JPH05343170A - 光ファイバ加工用小型電気炉 - Google Patents

光ファイバ加工用小型電気炉

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JPH05343170A
JPH05343170A JP14275892A JP14275892A JPH05343170A JP H05343170 A JPH05343170 A JP H05343170A JP 14275892 A JP14275892 A JP 14275892A JP 14275892 A JP14275892 A JP 14275892A JP H05343170 A JPH05343170 A JP H05343170A
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ceramic
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ceramic tubular
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守 平山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐久寿命にすぐれ、発熱部の等温帯域幅が広
く、小型で取扱いやすく、しかも温度安定性にすぐれた
光ファイバ加工用小型電気炉を提供する。 【構成】 両端が開口したセラミックス管状体11の両
端部に、高温用電極12および端子13を直接取付け、
前記セラミックス管状体11全体を発熱部として構成し
たことを特徴とする。セラミックス管状体11の外周
に、耐火断熱材14を配置し、さらに前記セラミックス
管状体11と耐火断熱材14との間に空間15を形成す
ることによって、外気温度の影響を少なくすることがで
き、温度変動を小さくすることができる。セラミックス
管状体11および耐火断熱材14の軸方向に、その中空
部から外部へと連通した切欠き溝11a、14aを形成
することにより、光ファイバ20挿入取扱い性を向上す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光ファイバを加熱加
工するために使用する光ファイバ加工用小型電気炉に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光ファイバに融着、延伸およびコ
ア拡大などの加熱加工を施すに際しては、小型ガスバー
ナーや放電加工加熱が用いられていたが、最近ではセラ
ミックス発熱体を用いた小型電気炉およびヒーター加熱
方式の小型電気炉などが主として用いられている。
【0003】そして、これら光ファイバ加工用小型電気
炉には、1500℃以上の高温使用に対する耐久寿命が
すぐれること、発熱部の等温帯域幅が広いこと、取扱性
にすぐれること、および温度安定性にすぐれることなど
の種々の性能が要求されていた。
【0004】図3は、従来のセラミックス発熱体を用い
た光ファイバ加工用小型電気炉の斜視図を示し、高温・
長寿命のセラミックス発熱体、とくに1800℃で約1
000時間の耐久寿命を示すランタンクロマイト系セラ
ミックスを発熱体として用いた光ファイバ加工用小型電
気炉の概略を説明するものである。
【0005】図3において、セラミックス発熱体1は、
セラミックスを両端と中央部の径が相違する管状に加工
してなり、中央のセラミックス発熱部2と、両端の電極
4を含むセラミックス端子部3から構成されている。
【0006】セラミックス発熱部2とセラミックス端子
部3は、断面積(径)を相違させたり、またはセラミッ
クスの組成を変更することにより、電気抵抗に変化がつ
けられている。
【0007】すなわち、セラミックス発熱部2には電力
を効率よく熱に変換する性能が要求され、またセラミッ
クス端子部3は炉外に露出した電極4と炉内のセラミッ
クス発熱部2を連結し、セラミックス発熱部2との接合
部分では炉内温度に、また電極4部分では室温に近い温
度になる関係上、セラミックス発熱部2に比較して電気
抵抗が低い性能が要求されるのである。
【0008】したがって、上記セラミックス発熱体1の
設計に際しては、このセラミックス発熱体1の熱効率を
高め、しかも発生した熱を炉内に効率的に閉じ込めるた
めに種々の工夫を必要とし、例えば炉壁を断熱効果の高
い材質とし、しかもその厚みを増加する方法、および熱
伝導性の良いセラミックス端子部3を伝わって放熱する
量を少なくするために、セラミックス端子部3の長さを
長くする方法などがとられているが、これらの方法では
いずれもセラミックス端子部3の長さを長くしなくては
ならず、結局セラミックス発熱体1におけるセラミック
ス端子部3の長さが全体の長さの3分の2以上を占める
ことになる。
【0009】一方、この光ファイバ加工用小型電気炉に
よって加工される被加熱物の光ファイバは、通常その直
径が数百ミクロンで、ファイバを保護するためにその外
周を被覆材で覆っているものが一般的であり、この光フ
ァイバを融着、延伸およびコア拡大などの加熱加工に供
する場合に要する加熱温度は少なくとも1500℃以
上、加熱を要する光ファイバの長さは数10mmである。
【0010】さらに、光ファイバを加熱加工する場合に
は、加熱される光ファイバ自体の重さによってこの光フ
ァイバが曲がるのをできるだけ少なくするために、加工
中の光ファイバを支える支点を、セラミックス発熱部2
の近傍に位置せしめる必要があるため、この点からもセ
ラミックス発熱体1の長さを可能な限り短くしなくては
ならない。
【0011】このような事情から、上記セラミックス発
熱体を用いた光ファイバ加工用小型電気炉は、高温での
耐久寿命がすぐれるという特徴を有する反面、その実用
化には次のような問題があった。
【0012】(1) セラミックス発熱体を用いた電気炉
は、管状のセラミックス発熱体を多数配列し、その中心
を炉室とする構造の管状炉や箱型炉が一般的であるが、
複数のセラミックス発熱体を用いることから小型化が不
可能であり、熱容量が大きく、熱応答性に欠けるため、
迅速な温度制御を必要とする光ファイバの延伸加工用に
は適さない。
【0013】(2) 1本の管状セラミックス発熱体を用
い、その中空部に光ファイバを挿入して加熱する構造の
小型電気炉として適用した場合には、熱容量を小さくす
ることが可能で、熱応答性も高めることができるが、セ
ラミックス発熱体のセラミックス端子部が長いために、
電気炉全体の長さを短くすることができない。
【0014】なお、上記(2) の問題を解決する手段とし
ては、例えば図4に示したように、セラミックス発熱部
2を短尺化し、このセラミックス発熱部2の外周部に電
極4を含むセラミックス端子部3を配置する方法、およ
び図5に示したように、セラミックス発熱体1の中央部
にセラミックス発熱部2を形成すると共に、両側の電極
4を含むセラミックス端子部3をこのセラミックス発熱
部2から曲折させることにより、電気炉自体の長さを短
尺化する方法などが考えられる。
【0015】しかしながら、セラミックス発熱体の材質
のなかでも、炭化ケイ素系セラミックスは、機械的な衝
撃や曲げ応力が強いため、上記図4および図5に示した
ような短尺化の形成が可能であるが、この炭化ケイ素系
セラミックスは使用可能な発熱体表面最高温度が140
0℃と低いことから、1500℃以上の高温を必要とす
る光ファイバの加熱加工には適用することができない。
【0016】また、最高1900℃で使用可能なランタ
ンクロマイト系セラミックスは、衝撃や曲げ応力にきわ
めて弱いことから、上記図4および図5に示したような
短尺化の形成が不可能であり、結局長さを大きくしたま
まで使用せざるを得ないという問題があった。
【0017】一方、図6および図7は、例えば特開平3
−187937号公報で提案されている従来のヒーター
加熱方式の小型電気炉の斜視図を示し、アルミナ絶縁管
と金属電極とを組合わせて形成した光ファイバ加工用小
型電気炉の概略を説明するものである。
【0018】すなわち、図6において、5は両端が開口
した管状体からなるアルミナ絶縁管(炉芯管)であり、
6は前記アルミナ絶縁管5の軸方向に切欠き形成され、
前記アルミナ絶縁管5の中空部へと光ファイバ8を挿入
するための切欠き溝、7は前記アルミナ絶縁管5の外周
に前記切欠き溝6を覆わないように櫛型に配置され、図
示しない耐熱セメントにより固定された金属箔を示し、
前記金属箔7に両端から電流を流すことにより、前記金
属箔7を発熱体としてアルミナ絶縁管5を加熱し、光フ
ァイバ8の加熱加工を行う構造からなっている。
【0019】また、図7は、上記図6における櫛型の金
属箔7の代わりに、金属箔7をアルミナ絶縁管5の発熱
部形成部分の全外周に、切欠き溝6を覆わないよう配置
することによって、上記図6と同様に、金属箔7に両端
から電流を流すことにより、前記金属箔7を発熱体とし
てアルミナ絶縁管5を加熱し、光ファイバ8の加熱加工
を行う構造となしたものである。
【0020】しかるに、上記ヒーター加熱方式による光
ファイバ加工用小型電気炉は、温度制御にすぐれるとい
う利点を有する反面、その実用化には次のような問題を
包含していた。
【0021】(1) 高温において白金合金などの金属箔7
からなる発熱体が変形するため、支持体としてのアルミ
ナ絶縁管(炉芯管)5を欠くことができない。
【0022】(2) アルミナ絶縁管6に金属箔7を密着さ
せることが難しいばかりか、熱衝撃によって金属箔7が
アルミナ絶縁管5から剥がれやすいため、製造に当たっ
ては特別な工夫が必要である。
【0023】(3) 金属箔7からなる発熱体は、発熱部と
電流を供給するための図示していない端子部とから形成
されるが、端子部の発熱を避けるには、発熱体の両端に
位置する端子部を、発熱部の電気抵抗に比べてはるかに
低い電気抵抗を有する構造にしなくてはならないことか
ら、構造上発熱部金属の断面積を小さく、端子部金属の
断面積を大きくする必要がある。したがって、熱的には
端子部の熱伝導・熱放散が大きくなって、端子部から発
熱部にかけての温度低下を招き、発熱部の長さに比較し
て等温帯域幅が狭くなる。
【0024】(4) 発熱部を形成する金属の断面積を小さ
くするために、発熱部金属の厚みを大きくすることがで
きない。しかも発熱部金属に電流を流して発熱させるこ
とから、発熱部金属が蒸発する傾向があり、金属が蒸発
消費される結果として発熱部の断線を招くため、発熱体
の耐久寿命が劣る(例えば白金80%/ロジウム20%
の白金/ロジウム合金からなる厚み30ミクロンの金属
箔の場合には、1550℃の加熱温度で約70時間の耐
久寿命しかない)。
【0025】(5) 金属の電気抵抗率(固有抵抗)は、一
般にきわめて低く、例えば白金系合金を発熱体とする場
合には、大電流・低電圧駆動になる。とくに大電流駆動
の場合には、接触抵抗や配線抵抗を低く抑えないと過度
に発熱するため、取扱いに細心の注意を必要とする。
【0026】(6) 熱容量が小さく、発熱体が外部に剥き
だしとなっているため、対流や風などによる外気温度の
影響を受けやすく、温度安定性に欠ける。
【0027】以上説明したように、従来の光ファイバ加
工用小型電気炉は、それぞれの特徴は有しているもの
の、種々の要求性能をすべて満たしているものであると
はいえず、性能向上のための改良がしきりに望まれてい
た。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述した
従来の光ファイバ加工用小型電気炉が有する問題点を解
決するために検討した結果達成されたものである。
【0029】したがって、この発明の目的は、耐久寿命
にすぐれ、発熱部の等温帯域幅が広く、小型で取扱いや
すく、しかも温度安定性にすぐれた光ファイバ加工用小
型電気炉を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明の光ファイバ加工用小型電気炉は、両端
が開口したセラミックス管状体の両端部に、高温用電極
および端子を直接取付け、前記セラミックス管状体全体
を発熱部として構成したことを特徴とする。
【0031】また、この発明の光ファイバ加工用小型電
気炉は、セラミックス管状体の外周に耐火断熱材を配置
することができる。
【0032】さらに、この発明の光ファイバ加工用小型
電気炉は、セラミックス管状体と耐火断熱材との間に空
間を形成することができ、セラミックス管状体またはセ
ラミックス管状体および耐火断熱材の軸方向全長に亘っ
て、その中空部から外部へと連通した切欠き溝を形成す
ることもできる。
【0033】さらにまた、この発明の光ファイバ加工用
小型電気炉は、セラミックス管状体をランタンクロマイ
ト系セラミックスから形成することが最も好ましい。
【0034】
【作用】この発明の光ファイバ加工用小型電気炉は、セ
ラミックス管状体の両端部に、高温用電極および端子を
直接取付け、前記セラミックス管状体全体を発熱部とし
て構成したため、従来のセラミックス端子部が不要とな
り、高温での耐久寿命がすぐれたセラミックス発熱体を
用い、かつその長さを縮小することができる。
【0035】セラミックス管状体は、発熱体であると同
時に光ファイバの支持体としての機能を有するため、従
来の絶縁管が不要となるばかりか、発熱体が絶縁管から
剥がれるという問題も解消する。
【0036】セラミックス発熱体は、白金合金などの金
属発熱体に比べて電気抵抗率がはるかに大きく、端子に
細い線を用いることができるため、端子からの熱放散を
少なくすることができ、電気炉の等温帯域幅が広くなる
ばかりか、金属発熱体に比較して低電流駆動が可能であ
るため、接触抵抗による発熱などの電気配線に特別な注
意を払う必要がなく、取扱いが容易である。
【0037】また、セラミックス管状体の外周に耐火断
熱材を配置し、とくにセラミックス管状体と耐火断熱材
との間に空間を形成することによって、外気温度の影響
を少なくすることができ、断熱効果により発熱体から発
生した熱を閉じ込めることができるため、光ファイバを
加熱する熱効率が向上する。
【0038】そればかりか、二重構造にすることによっ
て、曲げ応力に弱い発熱体を耐火断熱材で保護し、発熱
体の損傷を少なくすると共に、取扱い時に発熱体に不純
物がつくことがなく、作業者の火傷や配線短略などの事
故を未然に防ぐことができる。
【0039】さらに、セラミックス管状体またはセラミ
ックス管状体および耐火断熱材の軸方向全長に亘って、
その中空部から外部へと連通した切欠き溝を形成するこ
とによって、この切欠き溝に沿って光ファイバをセラミ
ックス管状体の中空部へ挿入することができ、加工時の
取扱い性がすぐれている。
【0040】
【実施例】以下、図面を参照しつつ、この発明の光ファ
イバ加工用小型電気炉の実施例について詳細に説明す
る。
【0041】図1はこの発明の光ファイバ加工用小型電
気炉の第1実施例を示す一部切欠き斜視図、図2は同じ
く第2実施例を示す一部切欠き斜視図である。
【0042】図1に示した第2実施例において、この発
明の光ファイバ加工用小型電気炉10は、両端が開口し
たセラミックス管状体11を基本構造とし、その両端部
に高温用電極12および端子13を直接取付け、前記セ
ラミックス管状体11の全体を発熱部として構成したこ
とを特徴としている。
【0043】セラミックス管状体11の素材としては、
ランタンクロマイト(LaCrO2)系セラミックスが
最も好ましく用いられるが、二ケイ化モリブデン(Mo
Si2 )系セラミックスおよび炭化ケイ素(SiC)系
セラミックスなども用いることができる。
【0044】セラミックス管状体11の形状は、加熱加
工に供する光ファイバの種類に応じて任意に設計可能で
あるが、通常は長さ:25〜80mm、直径:4〜10m
m、中空径:2〜5mm程度のものが好適である。
【0045】セラミックス管状体11には、従来のよう
に例えば両端部を大径化したセラミックス端子部を設け
る必要がなく、軸方向の径を均等として、両端部に高温
用電極12および端子13を直接取付け、その全体を発
熱部として構成することができる。
【0046】高温用電極12および端子13の素材とし
ては、白金、ロジウム、白金/ロジウム合金およびクロ
ムなどを使用することができる。
【0047】すなわち、図1においては、セラミックス
管状体11の両端部に例えば白金ペーストを塗布して高
温用電極12が形成され、またこの高温用電極12に例
えば直径:0.3mm、長さ:12cmの白金線を3回巻き
付けて、これを白金ペーストで固定することにより、端
子13が形成されている。
【0048】この第1実施例においては、セラミックス
管状体11の中空部11bに光ファイバを挿入し、高温
用電極12および端子13に電流を流すことによって、
セラミックス管状体11の全体を最高1900℃程度に
加熱することができ、光ファイバに効率的な加熱加工を
施すことが可能である。
【0049】次に、図2に示した第2実施例は、セラミ
ックス管状体11の外周に耐火断熱材14を配置し、セ
ラミックス管状体11と高温用電極14との間に空間1
5を形成すると共に、セラミックス管状体11および耐
火断熱材14の軸方向全長に亘って、その中空部11b
および空間15から外部へと連通した切欠き溝11a、
14aをそれぞれ形成した点が、上述した第1実施例と
相違している。
【0050】この第2実施例において、耐火断熱材14
は、断熱効果によりセラミックス管状体11から発生し
た熱を閉じ込めると共に、外気温度の影響を少なくし
て、光ファイバを加熱する熱効率を向上するために機能
し、セラミックス管状体11の両端におけるセラミック
ス管状体11と耐火断熱材14の間には、耐火セメント
などの耐火断熱材16によりシールされている。
【0051】この耐火断熱材14の材質としては、発泡
アルミナ、発泡マグネシアおよび発泡ジルコニアなどが
好ましく用いられる。
【0052】耐火断熱材14の厚みにはとくに制限はな
いが、通常は3〜6mmの範囲が好適である。
【0053】なお、図2においては、セラミックス管状
体11と耐火断熱材14との間に空間15を形成してい
るが、とくに空間15を形成せずに、セラミックス管状
体11と耐火断熱材14を密着配置することも可能であ
る。
【0054】また、セラミックス管状体11からの蒸発
物が光ファイバに付着拡散することが問題となる場合
や、セラミックス管状体11の中空部内壁を絶縁化した
い場合などには、セラミックス管状体11中に高純度ア
ルミナ絶縁管を配置した構造とすることもできる。
【0055】切欠き溝11a、14aは、セラミックス
管状体11および耐火断熱材14の軸方向全長にわた
り、例えばカッターなどを用いて幅0.5〜1.5mm程
度の切込みをいれることによって形成されており、これ
ら切欠き溝11a、14aは、セラミックス管状体11
の軸心に対向していて、これら切欠き溝11a、14a
に沿ってセラミックス管状体11の中空部11bへ光フ
ァイバ20を挿入することによって、光ファイバ20の
加熱加工時の取扱い性を高めるために機能する。
【0056】この第2実施例の光ファイバ加工用小型電
気炉10を作成するに際しては、例えばセラミックス管
状体11の両端部に例えば白金ペーストを塗布して高温
用電極12を形成し、この高温用電極12に例えば直
径:0.3mm、長さ:12cmの白金線を3回巻き付け
て、これを白金ペーストで固定することにより、端子1
3を形成する。
【0057】次に、このセラミックス管状体11を例え
ば発泡アルミナの管状体などからなる耐火断熱材14の
中空内に配置し、その両端に耐火セメント16を塗布し
て、耐火断熱材14およびセラミックス管状体11の高
温用電極12、端子13部分を固定し、さらに耐火セメ
ント16を焼結した後、セラミックス管状体11および
耐火断熱材14の軸方向全長に亘って、所望幅の切欠き
溝11a、14aを形成することにより、光ファイバ加
工用小型電気炉10が完成する。
【0058】この第2実施例の光ファイバ加工用小型電
気炉においては、切欠き溝11aおよび14aに沿っ
て、セラミックス管状体11の中空部11bに光ファイ
バ20を挿入することができるため、光ファイバ20の
取扱い性がすぐれており、しかも、高温用電極12およ
び端子13に電流を流すことによって、セラミックス管
状体11の全体を最高1900℃程度に加熱することが
でき、耐火断熱材14によるすぐれた断熱効果のもと
に、効率的な加熱加工を施すことができる。
【0059】以下に試験例を挙げて、この発明の光ファ
イバ加工用小型電気炉の構成および効果についてさらに
詳細に説明する。
【0060】[試験例]ランタンクロマイト系セラミッ
クからなる外径:6.0mm、内径:3.0mm、長さ:5
5.0mmのセラミックス管状体を準備し、その両端から
それぞれ2.0mmの部位に白金ペーストを塗布して高温
用電極を形成し、さらにこの高温用電極に太さ:0.3
mm、長さ:12cmの白金線を3回巻き付け、これを白金
ペーストで固定して端子を形成することにより、この発
明の光ファイバ加工用小型電気炉(A)を得た。
【0061】また、上記光ファイバ加工用小型電気炉
(A)を、外径:15.0mm、内径:9.0mm、長さ:
55.0mmの発泡アルミナからなる管状の耐火断熱材内
中心位置に配置し、この耐火断熱材の両端に耐火セメン
トを塗布して、耐火断熱材およびセラミックス管状体の
高温用電極、端子部分を固定し、さらに耐火セメントを
焼結した後、セラミックス管状体および耐火断熱材の軸
方向全長に亘って、幅:1.0mmの切欠き溝をそれぞれ
形成することにより、この発明の光ファイバ加工用小型
電気炉(B)を得た。
【0062】一方、比較のために、外径:3.0mm、内
径:2.0mm、長さ:55.0mmのアルミナ絶縁管の外
周に、白金:80%、ロジウム:20%の白金/ロジウ
ム合金からなる厚さ30ミクロンの金属膜をスパッタで
形成し、この金属膜に太さ:1.0mm、長さ:12cmの
白金線を2回巻き付けて、端子を形成することにより、
図7に示した態様の比較用光ファイバ加工用小型電気炉
(C)を得た。
【0063】これら3種類の光ファイバ加工用小型電気
炉について、その発熱部内に直径:0.125mmの光フ
ァイバを位置せしめ、発熱部を1550℃に加熱した場
合の初期印加電流と消費電力、電極の温度、1400℃
以上に加熱されている光ファイバの長さを示す温度帯域
幅、および発熱部が破損するまでの時間を示す耐久寿命
の評価を行った結果を表1に示す。
【0064】
【表1】 表1の結果から明らかなように、この発明の光ファイバ
加工用小型電気炉AおよびBは、従来の光ファイバ加工
用小型電気炉Cに比較して、初期印加電流と消費電力、
電極の温度、等温帯域幅、および耐久寿命が飛躍的に向
上している。
【0065】すなわち、この発明の光ファイバ加工用小
型電気炉によれば、発熱に寄与しないセラミックス端子
部を省略し、セラミックス管状体の全体を発熱部として
構成したため、高温熱効率がすぐれ、しかもセラミック
ス管状体は白金系の発熱体に比較して電気抵抗率が大き
いので印加電流が少なくてすみ、端子を細くできること
から、端子からの熱放散も減少することができる。その
上、高温用電極および端子として、高温の空気中で安定
な金属材料を用いた構造であるため、高温用電極および
端子の高温耐久性がすぐれている。
【0066】したがって、高温用電極をきわめて高温に
することができ、短い炉長であっても、等温帯域幅を広
くすることができる。
【0067】また、とくに光ファイバ加工用小型電気炉
(B)の構造では、セラミックス管状体を耐火断熱材で
包む構造としたことから、熱容量の小さな発熱体であっ
ても、外気温度の影響を少なくすることができ、温度変
動を小さくすることが可能である。その上、発生した熱
を閉じ込めることができるため、光ファイバを加熱する
熱効率が向上して、消費電力を小さくし、発熱体の耐久
寿命を延ばすことも可能であり、熱容量の小さな耐火断
熱材を用いることによって、これらの効果をさらに大き
くすることができる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の光ファ
イバ加工用小型電気炉においては、その請求項1の基本
構造により、次のようなすぐれた効果を得ることができ
る。
【0069】(1) 高温、超寿命の電気炉を形成すること
ができる。
【0070】(2) 短い炉長であっても等温帯域幅を広く
することができる。
【0071】(3) 接触抵抗などの電気配線に特別な考慮
を払う必要がない。
【0072】(4) セラミックス管状体(発熱体)自体が
光ファイバの支持体となるため、絶縁管などを必要とし
ない。
【0073】(5) 熱効率がよく、消費電力を小さくする
ことができる。
【0074】さらに、この発明の光ファイバ加工用小型
電気炉は、上記基本構造に請求項2〜5の要件を加える
ことによって、以下に述べる一層の改良効果を発揮す
る。
【0075】(6) セラミックス管状体を耐火断熱材で包
む構造とすることによって、熱容量の小さな発熱体であ
っても、外気温度の影響を少なくすることができ、温度
変動を小さくすることが可能であるばかりか、発生した
熱を閉じ込めることができるため、光ファイバを加熱す
る熱効率が向上して、消費電力を小さくし、発熱体の耐
久寿命を延ばすことができる。
【0076】(7) 発熱体の熱放射が耐火断熱材で遮られ
るため、狭いスペースにも電気炉を効率的に設置するこ
とができる。
【0077】(8) 発熱体に直接手などが触れない構造と
なるため、取扱い上手の不純物などが高純度の発熱体に
付くことがなく、さらには火傷や配線短絡などの事故を
未然に防ぐことができる。
【0078】(9) セラミックス管状体と耐火断熱材との
間に空間を形成することによって、この空間内の空気層
により断熱効果を一層高めることができ、また発熱体か
ら発生する蒸気のほとんどが耐火断熱材の内表面に固化
付着するため、有害な蒸気を大気中に放出することが少
ない。
【0079】(10)セラミックス管状体および耐火断熱材
の軸方向に切欠き溝を設けることによって、この切欠き
溝に沿って光ファイバをセラミックス管状体の中空内に
容易に入れることができ、取扱い性がきわめてすぐれて
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の光ファイバ加工用小型電気炉
の第1実施例を示す一部切欠き斜視図である。
【図2】図2は同じく第2実施例を示す一部切欠き斜視
図である。
【図3】図3は従来のセラミックス発熱体の斜視図であ
る。
【図4】図4は同じくセラミックス発熱体の他の態様を
示す斜視図である。
【図5】図5は同じくセラミックス発熱体の他の態様を
示す斜視図である。
【図6】図6は従来のヒーター加熱方式の光ファイバ加
工用小型電気炉の斜視図である。
【図7】図7は同じくヒーター加熱方式の光ファイバ加
工用小型電気炉の他の態様を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 光ファイバ加工用小型電気炉 11 セラミックス管状体 11a 切欠き溝 11b 中空部 12 高温用電極 13 端子 14 耐火断熱材 14a 切欠き溝 15 空間 16 耐火セメント 20 光ファイバ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端が開口したセラミックス管状体の両
    端部に、高温用電極および端子を直接取付け、前記セラ
    ミックス管状体全体を発熱部として構成したことを特徴
    とする光ファイバ加工用小型電気炉。
  2. 【請求項2】 セラミックス管状体の外周に、耐火断熱
    材を配置したことを特徴とする請求項1に記載の光ファ
    イバ加工用小型電気炉。
  3. 【請求項3】 セラミックス管状体と耐火断熱材との間
    に空間を形成したことを特徴とする請求項1または2に
    記載の光ファイバ加工用小型電気炉。
  4. 【請求項4】 セラミックス管状体またはセラミックス
    管状体および耐火断熱材の軸方向全長に亘ってに、その
    中空部から外部へと連通した切欠き溝を形成したことを
    特徴とする請求項1、2または3に記載の光ファイバ加
    工用小型電気炉。
  5. 【請求項5】 セラミックス管状体がランタンクロマイ
    ト系セラミックスからなることを特徴とする請求項1、
    2、3または4に記載の光ファイバ加工用小型電気炉。
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