JP3596322B2 - 反射型液晶プロジェクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏光ビームスプリッタと1/4波長板及び投射レンズを備えた反射型液晶プロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、液晶素子上に表示される画像に対して平面偏光を照射し、当該液晶素子上の画像に対応する画素により反射される楕円偏光から所定の方向の平面偏光を取り出し、これを投射レンズによりスクリーン上に投射する反射型液晶プロジェクタが知られている。図1は、このような反射型液晶プロジェクタの1例を示す。このプロジェクタは、光源手段(図示せず)及び、偏光ビームスプリッタ21、液晶素子23及び投射レンズ25を備える。図1において、前記光源手段は、光軸がY軸に平行なレンズ(図示せず)を備え、前記偏光ビームスプリッタ21は、その法線nがY―Z平面内に存在し且つY軸・Z軸に対して45°の角度を成すように配置されている。また、前記液晶素子23はその表面がZ軸に直交するようにされ、前記投射レンズ25はその光軸がZ軸と平行になるように配置されている。
【0003】
前記光源手段からの光線R0,R1,R2のうち、Y軸に平行な光線(主入射光線)R0は、偏光ビームスプリッタ21に対して45°の角度で入射される。前記偏光ビームスプリッタ21は、(入射光線が白色光の場合)前記入射光線R0のエネルギーのうち、Y軸と偏光ビームスプリッタ21の法線nで定義される主入射面27に平行に振動するP波(P偏光成分)は当該偏光ビームスプリッタ21を透過させ、前記主入射面に直交する方向に振動するS波(S偏光成分)は前記偏光ビームスプリッタ21により反射し、Z軸に沿って液晶素子23へ向かうように構成されている。前記液晶素子23により反射された光線は再びZ軸に沿って前記偏光ビームスプリッタ21へ向かう。
【0004】
その際、前記液晶素子23が鏡面として作用する部位から反射された光線は再びS波の直線偏光となる。従ってこの光線は前記偏光ビームスプリッタ21により反射され、光源手段側へ向かう。一方、前記液晶素子23内の所定の画像を生ずる部位で反射された光線は、前記部位における複屈折により楕円偏光となり、前記偏光ビームスプリッタ21に入射された後、 そのS波成分は前記偏光ビームスプリッタ21により反射され前記光源手段側へ向かい、そのP波成分は偏光ビームスプリッタ21を透過し投射レンズ24を介して図示しないスクリーンへ投射され、所定の画像を形成する。
【0005】
前記光源手段からの光は、光束として前記偏光ビームスプリッタ21へ入射される。従って、前記光源手段からの光線は前記光線R0のみならず光線R1及び光線R2を含む。前記光線R1は、前記主入射面(Y―Z面)27内でY軸に対して傾斜した角度で、前記偏光ビームスプリッタ21へ入力される。この光線R1は、入射光軸がレンズ光軸Lと前記法線nとで定義される主入射面にあるため、前記偏光ビームスプリッタ21により反射された反射光(S波)は前記主入射面に垂直に振動する。従って、この反射光は、前記液晶素子23のうち鏡面として作用する部位に入射される場合、これによりそのまま反射され再び前記主入射面27に直交する方向の直線偏光を有し前記偏光ビームスプリッタ21により反射され光源手段側へ向かう。
【0006】
これに対して、前記光源手段からの光線のうち前記主入射面27に対して傾斜した入射方向(これは、例えばX―Z面内にあるとする。)に沿って入射する光線R2は、前記偏光ビームスプリッタ21により分離されると、当該スプリッタ21による反射光は前記光線R2の入射方向と前記法線nにより定まる入射面に直交する方向へ振動する直線偏光となる。この直線偏光の方向は、図2においてS2で示される。図示の如く、この振動方向S2は前記主入射面27に直交する軸(X軸)に対して、進行方向を向いて時計回りにずれた角度αを有する。この振動方向S2を有するS波が前記液晶素子23により反射されると(より詳細には前記液晶素子23のうち鏡面として作用する部位で反射されると)、当該液晶素子による反射光は図2においてX軸に対して同じ角度αだけずれた偏光方向S2´を有する。この偏光方向S2´の直線偏光が前記偏光ビームスプリッタ21へ入力される。
【0007】
ところで前述した通り、前記偏光ビームスプリッタ21は、光線の入射方向と偏光ビームスプリッタ21の法線nとで定義される入射面と垂直な振動方向を有する直線偏光を完全に反射し、前記入射面に平行な振動成分を完全に透過する機能を有する。前記液晶素子23からの反射光(光線R2の反射光)が、前記偏光ビームスプリッタ21の法線nとで作る入射面に直交する方向は、図2に示すように、X軸に対して(―α)の角度を有する方向S4である。従って、前記反射光の直線偏光S2´のうちS4と平行な成分は前記偏光ビームスプリッタ21により反射されるが、S4と直交する方向の成分は前記偏光ビームスプリッタ21を透過しスクリーン上へ投射される。これによりスクリーン上で、例えば黒くあるべきところが薄明るくなりコントラストが低下する。
【0008】
図3は、図1に示す反射型液晶プロジェクタにおいて、前記ビームスプリッタ21から、意図することなく漏れ出る光の量を表す。ここに開口角は±6°に設定されている。図3において、それぞれの数字(%)は、それぞれ数字が位置する場所において、光量分布が均一である場合に漏れ出る光の量を表す。すなわち1%と記載されている場所では1%の光が漏れることを表す。すなわちこれによれば開口角が±6°に設定されているにも拘わらず、コントラストは0.01以下に低下する。
【0009】
図4は、前記コントラストの低下を防止するために、前記偏光ビームスプリッタ21と前記液晶素子23との間に、進相軸あるいは遅相軸を前記主入射面27の方向に合わせた1/4波長板31を置いた構成を示す。この構成においては、前記液晶素子23で反射される光線は前記1/4波長板を2回通過する。従って、前記1/4波長板31は、実質的に1/2波長板として作用する。このため、前記入射光線R2からの光線は前記液晶素子23で反射された後、(前記1/2波長板が存在しない場合は、前記偏光面S2´を有するが、前記1/4波長板31が存在する場合は)偏光面S4(図2)を有する直線偏光となり、前記偏光ビームスプリッタ21へ入力されると当該スプリッタ21これにより完全に反射され、前記投射レンズ25の側へ透過することがない。より詳細には以下の通りである。すなわち、前記光線R2が前記偏光ビームスプリッタ21に反射されて生成された反射光線において偏光方向の前記主入射面の直交方向からのずれ角度をαとする(図2)と、前記反射光線のジョーンズベクトルは
【数1】
Figure 0003596322
で表される。すると、前記液晶素子23で反射され1/4波長板31を通過した後のジョーンズベクトルは、
【数2】
Figure 0003596322
で表わされる。ここで前記1/4波長板31の進相軸あるいは遅相軸(光軸)は、前記主入射面27に直交するように配置されている(即ちX軸と平行に配置されている。)。従って、前記1/4波長板を通過して出てきた光線の偏光方向は前記入射光線の偏光方向S2から−2α回転し、偏光方向S4を有することとなる。前述の通り、この偏光方向S4は、前記偏光ビームスプリッタ21の法線nと反射光線の入射方向で定義される入射面に垂直であり、前記偏光ビームスプリッタ21を通過する率は零であり、スクリーン上には光が達することはなく高いコントラストが得られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の反射型液晶プロジェクタでは、偏光ビームスプリッタの特性のために、前記1/4波長板からのP波(P波偏光成分)が依然として偏光ビームスプリッタを透過することがあり、これにより画像のコントラストが低下するという問題点があった。また、この画像コントラストの低下を防止するためにレンズ系に絞りを設けると、画像の明るさが低下するという問題点が有った。
【0011】
この発明の目的は、上記のごとき問題点を解決する反射型液晶プロジェクタを提供することである。より詳細には、高いコントラストを保ちながら光源の発する光を高い効率で取り込み、明るい画像を形成することができる反射型液晶プロジェクタを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、例えば液晶面から光源側を見た時の瞳の形状を、偏光ビームスプリッタの表面の法線と前記投射レンズの光軸とで作られる主入射面方向の開口角をPIとし、該主入射面に垂直な方向の開口角をPPとするとき、PP>PIとすることにより達成される。ここに主入射面とは、ビームスプリッタへ入射される入射光束の内、当該入射光束を射出する光学要素の光学軸に沿って進む光線とビームスプリッタの法線とで作られる面である。この面は本願発明のプロジェクタの場合、前記法線と投射レンズの光軸とで作られる面と同一である。また、前記において瞳の開口角は、液晶面の位置から見た場合の開口角である。
【0013】
前記構成により前記課題が達成されることを説明するために、まず前記問題点の発生原因である偏光ビームスプリッタの特性を説明する。
【0014】
図5に示すように、偏光ビームスプリッタ21の面は、その法線nに対して入射光線iが略θ=45°で入射する場合、入射光線のS波を完全に反射しP波を完全に透過するように設計されている。しかし、その入射角度が45°から著しくずれた場合当該機能が低下する。例えば図5に示すように、入射光の光束が太くなった場合、当該光束のうちの周辺光の光線i’では、前記法線nに対する入射角度θ±φが45°から所定角度(例えば±6°)以上にずれ、ビームスプリッタ21を透過するS波の振幅及び、ビームスプリッタ21で反射されるP波の振幅が増大するおそれがある。この事情をより詳細に説明すると以下の通りである。
【0015】
図6は、前記ビームスプリッタの特性の一例を示すものである。図6において横軸は入射光の波長λ(単位はnm)を示し、縦軸はビームスプリッタの透過率T(%)を表す。図6に示される450nm乃至600nmの波長は緑色光線に対応する。図6においてS(45°)で示される曲線は、入射光線と前記偏光ビームスプリッタ21の法線とが45°をなす場合のS波の透過率を表す。すなわち、この場合には前記450nm〜600nmで、S波は前記偏光ビームスプリッタにより完全に反射される。また曲線P(45°)で示すように、ビームスプリッタ21の法線nに対して45°の角度で入射した光線のP波は当該ビームスプリッタを完全に透過する。
【0016】
これに対して、曲線S(51°)で示されるように、ビームスプリッタ21へその法線nに対して例えば51°の入射角度で入射するS波は短波長では完全に反射されるが、600nm前後の波長で、そのエネルギーの一部が前記偏光ビームスプリッタ21を透過してしまう。
【0017】
また、曲線P(39°)で示されるように、偏光ビームスプリッタ21へその法線nに対して例えば39°の入射角度で入射するP波は、450nm乃至500nmの波長で、そのエネルギーの一部が反射されてしまい明るさが減少する。
【0018】
なお、上記では緑色の波長の光線に対する偏光ビームスプリッタの特性を説明したが、赤色・青色の波長の光線に対する偏光ビームスプリッタの特性も同様である。すなわち、偏光ビームスプリッタ21へその法線nに対して45°からずれた角度で入射される光線では、P波とS波が所望の通りに完全に分離されない。
【0019】
従って、入射光と偏光ビームスプリッタ21の法線nの成す角度が45°から著しくずれる(例えば±6°ずれる)と、前記1/4波長板の設置にも拘わらず前記ビームスプリッタ21から光の漏れが発生しコントラストが低下したり明るさが減少したりする。
【0020】
図7及び図8は、入射光と偏光ビームスプリッタ21の法線nの成す角度がほぼ45°であり(例えば45°との差違が±6°以内であり)前記ビームスプリッタ21からの光の漏れが発生しない入射光の入射範囲を表す。ここに図7はポアンカレ球を示し、前記偏光ビームスプリッタは番号21で表される。図6を参照して説明したように、偏光ビームスプリッタ21へ入力される光線のうち前記法線nに対して45°をなす光線を中心として、例えばその前後±6°の光線については、前記偏光ビームスプリッタが正常に機能し、S方向の直線偏光とP方向の直線偏光が正しく分離される。図7における斜線部分(リング状部分)41は、そのような光線が存在する範囲(即ち前記法線nに対する入射光線の角度が例えば39°乃至51°である範囲)を示す。すなわち、この斜線部分41から入射される光線は、偏光ビームスプリッタ21によりそのS方向直線偏光とP方向直線偏光が正しく分離され、S方向直線偏光は前記偏光ビームスプリッタ21により完全に反射されP方向直線偏光は偏光ビームスプリッタ21を完全に通過する。
【0021】
図8は、液晶素子23の側から見た場合の、前記斜線部分(リング状部分)41の形状を表す。すなわち、図8において番号41で示されるものは、図7における斜線部分41のX―Y面への射影である。すなわち前記偏光ビームスプリッタ21を使用する反射型液晶プロジェクタでは、前記液晶素子23の側から見て、円管部分41を通る光線は、前記偏光ビームスプリッタ21により正しくS波直線偏光とP波直線偏光が分離されるが、この領域の外側を通る光線はS波直線偏光とP波直線偏光が正しく分離されない。即ちS波でもビームスプリッタを透過する成分が存在し、P波でもビームスプリッタにより反射される成分が存在する。
【0022】
更に、前記偏光ビームスプリッタ21と反射型液晶素子23とを組み合わせた本願発明のプロジェクタでは、前記液晶面23での反射後、反射光線が偏光ビームスプリッタ21へ入射する際にその入射角度が逆転する。図9において番号42は、前記液晶素子23からの反射光線が前記偏光ビームスプリッタ21へ入射する際に、前記法線nに対する入射角度が例えば39°乃至51°となる反射光線の存在範囲を示す。
【0023】
従って最終的に、前記偏光ビームスプリッタ21によりS波直線偏光とP波直線偏光が正しく分離されるためには、光線は図9における領域41と領域42の交叉する細長範囲(細長領域)43を通る必要がある。換言すれば当該細長範囲43の外側を通る光線はS波偏光とP波偏光とが正しく分離されずコントラストの劣化を招く。なお、前記細長範囲43のX軸方向の長さbは、Y軸方向の長さaに比較して5倍以上の長さを有する。
【0024】
上記に鑑みて、本願発明は、前記細長範囲43に対応する形状の瞳が形成されるように構成した。即ち、液晶面から光源側を見た時の瞳の形状を、偏光ビームスプリッタの表面の法線と前記投射レンズの光軸とで作られる主入射面方向の開口角をPIとし、該主入射面に垂直な方向の開口角をPPとするとき、PP>PIとした。
【0025】
これにより、前記細長範囲43の外側を通る光線は遮断され、高いコントラストの映像を実現することができる。また、前記細長範囲43を通る光線は効率良く使用され、明るいプロジェクタを実現することができる。
【0026】
前記において開口角PPは、開口角PIの1.2倍より大きいことが望ましい。これにより極めて明るいプロジェクタが実現できる。
【0027】
上記の如く細長範囲43の長巾bは、短巾aの5倍以上の長さを有する。従って、この範囲に比例する開口角PPと開口角PIの比率の瞳を使用することにより極めて明るいプロジェクタを使用することができる。
【0028】
更に、図10に示すように、偏光ビームスプリッタ21がガラスプリズム44で作られている場合、ガラスプリズム44の入射出面で入射光が屈折する。従ってこの場合には、図11に示すように、X軸方向に更に細長い細長範囲45が形成される。なお図11の領域は、より詳細にはプリズムの屈折率が1.8である場合を示す。図10に示すように、この場合ビームスプリッタの法線に対する主入射光線の光軸(Y軸)の成す角度θは45°であり、許容ずれ角度φは3.32°となる。
【0029】
なお、前記垂直方向開口角PPは、60°より小さいのが望ましい。これによりレンズの収差補正が容易となる。すなわち前記開口角が60°であることは、Fナンバーで1に相当する。従ってこの角度を越える明るさの投射レンズの実現は一般的には困難である。
【0030】
本願発明の他の側面は、偏光ビームスプリッタ及び1/4波長板及び投射レンズを備えた反射型液晶プロジェクタにおいて、投射レンズの前方(スクリーン側)から光源側を見た時の瞳の形状を、偏光ビームスプリッタの表面の法線と前記投射レンズの光軸とで作られる主入射面方向の開口角をPIとし、該主入射面に垂直な方向の開口角をPPとするとき、PP>PIとすることである。前記において開口角PPは、開口角PIの1.2倍より大きいことが望ましい。
【0031】
前記瞳は、好ましくは、ビームスプリッタと光源との間に置かれた絞りを、液晶面又は投射レンズのスクリーン側から見た場合の、当該絞りのレンズ系による像である。前記絞りは、好ましくはフライアイインテグレータ(後述する実施態様における第2フライアイインテグレータ)である。
【0032】
本願発明の他の側面は、偏光ビームスプリッタ及び1/4波長板及び投射レンズを備えた反射型液晶プロジェクタにおいて、光学系を通過する光線を定める機能を有する絞り手段の形状を、前記偏光ビームスプリッタの表面の法線と前記投射レンズの光軸とで作られる主入射面に平行な方向の巾に比べて、当該方向に垂直な方向の巾が大きいものとしたことである。前記において主入射面に垂直な方向の幅は、平行な方向の幅の1.2倍より大きいことが望ましい。
【0033】
前記絞り手段の機能は、例えば光源と偏光ビームスプリッタの間に配置されるフライアイインテグレータにより果たされる。この場合前記絞りの形状は、前記フライアイインテグレータの外形形状である。
【0034】
【発明の実施の形態】
図12乃至図15を参照して、本願発明の反射型液晶プロジェクタの一実施形態を説明する。
【0035】
この実施形態には光源としてのランプ101が設けてある。このランプ101から射出された光線はリフレクタ103により反射された後、コンデンサレンズ105により集束され、第1フライアイインテグレータ107へ入射される。ここに前記リフレクタ103により反射され、コンデンサレンズ105により集束される光線はリフレクタ軸109に対して回転対称に分布する。従って、前記第1フライアイインテグレータ107は、図13に示すように光線を最大限取り込めるように円形に近い外形形状に成形されている。
【0036】
図13に示すように、前記第1フライアイインテグレータ107は多数のレンズエレメント111から構成されている。そして、前記第1フライアイインテグレータ107の各レンズエレメント111による光源のスポット像が第2フライアイインテグレータ113の対応する各々のレンズエレメント115(図14)の上に結像される。
【0037】
前記第2フライアイインテグレータ113からの光線は、ダイクロイックミラー117及び119により例えば赤、青、緑の波長の光線に分光される。分光された各光線は、フィールドレンズ121,123,125(及び場合によってはリレーレンズ127,反射ミラー128、リレーレンズ129)を介してそれぞれの波長についての像形成を行う像形成装置131,133,135へ入射される。ここに、前記像形成装置131,133,135は、例えば図4に示したものと同様な構成を有し、それぞれ、偏光ビームスプリッタ21及び1/4波長板31及び液晶素子23を備えている。前記像形成装置131,133,135からのそれぞれの波長を有する光線は色合成プリズム137で合成され、前記投射レンズ25と同様の投射レンズ139を介して図示しないスクリーン上へ投射される。
【0038】
図15は、前記投射レンズ139をスクリーン側(図12において左側)から覗いてみた時に当該レンズ139の中に見える像であり、レンズ139の瞳139aの中に、前記第2フライアイインテグレータ113の像113’が見える。従って、この反射型液晶プロジェクタでは、前記第2フライアイインテグレータ113が実質的に開口絞りとして機能する。すなわち、前記第1フライアイインテグレータ107からのスポット像は光源101の広がりにより前記第2フライアイインテグレータ113のエレメントからはみ出す場合があるが、はみ出した光線は前記液晶素子23あるいは投射レンズ139により蹴られてしまい実質的にこの反射型液晶プロジェクタの光学系を通過することができない。従ってこのプロジェクタの光学系では前記第2フライアイインテグレータ113の外形形状のレンズ系による像が光学系全体の瞳形状となる。
【0039】
ところで、すでに図7乃至図9を参照して説明したように、前記偏光ビームスプリッタ21の特性のため、前記ビームスプリッタ21の法線nと投射レンズの光軸で作られる主入射面と垂直な方向(図12においてX軸方向)に細長い範囲43を通過する光線では前記ビームスプリッタ21により、P偏光成分とS偏光成分とが正しく分離されるが前記範囲43の外側を通る光線ではP偏光成分とS偏光成分とが正しく分離されず、コントラストの低下を招く。
【0040】
従って、前記ビームスプリッタ21の法線nと投射レンズの光軸で作られる主入射面と平行な方向(図12においてY軸方向)における前記第2フライアイインテグレータ113の巾113a(図14)は、比較的短く設計され、この第2フライアイインテグレータ113を通過してビームスプリッタ21へ到達した光線が前記細長範囲43のY軸方向の巾aの中に入るように設定されている。これによりコントラストの高い画像をスクリーン上に形成できる。すなわち、Y軸方向の幅113aを大きくすれば無駄になる光線の割合を少なくすることができるが、この幅113aの外側を通る光線を使用すると、スクリーン上において画像のコントラストの低下を招く。
【0041】
一方、前記ビームスプリッタ21の法線nと投射レンズの光軸で作られる主入射面と垂直な方向(図12においてX軸方向)における前記第2フライアイインテグレータ113の巾113b(図14)は、比較的長く設計され、この第2フライアイインテグレータ113を通過してビームスプリッタ21へ到達した光線が前記細長範囲43のX軸方向の巾bの中に入るように設定されている。X軸方向の幅113bをY軸方向の幅113aに比べて大きく設定することにより、ランプ101から射出された光線を効率良く液晶素子23へ導きスクリーンをコントラスト良く照らすことができる。
【0042】
要するに、X軸方向の幅113aを短くし、Y軸方向の幅113bを長くすることにより、はみ出して無駄になる光線の割合を減らし、ランプ101から射出された光線を効率良く液晶素子23へ導きスクリーンをコントラスト良く照らすことができる。尚、前記X軸方向幅113bを長くすることに対応して、光学系の他のエレメントの形状も対応する方向において大きくする必要があることはもちろんである。
【0043】
このように、偏光ビームスプリッタと1/4波長板を組み合わせて使用する反射型液晶プロジェクタでは、前記瞳の形状を横長の形状にする(例えば前記主入射面と平行な方向の開口角に対して主入射面と垂直な方向の開口角を大きくする)ことによりコントラストを低下させずに明るいプロジェクタを実現することができる。即ち、光源系及び投射系の瞳形状を円形ではなく主入射面に垂直方向に伸ばすことにより、広い開口角で光源からの光をより多く取り込むことができ、以て明るいプロジェクタを実現することができる。
【0044】
垂直方向に伸ばす割合は主入射面方向の開口角をPIとし、これと垂直な方向の開口角をPPとする場合、PPはPIの1.2倍より大きいのが好ましい。さもないと、垂直方向に広げた効果が小さく輝度の向上が望めない。
【0045】
また投射レンズを構成する一枚一枚のレンズの外形は一般に円形でありPPをPIよりもあまり大きくすると投射像の形成に寄与しない無駄なレンズ領域が多くなる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、上記のように構成することにより、高いコントラストを保ちながら光源の発する光を高い効率で取り込み、もって明るい画像を形成することができる反射型液晶プロジェクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の第1反射型液晶プロジェクタの構成を示す模式図である。
【図2】前記第1反射型液晶プロジェクタに設けた液晶素子への入射光・反射光の偏光方向を示す模式図である。
【図3】前記第1反射型液晶プロジェクタにおけるスクリーン上での光の漏れ量を示す模式図である。
【図4】従来の第2反射型液晶プロジェクタの構成を示す模式図である。
【図5】本願発明の作用を示すための説明図であり、偏光ビームスプリッタに対する入射光線の入射角度を示す図である。
【図6】本願発明の作用を示すための説明図であり、図5の入射角度に応じるS波・P波の透過率の変動を示す。
【図7】S波・P波の透過率が所望の値を有する範囲に存在する入射光線の(偏光ビームスプリッタに対する)入射角度範囲を表す模式図である。
【図8】図7の入射角度範囲をX−Y面へ投影した範囲を示す模式図である。
【図9】図8の範囲及び液晶素子面での反射後の光線についての使用可能範囲を示す模式図である。
【図10】偏光ビームスプリッタがガラスプリズムで作られている場合の、光線の入射経路を示す模式図である。
【図11】偏光ビームスプリッタがガラスプリズムで作られている場合の、本願発明の瞳の形状を表す模式図である。
【図12】本願発明の実施形態を示す模式図である。
【図13】図12に於けるXIII−XIII線に沿って見た第1フライアイインテグレータの正面図である。
【図14】図12に於けるXIV−XIV線に沿って見た第2フライアイインテグレータの正面図である。
【図15】図12におけるXV−XV線に沿って見た投射レンズの中の像の模式図である。
【符号の説明】
21: 偏光ビームスプリッタ
23: 液晶素子
25: 投射レンズ
31: 1/4波長板
107: 第1フライアイインテグレータ
113: 第2フライアイインテグレータ

Claims (4)

  1. 光源と、
    前記光源からの光束を受光するフライアイインテグレータであって、該フライアイインテグレータは、各々複数のレンズエレメントを有する第1、第2フライアイインテグレータを有し、前記第1フライアイインテグレータの各レンズエレメントによる光源のスポット像が、前記第2フライアイインテグレータの対応する各レンズエレメントの上に結像されるようになっているものと、
    前記フライアイインテグレータからの光線を受光し、P偏光を透過し、S偏光を反射する偏光ビームスプリッタと、
    前記偏光ビームスプリッタからのS偏光を受光し、画像信号が入力されていない部位では当該S偏光をそのまま反射し、画像信号が入力されている部位では、P偏光を含む楕円偏光を前記偏光ビームスプリッタ方向へ出射する液晶素子と、
    前記液晶素子から前記偏光ビームスプリッタへ入射され、該偏光ビームスプリッタにより選択されたP偏光に基づく光をスクリーン上へ投射する投射レンズと、
    を有する反射型プロジェクタであって、
    前記投射レンズの光軸と前記偏光ビームスプリッタの法線とで定まる主入射面に対して傾斜した入射光線による、スクリーン上でのコントラスト低下を防止するための1/4波長板が、前記偏光ビームスプリッタと液晶素子の間に、光軸が前記主入射面に直交するように配置され、かつ、
    前記液晶素子から光源側を見たときの、開口絞りとしてのフライアイインテグレータによる瞳の、前記主入射面方向の開口角をPIとし、該主入射面に垂直な方向の開口角をPPとするとき、
    PP>PI
    であることを特徴とする反射型プロジェクタ。
  2. 前記第1フライアイインテグレータは、円形に近い外形形状を有し、第2フライアイインテグレータの外形は、前記主入射面に平行な方向の巾に比べて、当該主入射面に垂直な方向の巾が大きい
    ことを特徴とする請求項1に記載の反射型プロジェクタ。
  3. 光源と、
    前記光源からの光束を絞る開口絞りと、
    前記開口絞りからの光線を受光し、P偏光を透過し、S偏光を反射する偏光ビームスプリッタと、
    前記偏光ビームスプリッタからのS偏光を受光し、画像信号が入力されていない部位では当該S偏光をそのまま反射し、画像信号が入力されている部位では、P偏光を含む楕円偏光を前記偏光ビームスプリッタ方向へ出射する液晶素子と、
    前記液晶素子から前記偏光ビームスプリッタへ入射され、該偏光ビームスプリッタにより選択されたP偏光に基づく光をスクリーン上へ投射する投射レンズと、
    を有する反射型プロジェクタであって、
    前記投射レンズの光軸と前記偏光ビームスプリッタの法線とで定まる主入射面に対して傾斜した入射光線による、スクリーン上でのコントラストの低下を防止するための1/4波長板が、前記偏光ビームスプリッタと液晶素子の間に、光軸が前記主入射面に直交するように配置され、かつ、
    前記液晶素子から光源側を見たときの、前記開口絞りによる瞳の、前記主入射面方向の開口角をPIとし、該主入射面に垂直な方向の開口角をPPとするとき、
    PP>PI
    であることを特徴とする反射型プロジェクタ。
  4. 前記開口角PP及び開口角PIは、PP/PI>1.2及びPP<60°の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射型液晶プロジェクタ。
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