JP2002022554A - 高温用熱電対及びその製造方法 - Google Patents

高温用熱電対及びその製造方法

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JP2002022554A
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thermocouple
tube
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insulated
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Kenro Yamamoto
賢朗 山元
Makoto Yoshiizumi
良 吉泉
Masuo Yamaguchi
増男 山口
Atsushi Nakatsuka
篤 中塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 劣化しにくく、また容易な取り扱いにて、測
定温度や測温環境に応じた最適な材質として延命化を図
ることができる高温用熱電対及びその製造方法を提供す
ること。 【解決手段】 2本の素線22a、22bは固形焼結絶
縁管23に通されて相互に絶縁されており、固形焼結絶
縁管23より延出するそれぞれの素線の一端部は接続さ
れて測温接点22cが形成され、少なくとも測温接点2
2cを含む先端側は、両端が閉じられた保護管24内に
収められて高温用熱電対21が構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温度の計測に使
用される高温用熱電対及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は、高温用熱電対6を、真空焼結炉
1の断熱材2で囲まれる加熱区画3の温度測定用として
取り付けた状態を示す。高温用熱電対6は、例えばMo
で成るホルダー5で天井側の断熱材2に吊られ、加熱区
画3内に設けられた熱遮蔽板4を貫通して、その測温接
点6aが加熱区画3内に挿入されている。基準接点側は
電極端子7に取り付けられている。加熱区画3内の断熱
材2による側壁の内面側には図示しない棒状ヒータが設
置されており、下方から挿入される被処理物を、真空中
で1800℃の高温で加熱処理する。そして、高温用熱
電対6により測定された温度に基づいて加熱区画3内の
温度制御や過熱警報がなされる。
【0003】図5に高温用熱電対6の拡大図を示す。2
本の素線12a、12bはタングステン−レニウム系素
線(W・5%Re/W・26%Re)が使用されてい
る。ホルダー5には、例えばWから成る細長いU字形状
の支持具13が、素線12a、12bの下端(測温接
点)6aより低い位置まで延びて取り付けられており、
素線12a、12bの振動を防ぐためにその測温接点6
aはTaワイヤ14で緩く結んで支持具13に固定され
ている。素線12a、12bはそれそれ高純度のアルミ
ナ焼結絶縁管15に通され(図においては2本のアルミ
ナ焼結絶縁管15が紙面を貫く方向に重なっている)、
断熱材2、ホルダー5、支持具13と接触する部分等は
素線相互間も含め絶縁されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】素線12a、12bは
熱処理雰囲気中に直接さらされており、被処理物や断熱
材などからの放出物による汚染や、雰囲気ガスによって
は酸化や腐食し、また、高温度での使用により脆くなる
などして、使用期間が短い、取り扱い時に断線しやすい
などの問題がある。
【0005】また、従来より、素線が雰囲気の影響を受
けないよう保護されたものがあり、これは図6及び図7
(図6における[7]−[7]線方向の断面図)に示さ
れるように、一端で接続され測温接点9cを形成した素
線9a、9bを金属保護管10内に収め、素線9a、9
b相互の間及び素線9a、9bと金属保護管10との間
に粉体絶縁物11を詰めている。
【0006】粉体絶縁物11としてはマグネシア(Mg
O)やアルミナ(Al23)などが用いられるが、12
00℃以上の高温におけるマグネシアやアルミナの粉体
絶縁物は絶縁抵抗が急激に低下する欠点がある。これに
対し、固形焼結絶縁管の絶縁抵抗は、同質の粉体絶縁物
より約10倍程度高い値を示す。また、粉体絶縁物を用
いたこの熱電対では、その製造、及び測定温度や測温環
境に応じた材質の変更が容易に行えない。
【0007】本発明は上述の問題に鑑みてなされ、劣化
しにくく、また容易な取り扱いにて、測定温度や測温環
境に応じた最適な材質として延命化を図ることができる
高温用熱電対及びその製造方法を提供することを課題と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するに
あたり、本発明では、2本の素線は固形焼結絶縁管に通
されて相互に絶縁されており、その固形焼結絶縁管より
延出するそれぞれの素線の一端部は接続されて測温接点
が形成され、少なくとも測温接点を含む先端側は、両端
が閉じられた保護管内に収められて高温用熱電対が構成
される。
【0009】また、本発明では、2本の素線を固形焼結
絶縁管に通して互いに絶縁し、その固形焼結絶縁管より
延出するそれぞれの素線の一端部を接続して測温接点を
形成し、少なくとも測温接点を含む先端側を保護管内に
挿入した後、保護管の両端を封じて高温用熱電対を製造
する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0011】図1に本発明の実施の形態による高温用熱
電対21を示す。2本の素線22a、22bはタングス
テン−レニウム系素線であり、固形焼結絶縁管23に通
され、この固形焼結絶縁管23より延出するそれぞれの
一端は例えば溶接などにより接続され測温接点22cを
形成している。基準接点側の他端にはそれぞれ端子26
a、26bが取り付けられ、図4に示す電極端子7に取
り付けられている。
【0012】固形焼結絶縁管23は、図1に示すライン
Aを境にこれより先端側(測温接点22c側)23aは
ベリリア(BeO)で構成され、他の部分23bはアル
ミナで構成されている。
【0013】図2は、図1における[2]−[2]線方
向の断面図を示すが、固形焼結絶縁管23には、長さ方
向に沿って2つの丸孔27a、27bが形成されてお
り、これら丸孔27a、27bに素線22a、22bが
それぞれ通され相互に絶縁されている。
【0014】また、図1に示されるように、固形焼結絶
縁管23は長さ方向に関して複数に分割されており、例
えばベリリアで成る絶縁管23aは5分割されている。
【0015】測温接点22cを含む先端側は、一端24
aが閉じた保護管24(Taで成る)内に挿入され、保
護管24の他端24bは液状セラミックスで封じられて
いる。保護管24には、ガス抜き孔24cが形成されて
おり、この高温用熱電対21が図4に示される真空熱処
理炉1に取り付けられ、その加熱区画3内が真空引きさ
れるのにともなって保護管24内もガス抜きされる。
【0016】以上のように構成される高温用熱電対21
は、従来と同様、図4に示される真空熱処理炉1の加熱
区画3内の温度測定に使用され、図3はその取り付けを
示す拡大図である。
【0017】高温用熱電対21の保護管24は、グラフ
ァイトで成るホルダー28の貫通孔28aを貫通してお
り、貫通孔28aの直角方向からねじ込まれた2本のボ
ルト29、29の先端部で挟み込まれてホルダー28に
対して取り付けられている。
【0018】そして、高温用熱電対21は、ホルダー2
8で断熱材2に吊られ、熱遮蔽板4を貫通して、その測
温接点22aが加熱区画3に挿入され、加熱区画3の温
度が測定される。
【0019】図5に示す従来の高温用熱電対6の交換頻
度が約3ヶ月であったのが、本実施の形態による高温用
熱電対21では12ヶ月以上であり延命効果が得られ
た。
【0020】また、高温用熱電対21は、測定温度や測
温環境に応じて、素線22a、22bの材質、保護管2
4の材質、固形焼結絶縁管23の材質を変えてこれらの
組み合わせにて延命化を図ることができる。例えば、ア
ルミナ絶縁管23bは1800℃の高温真空中では昇華
により絶縁抵抗が低下するため、約1800℃に加熱さ
れる加熱区画3内に挿入される部分には、より高温度で
の使用に耐えられるベリリア絶縁管23aを用いてい
る。そして、アルミナ絶縁管23bは、1000℃以下
となる加熱区画3の外部の部分に用いている。
【0021】上記以外にも、素線は白金−ロジウム系素
線、Pt・Mo−Pt系素線、Ni・Mo−Ni系素線
などが用いられ、固形焼結絶縁管はマグネシアなど、金
属保護管はモリブデン、ニオブ、タングステン、ジルコ
ニアなどを用いて、上記で挙げたものと合わせて、測温
環境雰囲気や温度に適した組み合わせとして延命化を図
ることができる。
【0022】また、固形焼結絶縁管23を用いることに
より、熱電対の製造が粉体絶縁物を用いた場合に比べて
容易になるとともに、他の材質のものとの交換も容易に
できる。更に、分割されているので、上述したように、
より高温の部分にはベリリアを用いるなど部分的な材質
の変更も容易に行える。
【0023】また、従来の高温用熱電対6に比べ小径と
なり、断熱材2及び熱遮蔽板4の貫通孔を小径にするこ
とが可能なため、加熱時における熱損失が小さくできる
省電力効果を奏する。
【0024】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発
明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0025】上記実施の形態では、図2に示されるよう
に2本の素線22a、22bは、1本の絶縁管23に形
成された2つの孔27a、27bにそれぞれ通されて絶
縁されているが、それぞれが中空状の絶縁管2本に、素
線を1本ずつ通して絶縁するようにしてもよい。
【0026】また、測温環境も真空中に限ることはな
く、不活性ガスや、他のガス雰囲気での温度測定にも用
いることができる。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、長期
にわたる安定な使用を可能とし、また、測定温度や測温
環境に応じた最適な材質とすべく取り扱いを容易且つ安
価に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による高温用熱電対の部分
断面図である。
【図2】図1における[2]−[2]線方向の拡大断面
図である。
【図3】同高温用熱電対の取り付けを示す断面図であ
る。
【図4】熱処理炉の断面図である。
【図5】従来の高温用熱電対の側面図である。
【図6】他従来の高温用熱電対の要部の断面図である。
【図7】図6における[7]−[7]線方向の断面図で
ある。
【符号の説明】 21 高温用熱電対 22a 素線 22b 素線 22c 測温接点 23 固形焼結絶縁管 23a ベリリア絶縁管 23b アルミナ絶縁管 24 保護管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 増男 神奈川県茅ヶ崎市萩園2500 日本真空技術 株式会社内 (72)発明者 中塚 篤 神奈川県茅ヶ崎市萩園2500 日本真空技術 株式会社内 Fターム(参考) 2F056 CB05 KC03 KC06 KC08 KC11 KC12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2本の素線は固形焼結絶縁管に通されて
    相互に絶縁されており、前記固形焼結絶縁管より延出す
    るそれぞれの素線の一端部は接続されて測温接点が形成
    され、少なくとも前記測温接点を含む先端側は、両端が
    閉じられた保護管内に収められていることを特徴とする
    高温用熱電対。
  2. 【請求項2】 前記固形焼結絶縁管は、長さ方向に関し
    て分割されていることを特徴とする請求項1に記載の高
    温用熱電対。
  3. 【請求項3】 熱処理炉の加熱区画内の温度測定に用い
    られ、前記加熱区画内に挿入される部分に前記保護管が
    設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の高温用熱電対。
  4. 【請求項4】 前記加熱区画内に挿入される部分の固形
    焼結絶縁管はベリリアで成ることを特徴とする請求項3
    に記載の高温用熱電対。
  5. 【請求項5】 2本の素線を固形焼結絶縁管に通して互
    いに絶縁し、前記固形焼結絶縁管より延出するそれぞれ
    の素線の一端部を接続して測温接点を形成し、少なくと
    も前記測温接点を含む先端側を保護管内に挿入し、前記
    保護管の両端を封じることを特徴とする高温用熱電対の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記固形焼結絶縁管は、長さ方向に関し
    て分割されていることを特徴とする請求項5に記載の高
    温用熱電対の製造方法。
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