JP3595875B2 - 半導体処理装置用電気ヒータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体に拡散処理などの熱処理を施す装置に用いられる電気ヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種電気ヒータとして、セラミックファイバ製断熱材からなりかつヒータエレメントが装着されている筒状ヒータ本体と、ヒータ本体の外周面を被覆する金属製シェルとを備えたものが用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
最近では、半導体処理装置用電気ヒータの消費電力を削減することが望まれている。ところで、上記消費電力の60%程度がシェルの外周面からの熱損失であることがわかっており、この熱損失を低減することにより消費電力を削減することが可能になる。
【0004】
この発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、シェルの外周面からの熱損失を低減し、これにより消費電力を削減しうる半導体処理装置用電気ヒータを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段と発明の効果】
この発明による半導体処理装置用電気ヒータは、セラミックス製断熱材からなりかつヒータエレメントが装着されている筒状ヒータ本体と、ヒータ本体の外周面を被覆する金属製シェルとを備えた半導体処理装置用電気ヒータにおいて、ヒータ本体の外周面とシェルとの間に、耐熱性クロスからなる複数の微小中空球体封入パウチにより構成された筒状断熱層が設けられており、筒状断熱層が、半円筒状に曲げられた2つの微小中空球体封入パウチの縁部同士が重ならないように当接させられて円筒状とされた円筒状物を備えており、微小中空球体の内径が空気中の気体分子の平均自由行程よりも小さくなされているものである。
【0006】
この発明の電気ヒータによれば、ヒータ本体の外周面とシェルとの間に、耐熱性クロスからなりかつ多数の微小中空球体が封入されてなる複数の微小中空球体封入パウチにより構成された筒状断熱層が設けられているので、筒状断熱層を形成する微小中空球体封入パウチ内に封入された微小中空球体の働きによりヒータエレメントとシェルとの間の断熱性能が向上し、シェルの外周面からの熱損失を低減することが可能になる。したがって、従来の電気ヒータと同一サイズの場合には、消費電力を削減することができる。同一サイズであることは、既設の半導体熱処理炉のヒータ交換時には特に考慮すべき重要な因子である。筒状断熱層を形成する微小中空球体封入パウチ内に封入された微小中空球体により断熱性能が向上しうるのは、次の理由によると考えられる。すなわち、空気中での熱の伝達は、通常、気体分子同士の衝突により起こるものであるが、気体分子が微孔質断熱材製微小中空球体の周壁により隔離されることになり、気体分子が周壁により跳ね返される確率が高くなって気体分子同士の衝突が抑制され、その結果断熱性が向上すると考えられる。
【0007】
上記微小中空球体は、たとえばシリカを主成分とし、かつ多数のマイクロポアを有する材料で形成されており、その内径が空気中の気体分子の平均自由行程よりも小さくなされている。
【0008】
また、ヒータ本体の外周面とシェルとの間に2層以上の筒状断熱層が設けられており、各筒状断熱層において隣り合う微小中空球体封入パウチの縁部同士が当接させられ、内外に隣り合う筒状断熱層における微小中空球体封入パウチの縁部同士の当接部が相互にずれていることがある。電気ヒータの周壁の径方向の厚さを一定にするには、各筒状断熱層において、隣り合う微小中空球体封入パウチの縁部同士が重ならないように当接させることが好ましいが、その場合内外に隣り合う筒状断熱層における上記当接部が合致していると、この当接部から熱が外部に逃げるおそれがある。各筒状断熱層において隣り合う微小中空球体封入パウチの縁部同士が当接させられ、内外に隣り合う筒状断熱層における微小中空球体封入パウチの縁部同士の当接部が相互にずれていると、当接部を通しての熱の逃げを防止することができ、熱損失を一層低減することができるとともに均一な温度分布が得られる。
【0009】
さらに、筒状断熱層とシェルとの間に、セラミックスファイバ製マットが設けられていることがある。
【0010】
【発明の実施形態】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0011】
図1および図2は半導体処理装置用電気ヒータの全体構成を示し、図3は微孔質断熱材製微小中空球体が封入されたパウチを示す。
【0012】
図1〜図3において、この発明による半導体熱処理装置用電気ヒータ(1)は、セラミックス製断熱材からなる筒状ヒータ本体(2)と、ヒータ本体(2)の外周面を被覆する内外2つの筒状断熱層(3A)(3B)と、外側の筒状断熱層(3B)の外周を被覆するセラミックスファイバ製マット(4)と、マット(4)の外周を被覆するアルミニウム製(アルミニウム合金製も含む)シェル(5)とを備えている。
【0013】
ヒータ本体(2)は、セラミックスファイバを用いて真空成形されかつ内周面に長さ方向に伸びる複数の溝(6)が周方向に間隔をおいて形成された円筒状断熱主体(7)と、断熱主体(7)の溝(6)内に配された波形のヒータエレメント(8)とよりなる。波形ヒータエレメント(8)の振幅は溝(6)の幅よりも大きくなされ、その幅方向両側部分が溝(6)の両側面より断熱主体(7)内に入ることにより断熱主体(7)に一体的に支持されている。
【0014】
各筒状断熱層(3A)(3B)は、ガラスクロス(11a)からなりかつ多数の微孔質断熱材製微小中空球体(10)が封入された複数、ここでは4つののパウチ(11)からなる。すなわち、半円筒状に曲げられた2つの微小中空球体封入パウチ(11)の縁部同士が重ならないように当接させられて円筒状とされ、この円筒状物が端部同士が重ならないで当接するようにヒータ本体(2)の長さ方向に2つ並べられることにより、各筒状断熱層(3A)(3B)が形成されている。内外に隣り合う筒状断熱層(3A)(3B)におけるヒータ本体(2)の長さ方向に伸びるパウチ(11)同士の当接部(12A)(12B)は相互に周方向にずれている。また、内外に隣り合う筒状断熱層(3A)(3B)における2つの円筒状物同士の当接部(13A)(13B)は相互に長さ方向にずれている。すなわち、内外に隣り合う筒状断熱層(3A)(3B)における微小中空球体封入パウチ(11)の縁部同士の当接部が相互にずれている。
【0015】
なお、図2および図3においては、分かり易くするために微孔質断熱材製微小中空球体(10)を実際よりはかなり大きく示しているが、実際にはその大きさはμm単位である。
【0016】
微小中空球体(10)は、シリカを主成分とし、かつ多数のマイクロポアを有する材料で形成されており、その内径が空気中の気体分子の平均自由行程よりも小さくなされている。したがって、空気中の気体分子が微小中空球体(10)の周壁により隔離されることになり、気体分子が周壁により跳ね返される確率が高くなって気体分子同士の衝突が抑制され、その結果2つの筒状断熱層(3A)(3B)により優れた断熱性が得られる。
【0017】
微小中空球体封入パウチ(11)には、ヒータ端子や熱電対(いずれも図示略)を通す貫通穴(14)が形成されており、貫通穴(14)の周囲の部分においてパウチを構成するガラスクロス(11a)が縫い合わされている。これにより微小中空球体(10)のパウチ(11)からの洩れが防止され、発塵が抑えられている。
【0018】
なお、この発明による電気ヒータ(1)は、両端が開口している場合と、一端が閉鎖されている場合とがあり、その形態は限定されるものではない。
【0019】
次に、この発明による電気ヒータ(1)、および微小中空球封入パウチからなる筒状断熱材層が設けられていないことを除いてはこの発明の電気ヒータと同じ構成である従来品を用いて行った実験例について説明する。
【0020】
電気ヒータの両端開口をガラスウールにより閉鎖し、空炉状態で種々の設定温度に1時間加熱し、シェル(5)外周面の温度を測定して平均表面温度を求めた。また、消費電力量を測定し、この消費電力量に基づいてシェル(5)外周面からの熱損失削減率を求めた。その結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
表1から、本発明品は従来品に比べて消費電力が削減され、シェルの外周面からの熱損失が低減されていることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による半導体処理装置用電気ヒータを示す横断面図である。
【図2】同じく分解斜視図である。
【図3】微小中空球封入パウチを示す拡大断面図である。
【符号の説明】
(1):半導体処理装置用電気ヒータ
(2):ヒータ本体
(3A)(3B):筒状断熱層
(5):シェル
(8):断熱主体
(10):微孔質断熱材製微小中空球体
(11):パウチ
(12A)(12B)(13A)(13B):当接部
(14):貫通穴
Claims (3)
- セラミックス製断熱材からなりかつヒータエレメントが装着されている筒状ヒータ本体と、ヒータ本体の外周面を被覆する金属製シェルとを備えた半導体処理装置用電気ヒータにおいて、ヒータ本体の外周面とシェルとの間に、耐熱性クロスからなる複数の微小中空球体封入パウチにより構成された筒状断熱層が設けられており、筒状断熱層が、半円筒状に曲げられた2つの微小中空球体封入パウチの縁部同士が重ならないように当接させられて円筒状とされた円筒状物を備えており、微小中空球体の内径が空気中の気体分子の平均自由行程よりも小さくなされている半導体処理装置用電気ヒータ。
- ヒータ本体の外周面とシェルとの間に2層以上の筒状断熱層が設けられており、各筒状断熱層において隣り合う微小中空球体封入パウチの縁部同士が当接させられ、内外に隣り合う筒状断熱層における微小中空球体封入パウチの縁部同士の当接部が相互にずれている請求項1の半導体処理装置用電気加熱ヒータ。
- 筒状断熱層とシェルとの間に、セラミックスファイバ製マットが設けられている請求項1または2の半導体処理装置用電気ヒータ。
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