)であり、図柄表示器の停止図柄が予め設定の図柄と一致して大当りが発生すると、通常は、遊技球を殆ど受入れない特定入賞装置が、遊技球を受入れ易い状態となる。そこで、遊技球が前記特定入賞装置に入って、特別装置作動領域を通過すると、権利が発生し、権利中には多量の賞品球を獲得でき、更に、前記権利が消滅すると、その後、所定回数(例えば、2回)に限り、第1確率状態(大当りとなる確率値を高確率の状態)に設定変更する、確率変動形式のものもある。この確率変動形式のパチンコ機(所謂、1セット(3回の大当たり)で賞品球を排出)に対して、遊技店では、1セットが終了して、第2確率状態(電源投入時状態)となった時点で、獲得した賞品球を景品と交換するようにしていることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記の確率変動しないパチンコ機にあっては、特定条件で大当りが発生し、獲得賞品球を交換することなく遊技を続行したとき、遊技者によって、次の大当りが発生するまでに獲得賞品球の多くを消費した遊技者と、短時間に次の大当りを得た遊技者とで、最終の獲得賞品球に大きな差が生じる。
又、前記確率変動形式の第3種パチンコ機は、権利消滅後に、次の大当りとなる確率値が第1確率状態(高確率)となるため、遊技球をあまり使用することなく、大当りとなることが多いので、最初の第2確率状態(低確率)に一旦大当りを発生すると、その後、権利発生、消滅を所定回数(例えば、2回)繰り返すことができる。即ち、遊技者は、1回の大当りでの獲得賞品球に較べて、1セット(3回の大当たり)で3倍近い賞品球を獲得することができる。しかしながら、権利消滅後、大当りの確率値が第1確率状態であっても、短時間に大当りとならず、折角獲得した賞品球の多くを消費した遊技者と、短時間後に大当りを発生させた遊技者とで、獲得賞品球に大きな差が生じる。
前記した様に、大当りが発生後、次の大当りが発生するまで、遊技者によって、獲得遊技球に大きな差が生ずる不合理があり、本発明は、これをできるだけ解消するパチンコ機を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1のパチンコ機は、複数の図柄を表示可能な図柄表示部と、特定領域と、普通電動役物と、特別装置作動領域と、始動入賞口と、大入賞口を配し、
前記普通電動役物は閉成状態と、第1開成状態と、その第1開成状態に比べて遊技球が入賞し易い第2開成状態に変更可能である。
そして、遊技球が特定領域を通過したことに関連して、前記図柄表示部に小当り図柄が得られた場合には前記普通電動役物が閉成状態から第1開成状態に変更し、前記図柄表示部に大当り図柄が得られた場合には前記普通電動役物が閉成状態から第2開成状態に変更して、普通電動役物へ遊技球が入賞すると賞品球の獲得が可能である。
又、大当り図柄が得られる確率は、第1確率状態とこの第1確率状態に比べて低い第2確率状態に変更可能である。
又、第1確率状態において、小当り図柄が得られる確率は第1確率状態において大当り図柄が得られる確率に比して高く設定してあると共に、第2確率状態において、小当り図柄が得られる確率は第2確率状態において大当り図柄が得られる確率に比して高く設定してある。
又、第1開成状態又は第2開成状態における普通電動役物への入賞球は、1個目を除く所定個数目が、特別装置作動領域を通過可能であると共に通過すると権利が発生し、この権利が発生中に、遊技球が前記始動入賞口を通過すると大入賞口が開口状になって多量の賞品球の獲得が可能となる。
そして、第2確率状態において発生した権利が消滅すると、第1確率状態に変更し、この第1確率状態における小当りの確率が第2確率状態における小当りの確率に比べて高いことにより、消費される遊技球を抑制可能である。
【0005】
【作用】
請求項1のパチンコ機は、第2確率状態(低確率状態)で大当り図柄が得られて権利が発生し、その後、権利が消滅すると、第1確率状態(高確率状態)に変更する。
この第1確率状態への変更に伴って、小当りの確率は第2確率状態における小当りの確率より高く設定してある。
このように、小当りの確率を高く設定することによって、普通電動役物への入賞が多くなり、普通電動役物へ入賞した1個目の入賞球が、特別装置作動領域を通過する構成であると、第1確率状態に変更後、早期に権利が発生してしまう。 そこで、普通電動役物への多くの入賞球数と権利発生に対する均衡を図る必要から、普通電動役物へ入賞した1個目で権利を発生させることなく、予め設定された個数目で権利発生をさせる構成にしてある。
以上の構成によって、権利消滅から次の権利発生に到る過程において、小当りの確率を高く設定することに伴い、権利発生を抑制し、且つ、消費する遊技球の減少を図ることができる。
【0006】
【実施例】
(実施例1)
本実施例のパチンコ機1の正面図(図1)は、所謂、第3種の確率変動形式の、3回権利もののパチンコ機であって、6は前面枠であり、7は開閉自在のガラス枠であり前面枠6に取り付けられている。5は遊技球を発射する操作ハンドル、8は上皿、9は下皿、27はアウト孔、25は入賞孔である。又、遊技板3のほぼ中央部には、3個の数字(0〜9)の図柄を変動表示する図柄表示部L1、L2、L3を有する図柄表示器Lが設置してあり、遊技球が特定領域22に入ると、図柄表示器Lの図柄表示部L1、L2、L3の図柄が可変開始して、所定時間後に停止する。そして、停止図柄が予め設定の図柄(例えば、各図柄表示部L1、L2、L3の図柄が全て同じ図柄(大当り図柄)となる、「0、0、0」〜「9、9、9」)と一致したとき大当りとし、図柄表示部L2、L3の2つの図柄が揃った(「0、1、1」、「0、9、9」、「1、9、9」等)(小当たり図柄)のときには小当りとし、所定時間経過後に、開閉可能な普通電動役物23が所定時間(大当り時には5.8秒間(第2開成状態)、小当り時には1秒間(第1開成状態))開く。そして、この普通電動役物23を通過した遊技球が、その下に設置の特定入賞装置30の特別装置作動領域29を通過すると、「権利」が発生する。
【0007】
図2は特定入賞装置30の斜視図である。普通電動役物23に入った遊技球Yは直下して、近接スイッチ31で検知されて、誘導路32aで後ろ側に流下し、再度、誘導路32bを介して前方に流下可能となっている。33a、33bは図示略の駆動体で揺動される開口片であって、常時は、開口片33a、33bは互いに頂点で近接状態を維持し、前記誘導路32bを流下してくる遊技球Yを、左右に形成の特定入賞口34a、34bに排出する。しかし、前記近接スイッチ31で、所定時間内に通過する遊技球の3個目を検出すると、前記開口片33aを反時計方向に、開口片33bを時計方向に開き、図2に示すように、3個目の遊技球を受入れ可能な停留部35を形成し、停留遊技球Yaを受け入れる。そのため、4個目以後の遊技球は、停留遊技球Yaのために、特定入賞口34a、34bの何れかに排出される。そして、前記普通電動役物23が、閉状態となった後、2秒後に、前記停留部35の遊技球Yaは開放されて、特別装置作動領域29を通過して「権利」が発生する。尚、この権利は、遊技球が特別装置作動領域29を通過するか、遊技球が後述の始動入賞装置24の始動入賞口(図示略)に16個入賞すると消滅する。
【0008】
前記「権利」発生中に、始動入賞装置24に付設の反時計方向に10秒で1回転する回転体16に保持された遊技球が、始動入賞口(図示略)に遊技球が入ることによって、大入賞口28は所定時間(例えば、約9.8秒)開口状態を維持した後閉となるか、前記所定時間内であっても、遊技球が所定個数(例えば、10個)入賞すると閉となって、多量の賞品球の排出を可能としている。又、この権利中に、遊技球が第3種始動口24に再度入賞すると、大入賞口28が開放し、所定時間(10秒)或いは所定個数(10個)の入賞があれば閉じ、更に、この第3種始動口24への入賞があれば、これを所定回数(例えば、16回)繰返す。
【0009】
尚、本実施例のパチンコ機は、電源投入後、権利発生、権利終了に対して、図3に示すように、第1確率状態と第2確率状態に変動するように設定してある。尚、第1確率状態と第2確率状態を選択する選択手段は、本実施例では、ソフトウエアで行っている。
電源が投入された時点においては、ソフトウエアを介して、第2確率状態に設定してあり、大当りと小当りの確率値は共に低確率(大当りの低確率値は1/256、小当りの低確率値は10/256)となっている。この状態で、大当りとなって権利が発生(1回目の権利)し、権利が消滅すると、第1確率状態に変更し、大当りの確率は高確率値(10/256)、小当りも高確率値(100/256)に変更する。以下、2回目の権利が消滅した時点で、再度、第1確率状態となり、3回目の権利が発生した時点で、第2確率状態となって、以後、電源投入時状態に戻る。
【0010】
次に、前記構成のパチンコ機について、図4に示す制御フローで説明する。尚、この制御フローは、割り込み処理によって実行され、前記第1確率状態か第2確率状態かの選択は、他のソフトで処理され、又、判定カウンタHcは、電源投入時から、2.048ms毎の割り込みによって加算される0〜255の循環カウンタである。
先ず、遊技球が特定領域22を通過したかを判定し(S1)、通過しなかったときには終了する。反対に、通過したときには、判定カウンタHcの値を読み込む(S2)。そして、第2確率状態であるかを判断し(S3)、第2確率状態であるときには、判定カウンタHcが10であるかを判断する(S4)。判定カウンタHcが10であるときには、図柄表示部L1、L2、L3の図柄が全て揃うように図柄を停止させる等の大当りの処理を行う(S5)。尚、大当りの停止図柄の選定等は、停止図柄カウンタ等を別途に用いて行う、よく知られた方法であるため、説明を略す。又、前記ステップ4で、大当りは「10」の単数であるため、低確率のときの大当りの確率値は、1/256であり、この大当りとなると、普通電動役物23が5.8秒間、開く。
【0011】
尚、遊技球の発射数は、規則により1分間に100個以内と規定されていて、例えば、1分間に99個発射し、それらの遊技球が全て普通電動役物23を通過したとすると、1.65個/秒となり、5.8秒間で、遊技球は、9.57個通過することとなる。そして、普通電動役物23が開いている間に通過する遊技球は、前記のごとく十分に確保でき、3個目のときには開口片33a、33bが互いに開き、停留部35に遊技球を受け入れる。その後、前記普通電動役物23が、閉状態となった後、2秒後に、前記停留部35の遊技球は開放されて、特別装置作動領域29を通過して1回目の「権利」が発生する(S6、S7)。そして、他のソフトウエアを介して、始動入賞装置24の回転体16に保持された遊技球が、始動入賞口(図示略)に入ることによって、大入賞口28は所定時間(例えば、約9.8秒)開口状態を維持した後閉となるか、前記所定時間内であっても、遊技球が所定個数(例えば、10個)入賞すると閉となって、多量の賞品球の排出を可能としている。尚、この1回目の権利が発生しても、図3に示すように、第2確率状態を維持し、大当りと小当りの確率値は、共に、低確率を維持する。
【0012】
前記ステップ4で、判定カウンタHcが10でなく、100以上で109以下の場合には、小当りとなる(S8、S9)。この小当りのときには、普通電動役物23が1秒間、開き、1.65個/秒で、通過することとなるが、遊技板上に植設された釘等によって、タイミングが合い、かたまって3個以上が通過することも考えられ、特別装置作動領域29を通過して、権利発生となることが生ずる場合もあり、興趣の増加となる。その後、権利が発生したかを判定して終了する(S7)。尚、小当たりの停止図柄の選定は、別途、停止図柄カウンタ用いて行う、よく知られた方法であるため、説明を略す。
【0013】
前記ステップ3で、第2確率状態でない、即ち、図3に示す、権利が消滅した時点で、第2確率状態から第1確率状態に変更されている場合には、判定カウンタHcが10以上、19以下であるかを判定する(S10)。この大当りの確率値は10/256であり、2回目の権利、3回目の権利が発生し易いように高確率に設定してあり、大当りのときにはステップ5へ進んで、前記した大当りの処理を行い、権利発生かを判断して終了する(S6、S7)。一方、判定カウンタHcが100以上で199以下のときには、小当りの処理を行うため、ステップ9を実行する。この第1確率状態の小当りの確率値は、100/256(低確率値に比して10倍)であるため、普通電動役物23が1秒間、開状態(第1開成状態)となるが、頻繁に開く。そのため、多くの遊技球が普通電動役物23を通過し、賞品球を多く獲得できる。即ち、第2確率状態で権利が発生し、その権利が消滅後において、次の権利が発生するまでは、第1確率状態に変更され、大当りの確率値及び小当りの確率値が共に、高確率としているため、例え、次の権利発生までに、長時間にわたって遊技球を消費しても、小当りとして、普通電動役物23が頻繁に開いて特定入賞装置30に入賞するため、その遊技球に見合った賞品球を補うことができる。その結果、短時間経過後に、大当りとなる遊技者とほぼ同じ賞品球を獲得でき、各遊技者間の不公平感を解消することができる。又、前記のように、頻繁に普通電動役物23を開くことによって、連続して3個の遊技球が通過し、特別装置作動領域29を通過して、権利発生となる頻度も増加し、面白味が増加する。
尚、前記特定入賞装置30に入る前段階に、所謂、チューリップ形式の普通電動役物23を設置して入賞球を制御しているが、この普通電動役物23を特定入賞装置30と一体に形成することもできるし、回転式等の他の形式とするものであってもよい。又、前記の大当り及び小当りの各確率値は、前記の確率値以外の値に設定できることはいうまでもないし、大当り時、小当り時の普通電動役物23の開放時間を、前記実施例以外の適宜の時間に設定することもできる。又、1回目の権利消滅後、2回目の権利消滅後において、大当りと小当りの予め設定された確率値を、変更するように構成することもできる。
【0014】
(実施例2)
次に、本実施例は、第1確率状態と第2確率状態を選択する選択手段を、前記実施例1のソフトウエアで行うことなく、入賞装置50で行い、図5はパチンコ機の正面図、図6は入賞装置50の分解斜視図である。
入賞装置50は、前記実施例1の図柄表示器Lとほぼ同じ位置に設置してある。尚、特定入賞装置30、始動入賞装置24及び大入賞口28等の作用は、前記実施例1と同じであるため、説明を略す。
入賞装置50を示す図6において、52は装飾体、53Aは基体、54は本体であって、入賞具は、本体54に形成されている載置台54aに基体53Aを挿入した後、装飾体52を取り付けて組み立てる。装飾体52の上部には遊技球を導く傾斜路55及びその端部には入賞口56が形成されている。又、入賞口56と連通して、誘導路57a、誘導路57b、本体54の奥に形成されている誘導路(図示せず)及び、基台53aの右端に設けられた誘導路57cが各々直角状に且つ下り傾斜して設けられている。湾曲状の基台53aには旋回体61が形成され、該旋回体61内には、第1確率状態となる1個の第1特定領域58と、第2確率状態となる1個の第2特定領域59と、外れの第3特定領域60が穿設されている。尚、第2特定領域59及び第3特定領域60の直径は、第1特定領域58の直径より、僅かに大きく形成して、第2確率状態及び外れとなる割合を大きくしてある。そして、入賞口56から入った遊技球は、各誘導路57a〜57cを経て、勢いよく流下して旋回体61内で旋回を開始する。そして、遊技球の勢いが順次弱まって、第1特定領域58、第2特定領域59及び第3特定領域60の何れかに入る。
尚、基体53Bは他の形式のものであって、第1特定領域58を中心にして、周囲に第2特定領域59及び第3特定領域60を複数個形成したものである。
【0015】
次に、前記構成のパチンコ機の制御を図7に示すフローに従って説明する。尚、前記実施例1(図4)と同じステップには同じ符号を附す。
先ず、遊技球が、第1特定領域58又は第2特定領域59に入ったかを判定し(S20)、何れにも入っていないときには終了する。何れかの特定領域に入ったときには、判定カウンタHcを読み込む(S2)。そして、遊技球が第2特定領域59に入ったかを判定し(S21)、yesの時には、ステップ4で判定カウンタHcが10であるかを判定する。即ち、遊技球が第2特定領域に入ったときには、第1確率状態(大当りの確率値は1/256)であるため、単数の「10」であるかを判断する。判定カウンタHcが10である場合には、大当たりの処理を行う(S5)。尚、本実施例での大当りに対しては、実施例1と異なって、図柄表示器を有していないため、図柄停止処理を行うことなく、普通電動役物23を5.8秒間、開く。この普通電動役物23が開いている間に、遊技球が3個以上入ると、実施例1と同様に、特別装置作動領域29を通過して1回目の「権利」が発生する(S6、S7)。そして、他のソフトウエアを介して、始動入賞装置24の回転体16に保持された遊技球が、始動入賞口(図示略)に入ることによって、大入賞口28は所定時間(例えば、約9.8秒)開口状態を維持し、多量の賞品球の排出を可能としている。
【0016】
前記ステップ4で、判定カウンタHcが10でなく、100以上で109以下の場合には、小当りとなり(S8、S9)、効果等は実施例1と同じであるため説明を略す。
又、前記ステップ21で、第2特定領域59に入らないときには、第1特定領域58に入ったので、第1確率状態となり、判定カウンタHcが10以上、19以下であるか、即ち、大当りの判定をしたり(S10)、100以上199以下の小当たりの判定をしたり(S11)等の実行は、実施例1と同じであるため略す。
以上のように、本実施例では、第1確率状態と第2確率状態の選択をなす選択手段を、第1特定領域58と第2特定領域59を有する入賞装置50で行っている。従って、遊技者が打球する遊技球が何れに入るか(外れのときもある)によって、第1確率状態と第2確率状態を変更しながら遊技することとなり、面白味があるし、効果はほぼ実施例1と同様である。
尚、本実施例では、図柄表示器を有しない構成としているが、図柄表示器を有する構成とし、前記大当りと小当たりのときに表示可能に形成してもよいし、ランプを点灯したり、音声を発するように構成してもよい。
【0017】
(実施例3)
本実施例は、所謂、3回権利もので確率変動形式であって、1回目の権利発生後、次の権利が発生するまでの大当りと小当たりの確率値を、任意の値に設定変更可能とするものである。尚、パチンコ機は、実施例2と同じ図5、図6に示すものを使用するため詳細説明を略す。又、制御フローを図8に示し、前記実施例2(図7)と同じステップには同じ符号を附して、説明を省略する。
電源が入ると、判定カウンタHc(0〜255の循環カウンタ)が、2.048ms毎の割り込みによって加算開始される。そして、権利発生回数を計数する権利カウンタKcの初期化を行う(S40)。その後、権利カウンタKcの値によって、後述する、大当りと小当たりの確率値の設定を行い、権利カウンタKcが「0」のときには、前記実施例3と同じ、第2確率状態のときの大当りの確率値としてa1に10、小当たりの確率値としてb1に100、b2に109、第2確率状態のときの大当りの確率値としてc1に10、c2に19、小当たりの確率値としてd1に100、d2に199に設定する。又、1回目の権利消滅後、2回目の権利消滅後には、a1を10及び11の2個、b1に100、b2に119、c1に10、c2に29、d1に100、d2に255に設定して遊技を行う。
次に、ステップ42でSUBに飛んで、実施例2と同じ処理を行う。即ち、第1特定領域58又は第2特定領域59に入ったかを判定し(S20)、何れにも入っていないときにはメインに戻る。何れかの特定領域に入ったときには、判定カウンタHcを読み込む(S2)。そして、遊技球が第2特定領域59に入ったかを判定し(S21)、yesの時には、ステップ4で判定カウンタHcがa1であるかを判定し、判定カウンタHcがa1である場合には、普通電動役物23を5.8秒間、開いて、大当たりの処理を行う(S5)。この普通電動役物23が開いている間に、遊技球が3個以上入ると、実施例2と同様に、特別装置作動領域29を通過して1回目の「権利」が発生し、権利カウンタKcに1を加算する(S6、S7)。そして、他のソフトウエアを介して、始動入賞装置24の回転体16に保持された遊技球が、始動入賞口(図示略)に入ることによって、大入賞口28は所定時間(例えば、約9.8秒)開口状態を維持し、多量の賞品球の排出を可能としている。そして、メインに戻る。
【0018】
前記ステップ4で、判定カウンタHcがa1でなく、b1以上でb2以下の場合には、小当りとなり(S8、S9)、効果等は実施例2と同じであるため説明を略す。又、前記ステップ21で、第2特定領域59に入らないときには、第1特定領域58に入ったので、第1確率状態となり、判定カウンタHcがc1以上、c2以下であるか、即ち、大当りの判定をしたり(S10)、d1以上d2以下の小当たりの判定をしたり(S11)等の実行は、実施例2と同じであるため略す。
前記のように、SUBの処理が終了した後、メインで権利が発生したかを判定し(S43)、権利が発生しないときには、前記SUBの実行を繰り返す。権利が発生したときには、権利発生を3回まで許容するため、権利カウンタKcが3より小さいかを判定する(S44)。権利発生が3回より少ないときには、権利が消滅するまで待機し(S45)、権利が消滅したときには、次の権利が発生するまで、第1確率状態と第2確率状態の大当りと小当たりの確率値を変更するため、ステップ41へ戻る。そして、a1、b1、b2等の確率値を変更して、前記と同じ処理を3回の権利が発生するまで繰返し、3回の権利が発生後はステップ40で初期化して、以下、同じ処理を行う。
以上のように、本実施例は、権利が消滅後において、第1確率状態と第2確率状態の大当りと小当たりの確率値を任意に設定することができるため、より面白味のあるパチンコ機とすることができる。
【0019】
(実施例4)
本実施例は、前記の各実施例と異なり、大当りと小当たりとで、普通電動役物23の開時間を制御して、小当たりであっても、権利発生を可能とするように構成するものである。尚、本実施例に使用するパチンコ機は、実施例2と同じ(図5、図6)ものであり、遊技球が入賞装置50に形成の第1特定領域58に入ったときには大当りを発生し、遊技球が第2特定領域59に入ったときには小当たりを発生する。尚、第2特定領域59及び第3特定領域60の直径は、第1特定領域58の直径より、僅かに大きく形成して、第2確率状態及び外れとなる割合を大きくしてあり、大当りは小当たりに比して発生し難くしてある。
そこで、遊技球が第1特定領域58に入ると、普通電動役物23が5.8秒間、開く。この普通電動役物23が開いている間に、遊技球が3個以上入ると、特別装置作動領域29を通過して1回目の「権利」が発生する。そして、始動入賞装置24の回転体16に保持された遊技球が、始動入賞口(図示略)に入ることによって、大入賞口28は所定時間(例えば、約9.8秒)開口状態を維持し、多量の賞品球の排出を可能としている。
一方、遊技球が第2特定領域59に入ると小当たりとなる。この小当りのときには、普通電動役物23が1秒間、開き、1.65個/秒で発射される遊技球が、遊技板上に植設された釘等によって、タイミングが合い、かたまって3個以上が通過することも考えられ、特別装置作動領域29を通過して、権利発生となることがある。
この様に、簡便に形成するパチンコ機であるが、小当たりのときであっても、権利発生が可能に構成したことによって、従来にない面白味を発揮可能であると共に、小当たりの発生によって、大当りが生じた後、次の大当りが発生する迄に消費する獲得賞品球の減少を抑制することができる。又、前記普通電動役物23の大当りと小当たり時の開時間は、適宜変更可能であることはいうまでもない。尚、前記各実施例において、特定入賞装置30に入る前段階に、所謂、チューリップ形式の普通電動役物23を設置して入賞球を制御しているが、この普通電動役物を特定入賞装置と一体に形成することもできるし、回転式等の他の形式とするものであってもよい。
【0020】
【発明の効果】
本発明のパチンコ機は、第2確率状態(低確率状態)で大当り図柄が得られて権利が発生し、その後、権利が消滅すると、第1確率状態(高確率状態)に変更し、この第1確率状態への変更に伴って、小当りの確率は第2確率状態における小当りの確率より高く設定してある。
このように、小当りの確率を高く設定することによって、普通電動役物への入賞が多くなるが、普通電動役物へ入賞した1個目で権利を発生させることなく、予め設定された個数目で権利発生をさせる構成にしてある。
以上の構成によって、権利消滅から次の権利発生に到る過程において、小当りの確率を高く設定することに伴い、権利発生を抑制し、且つ、消費する遊技球の減少を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のパチンコ機の正面図である。
【図2】特定入賞装置の斜視図である。
【図3】確率変動状態を示す図である。
【図4】実施例1の制御フローを示す図である。
【図5】実施例2のパチンコ機の正面図である。
【図6】変動入賞装置の分解斜視図である。
【図7】実施例2の制御フローを示す図である。
【図8】実施例3の制御フローを示す図である。
【符号の説明】
22 特定領域
23 普通電動役物
24 始動入賞装置
28 大入賞口
29 特別装置作動領域
30 特定入賞装置
50 入賞装置
58 第1特定領域
59 第2特定領域
L 図柄表示器
L1、L2、L3 図柄表示部
Claims (1)
- 複数の図柄を表示可能な図柄表示部と、特定領域と、普通電動役物と、特別装置作動領域と、始動入賞口と、大入賞口を配し、
前記普通電動役物は閉成状態と、第1開成状態と、その第1開成状態に比べて遊技球が入賞し易い第2開成状態に変更可能であり、
遊技球が前記特定領域を通過したことに関連して、前記図柄表示部に小当り図柄が得られた場合には前記普通電動役物が閉成状態から第1開成状態に変更し、前記図柄表示部に大当り図柄が得られた場合には前記普通電動役物が閉成状態から第2開成状態に変更して、普通電動役物へ遊技球が入賞すると賞品球の獲得が可能であり、
前記大当り図柄が得られる確率は、第1確率状態とこの第1確率状態に比べて低い第2確率状態に変更可能であり、
前記第1確率状態において、小当り図柄が得られる確率は第1確率状態において大当り図柄が得られる確率に比して高く設定してあると共に、前記第2確率状態において、小当り図柄が得られる確率は第2確率状態において大当り図柄が得られる確率に比して高く設定してあり、
前記第1開成状態又は第2開成状態における普通電動役物への入賞球は、1個目を除く所定個数目が、特別装置作動領域を通過可能であると共に通過すると権利が発生し、
この権利が発生中に、遊技球が前記始動入賞口を通過すると大入賞口が開口状になって多量の賞品球の獲得が可能となり、
第2確率状態において発生した権利が消滅すると、第1確率状態に変更し、この第1確率状態における小当りの確率が第2確率状態における小当りの確率に比べて高いことにより、消費される遊技球を抑制可能であることを特徴とするパチンコ機。
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-
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